JP2007284006A - 擬似無重力状態生成装置及び制御方法 - Google Patents

擬似無重力状態生成装置及び制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ジンバルの回転角速度が急激に変化することが防がれる擬似無重力状態生成装置及び制御方法を提供することである。
【解決手段】本発明による制御方法は、第1回転軸(Y)まわりに回転する第1回転体(1)の第1回転角度が時間tの関数θ(t)に従うように制御し、前記第1回転軸に直交する第2回転軸(X)まわりに回転するように前記第1回転体に支持された第2回転体(2)の第2回転角度が前記tの関数φ(t)に従うように制御する制御方法である。ここで、所定の周期T、所定の正の整数M、Nに対して、前記θ(t)は、前記第1回転角度が時間T/Mごとに2π増加するように定義され、前記φ(t)は、前記第2回転角度の時間変化率が2πN/Tとなるように定義されている。なお、前記M及び前記Nは、任意の正の整数mに対して式:mM≠Nを満たしている。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料の2軸まわりの回転により、時間的な平均としての重力方向の影響を相殺し、擬似的な無重力状態を生成する擬似無重力状態生成装置に関する。
生物の成長には重力が大きな影響を及ぼしており、無重力状態における生物の成長に関する試験が要望されている。ここで、宇宙空間で試験を行なうことは費用負担が大きいため、無重力状態における生物の成長に関する試験を地上で行なうことが可能な擬似無重力状態生成装置が利用されている。
特許文献1は、従来の擬似無重力状態生成装置を開示している。この擬似無重力状態生成装置は、2軸のジンバルを所定の軌道に沿って回転させることで、ジンバルに固定された試料に作用する重力ベクトルを時間平均でゼロにし、試料に作用する重力の影響を互いに直交する3軸に均等に分散させることができる。
しかし、特許文献1に記載の擬似無重力状態生成装置においては、軌道の発生に乱数を使用しているため、ジンバルの回転角速度の急激な変化を招きやすい。
また、特許文献1に記載の擬似無重力状態生成装置は、乱数を使用しないで軌道を設定することも可能であるが、この場合もジンバルの回転角速度が図8に示すように急激に変化してしまう。
ここで、試料には、重力だけでなく、ジンバルの回転による慣性力も作用するから、試料に加わる負荷を減少させるために、ジンバルの回転角速度の急変を防ぐ必要がある。
特許第3659816号公報
本発明の目的は、ジンバルの回転角速度が急激に変化することが防がれる擬似無重力状態生成装置及び制御方法を提供することである。
以下に、(発明を実施するための最良の形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための最良の形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明による制御方法は、第1回転軸(Y)まわりに回転する第1回転体(1)の第1回転角度が時間tの関数θ(t)に従うように制御し、前記第1回転軸に直交する第2回転軸(X)まわりに回転するように前記第1回転体に支持された第2回転体(2)の第2回転角度が前記tの関数φ(t)に従うように制御する制御方法である。ここで、所定の周期T、所定の正の整数M、Nに対して、前記θ(t)は、前記第1回転角度が時間T/Mごとに2π増加するように定義され、前記φ(t)は、前記第2回転角度の時間変化率が2πN/Tとなるように定義されている。なお、前記M及び前記Nは、任意の正の整数mに対して式:mM≠Nを満たしている。
したがって、フーリエ級数と直交性を利用することにより、試料に作用する重力ベクトルが時間平均でゼロになり、試料に作用する重力の影響が互いに直交する3軸に均等に分散され、且つ、回転角速度dθ/dtが急激に変化しないような前記θ(t)が容易に得られる。なお、回転角速度dφ/dtは一定である。
回転角速度dθ/dtが急激に変化せず、回転角速度dφ/dtが一定である場合、前記第2回転体の回転角加速度αの大きさが小さくなる。
本発明による制御方法においては、前記θ(t)が2πM/Tを基本角周波数とするフーリエ正弦級数の逆正弦関数で表されてもよい。
本発明による制御方法においては、前記θ(t)及び前記φ(t)は、所定の正の整数k、係数b、b2k+1に対して式:
Figure 2007284006
で定義されてもよい。ここで、前記b及び前記b2k+1は、式:
Figure 2007284006
の解である。
前記θ(t)及び前記φ(t)を上式で定義することは、試料に作用する重力ベクトルが時間平均でゼロになり、試料に作用する重力の影響が互いに直交する3軸に均等に分散されることを確実にする。
本発明による制御方法において、前記k、前記b、前記b2k+1が、式:
Figure 2007284006
で表される場合には、前記第2回転体の回転角加速度αの大きさがさらに小さくなる。
本発明による制御方法において、試料に作用する重力ベクトルが時間平均でゼロになり、試料に作用する重力の影響が互いに直交する3軸に均等に分散されるための条件は、前記θ(t)及び前記φ(t)について、sinθ(t)と、cosθ(t)・sinφ(t)と、cosθ(t)・cosφ(t)とを前記Tの区間で積分した値がいずれもゼロであり、{sinθ(t)}と、{cosθ(t)・sinφ(t)}と、{cosθ(t)・cosφ(t)}とを前記Tの区間で積分した値がいずれもT/3である、と表現できる。
本発明による擬似無重力状態生成装置(100)は、上記制御方法を実行する制御装置(6)を具備している。
本発明によれば、ジンバルの回転角速度が急激に変化することが防がれる擬似無重力状態生成装置及び制御方法が提供される。
添付図面を参照して、本発明による擬似無重力状態生成装置及び制御方法を実施するための最良の形態を以下に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る擬似無重力状態生成装置100を示している。また、図2は、擬似無重力状態生成装置100について定義された座標系を示している。
擬似無重力状態生成装置100は、外側フレーム1と、内側フレーム2と、架台3とを備えている。内側フレーム2は、試料を固定するためのステージ23を備えている。架台3は、地球に対して固定されている。架台3に対して固定された不動の基準座標系{P,X,Y,Z}が定義される。また、外側フレーム1に対して固定された座標系{P,X,Y,Z}が定義され、内側フレーム2に対して固定された座標系{P,X,Y,Z}が定義される。ここで、各座標系の原点は一致し、P=P=Pである。Z軸は鉛直下向きであり、X軸及びY軸は水平方向を向いている。
架台3は、外側フレーム1がY軸まわりに回転できるように支持している。外側フレーム1は、内側フレーム2がX軸まわりに回転できるように支持している。架台3、外側フレーム1、内側フレーム2は、ジンバル機構を構成している。
擬似無重力状態生成装置100は、サーボモータ11と、サーボモータ12と、回転角度検出器21と、回転角度検出器22と、サーボコントローラ4及び軌道生成部5を有する制御装置6とを備えている。回転角度検出器21は、外側フレーム1の架台3に対するY軸まわりの回転角度θを検出し、検出回転角度θとしてサーボコントローラ4に対して出力する。回転角度検出器22は、内側フレーム2の外側フレーム1に対するX軸まわの回転角度φを検出し、検出回転角度φとしてサーボコントローラ4に対して出力する。軌道生成部5は、回転角度指令θ及び回転角度指令φをサーボコントローラ4に対して出力する。サーボコントローラ4は、検出回転角度θを回転角度指令θに一致させるようにトルク指令τθ をサーボモータ11に対して出力し、検出回転角度φを回転角度指令φに一致させるようにトルク指令τφ をサーボモータ12に対して出力する。サーボモータ11は、トルク指令τθ に従って外側フレーム1をY軸まわりに回転させる。サーボモータ12は、トルク指令τφ に従って内側フレーム2をX軸まわりに回転させる。
ここで、P、X、Y、Zは、式(数7):
Figure 2007284006
で表される。ここで、上付き文字「T」は、「転置」を意味している。
外側フレーム1がY軸まわりに回転角度θだけ回転したときの座標系{X,Y,Z}は式(数8):
Figure 2007284006
で表される。
内側フレーム2がX軸まわりに回転角度φだけ回転したときの座標系{X,Y,Z}は式(数9):
Figure 2007284006
で表される。
ここで、Rは、Y軸まわりの回転を表す座標変換行列であり、式(数10):
Figure 2007284006
で表される。また、Rは、X軸まわりの回転を表す座標変換行列であり、式(数11):
Figure 2007284006
で表される。
上式より、内側フレーム2に対して固定された座標系は、式(数12):
Figure 2007284006
で表される。
外側フレーム1の角速度ベクトルをω、内側フレーム2の角速度ベクトルをωとすると、式(数13):
Figure 2007284006
及び式(数14):
Figure 2007284006
が成立する。
したがって、内側フレーム2の角加速度ベクトルαは、式(数15):
Figure 2007284006
で表される。
ゆえに、試料が固定される内側フレーム2の角加速度αの大きさは、式(数16):
Figure 2007284006
で表される。
軌道生成部5は、θ(t)及びφ(t)をそれぞれ示す回転角度指令θ及び回転角度指令φをサーボコントローラ4に対して出力する。θ(t)及びφ(t)は、時間t、所定の周期T、所定の係数b、b2k+1、所定の正の整数k、M、Nに対して式(数17):
Figure 2007284006
で表される。
ここで、M、Nは、任意の正の整数mに対して式(数18):
Figure 2007284006
を満たす。また、b及びb2k+1は、式(数19):
Figure 2007284006
の解である。
擬似無重力状態生成装置100の制御が式(数17)に基づいて行われる場合は、試料に作用する重力ベクトルの時間平均がゼロになり、試料に作用する重力の影響が互いに直交する3軸に均等に分散され、擬似無重力状態が生成される。
式(数17)においてはX軸まわりの回転角加速度dφ/dtがゼロであるから、式(数16)から明らかなように、内側フレーム2の角加速度αの大きさが小さくなる。
また、式(数17)により規定される軌道は、解析的な式で表現されているため、MやNのようなパラメータを変更したときに軌道がどのようになるかの予想が容易である。
さらに、式(数17)により規定される軌道は、周期性を有しているから、擬似無重力状態で実験をする場合における擬似無重力状態生成装置100の運転条件の設定が容易になる。例えば、実験者は、実験時間が周期Tの正の整数倍となるように周期Tを決定し、周期Tの間にY軸まわりの回転とX軸まわりの回転とをそれぞれ何回転させるかによってパラメータM及びNを決定すればよい。
さらに、式(数17)により規定される軌道においては、任意の時間tにおける無限階の微分関数も連続となるため、Y軸まわり及びX軸まわりの回転角度、回転角速度、回転角加速度が急激に変化することが防がれる。したがって、擬似無重力状態生成装置100を運転したときに振動が発生することが防がれる。
以下、式(数17)〜式(数19)の導出について説明する。
座標系{P,X,Y,Z}の3軸における重力加速度の成分g、g、gが時間的に相殺されてゼロになるためには、(n−1)T≦t≦nT(n=1、2、・・・)で表された周期Tの各区間において式(数20):
Figure 2007284006
が成立すればよい。
また、試料に作用する重力の影響が互いに直交する3軸に均等に分散されるためには、式(数21):
Figure 2007284006
が成立すればよい。
ここで、重力加速度の成分g、g、gは、式(数22):
Figure 2007284006
で表される。したがって、式(数20)で与えられた重力が時間的に相殺される条件は、式(数23)〜式(数25):
Figure 2007284006
Figure 2007284006
Figure 2007284006
で表される。また、式(数21)で与えられた重力の均等分散の条件は、式(数26):
Figure 2007284006
で表される。
式(数26)において、各被積分項の和が1であるから、重力の均等分散の条件は式(数27)〜式(数29):
Figure 2007284006
Figure 2007284006
Figure 2007284006
で表される。
式(数23)〜式(数25)及び式(数27)〜式(数29)を満たす軌道を周期関数として求めるため、周期Tの間のY軸及びX軸まわりの回転数をそれぞれM回転及びN回転とする。このとき、周期ごとの境界条件は、式(数30):
Figure 2007284006
で表される。
ここで、Y軸まわり又はX軸まわりの回転角速度が一定のときは、それぞれの軸まわりの角加速度がゼロとなるから、式(数16)で表される角加速度αの大きさを小さくすることができる。
そこで、式(数31):
Figure 2007284006
に示すようにY軸まわりの回転角速度を一定とした場合に、式(数23)〜式(数25)及び式(数27)〜式(数29)の条件を満たすかどうか検討する。
この場合、式(数23)は満たすが、式(数27)の左辺を計算すると、式(数32):
Figure 2007284006
に示されるように式(数27)を満たさない。
つぎに、式(数33):
Figure 2007284006
に示されるようにX軸まわりの回転角速度を一定とした場合に、式(数23)〜式(数25)及び式(数27)〜式(数29)の条件を満たすかどうかを検討する。
式(数33)で表されたφ(t)を式(数28)に代入すると式(数34):
Figure 2007284006
が得られる。
ここで、式(数34)の右辺第1項と第3項の和は式(数35):
Figure 2007284006
のように計算される。
式(数34)の右辺第4項に含まれるsinθは偶関数である。そして、外側フレーム1が周期Tの間にY軸まわりにM回転することからsinθの基本角周波数は2πM/Tであるから、sinθが2乗されたsinθの基本角周波数は4πM/Tとなる。このとき、sinθは、一般に偶関数のフーリエ級数で表すことができるので、式(数36):
Figure 2007284006
で表される。ここで、係数a及びaは、式(数37):
Figure 2007284006
で表される。
式(数34)の右辺第4項の被積分項に式(数36)を代入すると、式(数34)の右辺第4項は、式(数38):
Figure 2007284006
のように表される。
ここで、任意の正の整数mに対して式(数18)が成立するように回転数M、Nを選べば、式(数39):
Figure 2007284006
に示すように、式(数34)の右辺第4項はゼロとなる。
式(数35)及び式(数39)を式(数34)に代入すれば、式(数40):
Figure 2007284006
が得られる。ここで、式(数40)を整理すれば式(数27)と同じ形になる。
したがって、式(数30)に示した周期毎の境界条件の下でφ(t)を式(数33)で定義し、式(数27)を満たすθ(t)を求めれば、求まったθ(t)は式(数28)も同時に満たす。
同様の考え方により、式(数27)を満たすθ(t)は、式(数29)も満たすことがわかる。
そこで、式(数27)を満たすθ(t)を求めることにする。
θ(t)が式(数31)で表されるときは、Y軸まわりの回転について角加速度が生じないから、θ(t)は式(数31)に示される関数に近いことが望ましい。式(数(31)の両辺の正弦をとれば、式:sinθ(t)=sin(2πM/T)tが得られる。したがって、この基本正弦波sin(2πM/T)tに対して波形整形を施して、式(数27)を満たすsinθ(t)を求める。
求めようとするsinθ(t)は、奇関数の周期関数であるから、一般に式(数41):
Figure 2007284006
のようなフーリエ級数として表すことができる。ここで、係数bは、式:
Figure 2007284006
で表される。
ここで、高調波の次数を奇数とすれば、基本正弦波sin(2πM/T)tに同期してsinθ(t)の増加時と減少時を対象な波形にすることができるので、回転角加速度αの偏りを減少させることができる。そこで、式(41)において、i=1の項(基本正弦波の項)とi=2k+1の項(次数が奇数である高調波の項)を残し、他の項を消去すれば波形整形に必要な次数以外の周波数成分をカットできるので結果的に角加速度の発生を抑えることができる。このとき、式(数43):
Figure 2007284006
が得られる。ここで、kは任意の正の整数である。
式(数43)で表されたsinθ(t)は、式(数23)を満たす。なお、外側フレーム1が周期Tの間にY軸まわりにM回転することから、sinθは2πM/Tを基本角周波数とするフーリエ級数で表されるため、sinθ(t)が式(数43)で表されない場合であっても、式(数23)が成立するのは明らかである。また、cosθも2πM/Tを基本角周波数とするフーリエ級数で表されるため、式(数24)が成立し、さらに、任意の正の整数mに対して式(数18)が成立するように回転数M、Nを選択すれば、式(数25)も成立する。
また、式(数43)で表されたsinθ(t)は式(数27)を満たす必要があるから、係数b及びb2k+1は、式(数44):
Figure 2007284006
を満たす必要がある。
さらに、回転の連続性を与えるためには、t=(n−1)T+T/4Mのときsinθ(t)=1でなければならないから、係数b及びb2k+1は、式(数45):
Figure 2007284006
を満たす必要がある。
以上より、kが奇数(k=1、3、5・・・)のときは、sinθ(t)は、基本正弦波と、基本正弦波に対して基本角周波数の3、7、11・・・倍の角周波数を持つ高調波とが重畳される。このとき、式(数45)は式(数46):
Figure 2007284006
になる。
したがって、式(数44)及び式(数46)より、係数b、b2k+1の解は式(数47):
Figure 2007284006
で表される。
一方、kが偶数(k=2、4、6・・・)のときは、sinθ(t)は、基本正弦波と、基本正弦波に対して基本角周波数の5、9、13・・・倍の角周波数を持つ高調波とが重畳される。このとき、式(数45)は式(数48):
Figure 2007284006
になる。
したがって、式(数44)及び式(数48)より、係数b、b2k+1の解は式(数49):
Figure 2007284006
で表される。
ゆえに、式(数17)〜式(数19)が導き出された。
ここで、kが奇数のときと偶数のときの2つの場合に分けて考えたが、いずれの場合においても、係数b、b2k+1の解として、2組の解が得られる。ここで、どちらの組の解を選択してもよいが、b2k+1の絶対値がbの絶対値よりも小さくなる方の解を選択すれば、式(数16)で表される角加速度αの大きさを小さくできる。
また、式(数16)で表される角加速度αの大きさを小さくするためには、sinθ(t)に含まれる高調波の角周波数が低いことが望ましい。そこで、k=1とし、b2k+1の絶対値がbの絶対値よりも小さくなる方の解を選択すれば、角加速度αの大きさが最小になる。
このとき、sinθ(t)は式(数50):
Figure 2007284006
で表される。ここで、係数b、bは、式(数51):
Figure 2007284006
で与えられる。
よって、角加速度αの大きさを最小にするθ(t)は、式(数52):
Figure 2007284006
で表される。
以下、θ(t)が式(数52)で表され、φ(t)が式(数33)で表される場合において、擬似無重力状態生成装置100の運転条件をT=100sec、M=5、N=4としたときのシミュレーション結果について説明する。これらの運転条件は、外側フレーム1のY軸まわりの平均回転速度が図8に示した従来の擬似無重力状態生成装置における平均回転速度と同じになるように設定されている。
図3は、外側フレーム1の回転角度θの時間変化を示している。外側フレーム1は周期Tの間に5回転(約31.4rad)している。
図4は、外側フレーム1の回転角速度dθ/dtの時間変化を示している。回転角速度dθ/dtを示すグラフは、図8に示す従来技術に係る回転角速度を示すグラフに比較して、滑らかな連続波形となっている。したがって、大きな回転角加速度が発生することが防がれている。また、回転角速度dθ/dtの最大値は、0.5rad/secであるので、従来技術に係る回転角速度の最大値である4rad/secの1/8に抑えられている。図4から明らかなように、θ(t)が式(数52)で表されるときは、外側フレーム1は一方向だけに回転する。
図5は、sinθ(t)の周波数成分について示す図である。sinθ(t)の波形は、bsin(2πM/T)tの波形と、bsin(6πM/T)tの波形とを重ね合わせたものである。sinθ(t)の波形は、基本正弦波sin(2πM/T)tに同期して増加時と減少時とで対称となるように波形整形がなされている。
図6は、内側フレーム2に固定された座標系から見た重力方向単位ベクトルの軌跡を示している。重力方向単位ベクトルは、始点が座標系の原点に固定され、終点の軌跡が示されている。
図7(a)、図7(b)、図7(c)は、図6に示す軌跡を、X−Z平面、Y−Z平面、X−Y平面に投影した軌跡を示している。
擬似無重力状態生成装置100により試料に作用する重力の影響が互いに直交する3軸に均等に分散されることは、図6及び図7からも明らかである。
上述の説明においては、基本正弦波に対して一つの高調波を重ね合わせてθ(t)をめたが、基本正弦波に対して角周波数が互いに異なる二つ以上の高調波を重ね合わせてθ(t)を求めることも可能である。この場合は、未知の係数bの個数が増えるが、軌道に関する条件式を追加して連立系にまとめて解けばよい。条件式は軌道の性質を指定する条件を目的に応じて設定すればよい。
図1は、擬似無重力状態生成装置を示す図である。 図2は、擬似無重力状態生成装置に対して定義された座標系について説明するための図である。 図3は、外側フレームの回転角度の時間変化を示す図である。 図4は、外側フレームの回転角速度の時間変化を示す図である。 図5は、sinθ(t)の周波数成分について示す図である。 図6は、内側フレームに固定された座標系から見た重力方向単位ベクトの軌跡を示す図である。 図7は、図6に示す重力方向単位ベクトルの軌跡を、X−Z平面、Y−Z平面、X−Y平面に投影した軌跡を示す図である。 図8は、従来の擬似無重力状態生成装置におけるジンバルの回転角速度の時間変化を示す図である。
符号の説明
1…外側フレーム(第1回転体)
2…内側フレーム(第2回転体)
3…架台
4…サーボコントローラ
5…軌道生成部
6…制御装置
11、12…サーボモータ
21、22…回転角度検出器
23…ステージ
100…擬似無重力状態生成装置

Claims (6)

  1. 第1回転軸まわりに回転する第1回転体の第1回転角度が時間tの関数θ(t)に従うように制御し、前記第1回転軸に直交する第2回転軸まわりに回転するように前記第1回転体に支持された第2回転体の第2回転角度が前記tの関数φ(t)に従うように制御する制御方法であって、
    所定の周期T、所定の正の整数M、Nに対して、
    前記θ(t)は、前記第1回転角度が時間T/Mごとに2π増加するように定義され、
    前記φ(t)は、前記第2回転角度の時間変化率が2πN/Tとなるように定義され、
    前記M及び前記Nは、任意の正の整数mに対して式:mM≠Nを満たす
    制御方法。
  2. 前記θ(t)は、2πM/Tを基本角周波数とするフーリエ級数の逆正弦関数で表される
    請求項1の制御方法。
  3. 前記θ(t)及び前記φ(t)は、所定の正の整数k、係数b、b2k+1に対して式:
    Figure 2007284006
    で定義され、前記b及び前記b2k+1は、式:
    Figure 2007284006
    の解である
    請求項2の制御方法。
  4. 前記k、前記b、前記b2k+1は、式:
    Figure 2007284006
    で表される
    請求項3の制御方法。
  5. 前記θ(t)及び前記φ(t)について、
    sinθ(t)と、cosθ(t)・sinφ(t)と、cosθ(t)・cosφ(t)とを前記Tの区間で積分した値がいずれもゼロであり、
    {sinθ(t)}と、{cosθ(t)・sinφ(t)}と、{cosθ(t)・cosφ(t)}とを前記Tの区間で積分した値がいずれもT/3である
    請求項1又は2の制御方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の制御方法を実行する制御装置を具備する
    擬似無重力状態生成装置。
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