JP2007285426A - クラッチアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウォームギヤのギヤロックを回避可能なクラッチアクチュエータを提供。
【解決手段】 モータ66にて駆動されるシャフト68のウォームギヤ74に噛合うウォームホイールギヤ76と、該ウォームホイールギヤにより直進駆動されるロッド78を有し、ロッドにてクラッチを係合、解放するクラッチアクチュエータ62において、クラッチの付勢手段に抗してクラッチの係合から解放への作動時に、モータによるウォームホイールギヤの一方向への回転駆動力をロッドに伝達して第1の方向に直線移動させ、クラッチの解放から係合への作動時に、前記付勢手段の付勢力を受けながらモータによりウォームホイールギヤを前記と反対方向に回転して、ロッドが前記反対方向に戻す駆動力伝達手段を備え、クラッチの解放から係合への作動時に、ロッドの戻りの所定位置以降でウォームホイールギヤの前記反対方向への回転を許容する構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、クラッチを自動的に係合・解放可能なクラッチアクチュエータに関する。
モータの出力軸にウォームギヤを設け、ウォームギヤと噛合する第2ギヤ部材をモータ動力によって回転し、回転運動をプッシュロッドの直進運動に変換して係合しているクラッチを自動的に解放する自動車のクラッチアクチュエータが知られている。
このようなクラッチアクチュエータにおいて、プッシュロッドの戻り行程でプッシュロッドがオーバシュートしてストッパにより規制されると、ウォームホイールギヤの回転も規制されるため、回転系のエネルギーがウォームギヤ歯面に衝撃的に加わり、ウォームギヤとウォームホイールギヤの間でギヤロック(ウォームギヤとウォームホイールギヤとの噛合面に作用する荷重が大きくなって、両ギヤがロックしてしまう状態)が発生する恐れがある。
特開2003−287087号公報では、ウォームギヤとウォームホイールギヤとの間のギヤロックを回避する手段としてウォームホイールギヤの回転を規制する回転規制手段に衝撃力を緩和する緩衝機能を持たせている。
特開2003−287087号公報
特許文献1に開示されているクラッチアクチュエータでは、緩衝機能を成立させる部品やウォームギヤの寸法精度、部品間の摩擦係数のばらつき及び回転規制手段に取り付けられているスプリングの荷重のばらつき等により、ウォームギヤとウォームホイールギヤの間でギヤロックが発生する可能性を完全に防止できない。
また、ギヤロックに至らないにしてもギヤ噛み合い面等の駆動力伝達系には回転が規制されたときに衝撃的荷重が発生するため、それに対応した強度設定が必要となり、部品の大型化又は高強度材料使用によるコストアップ、重量アップが発生する。
その他のギヤロック対策としては、オーバシュートを許容するようにプッシュロッドのストロークを延長したり、ゴムやスプリング等の緩衝部材を追加する等の対応が考えられるが、いずれもスペースの拡大や部品点数の増加によるコストアップ、重量アップが予想される。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構造でウォームギヤとウォームホイールギヤとの間のギヤロックを回避可能なクラッチアクチュエータを提供することである。
請求項1記載の発明によると、モータと、前記モータにより駆動される第1ギヤと、該第1ギヤ部材に噛合する第2ギヤ部材からなる減速機構と、前記減速機構の回転駆動力が直進駆動力に変換されて伝達されるロッドとを有し、前記モータを駆動制御することにより前記ロッドを介してクラッチを係合、解放可能とするクラッチアクチュエータにおいて、前記クラッチを係合する付勢力を発生する付勢手段と、該付勢手段の付勢力に抗して前記クラッチの係合状態から解放状態への作動時に前記モータの駆動制御による前記第2ギヤ部材の一方向への回転駆動力を前記ロッドに伝達して該ロッドを第1の方向に直線移動させるとともに、前記クラッチの解放状態から係合状態への作動時に前記付勢手段の付勢力を受けながら前記モータの駆動制御により前記第2ギヤ部材を前記一方向と反対方向に回転して前記ロッドが前記第1の方向と反対方向に戻るのを許容する駆動力伝達手段を備え、前記駆動力伝達手段は、前記クラッチの解放状態から係合状態への作動時に、前記ロッドの戻り移動の所定位置以降で前記第2ギヤ部材の前記反対方向への回転を許容することを特徴とするクラッチアクチュエータが提供される。
請求項2記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記駆動力伝達手段は、前記第2ギヤ部材の一部に設けられたピンと、前記ピンが係合する前記ロッドに設けられた係合部とを含んでいることを特徴とするクラッチアクチュエータが提供される。
請求項3記載の発明によると、請求項1記載の発明において、前記駆動力伝達手段は、前記第2ギヤ部材の一部に設けられたピンと、前記ロッドの戻り行程において前記所定位置まで前記ピンと係合し、所定位置以降では係合を解除して前記第2ギヤ部材の前記反対方向への回転を許容する係合部とを含んでいることを特徴とするクラッチアクチュエータが提供される。
請求項1記載の発明によると、ロッドの戻り移動の所定位置以降でも第2ギヤ部材の回転を許容することにより、回転が規制されることにより第2ギヤ部材の噛み合い面に作用していた衝撃力の発生を回避でき、第1ギヤ部材と第2ギヤ部材との間のギヤロックを防止することが可能となる。
また、ギヤロック防止のために特別なスペースや緩衝部材を必要としないため、コストアップ及び/又は重量アップをすることなしに第1ギヤ部材と第2ギヤ部材との間のギヤロックを回避することができる。
さらに、ギヤロックを回避するのみでなく第2ギヤ部材の回転が規制されないため、モータの出力により発生する以上の力が駆動力伝達手段に作用しないので、モータの出力に応じた強度を駆動力伝達手段に持たせるだけでよく、クラッチアクチュエータのコストダウンを達成可能である。
請求項2記載の発明によると、駆動力伝達手段を第2ギヤ部材に設けられたピンと、このピンに係合するロッドに設けられた係合部とから構成することができ、ごく簡単な構成により請求項1と同様な効果を達成することができる。
請求項3記載の発明によると、請求項2記載の発明と同様に、駆動力伝達手段をごく簡単な構成にすることができ、請求項1と同様な効果を達成することができる。
まず図1を参照して、本発明のクラッチアクチュエータが適用されるのに適した自動クラッチ付マニュアルトランスミッション(手動変速機)の構成について説明する。クラッチ8はクラッチハウジング1中に収容されており、マニュアルトランスミッションは、トランスミッションケース2内に平行に配置されたメインシャフト(入力シャフト)4とカウンタシャフト(出力シャフト)6を含んでいる。
クラッチ8は図示しないエンジンのクランクシャフト3にボルト5で固定されたフライホイール7を含んでいる。クラッチカバー9がボルト11によりフライホイール7に固定されている。
このクラッチカバー9にはプレッシャプレート13が図示しないリベットにより軸方向に移動可能に取り付けられている。このクラッチカバー13には更に、一対のリング17によりその中間部分が挟持されるように、ダイヤフラムスプリング15が取り付けられている。
プレッシャプレート13は環状突起13aを有しており、この環状突起13aにダイヤフラムスプリング15の外周端部が押圧されている。すなわち、定常状態ではダイヤフラムスプリング15は一対のリング17で挟まれた支点を中心に、梃子の原理でその外周端部がプレッシャプレート13の環状突起13aを押圧するように付勢している。
トランスミッションメインシャフト4の端部近傍には、クラッチディスク19が固定されたハブ21が軸方向摺動可能且つ相対回転不能にスプライン結合されている。クラッチディスク19の前後両面にはフェーシング23が固着されている。
図示したクラッチオン(クラッチが係合された)状態では、ダイヤフラムスプリング15の付勢力によりプレッシャプレート13がクラッチディスク19のフェーシング23に強固に押し付けられ、フライホイール7の回転はクラッチディスク19を介してトランスミッションメインシャフト4に直接伝達される。
クラッチハウジング1と一体的に形成されたスリーブ25にはレリーズベアリング27が摺動可能に取り付けられている。29はクラッチアクチュエータのスレーブシリンダであり、図示しない配管を介して後述するマスターシリンダに接続されている。31はレリーズフォークである。
スレーブシリンダ29が油圧により作動されると、レリーズフォーク31を介してレリーズベアリング25が図で右方向に摺動する。これにより、レリーズベアリング25のインナーレースがダイヤフラムスプリング15の内周端部に当接し、ダイヤフラムスプリング15の内周端部を右方向に押すことにより、ダイヤフラムスプリング15がその支点を中心に回動して、ダイヤフラムスプリング15のプレッシャプレート13への付勢力は解除される。
これにより、クラッチディスク19のフェーシング23に対するプレッシャプレート13の押圧力は解除され、クラッチオフの状態となり、クラッチ8を介したクランクシャフト3の回転力のトランスミッションメインシャフト4への伝達が遮断される。
メインシャフト4はクラッチ8を介して図示しないエンジンに連結され、カウンタシャフト6は、車両の左右の駆動輪に動力を伝達するディファレンシャル装置10のリングギヤ(ファイナルドリブンギヤ)14にファイナルドライブギヤ12を介して連結されている。
メインシャフト4とカウンタシャフト6との間には、前進変速段として、クラッチ8側から順に、1速段G1、2速段G2、3速段G3、4速段G4、5速段G5及び6速段G6が配置されている。また、1速段G1と2速段G2との間には後進段GRが配置されており、このトランスミッションでは前進6段後進1段の変速が行われる。
1速段G1は、メインシャフト4に固定的に取り付けられたドライブギヤ16と、カウンタシャフト6に回転自在に取り付けられたドリブンギヤ18を含んでおり、ドライブギヤ16とドリブンギヤ18は互いに噛み合っている。
2速段G2は、メインシャフト4に固定的に取り付けられたドライブギヤ20と、カウンタシャフト6に回転自在に取り付けられたドリブンギヤ22を含んでおり、ドライブギヤ20とドリブンギヤ22は互いに噛み合っている。
3速段G3は、メインシャフト4に回転自在に取り付けられたドライブギヤ24と、カウンタシャフト6に固定的に取り付けられたドリブンギヤ26を含んでおり、ドライブギヤ24とドリブンギヤ26は互いに噛み合っている。
4速段G4は、メインシャフト4に回転自在に取り付けられたドライブギヤ28と、カウンタシャフト6に固定的に取り付けられたドリブンギヤ30を含んでおり、ドライブギヤ28とドリブンギヤ30は互いに噛み合っている。
5速段G5は、メインシャフト4に回転自在に取り付けられたドライブギヤ32と、カウンタシャフト6に固定的に取り付けられたドリブンギヤ34を含んでおり、ドライブギヤ32とドリブンギヤ34は互いに噛み合っている。
6速段G6は、メインシャフト4に回転自在に取り付けられたドライブギヤ33と、カウンタシャフト6に固定的に取り付けられたドリブンギヤ35を含んでおり、ドライブギヤ33とドリブンギヤ35は互いに噛み合っている。
各変速段の切り換えは、三つのシンクロメッシュ機構36,38,40により行われる。第1のシンクロメッシュ機構36は、1速ドリブンギヤ18と2速ドリブンギヤ22との間におけるカウンタシャフト6上に設けられている。
第2のシンクロメッシュ機構38は、3速ドライブギヤ24と4速ドライブギヤ26との間におけるメインシャフト4上に設けられている。第3のシンクロメッシュ機構40は、5速ドライブギヤ32と6速ドライブギヤ33との間におけるメインシャフト4上に設けられている。
シフトチェンジ時を除いて、メインシャフト4の動力はシンクロメッシュ機構36〜40の操作によって選択された変速段を介して、カウンタシャフト6へ伝達される。ファイナルドライブギヤ12とファイナルドリブンギヤ14の終減速比によって減速された後、ディファレンシャル装置10に伝達される。これによって、駆動輪が前進方向に回転する。
一方、後退時においては、まず全てのシンクロメッシュ機構36〜40は中立状態に設定される。メインシャフト4に固定的に取り付けられた後退用ドライブギヤ42と、シンクロメッシュ機構36のシンクロスリーブ36aに一体的に形成された後退用ドリブンギヤ44とは直接噛み合っていないが一列に並んだ状態となっている。
この状態で、リバースシャフト46に回転自在且つスライド自在に取り付けられたリバースアイドラギヤ48が、リバースフォーク60によりリバースシャフト46上を軸方向にスライドされて、後退用ドライブギヤ42及び後退用ドリブンギヤ44の双方と噛み合う。
これにより、メインシャフト4の動力は、後退用ドライブギヤ42、リバースアイドラギヤ48及び後退用ドリブンギヤ44を介してカウンタシャフト6に伝達される。後退時においては、リバースアイドラギヤ48を介してカウンタシャフト6に動力が伝達されるため、カウンタシャフト6の回転方向は前進時とは逆になり、駆動輪は後退方向に回転する。
尚、図1においては、リバースシャフト46及びリバースアイドラギヤ48の構造を明確にするため、これらを後退用ギヤ42,44の上方に図示しているが、実際には、リバーアイドラギヤ48が両ギヤ42,44の双方と噛み合い可能な位置に存在する点に留意されたい。
上述したシンクロメッシュ機構36,38,40の操作は手動でも自動でも良い。手動の場合には、シフトレバーを操作することによりシフトフォークを介してシンクロメッシュ機構36,38,40が選択的に摺動される。
自動の場合には、車両側の変速指令に基づきモータ等のアクチュエータを駆動し、シンクロメッシュ機構36,38,40を選択的に摺動させる。この場合には、クラッチ8及びトランスミッションの作動が自動化されるため、自動化マニュアルトランスミッション(自動MT)となる。
以下図2乃至図5を参照して、本発明実施形態に係るクラッチアクチュエータ62について詳細に説明する。図2は本発明第1実施形態の縦断面図である。
クラッチアクチュエータ62のハウジング64には正転及び逆転が可能なモータ66が取り付けられている。モータ66の出力軸には一対のベアリング70,72より回転可能に支持されたシャフト68が連結されている。シャフト68にはウォームギヤ74が形成されている。
ウォームギヤ74にはハウジング64内に回転可能に支持されたウォームホイールギヤ76が噛み合っている。ウォームギヤ74とウォームホイールギヤ76で減速機構を構成する。ウォームホイールギヤ76にはピン80が突設されている。78はプッシュロッドであり、図で左右方向に摺動可能である。
プッシュロッド78は段差78aを有しており、この段差78aにその一端82aが当接するようにピース部材82が例えば圧入されている。しかし、ピース部材82のプッシュロッド78への取り付けは圧入に限定されるものではなく、ピース部材82をプッシュロッド78に挿入した後、溶接等により固定してもよい。
ピース部材82は突起84を一体的に有しており、ウォームホイールギヤ76が矢印77方向(反時計回り方向)に回転されると、ピン80が突起84に当接して、プッシュロッド78を図で左方向に摺動させる。
ハウジング64にはマスターシリンダ86が取り付けられている。マスターシリンダ86にはピストン88が左右に摺動可能に収容されており、ピストン室90内には油が充填されるとともに、リターンスプリング92が配置されてピストン88を図で右方向に付勢している。
マスターシリンダ86のピストン室90は油路94及び図示しない油圧管路を介してスレーブシリンダ29に接続されている。ピストン88を左右に摺動することにより、ピストン室90は油路96を介して図示しないリザーブタンクへ選択的に連通される。
以下、本実施形態のクラッチアクチュエータの作用について説明する。車両側の変速指令に基づきモータ66に通電されると、モータ66が回転(これを正回転とする)し、モータ66の駆動によりウォームギヤ74が回転する。ウォームギヤ74の回転は、ウォームギヤ74に噛み合うウォームホイールギヤ76に伝達され、ウォームホイールギヤ76は減速されて回転する。
ウォームホイールギヤ76が矢印77方向(反時計回り方向)に回転すると、ウォームホイールギヤ76に突設されたピン80がピース部材82の突起84に当接し、ウォームホイールギヤ76の回転がプッシュロッド78の直線運動に変換されてプッシュロッド78を図で左方向に移動させる。
これにより、プッシュロッド78の左端78aがマスターシリンダ86のピストン88を左方向に押し、ピストン室90内に油圧が発生される。この油圧は油路94及び油圧管路を介して図1に示すスレーブシリンダ29に伝達され、ピストンロッド29aがレリーズフォーク31の上端を図1で左方向に押動する。
これにより、レリーズフォーク31の下端が右方向に移動されて、レリーズベアリング27を右方向に摺動させ、レリーズベアリング27のインナーレースがダイヤフラムスプリング15の内周端部に当接し、ダイヤフラムスプリング15の内周端部を右方向に押すことにより、ダイヤフラムスプリング15がその支点を中心に回動して、ダイヤフラムスプリング15のプレッシャプレート13への付勢力が解除される。
これにより、クラッチディスク19のフェーシング23に対するプレッシャプレート13の押圧力が解除され、クラッチオフの状態となり、クラッチ8を介したエンジン回転力のトランスミッションメインシャフト4への伝達が遮断される。
クラッチ係合時には、ダイヤフラムスプリング15の付勢力によりレリーズベアリング27が左方向に摺動して、レリーズフォーク31を介してスレーブシリンダ29のピストンを圧縮方向に押すため、マスターシリンダ86のピストン室90に圧油が戻される。
この圧油が発生する油圧とリターンスプリング92の付勢力により、マスターシリンダ86のピストン88は図2で右方向に摺動される。このとき、モータ66に正転時とは逆方向に電流を流して、モータ66を逆転させ、ウォームホイールギヤ76をその回転速度を制御しながら時計回り方向に回転させる。
すなわち、ピン80で油圧とリターンスプリング92の付勢力により発生したプッシュロッド78の右方向へのスラスト力を受けながら、モータ66の駆動制御によりウォームホイールギヤ76を逆転させる。
これにより、プッシュロッド78はウォームホイールギヤ76の回転速度に応じた速度で戻されて、ピース部材82の右端82bがハウジング64の内周面に当接した位置でプッシュロッド78は停止される。
プッシュロッド78がこのように停止された後も、ウォームホイールギヤ76の時計回り方向の回転は継続されるため、ウォームギヤ74とウォームホイールギヤ76の噛み合い面に衝撃力が加わることはない。これにより、ウォームギヤ74とウォームホイールギヤ76との間のギヤロックを確実に回避できる。
図3を参照すると、クラッチアクチュエータ62のプッシュロッド78のストローク位置関係図が示されている。以下、図3を参照しながら、本発明実施形態の作用について更に説明する。
クラッチ解放時は、図3のクラッチ解放範囲の中で様々な要因を考慮し、確実にクラッチが解放される位置でアクチュエータ62を停止させればよい。このため、プッシュロッド78がクラッチ解放側端点100までストロークすることはほとんどない。
また、クラッチ解放側端点100に向かうに従いクラッチ負荷も増大するため、オーバシュート等でこの解放側端点100でウォームギヤ74のロックが発生する可能性は極めて低い。
クラッチ締結時は、クラッチ解放指令の可能性が高いときには応答性も鑑み車両側の要求に応じたクラッチ係合範囲内のクラッチ解放開始位置104寄りで待機することが考えられるが、クラッチ解放指令の可能性が低いときやニュートラル時等は、クラッチ系部品の耐久劣化防止及びフリクションロス低減のためにクラッチ係合側端点102付近で待機する必要がある。
このとき、クラッチ係合側端点102に位置規制があると、係合側端点102付近にアクチュエータを制御しようとして、オーバシュートや信号のばらつき等様々な要因によりアクチュエータ部品が位置規制部で衝突し、ウォームギヤ74の噛み合い面に衝撃力が入力され、ギヤロックが発生してしまう可能性がある。
特に、本実施形態のように、油圧機構を利用したクラッチアクチュエータ62では、クラッチ係合範囲内で待機しているときでもオイルの温度変化による体積変化に伴うクラッチストローク(クラッチ容量)及びタッチポイント位置(クラッチ解放開始位置)の変化をキャンセルさせる目的で、クラッチが解放状態になる可能性が低いとき(例えばニュートラル時やクルーズ走行時)にクラッチ係合側端点102に近いポートオープン位置106まで移動し、リザーブタンクとマスターシリンダ86を連通させる制御を煩雑に行う必要がある。
然しながら、クラッチ解放指令が出される可能性が皆無ではないため、このリザーブタンクとマスターシリンダ86を連通させる制御は極短時間で終了させる必要がある。そのために、ポートオープン位置106まで素早く制御しようとすればするほど慣性力によりオーバシュートを起こす可能性が高くなり、ウォームギヤ74がロックする可能性も高くなる。
そこで本実施形態では、ピース部材82の突起84をクラッチ解放時にのみウォームホイールギヤ76のピン80に当接させる構造とし、ウォームホイールギヤ76の回転力をクラッチ解放側に荷重がかかるときのみ伝達するようにしたことを特徴とする。図3で110はウォームホイールギヤ76がフリーラン(自由回転)する範囲を示している。
これにより、クラッチ解放時は従来と同様な機能を持たせつつ、クラッチ係合時はクラッチからの反力を受けながらモータ66を駆動制御している状態では従来と同様の機能を持たせているが、クラッチ側からの反力が無くなった時点で、ウォームホイールギヤ76の回転を許容し、クラッチ係合側端点102でプッシュロッド78が規制を受けても、ウォームギヤ74とウォームホイールギヤ76の噛み合い面に衝撃力が加わらない。これによりギヤロックを確実に回避できる。
図4は本発明第2実施形態の要部側面図を示している。この実施形態では、ピン80´をウォームホイールギヤ76の外周に近い側に突設し、プッシュロッド78に直接ピン80´が係合可能な凹部98を形成している。凹部98に換えて、プッシュロッド78に直接ピン80´が係合可能な凸部を形成するようにしても良い。本実施形態でも、上述した第1実施形態と同様な機能を達成できる。
図5を参照すると、本発明第3実施形態の一部断面要部側面図が示されている。本実施形態のピース部材82´は長い突起84と短い突起85を有しており、これらの突起84,85の間にウォームホイールギヤ76に突設されたピン80が嵌合されるようになっている。
本実施形態では、ギヤロックの可能性の低い範囲では両方向に回転力を伝達可能であるが、ギヤロックの可能性の高くなる範囲ではウォームホイールギヤ76が自由回転するような構造となっている。本実施形態でも、上述した第1実施形態と同様な機能を達成できる。
以上の実施形態では、減速機構として、ウォームギヤとウォームホイールギヤの例を示して説明したが、本発明は特にそれらに限定されることは無く、ロックを起こす可能性のある減速機構であればよい。
ウォームホイールギヤに類似した形状として、ギヤ歯の代わりにピンが設けられて、駆動力を伝達するものや、通常のギヤの組み合わせの減速機構でもよい。減速機構の減速比が大きく、精度の低いギヤの組合せの場合には、ロックを起こす可能性があるため、そのような場合には有効である。
本発明のクラッチアクチュエータが適用可能な自動クラッチを有するマニュアルトランスミッションの縦断面図である。 本発明第1実施形態の縦断面図である。 クラッチアクチュエータのプッシュロッドのストローク位置関係を示す図である。 本発明第2実施形態の要部を示す側面図である。 本発明第3実施形態の要部を示す一部断面側面図である。
符号の説明
8 クラッチ
27 レリーズベアリング
29 スレーブシリンダ
31 レリーズフォーク
62 クラッチアクチュエータ
66 モータ
74 ウォームギヤ
76 ウォームホイールギヤ
78 プッシュロッド
80 ピン
82 ピース部材
84,85 突起
86 マスターシリンダ
88 ピストン

Claims (3)

  1. モータと、
    前記モータにより駆動される第1ギヤと、該第1ギヤ部材に噛合する第2ギヤ部材からなる減速機構と、
    前記減速機構の回転駆動力が直進駆動力に変換されて伝達されるロッドとを有し、
    前記モータを駆動制御することにより前記ロッドを介してクラッチを係合、解放可能とするクラッチアクチュエータにおいて、
    前記クラッチを係合する付勢力を発生する付勢手段と、
    該付勢手段の付勢力に抗して前記クラッチの係合状態から解放状態への作動時に前記モータの駆動制御による前記第2ギヤ部材の一方向への回転駆動力を前記ロッドに伝達して該ロッドを第1の方向に直線移動させるとともに、前記クラッチの解放状態から係合状態への作動時に前記付勢手段の付勢力を受けながら前記モータの駆動制御により前記第2ギヤ部材を前記一方向と反対方向に回転して前記ロッドが前記第1の方向と反対方向に戻るのを許容する駆動力伝達手段を備え、
    前記駆動力伝達手段は、前記クラッチの解放状態から係合状態への作動時に、前記ロッドの戻り移動の所定位置以降で前記第2ギヤ部材の前記反対方向への回転を許容することを特徴とするクラッチアクチュエータ。
  2. 前記駆動力伝達手段は、前記第2ギヤ部材の一部に設けられたピンと、前記ピンが係合する前記ロッドに設けられた係合部とを含んでいることを特徴とする請求項1記載のクラッチアクチュエータ。
  3. 前記駆動力伝達手段は、前記第2ギヤ部材の一部に設けられたピンと、前記ロッドの戻り行程において前記所定位置まで前記ピンと係合し、所定位置以降では係合を解除して前記第2ギヤ部材の前記反対方向への回転を許容する係合部とを含んでいることを特徴とする請求項1記載のクラッチアクチュエータ。
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