JP2007278279A - エンジンの点火装置 - Google Patents

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章彦 角方
Taisuke Shiraishi
泰介 白石
Morihiro Nagamine
守洋 長嶺
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Abstract

【課題】コロナ放電による体積的発火を可能とする。
【解決手段】コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンの点火装置において、導電体からなる円筒状の電極(31)と、導電体からなりこの円筒状電極(31)の略中心部に突き出した棒状の中心電極(26)との2つの電極で燃焼室(3)への開口部(31A)を有する点火室(32)を区画形成し、中心電極(26)の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマ(28)が多数発生するように2つの電極間に凸部(27)または凹部を設ける。
【選択図】図2

Description

この発明は、エンジン(内燃機関)の点火装置に関する。
従来のエンジンの点火装置として例えば、マイクロ波を導く導波管内に導波管の終端部からマイクロ波の1/4波長離れた部位に一対の電極を設置し、ピストンが導波管の終端部に接触するほどに接近した状態において、導波管にマイクロ波パルスを伝送し、電極管にコロナ放電を起こして着火を行うものがある(特許文献1参照)。
特開2002−81321公報
ところで、自動車用エンジンの場合、幅広いエンジン回転速度とエンジン負荷での運転が要求され、空燃比や空気密度毎に火炎伝播速度が異なることに対応して、エンジン回転速度ごとに適切な点火時期に設定することが重要であるため、点火時期の詳細な制御がエンジン性能を低下させず、最良に保つためには欠かせない。
しかしながら、特許文献1の技術では、点火時期におけるピストン高さと一対の電極位置とによって電極部位の電界強度が左右されるため、電極部位の電界強度が点火に適する時期と、熱効率上またはエンジン騒音上の最適な点火時期とが必ずしも一致しない場合が考えられ、点火時期の制御が適切に行えない恐れがある。
そこで本発明は、コロナ放電による体積的発火を可能とする点火装置を提供することを目的としている。
本発明は、コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンの点火装置において、導電体からなる円筒状の電極(31)と、導電体からなりこの円筒状電極(31)の略中心部に突き出した棒状の中心電極(26)との2つの電極で燃焼室(3)への開口部を有する点火室(32)を区画形成し、前記中心電極(31)の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマ(28)を多数発生させる。
また、本発明は、確実にコロナ放電による体積的発火を可能とするために、前記中心電極の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマが多数発生するように前記2つの電極間に凸部(27)または凹部を設ける。
本発明は、コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンの点火装置において、導電体からなる円筒状の電極と、導電体からなりこの円筒状電極の略中心部に突き出した棒状の中心電極との2つの電極で燃焼室への開口部を有する点火室を区画形成し、前記中心電極の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマを多数発生させるものである。ストリーマにより電子温度が高められ分子活性度が高くなる結果、点火が生じる部位が、従来装置における一対の電極による一箇所のみのプラズマ点火に比べて多数かつ大きな面積を占めることとなる。点火室で発火したのち、燃焼ガスは副室としての点火室より主室としての燃焼室へと噴き出し、副室と主室との連通部位付近から燃焼室内の混合気に対して燃焼が開始される。このような点火室内での所定の空間にわたる多点同時発火は体積的発火と称されるべきものである。
また、本発明では、コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンの点火装置において、導電体からなる円筒状電極と、導電体からなりこの円筒状電極の略中心部に突き出した棒状の中心電極との2つの電極で燃焼室への開口部を有する点火室を区画形成し、中心電極の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマが多数発生するように2つの電極間に突起凸部(又は凹部)を設けるので、2つの電極間への高電圧印加時に点火室内で電界強度が一様にならず凸部の部位で電界強度が強くなり、中心電極と円筒状電極の間の距離が短い部分でストリーマが伸長する。ストリーマにより電子温度が高められ分子活性度が高くなる結果、点火が生じる部位が、従来装置における一対の電極よる一箇所のみのプラズマ点火に比べて多数かつ大きな体積を占めることとなる。点火室で発火したのち、燃焼ガスは副室としての点火室より主室としての燃焼室へと噴き出し、副室と主室との連通部位付近から燃焼室内の混合気に対して燃焼が開始される。このような点火室内での所定の空間にわたる多点同時発火は体積的発火と称されるべきものである。
本発明によれば、通常の点火プラグによる火花点火とは異なる、このような点火室内における体積的発火を行うので、特に、均質リーンバーン燃焼のように混合気の濃度が燃焼室の全体にわたって希薄である場合や大量のEGRガスが導入されEGR率(新気量に対するEGRガス量の割合)が大きくなっている場合などのように、従来装置における一対の電極による一箇所のみのプラズマ点火により着火を行ったのでは、単位体積当りの発熱量が小さく、周囲を連鎖的に発熱させることができずに消炎してしまうなど、燃焼が不安定になりやすい条件においても、大きな体積の発火により十分大きな熱発生を得ることができるため、周囲ガスの熱容量を考慮しても十分に火炎伝播可能になり、希薄燃焼限界を大幅に拡大できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の点火装置を取り付けたエンジンの概略構成を示し、図2は点火プラグのうち燃焼室に突き出す火花放電部を拡大して、また図3は同火花放電部のシリンダヘッド1への取付状態をそれぞれ示している。ここでは、本発明の点火装置を4ストロークレシプロカルエンジンに適用した場合で説明するが、4ストロークエンジンに限定されるものでなく、2ストロークエンジンにも適用がある。
まず、4ストロークエンジンの概略から説明すると、図1においてシリンダヘッド1とシリンダブロック2の間に、いわゆるペントルーフ型の燃焼室3が形成され、この燃焼室3に図で左斜め上方から吸気ポート3が、また図で右斜め上方から排気ポート5が開口している。これら吸気ポート4の燃焼室4への開口端、排気ポート5の燃焼室4への開口端には吸気弁6、排気弁7が設けられ、これらの弁6、7は弁頭上より当接する吸気弁用カム8、排気弁用カム9によってそれぞれ所定の時期に開閉される。カム8、9はカムシャフト11、12と一体であり、カムシャフト11、12は図示しないクランクシャフトによりピストン13の動きに同期して駆動される。実際には、吸気弁6が2つ、排気弁7が1つの気筒に対して2つずつ合計4つの弁が設けられているが、図示していない。ただし、吸排気弁の数に限定されるものでない。
吸気ポート4には燃料噴射弁15が設けられ、燃料噴射弁15からは燃料が吸気ポート4の燃焼室3への開口端に向けて噴射供給される。ピストン13が下方に向けて移動するとき、燃焼室3の圧力が吸気ポート4より低下するので、このとき吸気弁6が開かれると、吸気ポート4と燃焼室3との圧力差に応じて吸気通路の空気が、吸気ポート4より燃料噴霧と共に燃焼室3に導入される。このとき燃焼室3内に生じるガス流動により、燃料噴霧の気化が促進され、良好な混合気が形成されてゆく。吸気弁6が閉じた後にはピストン13の上昇により混合気に対して適度の熱エネルギーが与えられ、ピストン13が圧縮上死点に達する少し手前のクランク角位置で、燃焼室3天井のほぼ中央に位置して設けられている点火プラグ21によるコロナ放電によって混合気に着火が行われる。
点火プラグ21は、主に絶縁体、ガラスシール部、火花放電部からなり、このうち火花放電部だけが燃焼室3に突き出して設けられている。
火花放電部では、図2(A)に示したように、絶縁碍子23の先端部23Aと、導電体からなりこの絶縁碍子23の先端より下方に突出する棒状の中心電極26との周囲に、有底円筒状の導電体からなる側方電極31が、中心電極26を上方から覆うように設けられ、この円筒状電極31は、主体金具22(図1参照)にネジ止め固定され、アースされている。
円筒状電極31と中心電極26との間には、円筒状の空間である点火室32が画成され、この点火室32は燃焼室3への開口部(開口端31A)を有している。言い換えると、燃焼室3を主室としたとき、点火室32は、燃焼室3と一つ以上の連通路(31A)で連通するように遮られた副室を構成している。
円筒の略中心部に突出している棒状の中心電極26には、軸方向に所定間隔をおいて複数の箇所(例えば7箇所)に、径方向に向けて突き出る突起27(凸部)が設けられている。中心電極26の周囲に設けられる各突起27は、一方向でなく、図2(B)にも示したように、中心電極26の外周に等間隔で複数個(例えば4つ)設けられている。図2(A)、図2(B)には、中心電極26の軸方向に7箇所、外周に4つの突起27を示しているが、これはモデルとして示したものであり、突起27の数が7×4=28個に限定されるものではない。
中心電極26の軸方向に等間隔でかつ周方向にも等間隔で複数の突起27を中心電極26に設けることで、中心電極26への高電圧印加時に円筒状の点火室32内で電界強度が一様にならず各突起27(凸部)の部位で電界強度が強くなり、中心電極26と円筒状電極31の内周壁31Bとの間の距離が短い部分でストリーマと呼ばれるアークになる以前の過渡的なコロナ放電特有のプラズマが伸長する。図2(A)、図2(B)には各突起27より所定長さまで伸長したストリーマ28を示している。ストリーマ28は、点火室32内の各突起24に応じて複数(例えば28)発生し、各ストリーマ28により電子温度が高められ分子活性度が高くなるため、点火が生じる部位が、従来装置における一対の電極による一箇所のみのプラズマ点火に比べて多数かつ大きな体積を占めることとなる。点火室32の複数箇所で発火したのち、燃焼ガスは副室としての点火室32より下方にある主室としての燃焼室3へと噴き出し、点火室32の燃焼室3への開口端31A(副室と主室との連通部位)付近から主室としての燃焼室3内の混合気に対して燃焼が開始される。このような点火室32内の広い体積を占める多点同時発火は体積的発火と称されるべきものである。
ここでは、中心電極26に設けた複数の突起27は、プラズマ点火におけるストリーマ28を生成させるためのものであるので、円筒状電極の中心軸方向の複数部位にかつ周方向にも複数部位に、内壁面31Bより中心電極26に向けて突き出すように複数の突起を設けてもかまわない。中心電極26の軸方向の複数部位に突起を設けるとともに、この突起に対向する円筒状電極の内壁面31Bに同数の突起27を設けるようにしてもかまわない。さらに、突起27を中心電極26と円筒状電極の内壁面31Aとの間に設ける凸部とすれば、凹部を中心電極26と円筒状電極の内壁面31Aのうちいずれかの軸方向の複数部位に設けてもかまわない。また、中心電極26の軸方向の複数部位に凹部を設けるとともに、この凹部に対向する円筒状電極の内壁面31Bに同数の凹部を設けるようにしてもかまわない。要は、中心電極26の軸方向の複数部位で円筒状電極の内壁面31Bに向けてコロナ放電におけるストリーマ28が多数発生するように凸部または凹部を設ければよい。
中心電極26は、図示しないガラスシール部を介して、点火プラグ21の上端に位置する端子26に接続されている。この端子26はさらに、図1に示したように、ディストリビュータ41を介して、高電圧発生装置42とパルスジェネレータ43とに連結されている。
ここで、中心電極26と円筒状電極31との2つの電極間に高電圧を長時間印加し、ストリーマ28が2つの電極間で成長しすぎると、アーク放電へと移行し、アークとして短絡した部位を経由して大きな電流が流れ、電圧降下が起こり、結果として大きな電力を消費してしまう。一方、2つの電極31、26間の印加電圧が小さい場合、ストリーマ28が生成される量が少なかったり、ストリーマ28自体が生成されない暗流状態となり、点火室32内の混合気を着火することができなかったりする。従って、中心電極26の軸方向の複数部位でストリーマ28が生成されるコロナ放電が行われる条件を満たすためには、短いパルス幅(例えば1μsec以下)で高電圧を2つの電極31、26間に印加する必要があり、パルスジェネレータ43および高電圧発生装置42が設けられている。パルスジェネレータ43はエンジンコントロールユニット44によって適切な時期(点火時期)に短いパルスが生じるように制御される。
中心電極の軸方向の複数部位に設けられている突起27と、円筒状電極の内壁面31Bとの間のギャップ(最短の間隙)L1は、図3で示したように、圧縮上死点位置(点火時期にほぼ近い)におけるピストン冠面13Aと中心電極下端26Aと間の上下方向最短距離L2に比べて小さくなるように設定されている。こうした設定とするのは、中心電極の外周に設けた各突起27と円筒状電極の内壁面31Bとの間のギャップL1よりも、圧縮上死点位置におけるピストン冠面13Aと中心電極23先端と間の上下方向最短距離L2のほうを小さく設定すると、中心電極の外周に設けた突起よりストリーマが生成されるよりも前に、中心電極26よりピストン13方向へ向けてアークが生成されてしまい、点火室32内における上記の体積的発火が行われなくなる事態が生じるので、これを避けるためである。これにより、点火室32内に常に同様な電界を生じさせることができるため、点火時期によらず、点火室32内の複数箇所で常にストリーマを発生させることができ、ピストン13方向へアークが生成されてしまい、点火室32内における上記の体積的発火が行えないなどの問題が生じることを回避できる。
ここでは、燃焼室3内に生成されるタンブル(ピストン軸に直交する軸回りのガス流れ)を助長するため、ピストン冠面13Aにキャビティ(くぼみ)を設けているが、キャビティを設けていなくともかまわない。
このように構成した場合の作用効果を説明する。
第1実施形態(請求項2に記載の発明)では、コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンにおいて、導電体からなる円筒状電極31と、導電体からなりこの円筒状電極31の略中心部に突き出した棒状の中心電極26との2つの電極で燃焼室3への開口部(開口端31A)を有する点火室32を区画形成し、中心電極26の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマが多数発生するように中心電極26の外周に突起27(2つの電極31、26間に凸部)を複数設けているので、中心電極26への高電圧印加時に点火室32内で電界強度が一様にならず各突起27の部位で電界強度が強くなり、中心電極26と円筒状電極31の間の距離が短い部分でストリーマ28が伸長する。ストリーマ28により電子温度が高められ分子活性度が高くなる結果、点火が生じる部位が、従来装置における一対の電極よる一箇所のみのプラズマ点火に比べて多数かつ大きな体積を占めることとなる。点火室32で発火したのち、燃焼ガスは副室としての点火室32より主室としての燃焼室3へと噴き出し、副室と主室との連通部位である開口端31Aの付近から燃焼室3内の混合気に対して燃焼が開始される。このような点火室32内での所定の空間にわたる多点同時発火は体積的発火と称されるべきものとなる。
第1実施形態(請求項2に記載の発明によれば、従来装置における一対の電極よる一箇所のみのプラズマ点火とは異なる、このような点火室内32における体積的発火を行うので、特に、均質リーンバーン燃焼のように混合気の濃度が燃焼室3の全体にわたって希薄である場合や大量のEGRガスが導入されEGR率(新気量に対するEGRガス量の割合)が大きくなっている場合などのように、従来装置における一対の電極による一箇所のみのプラズマ点火により着火を行ったのでは、単位体積当りの発熱量が小さく、周囲を連鎖的に発熱させることができずに消炎してしまうなど、燃焼が不安定になりやすい条件においても、大きな体積の発火により十分大きな熱発生を得ることができるため、周囲ガスの熱容量を考慮しても十分に火炎伝播可能になり、希薄燃焼限界を大幅に拡大できる。
第1実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、中心電極26の外周に設けられる突起27と円筒状電極の内周壁31Bとの間隙L1は、圧縮上死点におけるピストン冠面13Aと中心電極先端26Aの間の上下方向最短距離L2よりも小さいので、中心電極26からピストン13へのアーク放電を防ぐとともに、点火時期におけるピストン位置によらず点火室32内での体積的発火を行わせることができ、これにより点火時期の設定が点火時期におけるピストン位置に制限されることがない。
図4、図5は、燃焼室3内に強いタンブルが生じるように吸気ポート4などにタンブル制御弁(図示しない)を設けてある場合(あるいは燃焼室内に特にガス流動を強化しない場合)を対象とする、本発明の第2実施形態の火花放電部を示している。このうち、図4は第1実施形態の図3と、図5は第1実施形態の図2(B)と置き換わるものである。
ここで、タンブルとは、燃焼室3内における、ピストン軸に直交する軸回りのガス流れのことであり、図1に示すエンジン構成の場合、図4では左側に吸気ポート4があるので、図4において時計回りにタンブルが生成される。
この生成されるタンブルによるガス流れ方向に合わせて、つまり、円筒状電極31の下端のうち吸気ポート4に最も近い部位(図4で左)と、排気ポート5に最も近い部位(図4で右)とにそれぞれ切欠き51、52を設けている。この場合、図5に示したように各切欠き51、52の周方向長さをb2、b3、それ以外の円筒状電極開口端31Aの周方向長さをa1、a2としたとき、a1+a2>b1+b2となるように切欠き51、52の周方向長さを設定する。なお、第2実施形態では2つの切欠き51、52を設けているが、切欠きは少なくとも一つあればよい。
このように、タンブルによるガス流動の流れ方向に沿って切欠き51、52を設けることで、燃焼前の混合気を点火室32内にスムーズに導入することが可能となり(白抜き矢印を参照)、副室(点火室32)内の既燃ガスが掃気されずに次サイクルまで持ち越されてしまうことがない。その結果、主室(燃焼室3)と副室(点火室32)内の空燃比、EGR率は局所的にも同様となり、点火性能を悪化させずに済む。
図6は、燃焼室3内に強いスワールが生じるように吸気ポート4などにスワール制御弁(図示しない)を設けてある場合(あるいはタンブルに加えてスワール成分が生じるようにガス流動制御弁を設けている場合)を対象とする、本発明の第3実施形態の火花放電部を示している。図6は第2実施形態の図5と置き換わるものである。
ここで、スワールとは、燃焼室3内における、ピストン軸周りのガス流れのことであり、図6では反時計回りにスワールが生じている。このスワールによるガス流れより分岐した流れに乗って燃焼前の混合気が点火室32内に流れ込むように、複数例えば4つの切欠き61、62、63、64を円筒状電極開口端31Aに等間隔で設けている。なお、第3実施形態では4つの切欠き61〜64を設けているが、切欠きは少なくとも一つあればよい。
このように、燃焼室3内にスワール成分を持つガス流動を生起した場合に好適な切欠き形状とすることで、切欠き61〜64から導入された燃焼前の混合気は点火室32内を旋回しつつ、点火室の上方奥まで達することが可能となり、点火の前により点火室32内における混合気の形成を促進させることができる。
第2、第3の実施形態(請求項6に記載の発明)によれば、円筒状電極の燃焼室側開口端31Aに燃焼前の混合気通過用の切欠き(第2実施形態では51、52、第3実施形態では61〜64)を有するので、点火室32内での体積的発火に続く燃焼によって円筒状電極の燃焼室側開口端31Aが加熱され、点火室32内に熱がこもることによって生じるプレイグニッションを防ぐことができる。
第2実施形態(請求項7に記載の発明)によれば、円筒状電極の燃焼室側開口端31Aに設けられる切欠き51、52の円周方向長さ(b2+b3)を、円筒状電極31の燃料室側開口端31Aのうちからこの切欠きを除いた部位の円周方向長さ(a1+a2)より短く設定するので、点火室32内の既燃ガスを逃しつつ、点火室32内における大きな体積での発火(体積的発火)を可能とすることができる。
第2実施形態(請求項8に記載の発明)によれば、燃焼室3に生成されるガス流動がタンブルであり、2つの切欠き51、52を、このタンブルによるガス流動に沿って燃焼前の混合気が点火室32を通過可能なように設けているので、また、第3実施形態(請求項9に記載の発明)によれば、燃焼室に生成されるガス流動がスワールであり、切欠き61〜64を、このスワールによるガス流れより分岐する流れに沿って燃焼前の混合気が点火室32に導入されるように設けているので、この切欠きにより点火室32内からの既燃ガスの掃気と未燃混合気の導入とがスムーズに行われ、点火室32内が局所的に過剰な希釈混合気濃度にならずに安定した燃焼を行うことができる。
実施形態では、2つの電極間に凸部または凹部を設けるものとしたが、これに限られるものでなく、他の態様でもコロナ放電による体積的発火が可能である。具体的には、第1実施形態において中心電極26に突起27を設けず中心電極26を円柱状に形成しているだけでも、中心電極26の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマを多数発生させることができる。
本発明の第1実施形態の点火装置を取り付けたエンジンの概略構成図。 点火プラグのうちの火花放電部の拡大図。 火花放電部のシリンダヘッドへの取付状態を示す概略図。 第2実施形態の火花放電部のシリンダヘッドへの取付状態を示す概略図。 第2実施形態の火花放電部を下から見た図。 第3実施形態の火花放電部を下から見た図。
符号の説明
21 点火プラグ
26 中心電極
27 突起(凸部)
28 ストリーマ
31 円筒状電極
31A 開口端(開口部)
51、52 切欠き
61〜64 切欠き

Claims (10)

  1. コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンの点火装置において、
    導電体からなる円筒状の電極と、導電体からなりこの円筒状電極の略中心部に突き出した棒状の中心電極との2つの電極で燃焼室への開口部を有する点火室を区画形成し、
    前記中心電極の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマを多数発生させることを特徴とするエンジンの点火装置。
  2. コロナ放電によって混合気に着火を行うエンジンの点火装置において、
    導電体からなる円筒状の電極と、導電体からなりこの円筒状電極の略中心部に突き出した棒状の中心電極との2つの電極で燃焼室への開口部を有する点火室を区画形成し、
    前記中心電極の軸方向の複数部位でコロナ放電におけるストリーマが多数発生するように前記2つの電極間に凸部または凹部を設ける
    を備えることを特徴とするエンジンの点火装置。
  3. 前記凹部または凸部を、前記2つの電極の一方または両方に設けることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火装置。
  4. 前記凸部は前記中心電極の軸方向かつ周方向の複数部位より前記円筒状電極の内周壁に向かって突き出る突起であることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火装置。
  5. 前記中心電極の突起と前記円筒状電極の内周壁との間隙は、圧縮上死点におけるピストン冠面と中心電極先端の間の上下方向最短距離よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの点火装置。
  6. 前記円筒状電極の燃焼室側開口端に混合気通過用の切欠きを有することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火装置。
  7. 前記切欠きの円周方向長さは、前記円筒状電極の燃料室側開口端のうちこの切欠きを除いた部位の円周方向長さより短いことを特徴とする請求項6に記載のエンジンの点火装置。
  8. 燃焼室に生成されるガス流動がタンブルであり、前記切欠きを、このタンブルによるガス流動に沿って燃焼前の混合気が前記点火室を通過可能なように少なくとも1つ設けることを特徴とする請求項6に記載のエンジンの点火装置。
  9. 燃焼室に生成されるガス流動がスワールであり、前記切欠きを、このスワールによるガス流れより分岐する流れに沿って燃焼前の混合気が前記点火室に導入されるように設けることを特徴とする請求項6に記載のエンジンの点火装置。
  10. 前記燃焼室はペントルーフ型であり、前記2つの電極をこのペントルーフ型燃焼室の略中心部に設けることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの点火装置。
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