JP2007280727A - 燃料改質装置 - Google Patents

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Satonobu Yasutake
聡信 安武
Masanao Yonemura
将直 米村
Kazumasa Kasagi
一雅 笠木
Shigeru Nojima
野島  繁
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Abstract

【課題】ジメチルエーテル(DME)から水素を得るための触媒の耐熱性の向上を図り、安定して水素を得られる触媒の耐久性を向上させた燃料改質装置を提供する。
【解決手段】燃料改質装置10は、燃料電池用の炭化水素系の原燃料であるジメチルエーテル(DME)11を改質触媒12aにより燃料ガス15である水素を含む改質ガス13に改質する改質器12と、改質された燃料ガス15である改質ガス13中のCOを変成するCO変成触媒部14と、COを変成した後に残留するCOを除去して燃料電池(図示せず)に供給する燃料ガス15とするCO除去触媒部16とを具備する燃料改質装置において、前記改質触媒12aがCrを含んでなるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ジメチルエーテル(DME)を原料とする水素(H2)製造用改質器に使用する燃料改質装置に関する。
近年、固体高分子型燃料電池(PEFC)は低公害で、さらに熱効率が高いため自動車用電源や分散電源等の幅広い分野での動力源としての適用が期待されている。この燃料電池に、その燃料である水素を供給するには幾つかの方法が考えられるが、一般に改質器において燃料ガスである炭化水素系燃料に対し、触媒を用いて水蒸気改質反応等により水素を製造することが行われる。かかる水素製造において炭化水素を主成分とする原料として、メタノールやメタン等が用いられるが、運搬、貯蔵に適していることから、ジメチルエーテル(DME)も原料として採用されている。
また、車載用の燃料改質装置のDME改質器は起動性が重視される点から、以下の式(1)、(2)のように吸熱反応であるDMEの水蒸気改質反応の反応熱を以下の式(3)のようにDMEの部分酸化反応の発熱で補う内部改質型反応器を採用している(特許文献1、2)。
DME+H2O → 2CO+4H2 −Q ・・・(1)
DME+3H2O → 2CO2+6H2 −Q ・・・(2)
DME+xO2→(CO+CO2+H2+H2O)+Q ・・・(3)
特開2003−38957号公報 特開2005−211808号公報
図13は、従来の燃料改質装置のDME改質器の触媒長さ方向と温度との関係を示す図である。尚、図13中、左側が入口部側であり、右側が出口部側である。図13に示すように、触媒の温度分布は入口部で高く、出口部では低くなるという傾向がある。これは、前記の式(1)、(2)の水蒸気反応が、前記の式(3)の部分酸化反応に比べて反応速度が遅いためである。
ところで、DME改質器にCu−Zn系触媒のようなCuを触媒成分に用いると、低温での改質活性は高いが耐熱性が低いため、入口付近の触媒は高温による劣化が著しく、触媒としての活性がなくなり、DMEを改質できない、という問題がある。
本発明は、前記問題に鑑み、ジメチルエーテル(DME)から水素(H2)を得るための触媒の耐熱性の向上を図り、安定して水素を得られる触媒の耐久性を向上させた燃料改質装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための本発明の第1の発明は、燃料電池用の炭化水素系の原燃料を燃料ガスに改質触媒により改質する改質器と、改質された燃料ガス中のCOを変成するCO変成触媒部と、COを変成した後に残留するCOを除去するCO除去触媒部とを具備する燃料改質装置において、前記原燃料がジメチルエーテル(DME)であり、前記改質触媒がCrを含んでなることを特徴とする燃料改質装置にある。
第2の発明は、第1の発明において、前記改質触媒が、前記原燃料の入口部側に前記C
rを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部と、前記改質器の出口部側にCuを
含んでなるCu系触媒が配置されるCu系触媒部とからなることを特徴とする燃料改質装
置にある。
第3の発明は、第2の発明において、前記改質触媒が、前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Crを含んでなるCr系触媒に対する前記Cuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなることを特徴とする燃料改質装置にある。
第4の発明は、第1の発明において、前記改質触媒が、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23系触媒部と、前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部とを有し、前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Al23を含んでなるAl23系触媒に対する前記Crを含んでなるCr系触媒の比率を相対的に増加させてなることを特徴とする燃料改質装置にある。
第5の発明は、第1の発明において、前記改質触媒が、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23系触媒部と、前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部と、Cuを含んでなるCu系触媒が配置されるCu系触媒部とを有し、
前記原燃料の入口部に前記Al23系触媒部を配置してなると共に、前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Crを含んでなるCr系触媒に対する前記Cuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなることを特徴とする燃料改質装置にある。
第6の発明は、第1乃至5の発明のいずれか一つにおいて、前記改質触媒が、Cr−Z
n系触媒、又はCr−Fe系触媒のいずれか一種、又はこれらの組み合わせであることを
特徴とする燃料改質装置にある。
第7の発明は、第1乃至6の発明のいずれか一つにおいて、前記Cuを含んでなるCu系触媒が、Cu−Zn系触媒であることを特徴とする燃料改質装置にある。
第8の発明は、第1乃至7の発明のいずれか一つにおいて、前記改質触媒が、Zn、又はFeの他にMn、Co、Gaのいずれかを含んでなることを特徴とする燃料改質装置にある。
本発明によれば、改質触媒としてCrを含む触媒とすることにより耐熱性を有した改質性能の高い燃料改質装置とすることができる。また、低温部にCu系触媒を配置にすることにより、耐熱性と低温改質活性の両方の触媒の利点を併せ持つ燃料改質装置とすることができるため、改質性能が高く、耐久性に優れ安定性が高く、改質器のコンパクト化が可能な燃料改質装置とすることができる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態にかかる燃料改質装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料改質装置の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる燃料改質装置10は、燃料電池用の炭化水素系の原燃料であるジメチルエーテル(DME)11を改質触媒12aにより燃料ガス15である水素を含む改質ガス13に改質する改質器12と、改質された燃料ガス15である改質ガス13中のCOを変成するCO変成触媒部14と、COを変成した後に残留するCOを除去して燃料電池(図示せず)に供給する燃料ガス15とするCO除去触媒部16とを具備する燃料改質装置において、前記改質触媒12aがCrを含んでなるものである。
前記改質触媒12aはCrを含んでなり、例えば、Cr−Fe系触媒、Cr−Zn系触媒のいずれか一種、またはこれらを組み合わせた触媒が挙げられる。尚、前記改質触媒12aは、これらに限定されるものではない。
図2は、本実施形態における前記改質触媒の配置構成と温度との関係を示す図である。図2中、上欄は、前記原燃料の入口部から改質ガスの出口部における改質触媒の触媒容積比と触媒の温度との関係を示す図であり、図2中、下欄は、対応する改質触媒12aの配置構成を示す概略図である。そして、図2中、下欄において、左側の入口部11aから原燃料(DME)11を入れ、右側の出口部13bから改質ガス13を排出している(以下同様)。ここで、触媒容積比とは、改質触媒12a全体の中で入口部11aから改質触媒12aが占める割合を示すものである。触媒容積比が低い値を示すほど、改質触媒12aの入口部11a側に近く、温度は高いものとなる。そして、触媒容積比が高い値を示すほど、改質触媒12aの出口部13b側に近く、温度は低いものとなる。
図2中上欄に示すように、前記改質触媒12aにCrを含んでなる触媒を用いることにより、前記改質触媒12aの耐熱温度を改質触媒12aの触媒の温度が最も高くなる温度よりも高くすることができるため、前記改質触媒12a入口付近における温度上昇にも耐えることができる。よって、触媒成分として、従来のようなCu系触媒ではなくCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒のようにCr系触媒を用いることにより、前記改質触媒12aの耐熱性を向上させ、触媒の耐久性を向上させることができる。
図3は、Cr含有率(mol%)とDME改質率(%)との関係を示す図である。
図3に示すように、前記改質触媒12aのCr含有率(mol%)によってDME改質率(%)は異なるため、前記改質触媒12aがCr−Fe系触媒の場合ではCr含有量が5〜50mol%の範囲であることが好ましい。また、前記改質触媒12aがCr−Zn系触媒の場合ではCr含有量が15〜50mol%の範囲であることが好ましい。これは、Cr含有量が低い場合には耐熱性が低くなるため、好ましくないからである。
また、前記改質触媒12aのCr粒子径は、平均して10nmが好ましい。Cr粒子径が5nm以下の場合には初期活性は高いが、耐熱性が低くなるため、好ましくないからである。また、Cr粒子径があまりにも大きい場合には初期のDME改質率(%)が低くなるため、好ましくないからである。
また、Crを含む触媒を作成する際のCrを含む触媒粉末とγ−Al23粉末との混合する重量比については、20wt%から80wt%が好ましい。これはγ−Al23粉末の重量比が低い場合にはDME改質率(%)が低くなるため、好ましくないからである。また、γ−Al23粉末の重量比が高い場合にはMeOHの改質性能が低くなるため、好ましくないからである。
また、耐熱性のある触媒として、従来ではPt、Ru等の貴金属が用いられているが、Pt、Ru等の貴金属を改質触媒として用いた場合には、H2、COが反応してメタン(CH4)等の副生成物が生成してしまう。本実施形態では、耐熱性のある前記改質触媒12aとしてCrを含んだ触媒を用いているため、Pt、Ru等の貴金属を改質触媒として用いた場合のような、H2、COが反応してメタン(CH4)等の副生成物が生成されるのを抑制することができるため、メタン(CH4)等の副生成物の発生を少なくすることができる。
本発明の第1の実施形態による燃料改質装置は、触媒の耐熱性向上により耐久性を向上させることができるという利点が得られる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態にかかる燃料改質装置について、図4参照して説明する。
本実施形態にかかる燃料改質装置は、図2に示す第1の実施形態の燃料改質装置の構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図4は、本実施形態における前記改質触媒の配置構成と温度との関係を示す図である。図4中、上欄は、前記原燃料の入口部から改質ガスの出口部における改質触媒の触媒容積比と触媒の温度との関係を示す図であり、図4中、下欄は、対応する改質触媒12aの配置構成を示す図である。
図4中、上欄に示すように、前記改質触媒12aは、触媒温度が上昇した後下降してCu系触媒の耐熱温度を下回る温度となる温度付近を基準として、触媒温度がCu系触媒の耐熱温度を下回る温度となる温度付近よりも前半側に前記Crを含んでなるCr系触媒を配置すると共に、触媒温度がCu系触媒の耐熱温度を下回る温度となる温度付近よりも後半側にCuを含んでなるCu系触媒を配置する。
本実施形態のように、温度によって改質率の高い触媒を用いるようにしているため、改質触媒12aの耐久性を向上させると共に、反応性を向上させることができる。
また、本実施形態では、高温側のCr系触媒部18にはCr系触媒としてCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、低温側のCu系触媒部19にはCu系触媒としてCu−Zn系触媒を配置しているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、前記改質触媒12aとして本実施形態において用いられるCr−Zn系触媒とCu−Zn系触媒との温度とDME改質率(%)及び触媒容積比とDME改質率(%)との関係について示す。
図5は、Cr−Zn系触媒とCu−Zn系触媒における温度とDME改質率(%)との関係を示す図である。
図5に示すように、320℃付近でCu−Zn系触媒はDMEを95%近くまで改質し、Cr−Zn系触媒は370℃付近でDMEを95%近くまで改質する。よって、高温部にCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、低温部にCu−Zn系触媒を配置することにより、前記改質触媒12aの耐久性を向上させることができる。
図6は、本実施形態における前記改質触媒の触媒容積比とDME改質率(%)との関係を示す図である。
図6に示すように、Cu−Zn系触媒及びCr−Zn系触媒は、触媒容積比が0.3付近でDMEを80%近く改質している。そして、Cu−Zn系触媒がDMEを95%近くまで改質するために要する触媒容積比が1.0の場合、Cr−Zn系触媒がDMEを95%近くまで改質するために要する触媒容積比が1.2となる。
ここで、触媒容積比は、改質触媒12a全体の中で前記原燃料(DME)11の入口部11aから改質触媒12aが占める割合を指すものであり、触媒容積比が低い値を示すほど、改質触媒12aの入口側に近く、温度は高いものとなる。そして、触媒容積比が高い値を示すほど、改質触媒12aの出口側に近く、温度は低いものとなる。よって、前記原燃料(DME)11の入口部11aの高温部に耐熱性のあるCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、改質ガス13の出口部13bの低温部に低温での改質性能が高いCu−Zn系触媒を配置することにより、前記改質触媒12aの耐久性を向上させることができる。
そのため、改質触媒12aとして、Cu−Zn系触媒を用いた場合にDMEを95%まで改質するために触媒容積比が1.0必要とすると、改質触媒12aとしてCr−Zn系触媒のみを用いた場合にはDMEを95%改質するためには触媒容積比が1.2必要となる。
この結果、高温側である触媒容積比が0.3付近までは、Cr−Zn系触媒を配置してDMEを80%近く改質し、触媒容積比0.3付近〜1.0の低温側では、Cu−Zn系触媒を配置してDMEを95%近く改質することができる。このように高耐熱性が要求される前記原燃料(DME)11の入口部11aに耐熱性の高いCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、改質ガス13の出口部13bの低温部にCu−Zn系触媒を配置する組み合わせとすることにより、DMEを95%以上改質可能とし、耐久性を向上させて安定性を高めると共に、前記改質触媒12aをコンパクトにすることができる。
本発明の第2の実施形態による燃料改質装置によれば、前記のような触媒配置とすることにより、耐熱性と低温改質活性の両方の触媒の利点を併せ持つと共に、改質器をコンパクトとすることができるという利点が得られる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態にかかる燃料改質装置について、図7を参照して説明する。
本実施形態にかかる燃料改質装置は、図2に示す第1の実施形態の燃料改質装置の構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図7は、本実施形態における前記改質触媒12aの配置構成を示す概略図である。
図7に示すように、本発明の第3の実施形態による燃料改質装置は、前記改質触媒12aが、前記原燃料(DME)11の入口部11aの高温側から改質ガス13の出口部13bの低温側にかけて、Cr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒の前記Crを含んでなるCr系触媒に対するCu−Zn系触媒の前記Cuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなるものである。
前記原燃料(DME)11の入口部11aの高温側に高温での耐熱性の高いCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒の前記Cr系触媒を多く配置すると共に、改質ガス13の出口部13bの低温側に低温での活性が高いCu−Zn系触媒の前記Cu系触媒を多く配置しているため、前記改質触媒12aの耐久性に優れ安定性を高めることができる。
図8は、本実施形態における改質触媒の触媒容積比とDME改質率(%)との関係を示す図である。
図8に示すように、改質触媒12aとしてCr−Zn系触媒を用いた場合にDMEを80%近くまで改質するために要する触媒容積比は0.3であり、更にDMEを95%近くまで改質するために要する触媒容積比は1.2である。
これに対し、本実施形態のように、前記原燃料(DME)11の入口部11aから改質ガス13の出口部13bにかけてCrを含んでなるCr系触媒に対するCuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなる改質触媒12aでは、DMEを95%近くまで改質するため要する触媒容積比は0.9となる。
ここで、上述のように、触媒容積比は、改質触媒12a全体の中で前記原燃料(DME)11の入口部11aから改質触媒12aが占める割合を指すものであり、触媒容積比が低い値を示すほど、改質触媒12aの入口側に近く温度は高いものとなる。そして、触媒容積比が高い値を示すほど、改質触媒12aの出口側に近く温度は低いものとなる。そのため、前記改質器12の高温部となる前記原燃料(DME)11の入口部11aに耐熱性の高いCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒などのCr系触媒を配置し、低温部となる前記改質ガス13の出口部13bに低温での改質性能が高いCu−Zn系触媒などのCu系触媒を配置することにより、DMEを95%近く改質可能とすると共に、前記改質触媒12aの耐久性を向上させることにより安定性を得ることができる上、更に用いる改質触媒12aの量を減らすこともできる。
よって、Cr−Zn系触媒がDMEを80%近く改質する触媒容積比0.3付近までは
前記Cu−Zn系触媒に対する前記Cr−Zn系触媒の比率を相対的に多くし、触媒容積比0.3付近以降では、前記Cr−Zn系触媒に対する前記Cu−Zn系触媒の比率が相対的に多くなるようにすることにより、触媒容積比0.9付近でDMEを95%程度まで改質することができる上、改質器をコンパクトにすることができる。
本発明の第3の実施形態による燃料改質装置によれば、前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Crを含んでなる触媒に対する前記Cuを含んでなる触媒の比率を相対的に増加させた触媒配置とすることにより、耐久性に優れ安定性が高いと共に改質器をコンパクトとすることができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態にかかる燃料改質装置について、図9を参照して説明する。
本実施形態にかかる燃料改質装置は、図2に示す第1の実施形態の燃料改質装置の構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図9は、本実施形態における前記改質触媒の配置構成を示す概略図である。
図9に示すように、本発明の第4の実施形態による燃料改質装置は、前記改質触媒12aが、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23触媒部20と、前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部18とを有し、前記原燃料(DME)11の入口部11aから前記改質ガス13の出口部13bにかけて、前記Al23を含んでなるAl23系触媒に対する前記Crを含んでなるCr系触媒の比率を相対的に増加させてなるものである。
本実施形態のように、前記原燃料(DME)11の入口部11aの高温側に高温での耐熱性の高いAl23を主成分とするAl23系触媒を多く配置すると共に、改質ガス13の出口部13bの低温側にかけて前記Crを含んでなるCr系触媒を多く配置しているため、より高効率にDMEの改質反応を促進することができる。
即ち、実施形態1乃至3の燃料改質装置においては以下の式(1)、(2)、(3)の反応が併発している。
DME+H2O →2CO+4H2 −Q ・・・(1)
DME+3H2O →2CO2+6H2 −Q ・・・(2)
DME+xO2→(CO+CO2+H2+H2O)+Q ・・・(3)
この内、式(1)、(2)においては、式(4)、(5)の反応が逐次的に起こっている。式(1)は式(4)と式(5)を合わせて起こる反応であり、式(2)は式(4)と式(6)を合わせて起こる反応である。
DME+H2O→ 2MeOH−Q ・・・(4)
MeOH→CO+2H2−Q ・・・(5)
MeOH+H2O→CO2+3H2−Q ・・・(6)
つまり、式(1)、(2)の反応は、まず式(4)の反応が起こることにより進む反応であって、前記原燃料(DME)11の入口部11aで式(4)の反応を促進してMeOHが多く生成する。そのため、MeOHの分圧が高くなり、式(5)と式(6)の反応速度が向上する。その結果、MeOH改質反応を促進して、より高効率にDMEの改質反応を促進することができる。
また、改質ガス13の出口部13bは温度が低温であり、式(5)及び式(6)の反応のようなMeOH改質反応に適した温度環境であるという利点もある。
よって、前記Al23系触媒部20を前記改質触媒12aの前記原燃料(DME)11の入口部11aに配置することにより、式(4)の反応を促進し、更に式(5)及び式(6)の反応も促進して高効率に反応を促進させることができる。更に、反応に必要な触媒量を減らすことができるため前記改質触媒12aの触媒量を減らすこともできる。
本発明の第4の実施形態による燃料改質装置によれば、前記改質触媒を前記原燃料(DME)の入口部から改質ガスの出口部にかけて、前記Al23を含んでなるAl23系触媒に対する前記Crを含んでなるCr系触媒の比率を相対的に増加させた触媒配置とすることにより、高効率に反応を促進し、前記改質触媒全体での触媒量低減することができる。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態にかかる燃料改質装置について、図10を参照して説明する。
本実施形態にかかる燃料改質装置は、図2に示す第1の実施形態の燃料改質装置の構成と同様であるため、同一部材には同一の符号を付して重複した説明は省略する。
図10は、本実施形態における前記改質触媒の配置構成を示す概略図である。
図10に示すように、本発明の第5の実施形態による燃料改質装置は、前記改質触媒12aが、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23触媒部20と、前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部18と、Cuを含んでなるCu系触媒が配置されるCu系触媒部19とを有し、前記原燃料11の入口部12aに前記Al23系触媒部20を配置し、前記原燃料11の入口部11aから出口部13bにかけて、前記Crを含んでなるCr系触媒に対する前記Cuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなるものである。
本実施形態にように、前記原燃料(DME)11の入口部11aにAl23系触媒部20を配置することにより、より高効率にDMEの改質反応を促進することができる。更に、反応に必要な触媒量を減らすことができるため前記改質触媒12aの触媒量を減らすこともできる。
また、前記改質触媒12aの前記原燃料(DME)11の入口部11aの高温側から改質ガス13の出口部13bの低温側にかけてCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒のCr系触媒の比率が減少するのと相対的にCu−Zn系触媒のCu系触媒の比率を増加させるようにして配置することにより、前記改質触媒12aの耐久性を向上させることにより安定性を得ると共に、更に用いる改質触媒12aの量を減らすこともできる。
本発明の第5の実施形態による燃料改質装置によれば、前記改質触媒を、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23系触媒部を前記原燃料(DME)の入口部に配置すると共に、前記原燃料(DME)の入口部から改質ガスの出口部にかけて、前記Crを含んでなる触媒に対する前記Cuを含んでなる触媒の比率を相対的に増加させた触媒配置とすることにより、高効率に反応を促進させ、前記改質触媒全体での触媒量を低減させ、耐久性を向上させると共に、改質器をコンパクトとすることができる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の燃料改質装置を用いた燃料電池システムについて、図11を参照して説明する。
図11は、PEFC型燃料電池システムを示す概念図である。燃料改質装置の構成は、本発明の第1の実施形態による燃料改質装置と同様であるため、ここでは説明は省略する。
図11に示すように、本実施形態に係るPEFC型燃料電池の発電システム(PEFC発電システム)1000は、燃料ガス1001を供給する燃料極1002−1と、空気1003を供給する空気極1002−2と、冷媒1004を供給して作動時の電気化学反応に伴う発生熱を除去する冷却部1002−3とからなる燃料電池1002と、燃料極1002−1に供給する燃料ガス1001を原燃料1005から改質する燃料改質装置1006とを具備してなり、燃料極1002−1に供給した燃料により発電されて、燃料電池1002から直流電力1020を得ている。この発電システム1000は、図示しない制御システムにより、燃料電池の起動、発電、停止及び警報・保護を全自動で行うようにしている。
前記原燃料1005は、燃料改質装置1006にて改質される。ここで、前記原燃料1005の改質は、主として改質器1006−1を構成する改質器本体1006−1Aの改質触媒(耐S改質触媒)における水蒸気改質反応によって行われる。即ち、原燃料1005と水蒸気1009とを混合して改質触媒層に流通させ、改質器バーナ1006−1Bを用いて、例えば700〜800℃の温度で水蒸気改質反応を起こさせることにより行われる。前記改質触媒としては、前述したCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒のCr系触媒等を例示することができる。また、改質された改質ガスは、CO変成触媒部1006−2とCO除去触媒部1006−3とを通過して、燃料ガス1001としている。
また、前記冷媒1004の冷却ラインL1には、例えば水又は空気等を熱交する放熱部1010が設けられており、燃料電池発電における発熱の際に放熱するようにしている。また、本システムでは、前記放熱部1010等のように、前記燃料電池反応に付随して発生する熱を利用して各種の熱源とするようにしている。
図11のシステムにおいて、燃料電池発電の起動時の際には、改質器1006−1を構成する改質器バーナ1006−1Bに原燃料1005を供給して改質器本体1006−1Aを昇温させて、水蒸気改質に適した所定の温度条件とした後、原燃料1005を供給して燃料ガス1001に改質する。その後、燃料ガスはCO変成触媒部1006−2及びCO除去触媒部1006−3を経て、COが除去された燃料ガス1001とされ、燃料極1002−1に供給され、発電が開始される。前記燃料極1002−1からの排出ガスは、未反応ガスを利用するために、改質器バーナ1006−1Bに送られここで燃焼される。
本PEFC型燃料電池の発電システムは、ジメチルエーテル(DME)から水素を得るための触媒として、Crを主成分とした耐熱性のある触媒を用いているため、耐熱性が向上し、触媒の耐久性を向上させ高温でも安定した改質触媒活性を維持することが可能となり、副生成物も少ない安定且つ信頼性の高い燃料電池システムを提供することができる。
以下、本発明の効果を示す実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[触媒1〜20の調製方法]
本実施例において用いられる触媒1〜20の触媒の調製方法について説明する。
[Cu−Zn系触媒である触媒1の調製]
先ず、従来法のCu−Zn系触媒である触媒1の調製方法について説明する。その後本発明のCr−Fe系触媒である触媒2〜7、Cr−Zn系触媒である触媒8〜20の調製方法について説明する。
炭酸ナトリウム2.5mol%を水2Lに溶解させ、60℃に保温したアルカリ溶液を溶液Aとした。次に硝酸アルミニウム0.015mol及び硝酸亜鉛0.225molを水400mlに溶解させ、60℃に保温した酸性溶液を溶液Bとした。また、硝酸銅0.3molを水400mlに溶かして60℃に保温した酸性溶液を溶液Cとした。
まず、攪拌しながら溶液Aに溶液Bを30分にわたり均一に滴下し、沈殿生成液Dを得た。次に、溶液Cを前記沈殿生成液Dに30分にわたり均一に滴下し、アルミニウム、亜鉛及び銅を含有した沈殿生成液Eを得た。
前記沈殿生成液Eを、2時間そのまま攪拌することにより熟成を行い、次に沈殿生成液Eの沈殿物をろ過した。沈殿物についてはろ液からNaイオン、NOイオンが検出されないように、十分に洗浄した後、100℃で24時間乾燥した。その後、300℃で3時間焼成することにより銅、亜鉛、アルミニウムの酸化物からなる触媒粉末を得た。この触媒粉末をCu−Zn系触媒である触媒粉末1とした。
前記触媒粉末1と比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型し、Cu−Zn系触媒である触媒1を得た。
[Cr−Fe系触媒である触媒2〜7の調製]
本発明のCr−Fe系触媒である触媒2〜7、Cr−Zn系触媒である触媒8〜20の調製方法について説明する。
最初に、Cr−Fe系触媒である触媒2〜7の調製方法について説明する。
まず、Cr−Fe系触媒である触媒2の調製方法について説明する。
前記のアルカリ溶液の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.08mol、硝酸鉄(II)0.3mol及び硝酸クロム0.3molを、水600mlに溶解させ、40℃に保温した酸性溶液を溶液Fとした。
そして、攪拌しながら溶液Aに溶液Fを30分にわたり均一に滴下し、沈殿生成液Gを得た。得られた沈殿生成液Gを、2時間そのまま攪拌することにより熟成を行って、沈殿生成液Gの沈殿物をろ過した。
次に、沈殿物についてはろ液からNaイオン、NOイオンが検出されないように、十分に洗浄した後、100℃で24時間乾燥した。その後、500℃で3時間焼成することにより鉄、クロム及びアルミニウムの酸化物からなる触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末2とした。
前記触媒粉末2と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Fe系触媒である触媒2とした。
次に、Cr−Fe系触媒である触媒3の調製方法について説明する。
触媒2の調製方法で用いた前記の溶液Fとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.07mol、硝酸鉄(II)0.5mol及び硝酸クロム0.25molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末2を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末3とした。
前記触媒粉末3と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを30wt%対70wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Fe系触媒である触媒3とした。
次に、Cr−Fe系触媒である触媒4の調製方法について説明する。
触媒2の調製方法で用いた前記の溶液Fとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.05mol、硝酸鉄(II)0.4mol及び硝酸クロム0.1molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末2を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末4とした。
前記触媒粉末4と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを70wt%対30wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Fe系触媒である触媒4とした。
次に、Cr−Fe系触媒である触媒5の調製方法について説明する。
触媒2の調製方法で用いた前記の溶液Fとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.05mol、硝酸鉄(II)0.6mol及び硝酸クロム0.07molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末2を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末5とした。
前記触媒粉末5と前記比表面積が250m2/g、のγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後転動造粒により直径3mmの球状に成型した。この触媒をCr−Fe系触媒である触媒5とした。
次に、Cr−Fe系触媒である触媒6の調製方法について説明する。
触媒2の調製方法で用いた前記の溶液Fとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸鉄(II)0.6mol及び硝酸クロム0.03molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末2を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末6とした。
前記触媒粉末6と前記比表面積が250m2/g、のγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後転動造粒により直径3mmの球状に成型した。この触媒をCr−Fe系触媒である触媒6とした。
次に、Cr−Fe系触媒である触媒7の調製方法について説明する。
触媒2の調製方法で用いた前記の溶液Fとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸鉄(II)0.6mol及び硝酸クロム0.07molを、水600mlに溶解した酸性溶液を得た。この酸性溶液を蒸発皿で200℃に加熱しながら蒸発乾固した。得られた粉末を500℃で3時間焼成することにより触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末7とした。
前記触媒粉末7と比表面積が180m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。この等量混合したもの100gを、ベーマイトゾル(AlOOH)22ml(AlOOH換算2.2g)及び水750mlと混合した。その後、ボールミルにてスラリー化した。前記のスラリーを100cpsiのコージェライト製ハニカム基材に基材重量に対して120%重量コートした。この触媒をCr−Fe系触媒である触媒7とした。
[Cr−Zn系触媒である触媒8〜13の調製]
次に、Cr−Zn系触媒である触媒8〜13の調製方法について説明する。
まず、Cr−Zn系触媒である触媒8の調製方法について説明する。
1Nアンモニア水1.5Lを60℃に保温した溶液に硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸亜鉛0.3mol及び硝酸クロム0.3molを水600mlに溶解させ、40℃に保温した酸性溶液を溶液Hとした。
そして、攪拌しながら溶液Aに溶液Hを30分にわたり均一に滴下し沈殿生成液Iを得た。得られた沈殿生成液Iを、2時間そのまま攪拌することにより熟成を行って、沈殿生成液Iの沈殿物をろ過した。
次に、沈殿物についてはろ液からNaイオン、NOイオンが検出されないように、十分に洗浄した後、100℃で24時間乾燥した。その後、500℃で3時間焼成することにより亜鉛、クロム及びアルミニウムの酸化物からなる触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Zn系である触媒粉末8とした。
前記触媒粉末8と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒8とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒9の調製方法について説明する。
触媒8の調製方法で用いた前記の溶液Hとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸亜鉛0.2mol及び硝酸クロム0.6molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末8を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Zn系触媒である触媒粉末9とした。
前記触媒粉末9と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを30wt%対70wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒9とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒10の調製方法について説明する。
触媒8の調製方法で用いた前記の溶液Hとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸亜鉛0.4mol及び硝酸クロム0.2molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末8を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Zn系触媒である触媒粉末10とした。
前記触媒粉末10と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを70wt%対30wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒10とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒11の調製方法について説明する。
触媒8の調製方法で用いた前記の溶液Hとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸亜鉛0.35mol及び硝酸クロム0.15molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末8を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Zn系触媒である触媒粉末11とした。
前記触媒粉末11と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後転動造粒により直径3mmの球状に成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒11とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒12の調製方法について説明する。
触媒8の調製方法で用いた前記の溶液Hとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウムの代わりに硝酸コバルト0.08mol、硝酸亜鉛0.35mol及び硝酸クロム0.15molを、水600mlに溶解させた酸性溶液を用いた。その後の触媒粉末の調製方法は、触媒粉末8を調製した方法と同様に操作して触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Zn系触媒である触媒粉末12とした。
前記触媒粉末12と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。その後転動造粒により直径3mmの球状に成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒12とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒13の調製方法について説明する。
触媒8の調製方法で用いた前記の溶液Hとして、前記の溶液Aに、硝酸アルミニウム0.01mol、硝酸亜鉛0.4mol及び硝酸クロム0.2molを、水600mlに溶解した酸性溶液を得た。この酸性溶液を蒸発皿で200℃に加熱しながら蒸発乾固した。得られた粉末を500℃で3時間焼成することにより触媒粉末を得た。この触媒粉末をCr−Fe系触媒である触媒粉末13とした。
前記触媒粉末13と前記比表面積が180m2/gのγ−Al23粉末とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した。この等量混合したもの100gを、ベーマイトゾル(AlOOH)25ml(AlOOH換算2.5g)及び水750mlと混合した。その後、ボールミルにてスラリー化した。前記のスラリーを100cpsiのコージェライト製ハニカム基材に基材重量に対して120%重量コートした。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒13とした。
[Cr−Zn系触媒である触媒14〜17の調製]
次に、Cr−Zn系触媒である触媒14〜17の調製方法について説明する。
まず、Cr−Zn系触媒である触媒14の調製方法について説明する。
前記触媒粉末8と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを20wt%対80wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒14とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒15の調製方法について説明する。
前記触媒粉末8と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを40wt%対60wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒15とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒16の調製方法について説明する。
前記触媒粉末8と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを66wt%対34wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒16とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒17の調製方法について説明する。
前記触媒粉末8と前記比表面積が250m2/gのγ−Al23粉末とを80wt%対20wt%の割合で混合した。その後打錠成型機を用いて直径及び高さが3mmのタブレットに成型した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒17とした。
[Cr−Zn系触媒である触媒18〜20の調製]
次に、Cr−Zn系触媒である触媒18〜20の調製方法について説明する。
まず、Cr−Zn系触媒である触媒18の調製方法について説明する。
触媒8の調製方法において、触媒粉末8の焼成温度を400℃に変えたこと以外は触媒9の調製方法と同様にして触媒を作成した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒18とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒19の調製方法について説明する。
前記触媒8の調製方法において、触媒粉末8の焼成温度を600℃に変えたこと以外は触媒8の調製方法と同様にして触媒を作成した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒19とした。
次に、Cr−Zn系触媒である触媒20の調製方法について説明する。
前記触媒8の調製方法において、触媒粉末8の焼成温度を700℃に変えたこと以外は触媒8の調製方法と同様にして触媒を作成した。この触媒をCr−Zn系触媒である触媒20とした。
以上、上述のようにCu−Zn系触媒が触媒1に該当し、Cr−Fe系触媒が触媒2〜7に該当し、Cr−Zn系触媒が触媒8〜20に該当する。
ここで、前記各触媒1〜20の触媒成分、焼成温度、調製方法、及びX線回折法によるCr−Zn−Feの結晶子径についてまとめた結果を下記表1に示す。
Figure 2007280727
また、表1に示す各触媒1〜20に用いた触媒粉末1〜13の粉末成分(Cr,Zn,Fe,Co,Al)を下記表2に示す。
即ち、Cu−Znを成分に含む触媒が触媒粉末1に該当し、Cr−Feを成分に含む触媒が触媒粉末2〜7に該当し、Cr−Znを成分に含む触媒が触媒粉末8〜13に該当する。
Figure 2007280727
[実施例1−1〜1−16及び比較例1−1〜1−4の性能試験結果]
内径25mmの管型反応器に触媒を50cc充填した。反応器の周りを電気ヒーターで被覆し触媒層温度を制御できるようにした装置を用いて、触媒入口温度を350℃に制御した。その後、ジメチルエーテル650cc/min、水蒸気2600cc/min、Air 910cc/minを流通し、2時間安定させて、触媒層入口から出口までの温度分布を測定した。さらに、触媒出口での反応ガス組成をFID(Flame Ionization Detector)検出器型ガスクロマトグラフで測定し、下記数式(I)よりDME改質率を算出した。
DME改質率(%)=1−(触媒出口DME量(mol/h))/(触媒入口DME量(mol/h))×100 ・・・(I)
触媒耐久性については、前記条件で反応を100時間保持し、DME改質初期と100時間改質後のDME改質率(%)、メタン濃度(%)及びメタノール濃度(%)を測定して、触媒性能として初期性能及び初期耐久性の低下の有無を判断した。
尚、以下の実施例2乃至4においても同様に、DME改質初期と100時間改質後のDME改質率(%)、メタン濃度(%)及びメタノール濃度(%)を測定して、触媒性能として初期性能及び初期耐久性の低下の有無を判断して、触媒性能の有無を判断した。
ここで、本実施例では、Cr−Fe系触媒の触媒2〜7を用いて実施例1−1〜1−6の操作を行った。また、Cr−Zn系触媒のDME改質率(%)触媒8〜17を用いて実施例1−7〜1−16の操作を行った。また、比較例として従来のCu−Zn系触媒の触媒1を用いて比較例1−1の操作を行った。また、Cr−Zn系触媒の触媒18〜20を用いて比較例1−2〜1−4の操作を行った。
尚、実施例1−13〜1−16では、触媒粉末8とγ−Al23とを混合した割合を変えたCr−Zn系触媒の触媒14〜17を用いて行った。
また、比較例1−2〜1−4では、触媒の焼成温度を変えたCr−Zn系触媒の触媒18〜20を用いて行った。
Cr−Zn系触媒の比較例1−1と、Cr−Fe系触媒の実施例1−1〜実施例1−6と、Cr−Zn系触媒の実施例1−7〜1−16と、Cr−Zn系触媒の比較例1−2〜4における触媒性能として、初期性能及び初期耐久性を下記表3に示す。
Figure 2007280727
表3より、DME改質性能については、Cr−Fe系触媒の実施例1−1〜実施例1−6と、Cr−Zn系触媒の実施例1−7〜1−12と、Cr−Zn系触媒の比較例1−2〜1−4では、DME改質率(%)はDMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とではほとんど変化が見られなかった。
一方、Cu−Zn系触媒の比較例1−1では、DMEを100時間改質した後のDME改質率(%)はDMEを改質する前と比べて極端に下がった。
この結果より、改質触媒としてCr−Fe系触媒、Cr−Zn系触媒を用いた場合には、DMEを安定して改質することができることが確認された。
また、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)については、Cr−Fe系触媒の実施例1−1〜1−6と、Cr−Zn系触媒の実施例1−7〜1−12と、Cr−Zn系触媒の比較例1−2〜1−4では、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)は共にDMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とではほとんど変化が見られなかった。
一方、Cu−Zn系触媒の比較例1−1では、DMEを100時間改質した後のメタノール濃度(%)はDMEの改質初期と比べて極端に上昇した。
この結果より、改質触媒としてCr−Fe系触媒、Cr−Zn系触媒を用いた場合には、メタン、メタノールなどの発生を抑制することができることが確認された。
また、触媒粉末とγ−Al23とを混合した割合については、触媒粉末とγ−Al23とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合したCr−Fe系触媒の実施例1−1及び実施例1−4〜1−6と、触媒粉末3とγ−Al23とを30wt%対70wt%の割合(等量)で混合したCr−Fe系触媒の実施例1−2と、触媒粉末4とγ−Al23とを70wt%対30wt%の割合(等量)で混合したCr−Fe系触媒の実施例1−3と、触媒粉末とγ−Al23とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合したCr−Zn系触媒の実施例1−7及び実施例1−10〜1−12と、触媒粉末9とγ−Al23とを30wt%対70wt%の割合(等量)で混合したCr−Zn系触媒の実施例1−8と、触媒粉末10とγ−Al23とを70wt%対30wt%の割合(等量)で混合したCr−Zn系触媒の実施例1−9と、Cr−Zn系触媒の比較例1−2〜1−5とでは、DME改質率(%)はDMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とではほとんど変化が見られなかった。
一方、触媒粉末8とγ−Al23とを20wt%対80wt%の割合で混合したCr−Zn系触媒の実施例1−13では、他のCr−Fe系触媒の実施例1−1〜1−6、Cr−Zn系触媒の実施例1−7〜実施例1−12の触媒よりDME改質率(%)が低くなった。
また、触媒粉末8とγ−Al23とを80wt%対20wt%の割合で混合したCr−Zn系触媒の実施例1−16においては、他のCr−Fe系触媒の実施例1−1〜実施例1−6、Cr−Zn系触媒の実施例1−7〜1−12の触媒よりMeOHの改質性能が低くなった。
この結果より、触媒粉末の全重量に対する重量比が低い場合にはDME改質率(%)が低くなることが分かった。また、触媒粉末の全重量に対する重量比が高い場合にはMeOHの改質性能が低くなることが確認された。
よって、触媒粉末の全重量に対する重量比は20〜80wt%の範囲であることが好ましいことが確認できた。
また、Cr粒子径については、Cr−Fe系触媒の実施例1−1〜実施例1−6と、Cr−Zn系触媒の実施例1−7〜実施例1−16とでは、DME改質率(%)はDMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とではほとんど変化が見られなかった。
一方、Cr−Zn系触媒の比較例1−2では、DMEを100時間改質した後のDME改質率(%)はDMEの改質初期と比べて極端に下がった。
また、Cr−Zn系触媒の比較例1−3、1−4では、DME改質率(%)が低くなった。
この結果より、Cr−Zn系触媒の比較例1−2のように、Cr粒子径が5nm以下の大きさでは、DME改質率(%)はDMEの改質初期の初期活性は高いが、耐熱性が低くDMEを100時間改質した後では活性が急激に下がることが確認された。
また、Cr−Zn系触媒の比較例1−3、1−4のようにCr粒子径が大きい場合には、DME改質率(%)はDMEの改質初期の初期活性が低くなることが確認された。
よって、Cr−Fe系触媒及びCr−Zn系触媒のCr粒子径は平均して10nm程度であることが好ましいことが確認された。
本実施例によれば、前記のように改質触媒として耐熱性の高いCr−Fe系触媒、Cr−Zn系触媒を配置することにより、DMEを安定して改質できる燃料改質装置とすることができる。
[実施例2−1〜2−12及び比較例2−1、2−2の触媒の配置方法]
本実施例及び比較例では、管型反応器のガス流れ前流の高温と、ガス流れ後流の低温となる部分の2つに分けて、Cr−Fe系触媒、Cr−Zn系触媒、Cu−Zn系触媒の何れかの触媒を配置した。
ここで、実施例2−1〜2−6では、管型反応器のガス流れ前流の高温となる部分にはCr−Fe系触媒である触媒2〜7をそれぞれ用いると共に、ガス流れ後流の低温となる部分には全てCu−Zn系触媒である触媒1を用いた。
また、実施例2−7〜2−12では、管型反応器のガス流れ前流の高温となる部分にはCr−Zn系触媒である触媒8〜13をそれぞれ用いる共に、ガス流れ後流の低温となる部分には全てCu−Zn系触媒である触媒1を用いた。
また、比較例2−1、2−2では、ガス流れ前流の高温となる部分にはCu−Zn系触媒である触媒1と、Ru系触媒をそれぞれ用いる共に、ガス流れ後流の低温となる部分には全てCu−Zn系触媒である触媒1を用いた。
尚、本実施例で用いた管型反応器は内径25mmである。触媒全体での触媒長さで150mmになるように充填した。
前記のように触媒を配置して操作を行った実施例2−1〜2−12及び比較例2−1、2−2の触媒の配置方法を表4に示す。
Figure 2007280727
[実施例2−1〜2−12、及び比較例2−1、2−2の性能試験結果]
ガス流れ前流の高温となる部分にCr−Fe系触媒である触媒2〜7のいずれかの触媒を用い、ガス流れ後流の低温となる部分にはCu−Zn系触媒である触媒1を用いた実施例2−1〜2−6における触媒性能を下記表5に示す。
またガス流れ前流の高温となる部分にCr−Zn系触媒である触媒8〜13のいずれかの触媒を用い、ガス流れ後流の低温となる部分にはCu−Zn系触媒である触媒1を用いた実施例2−7〜2−12における触媒性能についても下記表5に示す。
又、ガス流れ前流、後流のいずれにもCu−Zn系触媒である触媒1を用いた比較例2−1と、ガス流れ前流の高温となる部分にRu系触媒を用いた触媒の比較例2−2における触媒性能についても下記表5に示す。
Figure 2007280727
表5より、DME改質率(%)については、ガス流れ前流の高温となる部分にCr−Fe系触媒である触媒2〜7又はCr−Zn系触媒である触媒8〜13を用いた実施例2−1〜実施例2−12では、DME改質率(%)はDMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とは数%下がる程度であった。
一方、ガス流れ前流と後流にCu−Zn系触媒である触媒1を配置した比較例2−1では、DMEを100時間改質した後のDME改質率(%)はDMEの改質初期と比べて極端に下がった。
またガス流れ前流の高温となる部分にRu系触媒を用いた比較例2−2では、DME改質率(%)は高い値であった。
よって、ガス流れ前流の高温部には耐熱性の高いCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、後流の低温部にCu−Zn系触媒を配置することにより、DMEを安定して改質することができることが確認された。
また、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)については、ガス流れ前流の高温となる部分にCr−Fe系触媒である触媒2〜7又はCr−Zn系触媒である触媒8〜13を配置した実施例2−1〜実施例2−12では、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)はほとんど変化が見られなかった。
一方、ガス流れ前流と後流にCu−Zn系触媒である触媒1を配置した比較例2−1では、メタノール濃度(%)がDMEを100時間改質した後では極端に上昇した。
また、ガス流れ前流の高温となる部分にRu触媒を用いた触媒の比較例2−2では、DMEを100時間改質した後もDMEを改質する前と同様、メタン濃度(%)が高かった。
よって、ガス流れ前流の高温部にCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、後流の低温部にCu−Zn系触媒を配置することにより、メタン、メタノール等の副生成物の発生を抑制できることが確認された。
次に、図12−1は、ガス流れ前流の高温部に耐熱性の高いCr−Fe系触媒である触媒2を配置し、後流の低温部にCu−Zn系触媒である触媒1を配置して操作を行った実施例2−1の触媒層長さと触媒層温度との関係を示した図である。
図12−1より、DMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とではほとんど変化しなかった。
この結果より、改質触媒としてガス流れ前流の高温部にCr−Fe系触媒である触媒2を配置し、後流の低温部にCu−Zn系触媒である触媒1を配置して行った実施例2−1の触媒は、DMEを100時間改質した後でも劣化していないのが確認できた。
一方、図12−2は、ガス流れ前流の高温部、後流の低温部にCu−Zn系触媒である触媒1を配置した比較例2−1の触媒層長さと触媒層温度との関係を示した図である。
図12−2より、比較例2−1の触媒の前方部でDMEを100時間改質した後の温度がDME改質初期よりも下がった。
よって、改質触媒としてCu−Zn系触媒である触媒1のみを配置した場合には、DMEを100時間改質した後では、Cu−Zn系触媒は劣化して、安定してDMEを改質できないことが確認できた。
よって、ガス流れ前流の高温部に耐熱性の高いCr−Fe系触媒を配置し、後流の低温部にCu−Zn系触媒を配置した改質触媒を用いることにより、耐久性があり安定してDMEを改質できる。
本実施例によれば、ガス流れ前流の高温部に耐熱性の高いCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒を配置し、後流の低温部にCu−Zn系触媒を配置することにより、DMEを安定して改質できると共に、メタン、メタノール等の副生成物の発生を抑制できる燃料改質装置とすることができる。
[実施例3−1、3−2の触媒の配置方法]
本実施例では、高温側から低温側に温度に応じてCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒、とCu−Zn系触媒の比率を変えた触媒を複数個配置した。
実施例3−1では、Cr−Fe系触媒である触媒2と、Cu−Zn触媒である触媒1との比率を変えた触媒を5つ作成し、実施例2の管型反応器の反応層にガス流れ方向に対し5分割して配置した。
即ち、1分割目(0〜30mm)の高温となる部分ではCr−Fe系触媒である触媒2の比率を100%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を0%とした。
また、2分割目(30〜60mm)では、Cr−Fe系触媒である触媒2の比率を75%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を25%とした。
また、3分割目(60〜90mm)では、Cr−Fe系触媒である触媒2の比率を50%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を50%とした。
また、4分割目(90〜120mm)では、Cr−Fe系触媒である触媒2の比率を25%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を75%とした。
また、5分割目(120〜150mm)では、Cr−Fe系触媒である触媒2の比率を0%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を100%とした。
また、実施例3−2では、Cr−Zn系触媒である触媒8と、Cu−Zn触媒である触媒1を用いて、実施例3−1と同様にして操作を行った。
即ち、1分割目(0〜30mm)の高温となる部分ではCr−Zn系触媒である触媒8の比率を100%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を0%とした。
また、2分割目(30〜60mm)では、Cr−Zn系触媒である触媒8の比率を75%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を25%とした。
また、3分割目(60〜90mm)では、Cr−Zn系触媒である触媒8の比率を50%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を50%とした。
また、4分割目(90〜120mm)では、Cr−Zn系触媒である触媒8の比率を25%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を75%とした。
また、5分割目(120〜150mm)では、Cr−Zn系触媒である触媒8の比率を0%とし、Cu−Zn触媒である触媒1の比率を100%とした。
尚、ト−タルの触媒の充填量は触媒長さで150mmとした。
前記のように配置した実施例3−1、3−2の触媒の配置方法を下記表6に示す。
Figure 2007280727
[実施例3−1、3−2の性能試験結果]
Cr−Fe触媒である触媒2の比率とCu−Zn触媒である触媒1の比率を変えた触媒を5つ作成し、反応層にガス流れ方向に対し5分割して配置して行った実施例3−1と、
Cr−Zn系触媒である触媒8の比率とCu−Zn触媒である触媒1の比率を変えた触媒を5つ作成し、反応層にガス流れ方向に対し5分割して配置して行った実施例3−2における触媒性能を下記表7に示す。
Figure 2007280727
表7より、DME改質率(%)については、実施例3−1、3−2のいずれもDMEの改質初期とDMEを100時間改質した後とではほとんど変わらず同じ値であった。
また、実施例3−1、3−2のいずれも高いDME改質率(%)を示したことから、Cr−Fe系触媒、Cr−Zn系触媒のいずれのCr系触媒も用いることができることが確認できた。また、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)については、メタン、メタノールの濃度変化も見られなかった。
よって、ガス流れ前流の高温部となる部分に耐熱性のあるCr−Fe系触媒又はCr−Zn系触媒の比率を高くし、ガス流れ後流になるに従いCu−Zn系触媒の比率を高くするように触媒を配置することにより、DMEを高効率で安定して改質できることが確認された。
本実施例によれば、高温側に耐熱性のあるCr系触媒の比率を高くし、ガス流れ後流になるに従いCu系触媒の比率を高くするような触媒組成とすることにより、DMEを高効率で安定して改質できる燃料改質装置とすることができる。
[実施例4の触媒の配置方法]
本実施例では、触媒層の入口部の高温側にDME加水分解活性の高いγ−Al23の比率を高くした触媒を配置して、ガス流れ後流になるに従いγ−Al23の含有比率を低くすると共にCr−Zn系触媒の比率を高くした触媒をガス流れ前流から後流にかけて5つ配置した。また、本実施例では実施例2の管型反応器と同様の管型反応器を用いた。
即ち、管型反応器の触媒層をガス流れ方向に対し5分割し、1分割目(0〜30mm)の高温となる部分に触媒粉末8とγ−Al23とを20wt%対80wt%の割合で混合した触媒14を用いた。2分割目(30〜60mm)に触媒粉末8とγ−Al23とを40wt%対60wt%の割合で混合した触媒15を用いた。3分割目(60〜90mm)に触媒粉末8とγ−Al23とを50wt%対50wt%の割合(等量)で混合した触媒8を用いた。4分割目(90〜120mm)に触媒粉末8とγ−Al23とを66wt%対34wt%の割合で混合した触媒16を用いた。5分割目(120〜150mm)に触媒粉末8とγ−Al23とを80wt%対20wt%の割合で混合した触媒17を用いた。
尚、ト−タルの充填量は触媒長さで150mmとした。
前記のようにして配置した実施例4−1の触媒の配置方法を下記表8に示す。
Figure 2007280727
[実施例4−1の性能試験結果]
γ−Al23の含有比率を変えた触媒を管型反応器の触媒層に5分割して配置した実施例4−1における触媒性能を下記表9に示す。
Figure 2007280727
表9より、γ−Al23の含有比率を変えた触媒を複数個傾斜配置した触媒では、DMEの改質初期とDMEを100時間改質した後ではDME改質率(%)がほとんど変わらず、DME改質率(%)が高かった。
また、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)についても、DMEの改質初期とDMEを100時間改質した後ではほとんど変わらず、メタン濃度(%)、メタノール濃度(%)は低かった。
よって、高温且つDME濃度の高い触媒層前流部にDME加水分解活性の高いγ−Al23を多く含む触媒を用い、低温の後流部にメタノール脱水性能の高いCr−Zn系を多く含む触媒を用いることにより、効率的にDMEを改質することを可能とすることができた。
本実施例によれば、γ−Al23の含有比率を変えた触媒を複数個傾斜配置とすることにより、効率的にDMEを改質することができると共に、改質器をコンパクトとした燃料改質装置とすることができる。
以上のように、本発明に係る燃料改質装置及び燃料電池システムは、前記触媒配置にすることにより、耐熱性と低温改質活性の両者の触媒の利点を併せ持つ燃料改質装置とすることができ、改質性能が高く、安定した改質器とすることができる。
本発明の第1の実施形態にかかる燃料改質装置の概略構成を示す図である。 第1の実施形態における改質触媒の配置構成と温度との関係を示す図である。 Cr含有率(mol%)とDME改質率(%)との関係を示す図である。 第2の実施形態における改質触媒の配置構成と温度との関係を示す図である。 Cr−Zn系触媒とCu−Zn系触媒における温度とDME改質率(%)との関係を示す図である。 第2の実施形態における改質触媒の触媒容積比とDME改質率(%)との関係を示す図である。 第3の実施形態における改質触媒の配置構成を示す概略図である。 第3の実施形態における改質触媒の触媒容積比とDME改質率(%)との関係を示す図である。 第4の実施形態における改質触媒の配置構成を示す概略図である。 第5の実施形態における改質触媒の配置構成を示す概略図である。 PEFC型燃料電池システムを示す概念図である。 実施例2−1の触媒層長さと触媒温度との関係を示した図である。 比較例2−1の触媒層長さと触媒温度との関係を示した図である。 従来の燃料改質装置の触媒長さ方向と温度との関係を示す図である。
符号の説明
10 燃料改質装置
11 原燃料(DME)
11a 入口部
12 改質器本体
12a 改質触媒
13 改質ガス
13b 出口部
14 CO変成触媒部
15 燃料ガス
16 CO除去触媒部
17 管型反応器
18 CO触媒部
19 Cu系触媒部
20 Al23触媒部

Claims (8)

  1. 燃料電池用の炭化水素系の原燃料を燃料ガスに改質触媒により改質する改質器と、
    改質された燃料ガス中のCOを変成するCO変成触媒部と、
    COを変成した後に残留するCOを除去するCO除去触媒部とを具備する燃料改質装置において、
    前記原燃料がジメチルエーテル(DME)であり、
    前記改質触媒がCrを含んでなることを特徴とする燃料改質装置。
  2. 請求項1において、
    前記改質触媒が、前記原燃料の入口部側に前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部と、
    前記改質器の出口部側にCuを含んでなるCu系触媒が配置されるCu系触媒部とからなることを特徴とする燃料改質装置。
  3. 請求項2において、
    前記改質触媒が、前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Crを含んでなるCr系触媒に対する前記Cuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなることを特徴とする燃料改質装置。
  4. 請求項1において、
    前記改質触媒が、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23系触媒部と、前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部とを有し、
    前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Al23を含んでなるAl23系触媒に対する前記Crを含んでなるCr系触媒の比率を相対的に増加させてなることを特徴とする燃料改質装置。
  5. 請求項1において、
    前記改質触媒が、Al23を主成分とするAl23系触媒が配置されるAl23系触媒部と、前記Crを含んでなるCr系触媒が配置されるCr系触媒部と、Cuを含んでなるCu系触媒が配置されるCu系触媒部とを有し、
    前記原燃料の入口部に前記Al23系触媒部を配置してなると共に、
    前記原燃料の入口部から出口部にかけて、前記Crを含んでなるCr系触媒に対する前記Cuを含んでなるCu系触媒の比率を相対的に増加させてなることを特徴とする燃料改質装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    前記改質触媒が、Cr−Zn系触媒、又はCr−Fe系触媒のいずれか一種、又はこれらの組み合わせであることを特徴とする燃料改質装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
    前記Cuを含んでなるCu系触媒が、Cu−Zn系触媒であることを特徴とする燃料改質装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
    前記改質触媒が、Zn、又はFeの他にMn、Co、Gaのいずれかを含んでなることを特徴とする燃料改質装置。
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