JP2007286200A - 適応ブロック長符号化装置、その方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】フレームを複数のブロックに階層的に分割して符号化を行う適応ブロック長符号化において、信号分析のための演算量を削減する。
【解決手段】まず、入力信号の時間区間であるフレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成する。次に、何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する。そして、分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、時系列信号の圧縮符号化技術に関し、特にフレームを複数のブロックに階層的に分割して出力符号列を生成する技術に関する。
フレーム単位の符号化において、分析単位長を適応的に選択することにより、圧縮効率を改善できることが知られている。そのひとつとして、フレーム毎のサンプル数を固定し、各フレーム中を複数のブロックに階層的に分割して符号化を行う方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。以下ではまず、この各フレーム中を複数のブロックに階層的に分割して符号化を行う従来の方法について説明する。
図11は、このような符号化処理を行う従来の符号化装置の構成を例示したブロック図である。また、図12は、図11の第0〜3階層符号化部の構成を例示したブロック図である。また、図13は、この符号化処理が行われるフレーム100の構成を例示した概念図である。なお、複数サンプル(通常数百〜数千サンプル)にそれぞれ対応する離散時間(サンプル点)からなる短時間区間をフレームと呼ぶが、ここでは、全サンプルにそれぞれ対応する離散時間からなる短時間区間をフレームとし、フレーム内のサンプル点数を1024点から32768点程度に想定する。なお、以下ではフレーム内のサンプル点数をnと表現する。また、図13の例では、1つのフレームを4つの階層(第0階層110〜第3階層140)にブロック分割する。この例の場合、第0階層110では、フレーム100がブロックB(0,1)に一致する。また、第1階層120は、第0階層110のブロックB(0,1)を2分割したブロックB(1,1),B(1,2)によって構成される。さらに、第2階層130は、第1階層120のブロックB(1,1)を2分割したブロックB(2,1),B(2,2)と、ブロックB(1,2)を2分割したブロックB(2,3),B(2,4)とによって構成される。また、第3階層140は、第2階層130のブロックB(2,1)を2分割したブロックB(3,1),B(3,2)と、ブロックB(2,2)を2分割したブロックB(3,3),B(3,4)と、ブロックB(2,3)を2分割したブロックB(3,5),B(3,6)と、ブロックB(2,4)を2分割したブロックB(3,7),B(3,8)とによって構成される。なお、図13における1,n,n,n,n,...,nは、フレーム100内の各サンプル点に対応する番号を示す。例えば、ブロックB(2,2)は、n+1番目からn番目のサンプルによって構成されるブロックである。また、図13のブロックへの分割方法は一例であり、階層数やブロック分割数等はこれに限定されない。
この従来法では、各階層のブロック毎に、予測分析、予測係数符号化、予測フィルタによる予測残差信号算出、(必要に応じて、線形予測残差信号の長期予測分析、長期予測フィルタによる長期予測残差信号算出)及びその符号化(エントロピー符号化等)を独立に実行し、ブロック毎の残差符号を算出する。そして、下位階層の複数のブロックに対応する残差符号の符号量の合計値と、当該下位階層の複数のブロックから構成される上位階層のブロックに対応する残差符号の符号量とを比較し、フレーム100内で符号量の合計が最小となるブロックの組合せを選択する。
図13の例で具体的に説明すると、まず、ブロックB(0,1),B(1,1),B(1,2),B(2,1)〜B(2,4),B(3,1)〜B(3,8)毎に、入力信号の線形予測分析、線形予測係数符号化、短期予測フィルタによる線形予測残差信号算出、(必要に応じて、線形予測残差信号の長期予測分析、長期予測フィルタによる長期予測残差信号算出)、及び残差符号化を独立に実行して、ブロック毎の残差符号を算出し、それらの符号量を計算する。
次に、第3階層140のブロックB(3,1),B(3,2)の残差符号の符号量の合計値と、それらの上位階層である第2階層130のブロックB(2,1)の残差符号の符号量とを比較し、符号量が小さい方を選択する。この図の例では、ブロックB(3,1),B(3,2)の残差符号の符号量の合計値の方がブロックB(2,1)の残差符号の符号量よりも大きく、第2階層130のブロックB(2,1)が選択されている。なお、この図では、選択されたブロックを網掛けで示している。同様に、第3階層140のブロックB(3,3),B(3,4)の残差符号の符号量の合計値と、それらの上位階層である第2階層130のブロックB(2,2)の残差符号の符号量とを比較し、符号量が小さい方を選択する。この図の例では、第3階層140のブロックB(3,3),B(3,4)が選択されている。さらに、第2,3階層のその他のブロックB(2,3),B(2,4),B(3,5)〜B(3,8)についても同様な処理を行い、ブロック選択を行う。
次に、選択された第2階層130のブロックB(2,1)及び第3階層140のB(3,3),B(3,4)の残差符号の符号量の合計と、それらの上位階層である第1階層120のブロックB(1,1)の残差符号の符号量とを比較し、符号量が小さい方を選択する。この図の例では、ブロックB(2,1),B(3,3),B(3,4)が選択されている。また、ブロックB(1,2)とその下位ブロック(ブロックB(2,3),B(2,4),B(3,5)〜B(3,8)のうち選択されているブロック)についても同様なブロック選択が行われる。この図の例では、第1階層120のブロックB(1,2)が選択されている。次に、これまで選択されたブロックB(2,1),B(3,3),B(3,4),B(1,2)の残差符号の符号量の合計と、それらの上位階層である第0階層110のブロックB(0,1)の残差符号の符号量とを比較し、符号量が小さい方を選択する。この図の例では、ブロックB(2,1),B(3,3),B(3,4),B(1,2)が選択されている。そして、このように選択されたブロックB(2,1),B(3,3),B(3,4),B(1,2)に対応する予測係数符号と、残差符号と、ブロックB(2,1),B(3,3),B(3,4),B(1,2)を示す選択情報とが、フレーム100の符号列として出力される。
ISO/IEC 14496−3:2005/AMD2(通称MPEG−4 ALS)
このように、従来方法では、複数の階層の全ブロックに対する入力信号の分析をそれぞれ独立に行って各ブロックの残差符号を求め、それらの符号量を比較していた。しかし、この場合、入力信号の分析処理に必要な演算量が非常に大きくなってしまうという問題点があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、フレームを複数のブロックに階層的に分割して符号化を行う適応ブロック長符号化において、入力信号の分析処理に必要な演算量を削減することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明では、まず、入力信号の時間区間であるフレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成する(ブロック分割過程)。次に、何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する(第1分析過程)。そして、分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する(第2分析過程)。なお、「分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報」には、第1分析過程で生成された分析情報と、第2分析過程で生成された分析情報と、の少なくとも一方が含まれる。
ここで、本発明では、分析区間に対応する分析情報の生成を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の分析情報を利用して行う。そのため、分析区間に対応する入力信号を分析し、当該分析区間に対応する分析情報を行う場合に比べ、演算量を削減できる。
また、本発明において好ましくは、分析情報は、入力信号の自己相関関数値を含む。そして、上述の第1分析過程は、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から自己相関関数値を求める自己相関関数算出過程を具備し、第2分析過程は、分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値の和によって求める加算過程を具備する。
ここで、分析区間に対応する自己相関関数値は、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の自己相関関数値の和で近似できる。また、当該複数の自己相関関数値の和を求めるための演算量は、当該分析区間に対応する自己相関関数値を入力信号から直接求めるための演算量よりも大幅に少ない。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、大幅に少ない演算量で分析区間に対応する自己相関関数値を求めることができる。
なお、自己相関関数値は、例えば、自己相関法によって、ブロック内の入力信号の線形予測係数を算出する場合に利用される。この場合、予測次数(線形予測係数の次数)の上限をブロック内のサンプル数を基準に制限することがある(例えば、ブロック内のサンプル数の1/8程度に予測次数の上限を制限する)。ここで、分析区間である1つのブロックの長さは、当該分析区間を構成する他の階層の各ブロックの長さよりも長い。そのため、分析区間に対する予測次数の上限は、当該分析区間を構成する他の階層の各ブロックに対する予測次数の上限よりも高い。そして、予測次数は、自己相関法の処理に用いられる自己相関関数値の次数と一致するため、分析区間に対応する自己相関関数値の次数の上限は、当該分析区間を構成する各ブロックに対応する自己相関関数値の次数の上限よりも高い。従って、当該分析区間を構成する各ブロックに対応する自己相関関数値を合計するだけでは、当該分析区間対応する自己相関関数値の次数の上限までの自己相関関数値を得ることができない。よって、この不足する高次の自己相関関数値については、別途、入力信号を用いて生成することが望ましい。
そのため、本発明においてさらに好ましくは、第2分析過程の高次自己相関関数値算出過程において、入力信号を用い、分析区間に対応する、上記加算過程で求めた自己相関関数値よりも高次の自己相関関数値を算出する。
また、上述の第1分析過程で、各ブロック内のみの自己相関を示す自己相関関数値を求めていた場合、それらの和によって近似される分析区間に対応する自己相関関数値には、当該分析区間を構成する複数のブロック間を跨る自己相関項が反映されない。本来、分析区間に対応する自己相関関数値は、分析区間内全体の自己相関を示すものである。よって、このようにして近似された分析区間に対応する自己相関関数値には、誤差が含まれる。そして、このような誤差は、近似された自己相関関数値の和によって、順次、別の階層のブロックの自己相関関数値を近似していく場合にも蓄積される。
よって、本発明において好ましくは、第1分析過程の自己相関関数算出過程において、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、それぞれのブロック長を拡張した時間区間の入力信号の自己相関関数値を求め、それらを当該各ブロックにそれぞれ対応する入力信号の自己相関関数値とする。この場合、第1分析過程の自己相関関数算出過程で算出される自己相関関数値には、対応するブロック内の自己相関だけではなく、隣のブロックにまで拡張された時間区間の自己相関も反映される。そのため、これらの自己相関関数値の和によって近似される分析区間の自己相関関数値には、当該分析区間を構成するブロックの境界を跨った自己相関項が反映され、上述の誤差が低減される。
また、第2分析過程で、入力信号を用い、分析区間を構成する複数のブロックの境界を跨ぐ自己相関を示す自己相関関数値を求め、これによって上述の誤差分を補ってもよい。すなわち、第2分析過程の境界自己相関関数値算出過程において、分析区間を構成するブロック間を跨る自己相関を示す自己相関関数値を求め、第2分析過程の加算過程において、分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値と、分析区間を構成するブロック間を跨る自己相関を示す自己相関関数値との和によって求めてもよい。
また、本発明において好ましくは、分析情報は、入力信号に対応するPARCOR係数(偏自己相関係数)を含む。この場合、第1分析過程の偏自己相関分析過程において、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号からPARCOR係数を求め、第2分析過程の加算過程において、分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の和によって求める。
ここで、分析区間に対応するPARCOR係数は、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数のPARCOR係数の和で近似できる。また、当該複数のPARCOR係数の和を求めるための演算量は、当該分析区間に対応するPARCOR係数を入力信号から直接求めるための演算量よりも大幅に少ない。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、大幅に少ない演算量で分析区間に対応するPARCOR係数を求めることができる。なお、近似精度の面からは、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数のPARCOR係数の重み付け和を、当該分析区間に対応するPARCOR係数とすることが望ましい。ここでの重みは、分析区間を構成する複数のブロックにそれぞれ対応する入力信号のエネルギー等を考慮して設定する。例えば、当該各PARCOR係数に与えられる重みの比率と、当該各PARCOR係数にそれぞれ対応する各ブロック内での入力信号のエネルギーの総和の比率とが、単調増加の関係になるように重みを決定することが望ましい。PARCOR係数はエネルギーが反映されない係数であるが、このようにエネルギーに基づいて重みを決定することにより、分析区間に対して算出されるPARCOR係数の精度が向上するからである。
また、本発明において好ましくは、分析情報は、ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和、並びに、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和を含む。この場合、第1分析過程の偏自己相関分析過程において、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から、当該各ブロックに対応する内積の総和とエネルギーの総和とを求める。また、第2分析過程の加算過程において、分析区間に対応する内積の総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された内積の総和の和によって求め、分析区間に対応するエネルギーの総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたエネルギーの総和の和によって求める。
ここで、分析区間に対応する上述の内積の総和は、それぞれ、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上述の内積の総和の和で近似できる。また、分析区間に対応する上述のエネルギーの総和は、それぞれ、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上述のエネルギーの総和の和で近似できる。また、このようにして分析区間に対応する内積の総和やエネルギーの総和を求めるために必要な演算量は、入力信号から直接これらを求めるための演算量よりも大幅に少ない。そして、上述の内積の総和を上述のエネルギーの総和で除算し、定数を乗じると、これらに対応するブロックのPARCOR係数が求まる。以上より、この好ましい構成では、ある程度の分析精度を維持しつつ、大幅に少ない演算量で分析区間に対応するPARCOR係数を求めることができる。
本発明では、分析区間に対応する分析情報の生成を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の分析情報を用いて行うこととした。そのため、フレームを複数のブロックに階層的に分割して符号化を行う適応ブロック長符号化において、入力信号の分析処理に必要な演算量を削減することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
本発明では、入力信号の時間区間であるフレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成する。次に、何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する。そして、分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する。これにより、分析区間に対応する入力信号の分析処理量を減らすことができる。
なお、本発明を適用するにあたり、フレームをブロック分割する際の階層数や分割ブロック長には、特に限定はなく、何れか1つ以上の階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合であれば、本発明を適用できる。以下では、代表例として図13のようにフレームを複数のブロックに分割し、本発明を適用する場合について説明する。
また、入力信号の分析を行って分析情報を求めるブロックについても特に制限はなく、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックであればよい。しかし、以下では、図13の第3階層140の各ブロックに対し、入力信号の分析を行ってそれぞれの分析情報を求める場合を例にとって説明する。
さらに、分析区間に対応する分析情報の生成に用いるブロックについても、当該分析区間を構成するブロックであれば特に制限はないが、以下では、分析区間の1つ下の階層(例えば、第2階層に対する第3階層)のブロックに対応する分析情報を用い、分析区間に対応する分析情報を生成する場合を例にとって説明する。
まず、本発明の実施例1について説明する。
実施例1は、分析情報の1つである自己相関関数値の算出に関し、本発明を適用した例である。実施例1では、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求めた自己相関関数値の和によって、分析区間の自己相関関数値を近似する。
<構成>
図1は、実施例1の適応ブロック長符号化装置10の構成を示したブロック図である。また、図2(a)は、適応ブロック長符号化装置10の第3階層線形予測分析部13aの構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部12aの構成を例示したブロック図である。
図1に示すように、実施例1の適応ブロック長符号化装置10は、第0階層110のブロックの信号を処理する第0階層線形予測分析部10a及び第0階層符号化部10bと、第1階層120のブロックの信号を処理する第1階層線形予測分析部11a及び第1階層符号化部11bと、第2階層130のブロックの信号を処理する第2階層線形予測分析部12a及び第2階層符号化部12bと、第3階層140のブロックの信号を処理する第3階層線形予測分析部13a及び第3階層符号化部13bと、符号量比較符号選択部14と、制御部16と、メモリ17とブロック分割部18とを有している。なお、この実施例では、第0階層線形予測分析部10a、第1階層線形予測分析部11a、第2階層線形予測分析部12aが、それぞれ「第2分析部」に相当する。また、第3階層線形予測分析部13aが、「第1分析部」に相当する。
また、図2(a)に例示するように、第3階層線形予測分析部13aは、窓関数適用部13aaと、自己相関関数値算出部13abと、線形予測係数算出部13acとを有している。また、第2階層線形予測分析部12aは、加算部12abと、線形予測係数算出部12acとを有している。なお、第0階層線形予測分析部10a、第1階層線形予測分析部11aの構成は、第2階層線形予測分析部12aの構成と同様である。
また、実施例1の適応ブロック長符号化装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等から構成される公知のコンピュータに所定のプログラムが読み込まれ、CPUがこのプログラムを実行することにより構成されるものである(以下の各実施例でも同様)。
<処理>
図4は、実施例1における自己相関関数値の算出処理を説明するための図である。以下、この図と図1と図2と図13とを用い、実施例1の適応ブロック長符号化方法を説明する。なお、実施例1の適応ブロック長符号化装置10は、制御部16の制御のもと各処理を実行する。また、適応ブロック長符号化装置10の各処理過程におけるデータは、メモリ17に逐一読み書きされるが、原則として、以下ではその説明を省略する。さらに、説明する処理の順序はあくまで一例であり、本実施例の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。さらには、少なくとも一部の処理を並列的に実行してもよい(以下の各実施例でも同様)。また、適応ブロック長符号化装置10への入力信号は、所定のサンプリング周波数でサンプリングされた離散的な信号である。また、各処理は、複数サンプルにそれぞれ対応する離散時間(サンプル点)からなる短時間区間であるフレーム毎に実行される。ここで、全サンプルにそれぞれ対応する離散時間からなる短時間区間(例えば、サンプル点数が1024点から32768点程度のもの)をフレームとしてもよく、その一部の短時間区間(例えば、サンプル点数が数百点から数千点程度のもの)をフレームとしてもよい。本実施例では、1フレームのサンプル点数をnとする。また、全サンプル点の一部の短時間区間をフレームとした場合、各処理はフレーム毎に繰り返されることになるが、以下では、1つのフレームの処理のみを説明する(以下の各実施例でも同様)。
[ブロック分割処理]
まず、nサンプルからなる1フレーム分の入力信号がブロック分割部18に入力される。ブロック分割部18は、このフレームを複数のブロックに階層的にブロック分割する(図13参照)。そして、ブロック分割部18は、分割された各ブロックB(d,u)に対応するサンプル(入力信号)x(d,u,jd,u)を特定し、各ブロックB(d,u)に対応するサンプルx(d,u,jd,u)を特定するための情報(以下「ブロック特定情報」と呼ぶ)をメモリ17に格納する。また、入力信号自身もメモリ17に格納される。なお、dはそのブロックの階層を示す値であり、dの値が小さいほど上位階層である。(図13参照)。また、uはそのブロックがその階層の何番目のブロックであるかを示す。また、本実施例では「上位階層」や「下位階層」との表現を用いるが、「上位階層」とは、基準とする階層よりもブロック長が長い階層を意味し、「下位階層」とは、基準とする階層よりもブロック長が短い階層を意味する。また、jd,uは、各ブロックB(d,u)に属する各サンプルの離散時間(サンプル点)を示し、例えば、図13のブロックB(0,1)の場合、j0,1=1,...,nであり、ブロックB(2,2)の場合、j2,2=n2+1,...,n4である。また、「ブロック分割」とは、フレームに属するサンプルを複数のブロックに分割する処理を意味するが、具体的には、例えば、各ブロックに対応するサンプル点を決定する処理や、各ブロックの開始サンプル点と終了サンプル点と(ブロックの区切り)を決定する処理等を意味する。なお、フレームのブロック分割方法(ブロック長や階層数等)は、予めブロック分割部18に設定されていてもよいし、入力信号等に応じ、その都度定められてもよい。そして、「ブロック特定情報」としては、例えば、各ブロックの開始サンプル点と終了サンプル点との情報等を例示できる。
[第3階層140の処理]
まず、第3階層線形予測分析部13aが、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)に対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部13aの窓関数適用部13aaは、読み込んだサンプルx(3,1,j3,1)に対し、時間長が有限である窓関数(例えば、ハミング窓)を乗じ、サンプルx’(3,1,j3,1)を生成する。なお、ここでの窓関数の窓幅は、ブロックB(3,1)の時間長と同一である。サンプルx’(3,1,j3,1)は、次に、自己相関関数値算出部13abに入力され、自己相関関数値算出部13abは、サンプルx’(3,1,j3,1)の第3階層自己相関関数値rτ(3,1)を、例えば、以下の式に従い、次数pまで(τ∈{1,...,p3})求める。
Figure 2007286200
算出された第3階層自己相関関数値rτ(3,1)は、ブロックB(3,1)に関連付けられてメモリ17に格納される。次に、線形予測係数算出部13acが、当該第3階層自己相関関数値rτ(3,1)をメモリ17から読み込み、例えば、読み込んだ当該第3階層自己相関関数値rτ(3,1)によって構成されるユール・ウォーカー(Yule-Walker)方程式を解くことによって、ブロックB(3,1)に対応する線形予測係数を算出する(例えば、“守谷健弘著、「音声符号化」、社団法人 電子情報通信学会、ISBN4−88552−156−4”や“古井貞煕著、「音響・音声工学」、株式会社 近代科学社、ISBN4−7649−0196−X”等参照)。その後、第3階層140のその他のブロックB(3,2)〜B(3,8)に対しても同様の処理が行われる。
[第2階層130の処理]
次に、第2階層線形予測分析部12aが、第3階層線形予測分析部13aで各ブロックに対して生成された第3階層自己相関関数値を用い、第2階層130の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第2階層自己相関関数値を算出する(図4参照)。
まず、第2階層線形予測分析部12aの加算部12abが、ブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値rτ(3,1),rτ(3,2)をメモリ17から読み込む。そして、加算部12abは、これらの合計値を、ブロックB(3,1),B(3,2)によって構成される第2階層130のブロックB(2,1)(図13参照)の第2階層自己相関関数値rτ(2,1)として算出する。すなわち、
rτ(2,1)= rτ(3,1)+ rτ(3,2) …(2)
とする。算出された第2階層自己相関関数値rτ(2,1)は、対応するブロックB(2,1)に関連付けられてメモリ17に格納される。その後、第2階層130の他のブロックB(2,2)〜B(2,4)についても同様に、加算部12abが、対応する第3階層自己相関関数値の和を求め、第2階層自己相関関数値を生成し、各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。
その後、線形予測係数算出部12acが、第2階層130の各ブロックに対応する第2階層自己相関関数値をメモリ17から読み込み、それぞれに対応する線形予測係数を算出し、各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。
[第1階層120の処理]
次に、第1階層線形予測分析部11aが、第2階層線形予測分析部12aで各ブロックに対して生成された第2階層自己相関関数値を用い、第1階層120の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第1階層自己相関関数値を算出する(図4参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第1階層自己相関関数値から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0階層110の処理]
次に、第0階層線形予測分析部10aが、第1階層線形予測分析部11aで各ブロックに対して生成された第1階層自己相関関数値を用い、第0階層110のブロックB(0,1)(「分析区間」に相当)に対応する第0階層自己相関関数値を算出する(図4参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された第0階層自己相関関数値から線形予測係数が算出され、算出された線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0〜3階層符号化部10b〜13bの処理]
その後、第0〜3階層符号化部10b〜13bが、上述のように各階層の各ブロックに対して生成された線形予測係数をそれぞれ読み込み、従来と同様、線形予測係数の量子化及び符号化、短期予測フィルタによる線形予測残差信号算出、(必要に応じて、線形予測残差信号の長期予測分析、長期予測フィルタによる長期予測残差信号算出)、及び残差符号化を独立に実行して、ブロック毎の残差符号を算出し、それらの符号量を計算する。
[符号量比較符号選択部14の処理]
次に、符号量比較符号選択部14が、上述のように算出された各符号量を比較し、フレーム100を構成するブロックの組合せであって、各ブロックにそれぞれ対応する符号量のフレーム100内での合計が最小となるものを選択する。そして、符号量比較
符号選択部14は、選択したブロックに対応する残差符号と、線形予測係数符号と、選択した各ブロックを示す選択情報とを、符号列として出力する。
<実施例1の特徴>
実施例1では、まず、入力信号を用い、第3階層の各ブロックに対して第3階層自己相関関数値を生成する。そして、第L階層(L∈{0,...,2})の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第L階層自己相関関数値を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の第L+1階層自己相関関数値の合計によって再帰的に算出する。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、第0〜2階層での分析処理量を大幅に低減させることができる。
<実施例1の変形例1>
次に、実施例1の変形例1について説明する。前述のようにブロック長を基準に次数が制限されている場合、第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の自己相関関数値を合計するだけでは、第L階層のブロックに対応する自己相関関数値の次数の上限までの自己相関関数値を得ることができない。実施例1の変形例1では、入力信号を用いて高次の自己相関関数値を生成し、第L階層で不足する次数分の自己相関関数値を補う。
この変形例1の場合、第3階層140に対応する処理は実施例1と同じである。また、変形例1の第0〜第2階層にそれぞれ対応する処理は互いに同様である。以下では、変形例1の第2階層130に対応する処理のみを説明する。
図3(a)は、実施例1の変形例1の第2階層線形予測分析部12aの構成を例示したブロック図である。まず、実施例1で説明したように、第2階層線形予測分析部12aの加算部12abが、第3階層140の複数のブロックにそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値を加算し、その加算値を第2階層130のブロックに対応する第2階層自己相関関数値とする。ここで、第3階層自己相関関数値の次数はpであり、第2階層自己相関関数値の次数の上限値pよりも小さい。そのため、この加算によって得られる第2階層自己相関関数値は次数pまでであり、次数p+1からpまでの第2階層自己相関関数値は得られない。この不足分を得るため、まず、第2階層線形予測分析部12aが、この不足分の第2階層自己相関関数値を算出するブロックに対応するサンプルをメモリ17から読み込む。そして、第2階層線形予測分析部12aの窓関数適用部12aaは、読み込んだサンプルに対して時間長が有限である窓関数を乗じ、さらに、高次自己相関関数値算出部12adが、当該窓関数が乗じられたサンプルの第2階層自己相関関数値を、前述の式(1)と同様な式に従って算出する。但し、その次数はp+1からpまで(τ∈{p3+1,...,p2})である。
以上の処理により、次数1からpまでの第2階層自己相関関数値が得られる。そして、これらの第2階層自己相関関数値は、線形予測係数算出部12acでの処理に用いられると共に、第1階層120のブロックに対応する第1階層自己相関関数値の生成に用いられる。その後、他の上位階層に対し、同様に高次の自己相関関数値を求めてもよい。
<実施例1の変形例2>
次に、実施例1の変形例2について説明する。前述のように、第3階層140の各ブロックに対し、ブロック内のみの第3階層自己相関関数値を求めていた場合、それらの和によって近似される第2階層130のブロックに対応する第2階層自己相関関数値には、第3階層140の各ブロックを跨る自己相関項が反映されない。これは、このように近似された第2階層自己相関関数値の誤差となる。同様な問題は、上位階層へも引き継がれ、第1階層120、第0階層110となるに従い、各階層の自己相関関数値に同様な誤差が蓄積されていく。
実施例1の変形例2では、第3階層140の各ブロックに対し、それぞれのブロック長を拡張した時間区間の入力信号に対する第3階層自己相関関数値を求める。この場合、第3階層140の各ブロックに対応する第3階層自己相関関数値に、当該ブロックの隣のブロックとを跨る自己相関項が反映される。その結果、上位階層の自己相関関数値に対する上述した誤差が低減される。以下、実施例1の変形例2における、第3階層自己相関関数値の算出処理例をブロックB(3,1)を例にとって具体的に説明する。
まず、第3階層線形予測分析部13a(図1,図2参照)が、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)の時間長を拡張したサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1+p3)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部13aの窓関数適用部13aaは、読み込んだサンプルx(3,1,j3,1)に対し、時間長が有限である窓関数を乗じ、サンプルx’(3,1,j3,1)を生成する。なお、ここでの窓関数は、j3,1=1,...,n1+p3以外に対応するサンプルの振幅を0にするものである。サンプルx’(3,1,j3,1)は、次に、自己相関関数値算出部13abに入力され、自己相関関数値算出部13abは、サンプルx’(3,1,j3,1)の第3階層自己相関関数値rτ(3,1)を、例えば、以下の式に従い、次数pまで求める(τ∈{1,...,p3})。
Figure 2007286200
このように算出された第3階層自己相関関数値rτ(3,1)には、ブロックB(3,1)とブロックB(3,2)とを跨る自己相関も反映されている。その結果、ブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値rτ(3,1),rτ(3,2)の和によって算出される、ブロックB(2,1)の第2階層自己相関関数値rτ(2,1)の誤差が軽減される。なお、ブロックの時間長の拡張方向及び拡張幅は上述のものに限定されず、時間長を後ろ向き方向に拡張したり、前向きと後ろ向きの両方に拡張したりしてもよい。しかし、同一方向に時間長を拡張することに統一しておいたほうが、より良い近似ができる。
<実施例1の変形例3>
次に、実施例1の変形例3について説明する。変形例3も上述の変形例2と同様な誤差の問題を解決するためのものである。変形例3では、第L階層(L∈{0,...,2})のブロックに対応する自己相関関数値を生成する際に、当該ブロックを構成する第L+1階層のブロック間を跨る自己相関項を加算する。
この変形例3の場合、第3階層140に対応する処理は実施例1と同じである。また、変形例3の第0〜第2階層にそれぞれ対応する処理は互いに同様である。以下では、変形例3の第2階層130に対応する処理のみを説明する。
図3(b)は、実施例1の変形例3の第2階層線形予測分析部12aの構成を例示したブロック図である。まず、実施例1で説明したように、第2階層線形予測分析部12aの加算部12abが、第3階層140の複数のブロックにそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値を加算し、その加算値を第2階層130のブロックに対応する第2階層自己相関関数値とする。ここで、この第2階層自己相関関数値には、第3階層140の複数のブロック間を跨る自己相関項が反映されていない。そのため、まず、第2階層線形予測分析部12aが、第2階層130のブロックを構成する、第3階層140の複数のブロック境界付近のサンプルをメモリ17から読み込む。そして、第2階層線形予測分析部12aの窓関数適用部12aaは、読み込んだサンプルに対して時間長が有限である窓関数を乗じ、さらに、境界自己相関関数値算出部12aeが、当該窓関数が乗じられたサンプルの自己相関関数値を算出する。そして、加算部12abが、この自己相関関数値と、3階層140の複数のブロックにそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値とを加算し、第2階層自己相関関数値を算出する。
具体的には、例えば、第3階層140のブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値rτ(3,1),rτ(3,2)が、
Figure 2007286200
を算出する。なお、x’(t),x’(t+τ)は、それぞれ、離散時刻t,t+τに対応するサンプル(入力信号)に時間長が有限である窓関数を乗じた値である。そして、加算部12abは、
rτ(2,1)= rτ(3,1)+rτ(3,2)+rτ'(2,1) …(7)
によって第2階層130のブロックB(2,1)に対応する第2階層自己相関関数値rτ(2,1)を算出する。なお、境界自己相関関数値算出部12aeが算出する自己相関関数値は上述のものに限定されない。また、実施例1の変形例2と変形例3とを組み合わせてもよい。
次に、本発明の実施例2について説明する。
実施例2は、分析情報の1つであるPARCOR係数の算出に関し、本発明を適用した例である。実施例2では、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求めたPARCOR係数の和によって、分析区間の自己相関関数値を近似する。なお、以下では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1で既に説明した事項については説明を簡略化する。
<構成>
図5は、実施例2の適応ブロック長符号化装置20の構成を示したブロック図である。また、図6(a)は、適応ブロック長符号化装置20の第3階層線形予測分析部23aの構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部22aの構成を例示したブロック図である。
図5に示すように、実施例2の適応ブロック長符号化装置20は、第0階層110のブロックの信号を処理する第0階層線形予測分析部20a及び第0階層符号化部10bと、第1階層120のブロックの信号を処理する第1階層線形予測分析部21a及び第1階層符号化部11bと、第2階層130のブロックの信号を処理する第2階層線形予測分析部22a及び第2階層符号化部12bと、第3階層140のブロックの信号を処理する第3階層線形予測分析部13a及び第3階層符号化部13bと、符号量比較符号選択部14と、制御部16と、メモリ17とブロック分割部18とを有している。なお、この実施例では、第0階層線形予測分析部20a、第1階層線形予測分析部21a、第2階層線形予測分析部22aが、それぞれ「第2分析部」に相当する。また、第3階層線形予測分析部23aが、「第1分析部」に相当する。
また、図6(a)に例示するように、第3階層線形予測分析部23aは、偏自己相関分析部23aaと、線形予測係数算出部23abとを有している。また、第2階層線形予測分析部22aは、加算部22aaと、線形予測係数算出部22abと、重み算出部22acとを有している。なお、第0階層線形予測分析部20a及び第1階層線形予測分析部21aの構成は、第2階層線形予測分析部12aの構成と同様である。
<処理>
図7は、実施例2におけるPARCOR係数の算出処理を説明するための図である。以下、この図と図5と図6と図13とを用い、実施例2の適応ブロック長符号化方法を説明する。
[ブロック分割処理]
実施例1と同じである。
[第3階層140の処理]
まず、第3階層線形予測分析部23aが、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)に対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部23aの偏自己相関分析部23aaが、入力されたサンプルx(3,1,j3,1)からブロックB(3,1)に対応する第3階層PARCOR係数km,m(3,1)(mはPARCOR係数の次数)を算出する。なお、この第3階層PARCOR係数km,m(3,1)の算出には、例えば、バーグ(Burg)法等の公知のアルゴリズムを用いる。また、算出された第3階層PARCOR係数km,m(3,1)は、対応するブロックB(3,1)に関連付けられ、メモリ17に格納される。
次に、線形予測係数算出部23abが、第3階層PARCOR係数km,m(3,1)をメモリ17から読み込み、読み込んだ第3階層PARCOR係数km,m(3,1)からブロックB(3,1)に対応する線形予測係数を算出する。なお、PARCOR係数と線形予測係数とは等価なパラメータであり、それらの関係や変換方法も公知である。
その後、第3階層140のその他のブロックB(3,2)〜B(3,8)に対して、ブロックB(1,2)と同様な処理が行われる。
[第2階層130の処理]
次に、第2階層線形予測分析部22aが、第3階層線形予測分析部23aで各ブロックに対して生成された第3階層PARCOR係数を用い、第2階層130の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第2階層PARCOR係数を算出する(図7参照)。
ブロックB(2,1)を分析区間とする場合、まず、第2階層線形予測分析部22aの重み算出部22acが、メモリ17のブロック特定情報を参照し、ブロックB(2,1)を構成するブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1),x(3,2,j3,2)(j3,2=n1+1,...,n2)をメモリ17から読み込む。そして、重み算出部22acは、ブロックB(3,1)内におけるサンプルx(3,1,j3,1)のエネルギーの合計値E(3,1)と、ブロックB(3,2)内におけるサンプルx(3,2,j3,2)のエネルギーの合計値E(3,2)とを求める。なお、サンプルのエネルギーとは、サンプルの振幅の2乗値を意味する。さらに、重み算出部22acは、例えば以下の式によって、重みω(2,1),ω(2,1)を算出し、これらをブロックB(2,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
ω1(2,1)={E(3,1)/{E(3,1)+E(3,2)}}1/2 …(8)
ω2(2,1)={E(3,2)/{E(3,1)+E(3,2)}}1/2 …(9)
次に、加算部22aaが、ブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応する第3階層PARCOR係数km,m(3,1),km,m(3,2)と、ブロックB(2,1)に対応する重みω(2,1),ω(2,1)とを読み込む。そして、加算部22aaは、以下の式によってブロックB(2,1)に対応する第2階層PARCOR係数km,m(2,1)を算出する(図7参照)。
km,m(2,1)=ω1(2,1)・km,m(3,1)+ω2(2,1)・km,m(3,2) …(10)
算出されたブロックB(2,1)に対応する第2階層PARCOR係数km,m(2,1)は、対応するブロックB(2,1)に関連付けられてメモリ17に格納される。
その後、第2階層130の他のブロックB(2,2)〜B(2,4)についても同様に、重み算出部22acが重みを算出し、加算部12abが対応する第3階層PARCOR係数の重み付け和を求め、第2階層PARCOR係数を生成し、各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。
そして、線形予測係数算出部22abが、メモリ17から各ブロックに対応する第2階層PARCOR係数を読み込み、これらから各ブロックにそれぞれ対応する線形予測係数を算出する。
[第1階層120の処理]
次に、第1階層線形予測分析部21aが、第2階層線形予測分析部22aで各ブロックに対して生成された第2階層PARCOR係数を用い、第1階層120の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第1階層PARCOR係数を算出する(図7参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第1階層PARCOR係数から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0階層110の処理]
次に、第0階層線形予測分析部20aが、第1階層線形予測分析部21aで各ブロックに対して生成された第1階層自己相関関数値を用い、第0階層110のブロックB(0,1)(「分析区間」に相当)に対応する第0階層PARCOR係数を算出する(図7参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された第0階層PARCOR係数から線形予測係数が算出され、算出された線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0〜3階層符号化部10b〜13bの処理・符号量比較符号選択部14の処理]
これらの処理は実施例1と同じであるため説明を省略する。
<実施例2の特徴>
実施例2では、まず、入力信号を用い、第3階層の各ブロックに対して第3階層PARCOR係数を生成する。そして、第L階層(L∈{0,...,2})の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第L階層PARCOR係数を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された、複数の第L+1階層PARCOR係数の重み付け和によって再帰的に算出する。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、第0〜2階層での分析処理量を大幅に低減させることができる。
また、実施例2では、第L+1階層の各ブロックのエネルギーに対応する重みを付けて各第L+1階層PARCOR係数を加算し、第L階層PARCOR係数を算出した。PARCOR係数はサンプルのエネルギーが反映されない係数である。このようにエネルギーに対応する重みを付けて加算を行うことにより、算出される第L階層PARCOR係数の精度が向上する。
<実施例2の変形例1>
実施例2では、分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の重み付け和によって求めることとした。しかし、分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数を単純に加算して求めてもよい。この場合、算出されるPARCOR係数の精度は落ちるが、分析に必要な処理量は低減できる。
<実施例2の変形例2>
実施例2及び実施例2の変形例1では、各階層において、図6に示したような構成の線形予測係数算出部でPARCOR係数から線形予測係数を求め、図12に示したような線形予測係数符号化部で線形予測係数から量子化線形予測係数と線形予測係数符号とを求めていた。これに対し、実施例2の変形例2では、各階層でPARCOR係数を量子化して量子化PARCOR係数を生成し、線形予測係数符号の代わりにPARCOR係数符号を生成・出力する構成である。具体的には、例えば、下記の2つの形態が挙げられる。
形態1:
形態1では、図6(a)の第3階層線形予測分析部23aの代わりに図14(a)の第3階層線形予測分析部223aを用い、図6(b)の第2階層線形予測分析部22aの代わりに図14(b)の第2階層線形予測分析部222aを用い、第0,1階層線形予測分析部20a,21aとして、図14(b)の第2階層線形予測分析部222aと同様な構成のものを用いる。また、第0〜3階層符号化部10b〜13bの代わりに、それぞれ図16の符号化部240を用いる。
この場合、第3階層では、第3階層線形予測分析部223aの偏自己相関分析部223aaが、実施例2と同様に、第3階層PARCOR係数を求める。次に、PARCOR係数量子化部223acが、この第3階層PARCOR係数を量子化した第3階層量子化PARCOR係数を生成し、さらに第3階層量子化PARCOR係数を符号化したPARCOR係数符号を生成する。さらに、線形予測係数算出部223abが、第3階層量子化PARCOR係数を量子化線形予測係数に変換する。このように生成された各ブロックのPARCOR係数符号と量子化線形予測係数とは、対応するブロックの入力信号とともに、図16に示す符号化部240に入力される。
また、第2階層では、第3階層の複数のブロックに対応する入力信号と第3階層PARCOR係数とがそれぞれ入力され、実施例2と同様に、重み算出部222acが各ブロックに対応する重み係数を算出し、加算部222aaが、これらの重み係数を用い、各ブロックに対応する第3階層PARCOR係数を重み付け加算して、第2階層のブロックに対応する第2階層PARCOR係数を生成する。そして、PARCOR係数量子化部222adが、この第2階層PARCOR係数を量子化した第2階層量子化PARCOR係数を生成し、さらに第2階層量子化PARCOR係数を符号化したPARCOR係数符号を生成する。さらに、線形予測係数算出部222abが、第2階層量子化PARCOR係数を量子化線形予測係数に変換する。このように生成された各ブロックのPARCOR係数符号と量子化線形予測係数とは、対応するブロックの入力信号とともに、図16に示す符号化部240に入力される。
そして、第1階層、第0階層でも順次第2階層と同様な処理が実行される。また、符号化部240は、各階層各ブロック毎に、線形予測フィルタ部242での入力信号の量子化線形予測係数を用いたフィルタリングによる線形予測残差信号の算出、(必要に応じ、長期予測分析部243での線形予測残差信号の長期予測分析、長期予測係数符号化部244での長期予測遅延量及び長期予測ゲインの量子化と符号化、長期予測フィルタ部245での長期予測残差信号算出)及びその符号化を独立に実行し、ブロック毎の残差符号を算出する。そして、出力部247が、これらの各PARCOR係数符号、(算出された場合には、長期予測係数符号)及び残差符号を出力する。
形態2:
形態2では、各階層で算出された量子化PARCOR係数を他の階層のPARCOR係数の生成に流用する。すなわち、形態2では、図6(a)の第3階層線形予測分析部23aの代わりに図15(a)の第3階層線形予測分析部223aを用い、図6(b)の第2階層線形予測分析部22aの代わりに図15(b)の第2階層線形予測分析部222aを用い、第0,1階層線形予測分析部20a,21aとして、図15(b)の第2階層線形予測分析部222aと同様な構成のものを用いる。また、第0〜3階層符号化部10b〜13bの代わりに、それぞれ図16の符号化部240を用いる。
この場合、第3階層では、第3階層線形予測分析部223aの偏自己相関分析部223aaが、実施例2と同様に、第3階層PARCOR係数を求める。次に、PARCOR係数量子化部223acが、この第3階層PARCOR係数を量子化した第3階層量子化PARCOR係数を生成し、さらに第3階層量子化PARCOR係数を符号化したPARCOR係数符号を生成する。さらに、線形予測係数算出部223abが、第3階層量子化PARCOR係数を量子化線形予測係数に変換する。このように生成された各ブロックのPARCOR係数符号と量子化線形予測係数とは、対応するブロックの入力信号とともに、図16に示す符号化部240に入力される。
また、第2階層では、第3階層の複数のブロックに対応する入力信号と第3階層量子化PARCOR係数とがそれぞれ入力され、実施例2と同様に、重み算出部222acが各ブロックに対応する重み係数を算出し、加算部222aaが、これらの重み係数を用い、各ブロックに対応する第3階層量子化PARCOR係数を重み付け加算して、第2階層のブロックに対応する第2階層PARCOR係数を生成する。そして、PARCOR係数量子化部222adが、この第2階層PARCOR係数を量子化した第2階層量子化PARCOR係数を生成し、さらに第2階層量子化PARCOR係数を符号化したPARCOR係数符号を生成する。さらに、線形予測係数算出部222abが、第2階層量子化PARCOR係数を量子化線形予測係数に変換する。このように生成された各ブロックのPARCOR係数符号と量子化線形予測係数とは、対応するブロックの入力信号とともに、図16に示す符号化部240に入力される。そして、第1階層、第0階層でも順次第2階層と同様な処理が実行され、符号化部240で形態1と同じ処理が実行される。
要は、量子化済の線形予測係数が線形予測フィルタ部に伝えられ、線形予測係数又は線形予測係数と等価な係数の符号が出力部に伝えられる構成であれば、どのような構成であってもよい。この点、以下の実施例3でも同様である。
次に、本発明の実施例3について説明する。
実施例3も、実施例2と同様、分析情報の1つであるPARCOR係数の算出に関し、本発明を適用した例である。各ブロックのPARCOR係数は、当該ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和を、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和で割ったものに比例する。実施例3では、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求められた「前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和」の和によって、「当該分析区間の前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和」を近似し、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求められた「前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和」の和によって、「当該分析区間の前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和」を近似する。そして、これらの近似値を用いることにより、分析区間に対応するPARCOR係数を算出し、演算量を削減する。なお、以下では、上述の実施例との相違点を中心に説明し、これまで説明した実施例で既に説明した事項については説明を簡略化する。
<構成>
図8は、実施例3の適応ブロック長符号化装置30の構成を示したブロック図である。また、図9(a)は、適応ブロック長符号化装置30の第3階層線形予測分析部33aの構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部32aの構成を例示したブロック図である。
図8に示すように、実施例3の適応ブロック長符号化装置30は、第0階層110のブロックの信号を処理する第0階層線形予測分析部30a及び第0階層符号化部10bと、第1階層120のブロックの信号を処理する第1階層線形予測分析部31a及び第1階層符号化部11bと、第2階層130のブロックの信号を処理する第2階層線形予測分析部32a及び第2階層符号化部12bと、第3階層140のブロックの信号を処理する第3階層線形予測分析部33a及び第3階層符号化部13bと、符号量比較符号選択部14と、制御部16と、メモリ17とブロック分割部18とを有している。なお、この実施例では、第0階層線形予測分析部30a、第1階層線形予測分析部31a、第2階層線形予測分析部32aが、それぞれ「第2分析部」に相当する。また、第3階層線形予測分析部33aが、「第1分析部」に相当する。
また、図9(a)に例示するように、第3階層線形予測分析部33aは、偏自己相関分析部33aaと、線形予測係数算出部33abとを有している。また、第2階層線形予測分析部32aは、加算部32aaと、除算部32abと、乗算部32acと、線形予測係数算出部32adとを有している。なお、第0階層線形予測分析部30a及び第1階層線形予測分析部31aの構成は、第2階層線形予測分析部32aの構成と同様である。
<処理>
図10は、実施例3におけるPARCOR係数の算出処理を説明するための図である。以下、この図と図8と図9と図13とを用い、実施例3の適応ブロック長符号化方法を説明する。
[ブロック分割処理]
実施例1と同じである。
[第3階層140の処理]
まず、第3階層線形予測分析部33aが、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)に対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部33aの偏自己相関分析部33aaが、入力されたサンプルx(3,1,j3,1)からブロックB(3,1)に対応する、第3階層PARCOR係数km,m(3,1)(mはPARCOR係数の次数)と、前向き予測誤差b’m,i(3,1)(i∈{1,...,n1-m})と、後ろ向き予測誤差bm,i(3,1)とを算出する。ここで、前向き予測誤差b’m,i(3,1)は、サンプルx(3,1,j)(j∈{i,...,i+m})を用い、サンプルx(3,1,i+m+1)を線形予測したときの線形予測誤差を示す。また、後ろ向き予測誤差bm,i(3,1)は、サンプルx(3,1,j)(j∈{i,...,i+m})を用い、サンプルx(3,1,i−1)を線形予測したときの線形予測誤差を示す。また、これらの値の算出は、例えば、バーグ(Burg)法等の公知の方法を用いる。バーグ(Burg)法を用いる場合には、以下の漸化式を用い、mを1から順に1つずつ増加させつつ再帰的に、必要な次数mまでの第3階層PARCOR係数km,m(3,1)と、前向き予測誤差b’m,i(3,1)と、後ろ向き予測誤差bm,i(3,1)とを算出する。
Figure 2007286200
bm,i=bm-1,i+km-1,m-1(3,1)・b'm-1,i(3,1) …(12)
b'm,i=b'm-1,i+1+km-1,m-1(3,1)・bm-1,i+1(3,1) …(13)
b0,i= b'0,i=x(3,1,i), b1,i= x(3,1,i), b'1,i=x(3,1,i+1) …(14)
そして、偏自己相関分析部33aaは、この演算の過程で得られた第3階層PARCOR係数km,m(3,1)と、ブロックB(3,1)内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和(「第3階層誤差系列の内積」と呼ぶ)
Figure 2007286200
と、ブロックB(3,1)内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和(「第3階層誤差系列のエネルギー」と呼ぶ)
Figure 2007286200
とを、それぞれ、ブロックB(3,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
次に、線形予測係数算出部33abが、第3階層PARCOR係数km,m(3,1)をメモリ17から読み込み、読み込んだ第3階層PARCOR係数km,m(3,1)からブロックB(3,1)に対応する線形予測係数を算出する。
その後、第3階層140のその他のブロックB(3,2)〜B(3,8)に対して、ブロックB(1,2)と同様な処理が行われる。
[第2階層130の処理]
次に、第2階層線形予測分析部32aが、第3階層線形予測分析部33aで各ブロックに対して生成された「第3階層誤差系列の内積」と「第3階層誤差系列のエネルギー」とを用い、第2階層130の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第2階層自己相関関数値を算出する(図10参照)。
ブロックB(2,1)を分析区間とする場合、まず、第2階層線形予測分析部32aの加算部32aaが、メモリ17のブロック特定情報を参照し、ブロックB(2,1)を構成するブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応する「第3階層誤差系列の内積」d(3,1),d(3,2)と、「第3階層誤差系列のエネルギー」p(3,1),p(3,2)とを読み込む。そして、加算部32aaは、
dm(2,1)=dm(3,1)+dm(3,2) …(17)
pm(2,1)=pm(3,1)+pm(3,2) …(18)
の近似よって、ブロックB(2,1)に対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和d(2,1)(「第2階層誤差系列の内積」と呼ぶ)と、ブロックB(2,1)に対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和p(2,1)(「第2階層誤差系列のエネルギー」と呼ぶ)とを算出し、これらをブロックB(2,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
次に、除算部32abが、d(2,1)/p(2,1)の除算を行い、乗算部32acが、d(2,1)/p(2,1)に定数α(=−1/2)を乗じ、ブロックB(2,1)に対応する第2階層PARCOR係数
km,m(2,1)={dm(2,1)/pm(2,1)}α …(19)
を算出し、ブロックB(2,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
その後、第2階層130の他のブロックB(2,2)〜B(2,4)についても同様に、第3階層線形予測分析部33aで各ブロックに対して生成された「第3階層誤差系列の内積」と「第3階層誤差系列のエネルギー」とを用い、それぞれに対応する「第2階層誤差系列の内積」と「第2階層誤差系列のエネルギー」と第2階層PARCOR係数とを算出し(図10参照)、これらを、対応するブロックB(2,2)〜B(2,4)に関連付けてメモリ17に格納する。
そして、線形予測係数算出部32adが、メモリ17から各ブロックに対応する第2階層PARCOR係数を読み込み、これらから各ブロックにそれぞれ対応する線形予測係数を算出する。
[第1階層120の処理]
次に、第1階層線形予測分析部31aが、第2階層線形予測分析部32aで各ブロックに対して生成された「第2階層誤差系列の内積」と「第2階層誤差系列のエネルギー」とを用い、第1階層120の各ブロック(「分析区間」に相当)にそれぞれ対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和(「第1階層誤差系列の内積」と呼ぶ)と、前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和(「第1階層誤差系列のエネルギー」と呼ぶ)と、第1階層PARCOR係数とを算出し、これらを対応する第1階層120の各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第1階層PARCOR係数から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0階層110の処理]
次に、第0階層線形予測分析部30aが、第1階層線形予測分析部31aで各ブロックに対して生成された「第1階層誤差系列の内積」と「第1階層誤差系列のエネルギー」とを用い、第0階層110の各ブロック(「分析区間」に相当)にそれぞれ対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和と、前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和と、第0階層PARCOR係数とを算出し、これらを対応する第0階層110の各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第0階層PARCOR係数から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0〜3階層符号化部10b〜13bの処理・符号量比較符号選択部14の処理]
これらの処理は実施例1と同じであるため説明を省略する。
<実施例3の特徴>
実施例3では、まず、入力信号を用い、第3階層の各ブロックに対して「第3階層誤差系列の内積」と「第3階層誤差系列のエネルギー」と第3階層PARCOR係数とを生成する。そして、第L階層(L∈{0,...,2})の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する「第L階層誤差系列の内積」を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の「第L+1階層誤差系列の内積」の和によって算出する。また、第L階層の各ブロックに対応する「第L階層誤差系列のエネルギー」を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の「第L+1階層誤差系列のエネルギー」の和によって算出する。そして、「第L階層誤差系列の内積」と「第L階層誤差系列のエネルギー」とを用いて、第L階層PARCOR係数を算出する。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、第0〜2階層での分析処理量を大幅に低減させることができる。
〔各実施例に対する変形例〕
その他、上述の各実施例及びその変形例について、以下のような変形を行ってもよい。
例えば、第0〜3階層符号化部10b〜13bにおいて、それぞれ、上述のように得られた各階層各ブロックの線形予測係数を量子化し、量子化された線形予測係数を用いた線形予測フィルタによって、各ブロックに対応する入力信号をフィルタリングする。そして、それによって得られた線形予測誤差信号を長期予測する際に、他階層の線形予測誤差信号の自己相関関数値を流用することとしてもよい。この場合、第3階層符号化部13bの長期予測では、実際の線形予測誤差信号からその自己相関関数値を求める。一方、第2階層符号化部12bでは、第2階層符号化部12bの分析区間に対応する線形予測誤差信号の自己相関関数値を、当該分析区間を構成する第3階層の複数のブロックに対してそれぞれ算出された自己相関関数値の平均値によって算出する。例えば、ブロックB(3,3),B(3,4)それぞれに対応する線形予測誤差信号の自己相関関数値の平均値を、ブロックB(2,2)の線形予測誤差信号の自己相関関数値として用いる(図13参照)。そして、第1階層符号化部11b、第0階層符号化部10bでも同様に、分析区間に対応する線形予測誤差信号の自己相関関数値を、当該分析区間を構成する下位階層の複数のブロックに対してそれぞれ算出された自己相関関数値の平均値によって算出する。
また、例えば、上述した各階層の構成を複数チャネル分設け、さらに、第0〜3階層符号化部10b〜13bにおいて、各チャネルに対応する線形予測誤差信号のチャネル間相関値(例えば、線形予測誤差信号の重み付き差分信号)を階層毎に求め、チャネル間相関に基づく符号化を行ってもよい(なお、チャネル間相関に基づく符号化については、ISO/IEC 14496−3:2005/AMD2(通称MPEG−4 ALS)や特開2005−115267等参照)。そして、この際に、生成されたチャネル間相関値を他の階層で流用する構成であってもよい。この場合、第3階層符号化部13bでは、複数チャネルにそれぞれ対応する各線形予測誤差信号から実際にチャネル間相関値を求める。一方、第2階層符号化部12bでは、第2階層符号化部12bの分析区間に対応する線形予測誤差信号のチャネル間相関値を、当該分析区間を構成する第3階層の複数のブロックに対してそれぞれ算出されたチャネル間相関値の平均値によって算出する。例えば、ブロックB(3,3),B(3,4)それぞれに対応する線形予測誤差信号のチャネル間相関値の平均値を、ブロックB(2,2)の線形予測誤差信号の自己相関関数値として用いる(図13参照)。そして、第1階層符号化部11b、第0階層符号化部10bでも同様に、分析区間に対応する線形予測誤差信号のチャネル間相関値を、当該分析区間を構成する下位階層の複数のブロックに対してそれぞれ算出されたチャネル間相関値の平均値によって算出する。
また、本発明は上述の各実施例に限定されるものではない。例えば、制御部16の制御のもと、各実施例の構成を適宜組み合わせて実行してもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、各実施例では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
本発明の産業上の利用分野としては、例えば、音響信号の圧縮符号化等を例示できる。
図1は、実施例1の適応ブロック長符号化装置の構成を示したブロック図である。 図2(a)は、実施例1の適応ブロック長符号化装置の第3階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。(b)は、第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。 図3(a)は、実施例1の変形例1の第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。(b)は、実施例1の変形例3の第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。 図4は、実施例1における自己相関関数値の算出処理を説明するための図である。 図5は、実施例2の適応ブロック長符号化装置の構成を示したブロック図である。 図6(a)は、実施例2の適応ブロック長符号化装置の第3階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。 図7は、実施例2におけるPARCOR係数の算出処理を説明するための図である。 図8は、実施例3の適応ブロック長符号化装置の構成を示したブロック図である。 図9(a)は、実施例3の適応ブロック長符号化装置の第3階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。(b)は、第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。 図10は、実施例3におけるPARCOR係数の算出処理を説明するための図である。 図11は、従来の符号化装置の構成を例示したブロック図である。 図12は、図11の第0〜3階層符号化部の構成を例示したブロック図である。 図13は、符号化処理が行われるフレームの構成を例示した概念図である。 図14(a)は、実施例2の変形例2における適応ブロック長符号化装置の第3階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。(b)は、第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。 図15(a)は、実施例2の変形例2における適応ブロック長符号化装置の第3階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。(b)は、第2階層線形予測分析部の構成を例示したブロック図である。 図16は、実施例2の変形例2における符号化部の構成を例示したブロック図である。
符号の説明
10〜30 適応ブロック長符号化装置

Claims (18)

  1. 入力信号の時間区間であるフレームを階層的に複数のブロックに分割し、各ブロックに対応する入力信号の分析結果を示す分析情報から得られた情報を用いて、フレームを構成するブロックを選択する適応ブロック長符号化装置であって、
    上記フレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成するブロック分割部と、
    何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する第1分析部と、
    上記分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する第2分析部と、
    を有することを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  2. 請求項1に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記分析情報は、
    入力信号の自己相関関数値を含み、
    上記第1分析部は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から自己相関関数値を求める自己相関関数値算出部を具備し、
    上記第2分析部は、
    上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値の和によって求める加算部を具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  3. 請求項2に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記第1分析部の上記自己相関関数値算出部は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、それぞれのブロック長を拡張した時間区間の入力信号の自己相関関数値を求め、それらを当該各ブロックにそれぞれ対応する入力信号の自己相関関数値とする、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  4. 請求項2に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記第2分析部は、
    上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値を求める境界自己相関関数値算出部を具備し、
    上記第2分析部の上記加算部は、
    上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値と、上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値との和によって求める、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  5. 請求項2から4の何れかに記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記第2分析部は、
    上記分析区間に対応する、上記加算部で求めた自己相関関数値よりも高次の自己相関関数値を、入力信号を用いて算出する高次自己相関関数値算出部をさらに具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  6. 請求項1に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記分析情報は、
    入力信号に対応するPARCOR係数を含み、
    上記第1分析部は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号からPARCOR係数を求める偏自己相関分析部を具備し、
    上記第2分析部は、
    上記分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の和又は重み付け和によって求める加算部を具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  7. 請求項6に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記加算部が、上記分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数を重み付け和する際に、当該各PARCOR係数に与える重みの比率は、
    当該各PARCOR係数にそれぞれ対応する各ブロック内での入力信号のエネルギーの総和の比率と、単調増加の関係にある、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  8. 請求項1に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
    上記分析情報は、
    ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和、並びに、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和を含み、
    上記第1分析部は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から、当該各ブロックに対応する上記内積の総和と上記エネルギーの総和とを求める偏自己相関分析部を具備し、
    上記第2分析部は、
    上記分析区間に対応する上記内積の総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記内積の総和の和によって求め、上記分析区間に対応する上記エネルギーの総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記エネルギーの総和の和によって求める加算部を具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。
  9. 入力信号の時間区間であるフレームを階層的に複数のブロックに分割し、各ブロックに対応する入力信号の分析結果を示す分析情報から得られた情報を用いて、フレームを構成するブロックを選択する適応ブロック長符号化方法であって、
    上記フレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成するブロック分割過程と、
    何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する第1分析過程と、
    上記分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する第2分析過程と、
    を有することを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  10. 請求項9に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記分析情報は、
    入力信号の自己相関関数値を含み、
    上記第1分析過程は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から自己相関関数値を求める自己相関関数算出過程を具備し、
    上記第2分析過程は、
    上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値の和によって求める加算過程を具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  11. 請求項10に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記第1分析過程の上記自己相関関数算出過程は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、それぞれのブロック長を拡張した時間区間の入力信号の自己相関関数値を求め、それらを当該各ブロックにそれぞれ対応する入力信号の自己相関関数値とする過程である、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  12. 請求項10に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記第2分析過程は、
    上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値を求める境界自己相関関数値算出過程を具備し、
    上記第2分析過程の上記加算過程は、
    上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値と、上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値との和によって求める過程である、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  13. 請求項10から12の何れかに記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記第2分析過程は、
    上記分析区間に対応する、上記加算過程で求めた自己相関関数値よりも高次の自己相関関数値を、入力信号を用いて算出する高次自己相関関数値算出過程をさらに具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  14. 請求項9に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記分析情報は、
    入力信号に対応するPARCOR係数を含み、
    上記第1分析過程は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号からPARCOR係数を求める偏自己相関分析過程を具備し、
    上記第2分析過程は、
    上記分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の和又は重み付け和によって求める加算過程を具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  15. 請求項14に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記加算過程によって、上記分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数を重み付け和する際に、当該各PARCOR係数に与えられる重みの比率は、
    当該各PARCOR係数にそれぞれ対応する各ブロック内での入力信号のエネルギーの総和の比率と、単調増加の関係にある、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  16. 請求項9に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
    上記分析情報は、
    ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和、並びに、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和を含み、
    上記第1分析過程は、
    上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から、当該各ブロックに対応する上記内積の総和と上記エネルギーの総和とを求める偏自己相関分析過程を具備し、
    上記第2分析過程は、
    上記分析区間に対応する上記内積の総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記内積の総和の和によって求め、上記分析区間に対応する上記エネルギーの総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記エネルギーの総和の和によって求める加算過程を具備する、
    ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。
  17. 請求項1から8の何れかに記載の適応ブロック長符号化装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  18. 請求項17に記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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