JP4658853B2 - 適応ブロック長符号化装置、その方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
図11は、このような符号化処理を行う従来の符号化装置の構成を例示したブロック図である。また、図12は、図11の第0〜3階層符号化部の構成を例示したブロック図である。また、図13は、この符号化処理が行われるフレーム100の構成を例示した概念図である。なお、複数サンプル(通常数百〜数千サンプル)にそれぞれ対応する離散時間(サンプル点)からなる短時間区間をフレームと呼ぶが、ここでは、全サンプルにそれぞれ対応する離散時間からなる短時間区間をフレームとし、フレーム内のサンプル点数を1024点から32768点程度に想定する。なお、以下ではフレーム内のサンプル点数をnと表現する。また、図13の例では、1つのフレームを4つの階層(第0階層110〜第3階層140)にブロック分割する。この例の場合、第0階層110では、フレーム100がブロックB(0,1)に一致する。また、第1階層120は、第0階層110のブロックB(0,1)を2分割したブロックB(1,1),B(1,2)によって構成される。さらに、第2階層130は、第1階層120のブロックB(1,1)を2分割したブロックB(2,1),B(2,2)と、ブロックB(1,2)を2分割したブロックB(2,3),B(2,4)とによって構成される。また、第3階層140は、第2階層130のブロックB(2,1)を2分割したブロックB(3,1),B(3,2)と、ブロックB(2,2)を2分割したブロックB(3,3),B(3,4)と、ブロックB(2,3)を2分割したブロックB(3,5),B(3,6)と、ブロックB(2,4)を2分割したブロックB(3,7),B(3,8)とによって構成される。なお、図13における1,n1,n2,n3,n4,...,nは、フレーム100内の各サンプル点に対応する番号を示す。例えば、ブロックB(2,2)は、n2+1番目からn4番目のサンプルによって構成されるブロックである。また、図13のブロックへの分割方法は一例であり、階層数やブロック分割数等はこれに限定されない。
ISO/IEC 14496−3:2005/AMD2(通称MPEG−4 ALS)
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、フレームを複数のブロックに階層的に分割して符号化を行う適応ブロック長符号化において、入力信号の分析処理に必要な演算量を削減することが可能な技術を提供することを目的とする。
また、本発明において好ましくは、分析情報は、入力信号の自己相関関数値を含む。そして、上述の第1分析過程は、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から自己相関関数値を求める自己相関関数算出過程を具備し、第2分析過程は、分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値の和によって求める加算過程を具備する。
また、上述の第1分析過程で、各ブロック内のみの自己相関を示す自己相関関数値を求めていた場合、それらの和によって近似される分析区間に対応する自己相関関数値には、当該分析区間を構成する複数のブロック間を跨る自己相関項が反映されない。本来、分析区間に対応する自己相関関数値は、分析区間内全体の自己相関を示すものである。よって、このようにして近似された分析区間に対応する自己相関関数値には、誤差が含まれる。そして、このような誤差は、近似された自己相関関数値の和によって、順次、別の階層のブロックの自己相関関数値を近似していく場合にも蓄積される。
本発明では、入力信号の時間区間であるフレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成する。次に、何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する。そして、分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する。これにより、分析区間に対応する入力信号の分析処理量を減らすことができる。
また、入力信号の分析を行って分析情報を求めるブロックについても特に制限はなく、分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックであればよい。しかし、以下では、図13の第3階層140の各ブロックに対し、入力信号の分析を行ってそれぞれの分析情報を求める場合を例にとって説明する。
実施例1は、分析情報の1つである自己相関関数値の算出に関し、本発明を適用した例である。実施例1では、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求めた自己相関関数値の和によって、分析区間の自己相関関数値を近似する。
<構成>
図1は、実施例1の適応ブロック長符号化装置10の構成を示したブロック図である。また、図2(a)は、適応ブロック長符号化装置10の第3階層線形予測分析部13aの構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部12aの構成を例示したブロック図である。
また、実施例1の適応ブロック長符号化装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、補助記憶装置等から構成される公知のコンピュータに所定のプログラムが読み込まれ、CPUがこのプログラムを実行することにより構成されるものである(以下の各実施例でも同様)。
図4は、実施例1における自己相関関数値の算出処理を説明するための図である。以下、この図と図1と図2と図13とを用い、実施例1の適応ブロック長符号化方法を説明する。なお、実施例1の適応ブロック長符号化装置10は、制御部16の制御のもと各処理を実行する。また、適応ブロック長符号化装置10の各処理過程におけるデータは、メモリ17に逐一読み書きされるが、原則として、以下ではその説明を省略する。さらに、説明する処理の順序はあくまで一例であり、本実施例の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。さらには、少なくとも一部の処理を並列的に実行してもよい(以下の各実施例でも同様)。また、適応ブロック長符号化装置10への入力信号は、所定のサンプリング周波数でサンプリングされた離散的な信号である。また、各処理は、複数サンプルにそれぞれ対応する離散時間(サンプル点)からなる短時間区間であるフレーム毎に実行される。ここで、全サンプルにそれぞれ対応する離散時間からなる短時間区間(例えば、サンプル点数が1024点から32768点程度のもの)をフレームとしてもよく、その一部の短時間区間(例えば、サンプル点数が数百点から数千点程度のもの)をフレームとしてもよい。本実施例では、1フレームのサンプル点数をnとする。また、全サンプル点の一部の短時間区間をフレームとした場合、各処理はフレーム毎に繰り返されることになるが、以下では、1つのフレームの処理のみを説明する(以下の各実施例でも同様)。
まず、nサンプルからなる1フレーム分の入力信号がブロック分割部18に入力される。ブロック分割部18は、このフレームを複数のブロックに階層的にブロック分割する(図13参照)。そして、ブロック分割部18は、分割された各ブロックB(d,u)に対応するサンプル(入力信号)x(d,u,jd,u)を特定し、各ブロックB(d,u)に対応するサンプルx(d,u,jd,u)を特定するための情報(以下「ブロック特定情報」と呼ぶ)をメモリ17に格納する。また、入力信号自身もメモリ17に格納される。なお、dはそのブロックの階層を示す値であり、dの値が小さいほど上位階層である。(図13参照)。また、uはそのブロックがその階層の何番目のブロックであるかを示す。また、本実施例では「上位階層」や「下位階層」との表現を用いるが、「上位階層」とは、基準とする階層よりもブロック長が長い階層を意味し、「下位階層」とは、基準とする階層よりもブロック長が短い階層を意味する。また、jd,uは、各ブロックB(d,u)に属する各サンプルの離散時間(サンプル点)を示し、例えば、図13のブロックB(0,1)の場合、j0,1=1,...,nであり、ブロックB(2,2)の場合、j2,2=n2+1,...,n4である。また、「ブロック分割」とは、フレームに属するサンプルを複数のブロックに分割する処理を意味するが、具体的には、例えば、各ブロックに対応するサンプル点を決定する処理や、各ブロックの開始サンプル点と終了サンプル点と(ブロックの区切り)を決定する処理等を意味する。なお、フレームのブロック分割方法(ブロック長や階層数等)は、予めブロック分割部18に設定されていてもよいし、入力信号等に応じ、その都度定められてもよい。そして、「ブロック特定情報」としては、例えば、各ブロックの開始サンプル点と終了サンプル点との情報等を例示できる。
まず、第3階層線形予測分析部13aが、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)に対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部13aの窓関数適用部13aaは、読み込んだサンプルx(3,1,j3,1)に対し、時間長が有限である窓関数(例えば、ハミング窓)を乗じ、サンプルx’(3,1,j3,1)を生成する。なお、ここでの窓関数の窓幅は、ブロックB(3,1)の時間長と同一である。サンプルx’(3,1,j3,1)は、次に、自己相関関数値算出部13abに入力され、自己相関関数値算出部13abは、サンプルx’(3,1,j3,1)の第3階層自己相関関数値rτ(3,1)を、例えば、以下の式に従い、次数p3まで(τ∈{1,...,p3})求める。
次に、第2階層線形予測分析部12aが、第3階層線形予測分析部13aで各ブロックに対して生成された第3階層自己相関関数値を用い、第2階層130の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第2階層自己相関関数値を算出する(図4参照)。
まず、第2階層線形予測分析部12aの加算部12abが、ブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値rτ(3,1),rτ(3,2)をメモリ17から読み込む。そして、加算部12abは、これらの合計値を、ブロックB(3,1),B(3,2)によって構成される第2階層130のブロックB(2,1)(図13参照)の第2階層自己相関関数値rτ(2,1)として算出する。すなわち、
rτ(2,1)= rτ(3,1)+ rτ(3,2) …(2)
とする。算出された第2階層自己相関関数値rτ(2,1)は、対応するブロックB(2,1)に関連付けられてメモリ17に格納される。その後、第2階層130の他のブロックB(2,2)〜B(2,4)についても同様に、加算部12abが、対応する第3階層自己相関関数値の和を求め、第2階層自己相関関数値を生成し、各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。
次に、第1階層線形予測分析部11aが、第2階層線形予測分析部12aで各ブロックに対して生成された第2階層自己相関関数値を用い、第1階層120の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第1階層自己相関関数値を算出する(図4参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第1階層自己相関関数値から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
次に、第0階層線形予測分析部10aが、第1階層線形予測分析部11aで各ブロックに対して生成された第1階層自己相関関数値を用い、第0階層110のブロックB(0,1)(「分析区間」に相当)に対応する第0階層自己相関関数値を算出する(図4参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された第0階層自己相関関数値から線形予測係数が算出され、算出された線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
その後、第0〜3階層符号化部10b〜13bが、上述のように各階層の各ブロックに対して生成された線形予測係数をそれぞれ読み込み、従来と同様、線形予測係数の量子化及び符号化、短期予測フィルタによる線形予測残差信号算出、(必要に応じて、線形予測残差信号の長期予測分析、長期予測フィルタによる長期予測残差信号算出)、及び残差符号化を独立に実行して、ブロック毎の残差符号を算出し、それらの符号量を計算する。
次に、符号量比較符号選択部14が、上述のように算出された各符号量を比較し、フレーム100を構成するブロックの組合せであって、各ブロックにそれぞれ対応する符号量のフレーム100内での合計が最小となるものを選択する。そして、符号量比較
符号選択部14は、選択したブロックに対応する残差符号と、線形予測係数符号と、選択した各ブロックを示す選択情報とを、符号列として出力する。
実施例1では、まず、入力信号を用い、第3階層の各ブロックに対して第3階層自己相関関数値を生成する。そして、第L階層(L∈{0,...,2})の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第L階層自己相関関数値を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の第L+1階層自己相関関数値の合計によって再帰的に算出する。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、第0〜2階層での分析処理量を大幅に低減させることができる。
次に、実施例1の変形例1について説明する。前述のようにブロック長を基準に次数が制限されている場合、第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の自己相関関数値を合計するだけでは、第L階層のブロックに対応する自己相関関数値の次数の上限までの自己相関関数値を得ることができない。実施例1の変形例1では、入力信号を用いて高次の自己相関関数値を生成し、第L階層で不足する次数分の自己相関関数値を補う。
図3(a)は、実施例1の変形例1の第2階層線形予測分析部12aの構成を例示したブロック図である。まず、実施例1で説明したように、第2階層線形予測分析部12aの加算部12abが、第3階層140の複数のブロックにそれぞれ対応する第3階層自己相関関数値を加算し、その加算値を第2階層130のブロックに対応する第2階層自己相関関数値とする。ここで、第3階層自己相関関数値の次数はp3であり、第2階層自己相関関数値の次数の上限値p2よりも小さい。そのため、この加算によって得られる第2階層自己相関関数値は次数p3までであり、次数p3+1からp2までの第2階層自己相関関数値は得られない。この不足分を得るため、まず、第2階層線形予測分析部12aが、この不足分の第2階層自己相関関数値を算出するブロックに対応するサンプルをメモリ17から読み込む。そして、第2階層線形予測分析部12aの窓関数適用部12aaは、読み込んだサンプルに対して時間長が有限である窓関数を乗じ、さらに、高次自己相関関数値算出部12adが、当該窓関数が乗じられたサンプルの第2階層自己相関関数値を、前述の式(1)と同様な式に従って算出する。但し、その次数はp3+1からp2まで(τ∈{p3+1,...,p2})である。
次に、実施例1の変形例2について説明する。前述のように、第3階層140の各ブロックに対し、ブロック内のみの第3階層自己相関関数値を求めていた場合、それらの和によって近似される第2階層130のブロックに対応する第2階層自己相関関数値には、第3階層140の各ブロックを跨る自己相関項が反映されない。これは、このように近似された第2階層自己相関関数値の誤差となる。同様な問題は、上位階層へも引き継がれ、第1階層120、第0階層110となるに従い、各階層の自己相関関数値に同様な誤差が蓄積されていく。
次に、実施例1の変形例3について説明する。変形例3も上述の変形例2と同様な誤差の問題を解決するためのものである。変形例3では、第L階層(L∈{0,...,2})のブロックに対応する自己相関関数値を生成する際に、当該ブロックを構成する第L+1階層のブロック間を跨る自己相関項を加算する。
この変形例3の場合、第3階層140に対応する処理は実施例1と同じである。また、変形例3の第0〜第2階層にそれぞれ対応する処理は互いに同様である。以下では、変形例3の第2階層130に対応する処理のみを説明する。
rτ(2,1)= rτ(3,1)+rτ(3,2)+rτ'(2,1) …(7)
によって第2階層130のブロックB(2,1)に対応する第2階層自己相関関数値rτ(2,1)を算出する。なお、境界自己相関関数値算出部12aeが算出する自己相関関数値は上述のものに限定されない。また、実施例1の変形例2と変形例3とを組み合わせてもよい。
実施例2は、分析情報の1つであるPARCOR係数の算出に関し、本発明を適用した例である。実施例2では、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求めたPARCOR係数の和によって、分析区間の自己相関関数値を近似する。なお、以下では、実施例1との相違点を中心に説明し、実施例1で既に説明した事項については説明を簡略化する。
図5は、実施例2の適応ブロック長符号化装置20の構成を示したブロック図である。また、図6(a)は、適応ブロック長符号化装置20の第3階層線形予測分析部23aの構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部22aの構成を例示したブロック図である。
図7は、実施例2におけるPARCOR係数の算出処理を説明するための図である。以下、この図と図5と図6と図13とを用い、実施例2の適応ブロック長符号化方法を説明する。
実施例1と同じである。
[第3階層140の処理]
まず、第3階層線形予測分析部23aが、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)に対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部23aの偏自己相関分析部23aaが、入力されたサンプルx(3,1,j3,1)からブロックB(3,1)に対応する第3階層PARCOR係数km,m(3,1)(mはPARCOR係数の次数)を算出する。なお、この第3階層PARCOR係数km,m(3,1)の算出には、例えば、バーグ(Burg)法等の公知のアルゴリズムを用いる。また、算出された第3階層PARCOR係数km,m(3,1)は、対応するブロックB(3,1)に関連付けられ、メモリ17に格納される。
その後、第3階層140のその他のブロックB(3,2)〜B(3,8)に対して、ブロックB(1,2)と同様な処理が行われる。
次に、第2階層線形予測分析部22aが、第3階層線形予測分析部23aで各ブロックに対して生成された第3階層PARCOR係数を用い、第2階層130の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第2階層PARCOR係数を算出する(図7参照)。
ブロックB(2,1)を分析区間とする場合、まず、第2階層線形予測分析部22aの重み算出部22acが、メモリ17のブロック特定情報を参照し、ブロックB(2,1)を構成するブロックB(3,1),B(3,2)にそれぞれ対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1),x(3,2,j3,2)(j3,2=n1+1,...,n2)をメモリ17から読み込む。そして、重み算出部22acは、ブロックB(3,1)内におけるサンプルx(3,1,j3,1)のエネルギーの合計値E(3,1)と、ブロックB(3,2)内におけるサンプルx(3,2,j3,2)のエネルギーの合計値E(3,2)とを求める。なお、サンプルのエネルギーとは、サンプルの振幅の2乗値を意味する。さらに、重み算出部22acは、例えば以下の式によって、重みω1(2,1),ω2(2,1)を算出し、これらをブロックB(2,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
ω1(2,1)={E(3,1)/{E(3,1)+E(3,2)}}1/2 …(8)
ω2(2,1)={E(3,2)/{E(3,1)+E(3,2)}}1/2 …(9)
km,m(2,1)=ω1(2,1)・km,m(3,1)+ω2(2,1)・km,m(3,2) …(10)
その後、第2階層130の他のブロックB(2,2)〜B(2,4)についても同様に、重み算出部22acが重みを算出し、加算部12abが対応する第3階層PARCOR係数の重み付け和を求め、第2階層PARCOR係数を生成し、各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。
そして、線形予測係数算出部22abが、メモリ17から各ブロックに対応する第2階層PARCOR係数を読み込み、これらから各ブロックにそれぞれ対応する線形予測係数を算出する。
次に、第1階層線形予測分析部21aが、第2階層線形予測分析部22aで各ブロックに対して生成された第2階層PARCOR係数を用い、第1階層120の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第1階層PARCOR係数を算出する(図7参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第1階層PARCOR係数から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
次に、第0階層線形予測分析部20aが、第1階層線形予測分析部21aで各ブロックに対して生成された第1階層自己相関関数値を用い、第0階層110のブロックB(0,1)(「分析区間」に相当)に対応する第0階層PARCOR係数を算出する(図7参照)。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された第0階層PARCOR係数から線形予測係数が算出され、算出された線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
[第0〜3階層符号化部10b〜13bの処理・符号量比較符号選択部14の処理]
これらの処理は実施例1と同じであるため説明を省略する。
実施例2では、まず、入力信号を用い、第3階層の各ブロックに対して第3階層PARCOR係数を生成する。そして、第L階層(L∈{0,...,2})の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第L階層PARCOR係数を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された、複数の第L+1階層PARCOR係数の重み付け和によって再帰的に算出する。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、第0〜2階層での分析処理量を大幅に低減させることができる。
実施例2では、分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の重み付け和によって求めることとした。しかし、分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数を単純に加算して求めてもよい。この場合、算出されるPARCOR係数の精度は落ちるが、分析に必要な処理量は低減できる。
実施例2及び実施例2の変形例1では、各階層において、図6に示したような構成の線形予測係数算出部でPARCOR係数から線形予測係数を求め、図12に示したような線形予測係数符号化部で線形予測係数から量子化線形予測係数と線形予測係数符号とを求めていた。これに対し、実施例2の変形例2では、各階層でPARCOR係数を量子化して量子化PARCOR係数を生成し、線形予測係数符号の代わりにPARCOR係数符号を生成・出力する構成である。具体的には、例えば、下記の2つの形態が挙げられる。
形態1では、図6(a)の第3階層線形予測分析部23aの代わりに図14(a)の第3階層線形予測分析部223aを用い、図6(b)の第2階層線形予測分析部22aの代わりに図14(b)の第2階層線形予測分析部222aを用い、第0,1階層線形予測分析部20a,21aとして、図14(b)の第2階層線形予測分析部222aと同様な構成のものを用いる。また、第0〜3階層符号化部10b〜13bの代わりに、それぞれ図16の符号化部240を用いる。
形態2では、各階層で算出された量子化PARCOR係数を他の階層のPARCOR係数の生成に流用する。すなわち、形態2では、図6(a)の第3階層線形予測分析部23aの代わりに図15(a)の第3階層線形予測分析部223aを用い、図6(b)の第2階層線形予測分析部22aの代わりに図15(b)の第2階層線形予測分析部222aを用い、第0,1階層線形予測分析部20a,21aとして、図15(b)の第2階層線形予測分析部222aと同様な構成のものを用いる。また、第0〜3階層符号化部10b〜13bの代わりに、それぞれ図16の符号化部240を用いる。
実施例3も、実施例2と同様、分析情報の1つであるPARCOR係数の算出に関し、本発明を適用した例である。各ブロックのPARCOR係数は、当該ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和を、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和で割ったものに比例する。実施例3では、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求められた「前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和」の和によって、「当該分析区間の前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和」を近似し、分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ求められた「前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和」の和によって、「当該分析区間の前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和」を近似する。そして、これらの近似値を用いることにより、分析区間に対応するPARCOR係数を算出し、演算量を削減する。なお、以下では、上述の実施例との相違点を中心に説明し、これまで説明した実施例で既に説明した事項については説明を簡略化する。
図8は、実施例3の適応ブロック長符号化装置30の構成を示したブロック図である。また、図9(a)は、適応ブロック長符号化装置30の第3階層線形予測分析部33aの構成を例示したブロック図であり、(b)は、第2階層線形予測分析部32aの構成を例示したブロック図である。
図8に示すように、実施例3の適応ブロック長符号化装置30は、第0階層110のブロックの信号を処理する第0階層線形予測分析部30a及び第0階層符号化部10bと、第1階層120のブロックの信号を処理する第1階層線形予測分析部31a及び第1階層符号化部11bと、第2階層130のブロックの信号を処理する第2階層線形予測分析部32a及び第2階層符号化部12bと、第3階層140のブロックの信号を処理する第3階層線形予測分析部33a及び第3階層符号化部13bと、符号量比較符号選択部14と、制御部16と、メモリ17とブロック分割部18とを有している。なお、この実施例では、第0階層線形予測分析部30a、第1階層線形予測分析部31a、第2階層線形予測分析部32aが、それぞれ「第2分析部」に相当する。また、第3階層線形予測分析部33aが、「第1分析部」に相当する。
図10は、実施例3におけるPARCOR係数の算出処理を説明するための図である。以下、この図と図8と図9と図13とを用い、実施例3の適応ブロック長符号化方法を説明する。
実施例1と同じである。
[第3階層140の処理]
まず、第3階層線形予測分析部33aが、メモリ17からブロック特定情報を読み込み、第3階層140のブロックB(3,1)を特定し、ブロックB(3,1)に対応するサンプルx(3,1,j3,1)(j3,1=1,...,n1)をメモリ17から読み込む。そして、第3階層線形予測分析部33aの偏自己相関分析部33aaが、入力されたサンプルx(3,1,j3,1)からブロックB(3,1)に対応する、第3階層PARCOR係数km,m(3,1)(mはPARCOR係数の次数)と、前向き予測誤差b’m,i(3,1)(i∈{1,...,n1-m})と、後ろ向き予測誤差bm,i(3,1)とを算出する。ここで、前向き予測誤差b’m,i(3,1)は、サンプルx(3,1,j)(j∈{i,...,i+m})を用い、サンプルx(3,1,i+m+1)を線形予測したときの線形予測誤差を示す。また、後ろ向き予測誤差bm,i(3,1)は、サンプルx(3,1,j)(j∈{i,...,i+m})を用い、サンプルx(3,1,i−1)を線形予測したときの線形予測誤差を示す。また、これらの値の算出は、例えば、バーグ(Burg)法等の公知の方法を用いる。バーグ(Burg)法を用いる場合には、以下の漸化式を用い、mを1から順に1つずつ増加させつつ再帰的に、必要な次数mまでの第3階層PARCOR係数km,m(3,1)と、前向き予測誤差b’m,i(3,1)と、後ろ向き予測誤差bm,i(3,1)とを算出する。
b'm,i=b'm-1,i+1+km-1,m-1(3,1)・bm-1,i+1(3,1) …(13)
b0,i= b'0,i=x(3,1,i), b1,i= x(3,1,i), b'1,i=x(3,1,i+1) …(14)
そして、偏自己相関分析部33aaは、この演算の過程で得られた第3階層PARCOR係数km,m(3,1)と、ブロックB(3,1)内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和(「第3階層誤差系列の内積」と呼ぶ)
その後、第3階層140のその他のブロックB(3,2)〜B(3,8)に対して、ブロックB(1,2)と同様な処理が行われる。
次に、第2階層線形予測分析部32aが、第3階層線形予測分析部33aで各ブロックに対して生成された「第3階層誤差系列の内積」と「第3階層誤差系列のエネルギー」とを用い、第2階層130の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する第2階層自己相関関数値を算出する(図10参照)。
dm(2,1)=dm(3,1)+dm(3,2) …(17)
pm(2,1)=pm(3,1)+pm(3,2) …(18)
の近似よって、ブロックB(2,1)に対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和dm(2,1)(「第2階層誤差系列の内積」と呼ぶ)と、ブロックB(2,1)に対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和pm(2,1)(「第2階層誤差系列のエネルギー」と呼ぶ)とを算出し、これらをブロックB(2,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
km,m(2,1)={dm(2,1)/pm(2,1)}α …(19)
を算出し、ブロックB(2,1)に関連付けてメモリ17に格納する。
そして、線形予測係数算出部32adが、メモリ17から各ブロックに対応する第2階層PARCOR係数を読み込み、これらから各ブロックにそれぞれ対応する線形予測係数を算出する。
次に、第1階層線形予測分析部31aが、第2階層線形予測分析部32aで各ブロックに対して生成された「第2階層誤差系列の内積」と「第2階層誤差系列のエネルギー」とを用い、第1階層120の各ブロック(「分析区間」に相当)にそれぞれ対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和(「第1階層誤差系列の内積」と呼ぶ)と、前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和(「第1階層誤差系列のエネルギー」と呼ぶ)と、第1階層PARCOR係数とを算出し、これらを対応する第1階層120の各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第1階層PARCOR係数から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
次に、第0階層線形予測分析部30aが、第1階層線形予測分析部31aで各ブロックに対して生成された「第1階層誤差系列の内積」と「第1階層誤差系列のエネルギー」とを用い、第0階層110の各ブロック(「分析区間」に相当)にそれぞれ対応する前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和と、前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和と、第0階層PARCOR係数とを算出し、これらを対応する第0階層110の各ブロックに関連付けてメモリ17に格納する。なお、この算出手順は、上述の第2階層130の処理と同様であるため説明を省略する。その後、生成された各第0階層PARCOR係数から線形予測係数がそれぞれ算出され、算出された各線形予測係数は、対応するブロックに関連付けられてメモリ17に格納される。
これらの処理は実施例1と同じであるため説明を省略する。
<実施例3の特徴>
実施例3では、まず、入力信号を用い、第3階層の各ブロックに対して「第3階層誤差系列の内積」と「第3階層誤差系列のエネルギー」と第3階層PARCOR係数とを生成する。そして、第L階層(L∈{0,...,2})の各ブロック(「分析区間」に相当)に対応する「第L階層誤差系列の内積」を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の「第L+1階層誤差系列の内積」の和によって算出する。また、第L階層の各ブロックに対応する「第L階層誤差系列のエネルギー」を、当該ブロックを構成する第L+1階層の複数のブロックに対してそれぞれ生成された複数の「第L+1階層誤差系列のエネルギー」の和によって算出する。そして、「第L階層誤差系列の内積」と「第L階層誤差系列のエネルギー」とを用いて、第L階層PARCOR係数を算出する。これにより、ある程度の分析精度を維持しつつ、第0〜2階層での分析処理量を大幅に低減させることができる。
その他、上述の各実施例及びその変形例について、以下のような変形を行ってもよい。
例えば、第0〜3階層符号化部10b〜13bにおいて、それぞれ、上述のように得られた各階層各ブロックの線形予測係数を量子化し、量子化された線形予測係数を用いた線形予測フィルタによって、各ブロックに対応する入力信号をフィルタリングする。そして、それによって得られた線形予測誤差信号を長期予測する際に、他階層の線形予測誤差信号の自己相関関数値を流用することとしてもよい。この場合、第3階層符号化部13bの長期予測では、実際の線形予測誤差信号からその自己相関関数値を求める。一方、第2階層符号化部12bでは、第2階層符号化部12bの分析区間に対応する線形予測誤差信号の自己相関関数値を、当該分析区間を構成する第3階層の複数のブロックに対してそれぞれ算出された自己相関関数値の平均値によって算出する。例えば、ブロックB(3,3),B(3,4)それぞれに対応する線形予測誤差信号の自己相関関数値の平均値を、ブロックB(2,2)の線形予測誤差信号の自己相関関数値として用いる(図13参照)。そして、第1階層符号化部11b、第0階層符号化部10bでも同様に、分析区間に対応する線形予測誤差信号の自己相関関数値を、当該分析区間を構成する下位階層の複数のブロックに対してそれぞれ算出された自己相関関数値の平均値によって算出する。
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、各装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
Claims (18)
- 入力信号の時間区間であるフレームを階層的に複数のブロックに分割し、各ブロックに対応する入力信号の分析結果を示す分析情報から得られた情報を用いて、フレームを構成するブロックを選択する適応ブロック長符号化装置であって、
上記フレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成するブロック分割部と、
何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する第1分析部と、
上記分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する第2分析部と、
を有することを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項1に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記分析情報は、
入力信号の自己相関関数値を含み、
上記第1分析部は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から自己相関関数値を求める自己相関関数値算出部を具備し、
上記第2分析部は、
上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値の和によって求める加算部を具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項2に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記第1分析部の上記自己相関関数値算出部は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、それぞれのブロック長を拡張した時間区間の入力信号の自己相関関数値を求め、それらを当該各ブロックにそれぞれ対応する入力信号の自己相関関数値とする、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項2に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記第2分析部は、
上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値を求める境界自己相関関数値算出部を具備し、
上記第2分析部の上記加算部は、
上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値と、上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値との和によって求める、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項2から4の何れかに記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記第2分析部は、
上記分析区間に対応する、上記加算部で求めた自己相関関数値よりも高次の自己相関関数値を、入力信号を用いて算出する高次自己相関関数値算出部をさらに具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項1に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記分析情報は、
入力信号に対応するPARCOR係数を含み、
上記第1分析部は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号からPARCOR係数を求める偏自己相関分析部を具備し、
上記第2分析部は、
上記分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の和又は重み付け和によって求める加算部を具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項6に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記加算部が、上記分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数を重み付け和する際に、当該各PARCOR係数に与える重みの比率は、
当該各PARCOR係数にそれぞれ対応する各ブロック内での入力信号のエネルギーの総和の比率と、単調増加の関係にある、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 請求項1に記載の適応ブロック長符号化装置であって、
上記分析情報は、
ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和、並びに、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和を含み、
上記第1分析部は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から、当該各ブロックに対応する上記内積の総和と上記エネルギーの総和とを求める偏自己相関分析部を具備し、
上記第2分析部は、
上記分析区間に対応する上記内積の総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記内積の総和の和によって求め、上記分析区間に対応する上記エネルギーの総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記エネルギーの総和の和によって求める加算部を具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化装置。 - 入力信号の時間区間であるフレームを階層的に複数のブロックに分割し、各ブロックに対応する入力信号の分析結果を示す分析情報から得られた情報を用いて、フレームを構成するブロックを選択する適応ブロック長符号化方法であって、
上記フレームから、1つ又は複数のブロックにより構成される、複数の階層を生成するブロック分割過程と、
何れかの階層の1つのブロックからなる分析区間が、当該階層と異なる1以上の階層の複数のブロックで構成される場合に、当該分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号の分析を行って分析情報を生成する第1分析過程と、
上記分析区間に対応する分析情報を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された分析情報を用いて生成する第2分析過程と、
を有することを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項9に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記分析情報は、
入力信号の自己相関関数値を含み、
上記第1分析過程は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から自己相関関数値を求める自己相関関数算出過程を具備し、
上記第2分析過程は、
上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値の和によって求める加算過程を具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項10に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記第1分析過程の上記自己相関関数算出過程は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、それぞれのブロック長を拡張した時間区間の入力信号の自己相関関数値を求め、それらを当該各ブロックにそれぞれ対応する入力信号の自己相関関数値とする過程である、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項10に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記第2分析過程は、
上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値を求める境界自己相関関数値算出過程を具備し、
上記第2分析過程の上記加算過程は、
上記分析区間に対応する自己相関関数値を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された自己相関関数値と、上記分析区間を構成するブロックの境界を跨る自己相関を示す自己相関関数値との和によって求める過程である、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項10から12の何れかに記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記第2分析過程は、
上記分析区間に対応する、上記加算過程で求めた自己相関関数値よりも高次の自己相関関数値を、入力信号を用いて算出する高次自己相関関数値算出過程をさらに具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項9に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記分析情報は、
入力信号に対応するPARCOR係数を含み、
上記第1分析過程は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号からPARCOR係数を求める偏自己相関分析過程を具備し、
上記第2分析過程は、
上記分析区間に対応するPARCOR係数を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数の和又は重み付け和によって求める加算過程を具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項14に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記加算過程によって、上記分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成されたPARCOR係数を重み付け和する際に、当該各PARCOR係数に与えられる重みの比率は、
当該各PARCOR係数にそれぞれ対応する各ブロック内での入力信号のエネルギーの総和の比率と、単調増加の関係にある、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項9に記載の適応ブロック長符号化方法であって、
上記分析情報は、
ブロック内の入力信号を用いた前向き予測誤差と後ろ向き予測誤差との内積の総和、並びに、当該前向き予測誤差と当該後ろ向き予測誤差とのエネルギーの総和を含み、
上記第1分析過程は、
上記分析区間を構成するブロックの組合せの何れかに対応する各ブロックに対し、入力信号から、当該各ブロックに対応する上記内積の総和と上記エネルギーの総和とを求める偏自己相関分析過程を具備し、
上記第2分析過程は、
上記分析区間に対応する上記内積の総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記内積の総和の和によって求め、上記分析区間に対応する上記エネルギーの総和を、当該分析区間を構成する複数のブロックに対してそれぞれ生成された上記エネルギーの総和の和によって求める加算過程を具備する、
ことを特徴とする適応ブロック長符号化方法。 - 請求項1から8の何れかに記載の適応ブロック長符号化装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項17に記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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