JP2007277736A - 製紙用薬剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】特に抄紙工程での余剰な起泡を抑制でき、また、有効成分の紙への定着性が良好で、紙の特性、特に紙の嵩の向上を促進する製紙用薬剤組成物提供する。
【解決手段】非イオン性界面活性剤(A)と、炭素数の異なる基を有する特定2種の特定比率のカチオン性界面活性剤(B)とを含有する製紙用薬剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、製紙工程に使用される特定の製紙用薬剤組成物、該組成物を使用する紙の製造方法及び該製造方法により得られる紙に関する。
製紙工程では、嵩高発現性を向上する等のために、非イオン性界面活性剤に該当する種々の化合物を使用することが知られている(例えば、特許文献1)。
また、紙を柔軟化するために、4級カチオン性界面活性剤を、製紙工程で使用することが報告されている(特許文献2)。
更に、紙力を損なうことなく嵩高いシートを得るために、紙用嵩高剤として、カチオン性化合物、アミン、アミンの酸塩、両性界面活性剤を用いることが提案されている(特許文献3)。
特開2001−81687号公報 特開2001−271292号公報 特開平11−269799号公報
本発明の課題は、製紙工程、特に抄紙工程での余剰な起泡を抑制でき、また、有効成分の紙への定着性が良好で、紙の特性、特に紙の嵩の向上を促進する製紙用薬剤組成物、該組成物を使用する紙の製造方法及び該製造方法により得られる紙を提供することである。
本発明は、非イオン性界面活性剤(A)、下記一般式(1)で表される陽イオン性界面活性剤(B1)及び下記一般式(2)で表される陽イオン性界面活性剤(B2)を配合してなり、(B1)と(B2)の合計量中の(B1)の比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物に関する。
Figure 2007277736
(式中、R1bは炭素数16のアルキル基、炭素数16のアルケニル基又は炭素数16のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R2bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R3b及びR4bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A1O)n1−Z1(ここでA1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z1は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n1は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基であり、X1 -は対イオンである。)
Figure 2007277736
(式中、R5bは炭素数18のアルキル基、炭素数18のアルケニル基又は炭素数18のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R6bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R7b及びR8bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A2O)n2−Z2(ここでA2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z2は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n2は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基であり、X2 -は対イオンである。)
また、本発明は、非イオン性界面活性剤(A)、下記一般式(3)で表されるアミン化合物(C1)、下記一般式(4)で表されるアミン化合物(C2)、及び該アミン化合物の4級化剤(D)を配合してなる製紙用薬剤組成物であって、前記(C1)及び(C2)が前記(D)により4級化されており、(C1)の(D)による4級化物(X)と(C2)の(D)による4級化物(Y)の合計量中の(X)の設計比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物に関する。
Figure 2007277736
(式中、R1cは炭素数16のアルキル基、炭素数16のアルケニル基又は炭素数16のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R2c及びR3cは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A3O)n3−Z3(ここでA3Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z3は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n3は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基である。)
Figure 2007277736
(式中、R4cは炭素数18のアルキル基、炭素数18のアルケニル基又は炭素数18のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R5c及びR6cは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A4O)n4−Z4(ここでA4Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z4は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n4は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基である。)
また、本発明は、非イオン性界面活性剤(A)、上記一般式(1)で表される陽イオン性界面活性剤(B1)及び上記一般式(2)で表される陽イオン性界面活性剤(B2)を含有し、(B1)と(B2)の合計量中の(B1)の比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物に関する。
また、本発明は、上記補本発明の製紙用薬剤組成物をパルプスラリーに添加する紙の製造方法、及び該本発明の紙の製造方法により得られた紙に関する。
本発明によれば、製紙工程、特に抄紙工程での余剰な起泡を抑制でき、また、有効成分の紙への定着性が良好で、紙の特性、特に紙の嵩の向上を促進する製紙用薬剤組成物、及びこれを用いた紙の製造方法、並びに該製造方法により製造された紙が提供される。
本発明者等は、製紙工程、特に抄紙工程で使用される非イオン性界面活性剤のうち、汎用性がありしかも嵩高発現性に優れる、本発明の(A)成分の非イオン性界面活性剤に対して、特定のカチオン性界面活性剤の組合せが、該非イオン性界面活性剤の余剰な起泡を抑制し、該非イオン性界面活性剤の製紙工程での更なる汎用性の拡大、特に紙への定着性を向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
[(A)成分]
本発明の非イオン性界面活性剤は、嵩高発現性の観点から、下記に定義される離水度が4%以上となるものから選択することが好ましい。
離水度(%)=(α0−α)/α0×100
α:非イオン性界面活性剤となる化合物をパルプ100重量部に対し5重量部添加して抄紙して得た湿潤シートの含水率
α0:非イオン性界面活性剤となる化合物をパルプに添加しないで抄紙して得た湿潤シートの含水率
本発明における離水度の測定方法を詳述する。
〔離水度の測定方法〕
(A)使用パルプ
JIS P 8209のパルプ試験用手すき紙の調製法により調製した手すきパルプシートのハンター白色度(JIS P 8123)が80±5%であるブナ由来の広葉樹晒しパルプ(以後、LBKPという)を使用する。
(B)離水度の測定
(i)LBKPを、25±3℃で一定量をビーターにて離解そしてカナダ標準濾水度(JIS P 8121)で460±10mlに叩解してパルプ濃度が1.0重量%のLBKPスラリーを得る。
このパルプスラリーを抄紙後のシートのLBKP分の坪量が80±2g/m2になるように量り取ってから、硫酸アルミニウムでpHを4.5に調製した後、非イオン性界面活性剤の1.0重量%のエタノール溶液をパルプ100重量部に対して5重量部(純分)添加し、丸型タッピ抄紙機にて150メッシュワイヤー(面積200cm2)で抄紙し湿潤シートを得る。湿潤シートの上に坪量320±20g/m2のろ紙(直径185mm)2枚を重ね、更にその上にコーチプレートを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出す。次いで湿潤シートを前記のろ紙2枚で上下をはさみ、圧力340±10kPaで5分間プレスする。プレス後、速やかに湿潤シートの重量w(g)を秤量する。
次に105±3℃、60分間乾燥し、得られた乾燥シートの重量Wd(g)を秤量する。
(ii)上記で求めたW、Wdから、(1)式により含水率α(%)を求める。
α(%)=(W−Wd)/W×100 (1)
また、非イオン性界面活性剤となる化合物を添加しないで同様にシートを調製し、同様にして求めた含水率をα0とする。
(iii)上記で求めた含水率α、α0から、下式(2)より離水度を求める。
離水度(%)=(α0−α)/α0×100 (2)
また、非イオン性界面活性剤は、嵩高発現性の観点から、下記(Ai)〜(Aiii)から選ばれる1又はそれ以上の非イオン性界面活性剤が好ましく、特に、それらの中で離水度が4%以上となるものが好ましい。
(Ai)炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和の1価アルコール、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜24の2〜14価の多価アルコール、及びこれらの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物、から選ばれる1又はそれ以上の化合物〔以下、(Ai)成分という〕
(Aii)下記一般式(A-1)〜(A-8)で表される化合物、及びこれらから誘導される脂肪酸アミド、脂肪酸アミドアミン、並びにこれらのこれらの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物、から選ばれる1又はそれ以上の化合物〔以下、(Aii)成分という〕
Figure 2007277736
〔式中、
1,Y2:互いに同一又は相異なって、水素原子、R4、R6CO−、−(AO)n−COR3又は−(AO)n−H
AO:炭素数2〜4のアルキレンオキシ基
3:水素原子又は−COR6
Figure 2007277736
1:炭素数8〜35のアルキル基、アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基
2,R3,R6,R9:炭素数7〜35のアルキル基、アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基
4,R5:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
7,R8:炭素数1〜3のアルキル基
10:水素原子又はR9
n:1〜20の数で平均モル数
-:陰イオン
11:炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基もしくはβ−ヒドロキシアルキル基、又は−(CH2CH2NH)n'H(ここでn’は2又は3)
12:炭素数6〜24のアルキル基もしくはアルケニル基もしくはβ−ヒドロキシアルキル基、又は水素原子
である。〕
(Aiii)脂肪酸エステル及びその炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物、から選ばれる1又はそれ以上の化合物〔(Aii)成分を除く〕〔以下、(Aiii)成分という〕
本発明の(A)成分のうち、(Ai)成分は、炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和の1価アルコール、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜24の2〜14価の多価アルコール、及びこれらの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物である。更に、前記アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物の末端の一部又は全部にアルキル基が結合したエーテル化合物も含まれる。
1価アルコールは炭素数6〜22の直鎖飽和アルコールが好ましく、8〜22の直鎖飽和アルコールがより好ましく、10〜22の直鎖飽和アルコールが特に好ましい。
多価アルコールは、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜24の2〜12価アルコールが好ましく、2〜10価アルコールがより好ましく、3〜6価アルコールが特に好ましい。
2価アルコールとしては、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜10のもの、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、エーテル基を有していてもよい総炭素数3〜24のアルコールで、1分子中の総水酸基数/総炭素数=0.4〜1であるもの、例えばグリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜5)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトール、スタキオース、エリトリット、アラビット、マンニット、グルコース、ショ糖などが挙げられる。
より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エーテル基を有していてもよい総炭素数3〜12のアルコールで、1分子中の水酸基数/総炭素数=0.5〜1である3価以上のアルコールである。特に好ましくはグリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールである。
アルキレンオキサイド(AO)としては、エチレンオキサイド(EO)及び/又はプロピレンオキサイド(PO)であり、EOとPOの両方を用いる場合はランダム付加でもブロック付加でも何れでも良い。また、各々の平均付加モル数は、EOは0〜200モルが好ましく、0〜100モルがより好ましい。POは0〜150モルが好ましく、0〜100モルがより好ましい。
(Aii)成分は、上記一般式(A-1)〜(A-8)で示される化合物、及びこれらから誘導される脂肪酸アミド、脂肪酸アミドアミン、並びにこれらのこれらの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物、から選ばれる1又はそれ以上の化合物である。炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物において、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、0超〜50が好ましい。
(Aiii)成分は、脂肪酸エステル及びその炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物、から選ばれる1又はそれ以上の化合物であるが、(Aii)成分は(A)成分からは除かれる。これらの中でも、脂肪酸とアルコールのエステルが好ましく、脂肪酸と多価アルコールのエステルが特に好ましい。
脂肪酸とアルコールのエステルに用いられる脂肪酸は、炭素数1〜24、好ましくは炭素数10〜22の脂肪酸が挙げられ、飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでもよく、特に直鎖脂肪酸が好ましい。更に好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸であり、特にステアリン酸が好ましい。該エステルに用いられるアルコールの具体例としては、(Ai)成分で述べた1価もしくは多価アルコール及びそれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
脂肪酸と1価アルコールのエステルとしては、下記一般式(B)で表される化合物も好ましく使用できる。
b1COO(EO)p(PO)qb2 (B)
〔式中、Rb1は、炭素数8〜35のアルキル基又はアルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基、Rb2は、炭素数1〜8のアルキル基又はアルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基を示す。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドであり、p、qはそれぞれ平均付加モル数であり、pは0〜20の数、qは1〜20の数である。〕
これらのエステルは、公知のエステル化反応及びアルキレンオキサイド付加反応により、得ることができる。例えば、脂肪酸と多価アルコールの混合物に、要すればエステル化触媒を添加し、150〜250℃で反応させることによりエステルが得られ、更にアルカリ触媒などの存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加することにより、アルキレンオキサイド付加エステルが得られる。また、脂肪酸あるいは多価アルコールにアルキレンオキサイドを付加後、エステル化してもよい。更に、脂肪酸にアルキレンオキサイド付加のみを行って得られる場合もある。
このエステルのエステル平均置換度は、好ましくは1モルの多価アルコール当たり、アルコール中のOHが10〜95当量%、更に10〜80当量%置換されたものであり、特に好ましくは1モルの多価アルコール当たり1〜2モルのエステル基を有するものである。
アルキレンオキサイド付加エステルを用いる場合、アルキレンオキサイド(AO)の平均付加モル数は、アルコール性水酸基1個当たり0超〜10モルであり、0超〜5モルが好ましい。なお、エチレングリコールなどのようにAO基となり得る多価アルコールを使用した場合においては、それらもAO基の数に算入する。アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイド(EO)、プロピレンオキサイド(PO)が好ましい。これらはEO、POの単独あるいはEOとPOの混合の何れでもよい。本発明では、AO基を含まない多価アルコールと脂肪酸のエステルを用いることが特に好ましい。
(A)成分としては、特にグリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールから選ばれるアルコールとパルミチン酸、ステアリン酸から選ばれる脂肪酸とのエステル化合物が好ましい。
また、(A)成分は、1.0重量%濃度になるように水に添加・攪拌した後(途中で100℃以下に加温してもよい)、20℃に維持した場合に均一透明にならないものが好ましい。ここで、「均一透明にならないもの」とは、系全体が一様(沈殿物や浮遊物がない状態)でないものか、一様であっても20℃での(A)成分1.0重量%水溶液の可視光660nmにおける光路10mmでの透過率(T%)が、水を100%したときに5%以下であるものを意味する。
[(B1)、(B2)成分]
本発明の製紙用薬剤組成物は、上記一般式(1)で表される陽イオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B1)〔(B1)成分〕と上記一般式(2)で表される陽イオン性界面活性剤から選ばれる化合物(B2)〔(B2)成分〕を含有する。そして、(B1)成分と(B2)成分の合計量中の(B1)の比率が50〜95重量%の範囲であり、(B1)のR1bの炭素数(炭素数16)よりも(B2)のR5bの炭素数(炭素数18)の方が大きいという関係を満たす。
(B1)成分のR1bの炭素数が16で、(B2)成分のR5bの炭素数が18であると、本発明のように非イオン性界面活性剤が疎水的傾向が強い場合に、製紙工程、特に抄紙工程での余剰な起泡を抑制でき、乳化安定性と非イオン性界面活性剤のパルプへの定着性向上を両立させることができ、紙の特性、特に紙の嵩の向上を促進できる。
起泡の抑制及び嵩高性等の紙の特性を向上する観点から、一般式(1)中、R2bは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3が好ましく、更に好ましくは1〜6、更に好ましくは1〜3のアルキル基が好ましい。また、R3b及びR4bは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の基が好ましく、特に炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキル基であることである。
また、起泡の抑制及び嵩高性等の紙の特性を向上する観点から、一般式(2)中、R6bは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3が好ましく、特に炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキル基であることである。また、R7b及びR8bは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の基であることである。特に炭素数が好ましくは1〜6、更に1〜3のアルキル基が好ましい。
[製紙用薬剤組成物]
本発明の製紙用薬剤組成物は、(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を配合してなるものである。本発明の製紙用薬剤組成物は、(A)成分と(B1)成分と(B2)成分とを、(A)の融点以上の温度、好ましくは反応系(反応液)の温度として50〜100℃で攪拌混合したあと、(A)成分の融点以下の温度まで冷却することで固体状の組成物を得ることができる。(B1)成分、(B2)成分が、製造に用いた水やアルコール等の溶媒を含んだ状態である場合、(A)成分との混合後、冷却しても固体状にならないときは、(A)成分と混合したあと、溶媒を除去する工程(例えば減圧による蒸留等)を経て固体状の組成物を得ることができる。また、(A)成分、(B1)成分、(B2)成分を別々に、若しくは(A)成分と(B)成分の混合物を、水または温水中へ添加し、(A)成分の融点以上の温度で全体が均一になるように攪拌混合することで液状(乳化液又は懸濁液)の組成物を得ることができる。(B1)成分と(B2)成分は別々に(A)成分と配合してもよいし、予め所定の割合で混合されたものを(A)成分と配合してもよい。
また、本発明は、(A)成分、(C1)成分、(C2)成分、及び該アミン化合物の4級化剤である(D)成分を配合してなる製紙用薬剤組成物であって、前記(C1)成分及び(C2)成分が前記(D)成分により4級化されており、(C1)の(D)による4級化物(X)と(C2)の(D)による4級化物(Y)の合計量中の(X)の設計比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物に関する。ここで得られる4級化物(X)は(B1)成分に、また、4級化物(Y)は(B2)成分に相当する。以下、(C1)成分と(C2)成分をまとめて(C)成分という。
ここで、設計比率とは、反応前における設計上の比率であり、予め(X)と(Y)合計中の(X)の比率(設計比率)を設定することにより、(C1)成分、(C2)成分、及び(D)成分の仕込み比率を算出することができる。
この組成物は、(A)成分、(C1)成分及び(C2)成分を、(A)成分の融点以上の温度、好ましくは反応系(反応液)の温度として50〜100℃で混合し、これに(D)成分を混合して前記(C1)成分及び(C2)成分を4級化する工程を含む製造方法により得ることができる。具体的には、(A)成分、(C1)成分、(C2)成分を、(A)の融点以上の温度で混合(攪拌混合が好ましい)し、これに(D)成分を混合(滴下して混合するのが好ましい)したあと、(A)成分の融点以下の温度まで冷却することで固体状の組成物を得ることができる。また、(D)成分を滴下混合したあとのものを水または温水中へ添加し、(A)成分の融点以上の温度で全体が均一になるように攪拌混合することで液状(乳化液又は懸濁液)の組成物を得ることができる。
一般式(3)中、R2c及びR3cは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の基が好ましく、特に炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3のアルキル基であることである。
また、一般式(4)中、R5c及びR6cは炭素数が好ましくは1〜6、より好ましくは1〜3の基であることである。特に炭素数が好ましくは1〜6、更に1〜3のアルキル基が好ましい。
また、(D)成分としては、メチルハライド(クロライド、ブロマイド等)、エチルハライド(クロライド、ブロマイド等)、ジアルキル(メチル、エチル等)硫酸、ジアルキル(メチル、エチル等)炭酸が挙げられ、好ましくは、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸である。(D)成分は、(C1)及び(C2)の合計量と(D)とのモル比〔(C1)+(C2)〕/(D)が1〜1.2の割合で用いられることが好ましい。
本発明の製紙用薬剤組成物の好適なものは、(A)成分と、(B1)成分を80重量%以上含む混合物と、(B2)を80重量%以上含む混合物とを配合してなるものである。同様に、(A)成分と、(C1)成分を好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、更に好ましくは95重量%以上、より更に好ましくは97重量%以上含む混合物と、(C2)成分を80重量%以上含む混合物と、(A)成分の融点以上の温度で混合し、これに(D)成分を混合して前記(C1)成分及び(C2)成分を4級化して得られたものである。つまり、(B1)成分、(B2)成分、(C1)成分、(C2)成分の配合原料としては、それぞれ純度80重量%以上の混合物を用いるのが好ましい。
本発明の製紙用薬剤組成物は、(A)成分、(B1)成分〔以下、(D)成分により4級化された(C1)成分も含む〕、(B2)成分〔以下、(D)成分により4級化された(C2)成分も含む〕を必須とし、必要に応じてその他の成分を含有するものである。以下、(B1)成分と(B2)成分をまとめて(B)成分という。
製紙工程で使用される(A)成分による過剰な起泡を抑制し、該界面活性剤の紙への定着性を向上することで、(A)成分による紙の特性、特に紙の嵩高発現性の向上を促進する観点から、本発明の組成物中、(A)成分及び(B)成分の重量比(A)/(B)は、好ましくは99/1〜40/60、より好ましくは99/1〜45/55、更に好ましくは98/2〜45/55である。(A)成分と、(X)及び(Y)との設計比率が、(A)/〔(X)+(Y)〕重量比で99/1〜40/60となるように、(C)成分を用いることが好ましい。
更に、(A)成分の汎用性、特に嵩高発現性を適切に確保する観点から、(C)成分の反応率は、50%以上が好ましく、80%以上が更に好ましく、90%以上がより好ましく、95%以上が特に好ましい。(C)成分の反応率の測定方法は後述の実施例の方法による。
(A)成分の含有量は、(A)成分の汎用性、特に嵩高発現性を適切に確保する観点から、本発明の組成物の配合原料中、好ましくは1〜99重量%、より好ましくは2〜99重量%、更に好ましくは2〜98重量%であり、組成物が乳化液又は懸濁液の場合は、好ましくは1〜70重量%、より好ましくは2〜70重量%、更に好ましくは5〜70重量%である。組成物が乳化液又は懸濁液で、希釈して使用する場合は、配合原料中の(A)成分の含有量は、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは10〜60重量%である。
本発明の組成物中には、製品の取扱いや製品形状の安定性の観点から、必要に応じて任意成分を含有してもよく、好ましくは粘度調整成分、融点調整成分、(A)成分、(B)成分以外の乳化・分散剤等を含有することである。例えば、融点を上昇させ、ケーキングを防止する観点から、ジステアリルケトンのようなケトンを含有することが好ましい。
本発明の組成物の形態は、固体状であっても、液状であってもよい。固体状の場合は、乳化液や懸濁液等、液状にして抄紙工程に添加することを考慮すると、フレーク、ペレット、粉末、ニードル等であることが好ましく、フレーク、ペレットがより好ましい。
液状の場合は、取扱い性の観点から、溶融液、乳化液、懸濁液等であることが好ましく、抄紙工程での組成物の分散効率を向上する観点から、乳化液又は懸濁液であることがより好ましい。
[紙の製造方法]
本発明の組成物は、得られる紙の特性を向上する観点から、パルプ調製工程、抄紙工程のパルプスラリー中に、均一にパルプ原料にブレンドできる場所へ添加することが好ましく、特に、パルプスラリーに添加することが好ましい。
本発明の組成物は、さらに具体的に、パルプ調製工程からパルプ原料の稀薄液が金網上を進む間に濾水されて紙層を形成する抄紙工程以前で、ミキシングチェスト、種箱、マシンチェストやヘッドボックスや白水タンクなどのタンク、あるいはこれらの設備と接続された配管中(ファンポンプ等)に添加してもよいが、ミキシングチェスト、種箱、マシンチェスト、ファンポンプで添加することが好ましい。
本発明の組成物のパルプスラリーヘの添加は、組成物が固形状の場合、添加前に水等に希釈、乳液化、懸濁液化等の液状、好ましくは乳化液化、懸濁液化等にしてから添加することが好ましく、組成物が乳化液又は懸濁液の場合、パルプスラリー中に直接添加することができる。紙の生産効率の観点からは、乳化液又は懸濁液の本発明の組成物をパルプスラリー中に直接添加することが好ましい。
本発明の紙の製造方法では、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ、広葉樹晒パルプ(LBKP)などの化学パルプなどのヴァージンパルプ、古紙パルプ、DIPなどのパルプ原料、これらの混合原料に広く適用できる。
本発明の紙の製造方法では、必要に応じて、サイズ剤、填料、歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤、硫酸アルミニウム、アクリルアミド基を有する化合物、ポリエチレンイミンなどの(A)成分、(B)成分の定着促進剤(パルプへの定着促進剤)などを併用してもよいが、これらの成分は、パルプシートの製造工程において、本発明の組成物とは別に添加することが望ましい。
本発明の紙の製造方法において、本発明の組成物の添加量は、パルプスラリー100gを105℃で3時間乾燥処理した添加対象のパルプスラリー中の固形分100重量部に対して(A)成分及び(B)成分の合計量(有効分換算)で、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜10重量部がより好ましく、0.05〜7重量部が更に好ましい。特に、嵩高発現性の観点からは、パルプ原料100重量部に対して(A)及び(B)の合計量で、0.01〜10重量部が好ましく、0.05〜7重量部がより好ましく、0.05〜5重量部が更に好ましい。
本発明の製造方法を適用して得られたパルプシートは、紙パルプ技術便覧(紙パルプ技術協会発行、455〜460頁、1992年)に記載された品目分類の中の新聞巻取紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙などの紙、又は板紙に好適に用いられ、特に新聞巻取紙、印刷・情報用紙に用いることが好ましい。
実施例1
表1に示す製紙用薬剤組成物を調製し、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
[組成物の調製]
表1の(A)成分を80℃溶融状態で攪拌している中に(B)成分および(E)成分を添加して1時間混合したあと、25℃まで室温放置して得た。
[乳化安定性]
(1)低温流動性
表1の組成物を、固形分濃度10重量%で、80℃で1時間攪拌乳化して乳化液を調製する。調製から表2に示す所定期間保存後の乳化液の低温での流動性を評価した。低温(10℃)流動性は、10℃の恒温槽で静置保存した乳化液の粘度をB型粘度計(12rpm/10℃)で測定し、その値が10000mPa・s以下のものを○、10000mPa・sを超えるものや分離等により正確な粘度を測定できないものを×とした。
(2)凝集物の有無
また、上記で調製した乳化液を10℃で30日保存した後、その100gを、100μmのメッシュでろ過、水道からの流水で5分間水洗し、メッシュ上に組成物が残らないものを○、メッシュ上に組成物が残るものを×として評価した。
[抄紙評価]
(1)紙の製造条件
1重量%のLBKPパルプスラリーを、抄紙後のシートの坪量が80g/m2になるように量りとり、攪拌下、硫酸アルミニウム0.5重量%(対パルプ量)、カチオン化澱粉としてCato302(日本エヌエスシー(株)製)0.3重量%、アルキルケテンダイマーサイズ剤としてサイリーン−94(花王(株)製)0.2重量%、軽質炭酸カルシウムとしてホワイトンPC(白石工業(株)製)15重量%を順次添加した後、パルプ濃度0.5重量%に希釈した。
更に、攪拌下、室温(20〜25℃)にて、本発明品及び比較品の組成物をパルプに対して0.5重量%(有効分換算)になるように添加し、歩留まり剤としてパーコール47(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.015重量%を添加した。
これを丸型タッピー抄紙機にて150メッシュワイヤーで抄紙し、湿紙を得た後、湿紙の両面を各2枚ずつのアドバンテック製No.26丸型濾紙で挟み、3.5kg/cm2で5分間プレスし、鏡面ドライヤーを用いて105℃で2分間乾燥した。乾燥されたシートを、23℃、50%RHの条件で1日間調湿した。
(2)(A)成分の紙中定着率
(A)成分が溶解する溶媒を用いて調湿後のシートから(A)成分を抽出し、GC(ガスクロマトグラフィ)にて定量する。
(3)嵩向上率
上記の紙の製造条件において、組成物の添加量を対パルプ0.5重量%として他は同様にして得たシートの坪量(g/m2)と厚み(μm)を測定し、次式:〔(坪量)/(厚み)〕により、緊度(d)(g/cm3)を求める。また、組成物を添加しないで同様に製造したシートの緊度(d0)を求める。これら緊度d、d0から、以下の式より嵩向上率を算出する。
嵩向上率(%)=〔(d0−d)/d0〕×100
0:組成物無添加シートの緊度
d:組成物を添加して得られたシートの緊度
(4)白水の泡立ち
白水の泡立ちは、上記の紙の製造において発生した抄紙のろ液(白水)100gを有栓メスシリンダー(容量250mL)に入れ、30秒間激しく攪拌した後の泡量を次の5段階で評価した。
泡量が10mL未満:1
泡量が10mL以上20mL未満:2
泡量が20mL以上30mL未満:3
泡量が30mL以上40mL未満:4
泡量が40mL以上:5
Figure 2007277736
表中、(B)成分の構造は、下記一般式(α)の化合物に基づくものである。
Figure 2007277736
また、表中、(B)成分の構造において、C16等は、Cの次の数字の炭素数を有するアルキル基を意味する。混合アルキル基の比率は重量比である。また、EtSO4 -は、エチル硫酸イオン(C25SO4 -)である。
表1中、(A)成分の「1重量%水溶液の外観」の「分離」とは、沈殿物や浮遊物がある状態を意味する(以下同様)。
Figure 2007277736
実施例2
表3の(A)成分を70℃の溶融状態で攪拌している中に(C)成分〔(C−1)及び(C−2)〕を添加して1時間混合したあと、さらに(D)成分を2時間かけて滴下混合し2時間熟成した。そのあと(E)成分を添加して80℃で1時間混合したあと、25℃まで室温放置して製紙用薬剤組成物を得た。それらを用いて実施例1と同様の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 2007277736
表中、(C)成分の構造は、下記一般式(β)の化合物に基づくものである。
Figure 2007277736
また、表中、(C)成分の構造において、C16等は、Cの次の数字の炭素数を有するアルキル基を意味する。混合アルキル基の比率は重量比である。
また、表中、(C−1)、(C−2)及び(D)の仕込み比率(重量%)は、(X)及び(Y)の設計比率(重量%)を表中の値に定め、(C−1)、(C−2)及び(D)の分子量と(C)/(D)比率(モル比)から決定した。なお、(C)/(D)モル比は、〔[(C−1)のモル数]+[(C−2)のモル数]〕/〔(D)のモル数〕の比である。
また、(C)の反応率は、下記(式1)にて算出した。
A=(1−(B+C−E(1−F/100))/D(1−F/100))×100 式1
A:(C)の反応率(%)
B:組成物の全アミン価(mgKOH/g)(分析値)
C:組成物の酸価(mgKOH/g)(分析値)
D:(D)成分配合前組成物の全アミン価(mgKOH/g)(分析値)
E:(D)成分配合前組成物の酸価(mgKOH/g)(分析値)
F:(D)成分の仕込み比率(重量%)
ここで、酸価及び全アミン価は、以下の方法で測定されたものである。
〔I〕酸価
(I-1)試薬
(I-1-1)混合溶剤
トルエン(1級)−エタノール(1級)混液(2+1、容量比)
上記混合溶剤に、1%フェノールフタレイン指示薬溶液を加え、使用直前に微紅色に中和する。
(I-2)操作
(I-2-1)試料10gを、200ml三角フラスコにはかりとる。
(I-2-2)約30mLの混合溶剤を、加え溶解(注1)する。
(I-2-3)0.1mol/Lアルコール性水酸化カリウム標準溶液で滴定する。
終点は、微紅色が30秒間続いたところとする。(注1)
(注1)終点の決定が不明瞭な場合は、電位差滴定で求める。
(I-3)計算
酸価は、以下の計算式により求める。酸価が10未満のときは有効数字二桁まで、また、10以上のときは有効数字三桁に丸める。
Figure 2007277736
A:滴定に要したアルコール性水酸化カリウム標準溶液の使用量(mL)
f:アルコール性水酸化カリウム標準溶液のファクター
K:5.611(0.1mol/Lアルコール性水酸化カリウム標準溶液)
28.05(0.5mol/Lアルコール性水酸化カリウム標準溶液)
〔II〕全アミン価
(II-1)試薬
(II-1-1)ブロムクレゾールグリーン指示薬溶液(BCG指示薬溶液):ブロムクレゾールグリーン(特級)0.2gにエタノール(1級)100mLを加え溶解させる。
(II-1-2)中性溶剤:エタノール(1級)1LにBCG指示薬溶液10mLを加え溶解させる。更に希アルコール性水酸化カリウム又は塩酸で中和する。
(II-1-3)0.2mol/Lアルコール性塩酸標準溶液
[調製]
塩酸(特級)17.5mLをエタノール(1級)に溶解して1Lとし、4〜5日放置した後標定する。
[標定]
炭酸ナトリウム(標準試薬)約0.1gを100mL三角フラスコにはかり、水約30mL加えて溶解する。BPB指示薬溶液*2〜3滴を加え、0.2mol/Lアルコール性塩酸標準溶液で滴定する(炭酸ナトリウムは、550〜650℃で1時間強熱する)。
*BPB指示薬溶液ブロムフェノールブルー0.1gにエタノール90mLを加え、更に水を加えて100mLとする。
Figure 2007277736
(II-2)操作
(1)試料(注1)2gを、100mL三角フラスコにはかりとる。
(2)中性溶剤約30mLを加え溶解(注2)する。
(3)0.2mol/Lアルコール性塩酸標準溶液で滴定する。終点は青色から黄色に変わった点とする。
(注1)試料は、空気中の炭酸ガスを吸収しやすいので空気との接触をできるだけさける。
(注2)融点の高い試料は、加温溶解する。完全に溶解しない場合はトルエン等を加えて溶解する。
(II-3)計算
全アミン価は、以下の計算式により求める。全アミン価は、小数点以下一桁に丸める。
Figure 2007277736
A:試料の滴定に要した0.2mol/Lアルコール性塩酸標準溶液の使用量(mL)
f:0.2mol/Lアルコール性塩酸標準溶液のファクター
Figure 2007277736

Claims (9)

  1. 非イオン性界面活性剤(A)、下記一般式(1)で表される陽イオン性界面活性剤(B1)及び下記一般式(2)で表される陽イオン性界面活性剤(B2)を配合してなり、(B1)と(B2)の合計量中の(B1)の比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物。
    Figure 2007277736

    (式中、R1bは炭素数16のアルキル基、炭素数16のアルケニル基又は炭素数16のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R2bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R3b及びR4bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A1O)n1−Z1(ここでA1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z1は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n1は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基であり、X1 -は対イオンである。)
    Figure 2007277736

    (式中、R5bは炭素数18のアルキル基、炭素数18のアルケニル基又は炭素数18のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R6bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R7b及びR8bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A2O)n2−Z2(ここでA2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z2は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n2は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基であり、X2 -は対イオンである。)
  2. (A)と、(B1)及び(B2)との重量比(A)/〔(B1)+(B2)〕が99/1〜40/60である請求項1記載の製紙用薬剤組成物。
  3. 非イオン性界面活性剤(A)、下記一般式(3)で表されるアミン化合物(C1)、下記一般式(4)で表されるアミン化合物(C2)、及び該アミン化合物の4級化剤(D)を配合してなる製紙用薬剤組成物であって、前記(C1)及び(C2)が前記(D)により4級化されており、(C1)の(D)による4級化物(X)と(C2)の(D)による4級化物(Y)の合計量中の(X)の設計比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物。
    Figure 2007277736

    (式中、R1cは炭素数16のアルキル基、炭素数16のアルケニル基又は炭素数16のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R2c及びR3cは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A3O)n3−Z3(ここでA3Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z3は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n3は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基である。)
    Figure 2007277736

    (式中、R4cは炭素数18のアルキル基、炭素数18のアルケニル基又は炭素数18のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R5c及びR6cは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A4O)n4−Z4(ここでA4Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z4は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n4は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基である。)
  4. (A)と、(X)及び(Y)との設計比率が、(A)/〔(X)+(Y)〕重量比で99/1〜40/60である請求項3記載の製紙用薬剤組成物。
  5. (C1)と(C2)を、これらをそれぞれ80重量%以上含有するアミン化合物の混合物として用いる、請求項3又は4記載の製紙用薬剤組成物。
  6. 非イオン性界面活性剤(A)、下記一般式(1)で表される陽イオン性界面活性剤(B1)及び下記一般式(2)で表される陽イオン性界面活性剤(B2)を含有し、(B1)と(B2)の合計量中の(B1)の比率が50〜95重量%の範囲である、製紙用薬剤組成物。
    Figure 2007277736

    (式中、R1bは炭素数16のアルキル基、炭素数16のアルケニル基又は炭素数16のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R2bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R3b及びR4bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A1O)n1−Z1(ここでA1Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z1は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n1は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基であり、X1 -は対イオンである。)
    Figure 2007277736

    (式中、R5bは炭素数18のアルキル基、炭素数18のアルケニル基又は炭素数18のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R6bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基又は炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基であり、R7b及びR8bは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のβ−ヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:−(A2O)n2−Z2(ここでA2Oは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、Z2は水素原子又は炭素数1〜24のアシル基であり、n2は平均付加モル数であり、1〜50の数である)で表される基であり、X2 -は対イオンである。)
  7. 形態が乳化液又は懸濁液である請求項1〜6いずれか記載の製紙用薬剤組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか記載の製紙用薬剤組成物をパルプスラリーに添加する紙の製造方法。
  9. 請求項8記載の紙の製造方法により得られた紙。
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