JP2007283329A - 湿式調質圧延方法および湿式調質圧延機 - Google Patents

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Abstract

【課題】湿式調質圧延機および湿式調質圧延方法、特に従来ジャンピングが生じて製造することのできなかった低伸び率の製品を安定して製造することが可能な湿式調質圧延機および湿式調質圧延方法を提供する。
【解決手段】上および下降伏点が存在する金属ストリップ材料を1基あるいは2基の圧延スタンドからなる湿式調質圧延機またはこれを用いた圧延方法において、該湿式調質圧延機の上流に該金属ストリップに曲げ変形または引っ張り変形を付与する設備を配置し、少なくとも長手方向と幅方向に一様な塑性変形を付与することを特徴とする。前記湿式調質圧延機の上流に配置する設備はローラレベラーまたはテンションレベラーであることが望ましく、ここでの加工量と該湿式調質圧延機でのジャンピング開始の伸び率との関係を表す関係式を求め、該湿式調質圧延機の上流に配置された設備での加工量を調整する。
【選択図】図2

Description

この発明は湿式調質圧延方法および湿式調質圧延機、特に従来ジャンピングが生じて製造することのできなかった低伸び率の製品を安定して製造することが可能な湿式調質圧延方法および湿式調質圧延機に関する。
近年、表面の清浄度の面から湿式調質圧延が要求されるようになってきた。湿式調質圧延では圧延時に鉄粉が発生しても潤滑油等で洗い流せ、かつ、潤滑をすることによって圧延時に発生する鉄粉自体を抑えることができるので、乾式調質圧延(無潤滑調質冷間圧延)と比較して圧延後の表面の清浄度が向上する。このため、湿式調質圧延が積極的に行われるようになってきたが、以下に示す問題点が生じるようになった。
一般に、ワークロールが大きな板圧延機を用いて、上および下降伏点のある金属ストリップ材料を潤滑圧延すると、ジャンピングと呼ばれる現象が生じることが知られている。図1にジャンピングと呼ばれる現象を説明するための概念図を示す。
図1において、横軸は圧延荷重であり、縦軸は圧下率を表す。なお、縦軸に伸び率を用いても同様である。ここで、圧下率と伸び率の関係について簡単に示す。圧下率rとは圧延機入側の板厚Hと出側の板厚hから 式(1)で定義されるものである。
r=1−h/H (1)
ここで、入側板厚Hおよび出側板厚hは一般に圧延機入側および出側に設置された板厚計にて検出される。また、伸び率λとは圧延前の材料長さL1と圧延後の材料長さL2から式(2)で定義されるものである。
λ=L2/L1−1 (2)
ここで、圧延前の材料長さL1および圧延後の材料長さL2は一般に圧延機入側および出側に設置された速度計にて検出される。圧延機前後で板幅変化を無視すると圧延機入出側における体積一定条件から
1・H=L2・h (3)
が成立する。これらの関係から圧下率と伸び率との間には式(4)の関係が得られる。
λ=1/(1−r)−1 (4)
式(4)から調質圧延のような軽圧下の場合にはλとrはほぼ同じ値になることから、図1において縦軸の圧下率を伸び率に置き換えても同じとした。
図1から明らかなように、ある圧延荷重(a点)までは圧延荷重を増大していっても弾性変形ばかり生じ、圧下率または伸び率はゼロのままであるが、ある圧延荷重(a点)以上になると同時に圧下率または伸び率はある圧下率または伸び率(b点)まで増大する。
この時に圧延荷重を低減して行くと圧延荷重はd点、圧下率または伸び率はc点迄ともに減少するが、それ以下の圧延荷重になると圧下率または伸び率は再びゼロとなる。所定の圧下率または伸び率を取るためには、再度a点迄の圧延荷重をかける必要がある。圧延荷重がa点以上の場合には圧下率または伸び率は圧延荷重とともに上昇し、圧延機の圧延力限界までの圧下率または伸び率(f点)まで任意に取ることができる。このようなa点からb点に飛ぶようなジャンピングが生じると、低圧下率または低伸び率の圧延が不可能となるばかりでなく、a点近傍の圧下率または伸び率で圧延している際に原板変動等の外乱で圧延荷重が変動して特にd点以下になると製品品質は保てなくなり、スクラップになる。また、このようなジャンピング現象やa点→b点→c点→d点→a点のループを描くヒステリシス現象は、大径ワークロールを用いた上および下降伏点のある金属材料の潤滑調質圧延時のみに起きる現象であることが経験的に知られている。
このようなジャンピングは、粗度の小さなロールや摩擦係数が小さい場合やロール径が大きい場合に顕著になることが経験的に知られている。
このようなジャンピングが生じる湿式調質圧延で、新規金属ストリップ材料あるいは溶接部を有する金属ストリップ材料を調質圧延する際は、以下のような問題が生じる。
例えば、上下降伏点のある金属ストリップ材料を圧延する場合にジャンピングが生じるため、伸び率0%の状態から一挙に伸び率5%前後の状態まで遷移する。従って、安定して製造するためには伸び率6%以上の圧延しかできず、低伸び率である例えば2%の製品は製造することができなかった。このような製品を製造する場合には、乾式調質圧延を行うことによって対応せざるをえなかった。湿式から乾式へ移行する場合にはロール総組み替えはもちろんのことハウジング等の清掃も必要なので圧延機を長時間止める必要があり生産性が著しく低下する。従って、少量多品種を製造する箇所ではこの問題は深刻である。
このような問題に対し、ジャンピングを防止する方法として小径ワークロールを用いる方法(例えば、特許文献1参照)や高ヤング率の大径ワークロールを用いる方法(例えば、特許文献2参照)が提唱されている。しかし、小径ワークロールは圧延機を改造する必要があり、製造コストを上昇させることと形状制御が非常に難しくなり、平坦度を確保するのが難しい上にロール摩耗が激しいので、頻繁にワークロール交換が必要となる。このため製造コストの上昇をもたらす懸念がある。また、WC等を用いた高ヤング率の材質の大径ロールは有効ではあるが、現状では直径500mm、胴長2000mm程度のワークロールを安定して製造する技術は現在確立されていない。
特開2002−346606号公報 特開2004−1993003号公報
この発明は湿式調質圧延方法および湿式調質圧延機、特に従来ジャンピングが生じて製造することのできなかった低伸び率の製品を安定して製造することが可能な湿式調質圧延方法および湿式調質圧延機を提供することを課題としている。
この発明の湿式調質圧延方法の一つ目は、上および下降伏点が存在する金属ストリップ材料を1基あるいは2基の圧延スタンドからなる調質圧延機を用いて湿式圧延する湿式調質圧延方法において、該湿式調質圧延機の上流にて、該金属ストリップ材料の板厚方向に連続的な曲げを付与する、または、該金属ストリップ材料の長手方向に連続的な張力を付与することにより、該金属ストリップ材料の少なくとも長手方向と幅方向に一様な塑性変形を付与することを特徴としている。
また、この発明の湿式調質圧延方法の二つ目は、この発明の湿式調質圧延方法の一つ目において前記金属ストリップ材料の板厚方向に連続的な曲げを付与する手段としてローラレベラーを、または、前記金属ストリップ材料の長手方向に連続的な張力を付与する手段としてテンションレベラーを用いることを特徴としている。
また、この発明の湿式調質圧延方法の三つ目は、この発明の湿式調質圧延方法の二つ目において、前記ローラレベラーでのロール押し込み量を、予め鋼種毎およびまたは板厚・板幅毎に該ローラレベラーでのロール押し込み量と前記湿式調質圧延機でのジャンピング開始の伸び率との関係に基づいて調整することを特徴としている。
また、この発明の湿式調質圧延方法の四つ目は、この発明の湿式調質圧延方法の二つ目において前記テンションレベラーでの伸び率は、予め鋼種毎およびまたは板厚・板幅毎に該テンションレベラーでの伸び変形の変形量と該湿式調質圧延機でのジャンピング開始の伸び率との関係に基づいてすることを特徴としている。
この発明の湿式調質圧延機は、上および下降伏点が存在する金属ストリップ材料を調質圧延する1基あるいは2基の圧延スタンドからなる湿式調質圧延機において、該湿式調質圧延機の上流に、前記金属ストリップ材料の板厚方向に連続的に曲げによる長手方向と幅方向に一様な塑性変形を付与するローラレベラーを、または、前記金属ストリップ材料に連続的な張力負荷による全体に一様な塑性変形を付与するテンションレベラーを配置することを特徴としている。
この発明の湿式調質圧延方法または湿式調質圧延機では、湿式調質圧延機の上流で上下降伏点のある金属ストリップ材料に曲げ変形または引っ張り変形を付与することによって、湿式調質圧延機入り側に於ける該金属ストリップ材料の上下降伏点の差を低減あるいは解消することによって、ジャンピングの発生する伸び率または圧下率であっても湿式調質圧延することができる。これにより、従来湿式調質圧延で製造することのできなかった低伸び率の製品を安定して製造することができる。
この発明の湿式調質圧延方法または湿式調質圧延機では、鋼種毎および/または板厚・板幅毎に予め実験を行い、該曲げ変形もしくは引っ張り変形の変形量と該湿式調質圧延機でのジャンピング開始の伸び率との関係を表す関係式を求めておき、該湿式調質圧延機で製造しようとする伸び率に応じて該湿式調質圧延機の上流に配置された曲げ変形付与設備もしくは引っ張り変形付与設備における押し込み量もしくは引張り量(伸び率)を調整する。これにより、湿式調質圧延機における低伸び率の製品を安定して製造することができる。
湿式調質圧延圧延におけるジャンピングは圧延する金属ストリップ材料の上下降伏点に起因して発生する。従って、湿式調質圧延機入り側までに該金属ストリップ材料の上下降伏点の差を小さくすることによってジャンピング発生の伸び率は低減できる可能性があると予想され、実験を行った。
図2は、この発明を実施する湿式調質圧延機の一例を示す構成図である。図示していないがこの湿式調質圧延機の上流には連続焼鈍設備が配置されており熱処理された金属ストリップ材料が、連続して供給されている。また、図示してはいないが、この湿式調質圧延機の下流には、湿式調質圧延機で圧延された金属ストリップ材料の表面を観察したり平坦度を検査したりする検査台さらにその下流には圧延された金属ストリップ材料を切断する切断機および圧延された金属ストリップ材料をコイル状に巻き取る巻き取りリール配置されている。湿式調質圧延機は 1基の圧延スタンド11から構成されており、この例では4重圧延機である。圧延機はワークロール16〜17およびバックアップロール21〜22から構成されている。ワークロール16〜17にはスピンドル(図示しない)が連結されており、電動機(図示しない)によって駆動されている。
形状制御手段として上下ワークロールチョック(図示しない)を支点として上下ワークロール16〜17の垂直方向の撓みを制御するためのインクリースおよびディクリースベンダー力を付与することが可能なワークロールベンダー51が具備されている。
上バックアップロールチョック(図示しない)の上部には、圧延荷重検出装置36が配置され、ワークサイドおよびドライブサイドの荷重が検出される。また、圧延荷重検出装置の上部には電動圧下装置37が配置されており、金属ストリップ材料Sを圧延する際のパスライン調整が行われる。さらに、下バックアップロールチョック(図示しない)の下部には、圧延力を付与するための油圧圧下装置31が配置されている。
湿式調質圧延機11の入側に入側ブライドルロール61が湿式調質圧延機11の出側に出側ブライドルロール62が配備されている。図示はしていないが、これらの入・出側ブライドルロールにはスピンドル(図示しない)が連結されており、電動機(図示しない)によって駆動され、湿式調質圧延機入り側および出側の張力を目標値に制御している。なお図示してはいないが、入・出側ブライドルロールにはPLGが取り付けられており湿式調質圧延機前後の金属ストリップ材料Sの板速度を検出して伸び率は測定されている。
また、調質圧延スタンド11の上流に曲げ変形を付与する設備70が配置されている。ここでは曲げ変形を付与する設備としてローラレベラーを示している。このローラレベラ−は4個の上ロール群と5個の下ロール群から構成されており。図示していないが、上ロール群としたロール群はフレーム内に配置され、入側と出側にある締め込み装置によって上ロールの中心線を結ぶ直線は傾斜するように配置されている。なお、図示していないが、入側と出側の締め込み量は位置検出装置によって検出されている。
湿式調質圧延機11と曲げ変形を付与する設備70の間にタッチロール41が、湿式調質圧延機11と出側ブライドルロール62の間にタッチロール42が、湿式調質圧延機の入側に調質圧延潤滑油供給装置45〜46がそれぞれ配置され、調質圧延潤滑油(エマルション潤滑油)が供給されている。図示していないが、湿式調質圧延機の入・出側張力はそれぞれルーパーロール41およびタッチロール42に取り付けられた荷重検出器によって検出されている。なお、図示してはいないが、調質圧延機11の出側にはX線板厚測定装置が配備されており調質圧延後の板厚がモニターされている。
また、図示していないが、曲げ変形を付与する設備70を組み替えることにより引っ張り変形を付与する装置(テンションレベラー)に変更することができる。
上述した、曲げ変形を付与する設備70または引っ張り変形を付与する装置において、
曲げ変形(押し込み量)あるいは伸び率を調整することによって、湿式調質圧延機入側の金属ストリップ材料の上下降伏点の応力差を調整することができる。
図3にこの設備を用いて湿式調質圧延をした場合の、曲げ変形あるいは引っ張り変形がジャンピングに及ぼす影響を示す。
曲げ変形の度合いを表す加工曲率は例えばコロナ社発行の塑性加工技術シリーズ15「矯正加工」日本塑性加工学会編に示されている方法で求めてもよい。この場合には板厚、板幅、鋼種を考慮した統一的なモデルで整理できる。そうでない場合には板厚、板幅、鋼種毎に予め実験をし、関係式を作る必要があるが、押し込み量を加工曲率の代替として用い、押し込み量とジャンピング開始点の関係を用いても良い。
図3(a)および(b)より、湿式調質圧延機の上流で曲げ変形もしくは引っ張り変形を上下降伏点のある金属ストリップ材料に付与することによって湿式調質圧延機でのジャンピング開始点を調整できることが明らかとなった。また、ジャンピング開始点の伸び率(λと記す)と押し込み量(δと記す)または伸び(lと記す)の関係は、2次式で表すことが可能である。従って、この関係式を用いれば、湿式調質圧延で所望とする低伸び率の圧延をするためには、曲げ変形付与装置の押し込み量または引っ張り変形付与装置の伸びをいくらにすべきかが事前に分かる。例えば、図3の(a)より、この発明の湿式調質圧延方法で伸び率4%の製品を作る場合には、ローラレベラーの押し込み量は2mm以上に設定することによって、圧延による伸び率を4%にすれば良いことが分かる。
但し、ローラレベラー押し込み量は異なるので、如何なる場合でも2mmの押し込み量をとれば4%の伸び率が取れるというわけではない。
また、曲げ変形の場合には伸びは殆ど変わらないので曲げ変形に起因する伸びを考慮する必要はないが、引っ張り変形の場合には最終的な材質を検討するため金属ストリップ材料に加える引っ張りによる変形(伸び)と圧延による変形(伸び)を合わせて考慮する必要があることは言うまでもない。
一方、例えば、図3の(b)より、この発明の湿式調質圧延方法でトータルの伸び率4%の製品を作る場合には、テンションレベラーの伸びを0.2%以上に設定し、圧延による伸び率は目標のトータル伸び率4%からテンションレベラーの伸びを減じた伸び率で圧延すれば良いことが分かる。
なお、テンションレベラーでの塑性変形は板全体に一様に付与されることができるが、ローラレベラーでの塑性変形は曲げ変形であるので、板厚方向へは一様に付与されることができない。
この発明は上下降伏点のある金属ストリップ材料の湿式調質圧延に適用される。また、この発明は上記形態に限られるものではない。例えば、圧延機は4重圧延機以外の6重圧延機などでも良く、また圧延スタンド数も2であってもよい。
図2に示した湿式調質圧延機を用いて圧延試験を行った。この圧延機のワークロール寸法は直径が560mm(上下ワークロールのペア差は0.1mm未満)、胴長が2200mmの鍛鋼ロールで、ヤング率は210GPaである。バックアップロール寸法は直径が1450mm(上下バックアップロールのペア差は1mm未満)、胴長が2200mmの鍛鋼ロールである。ワークロールベンダーの最大ベンダー力は、500kN/chockである。金属ストリップ材料Sは低炭素鋼板であり、連続焼鈍炉で熱処理されており、引っ張り試験から得られた上降伏点は395MPa、下降伏点は343MPaの金属ストリップ材料で、連続焼鈍路入側に設置された溶接機によってコイルが接合され連続して金属ストリップ材料が供給されている。この金属ストリップ材料の寸法は板幅が1240mmで、板厚は0.20mmである。
また、ロールバイト入口には調質圧延潤滑油(水溶性圧延潤滑油の0.5%エマルション、50℃)が供給されている。曲げ変形付与装置としてはローラレベラーを使用しており、直径60mm、胴長2200mmのロールが上ロール群4本、下ロール群5本の併せて9本からなる構造で、ロールピッチは140mmである。
予め実験を行い、図3に示すような押し込み量とジャンピング開始点の伸び率の関係を求めた。なお、従来法の場合には、曲げ変形付与装置のロール間隔を大きく取り、上ロール群には金属ストリップ材料が接触しない条件で曲げ変形を付与しないで湿式調質圧延を行った。圧延条件を表1に示す。
Figure 2007283329
圧延試験の結果、本発明の湿式調質圧延機では、各圧下率に応じて先に示した押し込み量とジャンピング開始点の伸び率の関係から、必要最低限の押し込み量を求め該曲げ変形付与装置(ローラレベラー)の押し込み量を調整して湿式圧延を行った。
その結果、本発明では圧下率2%から10%の製品を安定して製造することができた。
従来の方法では、ジャンピングにより圧下率6%未満の製品は作ることができなかった。ジャンピングのヒステリシスを利用すると圧下率5%の製品は作れることもあったが、安定していなかった。圧下率5%未満の製品は全く作れなかった。
ジャンピングを説明する概念図である。 この発明の湿式調質圧延機の一例を模式的に示す装置構成図である。 変形がジャンピングに及ぼす影響を示す図であり、(a)は曲げ変形、(b)は引っ張り変形の場合を示す。
符号の説明
11 湿式調質圧延機
16〜17 ワークロール
21〜22 バックアップロール
31 油圧圧下装置
36 圧延荷重検出装置
37 電動圧下装置
41、42 タッチロール
45〜46 潤滑油供給装置
51 ワークロールベンダー
61〜62 ブライドルロール
70 曲げ変形付与装置

Claims (5)

  1. 上および下降伏点が存在する金属ストリップ材料を1基あるいは2基の圧延スタンドからなる調質圧延機を用いて湿式圧延する湿式調質圧延方法において、該湿式調質圧延機の上流にて、該金属ストリップ材料の板厚方向に連続的な曲げを付与する、または、該金属ストリップ材料の長手方向に連続的な張力を付与することにより、該金属ストリップ材料の少なくとも長手方向と幅方向に一様な塑性変形を付与することを特徴とする湿式調質圧延方法。
  2. 前記金属ストリップ材料の板厚方向に連続的な曲げを付与する手段としてローラレベラーを、または、前記金属ストリップ材料の長手方向に連続的な張力を付与する手段としてテンションレベラーを用いることを特徴とする請求項1に記載の湿式調質圧延方法。
  3. 前記ローラレベラーでのロール押し込み量を、予め鋼種毎および/または板厚・板幅毎に求めた該ローラレベラーでのロール押し込み量と前記湿式調質圧延機でのジャンピング開始の伸び率との関係に基づいて調整することを特徴とする請求項2に記載の湿式調質圧延方法。
  4. 前記テンションレベラーでの伸び率は、予め鋼種毎および/または板厚・板幅毎に求めた該テンションレベラーでの伸び変形の変形量と該湿式調質圧延機でのジャンピング開始の伸び率との関係に基づいて調整されることを特徴とする請求項2に記載の湿式調質圧延方法。
  5. 上および下降伏点が存在する金属ストリップ材料を調質圧延する1基あるいは2基の圧延スタンドからなる湿式調質圧延機において、該湿式調質圧延機の上流に、前記金属ストリップ材料の板厚方向に連続的な曲げによる長手方向と幅方向に一様な塑性変形を付与するローラレベラーを、または、前記金属ストリップ材料に連続的な張力負荷による全体に一様な塑性変形を付与するテンションレベラーを配置することを特徴とする湿式調質圧延機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110788560A (zh) * 2018-08-01 2020-02-14 中国商用飞机有限责任公司 变厚度板件的制造方法、变厚度板件及航空设备

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