JP2007288319A - 色変換テーブルを用いた色変換 - Google Patents

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Abstract

【課題】色変換処理のさらなる高速化を実現する。
【解決手段】画像処理装置は、複数の格子点についての第1の表色系における階調値と第2の表色系における階調値との対応を示す色変換データを含む色変換テーブルを格納する格納部と、対象画素の階調値を第2の表色系における階調値に変換する色変換部と、格納部からより高速に読み出し可能にデータをキャッシュするキャッシュ領域を含むと共にキャッシュする色変換データ数の上限値と使用するキャッシュ領域数との少なくとも一方が互いに異なる複数のキャッシュ方式を採用可能なキャッシュ部とを備える。色変換部は、対象画素の階調値を相当格子点の階調値に確率的に変換する第1の変換部と、相当格子点の階調値を第2の表色系における階調値に変換する第2の変換部と、複数のキャッシュ方式について第2の変換に要する時間を想定し、用いるキャッシュ方式を設定する方式設定部とを含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、色変換テーブルを用いて画像データの色変換を行う技術に関する。
例えばデジタルスチルカメラを用いた撮影により生成されたカラー画像データ(例えばRGB表色系で表現されたRGBデータ)に基づき画像の印刷を行う場合には、当該カラー画像データを印刷装置のインク色に対応した画像データ(例えばCMYK表色系で表現されたCMYKデータ)に変換するための色変換処理が行われる。
このような色変換処理を行う方法の1つとして、色変換三次元ルックアップテーブル(以下「色変換LUT」と呼ぶ)を用いた方法が知られている。色変換LUTは、第1の表色系(例えばRGB表色系)を表す色空間内に格子状に配置された複数の格子点のそれぞれについての第1の表色系における入力階調値と第2の表色系(例えばCMYK表色系)における出力階調値との対応を示す色変換データを含むテーブルである。
一般に、色変換LUTを用いた色変換処理では、変換前の画像データを構成する画素の階調値が色変換LUTの格子点の入力階調値と一致する場合には、当該格子点の出力階調値そのものが変換後の画像データの階調値とされる。また、変換前の階調値が色変換LUTの格子点の入力階調値と一致しない場合には、色空間において変換前の階調値を表す点に近接する複数の格子点についての色変換データを用いた所定の補間演算により、変換後の階調値が算出される。補間演算の方法としては、四面体補間や立方体(または直方体)補間等が用いられる。
色変換処理において、ROMやRAM上に格納された色変換LUTに含まれる色変換データの内、ある対象画素についての補間演算に用いた格子点の色変換データをCPUのキャッシュメモリ上にキャッシュする技術が知られている(例えば特許文献1)。この技術では、続いて他の対象画素についての補間演算を行う際に、必要な色変換データがキャッシュメモリ上にキャッシュされている場合には、ROMやRAMからの色変換データの読み出しを行うことなく補間演算を実行することができるため、色変換処理の高速化を図ることができる。
特開2004−242213
一方、色変換LUTを用いた色変換処理において、補間演算を省略して処理の高速化を図るための技術が知られている(例えば特許文献2)。この技術では、対象画素の階調値が格子点の入力階調値と一致しない場合には、対象画素の階調値が、最も近い格子点の入力階調値に変換されると共に、対象画素の階調値と当該格子点の入力階調値との誤差が近隣画素へ割り当てられる。これにより、補間演算を省略した色変換処理が実現される。
特開平10−136217
上記特許文献1記載の従来技術では、他の対象画素についての補間演算を行う際に、補間演算に必要な複数の格子点の色変換データのすべてがキャッシュメモリ上にキャッシュされている場合に限り、キャッシュヒットとなる。すなわち、必要な複数の色変換データの内の1つでもキャッシュメモリ上にキャッシュされていない場合にはキャッシュミスとなり、ROMやRAMからの色変換データの読み出し処理が発生する。そのため、上記従来の技術では、色変換処理の高速化を十分に図ることが困難であるという問題があった。
また、上記特許文献2記載の従来技術では、色変換データをキャッシュすることは想定されておらず、やはり、色変換処理の高速化を十分に図ることが困難であるという問題があった。
なお、このような問題は、RGBデータをCMYKデータに変換するための色変換処理に限らず、画像データの色変換処理一般に共通の問題であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、色変換処理のさらなる高速化を実現することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の画像処理装置は、
第1の表色系で表現された第1の画像データを第2の表色系で表現された第2の画像データに変換する画像処理装置であって、
前記第1の表色系を表す色空間内に格子状に配置された複数の格子点のそれぞれについての前記第1の表色系における階調値と前記第2の表色系における階調値との対応を示す色変換データを含む色変換テーブルを格納するテーブル格納部と、
前記第1の画像データを構成する画素を順に1つずつ対象画素として選択すると共に、対象画素の階調値を前記第2の表色系における階調値に変換する色変換部と、
前記テーブル格納部からの色変換データの読み出しよりも高速に読み出し可能に色変換データをキャッシュするキャッシュ領域であってキャッシュ判定の単位としてのキャッシュ領域を少なくとも1つ含むと共に、1つの前記キャッシュ領域にキャッシュする色変換データ数の上限値と、使用する前記キャッシュ領域数と、の少なくとも一方が互いに異なる複数のキャッシュ方式を採用可能なキャッシュ部と、を備え、
前記色変換部は、
対象画素の階調値を前記色空間内の複数の格子点の内の1つである相当格子点の階調値に確率的に変換する第1の変換を行う第1の変換部と、
対象画素に対応する相当格子点についての色変換データを用いて、相当格子点の階調値を前記第2の表色系における階調値に変換する第2の変換を行う第2の変換部と、
前記キャッシュ部が前記複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における前記第1の画像データに対する前記第2の変換に要する時間を、前記テーブル格納部からの色変換データの読み出しに要する想定時間と、前記キャッシュ領域からの色変換データの読み出しに要する想定時間と、前記キャッシュ部におけるキャッシュ判定に要する想定時間と、に基づき想定し、想定結果に基づき前記キャッシュ部が用いるキャッシュ方式を設定するキャッシュ方式設定部と、を含む。
この画像処理装置では、第1の変換部により、対象画素の階調値が複数の格子点の内の1つである相当格子点の階調値に確率的に変換される。さらに、第2の変換部により、対象画素の相当格子点についての色変換データを用いて、相当格子点の階調値が第2の表色系における階調値に変換される。そのため、この画像処理装置では、対象画素の相当格子点についての色変換データさえキャッシュ部にキャッシュされていればキャッシュヒットとなる。従って、この画像処理装置では、補間演算に用いる複数の格子点のすべてについての色変換データがキャッシュされている場合のみキャッシュヒットとなる従来の画像処理装置と比較して、キャッシュヒットの確率を向上させることができ、色変換処理の高速化を十分に実現することができる。
さらに、この画像処理装置では、キャッシュ方式設定部が、キャッシュ部が複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における第1の画像データに対する第2の変換に要する時間を想定し、想定結果に基づきキャッシュ部が用いるキャッシュ方式を設定する。そのため、この画像処理装置では、色変換処理を最も高速に実行できると想定されるキャッシュ方式を設定することができるため、色変換処理の高速化をさらに十分に実現することができる。
上記画像処理装置において、
前記キャッシュ方式設定部は、前記第1の変換部に、前記第1の画像データに対する前記第1の変換を実行させると共に、前記第1の変換の結果に基づき想定される前記第2の変換の際のキャッシュ判定結果に基づき、前記複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における前記第2の変換に要する時間を想定するとしてもよい。
このようにすれば、複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における第2の変換に要する時間を、適切に想定することができる。
また、上記画像処理装置において、
前記第2の変換部は、前記キャッシュ方式設定部によるキャッシュ方式設定の際に実行された前記第1の変換の結果を用いて、前記第2の変換を行うとしてもよい。
このようにすれば、第1の変換の重複実施を回避することができ、色変換処理の高速化をさらに十分に実現することができる。
また、上記画像処理装置において、
前記第1の表色系を表す色空間は3次元空間であり、
相当格子点は、前記色空間内の8つの格子点を頂点とする六面体であって対象画素の階調値を表す点を含む最小の六面体の頂点のいずれか1つであるとしてもよい。
このようにすれば、色変換に伴う画質の低下を抑制しつつ第1の変換部による変換を実行することができる。
また、上記画像処理装置において、
前記第2の表色系は、画像の印刷に用いるインク色で表現された表色系であるとしてもよい。
このようにすれば、画像の印刷に伴う色変換処理の高速化を十分に実現することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および装置、画像色変換方法および装置、画像補正方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の第1実施例における画像処理装置としてのプリンタ100の構成を概略的に示す説明図である。プリンタ100は、例えばSDRAMによって構成されたRAM120と、ROM130と、ボタンやタッチパネル等の操作部140と、液晶モニタ等の表示部150と、プリンタエンジン160と、カードインターフェース(カードI/F)170と、プリンタ100の各構成要素を制御するCPU110と、を備えている。プリンタ100は、さらに、他の機器(例えばデジタルスチルカメラ)とのデータ通信を行うためのインターフェースを備えているとしてもよい。
プリンタエンジン160は、印刷データPDに基づき印刷を行う印刷機構である。カードインターフェース170は、カードスロット172に挿入されたメモリカード174との間でデータのやり取りを行うためのインターフェースである。メモリカード174には、画像を表す画像データIMGが格納されている。本実施例では、メモリカード174に格納された画像データIMGは、各画素の階調値がRGB表色系で表現されたRGBデータである。
CPU110は、キャッシュ部112を備えている。キャッシュ部112は、例えばSRAMによって構成されたキャッシュメモリ116と、キャッシュメモリ116を制御するキャッシュコントローラ114と、を含んでいる。キャッシュ部112のキャッシュメモリ116は、CPU110の図示しないCPUコアがRAM120やROM130からのデータの読み出しよりも高速に読み出し可能にデータをキャッシュすることができる。キャッシュコントローラ114は、キャッシュメモリ116内にデータをキャッシュしたり、キャッシュメモリ116内に所望のデータがキャッシュされているか否かを判定するキャッシュ判定を行い、キャッシュヒットと判定された際にデータの読み出しを行ったりする。キャッシュコントローラ114によるキャッシュ判定は、キャッシュメモリ116を単位として行われる。
ROM130には、印刷処理部200が格納されている。印刷処理部200は、画像データIMGに基づく画像の印刷を実行するためのコンピュータプログラムである。CPU110は、ROM130から直接またはRAM120を介して印刷処理部200を読み出して実行することにより、プリンタエンジン160を用いて画像を印刷する機能を実現する。
印刷処理部200は、モジュールとして、解像度変換部210と、色変換部220と、ハーフトーン処理部230と、データ配列部240と、を含んでいる。解像度変換部210は、画像データIMGの解像度を、色変換部220による処理以降の処理に適した解像度に変換する。色変換部220は、解像度変換後の画像データIMGを、プリンタエンジン160における印刷に用いられる複数のインク色で階調表現されたインク色画像データINKに変換する。なお、本実施例では、プリンタエンジン160における印刷に用いられる複数のインク色は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色であるものとする。
ハーフトーン処理部230は、インク色画像データINKにおける各インク色の階調値に基づいてハーフトーン処理を実行することによって、印刷画素毎のインクドットの形成状態を示すドットデータを生成する。データ配列部240は、生成されたドットデータを配列して、印刷データPDとして出力する。
また、印刷処理部200は、画像補正部250を含んでいてもよい。画像補正部250は、解像度変換部210による解像度変換後の画像データIMGに対して、カラーバランス補正や、シャープネス補正といった画像補正を実行する。
印刷処理部200により生成された印刷データPDは、プリンタエンジン160に供給される。印刷データPDは、印刷解像度を有する主走査ライン上の各画素についてインクドットの記録状態を表すドットデータと、副走査送り量を特定する副走査送り量データとを含んでいる。
ROM130には、また、プレ変換テーブル310と、色変換三次元ルックアップテーブル(以下「色変換LUT」と呼ぶ)320と、が格納されている。プレ変換テーブル310および色変換LUT320は、画像の印刷処理の際にRAM120上の所定のアドレスに読み出される。
図2は、色変換LUT320の一例を示す説明図である。色変換LUT320は、第1の表色系を表す3次元の色空間内に格子状に配置された複数の格子点Pのそれぞれについての第1の表色系における階調値と第2の表色系における階調値との対応を示す色変換データCDを含むテーブルである。本実施例では、第1の表色系は、画像データIMGの表現に用いられるRGB表色系であり、第2の表色系は、インク色画像データINKの表現に用いられるCMYK表色系である。
図2(a)には、色変換LUT320における格子点Pの配置の一例を示している。格子点Pは、第1の表色系を表す色空間の各軸(R軸、G軸、B軸)のそれぞれに沿って設定された参照階調値の組み合わせにより特定される。参照階調値は、最小階調値(図2(a)の例では0)から最大階調値(図2(a)の例では255)までの間に、任意の数(例えば31個)だけ離散的に設定された階調値である。図2(a)には、色変換LUT320の各軸に沿った参照階調値の配置のイメージを破線を用いて表現している。なお、図2(a)には、R=G=B=0である黒色点BkとR=G=B=255である白色点Wとを示している。
なお、図2(a)は、あくまで色変換LUT320における参照階調値の配置のイメージを示したものであり、実際の参照階調値の配置がこのような配置に限定されるものではない。また、一般に、色変換LUT320の参照階調値の配置は、色変換の精度を考慮して設定されるため、必ずしも均等間隔に設定されるわけではない。すなわち、ある階調値の範囲では参照階調値が密に設定され、他の階調値の範囲では参照階調値が粗に設定される場合もある。また、色変換LUT320の参照階調値の配置は、軸毎に独立して設定され、必ずしもすべての軸について同じ参照階調値の配置が設定される訳ではない。
図2(b)には、色変換LUT320を構成する色変換データCDの内容の一例を示している。図2(b)に示すように、色変換LUT320には、複数の格子点Pのそれぞれについての色変換データCDが含まれている。上述したように、色変換データCDは、RGB表色系における階調値(入力階調値)とCMYK表色系における階調値(出力階調値)との対応を示すデータである。なお、図2(b)から明らかなように、本実施例の色変換LUT320では、B軸に沿った参照階調値は、階調値8毎に設定されている。そして、R軸およびG軸に沿った参照階調値も、B軸と同様に階調値8毎に設定されているものとする。
図3は、色変換部220(図1)の詳細構成を示す説明図である。色変換部220は、プレ変換部260と、ポスト変換部270と、キャッシュ方式設定部222と、を含んでいる。
プレ変換部260は、テーブル参照部262と、ランダムノイズ加算部264と、相当格子点決定部266と、を含んでいる。以下に説明するように、プレ変換部260は、画像データIMGの階調値に基づき色変換LUT320のいずれかの格子点P(以下「相当格子点SP」とも呼ぶ)を決定し、画像データIMGの階調値を相当格子点SPの入力階調値に確率的に変換する処理(以下「プレ変換」とも呼ぶ)を行う機能を有している。
プレ変換部260のテーブル参照部262は、プレ変換テーブル310(図1)を参照して、画像データIMGの階調値を色変換LUT320に適した格子点Pの入力階調値LIに変換する。ただし、プレ変換テーブル310の出力は、この格子点入力階調値LI(「仮の格子点入力階調値」とも呼ぶ)と、付加小数AFとを含んでいる。ランダムノイズ加算部264は、付加小数AFにランダムなノイズRNを加算する。相当格子点決定部266は、付加小数AFとランダムノイズRNとの加算値(AF+RN)に応じて、相当格子点SPを決定し、最終的な格子点入力階調値FLIを出力する。
図4は、プレ変換部260(図3)によるプレ変換の概要を示す説明図である。図4には、画像データIMGを構成する任意の画素(対象画素)の階調値(Rx,Gx,Bx)で表される対象画素点Pxを黒丸で示している。図4には、また、RGB色空間において対象画素点Pxを含む最小の六面体の頂点となる8つの格子点P(格子点Pa〜Ph)を白丸で示している。プレ変換では、対象画素点Pxの階調値(Rx,Gx,Bx)が、8つの格子点Pa〜Phのいずれか1つである相当格子点SPの入力階調値に確率的に割り当てられる。
図4の下部には、R成分に関するプレ変換の例を示している。Rxは、対象画素のR成分の階調値であり、R1は、格子点Pa〜PdのR成分の入力階調値であり、R2は、格子点Pe〜PhのR成分の入力階調値である。すなわち、R1およびR2は、Rxを挟んで隣接するR成分の参照階調値である。
まず、対象画素の階調値Rxは、プレ変換テーブル310(図1)によって格子点入力階調値LIと付加小数AFとに変換される。図5は、プレ変換テーブル310の一例を示す説明図である。図5には、R成分についてのプレ変換テーブル310を示している。格子点入力階調値LIの値は、対象画素の階調値Rx以下の参照階調値のうちで、階調値Rxに最も近い参照階調値である。例えば、図4の下部に示した例では、格子点入力階調値LIの値は、R1となる。また、付加小数AFは、対象画素の階調値Rxと格子点入力階調値LI(=R1)との差分(Rx−R1)を、2つの参照階調値R1,R2の差分(R2−R1)で除した値に設定される。例えば、R1=8,R2=16,Rx=10のときには、図5に示すように、LI=8であり、AF=(10−8)/(16−8)=0.25である。
付加小数AFには、0〜1の範囲のランダムノイズRNが加算される。付加小数AFとランダムノイズRNとの加算値(AF+RN)が1.0未満のときには、仮の格子点入力階調値LIがそのまま最終的な格子点入力階調値FLIとして採用される。すなわち、図4の下部に示した例では、FLI=R1となる。一方、加算値(AF+RN)が1.0以上のときには、仮の格子点入力階調値LIに隣接するより大きな参照階調値が最終的な格子点入力階調値FLIとして採用される。すなわち、図4の下部に示した例では、FLI=R2となる。このように、対象画素の階調値Rxに対する最終的な格子点入力階調値FLIは、加算値(AF+RN)に応じて、階調値Rxを挟んで隣接する2つの参照階調値R1,R2のいずれかに設定される。
このように、プレ変換で得られる最終格子点入力階調値FLIは、対象画素の階調値Rxの値に応じて2つの参照階調値R1,R2のいずれかに設定されるが、これらの2つの参照階調値R1、R2のいずれに設定されるかはランダムノイズRNに依存する。従って、仮に同じ階調値Rxを有する画素が集合している一様な画像領域においても、プレ変換の結果は2つの参照階調値R1,R2がランダムに分散した結果となる。また、その一様な画像領域内の画素の最終的な格子点入力階調値FLIの平均的な値は、階調値Rxに等しいものとなる。
画像データIMGを構成する画素毎に、上述のようなプレ変換をR成分、G成分、B成分のそれぞれについて実行することにより、各画素の階調値が、色変換LUT320のいずれかの格子点P(相当格子点SP)の入力階調値FLIに確率的に変換される。すなわち、各画素の階調値が、画像全体または画像内の所定の領域内において、変換の前後の階調値の平均値が維持されるように、相当格子点SPの入力階調値FLIに変換される。なお、各成分についてのプレ変換に用いるプレ変換テーブル310は、同じテーブルであってもよいし、互いに異なるテーブルであってもよい。
図6は、ポスト変換部270(図3)によるポスト変換の概要を示す説明図である。ポスト変換では、画像データIMGの画素毎に、色変換LUT320内の色変換データCDが参照されて、プレ変換で決定された最終的な格子点入力階調値FLIがインク色画像データINKを構成するインク色の階調値に変換される。格子点入力階調値FLIは色変換LUT320のいずれかの格子点P(相当格子点SP)の入力階調値であるため、ポスト変換において補間演算が行われることはない。
以上のように、本実施例のプリンタ100では、色変換部220がプレ変換部260およびポスト変換部270を備えているため、補間演算を行うことなく色変換処理を実行することができる。
キャッシュ方式設定部222(図3)は、色変換処理中のポスト変換の際に用いられるキャッシュ部112(図1)による色変換データCDのキャッシュ方式を設定する。図7は、第1実施例におけるキャッシュ部112のとりうるキャッシュ方式を示す説明図である。図7に示すように、キャッシュ部112は、キャッシュメモリ116(図1)内にキャッシュする色変換データCDの数(要素数)の異なる8つのキャッシュ方式(方式1〜8)を採用可能である。本実施例のキャッシュメモリ116は、最大64個の色変換データCDをキャッシュ可能に構成されている。キャッシュ部112は、実際にキャッシュメモリ116にキャッシュされる色変換データCDの数の上限値を種々設定することにより、各キャッシュ方式によるキャッシュ処理を実現する。
具体的には、各キャッシュ方式(方式1〜8)におけるキャッシュする色変換データCDの数の上限は、順に、64,32,16,8,4,3,2,1個に設定されている。各キャッシュ方式では、新たに色変換データCDのキャッシュが行われる際に、既にキャッシュされている色変換データCDの数が定められた上限値未満である場合には、新たな色変換データCDが追加的にキャッシュされる。一方、既に上限値の数の色変換データCDがキャッシュされている場合には、キャッシュメモリ116への格納時が最も早い(古い)色変換データCDが廃棄され、代わりに新たな色変換データCDがキャッシュされる。なお、キャッシュ部112のとりうるキャッシュ方式の数や、各キャッシュ方式におけるキャッシュする色変換データCDの数の上限値は、他にも任意に設定可能である。
キャッシュ方式設定部222(図3)は、図7に示した複数のキャッシュ方式の内の1つを、色変換処理中のポスト変換の際に採用するキャッシュ方式として設定する。キャッシュ方式設定部222によるキャッシュ方式設定方法については、後述する。
図8は、プリンタ100による画像の印刷処理の流れを示すフローチャートである。ステップS110では、印刷処理部200(図1)が、メモリカード174内に格納された画像データIMGの内の1つを印刷処理の対象となる対象画像データとして取得する。本実施例では、対象画像データは、JPEG形式の画像データであるものとする。
ステップS120(図8)では、印刷処理部200(図1)が、対象画像データを展開(JPEG伸張)する。ステップS130では、印刷処理部200の解像度変換部210が、画像データIMGの解像度変換を行う。
印刷処理において画像データIMGに対する画像補正が実行されるように指示がなされている場合には、解像度変換後の画像データIMGに対して画像補正部250による所定の画像補正が行われる(図8のステップS140)。画像補正実行指示は、例えば、ユーザにより操作部140を介して入力されたり、画像データIMGに付加された付属情報に含まれたりしている。画像補正実行指示がなされていない場合には、ステップS140の処理はスキップされる。
ステップS150(図8)では、印刷処理部200の色変換部220(図1)が、色変換処理を行う。図9は、色変換処理の流れを示すフローチャートである。色変換処理は、RGB表色系で表現された画像データIMGを、CMYK表色系で表現されたインク色画像データINKに変換する処理である。
本実施例では、色変換処理において、まずキャッシュ方式設定部222(図3)によるキャッシュ方式の設定(図9のステップS210からS240)が行われる。キャッシュ方式の設定は、キャッシュ部112(図1)がとりうる複数のキャッシュ方式(図7参照)の内の1つを、色変換処理中のポスト変換の際に採用するキャッシュ方式として設定する処理である。キャッシュ方式設定部222は、複数のキャッシュ方式のそれぞれについて、ポスト変換に要すると想定される時間(以下「想定処理時間AT」と呼ぶ)を算出し、想定処理時間ATが最も短いキャッシュ方式を選択する。
ステップS210(図9)では、キャッシュ方式設定部222が、プレ変換部260(図3)に想定プレ変換を実行させる。想定プレ変換とは、キャッシュ方式設定のために行われるプレ変換を意味している。具体的には、想定プレ変換により、RGBデータとしての画像データIMGから、各画素の相当格子点SPを特定する相当格子点データSPDが生成される。図10は、キャッシュ方式設定部222によるキャッシュ方式の設定の概要を示す説明図である。図10(a)には、RGBデータとしての画像データIMGに対する想定プレ変換により、各画素の相当格子点SPを特定する相当格子点データSPDが生成されている様子を示している。
ステップS220(図9)では、キャッシュ方式設定部222(図3)が、想定キャッシュ判定を行う。想定キャッシュ判定とは、対象画像に含まれる全画素に対し各キャッシュ方式を用いてポスト変換を行った場合において、想定されるキャッシュヒット数hおよびキャッシュミス数mを算出する処理である。想定されるキャッシュヒット数hおよびキャッシュミス数mは、各画素の相当格子点SPを示す相当格子点データSPDと、対象画像における画素の選択の順番と、キャッシュメモリ116にキャッシュする色変換データCDの数の上限値とが定まれば、算出可能である。図10(a)には、想定キャッシュ判定により、各キャッシュ方式についてのキャッシュヒット数hおよびキャッシュミス数mを算出している様子を示している。一般に、キャッシュメモリ116にキャッシュする色変換データCDの数の上限値が大きいキャッシュ方式ほど(すなわち図7において上方に示したキャッシュ方式ほど)、キャッシュヒット数hは大きくなりやすい。
ステップS230(図9)では、キャッシュ方式設定部222(図3)が、想定処理時間ATの算出を行う。想定処理時間ATは、各キャッシュ方式を用いてポスト変換を行った場合におけるポスト変換に要すると想定される時間である。想定処理時間ATの算出は、ステップS220の想定キャッシュ判定の結果に基づき、以下の式(1)を用いて算出される。
想定処理時間AT=h×Tc+m×Tr+Td×Np・・・(1)
ここで
h:キャッシュヒット数
m:キャッシュミス数
Tc:キャッシュメモリ116からの色変換データCDの読み出しに要する想定時間
Tr:RAM120からの色変換データCDの読み出しに要する想定時間
Td:各キャッシュ方式における1回のキャッシュ判定に要する時間
Np:対象画像を構成する画素数
キャッシュメモリ116からの色変換データCDの読み出しに要する想定時間Tcと、RAM120からの色変換データCDの読み出しに要する想定時間Trとは、予め設定された値がキャッシュ方式設定部222により保有されている。また、各キャッシュ方式における1回のキャッシュ判定に要する時間についても、予め設定された値がキャッシュ方式設定部222により保有されている。一般に、キャッシュメモリ116にキャッシュする色変換データCDの数の上限値が大きいキャッシュ方式ほど(すなわち、図7において上方に示したキャッシュ方式ほど)、1回のキャッシュ判定に要する時間Tdの値は大きくなる。
ステップS240(図9)では、キャッシュ方式設定部222(図3)が、ステップS230で算出された想定処理時間ATの最も短いキャッシュ方式を、採用するキャッシュ方式として設定する。図10(b)には、各キャッシュ方式における想定処理時間ATを比較して、最も想定処理時間ATの短いキャッシュ方式を選択している様子を示している。
なお、本実施例では、ポスト変換にキャッシュ部112を用いない場合についても想定処理時間ATの比較の対象としている。キャッシュ部112を用いない場合は、想定処理時間ATを算出する上記式(1)において、hおよびTdをゼロとすることにより想定処理時間ATを算出することができる。図10(b)のグラフは、キャッシュ部112を用いない場合の想定処理時間ATを基準値1.0として、各キャッシュ方式における想定処理時間ATを相対比較したものである。
上述したように、キャッシュヒット数hは、キャッシュメモリ116にキャッシュする色変換データCDの数の上限値が大きいキャッシュ方式ほど、大きくなりやすい。ただし、キャッシュ方式毎のキャッシュヒット数hの差は、画像データIMGの内容によって変動する。一方、1回のキャッシュ判定に要する時間Tdの値は、キャッシュメモリ116にキャッシュする色変換データCDの数の上限値が大きいキャッシュ方式ほど、大きくなる。従って、どのキャッシュ方式を採用すれば最も想定処理時間ATが短くなるかは、画像データIMGの内容により異なる。本実施例の色変換処理では、最初に、キャッシュ方式設定部222によるキャッシュ方式設定として、各キャッシュ方式についての想定処理時間ATが算出されるため、最も想定処理時間ATの短いキャッシュ方式が適切に選択される。
色変換処理におけるキャッシュ方式の設定(図9のステップS210からS240)が完了すると、次に実際の色変換処理が行われる。ステップS250では、色変換部220(図1)が、画像データIMGを構成する複数の画素の中から1つの画素を対象画素として選択する。対象画素の選択は、想定キャッシュ判定(ステップS220)において用いられた想定される対象画素の選択の順番と同じ順番で実行される。具体的には、例えば、最初に画像の左上隅の画素が選択され、その後、右隣の画素が順に選択され、右端の画素の選択が終わると直下の行について同様に左から右に順に選択され、最後に画像の右下隅の画素が選択される。このようにすれば、隣接画素がなるべく連続して選択されるように対象画素の選択を行うことができる。
ステップS260(図9)では、色変換部220のプレ変換部260(図3)が、プレ変換を行う。具体的には、テーブル参照部262(図3)により、対象画素の階調値が格子点入力階調値LIと付加小数AFとに変換され、ランダムノイズ加算部264により、付加小数AFにランダムノイズRNが加算され、相当格子点決定部266により、相当格子点SPが決定され、最終的な格子点入力階調値FLIが出力される。
ステップS270では、ポスト変換部270(図3)が、キャッシュ判定を行う。すなわち、ポスト変換部270が、相当格子点SPについての色変換データCDがキャッシュ部112のキャッシュメモリ116(図1)にキャッシュされているかキャッシュされていないかを判定する。
ステップS270のキャッシュ判定において、キャッシュミスと判定された場合には、ポスト変換部270は、RAM120から相当格子点SPについての色変換データCDを読み出し、ポスト変換を実行する(ステップS280)。すなわち、ポスト変換部270は、RAM120から読み出された色変換データCDを参照して、最終的な格子点入力階調値FLIをインク色(CMYK)で表現されたインク色階調値に変換する。
また、ステップS270のキャッシュ判定において、キャッシュミスと判定された場合には、キャッシュ部112におけるキャッシュ更新が行われる(ステップS290)。具体的には、ステップS280でRAM120から読み出された色変換データCDが、新たにキャッシュメモリ116にキャッシュされる。このとき、キャッシュメモリ116に既に上限値の数の色変換データCDがキャッシュされていた場合には、最も格納時の古い色変換データCDが廃棄され、その代わりに新たな色変換データCDが格納される。
一方、ステップS270のキャッシュ判定において、キャッシュヒットと判定された場合には、ポスト変換部270は、キャッシュ部112のキャッシュメモリ116(図1)から相当格子点SPについての色変換データCDを読み出し、ポスト変換を実行する。すなわち、ポスト変換部270は、キャッシュメモリ116から読み出された色変換データCDを参照して、最終的な格子点入力階調値FLIをインク色で表現されたインク色階調値に変換する。
ステップS310(図9)では、色変換部220(図3)が、画像データIMG内のすべての画素を対象画素として選択したか否かを判定する。まだ未選択の画素があると判定された場合には、ステップS250に戻り、同様の処理を繰り返し実行する。一方、すべての画素を選択したと判定された場合には、色変換処理を終了する。
色変換処理(図9)が終了すると、ハーフトーン処理部230(図1)により、ハーフトーン処理が実行される(図8のステップS160)。その後、データ配列部240によりデータ配列が行われ(ステップS170)、プリンタエンジン160を用いた印刷が実行される(ステップS180)。
以上説明したように、本実施例のプリンタ100は、RGB表色系で表現された画像データIMGをCMYK表色系で表現されたインク色画像データINKに変換する色変換処理を実行することができる。この色変換処理では、相当格子点SPについての色変換データCDさえキャッシュ部112にキャッシュされていればキャッシュヒットとなり、RAM120からの色変換データCDの読み出しが発生しない。そのため、本実施例の色変換処理では、補間演算に用いる複数の格子点Pのすべてについての色変換データCDがキャッシュされている場合のみキャッシュヒットとなり1つでもキャッシュされていない場合にはRAM等からの色変換データCDの読み出しが発生する従来の色変換処理と比較して、キャッシュヒットの確率を向上させることができる。従って、本実施例のプリンタ100による色変換処理では、処理の高速化を十分に実現することができる。
また、本実施例のプリンタ100では、色変換処理において、キャッシュメモリ116にキャッシュする色変換データCD数の上限値が互いに異なる複数のキャッシュ方式を採用可能である。そして、色変換処理の際には、最初に、複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における想定処理時間AT、すなわちプレ変換に要すると想定される時間が算出され、算出結果に基づき採用するキャッシュ方式が設定される。そのため、本実施例のプリンタ100では、対象画像毎に、最も高速に処理できると想定されるキャッシュ方式が設定されるため、色変換処理の高速化をさらに十分に実現することができる。
なお、印刷処理(図8)において、画像補正(ステップS140)が実行される場合には、色変換処理(図9)におけるキャッシュ方式設定(ステップS210からS240)の処理は、画像補正と並行して実行されるとしてもよい。このようにすれば、画像補正と色変換処理との処理時間の合計を短縮することができる。この場合には、色変換処理(図9)中の実際の色変換処理(ステップS250以降の処理)は、画像補正後の画像データを対象として行われる。そのため、実際の色変換処理中のキャッシュ判定(ステップS270)の結果は、キャッシュ方式設定処理中の想定キャッシュ判定(ステップS220)の結果とは厳密には一致しない場合がある。しかし、キャッシュ方式設定処理によって設定されたキャッシュ方式を採用すれば、おおむね実際のポスト変換も高速に実行できる場合が多いと考えられる。
一方、印刷処理(図8)において、画像補正(ステップS140)が実行されない場合には、キャッシュ方式設定処理中の想定プレ変換(ステップS210)の結果を用いることによって、実際のプレ変換(ステップS260)を省略することができる。このようにすれば、色変換処理の高速化をさらに十分に実現することができる。
B.第2実施例:
図11は、第2実施例における画像処理装置としてのプリンタ100aの構成を概略的に示す説明図である。図1に示した第1実施例のプリンタ100との違いは、キャッシュ部112の構成である。第2実施例のプリンタ100aでは、キャッシュ部112が複数のキャッシュメモリ116を有している。具体的には、キャッシュ部112は、キャッシュメモリA116A,キャッシュメモリB116B,キャッシュメモリC116C,キャッシュメモリD116Dの4つのキャッシュメモリ116を有している。キャッシュ部112におけるキャッシュ判定は、キャッシュメモリ116を単位として行われる。すなわち、キャッシュメモリ116毎に、所望のデータがキャッシュされているか否かが独立して判定される。キャッシュ部112のキャッシュコントローラ114は、各キャッシュメモリ116を対象としたキャッシュ判定を並列に処理することができる。
図12は、第2実施例におけるキャッシュ部112のとりうるキャッシュ方式を示す説明図である。図12に示すように、第2実施例のキャッシュ部112は、色変換処理に使用するキャッシュメモリ116の数が互いに異なる4つのキャッシュ方式(方式1〜4)を採用可能である。具体的には、各キャッシュ方式(方式1〜4)における使用するキャッシュメモリ116の数は、順に、4,3,2,1個に設定されている。
第2実施例における色変換処理では、図9に示した第1実施例における色変換処理と同様に、まずキャッシュ方式設定として、図12に示した各キャッシュ方式について想定処理時間ATが算出され、最も想定処理時間ATの短いキャッシュ方式が、使用されるキャッシュ方式として設定される。その後、設定されたキャッシュ方式を用いた色変換処理が実行される。
以上のように、第2実施例のプリンタ100aは、色変換処理に使用するキャッシュメモリ116の数が互いに異なる4つのキャッシュ方式を採用可能である。そして、第2実施例のプリンタ100aにおいても、第1実施例と同様に、対象画像毎に、4つのキャッシュ方式の中から最も高速に処理できると想定されるキャッシュ方式が選択されるため、色変換処理の高速化をさらに十分に実現することができる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記各実施例では、画像処理装置がプリンタ100として構成されているが、本発明は、プリンタ100以外の色変換処理を行う画像処理装置にも適用可能である。例えば、画像処理装置をコンピュータとして構成することも可能である。
また、上記各実施例における色変換処理は、RGB表色系で表現された画像データからCMYK表色系で表現された画像データへの変換処理であるが、本発明は、他の色変換処理にも適用可能である。例えば、本発明は、スキャナで使用されるRGB表色系で表現された画像データからモニタで使用されるRGB表色系で表現された画像データへの色変換処理にも適用できる。
C2.変形例2:
上記各実施例におけるプリンタ100の構成は、あくまで一例であり、プリンタ100の構成を他の構成とすることも可能である。例えば、キャッシュ部112の有するキャッシュメモリ116の数や、各キャッシュメモリ116にキャッシュ可能な色変換データCDの数の上限値等は任意に設定可能である。また、キャッシュ部112の採用可能なキャッシュ方式として、他の方式が用いられてもよい。
また、プリンタ100は、ネットワークを介して画像データIMGを取得可能な構成であるとしてもよい。また、プリンタ100のプリンタエンジン160において用いられるインク色はCMYKの4色に限られず、任意の種類のインク色を採用可能である。また、上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
C3.変形例4:
上記各実施例では、プレ変換テーブルの参照で得られた仮の格子点入力階調値LIから最終的な格子点入力階調値FLIを決定する際に、付加小数AFにランダムノイズRNを加算していたが、付加小数AFの代わりに他の付加的な値を用いて最終的な格子点入力階調値を決定するようにしてもよい。例えば、付加的な値として、所定のビット数の整数値を入力階調値に応じて付与しておき、これにランダムノイズを加算した加算結果と所定の閾値とを比較することによって最終的な格子点入力階調値FLIを決定するようにしてもよい。本明細書では、最終的な格子点入力階調値FLIを決定するための付加的な値を「付加判定値」と呼ぶ。
C4.変形例4:
上記各実施例で使用したプレ変換方法の代わりに、他のプレ変換方法を使用することも可能である。例えば、上記各実施例ではランダムにノイズを発生させていたが、ディザパターンのような所定のノイズパターンに従ってノイズを発生させるようにしてもよい。また、誤差拡散法を利用してプレ変換を行うとしてもよい。プレ変換としては、入力画像データの階調値を色変換LUT320の複数の格子点Pの内の1つである相当格子点SPの階調値に確率的に変換する変換方法を採用することが可能である。
C5.変形例5:
上記各実施例における色変換データCDの構成は、あくまで一例であり、色変換データCDを他の構成とすることも可能である。例えば、色変換LUT320の各格子点Pに識別番号を付し、色変換データCDを識別番号と出力階調値との対応を示すデータとして構成してもよい。この場合にも、色変換データCDは、識別番号を介して、第1の表色系における入力階調値と第2の表色系における出力階調値とを対応付けるデータとなる。
本発明の第1実施例における画像処理装置としてのプリンタ100の構成を概略的に示す説明図である。 色変換LUT320の一例を示す説明図である。 色変換部220の詳細構成を示す説明図である。 プレ変換部260によるプレ変換の概要を示す説明図である。 プレ変換テーブル310の一例を示す説明図である。 ポスト変換部270によるポスト変換の概要を示す説明図である。 第1実施例におけるキャッシュ部112のとりうるキャッシュ方式を示す説明図である。 プリンタ100による画像の印刷処理の流れを示すフローチャートである。 色変換処理の流れを示すフローチャートである。 キャッシュ方式設定部222によるキャッシュ方式の設定の概要を示す説明図である。 第2実施例における画像処理装置としてのプリンタ100aの構成を概略的に示す説明図である。 第2実施例におけるキャッシュ部112のとりうるキャッシュ方式を示す説明図である。
符号の説明
100…プリンタ
110…CPU
112…キャッシュ部
114…キャッシュコントローラ
116…キャッシュメモリ
120…RAM
130…ROM
140…操作部
150…表示部
160…プリンタエンジン
170…カードインターフェース
172…カードスロット
174…メモリカード
200…印刷処理部
210…解像度変換部
220…色変換部
222…キャッシュ方式設定部
230…ハーフトーン処理部
240…データ配列部
250…画像補正部
260…プレ変換部
262…テーブル参照部
264…ランダムノイズ加算部
266…相当格子点決定部
270…ポスト変換部
310…プレ変換テーブル
320…色変換LUT

Claims (6)

  1. 第1の表色系で表現された第1の画像データを第2の表色系で表現された第2の画像データに変換する画像処理装置であって、
    前記第1の表色系を表す色空間内に格子状に配置された複数の格子点のそれぞれについての前記第1の表色系における階調値と前記第2の表色系における階調値との対応を示す色変換データを含む色変換テーブルを格納するテーブル格納部と、
    前記第1の画像データを構成する画素を順に1つずつ対象画素として選択すると共に、対象画素の階調値を前記第2の表色系における階調値に変換する色変換部と、
    前記テーブル格納部からの色変換データの読み出しよりも高速に読み出し可能に色変換データをキャッシュするキャッシュ領域であってキャッシュ判定の単位としてのキャッシュ領域を少なくとも1つ含むと共に、1つの前記キャッシュ領域にキャッシュする色変換データ数の上限値と、使用する前記キャッシュ領域数と、の少なくとも一方が互いに異なる複数のキャッシュ方式を採用可能なキャッシュ部と、を備え、
    前記色変換部は、
    対象画素の階調値を前記色空間内の複数の格子点の内の1つである相当格子点の階調値に確率的に変換する第1の変換を行う第1の変換部と、
    対象画素に対応する相当格子点についての色変換データを用いて、相当格子点の階調値を前記第2の表色系における階調値に変換する第2の変換を行う第2の変換部と、
    前記キャッシュ部が前記複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における前記第1の画像データに対する前記第2の変換に要する時間を、前記テーブル格納部からの色変換データの読み出しに要する想定時間と、前記キャッシュ領域からの色変換データの読み出しに要する想定時間と、前記キャッシュ部におけるキャッシュ判定に要する想定時間と、に基づき想定し、想定結果に基づき前記キャッシュ部が用いるキャッシュ方式を設定するキャッシュ方式設定部と、を含む、画像処理装置。
  2. 請求項1記載の画像処理装置であって、
    前記キャッシュ方式設定部は、前記第1の変換部に、前記第1の画像データに対する前記第1の変換を実行させると共に、前記第1の変換の結果に基づき想定される前記第2の変換の際のキャッシュ判定結果に基づき、前記複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における前記第2の変換に要する時間を想定する、画像処理装置。
  3. 請求項2記載の画像処理装置であって、
    前記第2の変換部は、前記キャッシュ方式設定部によるキャッシュ方式設定の際に実行された前記第1の変換の結果を用いて、前記第2の変換を行う、画像処理装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記第1の表色系を表す色空間は3次元空間であり、
    相当格子点は、前記色空間内の8つの格子点を頂点とする六面体であって対象画素の階調値を表す点を含む最小の六面体の頂点のいずれか1つである、画像処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記第2の表色系は、画像の印刷に用いるインク色で表現された表色系である、画像処理装置。
  6. 第1の表色系で表現された第1の画像データを第2の表色系で表現された第2の画像データに変換する画像処理方法であって、
    (a)前記第1の表色系を表す色空間内に格子状に配置された複数の格子点のそれぞれについての前記第1の表色系における階調値と前記第2の表色系における階調値との対応を示す色変換データを含む色変換テーブルをテーブル格納部に格納する工程と、
    (b)前記第1の画像データを構成する画素を順に1つずつ対象画素として選択すると共に、対象画素の階調値を前記第2の表色系における階調値に変換する工程と、
    (c)前記テーブル格納部からの色変換データの読み出しよりも高速に読み出し可能に色変換データをキャッシュするキャッシュ領域であってキャッシュ判定の単位としてのキャッシュ領域を少なくとも1つ含むと共に、1つの前記キャッシュ領域にキャッシュする色変換データ数の上限値と、使用する前記キャッシュ領域数と、の少なくとも一方が互いに異なる複数のキャッシュ方式を採用可能なキャッシュ部を準備する工程と、を備え、
    前記工程(b)は、
    (i)対象画素の階調値を前記色空間内の複数の格子点の内の1つである相当格子点の階調値に確率的に変換する第1の変換を行う工程と、
    (ii)対象画素に対応する相当格子点についての色変換データを用いて、相当格子点の階調値を前記第2の表色系における階調値に変換する第2の変換を行う工程と、
    (iii)前記キャッシュ部が前記複数のキャッシュ方式のそれぞれを採用した場合における前記第1の画像データに対する前記第2の変換に要する時間を、前記テーブル格納部からの色変換データの読み出しに要する想定時間と、前記キャッシュ領域からの色変換データの読み出しに要する想定時間と、前記キャッシュ部におけるキャッシュ判定に要する想定時間と、に基づき想定し、想定結果に基づき前記キャッシュ部が用いるキャッシュ方式を設定する工程と、を含む、画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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