JP2007285417A - 車輪支持用軸受ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上記車輪支持用軸受ユニット5aを構成する、回転輪であるハブ10aの軸方向外端面中心部に、ICタグ23を固定する。このICタグ23には、上記車輪支持用軸受ユニット5aに関する履歴情報を記憶させている。このICタグ23に記憶された履歴情報は、外部装置28を用いて容易に読み取る事ができる。この為、上記車輪支持用軸受ユニット5aのトレーサビリティを向上させる事ができる。
【選択図】図1
Description
即ち、車輪支持用軸受ユニットに刻印を施す場合、長期間に亙る使用に於いても、傷や摩耗等が生じにくい部分を選択して刻印する必要があり、刻印できるスペースに制約を受ける為、多くの情報を刻印する事が困難となる。又、限られたスペース内に、多くの情報を刻印する作業は面倒で、時間及び工数が多くかかると共に、刻印の視認性を確保する面からも問題がある。この為、多くの場合、車輪支持用軸受ユニットに刻印される情報は、製造年月日や製造ロット等の一部の履歴情報に限られてきた。この結果、この限られた少ない情報を基に、例えば端末に予め入力されたデータベース等を用いて、製造工場や修理履歴等の詳細な履歴情報を照会する(探し出す)には、時間及び手間が多くかかる上、正確な履歴情報が得られない可能性があった。
(1) 静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、
外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を固定する為の取付フランジと、静止側周面と対向する回転側周面に静止側軌道と対向する回転側軌道とを有し、使用時に回転する回転輪と、
静止側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
を備えた車輪支持用軸受ユニットに於いて、
車輪支持用軸受ユニットに関する情報を記憶するICチップと、
ICチップを保持し、回転輪の軸方向外端部に固定される保持部材と、
をさらに備える事を特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
(2) 保持部材は、環状に形成される事を特徴とする(1)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(3) 静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、
外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を固定する為の取付フランジと、静止側周面と対向する回転側周面に静止側軌道と対向する回転側軌道とを有し、使用時に回転する回転輪と、
静止側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
を備えた車輪支持用軸受ユニットに於いて、
静止輪と回転輪の一方の一部に直接又は保持部材を介して固定され、車輪支持用軸受ユニットに関する情報を記憶するICチップをさらに備える事を特徴とする車輪支持用軸受ユニット。
(4) 回転輪の軸方向外端部に車輪を外嵌する為の円筒部が設けられており、ICチップが、少なくとも回転輪の軸方向外端部のうちこの円筒部よりも径方向内側の部分又はこの円筒部の内周面の一部に固定されている事を特徴とする(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(5) 静止輪の外周面に懸架装置に固定する為の結合フランジが設けられており、ICチップが、この静止輪の外周面のうちこの結合フランジから軸方向に外れた部分に固定されている事を特徴とする(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(6) 保持部材は、静止輪の軸方向内端部に装着されるカバーであり、ICチップが、このカバーの軸方向外側面の一部に固定されている事を特徴とする(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(7) 保持部材は、静止輪の軸方向内端部に装着されるカバーであり、ICチップが、このカバーの外周面の一部に固定されている事を特徴とする(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(8) 保持部材は、静止輪の軸方向内端部に芯金を介して装着される樹脂製カバーであり、ICチップはこのカバーの芯金と軸方向において重ならない内周面の一部に固定されることを特徴とする(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(9) 保持部材は、静止輪の軸方向内端部に装着される樹脂製カバーであり、ICチップはこのカバーと一体成形されることを特徴とする(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(10) 回転輪の軸方向外端部に車輪を外嵌する為の円筒部が設けられており、
保持部材は、円筒部の内周面に絞まり嵌めによって嵌合される事を特徴とする(1)又は(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(11) 回転輪の軸方向外端部に車輪を外嵌する為の円筒部が設けられ、回転輪の軸方向中間部に等速ジョイントを取り付けるためのスプライン部が設けられており、
保持部材は、円筒部とスプライン部との間の平坦面に等速ジョイント取付用ナットによって固定される事を特徴とする(1)又は(3)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(12) 保持部材は、ICチップがその内周面に固定されるように環状に形成される事を特徴とする(10)又は(11)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(13) 保持部材は、ICチップがその円環部内周面と底部のいずれかに固定されるように有底円筒状に形成される事を特徴とする(10)又は(11)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(14) 保持部材は、ICチップが一体成形される事を特徴とする(12)又は(13)に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(15) 静止輪と回転輪と保持部材とのうちの何れか1つの部材の表面に、保持凹部が設けられており、ICチップが、この保持凹部内に固定されている事を特徴とする(1)〜(14)のうちの何れか1項に記載の車輪支持用軸受ユニット。
(16) ICチップが、アンテナと組み合わされて、無線による信号の送受信を可能とされたものである事を特徴とする(1)〜(15)のうちの何れか1項に記載の車輪支持用軸受ユニット。
この様に構成すれば、使用時に、回転輪と共に回転するICチップに作用する遠心力の影響を、小さく抑える事ができる。この為、このICチップの脱落防止を図れる。又、ICチップを回転輪の軸方向外端面に固定する為、このICチップに記憶された履歴情報を読み取る作業を、車輪支持用軸受ユニットを自動車から取り外さずに行なえる。
或は、(6)に記載した様に、他の部材を、静止輪の軸方向内端部に装着されたカバーとする。そして、ICチップを、このカバーの軸方向外側面の一部に固定する。
若しくは、(7)に記載した様に、他の部材を、静止輪の軸方向内端部に装着されたカバーとする。そして、ICチップを、このカバーの外周面の一部に固定する。
この様に構成すれば、雨天走行時等に於いても、路面から巻き上げられる泥水や小石等の異物がICチップに衝突し、このICチップが損傷する事を防止できる。又、使用時に於いても、ICチップには遠心力が作用しない為、このICチップの脱落防止を有効に図れる。
或は、(9)に記載した様に、保持部材は、静止輪の軸方向内端部に装着される樹脂製カバーであり、ICチップはこのカバーと一体成形される。
この様に構成すれば、カバーにより外部空間と遮蔽された密閉空間内にICチップを固定する事ができる。この為、雨天走行時等に於いても、ICチップに、路面から巻き上げられる泥水や小石等の異物が衝突し、ICチップが損傷する事を有効に防止できる。
或は、(11)に記載した様に、回転輪の軸方向外端部に車輪を外嵌する為の円筒部が設けられ、回転輪の軸方向中間部に等速ジョイントを取り付けるためのスプライン部が設けられており、保持部材は、円筒部とスプライン部との間の平坦面に等速ジョイント取付用ナットによって固定される。
この様に構成すれば、形状や加工上の制約の大きい回転輪に、保持部材を介してICチップを強固に固定することができ、ICチップの損傷防止と脱落防止を有効に図れる。
この様に構成すれば、例えば、等速ジョイントのねじ軸にナットを締結する際に、保持部材を一時的に取り外す必要があるが、反面、保持部材をナット締め機の書き込み機にセットしないと締結できないようにすれば、ナットの締結トルクもICチップに確実に書き込むことができる。
この様に構成すれば、ICチップを別途、固定手段を利用して固定する必要がなく、容易に設置することができる。
この様に構成すれば、ICチップの損傷防止を図れると共に、このICチップの取付位置に関する自由度を向上できる。
この様に構成すれば、ICチップに記憶された履歴情報を、アンテナを備えたリーダ/ライタ等の外部装置を用いた無線通信により、非接触で読み取る事ができる。この為、上記ICチップに記憶された履歴情報を読み取る作業を、車輪支持用軸受ユニットを自動車から取り外さずに行なえる。又、ICチップ(及びアンテナ)を車輪支持用軸受ユニットの内部に固定した場合にも、この車輪支持用軸受ユニットを分解する作業が不要になる。 尚、外部装置として、アンチコリジョン機能(衝突防止機能)を有する外部装置を用いれば、例えば、自動車に組み付けられた総ての車輪支持用軸受ユニットにそれぞれ固定された、複数のICチップ内の情報を、同時に読み取る事ができる。
又、ICチップに、無線による信号の送受信を行なう為のアンテナを組み合わせた構造を有するものに、RFID(無線認証)技術を利用したICタグが広く一般に知られている(図2参照)。この為、ICチップにアンテナが組み合わされた構造を代表して、以下、単にICタグと呼ぶ。
図1〜2は、本発明の第1実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。尚、本発明の特徴は、車輪支持用軸受ユニット5aの一部にICタグ23を固定する事により、この車輪支持用軸受ユニット5aのトレーサビリティの向上を図る点にある。この車輪支持用軸受ユニット5aの全体構造等、その他の部分の構造及び作用は、前述の図19に示した従来構造の場合と同様である。この為、重複する説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。尚、上記ICタグ23は、実際の寸法よりも大きく描いている。
第一に、上記ICタグ23と、上記外部装置28との距離を短くできると共に、これら外部装置28とICタグ23との間に設けられる遮蔽物を、図示しないホイールカバー等に限定する事ができる。この為、上記ICタグ23と上記外部装置28との間で無線通信を確実に行なわせる事ができる。
さらに、本実施形態の円筒部18の内周面部分に固定するICタグ23の配置は、後述する駆動輪用の車輪支持用軸受ユニットにも適用できる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を、静止輪である外輪6aの外周面のうち、懸架装置に固定する為の結合フランジ7から軸方向外方に外れた部分に、接着剤24を用いて接着固定している。又、本実施形態に於いては、上記ICタグ23の取付位置を、上記外輪6aの外周面のうち、自動車への組み付け状態で路面側(図4の下側)とは反対寄り部分(上面側)としている。
図5は、本発明の第3実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を、静止輪である外輪6の軸方向内端部に内嵌固定されたカバー21aの軸方向外側面に固定している。
図7は、本発明の第4実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を、静止輪である外輪6の軸方向内端部に内嵌固定されたカバー21cの外周面に固定しており、車体側に設けられたデータ受信機28aによって履歴情報を読み取るようにしている。
なお、カバー45の先端部には、シールリップ46が設けられており、等速ジョイント50の外周面と摺接して、転動体15が配置される軸受空間の密封性を向上している。
図9は、本発明の第5実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を、静止輪である外輪6と、回転輪であるハブ10,43と、他の部材であるカバー21,45等とのうちの何れか1つの部材の表面に設けた保持凹部29内に、機械的に係合させる事により固定している。又、上記ICタグ23をこの保持凹部29内に固定した状態で、接着剤24をこの保持凹部29内に充填する事により、この保持凹部29と上記ICタグ23との微小隙間を埋めると共に、このICタグ23の表面全体を覆っている。
図10は、本発明の第7実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を、静止輪である外輪6の軸方向内端部に芯金49を介して固定された樹脂製カバー48の内周面に固定している。このカバー48には、軸方向一端側に延出する芯金49が一体成形されており、芯金49が外輪6の軸方向内端部の内周面に嵌合固定される。また、カバー48は、有底円筒状に形成されており、エンコーダ20と対向する底部の一部にセンサ孔48aが形成される。さらに、カバー48の内周面には、芯金49と軸方向において重ならない位置で、ICタグ23が接着剤を介して取り付けられている。
この変形例では、ICタグ23は、樹脂製カバー48の円筒部分にICタグ23を囲むようにカバー48と一体成形されている。この場合にも、雨天走行時等に於いて、このICタグ23に、路面から巻き上げられる泥水や小石等の異物が衝突し、このICタグ23が損傷する事を有効に防止できる。また、ICタグ23を別途、接着剤等の固定手段を利用して固定する必要がなく、容易に設置することができる。なお、樹脂製のカバー48は、ICタグ23aのように、カバー48の底部部分でICタグ23aを囲むようにモールディングにより一体に形成してもよい。
図12は、本発明の第7実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を保持する保持部材60を回転輪であるハブ40の軸方向外端部に固定して、車輪支持用軸受ユニット5bのトレーサビリティの向上を図っている。車輪支持用軸受ユニット5bの全体構造等、その他の部分の構造及び作用は、前述の第4実施形態の変形例に示した駆動輪用のものと同様であり、同一符号を付して、重複する説明は、省略若しくは簡略化する。
或は、本実施形態の保持部材は、その円環部内周面と底部のいずれかにICタグ23が固定されるように有底円筒状に形成されるものであってもよい。
図16は、本発明の第8実施形態に係る車輪支持用軸受ユニットを示している。本実施形態の場合には、ICタグ23を保持する保持部材である樹脂製のキャップ70を回転輪であるハブ40の軸方向外端部に固定して、車輪支持用軸受ユニット5bのトレーサビリティの向上を図っている。車輪支持用軸受ユニット5bの全体構造等、その他の部分の構造及び作用は、前述の第4実施形態の変形例に示した駆動輪用のものと同様であり、同一符号を付して、重複する説明は、省略若しくは簡略化する。
また、本発明の上記実施形態は、実施可能な範囲において、適宜組合わせて適用することができる。
2 ロータ
3 ナックル
4 支持孔
5、5a、5b 車輪支持用軸受ユニット
6、6a 外輪
7 結合フランジ
8、42 ハブ本体
9 内輪
10、10a、43 ハブ
11、44 小径段部
12 かしめ部
13a、13b 外輪軌道
14a、14b 内輪軌道
15 転動体
16 保持器
17 取付フランジ
18、18a 円筒部
19 スタッド
20 エンコーダ
21、21a、21b、45、48 カバー(保持部材)
22 回転速度検出センサ
23、23a ICタグ
24 接着剤
25 ICチップ
26 アンテナ
27 ICタグ基板
28 外部装置
28a データ受信機
29 保持凹部
41 スプライン孔
49 芯金
50 等速ジョイント
53 等速ジョイント取付用ナット
60、61、62 保持部材
63 平坦面
70 キャップ(保持部材)
Claims (2)
- 静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、
外周面の軸方向外端寄り部分に車輪を固定する為の取付フランジと、前記静止側周面と対向する回転側周面に前記静止側軌道と対向する回転側軌道とを有し、使用時に回転する回転輪と、
前記静止側軌道と前記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、
を備えた車輪支持用軸受ユニットに於いて、
該車輪支持用軸受ユニットに関する情報を記憶するICチップと、
該ICチップを保持し、前記回転輪の軸方向外端部に固定される保持部材と、
をさらに備える事を特徴とする車輪支持用軸受ユニット。 - 前記保持部材は、環状に形成される事を特徴とする請求項1に記載の車輪支持用軸受ユニット。
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2006
- 2006-04-17 JP JP2006113714A patent/JP4697021B2/ja active Active
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US9441676B2 (en) | 2011-07-01 | 2016-09-13 | Ntn Corporation | Bearing assembly including IC tag |
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