JP2007290471A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外付け電源を変更しなくても、複数のモータを用いて大きな操舵補助力が得られるようにする。
【解決手段】主操舵補助モータ11は、車載バッテリ3から電力の供給を受けて操舵補助力を発生させる。副操舵補助モータ21は、補助電源23から電力の供給を受けて操舵補助力を発生させる。ECU4は、必要な操舵補助力が主操舵補助モータ11の最大出力以上のときには、主操舵補助モータ11と副操舵補助モータ21の両方を駆動し、それ以外のときには、主操舵補助モータ11のみを駆動すると共に、必要に応じて補助電源23を充電する制御を行う。車載バッテリ3から副操舵補助モータ21に電力を供給する必要がなく、2台の電動モータによる大きな操舵補助力を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスモータによって車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、運転者がハンドル(ステアリングホイール)に加える操舵トルクに応じて電動モータを駆動することにより車両のステアリング機構に操舵補助力を与える電動パワーステアリング装置が用いられている。
大型車などに搭載される電動パワーステアリング装置には、大きな操舵補助力が要求される。大きな操舵補助力を得るためには、電動モータのサイズを大きくする方法や、電動モータの駆動電流を増加させる方法が考えられる。ところが、電動パワーステアリング装置では実装スペースや発熱量に制限があるために、これらの方法を適用できないことがある。
そこで、大きな操舵補助力が得られる電動パワーステアリング装置として、特許文献1には、2台の操舵補助用モータの回転力を個別の減速機を介して操舵機構に伝達する電動パワーステアリング装置が記載されている。また、特許文献2には、電動モータへの電力供給源として、主電源と補助電源とを備えた電動パワーステアリング装置が記載されている。
特開平7−172326号公報 特開2003−320942号公報
特許文献1には、電動パワーステアリング装置に対する電力の供給方法について特段の記載はない。そこで、特許文献1記載の電動パワーステアリング装置に対して、バッテリ(鉛蓄電池)から電力を供給したとする。ところが、バッテリの出力電流には一定の限界があり、様々な箇所で電力を消費する昨今の車両では、1台の操舵補助用モータを駆動するだけでもバッテリの出力電流が限界に近くなることもある。このため、大きな操舵補助力を得るために操舵補助用モータを追加すると、従来のバッテリでは性能が不足し、バッテリを大型化するなど車両の設計を大幅に変更する必要が生じることがある。
また、特許文献2に記載された電動パワーステアリング装置は、電動モータを1台しか備えていない。このため、特許文献2記載の電動パワーステアリング装置では、1台の電動モータによる操舵補助力しか得られない。
それ故に、本発明は、外付け電源を変更しなくても大きな操舵補助力が得られる、複数のモータを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、複数のモータを備えた電動パワーステアリング装置であって、
車両のステアリング機構に与えられる操舵補助力を発生させる主操舵補助モータと、
前記主操舵補助モータと共に前記操舵補助力を発生させる副操舵補助モータと、
前記主操舵補助モータの電源とは別個に設けられ、前記副操舵補助モータに電力を供給する補助電源と、
必要な操舵補助力が所定量以上のときには前記主操舵補助モータと前記副操舵補助モータの両方を駆動し、それ以外のときには前記主操舵補助モータのみを駆動する制御手段とを備える。
第2の発明は、第1の発明において、
前記制御手段は、必要な操舵補助力が所定量未満のときには前記補助電源を充電する制御を行うことを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記補助電源は電気2重層キャパシタであることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明において、
前記補助電源は2次電池であることを特徴とする。
上記第1の発明によれば、必要な操舵補助力が所定量以上のときには、主操舵補助モータと副操舵補助モータの両方が駆動されるので、2台のモータで発生する操舵補助力を合わせた大きな操舵補助力を得ることができる。また、副操舵補助モータ用に補助電源を備えているので、外付け電源から副操舵補助モータに電力を供給する必要がない。したがって、外付け電源を変更しなくても、大きな操舵補助力を得ることができる。
上記第2の発明によれば、必要に応じて補助電源を充電することにより、補助電源を長期間に亘って使用することができる。
上記第3の発明によれば、補助電源として電気2重層キャパシタを用いることにより、充放電を高速化し、補助電源を半永久的に使用することができる。
上記第4の発明によれば、補助電源として2次電池を用いることにより、装置を小型、軽量化することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成と、それに関連する車両の構成と共に示す概略図である。図1に示す電動パワーステアリング装置は、トルクセンサ1、車速センサ2、電子制御ユニット(Electronic Control Unit :以下、ECUという)4、主操舵補助モータ11、減速機12、副操舵補助モータ21、減速機22、および、補助電源23を備えたコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置である。補助電源23は、車載バッテリ3とは別個に設けられる。
図1に示すように、ステアリングシャフト102の一端にはハンドル(ステアリングホイール)101が固着されており、ステアリングシャフト102の他端はラックピニオン機構103を介してラック軸104に連結されている。ラック軸104の両端は、タイロッドおよびナックルアームからなる連結部材105を介して車輪106に連結されている。運転者がハンドル101を回転させると、ステアリングシャフト102は回転し、これに伴いラック軸104は往復運動を行う。ラック軸104の往復運動に伴い、車輪106の向きが変わる。
電動パワーステアリング装置は、運転者の負荷を軽減するために、以下に示す操舵補助を行う。トルクセンサ1は、ハンドル101の操作によってステアリングシャフト102に加えられる操舵トルクを検出し、操舵トルクを示す操舵トルク信号Tsを出力する。車速センサ2は、車両の速度(車速)を検出し、車速を示す車速信号Vsを出力する。
ECU4は、車載バッテリ3から電力の供給を受け、操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vsに基づき、主操舵補助モータ11および副操舵補助モータ21を駆動する(詳細は後述)。主操舵補助モータ11および副操舵補助モータ21は、ECU4によって駆動されると、操舵補助力を発生させる。なお、主操舵補助モータ11および副操舵補助モータ21には、同じ電動モータを用いてもよく、異なる電動モータを用いてもよい。典型的には、副操舵補助モータ21には、主操舵補助モータ11よりも出力トルクの小さい電動モータが用いられる。
主操舵補助モータ11とステアリングシャフト102との間には減速機12が設けられ、副操舵補助モータ21とステアリングシャフト102との間には減速機22が設けられる。図2は、減速機12、22の一例を示す斜視図である。図2に示す例では、減速機12は、主操舵補助モータ11の回転軸に設けられたウォームギヤ14と、ステアリングシャフト102に設けられ、ウォームギヤ14に噛み合うウォームホイール15とからなる。減速機22は、副操舵補助モータ21の回転軸に設けられたウォームギヤ24と、ステアリングシャフト102に設けられ、ウォームギヤ24に噛み合うウォームホイール25とからなる。
主操舵補助モータ11および副操舵補助モータ21で発生した操舵補助力は、減速機12、22を介して、ステアリングシャフト102を回転させるように作用する。この結果、ステアリングシャフト102は、ハンドル101に加えられる操舵トルクと主操舵補助モータ11および副操舵補助モータ21で発生した操舵補助力の両方によって回転する。このように電動パワーステアリング装置は、2台の操舵補助モータで発生した操舵補助力を車両のステアリング機構に与えることにより操舵補助を行う。
以下、図3および図4を参照して、主操舵補助モータ11および副操舵補助モータ21の駆動についてより詳細に説明する。図3は、図1に示す電動パワーステアリング装置に含まれる電気回路の詳細を示すブロック図である。図3に示すように、ECU4は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと略称する)5、モータ駆動ブリッジ回路16、26、充電用スイッチ27、および、放電用スイッチ28を含んでいる。ECU4は主電源用と補助電源用に2組の電源端子を有し、主電源用電源端子には車載バッテリ3として鉛蓄電池が接続され、補助電源用電源端子には補助電源23として電気2重層キャパシタが接続されている。
車載バッテリ3は、エンジンの回転エネルギーの一部を電気エネルギーに変換するオルタネータ6によって充電される。マイコン5とモータ駆動ブリッジ回路16は、車載バッテリ3から電力の供給を受ける。補助電源23は、充電用スイッチ27を介してオルタネータ6に接続され、充電用スイッチ27がオンのときにオルタネータ6によって充電される。モータ駆動ブリッジ回路26は、放電用スイッチ28を介して補助電源23に接続されており、放電用スイッチ28がオンのときに補助電源23から電力の供給を受ける。
マイコン5には、トルクセンサ1から出力された操舵トルク信号Tsと、車速センサ2から出力された車速信号Vsとが入力される。マイコン5は、ECU4に内蔵されたメモリ(図示せず)に格納されたプログラムを実行することにより、主操舵補助モータ11の駆動制御、補助電源23の充放電制御、および、副操舵補助モータ21の駆動制御を行う。より詳細には、マイコン5は、操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vsに基づき、主操舵補助モータ11の駆動電流を制御する制御信号C1、副操舵補助モータ21の駆動電流を制御する制御信号C2、充電用スイッチ27の制御信号C3、および、放電用スイッチ28の制御信号C4を出力する。
マイコン5は、操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vsに基づき必要な操舵補助力を求め、この操舵補助力を発生させるために主操舵補助モータ11に供給すべき電流の量を求め、この量に応じた制御信号C1をモータ駆動ブリッジ回路16に対して出力する。モータ駆動ブリッジ回路16は、車載バッテリ3から電力の供給を受け、制御信号C1に従い主操舵補助モータ11を駆動する。これにより、主操舵補助モータ11の回転軸には、マイコン5で算出された電流量に応じたトルクTm1が発生する。発生したトルクTm1は、操舵補助に用いられる。
これに加えて、マイコン5は、必要な操舵補助力が主操舵補助モータ11の最大出力以上のときには、放電用スイッチ28をオンに制御すると共に、必要な操舵補助力から主操舵補助モータ11の最大出力を引いた操舵補助力を発生させるために副操舵補助モータ21に供給すべき電流の量を求め、この量に応じた制御信号C2をモータ駆動ブリッジ回路26に対して出力する。このとき充電用スイッチ27はオフ、放電用スイッチ28はオンとなり、モータ駆動ブリッジ回路26は補助電源23から電力の供給を受ける。電力の供給を受けたモータ駆動ブリッジ回路26は、制御信号C2に従い副操舵補助モータ21を駆動する。これにより、副操舵補助モータ21の回転軸には、マイコン5で算出された電流量に応じたトルクTm2が発生する。発生したトルクTm2も、トルクTm1と共に操舵補助に用いられる。
また、マイコン5は、必要な操舵補助力が主操舵補助モータ11の最大出力未満で、かつ、補助電源23を充電する必要があると判断したときには、充電用スイッチ27をオンに制御する。このとき充電用スイッチ27はオン、放電用スイッチ28はオフとなり、補助電源23はオルタネータ6によって充電される。
図4は、マイコン5の処理を示すフローチャートである。マイコン5は、図4に示す処理を繰り返し実行する。なお、初期状態では、充電用スイッチ27および放電用スイッチ28はオフであり、車載バッテリ3および補助電源23は十分に充電されているとする。
マイコン5は、操舵トルク信号Tsおよび車速信号Vsに基づき、必要な操舵補助力Tを求める(ステップS1)。次に、マイコン5は、ステップS1で求めた操舵補助力Tが主操舵補助モータ11の最大出力Tmax以上か否かを判断し(ステップS2)、Yesの場合はステップS31へ、Noの場合はステップS3へ進む。後者の場合、マイコン5は、補助電源23の充電が必要か否かを判定し(ステップS3)、不要な場合はステップS11へ、必要な場合はステップS21へ進む。
必要な操舵補助力Tが最大出力Tmax未満で、かつ、補助電源23の充電が不要な場合には、マイコン5は、必要な操舵補助力Tに応じた制御信号C1を出力すると共に(ステップS11)、充電用スイッチ27および放電用スイッチ28をオフにする制御信号C3、C4を出力する(ステップS12)。この場合、主操舵補助モータ11による操舵補助のみが行われる。
必要な操舵補助力Tが最大出力Tmax未満で、かつ、補助電源23の充電が必要な場合には、マイコン5は、必要な操舵補助力Tに応じた制御信号C1を出力すると共に(ステップS21)、充電用スイッチ27をオンにする制御信号C3、および、放電用スイッチ28をオフにする制御信号C4を出力する(ステップS22)。この場合、主操舵補助モータ11による操舵補助に加えて、補助電源23の充電が行われる。
必要な操舵補助力Tが最大出力Tmax以上の場合には、マイコン5は、最大出力Tmaxに応じた制御信号C1、および、必要な操舵補助力Tから最大出力Tmaxを引いた操舵補助力(T−Tmax)に応じた制御信号C2を出力すると共に(ステップS31)、充電用スイッチ27をオフにする制御信号C3、および、放電用スイッチ28をオンにする制御信号C4を出力する(ステップS32)。この場合、主操舵補助モータ11による操舵補助に加えて、補助電源23の放電および副操舵補助モータ21による操舵補助が行われる。
以上に示すように、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置では、主操舵補助モータ11は車載バッテリ3から電力の供給を受けて操舵補助力を発生させるのに対し、副操舵補助モータ21は補助電源23から電力の供給を受けて操舵補助力を発生させる。ECU4は、必要な操舵補助力が所定量以上のときには、主操舵補助モータ11と副操舵補助モータ21の両方を駆動し、必要な操舵補助力が所定量未満のときには、主操舵補助モータ11のみを駆動すると共に必要に応じて補助電源23を充電する制御を行う制御手段として機能する。
したがって、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置によれば、必要な操舵補助力が所定量以上のときには、主操舵補助モータ11と副操舵補助モータ21で発生する操舵補助力を合わせた大きな操舵補助力を得ることができる。また、副操舵補助モータ21用に補助電源23を備えているので、車載バッテリ3から副操舵補助モータ21に電力を供給する必要がない。したがって、車載バッテリ3を大容量のものに変更しなくても、大きな操舵補助力を得ることができる。
また、補助電源23は必要に応じて充電されるので、補助電源23を長期間に亘って使用することができる。また、補助電源23として電気2重層キャパシタを用いることにより、充放電を高速化し、補助電源23を半永久的に使用することができる。
なお、以上に述べた電動パワーステアリング装置については、種々の変形例を構成することができる。例えば以上の説明では、補助電源23として電気2重層キャパシタを用いることとしたが、これに代えて、補助電源23として、ニッケルカドミウム電池やリチウムイオン電池などの2次電池を使用してもよい。これにより、電動パワーステアリング装置を小型、軽量化することができる。
また、図2では、2台の電動モータはステアリングシャフト102の同じ側に互いに接近して配置されており、2つのウォームギヤはステアリングシャフト102を挟んで反対側に設けられ、異なるウォームホイールに噛み合うこととした。これに代えて、2台の電動モータをステアリングシャフト102を挟んで反対側に配置してもよく、2台の電動モータを互いに離して配置してもよく、2つのウォームギヤをステアリングシャフト102の同じ側に設けてもよく、2つのウォームギヤを同じウォームホイールに噛み合わせてもよい。
また、図3では、補助電源23をECU4の外部に設け、副操舵補助モータ21用の追加回路(モータ駆動ブリッジ回路26、充電用スイッチ27および放電用スイッチ28)をECU4の内部に設けることとしたが、補助電源23をECU4の内部に設けてもよく、副操舵補助モータ21用の追加回路の全部または一部をECU4の外部に設けてもよい。また、図4では、補助電源23に放電させるか否かを判定するときと、補助電源23を充電するか否かを判定するときとで同じ閾値を用いることとしたが、各判定で異なる閾値を用いてもよい。
また、本発明は、コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置だけでなく、ピニオンアシスト型やラックアシスト型の電動パワーステアリング装置にも適用でき、ブラシモータを備えた電動パワーステアリング装置にもブラシレスモータを備えた電動パワーステアリング装置にも適用できる。
本発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成をそれに関連する車両の構成と共に示す概略図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置に含まれる減速機の一例を示す斜視図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置に含まれる電気回路の詳細を示すブロック図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置に含まれるマイコンの処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1…トルクセンサ、2…車速センサ、3…車載バッテリ、4…ECU、5…マイコン、6…オルタネータ、11…主操舵補助モータ、12、22…減速機、14、24…ウォームギヤ、15、25…ウォームホイール、16、26…モータ駆動ブリッジ回路、21…副操舵補助モータ、23…補助電源、27…充電用スイッチ、28…放電用スイッチ

Claims (4)

  1. 複数のモータを備えた電動パワーステアリング装置であって、
    車両のステアリング機構に与えられる操舵補助力を発生させる主操舵補助モータと、
    前記主操舵補助モータと共に前記操舵補助力を発生させる副操舵補助モータと、
    前記主操舵補助モータの電源とは別個に設けられ、前記副操舵補助モータに電力を供給する補助電源と、
    必要な操舵補助力が所定量以上のときには前記主操舵補助モータと前記副操舵補助モータの両方を駆動し、それ以外のときには前記主操舵補助モータのみを駆動する制御手段とを備えた、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記制御手段は、必要な操舵補助力が所定量未満のときには前記補助電源を充電する制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記補助電源は電気2重層キャパシタであることを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記補助電源は2次電池であることを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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