JP2007285481A - 液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造 - Google Patents

液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造 Download PDF

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Abstract

【課題】液化ガス蒸発器から発生する霧の拡散を簡単な構成で防止する。
【解決手段】液化ガス蒸発器1から霧が拡散することを防止する霧拡散防止構造10において,液化ガス蒸発器1は,基準面3から持ち上げられた状態で支持し,液化ガス蒸発器1と基準面3との間に下方空間5を形成し,この下方空間5の外側に,基準面3から立設された遮蔽体11を備えた。この遮蔽体11の内側面と下方空間5との間の水平方向における距離Lは,0.5m以上かつ5m以下とし,遮蔽体11の高さH2と下方空間5の高さH1との差は,1.5m以下とした。
【選択図】図1

Description

本発明は,液化ガス蒸発器から発生する霧の拡散を防止する構造に関する。
例えばLNG,LPG,液体窒素,液体酸素等の低温液化ガスを気化させる手段として,いわゆる空温式液化ガス蒸発器が一般的に用いられている。かかる液化ガス蒸発器は,蛇行させた伝熱管の内部に液化ガスを通過させ,伝熱管を介して液化ガスと外気(空気)とを熱交換させ,液化ガスを常温に昇温させる構成となっている。
上記のような液化ガス蒸発器の運転時には,伝熱管の表面温度が,内部の液化ガスによって冷却されることにより,特に液化ガス導入口側において外気よりも大幅に低くなる。そのため,伝熱管の周囲の空気が冷却され,気象条件等によっては,その空気中に含まれる水蒸気が飽和温度以下まで急激に冷却され,白煙状の霧が発生することがある。この霧は空気より重いので,液化ガス蒸発器の下方に自然に沈下し,地面に沿って周辺に拡散しやすく,例えば液化ガス蒸発器の付近に道路が存在すれば,その道路に霧が流出して視界が悪くなり,交通の障害となるおそれがある。また,液化ガス蒸発器の近傍での作業,例えば測定器の監視やバルブの操作等の障害になることもある。さらに,人目に付きやすい場所で煙のようにみえる霧が発生すると,一般住民等に不安や嫌悪感を与え,事故等の誤解を招いてしまうおそれもある。このように,白煙状の霧は周辺環境に好ましくない影響を与えるため,拡散を防止する必要がある。
従来,霧の拡散防止対策としては,例えば,液化ガス蒸発器の下方に加熱された空気を吹き込み,液化ガス蒸発器の下方の雰囲気を加熱することで,霧を消去,あるいは,霧の発生を未然に防止する構成が提案されている(特許文献1参照)。また,液化ガス蒸発器の下方の雰囲気を吸引することで,霧(冷気)を回収する構成が提案されている(特許文献2参照)。さらに,液化ガス蒸発器の下方の雰囲気を加熱する加熱器(熱交換器)を設ける構成が提案されている(特許文献3参照)。
特開平9−165588号公報 特開2002−228096号公報 特開2003−14195号公報
しかしながら,従来の構成にあっては,必要な機器や部品数が多く設備コストが高くなる問題,あるいは,ランニングコストが嵩む問題があり,経済的に不利になるおそれがあった。
本発明は,上記の点に鑑みてなされたものであり,簡単な構成で霧の拡散を防止できる液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため,本発明によれば,液化ガス蒸発器から霧が拡散することを防止する霧拡散防止構造であって,前記液化ガス蒸発器は,基準面から持ち上げられた状態で支持され,前記液化ガス蒸発器と前記基準面との間に形成された下方空間の外側に,前記基準面から立設された遮蔽体を備え,前記遮蔽体は,前記下方空間の少なくとも一部に対向するように設けられ,前記遮蔽体の内側面と前記下方空間との間の水平方向における距離は,0.5m以上かつ5m以下であって,前記遮蔽体の高さと前記下方空間の高さとの差は,1.5m以下であることを特徴とする,液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造が提供される。
前記遮蔽体は,前記下方空間の周囲全体を囲むように設けても良い。前記下方空間の雰囲気は,前記下方空間から外側に流出し,前記遮蔽体によって堰き止められた後,前記遮蔽体の外側にオーバーフローする構成としても良い。
前記遮蔽体の内側の雰囲気を前記遮蔽体の上縁部において吸引する吸引機構を設けても良い。また,前記遮蔽体の外側面に沿って横向きの誘導気流を形成する誘導気流形成機構を備え,前記遮蔽体の内側から上昇した雰囲気が前記誘導気流に引き寄せられる構成としても良い。前記遮蔽体の外側又は上方に,上方に向かって気体を吐出する吐出ノズルを設けても良い。
本発明によれば,液化ガス蒸発器の周囲において,適切な位置に,適切な高さの遮蔽体を設置するだけで,霧の拡散を効果的に防止できる。構成が簡単であり,設備コスト,ランニングコスト等を削減することができ,経済的である。
以下,本発明にかかる第一の実施形態の一例を,液化ガスの一例としてのLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)をNG(Natural Gas:天然ガス)にする液化ガス蒸発器(LNG気化器)に設けられた霧拡散防止構造に基づいて説明する。図1に示すように,液化ガス蒸発器1は,蒸発器支持体2によって,例えば略水平面状である基準面(地面あるいは床面)3から持ち上げられて支持されており,液化ガス蒸発器1と基準面3との間には,所定の高さH1を有する空間(下方空間)5が形成されている。また,下方空間5の外側には,本実施形態にかかる霧拡散防止構造10を構成する所定の高さH2の遮蔽体11が設けられている。
液化ガス蒸発器1は,液化ガス(LNG)が通過させられる伝熱管21と,伝熱管21を支持する伝熱管支持体22とを備えている。
伝熱管21は,例えば複数の直管部21aと,直管部21aの端部同士を接続する複数の湾曲部21bとを有している。直管部21aは,長さ方向を略鉛直に向けて,間隔を空けて並列に並べて設けられている。湾曲部21bは,隣り合う直管部21aの上端部同士又は下端部同士を接続するように設けられている。伝熱管21の一端部(図示の例では最も左側に位置する直管部21aの下端部)には,液化ガスを導入する液化ガス導入路25が接続されており,他端部(図示の例では最も右側に位置する直管部21aの下端部)には,伝熱管21内で気化(蒸発)したガス(NG)を導出するガス導出路26が接続されている。
伝熱管支持体22は,各直管部21aの下端部側に設けられている下枠31,及び,各直管部21aの上端部側に設けられている上枠32を備えている。下枠31,上枠32は,例えば略方形をなし,それぞれ略水平に設けられている。伝熱管21は,直管部21aの下端部が下枠31によって固定され,また,直管部21aの上端部が上枠32によって固定された状態で保持されている。
蒸発器支持体2は,例えば下枠31の4つの角部にそれぞれ1つずつ対応させて設けられた4つの支持脚35を備えている。各支持脚35は基準面3から立設させられている。この支持脚35によって,伝熱管支持体22は,基準面3から持ち上げられた状態で固定支持されている。
なお,本実施形態において,下方空間5とは,基準面3,下枠31,及び,4つの支持脚35によって囲まれた空間である。液化ガス蒸発器1の下端部と基準面3との間の高さ,即ち,下方空間5の高さH1は,例えば約2m程度であっても良い。
図1及び図2に示すように,遮蔽体11は,例えば下方空間5の周囲全体を取り囲むように設けられており,例えば平面視において略方形をなすように,即ち,略角筒状に形成されている。遮蔽体11の4つの内側面は,それぞれ例えば基準面3から略鉛直方向に向けて立設させられており,また,下枠31の4つの辺とそれぞれ略平行になるように設けられている。
なお,遮蔽体11は,例えば金属板,あるいはコンクリート板等,剛性が高い材質のものによって,壁状に形成しても良いが,例えば布,ビニール等の柔軟性を有する材質のものを,鋼管等によって形成された支持枠によって支持することにより形成しても良い。即ち,遮蔽体11を空気が透過しないような材質によって形成すれば良い。
この遮蔽体11は,液化ガス蒸発器1,蒸発器支持体2及び下方空間5から所定の間隔を空けた位置に配置されている。例えば,遮蔽体11の内側面と下方空間5との間の水平方向における距離L(即ち,下枠31の側面とその側面に対向して設けられている遮蔽体11の内側面との間の水平方向における距離)が,約0.5m以上かつ5m以下程度(即ち,おおよそ0.5m≦L≦5m),より好ましくは約3m程度であるように設定されている。
また,遮蔽体11の高さ,即ち,基準面3から遮蔽体11の上縁までの高さH2は,所定の範囲の高さに設定されている。例えば,前述した下方空間5の高さH1と高さH2との差が,約1.5m以下(即ち,おおよそ|H1−H2|≦1.5m)程度になるように設定されている。従って,例えばH1=2mであれば,おおよそ0.5m≦H2≦3.5m程度であれば良い。また,例えばH1=H2としても良い。
以上のような構成を有する液化ガス蒸発器1によって液化ガスを蒸発させる際には,先ず,液化ガス導入路25から伝熱管21内に,低温状態の液化ガスとして例えばLNGが導入される。液化ガスは,直管部21a,湾曲部21bを交互に流れながら,ガス導出路26側に向かう。こうして伝熱管21内を液化ガスが通る間に,伝熱管21を介して,液化ガスと伝熱管21の外部の空気との間で熱交換が行われる。即ち,液化ガスは伝熱管21の外部の空気の熱によって昇温され,蒸発してガス状に,即ちNGに戻された後,ガス導出口2dから導出される。
一方,伝熱管21の表面と,伝熱管21の近傍の空気は,内部の液化ガスの冷熱によって冷却される。すると,気象条件によっては,伝熱管21の近傍の空気中に含まれる水分が飽和温度以下まで急激に冷却されて霧状となり,白煙状の霧が発生する。
発生した白煙状の霧,及び,伝熱管21によって冷却された空気(冷気)は,液化ガス蒸発器1から下方空間5に向かって自然に沈下する。下方空間5中に溜まった雰囲気(霧及び冷気)は,支持脚35の間を通過して,下方空間5から外側に流出し,下方空間5の周囲に拡散するが,遮蔽体11によって堰き止められる。一方,遮蔽体11よりも上方や外側には,遮蔽体11の内側の霧及び冷気よりも温かい外気(空気)が存在しており,この温かい外気の熱によって,遮蔽体11の内側の霧が飽和温度以上に昇温されて,未飽和の状態に戻される。こうして,白煙状の霧が消滅させられた(消霧された)状態の雰囲気が,遮蔽体11の上縁部からオーバーフローして(溢れ出て),遮蔽体11の外側に流出させられる。
なお,本発明者らの実験によれば,液化ガス蒸発器1によって液化ガスが蒸発させられているときの下方空間5における温度分布は,液化ガス蒸発器1に近い上側ほど冷却されて低温になり,また,基準面3に近い下側ほど上側よりも相対的に温かいことが分かっている。しかし,下方空間5の外側において,例えば高さH2以下における温度分布は,基準面3に近い下側の温度変化は小さく,下方空間5と同程度の低温のままであるが,上側の温度は,上側にあった冷気がより上方にある空気と混合させられることにより,下側よりも相対的に温かくなることが確かめられている。
即ち,下方空間5においては,伝熱管21に近い上側に霧が多く存在するが,下方空間5の外側に流出すると,基準面3に近い下側に霧が多く溜まると考えられる。しかしながら,霧及び冷気が遮蔽体11によって堰き止められ,横方向に流出できなくなると,霧及び冷気が遮蔽体11の上縁部の高さ付近まで到達し,遮蔽体11の内側に充満した状態になる。一方,遮蔽体11よりも上方や外側には,遮蔽体11の内側の冷気よりも温かい外気(空気)が存在している。上記のように遮蔽体11の内側に霧及び冷気が溜められた状態では,基準面3に近い下側(低所側)よりも遮蔽体11の上縁部の高さに近い上側(高所側)のほうが風通しが良いので,この高所側において,霧及び冷気が温かい外気と接触して混合され易くなる。そのため,高所側においては霧及び冷気が温かい外気によって温められ,霧が飽和温度以上に昇温されて,未飽和の状態に戻されると考えられる。また,遮蔽体11内の雰囲気が遮蔽体11の上縁部からオーバーフローして流出する際にも,流出する雰囲気が,遮蔽体11の上縁部よりも上方や外側に存在する相対的に温かい外気に接触して混合させられる。即ち,遮蔽体11の上縁部近傍においても,流出する雰囲気を外気によって昇温させることができる。従って,流出する雰囲気中に霧が残留していたとしても,その霧を遮蔽体11の上縁部近傍において,即ち遮蔽体11から流出する時点で,未飽和の状態に戻し,消滅させることができると考えられる。
かかる霧拡散防止構造10によれば,液化ガス蒸発器1の周囲の適切な位置に,適切な高さの遮蔽体11を設置するだけで,液化ガス蒸発器1から白煙状の霧が発生しても,霧を自然に消滅させることができ,霧の拡散を効果的に防止できる。遮蔽体11の内側(遮蔽体11より低い高さ,または遮蔽体11の上縁とほぼ同じ高さ)において,あるいは,遮蔽体11の上縁部から外側に流出する時点で霧を消滅させるので,霧が人目に付きにくく,周辺環境に悪影響を与えることを防止できる。
また,遮蔽体11を設置するだけの簡単な構成であるため,設備コストが安価である。さらに,気流の自然な流れを利用することで,霧を自然に消滅させることができ,霧の消滅のために特別な動力等を使う必要が無い。従って,ランニングコストがかからず,経済的である。
次に,本発明にかかる第二の実施形態の一例について説明する。図3及び図4に例示されている霧拡散防止構造40は,上記の第一の実施形態にかかる霧拡散防止構造10と同様に,液化ガス蒸発器1を囲む所定位置に設けられた遮蔽体11を備えている。さらに,この遮蔽体11の内側の雰囲気を吸引する吸引機構41を備えている。
吸引機構41は,例えば,遮蔽体11の上縁部に沿って設けられた吸引ノズル42と,吸引ノズル42に接続された吸引路43とを備えた構成になっている。吸引ノズル42の側面には,複数の吸引口42aが,例えば遮蔽体11の上縁部に沿った方向において一列に並べて設けられている。吸引路43には,例えばブロワ等の送風機45が介設されている。吸引路43の下流端部は,液化ガス蒸発器1や遮蔽体11から十分に離れた位置に,即ち,吸引路43の下流端部から排出される排気が,液化ガス蒸発器1や遮蔽体11付近の気流の流れに影響を与えないような位置に設けられている。
かかる構成においては,液化ガス蒸発器1の運転中,上記の第一の実施形態における作用とほぼ同様にして,遮蔽体11の内側又は遮蔽体11の上縁部近傍において大部分の霧が消滅させられた後,送風機45の駆動により,遮蔽体11の内側の雰囲気が,遮蔽体11の上縁部において,吸引ノズル42の各吸引口42aによって強制的に吸引される。そして,吸引路43を通って,液化ガス蒸発器1や遮蔽体11から十分に離れた位置に排出され,大気中に放散される。このようにすれば,遮蔽体11の内側の冷気を確実に排出することができ,霧を効率的に消滅させることができる。例えば風が弱すぎる場合,風向きが悪い場合等,気象条件等によっては,上記の第一の実施形態において,遮蔽体11の上側での霧や冷気と相対的に温かい外気との接触が不十分になるおそれがあり,また,霧の量が多いために,相対的に温かい外気との接触だけでは霧を消滅させにくい場合もあると考えられるが,そのような場合においても,吸引ノズル42の吸引力によって,遮蔽体11の内側や遮蔽体11の上縁部付近に気流を強制的に形成させ,霧及び冷気と相対的に温かい外気との混合を促進させることで,霧を確実かつ効率的に消滅させることができる。また,遮蔽体11の外側や上方の外気の湿度が高い場合であっても,霧を吸引して系外に排出又は回収することにより,効率的に消滅させることができる。
なお,上記の吸引機構は,吸引ノズル42,吸引路43を備え,送風機45の動力によって吸引を行う構成としたが,吸引力を発生させる手段としては,例えばエジェクタ等を利用しても良い。例えば遮蔽体11の上縁部に,吸引ノズル42に代えて,エジェクタを備えるようにしても良い。
次に,本発明にかかる第三の実施形態の一例について説明する。図5及び図6に例示されている霧拡散防止構造50は,上記の第一の実施形態にかかる霧拡散防止構造10と同様に,液化ガス蒸発器1を囲む所定位置に設けられた遮蔽体11を備えている。さらに,遮蔽体11の外側面に沿って横向きの気流を形成する誘導気流形成機構51を備えている。この誘導気流形成機構51は,例えば,遮蔽体11の外側面に沿って外側に設けられた壁体52,及び,遮蔽体11と壁体52との間の隙間53に例えば空気等の気体を供給する供給路55を備えた構成になっている。
外側の壁体52は,例えば内側の遮蔽体11の4つの外面からそれぞれ所定間隔を空けた位置において,遮蔽体11の外面に対して略平行に,基準面3から立設させて備えられている。また,壁体52は,遮蔽体11よりも低く形成されている。即ち,遮蔽体11の下部を囲むように設けられており,遮蔽体11の上端部は,壁体52の上方に突出させられている。
供給路55は,例えば隙間53の一端部側に接続されており,隙間53の一端部側から他端部側に向かって,隙間53に沿って横向きに気体を吐出するように指向させられている。この供給路55には,例えばブロワ等の送風機57が介設されている。
かかる構成においては,液化ガス蒸発器1の運転中,上記の第一の実施形態における作用とほぼ同様にして,遮蔽体11の内側又は遮蔽体11の上縁部近傍において大部分の霧が消滅させられる。一方,遮蔽体11の外側においては,送風機57の駆動により,供給路55から気体が吐出され,隙間53内に横向きの気流が形成される。すると,遮蔽体11の内側から上昇して外側に流出した雰囲気は,この隙間53内に形成された誘導気流に引き寄せられて,遮蔽体11の上端部の外側から下降する。そして,遮蔽体11の外側面に沿って,隙間53の気流と共に横向きに流され,隙間53の他端部側において遮蔽体11から離隔して,大気中に放散される。このようにして,遮蔽体11から流出する雰囲気を,隙間53内の誘導気流によって誘導することで,遮蔽体11の上縁部付近に,遮蔽体11から流出する雰囲気の気流を形成させ,遮蔽体11から流出する雰囲気と相対的に温かい外気との接触を促進させることができる。例えば風が弱すぎる場合,風向きが悪い場合等においても,遮蔽体11の上縁部付近に気流を強制的に形成させ,霧を確実に消滅させることができる。また,例えば供給路55から吐出される気体の湿度を予め低減させ,乾燥した状態で吐出させるようにすれば,例えば遮蔽体11の外側や上方に存在する外気の湿度が高い場合であっても,霧を乾燥した気体に接触させることで,効率的に消滅させることができる。また,例えば供給路55から吐出される気体を予め加温した状態で吐出させるようにすれば,例えば遮蔽体11の外側や上方に存在する外気の湿度が高い場合や,気温が低い場合であっても,霧を加温した気体に接触させることで,効率的に温めて消滅させることができる。
なお,以上の誘導気流形成機構においては,隙間53の一端部側から気流を吐出させるとしたが,例えば図7に示すように,隙間53の両端部にそれぞれ供給路55を接続させ,隙間53の両端部側から互いに逆向きに気体を吐出させるようにしても良い。この場合,隙間53の両端部側から吐出された誘導気流は,例えば隙間53の長手方向における中間部付近において,互いに衝突して合流し,隙間53から上昇する誘導気流が形成される。かかる構成においては,遮蔽体11の内側から外側に流出する雰囲気は,上昇する誘導気流の両側においては,隙間53内に形成された横向きの誘導気流に引き寄せられて下降する。隙間53の長手方向における中間部付近においては,隙間53から上昇する誘導気流に引き寄せられて上昇させられ,遮蔽体11の上方において,大気中に放散される。この場合も,遮蔽体11から流出する気流を誘導気流によって誘導し,遮蔽体11の近傍に気流を強制的に形成させ,霧を効率的に消滅させることができる。
また,壁体52及び隙間53は,必ずしも設けなくても良く,遮蔽体11の外側に沿った横方向に気体を吐出させるだけでも良い。この場合も,遮蔽体11の外側に横向きの誘導気流を形成することができ,遮蔽体11から流出した気流を,遮蔽体11の外側において誘導することができる。
次に,本発明にかかる第四の実施形態の一例について説明する。図8及び図9に例示されている霧拡散防止構造60は,上記の第一の実施形態にかかる霧拡散防止構造10と同様に,液化ガス蒸発器1を囲む所定位置に設けられた遮蔽体11を備えている。さらに,この遮蔽体11の上方に向かって気流を吹き上げる吹上気流形成機構61を備えている。
吹上気流形成機構61は,例えば,遮蔽体11の上縁部に沿って設けられた吐出ノズル62と,吐出ノズル62に接続された供給路63とを備えた構成になっている。吐出ノズル62の上面には,遮蔽体11の上方に向かって例えば空気等の気体を吐出する複数の吐出口62aが,例えば遮蔽体11の上縁部に沿った横方向において,一列に並べて設けられている。各吐出口62aは,例えば略鉛直方向に気体を吐出するように指向させられている。供給路63には,例えばブロワ等の送風機65が介設されている。
かかる構成においては,液化ガス蒸発器1の運転中,上記の第一の実施形態における作用とほぼ同様にして,遮蔽体11の内側又は遮蔽体11の上縁部近傍において大部分の霧が消滅させられる。一方,送風機65の駆動により,供給路63から吐出ノズル62内に気体が供給され,この気体が,各吐出口62aから一斉に吐出される。これにより,遮蔽体11の上縁部の上方には,略鉛直方向に向かって吹き上げられる上昇気流(例えばエアカーテン)が形成される。すると,遮蔽体11の内側の雰囲気(冷気)は,吐出口62aから吐出される気流に伴って,遮蔽体11から上昇させられ,遮蔽体11より上方の高い位置において,大気中に放散される。このようにすると,遮蔽体11の上端部付近の雰囲気を,吐出ノズル62から上向きに吐出される誘導気流によって誘導し,遮蔽体11から流出する雰囲気と相対的に温かい外気との接触を促進させ,霧を効率的に消滅させることができる。例えば風が弱すぎる場合,風向きが悪い場合等においても,霧を確実に消滅させることができる。また,例えば吐出口62aから吐出される気体の湿度を予め低減させ,乾燥した状態で吐出させるようにすれば,例えば遮蔽体11の外側や上方に存在する外気の湿度が高い場合であっても,霧を乾燥した気体に接触させることで,効率的に消滅させることができる。また,例えば吐出口62aから吐出される気体を予め加温した状態で吐出させるようにすれば,例えば遮蔽体11の外側や上方に存在する外気の湿度が高い場合や,気温が低い場合であっても,霧を加温した気体に接触させることで,効率的に温めて消滅させることができる。
なお,上記の吹上気流形成機構では,吐出ノズル62は遮蔽体11の上縁部に設けるとしたが,吐出ノズル62の位置はかかる場所には限定されず,例えば,遮蔽体11より外側において,遮蔽体11の外側面に沿って横向きに設け,吐出口62aを上向きに指向させ,気体を遮蔽体11の外側面に沿って,遮蔽体11の上縁部よりも上方まで吹き上げるように備えても良い。この場合も,遮蔽体11の上方にカーテン状の誘導気流を形成することができる。即ち,遮蔽体11の内側の雰囲気を遮蔽体11の上方に誘導させながら,遮蔽体11から流出する雰囲気と相対的に温かい外気との接触を促進させることができる。
また,上記の吹上気流形成機構では,遮蔽体11よりも上方まで気体を吹き上げて誘導気流を形成するとしたが,例えば図10に示すように,吐出ノズル62を遮蔽体11の下側に備え,吐出口62aから吐出される気体が吹き上げられる高さが,遮蔽体11の上縁部に対して低くなるようにしても良い。かかる構成においては,液化ガス蒸発器1の運転中,上記の第一の実施形態における作用とほぼ同様にして,遮蔽体11の内側又は遮蔽体11の上縁部近傍において大部分の霧が消滅させられる。一方,遮蔽体11の外側においては,気体が各吐出口62aから一斉に吐出される。これにより,遮蔽体11の上縁部下方には,略鉛直方向に向かってカーテン状に吹き上げられる上昇気流が形成される。この場合,遮蔽体11内の雰囲気が遮蔽体11の上縁部から流出して下降しようとすると,この気流に対して,吐出口62aから吐出された気体が逆流するような向きに吹き上げられて衝突し,混合させられる。また,吐出口62aから吐出された気体との衝突で拡散されることによって,遮蔽体11の周囲の外気とも混合させられる。こうして,遮蔽体11から流出しようとする気流が,吐出口62aから吐出された気体や遮蔽体11の周囲の外気と効率的に接触させられることで,確実に温められる。従って,気流中の霧を効率的に消滅させることができる。例えば風が弱すぎる場合,風向きが悪い場合等においても,霧を効率的に温めて消滅させることができる。また,例えば吐出口62aから吐出される気体の湿度を予め低減させ,乾燥した状態で吐出させるようにすれば,例えば遮蔽体11の外側や上方に存在する外気の湿度が高い場合であっても,霧を乾燥した気体に接触させることで,効率的に消滅させることができる。また,この場合も,例えば吐出口62aから吐出される気体を予め加温した状態で吐出させるようにすれば,例えば遮蔽体11の外側や上方に存在する外気の湿度が高い場合や,気温が低い場合であっても,霧を加温した気体に接触させることで,効率的に温めて消滅させることができる。
以上,本発明の好適な第一の実施形態〜第四の実施形態の一例をそれぞれ説明したが,本発明はここで説明した形態には限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において,各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施形態では,液化ガス蒸発器1はLNGをNGにする蒸発器であるとしたが,液化ガス蒸発器の種類や構造は,以上の実施形態に示したものに限定されない。例えば,液化ガス蒸発器において処理される液化ガスあるいはガスの種類,即ち,伝熱管21に通過させられる被処理流体は,LNGとNGには限定されず,他の種類の流体,例えば,LPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)とPG,液体窒素(N)と窒素ガス,あるいは,液体酸素(O)と酸素ガス等であっても良い。即ち,LPGをPGに戻す液化ガス蒸発器,液体窒素を窒素ガスに戻す液化ガス蒸発器,また,液体酸素を酸素ガスに戻す液化ガス蒸発器等であっても良い。
以上の実施形態では,遮蔽体11の内側に一台の液化ガス蒸発器1が設置されている場合を説明したが,遮蔽体11の内側には,複数の液化ガス蒸発器1を備えても良い。例えば図11に示すように,三台の液化ガス蒸発器1A,1B,1Cを,横方向(図11においてX軸方向(水平方向))において一列に並べて備えても良い。また,各液化ガス蒸発器1A,1B,1Cと基準面3との間には,下方空間5がそれぞれ形成されている。この場合も,遮蔽体11は,各液化ガス蒸発器1A,1B,1Cから一定の間隔を空けた位置に配置することが好ましい。
なお,図11に示す例では,三台の液化ガス蒸発器1A,1B,1Cは,互いに同様の構成を有し,X軸方向においてこの順に並べて,また所定間隔を空けて設けられている。各液化ガス蒸発器1A,1B,1Cは,下枠31の4つの側面がそれぞれX軸方向,Y軸方向(X軸方向と垂直な水平方向)に沿った方向に向けられた状態で備えられている。そして,液化ガス蒸発器1Aの下方空間5と遮蔽体11の内側面(Y軸方向に向けられた面)との間のX軸方向における距離L1,液化ガス蒸発器1Cの下方空間5と遮蔽体11の内側面(Y軸方向に向けられた面)との間のX軸方向における距離L2が,それぞれ約0.5m以上かつ5m以下程度,好ましくは3m程度になるように配置されている。また,各液化ガス蒸発器1A,1B,1Cの下方空間5と各下方空間5の両側に位置する遮蔽体11の内側面(X軸方向に向けられた面)との間のY軸方向における距離L3,L4が,それぞれ約0.5m以上かつ5m以下程度,好ましくは3m程度になるように配置されている。このようにしても,各液化ガス蒸発器1A,1B,1Cから発生する霧を効果的に消滅させ,霧の拡散を防止できる。
また,上記のように遮蔽体11の内側に複数の液化ガス蒸発器1を備えた場合も,以上の第一の実施形態〜第四の実施形態において説明した各種の霧拡散防止構造10,40,50,60の構成を適用しても良い。
以上の実施形態では,遮蔽体11の形状は平面視において略方形状であるとしたが,かかる形状には限定されず,例えば円形等であっても良い。また,遮蔽体11は液化ガス蒸発器1の下方空間5の周囲全体を囲むように設けるとしたが,下方空間5の周囲の一部のみに対向させるように設けても良い。例えば図12に示すように,平面視において略コの字状をなす遮蔽体11’を形成し,遮蔽体11’の3つの内側面を下方空間5の周囲の3方向においてそれぞれ対向させるようにしても良い。なお,この場合も,遮蔽体11の3つの内側面と下方空間5との間の水平方向における距離Lは,それぞれ約0.5m以上かつ5m以下程度,より好ましくは約3m程度にすることが好ましい。また,例えば平面視において略L字状をなす遮蔽体を形成し,2つの内側面を下方空間5の周囲の2方向に対向させるようにしても良く,あるいは,遮蔽体を一枚の平板状にして,下方空間5の周囲の一側部のみに対面させるように備えても良い。これらの場合も,遮蔽体が設けられている側において,液化ガス蒸発器1から発生する霧を消滅させ,遮蔽体の外側に霧が流出することを防止できる。例えば液化ガス蒸発器1の片側のみに道路や民家等が存在し,反対側は工場の敷地になっている場合,少なくとも道路や民家が存在する側に遮蔽体を設ければ良く,他の方向においては遮蔽体を設けず,開放させたままにしても良い。なお,遮蔽体の形状や配置は,例えば下方空間5と遮蔽体との間に,液化ガス蒸発器1から発生した霧や冷気が一時的に溜められる空間が十分に形成されるように設定すれば良い。例えば液化ガス蒸発器1の近傍に,他の工場用の設備や建築物等が隣接して存在するときは,当該機器あるいは建築物等によって霧や冷気を堰き止めることが可能な場合,即ち,当該機器あるいは建築物が,霧や冷気に対する遮蔽物としても機能する場合が考えられるが,このような場合は,当該機器あるいは建築物等が存在する側には遮蔽体を設けなくても良い。また,例えば外気の風向きが特定の方向に偏向しやすい条件の場所に液化ガス蒸発器1が設置されている場合は,遮蔽体の形状や配置は,その風向きを考慮して設定することが望ましく,例えば,液化ガス蒸発器1に対して風下に遮蔽体が配置されるようにしても良い。そうすれば,液化ガス蒸発器1の風下に流されやすい霧や冷気を,確実に堰き止めることができる。
なお,例えば液化ガス蒸発器1の状態を監視するために設けられる測定器,操作用のバルブ等,液化ガス蒸発器1の周辺に設置される機器は,遮蔽体の外側に設けても良い。そうすれば,作業員による測定器の目視やバルブの操作等が霧の存在によって邪魔されることを防止できる。また,作業員が遮蔽体の内部に入るために遮蔽体の一部を開放させたり遮蔽体を迂回したりする手間を省略でき,作業性を向上させることができる。
本発明者らは,遮蔽体の霧拡散防止効果を確認するため,以下のような実験を行った。図13に示すように,平面視において略方形をなす囲い70を基準面3から立設させ,囲い70の4つの側部がそれぞれX軸方向,Y軸方向に沿って備えられるように設け,囲い70の内側には,三台の液化ガス蒸発器1A,1B,1Cを,X軸方向に所定間隔を空けて並べて設置した。この囲い70は網状,即ち,空気が網目を通過して囲い70の内側と外側とに移動できるものとし,さらに,Y軸方向の正方向に位置する囲い70の一側部のみを,ビニール製のシート71によって覆った状態にした。即ち,網目がシート71によって遮蔽され,空気が網目を通過できずに堰き止められるようにし,このシート71が設けられた囲い70の一側部のみが遮蔽体72を構成するようにした。囲い70の基準面3からの高さ(Z軸方向(鉛直方向)の高さ)は2m,Y軸方向(正方向)における液化ガス蒸発器1Bの真下(下方空間5の中央部)からの距離は4.55m,Y軸方向(負方向)における液化ガス蒸発器1Bの真下からの距離は3.35mとした。
また,温度計として測温抵抗体を複数箇所に設置した。具体的には,図13及び図14に示すように,中央に備えられた液化ガス蒸発器1Bの真下に位置し,基準面3からの高さが0.5mである測定位置P1,液化ガス蒸発器1Bの真下に位置し,基準面3からの高さが1.5mである(測定位置P1より鉛直方向において1.0m高い)測定位置P1,測定位置P1からY軸方向(正方向)において3.0mの間隔を空けた位置であって,基準面3からの高さが0.5mである測定位置P2,測定位置P1からY軸方向(正方向)において4.3mの間隔を空けた位置(シート71の内面近傍)であって,基準面3からの高さが0.5mである測定位置P3,測定位置P1からY軸方向(正方向)において4.3mの間隔を空けた位置であって,基準面3からの高さが1.5mである測定位置P3,測定位置P1からY軸方向(正方向)において4.8mの間隔を空けた位置(シート71の外面近傍)であって,基準面3からの高さが0.5mである測定位置P4,測定位置P1からY軸方向(正方向)において4.8mの間隔を空けた位置であって,基準面3からの高さが1.5mである測定位置P4,測定位置P1からY軸方向(負方向)において3.1mの間隔を空けた位置(囲い70においてシート71が設けられていない側の内側近傍)であって,基準面3からの高さが0.5mである測定位置P5,測定位置P1からY軸方向(負方向)において3.1mの間隔を空けた位置であって,基準面3からの高さが1.5mである測定位置P5,測定位置P1からY軸方向(負方向)において3.6mの間隔を空けた位置(囲い70においてシート71が設けられていない側の外側近傍)であって,基準面3からの高さが0.5mである測定位置P6,測定位置P1からY軸方向(負方向)において3.6mの間隔を空けた位置であって,基準面3からの高さが1.5mである測定位置P6の,合計12箇所に,測温抵抗体をそれぞれ1つずつ設置した。
上記のような構成において,液化ガス蒸発器1A,1B,1Cのうち2つの液化ガス蒸発器1A,1Bをそれぞれ稼動させ,液化ガスの蒸発を行いながら,各測温抵抗体による測定を行った。なお,実験を行った時間は,7月の午後であった。外気の温度は22℃,湿度は68%であった。その結果を図15のグラフに示す。
図15に示すように,囲い70及び遮蔽体72の内側(液化ガス蒸発器1B側のエリア)における各測定点,即ち,測定位置P1,P3,P5,P1L,P2,P3,P5における測定温度は,−7.6℃から12.6℃の間にあり,温度22℃,湿度68%における露点温度(15.8℃)以下であることから,囲い70及び遮蔽体72の内側では,霧が発生していることがわかる。
次に,ビニールシート71が設けられていない側における高さ0.5mの状況,即ち,囲い70の内側と外側の測定位置P5L,P6Lにおける測定温度に着目すると,測定温度はいずれも露点温度以下の0℃付近であり,霧が発生することがわかる。即ち,大量の霧が下方に滞留し,囲い70の網目を霧と冷気が透過して外側に流出することがわかる。これに対して,ビニールシート71で覆った遮蔽体72側における高さ0.5mの状況,即ち,遮蔽体72の内側と外側の測定位置P3,P4における測定温度に着目すると,遮蔽体72の内側の測定位置P3では測定温度は露点温度以下の3.4℃であり,霧が発生するのに対して,遮蔽体72の外側の測定位置P4では測定温度は露点温度以上の16.5℃であり,消霧されることがわかる。同様に,遮蔽体72側の高さ1.5mの測定位置P3,P4における測定温度に着目すると,内側の測定位置P3では測定温度は10.0℃であり,霧が発生するのに対して,外側の測定位置P4では測定温度は16.4℃であり,消霧されることがわかる。
また,囲い70の内側と遮蔽体72の内側における高さ1.5mの状況,即ち,測定位置P3,P5における測定温度を比較すると,液化ガス蒸発器1Bの真下から3.1m離れている測定位置P5の測定温度は12.6℃であるのに対して,液化ガス蒸発器1Bの真下から4.3m,即ち,測定位置P5よりも液化ガス蒸発器1Bから離れている測定位置P3での測定温度は,10.0℃であり,測定位置P5よりも低温である。このことから,遮蔽体72側においては,霧及び冷気が遮蔽体72によって堰き止められ,測定位置P3よりも上方まで滞留していることがわかる。
以上のことから,シート71を設けて遮蔽体72を構成することにより,液化ガス蒸発器1Bの運転によって発生した霧及び冷気は,遮蔽体72の内側において上方まで充満され,遮蔽体72からオーバーフローする際に,相対的に温かい外気と混合され,外気によって露点温度以上に加温されることで,消霧されると考えられる。
本発明は,例えばLNG,LPG等の液化ガスを蒸発させる液化ガス蒸発器において発生する霧の拡散防止に適用できる。
液化ガス蒸発器と霧拡散防止構造の構成を説明する概略側面図である。 液化ガス蒸発器と霧拡散防止構造の構成を説明する概略平面図である。 吸引機構を設けた第二の実施形態にかかる霧拡散防止構造の構成を説明する概略側面図である。 吸引機構を設けた第二の実施形態にかかる霧拡散防止構造の構成を説明する概略平面図である。 誘導気流形成機構を設けた第三の実施形態にかかる霧拡散防止構造の構成を説明する概略側面図である。 誘導気流形成機構の概略斜視図である。 別の実施形態にかかる誘導気流形成機構の概略斜視図である。 吹上気流形成機構を設けた第四の実施形態にかかる霧拡散防止構造の構成を説明する概略側面図である。 吹上気流形成機構を設けた第四の実施形態にかかる霧拡散防止構造の構成を説明する概略平面図である。 吹上気流形成機構の吐出ノズルの位置を下げた実施形態にかかる霧拡散防止構造の構成を説明する概略側面図である。 複数の液化ガス蒸発器を遮蔽体の内側に設けた実施形態を説明する概略平面図である。 遮蔽体を略コの字状にした実施形態を説明する概略平面図である。 実施例の実験に用いた構成の概略平面図である。 実施例の実験に用いた構成を説明する説明図(図14におけるI−I線による断面図)である。 実験の測定結果を示したグラフである。
符号の説明
H1 下方空間の高さ
H2 遮蔽体の高さ
L 下方空間と遮蔽体との間の距離
1 液化ガス蒸発器
2 蒸発器支持体
3 基準面
5 下方空間
10 霧拡散防止構造
11 遮蔽体
21 伝熱管
31 下枠
35 支持脚

Claims (6)

  1. 液化ガス蒸発器から霧が拡散することを防止する霧拡散防止構造であって,
    前記液化ガス蒸発器は,基準面から持ち上げられた状態で支持され,
    前記液化ガス蒸発器と前記基準面との間に形成された下方空間の外側に,前記基準面から立設された遮蔽体を備え,
    前記遮蔽体は,前記下方空間の少なくとも一部に対向するように設けられ,
    前記遮蔽体の内側面と前記下方空間との間の水平方向における距離は,0.5m以上かつ5m以下であって,
    前記遮蔽体の高さと前記下方空間の高さとの差は,1.5m以下であることを特徴とする,液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造。
  2. 前記遮蔽体は,前記下方空間の周囲全体を囲むように設けられていることを特徴とする,請求項1に記載の液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造。
  3. 前記下方空間の雰囲気は,前記下方空間から外側に流出し,前記遮蔽体によって堰き止められた後,前記遮蔽体の外側にオーバーフローすることを特徴とする,請求項1又は2に記載の液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造。
  4. 前記遮蔽体の内側の雰囲気を前記遮蔽体の上縁部において吸引する吸引機構を設けたことを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造。
  5. 前記遮蔽体の外側面に沿って横向きの誘導気流を形成する誘導気流形成機構を備え,
    前記遮蔽体の内側から上昇した雰囲気が前記誘導気流に引き寄せられる構成としたことを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造。
  6. 前記遮蔽体の外側又は上方に,上方に向かって気体を吐出する吐出ノズルを設けたことを特徴とする,請求項1〜3のいずれかに記載の液化ガス蒸発器の霧拡散防止構造。
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