JP2007278752A - 物体表面検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被検査体の表面を迅速かつ容易に検査するための物体表面検査装置を提供する。
【解決手段】軌道部Gを転動するための転動面を有する被検査体Bの表面の状態を検査する物体表面検査装置であって、被検査体の表面全体を複数に分割した各分割表面B1a〜B1fの状態を、それぞれ個別に検査する複数の二次元イメージセンサSが備えられており、各二次元イメージセンサによる検査結果を組み合わせて判別することで、当該被検査体の表面全体の状態を検査している。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、転がり軸受の転動体として用いられる玉やころなど、所定の転動面を有する被検査体の表面の状態を検査するための物体表面検査装置に関する。
従来から、例えば、所定の回転軸を軸支する転がり軸受の軌道輪間に組み込まれ、当該軌道輪間を転動する転動体として、玉が適用されている。このような転がり軸受においては、玉が軌道輪間を長期に亘って滑らかに転動することで、軸支する回転軸を安定して高精度に回転させ続けることができる。したがって、玉の表面(転動面)に傷などが生じている場合、当該玉は、軌道輪に形成された軌道面を滑らかに転動することができず、例えば、転がり軸受がガタつき、結果として、回転軸を安定して回転させることができなくなってしまう場合がある。また、表面(転動面)に傷などが生じている玉が軌道輪の軌道面を転動すると、例えば、軌道面にクラックやフレーキングなどが生じ、結果として、回転時に転がり軸受から異音が生じてしまう場合がある。
このような不都合を回避するため、転がり軸受を製造する際、軌道輪間に転動体としての玉を組み込む前に、当該玉の表面の状態を検査し、傷などが生じていないことを確認する必要がある。かかる検査に当たって、従来から各種の検査装置が利用されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、特許文献1には、玉を回転させるための回転機構(ローラなど)と、当該玉の表面に光を照射する投光機構(ランプなど)と、照射した光が当該玉の表面に当たって反射する際、その反射光を検知する検知機構(光学センサなど)とを備えた検査装置が一例として開示されている。かかる検査装置においては、検査対象となる玉をローラにより回転させ、回転している玉の表面に対してランプから光を照射している。そして、照射光が玉の表面で反射する際の反射光を光学センサで検知し、当該反射光の反射状態の変化を検出することで、当該玉の表面に傷が発生しているか否かを判別している。
また、例えば、特許文献2には、上述した特許文献1と同様に、回転機構、投光機構及び検知機構を備えた検査装置が一例として開示されている。なお、回転機構としては、玉を上方へ噴出する圧搾空気の気流によって所定の位置に浮上させて保持し、当該玉に対して回転磁界を作用させて回転させる手段が適用されている。また、投光機構と検知機構は、1つの光学式検査部に設けられている。かかる検査装置においては、検査対象となる玉を圧搾空気の気流によって上方の所定位置に浮上させて保持し、回転磁界により回転させるとともに、当該玉の回転軸を任意に変化させ、回転している玉に対して、そのさらに上方に設置された光学式検査部からビーム光を照射している。そして、照射光が玉の表面で反射する際の反射光を光学式検査部で検知し、当該反射光の反射状態の変化を検出することで、当該玉の表面に傷が発生しているか否かを判別している。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2において開示された検査装置においては、検査に当たり、検査対象となる玉を一定の位置に回転させた状態で保持する必要がある。また、検査対象となる玉の表面全体を検査するためには、当該玉の回転軸を任意の方向に変化させる必要がある。このため、検査対象となる玉を1つずつ所定位置に回転状態のまま保持させるローディング作業、及び検査終了時に検査後の玉を当該所定位置から移動させるためのアンローディング作業が必要となり、検査に時間を要してしまう。
特に、大量の玉を検査する場合には、玉のローディング作業及びアンローディング作業を頻繁に繰り返さなければならず、このための時間を余計に要してしまう。また、径が小さく、軽量な玉を検査する場合には、当該玉のローディング作業及びアンローディング作業を高精度に行わなければならず、この場合も同様に、時間を余計に要してしまう。
このように、大量の玉を検査する場合や、小径で軽量な玉を検査する場合において、特許文献1及び特許文献2において開示された検査装置では、検査作業を迅速かつ容易に行うことができない場合がある。
特開昭55−149830号公報 特開平1−206239号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、被検査体の表面を迅速かつ容易に検査するための物体表面検査装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る物体表面検査装置は、軌道部を転動するための転動面を有する被検査体の表面の状態を検査するに当たって、当該被検査体の表面全体を複数に分割した各分割表面の状態を、それぞれ個別に検査する複数の二次元イメージセンサを備えており、各二次元イメージセンサによる検査結果を組み合わせて判別することで、当該被検査体の表面全体の状態を検査している。
この場合、軌道部は、被検査体が転動して所定の回転軸を中心に少なくとも1回転するだけの延出距離を有しており、各二次元イメージセンサは、被検査体が軌道部に導入され、当該軌道部を転動し、当該軌道部から導出されるまでの間に、所定のタイミングで当該被検査体の分割表面の状態をそれぞれ検査している。
なお、軌道部として、2本のレールが配設されている場合、被検査体は、当該2本のレールに沿って転動している。また、軌道部として、軌道溝が形成されている場合、被検査体は、当該軌道溝に沿って転動している。
本発明に係る物体表面検査装置によれば、被検査体を所定距離だけ転動させた状態で、当該被検査体の表面の状態を検査することで、当該被検査体の表面を迅速かつ容易に検査することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る物体表面検査装置について、添付図面を参照して説明する。なお、本発明の物体表面検査装置の検査対象となる被検査体としては、例えば、転がり軸受の転動体として用いられる各種の玉やころなど、当該物体表面検査装置の軌道部を転動するための転動面を有する物体を、任意に選択して適用することができる。ここでは、被検査体として、転動体用の玉などの球体を適用した場合、すなわち、かかる物体表面検査装置によって、球体の表面の状態を検査する場合を一例として想定し、説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る物体表面検査装置が示されている。
かかる物体表面検査装置には、被検査体(球体B)を転動させるための軌道部Gと、当該球体Bの表面全体を複数に分割した各分割表面B1a〜B1fの状態を、それぞれ個別に検査する複数の二次元イメージセンサSとが備えられている。この場合、軌道部Gは、球体Bが転動して所定の回転軸(図1の表裏方向に延出する軸(図示しない))を中心に少なくとも1回転するだけの延出距離を有している。
図1に示す構成においては、軌道部Gとして、2本のレールGを配設した構成がその一例として示されており、球体Bは、各レールGに摺接した状態で、2本のレールGに沿って転動している。なお、図1には、一方のレールGのみを示し、他方のレールGは、その記載を省略する。
この場合、各レールGは、球体Bが上述した回転軸を中心として1回転するために要する長さ、すなわち、当該球体Bの外周の長さよりも大きな所定距離を有して、直線状に延出されている。そして、当該レールGを球体Bの直径(外径)よりも若干小さな間隔(レール幅)を空けて、2本平行するように位置付けることで、軌道部Gが構成されている。
なお、レールGは、直線状に延出していなくともよく、例えば、蛇行して延出させてもよいし、螺旋状に延出させてもよい。また、レールGは、例えば、先端部が基端部の方向へUターンするように延出させてもよい。さらに、レール幅を任意に変更可能な構成とすれば、各種の直径(外径)を成す球体Bの検査に対応することが可能となり、より好ましい。この場合、例えば、一方若しくは双方のレールGを任意に移動可能な可動式の構成としておけばよい。
また、2本のレールGは、一例として、物体表面検査装置の設置面(図示しない)に対して、所定の角度αを成して傾斜して配設されている。これにより、球体BをレールGの上に導入するだけで、その自重により、当該球体BをレールGに沿って転動させることができる。このため、例えば、小径で軽量な球体Bであっても、当該球体BをレールGに沿って、容易に転動させることができる。
この場合、レールGの傾斜角度αの大きさや傾斜方向は、例えば、物体表面検査装置の大きさ、球体Bの大きさ及び重量などに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。なお、球体Bを当該レールGに沿って転動させるための転動機構(圧搾空気の噴出機構や磁界発生機構など)を設けて、球体Bを当該転動機構によって転動させてもよい。また、2本のレールGは、物体表面検査装置の設置面(図示しない)と平行を成して配設してもよいが、この場合には、上記のような所定の転動機構(圧搾空気の噴出機構や磁界発生機構など)を設けて、球体Bを当該レールGに沿って転動させる必要がある。
なお、軌道部Gは、球体Bを転動させることが可能であれば、その構成は、特に限定されず、例えば、上述したようなレール構造の他、所定の溝を有する軌道溝などであってもよい。この場合、当該軌道溝の溝は、例えば、球体Bの径(外径)よりも若干小さな曲率を有する曲線状、相互に対向する一対の壁部と底部とを有する矩形状、及び当該底部を省略した断面視V字状などに構成すればよい。
また、軌道部(レールや軌道溝など)Gの長さは、球体Bが上述した回転軸を中心に少なくとも1回転することが可能な距離以上の長さであれば、特に限定されず、例えば、物体表面検査装置の大きさなどに応じて、任意に設定すればよい。さらにまた、軌道部(レールや軌道溝など)Gの形状、大きさ及び数などは、例えば、物体表面検査装置の大きさや検査対象となる球体Bの大きさなどに応じて任意に設定されるため、ここでは特に限定しない。
また、本実施形態において、物体表面検査装置には、一例として、6個の二次元イメージセンサSが所定位置に配設されている(図1には、4個の二次元イメージセンサSのみを示しているが、これ以外の2個の二次元イメージセンサSは、同図の表裏方向にそれぞれ1個ずつ配設されている)。
この場合、6個の二次元イメージセンサSは、球体Bが2本のレールGに沿って転動する際、当該球体Bの表面を6分割した各分割表面B1a〜B1fと正対可能な所定の位置へ、それぞれ1個ずつ配設されている。
なお、図1に示す構成においては、一例として、球体Bと中心点が同一であり、各頂点が当該球体Bの内部に位置した、当該球体Bよりも若干小さな正六面体の六面方向に沿って当該球体Bを分断することで、その表面を6分割している。このため、球体Bの各分割表面B1a〜B1fは、その縁周部が他の分割表面B1a〜B1fの縁周部と一部重複している。なお、例えば、各分割表面B1a〜B1fの縁周部が重複せず、当該各分割表面B1a〜B1fが均等となるように、球体Bの表面を6分割してもよい。
また、図1に示す構成においては、一例として、4個の二次元イメージセンサSが、球体Bの転動方向(レールGの延出方向(図1の左右方向))に沿って、その上方(図1の上側)へ当該球体Bの分割表面B1a〜B1dと正対可能に配設されているとともに、2個の二次元イメージセンサSがレールGの上を転動する球体Bの回転軸方向(図1の表裏方向)へ、当該レールGを挟んでそれぞれ1個ずつ当該球体Bの分割表面B1e,B1fと正対可能に配設されている。
これにより、各二次元イメージセンサSは、球体BがレールGに沿って転動する際、所定のタイミングで球体Bの各分割表面B1a〜B1fと正対することができる。
6個の二次元イメージセンサSをこのように配設することで、各二次元イメージセンサSは、球体BがレールG上に導入され、当該レールGに沿って転動し、当該レールGから導出されるまでの間(図1において、球体BがレールGの左側から右側まで転動する間)に、所定のタイミングで、6分割された当該球体Bの各分割表面B1a〜B1fの状態をそれぞれ1分割表面B1a〜B1fずつ、個別に検査することができる。
そして、各二次元イメージセンサSによる検査結果、すなわち、球体Bの各分割表面B1a〜B1fの状態(例えば、傷の有無など)を組み合わせて判別することで、当該球体Bの表面全体の状態を検査することが可能となる。
この場合、球体Bの表面全体の状態を確実に検査できているか否か、すなわち、6個の二次元イメージセンサSが、当該球体Bの各分割表面B1a〜B1fの状態を確実に捉えられているか否かは、以下の方法により容易に確認することができる。例えば、各分割表面B1a〜B1fに所定のマークを付した球体B(確認球)を用意し、当該球体BをレールGに沿って転動させた場合に、各二次元イメージセンサSで当該マークを1つずつ確実に読み取ることができるか否かを確認することで、判定すればよい。その際、例えば、位置ずれ、重複及び不鮮明など、マークの読み取り状態が不十分な場合には、該当する二次元イメージセンサの配設位置(例えば、センサ部分の角度など)を調整すればよい。
なお、二次元イメージセンサとしては、例えば、球体Bの各分割表面B1a〜B1fの状態を二次元イメージで撮像し、撮像データを処理するための受光素子と回路素子(電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)等)などを有する各種のセンサを適用すればよい。また、検査に当たっては、球体BがレールGに沿って転動している際に、当該球体Bに対して所定の投光機構(図示しない)などから光を照射してもよい。この場合、照射光によって球体Bの分割表面B1a〜B1f上に生成された陰影の状態などを各二次元イメージセンサSで検知し、当該陰影の濃淡の状態変化などを検出することで、例えば、当該球体Bの分割表面B1a〜B1fに傷などが発生しているか否かを判別するとともに、当該球体Bの表面全体に傷が発生しているか否かを判別することができる。
また、本実施形態においては、球体Bの表面全体の状態を検査した後、すなわち、球体Bが最後の二次元イメージセンサSによるレールG上の検査位置を通過した後、各二次元イメージセンサSの検査結果(例えば、傷の有無など)によって、適正な球体Bと不適正な球体Bとを判別し、自動的に選別している。この場合、例えば、適正な球体Bと不適正な球体Bとで、検査後に両者が転動するルートを自動的に振り分けて、それぞれ別々のレールGを転動するようにしてもよい。また、不適正な球体BのみをレールGから自動的に外して、再検査エリアや廃棄エリアなどに導出し、再検査や廃棄するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態に係る物体表面検査装置によれば、球体BをレールG上に導入して、当該レールGに沿って転動させるだけで、当該球体Bの表面全体の状態を検査することができる。このため、当該検査に要する検査時間を大幅に短縮することができるとともに、極めて容易に検査を行うことができる。また、適正な球体Bと不適正な球体Bとを自動的に選別することも可能となる。
この結果、例えば、小径で軽量な球体Bを大量に検査する場合であっても、各球体Bを所定間隔で連続的にレールG上に導入し、当該レールGに沿って転動させるだけで、当該各球体Bの表面全体を迅速かつ容易に検査することができるとともに、検査結果による球体Bの選別も自動化することができる。
なお、上述した本実施形態においては、一例として、6個の二次元イメージセンサSを設けたが、その数は、検査対象となる球体Bの表面全体の分割数(例えば、球体Bを分断する際に想定する正多面体の面数など)以上であれば特に限定されず、例えば、物体表面検査装置の大きさや検査対象となる球体Bの大きさなどに応じて任意に設定すればよい。
例えば、4個の二次元イメージセンサSを設ける場合、球体Bの表面を4分割した各分割表面の状態を、各二次元イメージセンサSでそれぞれ個別に検査するとともに、その検査結果、すなわち、球体Bの各分割表面の状態(例えば、傷の有無など)を組み合わせて判別することで、当該球体Bの表面全体の状態を検査すればよい。なお、4個の二次元イメージセンサSは、球体Bが2本のレールGに沿って転動する際、当該4つの各分割表面と正対可能な所定の位置に、それぞれ1個ずつ配設すればよい。この場合には、球体Bと中心点が同一であり、各頂点が当該球体Bの内部に位置した、当該球体Bよりも若干小さな正四面体の四面方向に沿って当該球体Bを分断することで、その表面を4分割すればよい。
また、例えば、8個の二次元イメージセンサSを設ける場合、球体Bの表面を8分割した各分割表面の状態を、各二次元イメージセンサSでそれぞれ個別に検査するとともに、その検査結果、すなわち、球体Bの各分割表面の状態(例えば、傷の有無など)を組み合わせて判別することで、当該球体Bの表面全体の状態を検査すればよい。なお、8個の二次元イメージセンサSは、球体Bが2本のレールGに沿って転動する際、当該8つの各分割表面と正対可能な所定の位置に、それぞれ1個ずつ配設すればよい。この場合には、球体Bと中心点が同一であり、各頂点が当該球体Bの内部に位置した、当該球体Bよりも若干小さな正八面体の八面方向に沿って当該球体Bを分断することで、その表面を8分割すればよい。
さらに、図2には、本発明の第2実施形態に係る物体表面検査装置が示されており、かかる物体表面検査装置には、12個の二次元イメージセンサSが所定位置に配設されている(図2には、10個の二次元イメージセンサSのみを示しているが、これ以外の2個の二次元イメージセンサSは、同図の表裏方向にそれぞれ1個ずつ配設されている)。
なお、本実施形態において、配設する二次元イメージセンサSの数、及びその位置以外の基本的な構成は、上述した第1実施形態に係る物体表面検査装置と同様に構成されている。
この場合、12個の二次元イメージセンサSは、球体Bが2本のレールGに沿って転動する際、当該球体Bの表面を12分割した各分割表面B2a〜B2lと正対可能な所定の位置へ、それぞれ1個ずつ配設されている。
なお、図2に示す構成においては、一例として、球体Bと中心点が同一であり、各頂点が当該球体Bの内部に位置した、当該球体Bよりも若干小さな正十二面体の十二面方向に沿って当該球体Bを分断することで、その表面を12分割している。このため、球体Bの各分割表面B2a〜B2lは、その縁周部が他の分割表面B2a〜B2lの縁周部と一部重複している。ただし、例えば、各分割表面B2a〜B2lの縁周部が重複せず、当該各分割表面B2a〜B2lが均等となるように12分割してもよい。
また、図2に示す構成においては、一例として、10個の二次元イメージセンサSが、球体Bの転動方向(レールGの延出方向(図2の左右方向))に沿って、その上方(図2の上側)へ当該球体Bの分割表面B2a〜B2jと正対可能に配設されているとともに、2個の二次元イメージセンサSがレールGの上を転動する球体Bの回転軸方向(図2の表裏方向)へ、当該レールGを挟んでそれぞれ1個ずつ当該球体Bの分割表面B2k,B2lと正対可能に配設されている。
これにより、各二次元イメージセンサSは、球体BがレールGに沿って転動する際、所定のタイミングで球体Bの各分割表面B2a〜B2lと正対することができる。
12個の二次元イメージセンサSをこのように配設することで、各二次元イメージセンサSは、球体BがレールG上に導入され、当該レールG上を転動し、当該レールGから導出されるまでの間(図2において、球体BがレールGの左側から右側まで転動する間)に、所定のタイミングで、12分割された当該球体Bの各分割表面B2a〜B2lの状態をそれぞれ1分割表面B2a〜B2lずつ、個別に検査することができる。
そして、各二次元イメージセンサSによる検査結果、すなわち、球体Bの各分割表面B2a〜B2lの状態(例えば、傷の有無など)を組み合わせて判別することで、当該球体Bの表面全体の状態を検査することが可能となる。
この場合、球体Bの表面全体の状態を確実に検査できているか否か、すなわち、12個の二次元イメージセンサSが、当該球体Bの各分割表面B2a〜B2lの状態を確実に捉えられているか否かは、以下の方法により容易に確認することができる。例えば、各分割表面B2a〜B2lに所定のマークを付した球体B(確認球)を用意し、当該球体BをレールGに沿って転動させた場合に、各二次元イメージセンサSで当該マークを1つずつ確実に読み取ることができるか否かを確認することで、判定すればよい。その際、例えば、位置ずれ、重複及び不鮮明など、マークの読み取り状態が不十分な場合には、該当する二次元イメージセンサの配設位置(例えば、センサ部分の角度など)を調整すればよい。
このように、本実施形態に係る物体表面検査装置によれば、球体BをレールG上に導入して、当該レールGに沿って転動させるだけで、当該球体Bの表面全体の状態を検査することができる。このため、当該検査に要する検査時間を大幅に短縮することができるとともに、極めて容易に検査を行うことができる。また、適正な球体Bと不適正な球体Bとを自動的に選別することも可能となる。
この結果、例えば、小径で軽量な球体Bを大量に検査する場合であっても、各球体Bを所定間隔で連続的にレールG上に導入し、当該レールGに沿って転動させるだけで、当該各球体Bの表面全体を迅速かつ容易に検査することができるとともに、検査結果による球体Bの選別も自動化することができる。
なお、本実施形態によれば、上述した第1実施形態に係る物体表面検査装置と比べ、二次元イメージセンサの配設数が多いため、球体Bの表面全体をより細分化して検査することができ、当該細分化された球体Bの各分割表面B2a〜B2lの検査結果(例えば、傷の有無など)を組み合わせて判別することで、当該球体Bの表面全体の状態をより高精度に検査することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る物体表面検査装置の全体構成例を示す図。 本発明の第2実施形態に係る物体表面検査装置の全体構成例を示す図。
符号の説明
B 球体
G 軌道部
B1a〜B1f,B2a〜B2l 球体分割表面
S 二次元イメージセンサ
α 傾斜角度

Claims (4)

  1. 軌道部を転動するための転動面を有する被検査体の表面の状態を検査する物体表面検査装置であって、
    被検査体の表面全体を複数に分割した各分割表面の状態を、それぞれ個別に検査する複数の二次元イメージセンサが備えられており、各二次元イメージセンサによる検査結果を組み合わせて判別することで、当該被検査体の表面全体の状態を検査していることを特徴とする物体表面検査装置。
  2. 軌道部は、被検査体が転動して所定の回転軸を中心に少なくとも1回転するだけの延出距離を有しており、各二次元イメージセンサは、被検査体が軌道部に導入され、当該軌道部を転動し、当該軌道部から導出されるまでの間に、所定のタイミングで当該被検査体の分割表面の状態をそれぞれ検査していることを特徴とする請求項1に記載の物体表面検査装置。
  3. 軌道部として、2本のレールが配設されており、被検査体は、当該2本のレールに沿って転動していることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の物体表面検査装置。
  4. 軌道部として、軌道溝が形成されており、被検査体は、当該軌道溝に沿って転動していることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の物体表面検査装置。
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