JP2007281613A - プリンタについてのメンテナンス要請 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プリンタを多面的に評価し、メンテナンスの必要性をユーザーに通知する。
【解決手段】 ステップS195においては、現在または将来において問題なカラーパッチC1〜C12の色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIについてメンテナンスが必要である旨の表示をするメンテナンス要請MRを作成する。さらに、ステップS195においては、現在または将来において問題なカラーパッチC1〜C12の品質指標(CI,GI,BI)に基づいて総合的な評価を行い、それに基づいてメンテナンスの要否を判定する。そして、その判定結果をメンテナンス要請MRにする。ステップS220にてメンテナンス要請MRをMFP10のディスプレイ18に表示させることより、ユーザーにメンテナンスの必要性を通知する。
【選択図】 図6
Description
この発明は、プリンタについてのメンテナンス要請に関する。
従来のプリンタメンテナンスシステムにおいて、プリンタを有するクライアント側にて印刷したカラーチャートをスキャナにてスキャンすることにより、当該カラーチャートの再現色を把握するものが知られている(例えば、特許文献1、参照。)。
かかる構成においては、カラーチャートをスキャンした読取色データをプロファイル提供サーバに送信し、当該プロファイル提供サーバがプリンタのプロファイルデータを作成する。そして、当該プロファイルデータをクライアント側に返信する。これにより、当該プリンタに適合したプロファイルデータをクライアント側にて使用することができ、プリンタにおいて色の再現性を向上させることが可能であった。プリンタの色再現性が経時的に劣化する場合でも、その時点で最適なプロファイルデータに更新することができ、常にプリンタの再現色を良好に維持することが可能であった。
特開2002−262106号公報
かかる構成においては、カラーチャートをスキャンした読取色データをプロファイル提供サーバに送信し、当該プロファイル提供サーバがプリンタのプロファイルデータを作成する。そして、当該プロファイルデータをクライアント側に返信する。これにより、当該プリンタに適合したプロファイルデータをクライアント側にて使用することができ、プリンタにおいて色の再現性を向上させることが可能であった。プリンタの色再現性が経時的に劣化する場合でも、その時点で最適なプロファイルデータに更新することができ、常にプリンタの再現色を良好に維持することが可能であった。
しかしながら、プリンタが機械的に故障した場合など、プロファイルデータの最適化だけではプリンタの印刷品質を維持することができないという問題があった。この場合、いくらプロファイルデータを更新しても、プリンタの機械的な問題が解決されないため、良好な印刷品質を得ることができない。また、印刷品質はカラーチャートの色の再現性だけでは把握しきれず、他の観点からも印刷品質の劣化を監視する必要があった。また、一般のユーザーにおいて印刷品質が調査できたとしても、その印刷品質においてメーカー等によるプリンタのメンテナンスが必要か否かを判断することが難しいという問題があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、プリンタを多面的に評価し、メンテナンスの必要性をユーザーに通知することを目的とする。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、プリンタを多面的に評価し、メンテナンスの必要性をユーザーに通知することを目的とする。
上記目的を達成するために、プリンタメンテナンスシステムには少なくともプリンタとスキャナとが備えられる。印刷手段は、テスト画像データに基づいて上記プリンタにてテストパターンを印刷する。これにより、上記プリンタの印刷品質が反映されたテストパターンを得ることができる。印刷された上記テストパターンは、上記スキャナにて画像入力される。品質取得手段は、上記スキャナにて画像入力した画像データに基づいて少なくとも上記テストパターンの色彩値と粒状性指数とを取得する。すなわち、プリンタの印刷品質の指標として、少なくとも上記テストパターンの色彩値と粒状性指数が取得される。品質レポート作成手段は、取得された上記色彩値と上記粒状性指数に基づいて品質レポートを作成する。そして、メンテナンス要請出力手段においては、上記品質レポートに基づいて上記プリンタについてのメンテナンス要請を出力する。ここでは、上記色彩値と上記粒状性指数との総合的な判断によって適切な上記メンテナンス要請を出力することができる。例えば、上記色彩値は正常である場合であっても、上記粒状性指数が異常である場合には、メンテナンスを要請することができる。
上記メンテナンス要請出力手段においては、上記色彩値と上記粒状性指数を所定の許容値と比較することにより、メンテナンスの要否を判定するようにしてもよい。その場合、ある絶対的な許容値に対する比較を行ってもよいし、上記プリンタの過去の印刷品質との相対的な比較を行ってもよい。さらに、上記色彩値と上記粒状性指数の過去から現在にわたる変動傾向に基づいてメンテナンスの要否を判定するようにしてもよい。例えば、異なる時期に作成された複数の上記品質レポートによれば、上記色彩値と上記粒状性指数の経時的な変動を把握することができる。例えば、過去の上記色彩値と上記粒状性指数よりも現在の上記色彩値と上記粒状性指数が悪化したか否かを把握することができ、悪化傾向が顕著な場合には、メンテナンスが必要であると判定することができる。
また、当該プリンタの最も理想的な印刷品質は、出荷時の印刷品質であると考えることができる。従って、出荷時における上記品質レポートと比較して、現在の上記色彩値と上記粒状性指数の変動がメンテナンスを要するものなのか否かを判定するようにしてもよい。例えば、出荷時から上記色彩値と上記粒状性指数が所定の許容値以上劣化した場合に、メンテナンスを要請するようにしてもよい。
本発明のプリンタメンテナンスシステムは、単一の装置において実現されて実現されてもよいし、複数の装置に各手段が分担されていてもよい。例えば、プリンタメンテナンスシステムを、通信回線を介して接続されたクライアント端末と管理サーバによって構成することもできる。上記色彩値と上記粒状性指数に基づいてメンテナンスの要否を判定するには、上記色彩値と上記粒状性指数の傾向に表れる種々の不具合のモードを把握しておく必要があり、この判定は難易度が高いものとなる。従って、プリンタの不具合についてのデータや知識を上記管理サーバにて管理し、同管理サーバにてメンテナンスの要否を判定することにより、各クライアント端末における負担を軽減することができる。
なお、上記クライアント端末は、少なくとも上記プリンタと上記スキャナが制御可能であればよく、例えば上記プリンタや上記スキャナが接続されるとともに、プリンタドライバやスキャナドライバがインストールされたパーソナルコンピュータであってもよい。また、上記クライアント端末は、上記プリンタや上記スキャナを一体的に備えられたマルチファンクションプリンタが接続されたパーソナルコンピュータであってもよい。さらに、上記マルチファンクションプリンタが上記通信回線との接続手段を有し、同マルチファンクションプリンタ単独で上記クライアント端末が実現されてもよい。また、上記管理サーバは少なくとも上記メンテナンス要請出力手段を具備すればよく、上記メンテナンス要請出力手段のほかに上記品質取得手段や上記品質レポート作成手段を有してもよい。この場合、上記クライアント端末は上記スキャナにてスキャンした画像データを上記管理サーバに送信することとなる。むろん、上記クライアント端末が上記品質レポートを作成し、同品質レポートを上記管理サーバに送信するようにしてもよい。
また、粒状性指数を取得する際に、バンディング指数を分離して取得するようにしてもよい。印刷ヘッドを主走査させて印刷を行うインクジェットプリンタにおいては、主走査方向に沿った方向にバンディングノイズが発生すると考えることができる。従って、上記画像データにおけるノイズの方向を解析することにより、バンディングに起因するバンディング指数を分離することができる。例えば、バンディング指数が大きい場合には、紙送りに問題があると推測でき、同紙送りをメンテナンスすべき旨のコメントをメンテナンス要請にて出力することができる。
むろん、以上の発明は、装置のみならず、請求項6のようなプリンタメンテナンス方法によって実現することも可能であるし、請求項7のように上記方法に従った処理を実行するプリンタメンテナンスプログラムによって実現することも可能である。また、本発明にかかる装置、方法、プログラムは単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の装置、方法、プログラムとともに実施されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものであり、適宜、変更可能である。また、請求項8のようにプリンタメンテナンスシステムの一部を構成するクライアント端末においても本発明を特定することができるし、同様に請求項9のように管理サーバにおいても本発明を特定することができる。
さらに、本発明のプログラムを記録した記録媒体として提供することも可能である。このプログラムの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地無く同等である。さらに、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現されている場合においても発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み込まれるような形態のものとしてあってもよい。また、必ずしも全部の機能を単独のプログラムで実現するのではなく、複数のプログラムにて実現させるようなものであってもよい。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)プリンタメンテナンスシステムの構成
(2)メンテナンス要請処理
(3)変形例
(4)まとめ
(1)プリンタメンテナンスシステムの構成
(2)メンテナンス要請処理
(3)変形例
(4)まとめ
(1)プリンタメンテナンスシステムの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、プリンタメンテナンスシステム1は、概略、マルチファンクションプリンタ(MFP)10と1対のWANインターフェイス(I/F)20a,20bとインターネット30と管理サーバ40とから構成されている。MFP10と管理サーバ40は、本発明の通信回線に相当するWANI/F20a,20bとインターネット30を介して双方向通信可能に接続されている。なお、MFP10が本発明のクライアント端末に相当する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、プリンタメンテナンスシステム1は、概略、マルチファンクションプリンタ(MFP)10と1対のWANインターフェイス(I/F)20a,20bとインターネット30と管理サーバ40とから構成されている。MFP10と管理サーバ40は、本発明の通信回線に相当するWANI/F20a,20bとインターネット30を介して双方向通信可能に接続されている。なお、MFP10が本発明のクライアント端末に相当する。
図2は、MFP10の概略構成を示している。同図において、MFP10には、内部バス10aによって接続されたCPU11とRAM12とHDD13とスキャナユニット15とプリンタユニット16とLANインターフェイス(I/F)17とディスプレイ18と操作パネル19が備えられている。なお、MFP10にはパーソナルコンピュータが接続されてもよい。HDD13には各種プログラムデータ13aとテスト画像データ13bが記憶されている。LANI/F17は、外部のWANインターフェイス(I/F)20と接続されており、同WANI/F20を介してMFP10とインターネット30上の管理サーバ40と接続されている。なお、モデムと電話回線を利用してインターネット30に接続してもよい。
図3は、MFP10のCPU11にて実行されるプログラムのソフトウェア構成を示している。同図において、オペレーティングシステム(O/S)が実行されており、同O/S上において品質調査プログラムP1とスキャナドライバP2とプリンタドライバP3が実行されている。品質調査プログラムP1は定期的にテスト画像データ13bをプリンタドライバP3に出力することにより、プリンタユニット16にてテストパターンを印刷させる印刷部P1aと、スキャナドライバP2にて生成されたテストパターンの画像データから色彩値CI(L*a*b*値)と粒状性指数GIとバンディング指数BIを算出する品質取得部P1bと、色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIに基づいて品質レポートQRを作成する品質レポート作成部P1cと、品質レポートQRを管理サーバ40に送信するレポート送信部P1dと、管理サーバ40にて作成されたメンテナンス要請MRを受信する要請受信部P1eとから構成されている。各プログラムP1〜P3および各モジュールP1a〜P1eが実行する機能はメンテナンス要請処理において詳細に説明する。
図4は、管理サーバ40の概略構成を示している。同図において、管理サーバ40には、内部バス40aによって接続されたCPU41とRAM42とHDD43とLANI/F47が備えられている。HDD43にはプログラムデータ43aとレポートデータベース(DB)43bが記憶されている。LANI/F47は、外部のWANI/F20bと接続されており、同WANI/F20bを介してインターネット30と接続されている。
図5は、管理サーバ40のCPU41にて実行されるプログラムのソフトウェア構成を示している。同図において、オペレーティングシステム(O/S)が実行されており、同O/S上においてメンテナンス要請プログラムP4が実行されている。メンテナンス要請プログラムP4は、MFP10から品質レポートQRを受信するレポート受信部P4aと、受信した品質レポートQRとレポートDB43bに基づいてメンテナンス要請MRを作成するメンテナンス要請作成部P4bと、作成したメンテナンス要請MRをMFP10に送信する要請送信部P4cとから構成されている。各モジュールP4a〜P4cが実行する機能はメンテナンス要請処理において詳細に説明する。
(2)メンテナンス要請処理:
図6は、メンテナンス要請処理の流れを示している。ステップS100においてはMFP10における印刷部P1aが現在の時刻を取得し、前回品質レポートQRを作成してから所定期間経過したかどうかを判定する。例えば、前回品質レポートQRを作成してから半年間経過したかどうかを判定する。そして、半年以上経過していない場合には、品質レポートQRの作成が不要であるとして、処理を終了させる。一方、半年以上経過している場合には、ステップS110において印刷部P1aがテストパターンの印刷をプリンタユニット16にて行わせる。印刷部P1aはテスト画像データ13bをHDD13から取得するとともに、このテスト画像データ13bをプリンタドライバP3に受け渡す。すると、プリンタドライバP3は印刷に必要な解像度変換処理や色変換処理やハーフトーン処理やマイクロウィーブ処理を順次行って印刷データを作成し、同印刷データをプリンタユニット16に出力する。本実施形態においてプリンタユニット16はインクジェット方式を採用しており、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)lc(ライトシアン)lm(ライトマゼンタ)インクのインク滴を印刷媒体に吐出することにより、カラー印刷画像を形成する。
図6は、メンテナンス要請処理の流れを示している。ステップS100においてはMFP10における印刷部P1aが現在の時刻を取得し、前回品質レポートQRを作成してから所定期間経過したかどうかを判定する。例えば、前回品質レポートQRを作成してから半年間経過したかどうかを判定する。そして、半年以上経過していない場合には、品質レポートQRの作成が不要であるとして、処理を終了させる。一方、半年以上経過している場合には、ステップS110において印刷部P1aがテストパターンの印刷をプリンタユニット16にて行わせる。印刷部P1aはテスト画像データ13bをHDD13から取得するとともに、このテスト画像データ13bをプリンタドライバP3に受け渡す。すると、プリンタドライバP3は印刷に必要な解像度変換処理や色変換処理やハーフトーン処理やマイクロウィーブ処理を順次行って印刷データを作成し、同印刷データをプリンタユニット16に出力する。本実施形態においてプリンタユニット16はインクジェット方式を採用しており、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)lc(ライトシアン)lm(ライトマゼンタ)インクのインク滴を印刷媒体に吐出することにより、カラー印刷画像を形成する。
図7は、印刷時のプリンタユニット16の構成を概略的に示している。同図において、プリンタユニット16は印刷ヘッド16aを備えており、印刷ヘッド16aは下方に多数のインクノズルNを備えている。このインクノズルNからインク滴を吐出させながら印刷ヘッド16aをキャリッジレール16bに沿って主走査させる。プリンタユニット16は紙送りローラ16cを備えており、同紙送りローラ16cを駆動させることにより印刷用紙を副走査させる。以上の構成により、印刷用紙上の任意の箇所にインク滴を着弾させインクドットを形成することができる。そして、多数のインクドットを印刷用紙上の適切な位置に配列することにより、任意のカラー画像を印刷用紙上に形成することができる。また、印刷ヘッド16aを一方向に主走査させるときに限りインク滴を吐出することを単方向印刷といい、印刷ヘッド16aを双方に主走査させるときに限りインク滴を吐出することを双方向印刷という。各インクドットの配列は基本的にハーフトーンデータに基づくが、印刷ヘッド16aの移動誤差や紙送り誤差やインクノズルNからのインク飛翔誤差等や双方向印刷における吐出タイミング誤差等によって意図しない位置にインクドットが形成され、粒状性を悪化させる。
図8は、ステップS110にて印刷されるテストパターンの一例を示している。同図において、CMYKlclmの各インク単独のインクドットでそれぞれ形成される12個のカラーパッチC1〜C12と、略等量のCMYインクのインクドットで形成されるコンポジットグレーの2個のカラーパッチC13,C14がそれぞれ矩形状に形成されている。カラーパッチC1〜C6とカラーパッチC7〜C12はともにCMYKlclm単独のインクドットによって形成されるが、カラーパッチC1〜C6は単方向印刷で形成され、カラーパッチC7〜C12は双方向印刷によって形成される。同様にカラーパッチC13は単方向印刷で形成され、カラーパッチC14は双方向印刷によって形成される。なお、ステップS110においてテストパターンを印刷するにあたり、ディスプレイ18にてテストパターンの印刷中である旨を表示し、ユーザーに通知するようにしてもよい。また、テストパターンの印刷可否を操作パネル19にてユーザーから受け付けるようにしてもよい。
ステップS120においてはスキャナユニット15にてテストパターンのスキャンを行う。スキャナユニット15はフラットベッド式の原稿台を有しており、同原稿台にテストパターンを載置し、スキャンを行う。スキャン時においてはスキャナドライバP2によってテストパターンを照明するための制御と、ラインセンサを走査させるための制御と、ラインセンサにて線状の画像データを取得するための制御と、線状の画像データをラインセンサの走査位置に応じて平面状の画像データに結合させるための制御が行われる。これにより、テストパターンを画像入力することができ、同テストパターンの画像データを得ることができる。なお、スキャンの解像度は、ハーフトーデータの解像度よりも高解像度とされる。
ステップS130においては、品質取得部P1bがテストパターンの画像データをスキャナドライバP2から受け取るとともに、同画像データに基づいて各カラーパッチC1〜C14の色彩値CIを算出する。本実施形態においてスキャナユニット15はRGBの画像入力素子で構成されるラインセンサを具備しており、スキャナドライバP2ではRGB画像データが生成される。ステップS130ではスキャナユニット15のソースプロファイルを使用して、各画素のRGB値をL*a*b*値に変換する。そして、各カラーパッチC1〜C14を構成する画素の平均のL*a*b*値を算出し、それぞれカラーパッチC1〜C14の色彩値CIとする。平均のL*a*b*値を算出するにあたっては、各カラーパッチC1〜C14の外周付近の画素を除外して周囲の色の影響を抑制しもよい。ステップS140においては、品質取得部P1bが各カラーパッチC1〜C14の粒状性指数GIおよびバンディング指数BIを算出する。
図9は、粒状性指数GIおよびバンディング指数BIを算出する処理の流れを示している。同図において、ステップS141では、ステップS130にて変換したL*a*b*値の画像データの明度L*成分を抽出することにより、印刷媒体上における明度分布の画像データL(x,y)を取得する。ステップS142においては、粒状性指数GIとバンディング指数BIを算出するカラーパッチC1〜C14のいずれかを選択し、選択したカラーパッチC1〜C14に属する画素について明度分布L(x,y)を取得する。
図10は粒状性指数GIとバンディング指数BIを算出する様子を説明している。本実施形態において、粒状性指数GIとバンディング指数BIは画像の明度を空間周波数(cycle/mm)で評価する。このために、まず図10の左端に示す明度L(x,y)に対してFFT(Fast Fourier Transformation)を実施する(ステップS143)。図9,図10においては得られた空間周波数のスペクトルをS(u,v)として示している。なお、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とからなり、S(u,v)=Re(u,v)+jIm(u,v)である。このスペクトルS(u,v)はウイナースペクトラムに相当する。
ここで、(u,v)は(x,y)の逆空間の次元を持つが、本実施形態において(x,y)は座標として定義され、実際の長さの次元に対応させるにはスキャナの解像度等を考慮しなければならない。従って、S(u,v)を空間周波数の次元で評価する場合も次元の変換が必要である。そこで、まず、座標(u,v)に対応した空間周波数の大きさf(u,v)を算出する。すなわち、主走査方向の最低周波数euはX解像度/25.4,副走査方向の最低周波数evはY解像度/25.4と定義される。なお、X解像度,Y解像度はスキャナがスキャンした際の解像度である。なお、ここでは1インチを25.4mmとしている。各走査方向の最低周波数eu,evが算出されれば、任意の座標(u,v)における空間周波数の大きさf(u,v)は((eu・u)2+(ev・v)2))1/2として算出することが可能になる。
一方、人間の目は、空間周波数の大きさf(u,v)に応じて明度に対する感度が異なり、当該視覚の空間周波数特性は、例えば、図10の中央下部に示すVTF(f)のような特性である。この図10におけるVTF(f)はVTF(f)=5.05×exp(−0.138・d・π・f/180)×(1−exp(−0.1・d・π・f/180))である。なお、ここでdは印刷物と目の距離でありfは上記空間周波数の大きさfである。このfは上述(u,v)の関数として表現されているので、視覚の空間周波数特性VTFは(u,v)の関数VTF(u,v)とすることができる。
上述のスペクトルS(u,v)に対してこのVTF(u,v)を乗じれば、視覚の空間周波数特性を考慮した状態でスペクトルS(u,v)を評価することができる。また、この評価を積分すればサブ画素平面全体について空間周波数を評価することができる。そこで、本実施形態においては、ステップS145〜S148の処理で積分までの処理を行っており、まず、(u,v)を双方とも”0”に初期化し(ステップS145)、ある座標(u,v)での空間周波数f(u,v)を算出する(ステップS146)。また、この空間周波数fにおけるVTFを算出する(ステップS147)。
VTFが得られたら、当該VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とを乗じ、積分結果を代入するための変数Powとの和を算出する(ステップS148)。すなわち、スペクトルS(u,v)は実部Re(u,v)と虚部Im(u,v)とを含むので、その大きさを評価するため、まず、VTFの2乗とスペクトルS(u,v)の2乗とによって積分を行う。そして、座標(u,v)のすべてについて以上の処理を実施したか否かを判別し(ステップS149)、全座標(u,v)について処理を終了したと判別されなければ、未処理の座標(u,v)を抽出してステップS146以降の処理を繰り返す。なお、VTFは図10に示すように空間周波数の大きさが大きくなると急激に小さくなってほぼ”0”となるので、座標(u,v)の値域を予め所定の値以下に制限することにより必要充分な範囲で計算を行うことができる。
ここで、ステップS149において判断する積分区間を設定することによりカラーパッチC1〜C14の粒状性指数GIとバンディング指数BIを算出することができる。粒状性指数GIはカラーパッチC1〜C14の全ノイズ量が反映された指数であるため、座標(u,v)全体について積分を行うことにより得られる。一方、バンディング指数BIは印刷ヘッド16aの主走査方向に沿った方向に発生するバンディングノイズ量が反映されるようにv軸に沿った狭い領域の積分区間を設定する。バンディングノイズは主走査方向に沿って生じるため、その空間周波数スペクトルは主走査方向に直交するv軸に沿った領域に現れると考えることができるからである。従って、当該領域についてのみの積分区間を設定することにより、全ノイズのうちバンディングノイズ成分を抽出することができる。
積分が終了したら、それぞれの領域についての積分値PowについてPow1/2/全画素数を算出する(ステップS150)。すなわち、積分値Powの平方根によって上記スペクトルS(u,v)の大きさの次元に戻すとともに、各領域の画素数で除して規格化する。全領域についての積分値Powについては全画素数で除算し、バンディングノイズ成分を抽出した積分値Powについてはv軸に沿った領域の画素数で除算する。この規格化により、元のハーフトーンデータの画素数に依存しない客観的な指数(図10のInt)を算出している。本実施形態においては、さらに、印刷物全体の明度による影響を考慮した補正を行って粒状性指数GIとバンディング指数BIを算出している。すなわち、本実施形態においては、空間周波数のスペクトルが同じであっても印刷物全体が明るい場合と暗い場合とでは人間の目に異なった印象を与え、全体が明るい方が粒状性を感じやすいものとして補正を行う。このため、まず、各積分区間の画素について明度L(x,y)を足し合わせ、その画素数で除することにより、各積分区間の明度の平均Aveを算出する(ステップS151)。
そして、各積分区間の明るさによる補正係数a(L)をa(L)=((Ave+16)/116)0.8と定義し、この補正係数a(L)を算出(ステップS152)するとともに上記Intに乗じて粒状性指数GIおよびバンディング指数BIとする(ステップS153)。なお、補正係数a(L)は、上述した明度補正項aLに相当する。また、補正係数としては、明度の平均によって係数の値が増減する関数であればよく、他にも種々の関数を採用可能である。むろん、粒状性指数GIおよびバンディング指数BIを評価する成分は明度成分に限られず、色相、彩度成分を考慮して空間周波数を評価してもよいし、色彩値として、明度成分,赤−緑成分,黄−青成分を算出し、それぞれをフーリエ変換した後、各色成分ごとに予め定義された視覚の空間周波数特性を乗じてGIを算出してもよい。
以上によりステップS142にて選択したカラーパッチC1〜C14についての粒状性指数GIおよびバンディング指数BIが算出されたこととなり、ステップS154ではすべてのカラーパッチC1〜C14についての選択が完了したかどうかが判定される。すべて完了していない場合には、ステップS142に戻り次のカラーパッチC1〜C14についての粒状性指数GIおよびバンディング指数BIを算出する処理(S143〜S153)を繰り返し実行する。これにより、すべてのカラーパッチC1〜C14についての粒状性指数GIおよびバンディング指数BIを算出させることができる。ステップS160においては品質レポート作成部P1cが品質レポートQRを作成する。
品質レポートQRには各カラーパッチC1〜C14について色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIが対応づけて記憶されたテーブルデータである。また、品質レポートQRには、ステップS110にてテストパターンを印刷したときの印刷日時や印刷用紙やMFP10の製造シリアル番号が対応づけて記憶される。品質レポートQRはプリンタユニット16にて印刷してもよいし、ディスプレイ18にて表示してもよい。そうすればユーザーが各カラーパッチC1〜C14の色やノイズ量を把握することができる。しかしながら、色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIをユーザーが把握することができても、これらの数値のよしあしを一般のユーザーが判断することは困難である。
そこで、ステップS170においては、レポート送信部P1dがWANI/F20a,20bとインターネット30を介して品質レポートQRを管理サーバ40に送信する。ステップS180においては、管理サーバ40において実行されているレポート受信部P4aが品質レポートQRを取得する。ステップS190においてはメンテナンス要請作成部P4bが受信した品質レポートQRおよびレポートDB43bに基づいてメンテナンス要請MRを作成する。
図11は、メンテナンス要請作成処理の流れを示している。同図において、ステップS191においては受信した品質レポートQRからMFP10の製造シリアル番号を取得し、その製造シリアル番号について過去に記憶された品質レポートQRをレポートDB43bから検索する。管理サーバ40はインターネット30に接続することにより不特定多数のMFP等から品質レポートQRを受信することができ、多数の製造シリアル番号について品質レポートQRが蓄積されることとなる。なお、レポートDB43bは製造シリアル番号ごとに多数の品質レポートQRが蓄積されたデータベースである。上述したとおりステップS100を実行することにより定期的に品質レポートQRが作成されるため、当該MFP10について時間周期的な品質レポートQRを得ることができる。
ステップS192においては現在の品質レポートQRにおける各カラーパッチC1〜C14の色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIをそれぞれ所定の許容値と比較し、問題のある色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIを検索する。例えば、現在の品質レポートQRについての色彩値CIの基準値からのずれを算出し、そのずれが所定の許容値(例えば、色差ΔEが0.5)よりも大きい場合にメンテナンスの必要があると判定することができる。なお、基準値は非機器依存色空間で特定される各カラーパッチC1〜C14の理想的な色彩値であり、例えば元のテスト画像データ13bと同画像データ13bが適用する表色空間のカラープロファイルを利用して特定することができる。粒状性指数GIとバンディング指数BIは大きいほど品質が悪いため、これらが所定の許容値よりも大きい場合に問題があると判定する。以上のステップS192によれば、どのカラーパッチC1〜C14のどの品質指標(CI,GI,BI)が問題となっているかを判定することができる。
次に、ステップS193においては、当該MFP10についての過去および現在の品質レポートQRに基づいて、将来、問題となりそうな色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIを検索する。定期的な品質レポートQRが得られるため、各カラーパッチC1〜C14についての色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIの経時的な推移を得ることができる。従って、悪化傾向であれば、将来、問題となると予測することができる。レポートDB43bにおいては、出荷直前にMFP10のメーカーが作成した品質レポートQRが記憶されている。メーカーにおいても上述した処理と同様の処理によって品質レポートQRを作成すればよい。通常、管理サーバ40はメーカーが運用するため、出荷直前の品質レポートQRは出荷検査結果の一部として作成され、レポートDB43bに記憶させておくことができる。なお、MFP10による出荷直前の印刷品質が一定の性能基準を満足していることを前提とすれば、色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIについての性能基準を初期の品質レポートQRとして適用してもよい。
図12は、いずれかのカラーパッチC1〜C14の粒状性指数GIの推移を示している。同図において、現在において粒状性指数GIは許容値に達していないものの、過去から現在にわたる粒状性指数GIの傾きから、粒状性指数GIが半年以内に許容値を上回ることが予測できる。すなわち、ステップS193では、色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIの推移に基づいて、将来の推移の予測直線または予測曲線を作成し、これらが今後半年間の間に許容値に達するか否かを判定する。以上のステップS193によれば、どのカラーパッチC1〜C14のどの品質指標(CI,GI,BI)が将来問題となるかを判定することができる。
ステップS194においては、ステップS192,S193において現在または将来において問題と判定されたカラーパッチC1〜C14の品質指標(CI,GI,BI)に基づいて総合的な判定を行う。すなわち、問題な各カラーパッチC1〜C14の品質指標(CI,GI,BI)の組合せに応じてメーカーによるメンテナンスの要否の判定を行う。例えば、特定のインクを使用するカラーパッチC1〜C12を使用する色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIが現在または将来において問題である場合には、当該特定のインクのみに影響を与える因子に不具合が生じていると考えることができる。Cインクのみ使用するカラーパッチC1,C7の色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIが問題である場合、Cインクを吐出するインクノズルNがインク詰まりを起こしていたり、飛翔曲がりが生じていたり、Cインク自体が不良であることが予測される。単色のカラーパッチC1〜C12を印刷することにより、問題のあるインクを容易に特定することができる。
さらに、粒状性指数GIやバンディング指数BIが正常であり、色彩値CIのみが問題な場合には、Cインク滴の着弾位置には問題がないと推測でき、Cインク自体が不良であると予測できる。さらに、インクの交換することにより問題が解消でき、メーカーにおいてメンテナンスを行う必要性はないと判断することができる。一方、粒状性指数GIやバンディング指数BIも異常であることによって、インクノズルNがインク詰まりを起こしていたり、飛翔曲がりが生じている予測される場合には、印刷ヘッド16aの交換が必要となる。従って、この場合は、メーカーにメンテナンスを依頼する必要性があると判定することができる
特定のインクを使用したカラーパッチC1〜C12のみでなく、インクを全体的に使用するカラーパッチC13,C14の色彩値CIと粒状性指数GIとバンディング指数BIが問題となる場合、各インクの吐出系の問題でなく、例えば紙送り誤差や印刷ヘッド16aの駆動誤差等の全体的な問題が生じていると判断することができる。特に、バンディング指数BIが大きい場合には、紙送り誤差が生じていると判断することができる。従って、この場合には、紙送りローラ等の紙送り系の交換をするためにメーカーにメンテナンスを依頼する必要があると判定することができる。
さらに、単方向印刷によるカラーパッチC1〜C6の色彩値CIや粒状性指数GIが問題でなく、双方向印刷によるカラーパッチC7〜C12の色彩値CIや粒状性指数GIが問題である場合には、往動時と復動時におけるインク吐出タイミングの調整が適切でないと推測することができる。この場合にも、吐出タイミングの調整が必要となるため、メーカーにメンテナンスを依頼する必要があると判定することができる。すなわち、ステップS194では、現在または将来において問題な品質指標(CI,GI,BI)の組合せに基づいて、不具合の要因を特定するとともに、その要因に応じてメーカーによるメンテナンスの要否を判定する。以上において示した判定は一例に過ぎない。ステップS195においては、ステップS194の判定を反映させてメンテナンス要請MRを作成する。
図13は、メンテナンス要請MRの内容を示している。同図において、現在または将来において問題な事項が列挙されるとともに、ステップS194によって得られたメーカーメンテナンスの必要性の有無や、予測される不具合の要因等を示すコメントがメンテナンス要請MRに格納される。メンテナンス要請MRは、これらの記述内容が再生可能なテキストデータまたは画像データである。なお、将来、問題になると予測された項目に関して、あとどれだけの期間が経過すると、色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIが許容できなくなるかを図12に示した推移に基づいて予測し、その期限を追記するようにしてもよい。また、メーカーのメンテナンスが必要な場合には、窓口の連絡先等を追記するようにしてもよい。ステップS200においては、レポート送信部P1dがメンテナンス要請MRをMFP10に送信する。
ステップS210では、MFP10にて実行される要請受信部P1eがメンテナンス要請MRを受信する。さらに、ステップS220では、要請受信部P1eが受信したメンテナンス要請MRをディスプレイ18にて表示させる。むろん、プリンタユニット16にてメンテナンス要請MRを印刷してもよい。いずれにしても、ステップS194,S195にて作成したメンテナンス要請MRをユーザーが確認することができ、各項目(CI,GI,BI)に関するメンテナンスの要否と、メンテナンスが必要である場合の原因やメーカーによるメンテナンスの必要性を知識の少ないユーザーでも認知することが可能となる。
(3)変形例:
図14は、変形例にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、プリンタメンテナンスシステムが前実施形態と同様にMFP10と管理サーバ40によって構成されている。ただし、本変形例においてMFP10から管理サーバ40に対して、品質レポートQRではなく、テストパターンをスキャンして得られた画像データが送信される点において相違している。本実施形態においては、MFP10はスキャンした画像データの生成までを担当し、色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIの算出以降の処理は管理サーバ40が実行する。すなわち、本変形例において品質レポート作成部P1cが管理サーバ40にて機能することとなる。このようにすることにより、MFP10における処理負担を軽減することができる。
図14は、変形例にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、プリンタメンテナンスシステムが前実施形態と同様にMFP10と管理サーバ40によって構成されている。ただし、本変形例においてMFP10から管理サーバ40に対して、品質レポートQRではなく、テストパターンをスキャンして得られた画像データが送信される点において相違している。本実施形態においては、MFP10はスキャンした画像データの生成までを担当し、色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIの算出以降の処理は管理サーバ40が実行する。すなわち、本変形例において品質レポート作成部P1cが管理サーバ40にて機能することとなる。このようにすることにより、MFP10における処理負担を軽減することができる。
図15は、別の変形例にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、MFPが外部に接続されていないとともに、MFPにて品質調査プログラムP1とスキャナドライバP2とプリンタドライバP3とメンテナンス要請プログラムP4が実行可能となっている。上述した実施形態において管理サーバ40が実行していたメンテナンス要請プログラムP4をMFPにて実行させることにより、MFPが外部との通信を行わなくても、ユーザーにメンテナンス要請MRを提供することが可能となる。レポートDB43bもMFPが備える記憶装置に記憶され、当該MFPについての品質レポートQRのみが順次蓄積されていく。
図16は、さらに別の変形例にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、汎用のパーソナルコンピュータ50に対してMFP10が接続されており、パーソナルコンピュータ50にて品質調査プログラムP1とスキャナドライバP2とプリンタドライバP3とインターネットに対するインターフェイスが提供されている。このように、MFP10にパーソナルコンピュータ50が接続される場合、上述したメンテナンス要請処理をパーソナルコンピュータ50上にて実行させるようにしてもよい。この場合、MFP10に要求される演算処理能力を抑制することができる。
図17は、さらに別の変形例にかかるプリンタメンテナンスシステムの概略構成を示している。同図において、汎用のパーソナルコンピュータ50に対して単機能プリンタ10cと単機能スキャナ10bが接続されている。そして、上述した変形例と同様にパーソナルコンピュータ50にて品質調査プログラムP1とスキャナドライバP2とプリンタドライバP3とインターネットに対するインターフェイスが提供されている。このように、必ずしもプリンタとスキャナが一体となっていなくても、テストパターンの印刷と画像入力を行うことができれば、本発明の処理を実現することができる。
(4)まとめ:
ステップS195においては、現在または将来において問題なカラーパッチC1〜C12の色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIについてメンテナンスが必要である旨の表示をするメンテナンス要請MRを作成する。さらに、ステップS195においては、現在または将来において問題なカラーパッチC1〜C12の品質指標(CI,GI,BI)に基づいて総合的な評価を行い、それに基づいてメンテナンスの要否を判定する。そして、その判定結果をメンテナンス要請MRにする。ステップS220にてメンテナンス要請MRをMFP10のディスプレイ18に表示させることより、ユーザーにメンテナンスの必要性を通知する。
ステップS195においては、現在または将来において問題なカラーパッチC1〜C12の色彩値CIや粒状性指数GIやバンディング指数BIについてメンテナンスが必要である旨の表示をするメンテナンス要請MRを作成する。さらに、ステップS195においては、現在または将来において問題なカラーパッチC1〜C12の品質指標(CI,GI,BI)に基づいて総合的な評価を行い、それに基づいてメンテナンスの要否を判定する。そして、その判定結果をメンテナンス要請MRにする。ステップS220にてメンテナンス要請MRをMFP10のディスプレイ18に表示させることより、ユーザーにメンテナンスの必要性を通知する。
1…プリンタメンテナンスシステム、10…MFP、10a…内部バス、10b…スキャナ、10c…プリンタ、11,41…CPU、12,42…RAM、13,43…HDD、13a,43a…プログラムデータ、13b…テスト画像データ、15…スキャナユニット、16…プリンタユニット、17,47…LANI/F、18…ディスプレイ、19…操作パネル、20a,20b…WANI/F、30…インターネット、40…管理サーバ、43b…レポートDB、P1…品質調査プログラム、P2…スキャナドライバ、P3…プリンタドライバ、P1a…印刷部、P1b…品質取得部、P1c…品質レポート作成部、P1d…レポート送信部、P1e…要請受信部、P4a…レポート受信部、P4b…メンテナンス要請作成部、P4c…要請送信部、QR…品質レポート、MR…メンテナンス要請
Claims (9)
- 少なくともプリンタとスキャナとを備えるプリンタメンテナンスシステムにおいて、
テスト画像データに基づいて上記プリンタにてテストパターンを印刷させる印刷手段と、
上記スキャナにて上記テストパターンを画像入力させるスキャン手段と、
上記スキャナにて画像入力した画像データに基づいて少なくとも上記テストパターンの色彩値と粒状性指数とを取得する品質取得手段と、
上記色彩値と上記粒状性指数に基づいて品質レポートを作成する品質レポート作成手段と、
上記品質レポートに基づいて上記プリンタについてのメンテナンス要請を出力するメンテナンス要請出力手段とを具備することを特徴とするプリンタメンテナンスシステム。 - 上記メンテナンス要請出力手段は、
異なる時期に作成された複数の上記品質レポートに基づいて上記色彩値と上記粒状性指数の経時的な変動を取得するとともに、その経時的な変動に基づいて上記プリンタについてのメンテナンスの要否を判定することを特徴とする請求項1に記載のプリンタメンテナンスシステム。 - 上記メンテナンス要請出力手段は、
少なくとも出荷時に作成された上記品質レポートを含む複数の上記品質レポートに基づいて上記色彩値と上記粒状性指数の経時的な変動を取得するとともに、その経時的な変動に基づいて上記プリンタについてのメンテナンスの要否を判定することを特徴とする請求項2に記載のプリンタメンテナンスシステム。 - 少なくとも上記プリンタと上記スキャナを具備するクライアント端末と、少なくとも上記メンテナンス要請出力手段を具備する管理サーバと、当該クライアント端末と上記管理サーバとを通信可能に接続する通信回線とから構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のプリンタメンテナンスシステム。
- 上記品質取得手段は、上記粒状性指数としてノイズの方向性が略均一な粒状性指数と、ノイズの方向に指向性があるバンディング指数とを取得することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のプリンタメンテナンスシステム。
- 少なくともプリンタとスキャナとを備えるプリンタメンテナンスシステムにおける当該プリンタのメンテナンスを要請するプリンタメンテナンス方法において、
テスト画像データに基づいて上記プリンタにてテストパターンを印刷させ、
上記スキャナにて上記テストパターンを画像入力した画像データに基づいて少なくとも上記テストパターンの色彩値と粒状性指数とを取得し、
取得した上記色彩値と上記粒状性指数に基づいて作成した品質レポート基づいて上記プリンタについてのメンテナンス要請を出力することを特徴とするプリンタメンテナンス方法。 - 少なくともプリンタとスキャナとを備えるプリンタメンテナンスシステムにおいて、当該プリンタのメンテナンスを要請する機能を実行させるプリンタメンテナンスプログラムにであって、
テスト画像データに基づいて上記プリンタにてテストパターンを印刷させる印刷機能と、
上記スキャナにて上記テストパターンを画像入力させるスキャン機能と、
上記スキャナにて画像入力した画像データに基づいて少なくとも上記テストパターンの色彩値と粒状性指数とを取得する品質取得機能と、
上記色彩値と上記粒状性指数に基づいて品質レポートを作成する品質レポート作成機能と、
上記品質レポートに基づいて上記プリンタについてのメンテナンス要請を出力するメンテナンス要請出力機能とを上記プリンタメンテナンスシステムにて実行させることを特徴とするプリンタメンテナンスプログラム。 - テスト画像データに基づいてプリンタにてテストパターンを印刷させる印刷手段と、
上記スキャナにてテストパターンを画像入力させるスキャン手段と、
上記スキャナにて画像入力した画像データに基づいて少なくとも上記テストパターンの色彩値と粒状性指数とを取得する品質取得手段と、
上記色彩値と上記粒状性指数に基づいて品質レポートを作成する品質レポート作成手段と、
通信回線を介して管理サーバに上記品質レポートを送信するレポート送信手段と、
上記管理サーバが上記品質レポートに基づいて作成したメンテナンス要請を受信する要請受信手段とを具備することを特徴とするクライアント端末。 - テスト画像データに基づいてプリンタにてテストパターンを印刷し、上記テストパターンを上記スキャナにて画像入力して得られた上記テストターンの色彩値と粒状性指数に基づいてクライアント端末が作成した品質レポートを受信するレポート受信手段と、
受信した上記品質レポートに基づいて上記プリンタについてのメンテナンス要請を上記クライアント端末に送信する要請送信手段とを具備することを特徴とする管理サーバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006102285A JP2007281613A (ja) | 2006-04-03 | 2006-04-03 | プリンタについてのメンテナンス要請 |
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JP (1) | JP2007281613A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017064979A (ja) * | 2015-09-29 | 2017-04-06 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット印刷装置及びインクジェット印刷制御方法 |
EP3654628A1 (en) * | 2018-11-19 | 2020-05-20 | Konica Minolta, Inc. | Image forming device, shading correction method for image forming device, and shading correction program |
-
2006
- 2006-04-03 JP JP2006102285A patent/JP2007281613A/ja active Pending
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