JP2007284070A - 噴射機構及びエアゾール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 操作性及び取扱い性に優れ、容易にエアゾール容器の内容物の排出状態を維持するこができる噴射機構を提供する。
【解決手段】エアゾール容器50のステム51からエアゾール容器内の内容物を噴出させ、噴出された内容物を外部へ噴射させる噴射機構1であって、エアゾール容器50に装着される本体部3と、本体部3と一体化され、エアゾール容器50のステム51に装着されるボタン部4と、を有し、ボタン部4が押下され、チューブノズル30が溝7と係合することによってボタン部4の押下状態が維持され、エアゾール容器50の内容物の噴射状態を維持する。
【選択図】図10

Description

本発明は、エアゾール容器のステムからエアゾール容器内の内容物を噴出させ、噴出された内容物を外部へ噴射させる噴射機構に係り、特に、噴射状態を維持してエアゾール容器内の残留ガスを排出する噴射機構に関する。
消臭剤や殺虫剤等のように、エアゾール容器の内容物を噴射口から外部へ噴射させるエアゾール製品が知られている。一般に、消臭剤や殺虫剤等のエアゾール製品に使われているエアゾール容器の内部には液状、粉状の内容物と一緒に噴射剤として圧縮された可燃性ガスが充填されており、エアゾール容器に装着された噴射機構によってステムが押下されたときに、内容物が噴射されるように構成されている。
ところで、エアゾール容器は、液状、粉状の内容物を使い切った後でも内容物放出用の可燃性ガスが残っていることが多い。可燃性ガスは火気があれば引火して爆発燃焼する可能性のあるガスであるため、可燃性ガスが残ったままの状態でエアゾール容器を廃棄すると思わぬ事態が生じかねない。このため、残留ガスを全て排出させてからエアゾール容器を廃棄することができるように、残留ガス排出機構を備えた噴射機構が提案されている(特許文献1,2参照)。
特許文献1の残留ガス廃棄機構によれば、押ボタンと一体に形成したガス抜きモード設定用レバーをキャップの外周面に露出させ、このガス抜きモード設定用レバーを少し押し下げてから反時計回り方向に回動することにより、ガス抜きモード設定用レバーの梁状片部がテーパ面に案内されてガス抜きモード設定用レバーが容器本体に向けて移動する。これにより、ガス抜きモード設定用レバーとともに、押ボタンが容器本体に向けて移動し、押ボタンでステムを容器本体内に押し下げて容器本体内の残留ガスを放出する。
また、特許文献2には、エアゾール用キャップの天板に設けられた折り曲げ板を利用すし、折り曲げ板を折り曲げてからキャップをエアゾール容器に装着するだけでエアゾール容器内の残留ガスを排出できるように構成されたキャップが開示されている。
特開2004−168356号公報 特開2000−191062号公報
しかしながら、特許文献1に記載の残留ガス廃棄機構では、ガス抜きモード設定用レバーがキャップの外周面に露出している。このため、通常の使用時に、ガス抜きモード設定用レバーが邪魔になる場合や、誤操作を起こす場合があり、取扱い性の観点から改良の余地が残されている。また、特許文献2に記載のキャップにおいては、通常使用時には取り外されるキャップに折り曲げ板が設けられているため、キャップをなくしてしてしまった場合には残留ガスを排出することができなくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、操作性及び取扱い性に優れ、容易にエアゾール容器の内容物の排出状態を維持するこができる噴射機構を提供することを目的とする。
(1) 本発明は、以下の構成により達成される。
エアゾール容器のステムから該エアゾール容器内の内容物を噴出させ、噴出された該内容物を外部へ噴射させる噴射機構であって、
前記エアゾール容器に装着される本体部と、
前記本体部と一体化され、前記エアゾール容器のステムに装着されるボタン部と、を有し、
前記本体部は、棒状部材が挿入される挿入口を備え、
前記ボタン部は、挿入された前記棒状部材と係合する係合部を備え、
前記ボタン部が押下され、前記挿入された棒状部材が前記係合部と係合することによって前記ボタン部の押下状態が維持され、前記内容物の噴射状態を維持することを特徴とする噴射機構。
(2) 前記ボタン部には、前記挿入口に挿入された前記棒状部材と接する傾斜面が形成され、前記ボタン部が押下されると前記棒状部材は前記傾斜面に対して摺動しつつ、前記係合部と係合することを特徴とする(1)に記載の噴射機構。
(3) 前記ボタン部の押下に伴って、前記ステムから噴出された前記エアゾール容器の内容物を外部へ噴射させる噴射口を有し、
前記棒状部材は、前記噴射口に装着され、可撓性を有するチューブノズルであることを特徴とする(1)または(2)に記載の噴射機構。
(4) 前記係合部は、前記ステムから噴出された内容物を前記噴射口まで案内する噴射経路と対向するように、前記噴射口の反対方向から切り欠かれた溝であって、
前記チューブノズルは、前記溝に嵌め込まれることを特徴とする(3)に記載の噴射機構。
(5) (1)〜(4)の何れかに記載の噴射機構を有することを特徴とするエアゾール装置。
本発明の噴射機構によれば、ボタン部を押下することによって、挿入口に挿入された棒状部材が係合部と係合するので、ボタン部の押下状態が維持されて噴射状態を維持することが可能である。つまり、容易にエアゾール容器の内容物の噴射状態を維持するこができる。
また、本発明の噴射機構によれば、棒状部材が傾斜面に対して摺動しつつ係合するように構成されている。つまり、傾斜面によって棒状部材は係合部へ誘導されるので容易に係合状態へ移行させることができる。
また、本発明の噴射機構によれば、棒状部材として噴射口に装着されるチューブノズルを用いることができるので、係合状態を維持するための特別な棒状部材を用意する必要がない。このため、例えばユーザがエアゾール容器を廃棄する場合には、噴射口にチューブノズルが装着された通常の使用状態から、チューブノズルを取り外して挿入口へ挿入させ、ボタン部を押下すれば容易に噴射状態を維持することが可能である。また、可撓性を有するチューブノズルが撓みながら傾斜面上を摺動するので、撓んだチューブノズルに生じた弾性力によって、確実に通常状態から係合状態へ移行させることが可能である。したがって、ユーザを煩わせることなく容易にエアゾール容器の内容物の噴射状態を維持することができ、操作性及び取扱い性に優れた噴射機構を提供することが可能となる。
また、本発明の噴射機構によれば、チューブノズルは噴射口と反対の方向から切り欠かれた溝に嵌め込まれるように構成されている。したがって、容易にボタン部の押下状態が解除されることがなく、エアゾール容器の内容物を確実に最後まで噴射させることが可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかる噴射機構の実施形態について詳細に説明する。図1は、エアゾール装置の側面図であり、図2は、本実施形態の噴射機構の正面図、図3は、噴射機構の側面図、図4は、図2に示す噴射機構のA−A線断面図、図5は、噴射機構の底面図、図6は噴射機構の背面図、図7は図4のB部分を拡大した模式図である。
本実施形態に係るエアゾール装置100はエアソール容器50に噴射機構1が装着された状態で、エアゾール容器50のステム51から内容物が噴出され、噴出された内容物を外部へ噴射させるように構成されている。図1、2に示すように、噴射機構1の正面略中央部にはエアゾール容器50のステム51から噴出された内容物が外部へ噴射される噴射口2が形成されている。そして、エアゾール装置100の通常使用時は、噴射口2に細長で可撓性を有するチューブノズル30(棒状部材)を装着させ、その先端部31を被噴射物に対向させることによって、所望の噴射を可能にしている。
(噴射機構1の構造について)
本実施形態の噴射機構1は、図1に示すように、エアゾール容器50に装着される本体部3と、本体部3と接合部13(図4参照)を介して一体化され、エアゾール容器50のステム51に装着されるボタン部4とを有している。ボタン部4の押下と連動するステム51の押下によって図示せぬバルブ内部のシール部がオープンされ、エアゾール容器50の内容物がステム51から噴出されて噴射口2から噴射されるように構成されている。
図4及び図5に示すように、噴射機構1は、略円筒形状の外観を有し、内部中央に位置するボタン部4にはエアゾール容器50のステム51と嵌合するステム嵌合筒5が形成されている。ステム嵌合筒5の先端からはステム51から噴出された内容物を噴射口2まで案内する噴射経路6が形成されている。ボタン部4には、噴射経路6と対向するように、噴射口2と反対側のボタン部後方から切り欠かれた断面略コの字形状の溝7(係合部)が形成されている。
また図1及び図4に示すように噴射機構1には、本体部3とボタン部4との境界部分であってステム嵌合筒5よりも後方部分に、チューブノズル30が挿入される挿入口10,10が形成されている。挿入口10,10は、噴射機構1の正面からみて噴射口2を中心に左右対称な位置に形成されており、何れか一方の挿入口10からチューブノズル30の先端部31を挿入させると、ボタン部4の下側を通って、他方の挿入口10から先端部31が出てくるように構成されている。
図7に示すように溝7は、ボタン部4の上片部8と下片部9とから構成されており、下片部9には、挿入口10に挿入されたチューブノズル30が容易に摺動できるように傾斜面11が形成されている。傾斜面11は、ボタン部4の中心部から外側に向けて斜め上方に傾斜しており、チューブノズル30はボタン部4の押下に伴って傾斜面11を頂点部12に向かって摺動され、矢印Z方向に巻き込まれるように溝7に嵌め込まれる。
(噴射機構1の作用について)
次に、図7〜10を参照して、チューブノズル30の動作について説明するとともに、噴射口2からの噴射状態を維持させるまでの作用について説明する。図8は、噴射口2からチューブノズルを抜き取った状態を示した断面動作図、図9は、抜き取ったチューブノズルを挿入口10へ挿入させた状態を示した上面動作図、図10は、噴射状態が維持された状態を示す断面動作図である。
ユーザは、エアゾール容器50の廃棄に際して、噴射機構1の通常使用状態において噴射口2に装着されていたチューブノズル30を抜き取る(図8参照)。この状態では、ステム51は押下されていないので噴射口2から内容物は噴射されない。そして、抜き取ったチューブノズル30を何れかの挿入口10から挿入させ、他方の挿入口10から先端部31を挿出させる(図9参照)。図9に示した状態でユーザがボタン部4の上片部8を押下すると、接合部13を支点としてボタン部4が全体的に傾斜されてステム51が押下される(図10参照)。
ボタン部4の上片部8が押下されると、可撓性を有するチューブノズル30が下片部9の傾斜面11をX方向に撓みながら摺動し、頂点部12まで到達すると、矢印Y方向に摺動方向を変えて、頂点部12を巻き込むように、チューブノズル30が溝7に嵌め込まれる(図7の矢印Z方向)。図10は、溝7にチューブノズル30が嵌め込まれた状態を示した図である。このように、チューブノズル30が溝7に嵌め込まれることによって、チューブノズル30がボタン部4の動作を抑制し、ボタン部4の押下状態が維持され、噴射口2からエアゾール容器50の内容物が噴射される(図10参照)。
このように、本実施形態の噴射機構1によれば、挿入口10に可撓性を有するチューブノズル30を挿入し、ボタン部4を押下することによってチューブノズル30と溝7とが係合するので、ボタン部4の押下状態が維持されて噴射口2からの噴射状態を維持することが可能である。つまり、容易にエアゾール容器50の内容物の排出状態を維持するこができる。
また、本実施形態の噴射機構1によれば、可撓性を有するチューブノズル30が傾斜面11に対して摺動しつつ溝7と係合するように構成されている。つまり、チューブノズル30が撓みながら傾斜面上を摺動するので、撓んだチューブノズル30に生じた弾性力によって、確実に溝7へ嵌め込むことができ、係合状態へ移行させることが可能である。また、傾斜面11によってチューブノズル30は溝7へ誘導されるので容易に係合状態へ移行させることも可能である。
また、本実施形態の噴射機構1によれば、棒状部材として噴射口に装着されるチューブノズルを用いることができるので、係合状態を維持するための特別な棒状部材を用意する必要がないため、例えばユーザがエアゾール容器を廃棄する場合には、噴射口にチューブノズルが装着された通常の使用状態から、チューブノズルを取り外して挿入口へ挿入させ、ボタン部4を押下すれば容易に噴射状態を維持することが可能である。したがって、ユーザを煩わせることなく容易にエアゾール容器50の内容物を噴射させることができ、操作性及び取扱い性に優れた噴射機構1を提供することが可能となる。
また、本実施形態の噴射機構1によれば、チューブノズル30は噴射口2と反対の方向から切り欠かれた溝7に嵌め込まれるように構成されている。したがって、容易にボタン部4の押下状態が解除されることがなく、エアゾール容器50の内容物を確実に最後まで噴射させることが可能である。また、挿入されたチューブノズル30はいつでも挿入口10から挿出させることができるので、噴射維持状態を解除することも可能である。
<変形例>
次に、上記実施形態で説明した噴射機構1の変形例について説明する。本変形例は上記実施形態で説明した溝7の部分以外は同じ構成を有しているため、異なる部位について図11及び図12を参照して説明することとする。図11は、噴射機構40の背面図であり、図12は図11のC部分を拡大して模式的に示した図である。
図11、図12に示すように、ボタン部44の溝47は、上片部48と下片部49とから構成されている。下片部49の長手方向略中央部であって下片部49の底面41からは、略鉛直下向きに、三角片42が一体として形成されている。三角片42には、挿入口60,60に挿入されたチューブノズル30が容易に摺動できるように傾斜面43が形成され、ボタン部44の中心部から外側に向けて斜め上方に傾斜しており、チューブノズル30はボタン部44の押下に伴って三角片42の傾斜面43に沿って摺動され、溝47に嵌め込まれる。
このように、チューブノズル30が撓みながら三角片42の傾斜面43を摺動するので、撓んだチューブノズル30に生じた弾性力によって、確実にチューブノズル30を溝47へ嵌め込むことができ、係合状態へ移行させることが可能である。また、傾斜面43の傾斜を利用してチューブノズル30は溝47へ誘導されるので容易に係合状態へ移行させることも可能である。
なお、上述した実施形態及び変形例では、チューブノズル30を挿入口10,10あるいは60,60に挿入させてから、ボタン部4あるいはボタン部44を押下して係合状態へ移行するように説明したが、先にボタン部4あるいはボタン部44を押下しておき、その状態で一方の挿入口10あるいは挿入口60からチューブノズル30を挿入し、溝7あるいは溝47を経由してからもう一方の挿入口10あるいは60から挿出させても係合状態へ移行させることが可能である。
本実施形態のエアゾール装置の側面図である。本実施形態のエアゾール容器に装着された噴射機構の縦中央線断面図である。 本実施形態の噴射機構の正面図である。 本実施形態の噴射機構の側面図である。 本実施形態の本体部の底面図である。 図2に示す噴射機構のA−A線断面図である。 本実施形態の噴射機構の背面図である。 図4のB部分を拡大して模式的に示した斜視図である。 噴射口からチューブノズルを抜き取った状態を示した断面動作図である。 噴射口から抜き取ったチューブノズルを挿入口10へ挿入させた状態を示した上面動作図である。 噴射状態が維持された状態を示す断面動作図である。 変形例における噴射機構の背面図である。 図11のC部分を拡大して模式的に示した斜視図である。
符号の説明
1,40:噴射機構、2:噴射口、3,45:本体部、4,44:ボタン部、5:ステム嵌合筒、7,47:溝、8,48:上片部、9,49:下片部、10,60:挿入口、11,43:傾斜面、12:頂点部、13:接合部、30:チューブノズル、42:三角片、50:エアゾール容器、51:ステム、100:エアゾール装置

Claims (5)

  1. エアゾール容器のステムから該エアゾール容器内の内容物を噴出させ、噴出された該内容物を外部へ噴射させる噴射機構であって、
    前記エアゾール容器に装着される本体部と、
    前記本体部と一体化され、前記エアゾール容器のステムに装着されるボタン部と、を有し、
    前記本体部は、棒状部材が挿入される挿入口を備え、
    前記ボタン部は、挿入された前記棒状部材と係合する係合部を備え、
    前記ボタン部が押下され、前記挿入された棒状部材が前記係合部と係合することによって前記ボタン部の押下状態が維持され、前記内容物の噴射状態を維持することを特徴とする噴射機構。
  2. 前記ボタン部には、前記挿入口に挿入された前記棒状部材と接する傾斜面が形成され、前記ボタン部が押下されると前記棒状部材は前記傾斜面に対して摺動しながら、前記係合部と係合することを特徴とする請求項1に記載の噴射機構。
  3. 前記ボタン部の押下に伴って、前記ステムから噴出された前記エアゾール容器の内容物を外部へ噴射させる噴射口を有し、
    前記棒状部材は、前記噴射口に装着され、可撓性を有するチューブノズルであることを特徴とする請求項1または2に記載の噴射機構。
  4. 前記係合部は、前記ステムから噴出された内容物を前記噴射口まで案内する噴射経路と対向するように、前記噴射口の反対方向から切り欠かれた溝であって、
    前記チューブノズルは、前記溝に嵌め込まれることを特徴とする請求項3に記載の噴射機構。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の噴射機構を有することを特徴とするエアゾール装置。

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