JP2007282472A - 電動工具用電池パック及びこれを用いた充電システム、過充電防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全性を確保しながらも、従来の電動工具用電池パックに比べて安価且つ軽量・小型化を実現した電動工具用電池パックを提供する。
【解決手段】電動工具用電池パック10は、二次電池11と、電動工具又は充電器20と接続して二次電池11への充放電を実現する第1及び第2の外部接続端子12a,12bと、二次電池11の端子電圧を監視して、電動工具用電池パック10が有する機器への制御信号を発信する制御手段13と、制御手段13に接続するサーミスタ15とを備えている。制御手段13は、二次電池11が過充電状態であると判断したときには、サーミスタ15を短絡させることによって擬似的に異常高温状態を作り出し、充電器20の制御回路21を作動させて強制的に充電を停止させる。
【選択図】図1
【解決手段】電動工具用電池パック10は、二次電池11と、電動工具又は充電器20と接続して二次電池11への充放電を実現する第1及び第2の外部接続端子12a,12bと、二次電池11の端子電圧を監視して、電動工具用電池パック10が有する機器への制御信号を発信する制御手段13と、制御手段13に接続するサーミスタ15とを備えている。制御手段13は、二次電池11が過充電状態であると判断したときには、サーミスタ15を短絡させることによって擬似的に異常高温状態を作り出し、充電器20の制御回路21を作動させて強制的に充電を停止させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として、電動工具に用いられる電池パックの過充電を防止する技術に関するものである。
電気ドリル、アングルドリル、グラインダ、インパクトドリル、ねじ締め機等の回転工具や、携帯マルノコ、ジグソー、レシプロソー等の切断工具に代表される電動工具のなかには、電力供給源としての電池パックを接続して使用するものがある。そして、この電動工具用電池パックには、繰り返し充電して使用できるという利便性から、リチウムイオン電池などの二次電池が広く用いられている。
従来用いられている一般的な電動工具用電池パックは、例えば、図4に示すような構成を有している。ここで、図4は、従来の電動工具用電池パックと、この電池パックを充電するための充電器を示した模式図である。
図4に示されるように、従来の電動工具用電池パック50は、二次電池51と、3つの外部接続端子52a,52b,52c、保護IC53及び充電制御スイッチ54から構成されている。外部接続端子のうちの+(プラス)端子52a及び−(マイナス)端子52bは、図4に示すように、充電器60と接続したときには電力の供給を受けて二次電池51への充電を実現し、また、図示しない電動工具と接続したときには二次電池51に充電された電力を放電して電動工具の電力供給源としての機能を発揮することになる。また、T端子52cは、二次電池51の温度情報を充電器60側の制御回路61に供給する働きを担っている。
また、保護IC53は、二次電池51の端子電圧や端子電流、二次電池51の温度などを検知し、この情報に基づいて充電制御スイッチ54に動作指令信号を発信することが可能となっている。そして、保護IC53による電圧監視によって、過充電が検知されたときには充電制御スイッチ54がOFFされることによって充電が停止され、また、異常な温度上昇が検知されたときも同様に保護IC53が充電制御スイッチ54をOFFすることによって充電が停止される。なお、異常な温度上昇の検知は、サーミスタなどの温度により抵抗値が変化する抵抗体(不図示)を用いることによって行われている。
以上のように、二次電池51には、大量のエネルギが詰め込まれていることと、可燃性の有機溶媒を電解液に使用していることから、過電圧、過放電、過電流などから電池を守るためのいくつもの安全対策が採られている。特に、過充電時は、極板の結晶構造が崩れて内部短絡が発生し易くなる。電池自身には、シャットダウンセパレータや安全弁などが備わっているが、電池パックを構成する際には、それ以外にも、上述した保護IC53と充電制御スイッチ54など、安全対策のための機器を内蔵させて、二次電池51に万が一異常が起きた場合の対策が施されている。
なお、保護IC53と充電制御スイッチ54の組み合わせによる異常防止手段を備える電池パックについては、例えば下記特許文献1に開示されている。
しかしながら、従来の電動工具用電池パックは、消耗品であるにもかかわらず、保護IC53や充電制御スイッチ54などの高価な制御回路を設置しなければならなかったので、製造コストが高くならざるを得ないという問題を抱えていた。また、電池パックに内蔵される充電制御スイッチ54にあっては、電流が流れる関係から発熱が大きいため、放熱板設置などの熱対策の実施が不可欠であった。しかしながら、電池パック内に放熱板などの熱対策部材を設置することは、電池パックの小型化や軽量化を阻害することになってしまうため、従来の電動工具用電池パックは、電動工具の操作性にも悪影響を及ぼすものであった。
本発明は、上述した課題の存在に鑑みて成されたものであって、その目的は、過充電発生等の不具合防止機能を維持しながらも、従来の電動工具用電池パックに比べて安価であり、しかも軽量・小型化を実現した電動工具用電池パック及びこれを用いた充電システム、過充電防止方法を提供することにある。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明に係る電動工具用電池パック(10)は、電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パック(10)であって、二次電池(11)と、電動工具又は充電器(20)と接続して前記二次電池(11)への充放電を実現する第1及び第2の外部接続端子(12a,12b)と、前記二次電池(11)の端子電圧を監視して、電動工具用電池パック(10)が有する機器への制御信号を発信する制御手段(13)と、前記制御手段(13)に接続するサーミスタ(15)と、を備え、前記制御手段(13)は、前記二次電池(11)が過充電状態であると判断したときに、前記サーミスタ(15)を短絡させることによって擬似的に異常高温状態を作り出し、前記充電器(20)の制御回路(21)を作動させて強制的に充電を停止させるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る充電システムは、電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パック(10)と、前記電動工具用電池パック(10)の充電を行う充電器(20)と、によって構成される充電システムであって、前記電動工具用電池パック(10)は、二次電池(11)と、電動工具又は充電器(20)と接続して前記二次電池(11)への充放電を実現する第1及び第2の外部接続端子(12a,12b)と、前記二次電池(11)の端子電圧を監視して、電動工具用電池パック(10)が有する機器への制御信号を発信する制御手段(13)と、前記制御手段(13)に接続するサーミスタ(15)と、を備え、前記制御手段(13)は、前記二次電池(11)が過充電状態であると判断したときに、前記サーミスタ(15)を短絡させることによって擬似的に異常高温状態を作り出し、前記充電器(20)の制御回路(21)を作動させて強制的に充電を停止させるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る過充電防止方法は、電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パック(10)の充電時に発生する過充電異常を検知したとき、充電器(20)に備えられた制御回路(21)を用いて充電を停止させるようにした過充電防止方法であって、二次電池(11)の端子電圧を制御手段(13)によって監視させ(ステップS11)、前記制御手段(13)が過充電を検知したときに(ステップS12)、該制御手段(13)に接続されたサーミスタ(15)を短絡させるステップ(ステップS13)と、前記サーミスタ(15)の短絡によって擬似的な異常高温状態が作り出され(ステップS14)、この異常高温状態を検知した前記制御回路(21)が前記電動工具用電池パック(10)への充電を停止させるステップ(ステップS15)と、を有する処理を実行することを特徴とする。
本発明によれば、安全性を確保しながらも、従来の電動工具用電池パックに比べて安価であり、しかも軽量・小型化を実現した電動工具用電池パック及びこれを用いた充電システム、過充電防止方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る充電システムを示す回路ブロック図である。本実施形態に係る充電システムは、電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パック10と、この電動工具用電池パック10の充電を行う充電器20とによって構成されている。
本実施形態に係る電動工具用電池パック10は、4個の電池V1,V2,V3,V4からなる二次電池11と、3つの外部接続端子12a,12b,12c、制御手段としてのIC13及びサーミスタ15から構成されている(図2参照)。外部接続端子のうちの第1の外部接続端子である+(プラス)端子12a及び第2の外部接続端子である−(マイナス)端子12bは、図1に示すように、充電器20と接続したときには電力の供給を受けて二次電池11への充電を実現し、また、図示しない電動工具と接続したときには二次電池11に充電された電力を放電して電動工具の電力供給源としての機能を発揮することになる。また、T端子12cは、サーミスタ15の電気抵抗値に基づく温度情報を、充電器20側の制御回路21に伝達する働きを担っている。
IC13は、二次電池11の個々の電池V1,V2,V3,V4の端子電圧を監視して、サーミスタ15の電気抵抗値を変化させることが可能となっている。
一方、本実施形態に係る充電器20は、DC電源22及び制御回路21を備えており、電動工具用電池パック10の備える3つの外部接続端子12a,12b,12cと接続することによって、二次電池11の充電を行うことが可能となっている。なお、制御回路21は、上述したように、T端子12cを介する電動工具用電池パック10からの制御信号を受信して、この制御信号に応じた充電器20の動作制御を行うことができる。
以上、本実施形態に係る充電システムの基本構成について説明したが、本実施形態に係る充電システムは、過充電発生時の充電停止機構にさらなる特徴を有している。すなわち、本実施形態に係る電動工具用電池パック10では、制御手段としてのIC13が、二次電池11の各電池V1,V2,V3,V4の端子間の電圧によって過充電状態であると判断すると、サーミスタ15を短絡させることによってサーミスタ15の電気抵抗値を0(ゼロ)Ωとし、擬似的に異常高温状態を作り出す構成を採用している。そして、サーミスタ15の電気抵抗値が0(ゼロ)Ωとなると、充電器20側の制御回路21は電動工具用電池パック10が異常高温状態にあると判断するので、充電器20側では強制的な充電の停止が実行されることになる。
サーミスタ15の短絡は、IC13内の電気的な微小電力開閉スイッチ回路13aを閉成させることによって実現しているので、従来技術で用いていたようなPower Mos FETなどの大電流が開閉できる半導体スイッチである充電制御スイッチ54(図4参照)を用いるものではない。したがって、本実施形態に係る電動工具用電池パック10によれば、従来、小型化や軽量化を阻害していた充電制御スイッチ54や放熱板等を省略することが可能となる。また、充電制御スイッチ54や放熱板等を省略した構成の採用によって部品点数の削減が可能となるので、製造コストが削減される。
なお、本実施形態に係る電動工具用電池パック10の具体的な構成は、図2において例示される回路図によって示されており、かかる回路構成によって、本発明の効果である、安全・安価且つ小型・軽量化を実現した電動工具用電池パックが実現されている。
続いて、本実施形態に係る充電システムを用いた過充電防止方法について説明する。図3は、本実施形態に係る充電システムを用いた過充電防止方法を説明するためのフローチャートである。
本実施形態に係る充電システムを用いた過充電防止方法では、まず、IC13を用いて電池電圧を測定する(ステップS11)。この電池電圧の測定は、二次電池11の個々の電池V1,V2,V3,V4の端子電圧をIC13に監視させることによって実現している。
IC13が電池電圧の測定によって過充電状態を検知すると(ステップS12)、IC13は電池パック内に設置されたサーミスタ15の電気抵抗値が0(ゼロ)Ωとなるようにサーミスタ15を短絡させ、電動工具用電池パック10が異常高温状態であるかのごとく擬似的な状態を作り出す(ステップS13)。
サーミスタ15の短絡によって電動工具用電池パック10の擬似的な異常高温状態が作り出されると、充電器20側では制御回路21が電動工具用電池パック10を異常高温と認識し(ステップS14)、充電器20の保護機能を動作させることによって充電が停止される(ステップS15)。以上の処理によって、過充電異常の発生を確実に防止することが可能となっている。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。例えば、上述した本実施形態では、制御手段としてIC13を用いた場合を例示して説明したが、電圧検出器や比較回路としてのコンパレータによって制御手段を構成することも可能である。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 電動工具用電池パック、11 二次電池、12a 第1の外部接続端子(+(プラス)端子)、12b 第2の外部接続端子(−(マイナス)端子)、12c 外部接続端子(T端子)、13 IC、13a スイッチ回路、15 サーミスタ、20 充電器、21 制御回路、22 DC電源、50 電動工具用電池パック、51 二次電池、52a 外部接続端子(+(プラス)端子)、52b 外部接続端子(−(マイナス)端子)、52c 外部接続端子(T端子)、53 保護IC、54 充電制御スイッチ、60 充電器、61 制御回路、V1,V2,V3,V4 電池。
Claims (3)
- 電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パックであって、
二次電池と、
電動工具又は充電器と接続して前記二次電池への充放電を実現する第1及び第2の外部接続端子と、
前記二次電池の端子電圧を監視して、電動工具用電池パックが有する機器への制御信号を発信する制御手段と、
前記制御手段に接続するサーミスタと、
を備え、
前記制御手段は、前記二次電池が過充電状態であると判断したときに、前記サーミスタを短絡させることによって擬似的に異常高温状態を作り出し、前記充電器の制御回路を作動させて強制的に充電を停止させるようにしたことを特徴とする電動工具用電池パック。 - 電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パックと、
前記電動工具用電池パックの充電を行う充電器と、
によって構成される充電システムであって、
前記電動工具用電池パックは、
二次電池と、
電動工具又は充電器と接続して前記二次電池への充放電を実現する第1及び第2の外部接続端子と、
前記二次電池の端子電圧を監視して、電動工具用電池パックが有する機器への制御信号を発信する制御手段と、
前記制御手段に接続するサーミスタと、
を備え、
前記制御手段は、前記二次電池が過充電状態であると判断したときに、前記サーミスタを短絡させることによって擬似的に異常高温状態を作り出し、前記充電器の制御回路を作動させて強制的に充電を停止させるようにしたことを特徴とする充電システム。 - 電動工具の電力供給源として用いられる電動工具用電池パックの充電時に発生する過充電異常を検知したとき、充電器に備えられた制御回路を用いて充電を停止させるようにした過充電防止方法であって、
二次電池の端子電圧を制御手段によって監視させ、前記制御手段が過充電を検知したときに、該制御手段に接続されたサーミスタを短絡させるステップと、
前記サーミスタの短絡によって擬似的な異常高温状態が作り出され、この異常高温状態を検知した前記制御回路が前記電動工具用電池パックへの充電を停止させるステップと、
を有する処理を実行することを特徴とする過充電防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006321242A JP2007282472A (ja) | 2006-03-15 | 2006-11-29 | 電動工具用電池パック及びこれを用いた充電システム、過充電防止方法 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2006071739 | 2006-03-15 | ||
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JP2007282472A true JP2007282472A (ja) | 2007-10-25 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2014192834A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2017-02-23 | 京セラ株式会社 | 電池パック及び携帯電子機器 |
-
2006
- 2006-11-29 JP JP2006321242A patent/JP2007282472A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2014192834A1 (ja) * | 2013-05-28 | 2017-02-23 | 京セラ株式会社 | 電池パック及び携帯電子機器 |
US9929586B2 (en) | 2013-05-28 | 2018-03-27 | Kyocera Corporation | Battery pack and portable electronic apparatus |
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