JP2007277705A - 破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用圧延材、破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用熱間鍛造部品、及び破断分離型コネクティングロッド - Google Patents

破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用圧延材、破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用熱間鍛造部品、及び破断分離型コネクティングロッド Download PDF

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Abstract

【課題】クランクシャフトに組み付けるための貫通孔部分が略半円に破断分離されたコネクティングロッドの製造に好適な、破断分離性に優れた圧延材を提供する。
【解決手段】規定の成分を満たし、棒状圧延材の長手方向に対して平行な断面におけるD/4部(Dは圧延材の直径)を観察したときに硫化物系介在物の平均アスペクト比が10.0以下であると共に、下記式(1)で示されるPcが0.41〜0.75で、かつ下記式(2)で示されるVeqが0.18質量%以上であることを特徴とする破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用圧延材。
Pc=C/(1−α/100) …(1)
{式(1)中、Cは鋼中炭素含有量(質量%)を示し、αはフェライト分率(面積%)を示す}
Veq=V+Ti/2+Si/20 …(2)
{式(2)中、V、Ti、Siは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}
【選択図】なし

Description

本発明は、破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用圧延材、破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用熱間鍛造部品、及び破断分離型コネクティングロッドに関するものであり、特に、クランクシャフトに組み付けるための貫通孔部分が略半円に破断分離されたコネクティングロッドの製造に好適な圧延材、該圧延材を用いて得られる熱間鍛造部品、更には、該熱間鍛造部品を用いて得られる破断分離型コネクティングロッドに関するものである。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関には、ピストンとクランクシャフトの間を連結し、ピストンの往復運動をクランクシャフトに伝えて回転運動に変換する部品としてコネクティングロッド(以下、「コンロッド」ということがある)が用いられている。コンロッドは、クランクシャフトに組み付けるための貫通孔(略円形)を備えた部品であり、この組み付けや保守のための取り外しを容易にすべく、貫通孔部分が2つの略半円に分離するよう構成されている。分離したコンロッドのうちピストンと直結する側はコンロッド本体と称され、残りはコンロッドキャップと称される。
上記コンロッドは、従来、コンロッド本体とコンロッドキャップを別個に熱間鍛造した後、合わせ面を切削加工することによって製造され、必要に応じてズレを防止するためノックピン加工が施される場合があった。しかしこうした加工を施すと、材料の歩留まり量が低下する他、多数の工程を経るためコストが上昇するという問題があった。
そこでコンロッドを一体で熱間鍛造し、機械加工[クランクシャフトに組み付けるための貫通孔形成加工(穴開け加工)やボルト穴加工等]を施した後、貫通孔部分が2つの略半円となるよう冷間で破断分割する方法が行われている。該方法によれば、合わせ面がランダムな凹凸を有しているので、コンロッド本体とコンロッドキャップの合わせ面に隙間を生じさせずに精度よくクランクシャフトに組み付けることができる。
上記破断分離加工によるコンロッドの製造用材料として、欧州ではDIN規格のC70S6が用いられている。該材料は、上記破断分離加工には適しているが、より高レベルの疲労強度や耐力の要求には応じ難く、更に被削性も十分とは言い難いといった問題がある。よって疲労強度、耐力により優れ、更には良好な被削性も確保することのできる破断分離型コンロッド用鋼種の実現が望まれている。
これまでにも種々の鋼材が開発されており、特許文献1には、破断分離可能な高強度非調質鋼及びその中間製品について開示されている。上記公報では、MnSを主体とした硫化物のアスペクト比とパーライトの面積率を制御することで、破面にランダムな凹凸が得られ、勘合させた際にずれが生じ難くなる旨開示されている。しかし、上記パーライトの面積率は40%以下と規定されており、パーライト以外がフェライトであるとすれば60%以上をフェライトが占めることになる。フェライトは軟質な相であるため、フェライト面積率が大きいと破断時の変形を招く場合があると考えられる。
一方、特許文献2には、C量を0.25〜0.70%とすると共にフェライトの面積率を10%以下に抑えた高強度で低延性且つ被削性に優れた非調質鋼が開示されている。しかし該技術では、靱性の高い硬質層が形成され、破断分離時の荷重が高くなり変形が大き
くなるものと思われる。
特許文献3には、C量を0.5〜0.7%にすると共にフェライト面積率を5〜15%として、コンロッドの製造に用いる熱間鍛造用鋼の被削性と低延性を確保する技術が開示されている。また特許文献4には、C量を0.2〜0.6%とし、VやTiを添加して破断分離特性を確保することが開示されている。更に特許文献5〜7には、C量を抑えると共にフェライト分率を抑えることによって、被削性と嵌合性を確保した破断分割型コンロッド用鋼が開示されている。しかし上記特許文献3〜7の技術では、MnS等といった硫化物系介在物の形態が制御されておらず、破断時の変形が十分に抑えられているとは限らない。尚、上記特許文献4〜7には、MnSの形態制御に有効であると考えられているCa添加の記載があるが、その具体的な添加方法まで記載されておらず、MnSを主体とする硫化物系介在物の形態を制御して破断分離性を十分高めたものとは言い難い。
一方、特許文献8には、硫化物系介在物のアスペクト比を10以下とすることで破断分離性を改善した熱間非調質鋼が開示されている。しかし、S量が比較的多いと、たとえMnSを球状化しても該MnSを起点としたボイドが破断時に多量に発生すると考えられる。そして、これに起因してフェライト部の延性破壊が生じやすくなり、コンロッド本体とコンロッドキャップの破面が合わなくなるため、破断時の変形が見かけ上大きくなるものと思われる。
特開2003−342671号公報 特開2002−356743号公報 特開2004−35916号公報 特開2004−277817号公報 特開2002−275578号公報 特開2004−277848号公報 特開2003−193184号公報 特開2000−73141号公報
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、クランクシャフトに組み付けるための貫通孔部分が略半円に破断分離されたコネクティングロッドの製造に好適な圧延材、該圧延材を用いて得られる熱間鍛造部品、更には、該熱間鍛造部品を用いて得られる破断分離型コネクティングロッドを提供することにある。
本発明に係る破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用圧延材とは、
化学成分組成が、質量%で(以下、成分について同じ)、
C :0.25〜0.60%、
Mn:2%以下(0%を含まない)、
S :0.05〜0.2%、
Si:1.5%以下(0%を含まない)、
V :0.05〜0.3%、
P :0.15%以下(0%を含まない)、
Al:0.06%以下(0%を含まない)、
N :0.03%以下(0%を含まない)、および
Cr:2%以下(0%を含まない)
を満たし、
更に、Zr:0.2%以下(0%を含まない)、Ti:0.1%以下(0%を含まない)、Mg:0.01%以下(0%を含まない)、Ca:0.01%以下(0%を含まない)、Te:0.1%以下(0%を含まない)、及びREM:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含み、
残部鉄および不可避的不純物からなるものであり、
フェライトとパーライトが合計で全体の95面積%以上を占め、
棒状圧延材の長手方向に対して平行な断面におけるD/4部(Dは圧延材の直径)を観察したときに、硫化物系介在物の平均アスペクト比が10.0以下であると共に、
下記式(1)で示されるPcが0.41〜0.75で、かつ下記式(2)で示されるVeqが0.18質量%以上であるところに特徴を有する。
Pc=C/(1−α/100) …(1)
{式(1)中、Cは鋼中炭素含有量(質量%)を示し、αはフェライト分率(面積%)を示す}
Veq=V+Ti/2+Si/20 …(2)
{式(2)中、V、Ti、Siは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}
また上記圧延材は、更に、下記式(3)で示されるCeqが0.80質量%以上で、かつ下記式(4)で示されるPMが500質量%以下を満たすものがよい。
Ceq=C+0.28Mn−1.0S+0.32Cr+1.7V+1.3Ti…(3)
PM=554C+71Mn−262S+82Cr+429V …(4)
{式(3)(4)中、C、Mn、S、Cr、V、Tiは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}
上記圧延材は、更に他の元素として、
(a)Se:0.1%以下(0%を含まない)、及び/又は、Bi及び/又はPb:合計で0.2%以下(0%を含まない)、
(b)B:0.004%以下(0%を含まない)
を含んでいてもよい。
本発明は、上記圧延材に熱間鍛造を施して得られる破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用熱間鍛造部品、更には、該熱間鍛造部品を用いて得られる破断分離型コネクティングロッドも含むものである。
尚、上記硫化物系介在物の平均アスペクト比は、後述する実施例に示す方法で測定した値をいうものとする。
本発明によれば、コネクティングロッドの貫通孔部分を略半円に良好に破断分離することができるため、分離加工のコストを低減できると共に、欧州で用いられているC70S6に比べて高強度で、かつ優れた被削性も発揮するコネクティングロッド用圧延材、該圧延材を用いて得られる熱間鍛造部品、更には熱間鍛造部品を用いて得られる破断分離型コネクティングロッドを実現できる。
本発明者らは、クランクシャフトに組み付けるための貫通孔部分を2つの略半円に分離する際に、良好に破断分離させることのできるコンロッド用圧延材を得るべく、加工性(特に被削性)を確保することのできる低C量でかつS量を高めた鋼材を対象に鋭意研究を行った。その結果、フェライト分率と上記C量の関係を制御すると共に、硫化物系介在物のアスペクト比を制御すれば、破断分離で大きな歪の生じやすい上記低C量かつ高S量の鋼材において、被削性に優れると共に破断分離性の十分に高められたコンロッド用圧延材を実現できる、との着想のもとでその具体的方法を見出した。以下、本発明について詳述する。
〈Pc=0.41〜0.75
但し、Pc=C/(1−α/100) …(1)
{式(1)中、Cは鋼中炭素含有量(質量%)を示し、αはフェライト分率(面積%)を示す}〉
S量が比較的高い鋼材では、MnS等の硫化物系介在物の形態を制御しても破断分離時に延性破壊が生じる場合がある。延性破壊が生じると、コンロッド本体とコンロッドキャップの破面が合わなくなり、クランクシャフトに組み付ける際にこれらを精度よく勘合できない。また、精度よく勘合できずに、コンロッド本体とコンロッドキャップの合わせ面に隙間が生じると、コンロッドの強度を確保することも難しくなる。そこで本発明では、上記延性破壊を防止するため、該延性破壊に影響を及ぼす因子について種々検討を行った。その結果、規定C量の範囲において、全組織に占めるフェライト分率と鋼中C量の関係を示したPc:C/(1−α/100)を一定範囲内とすればよいことを見出した。
図1は、破断分離により生じる歪と上記Pcの関係を示したグラフであり、後述する実施例の実験結果(硫化物系介在物のアスペクト比はいずれも規定範囲内)を整理したものである(尚、図1では、C量が0.33%の場合について傾向を示す線を引いている)。この図1より、硫化物系介在物を後述する規定範囲内に制御するのみならず、Pcを制御することによって、分離歪を確実に抑制できることがわかる。具体的には、いずれのC量の場合にもPcが0.5付近で破断分離時の歪が極小値をとり、分離歪を200μm以下(前記C70S6の分離歪が最大で200μm程度であることから、200μm以下を目標とする)に抑えるには、Pcの下限を0.41とする必要があることがわかる。分離歪を150μm以下とより小さくするにはPcを0.45以上とするのがよい。またPcの上限については0.75とする必要がある。分離歪を100μm以下とより小さくするにはPcを0.47〜0.60とするのがよい。
本発明では、後述する硫化物系介在物の形態を制御して破断分離時の破面進展を促進させると共に、上記の通りフェライト分率とC量の関係を制御することで、優れた破断分離性を確保でき、更には、硫化物系介在物量が増加した際に生じるキリカキ付近のボイドを抑制できるため、優れた被削性も確保できる。
〈棒状圧延材の長手方向に対して平行な断面におけるD/4部(Dは圧延材の直径)を観察したときの硫化物系介在物の平均アスペクト比:10.0以下〉
製造過程での展伸により形成されるアスペクト比の大きな硫化物系介在物は、破断分離時の亀裂進展を阻害する。その結果、分離破断に加わる負荷が大きくなるため、破断分離した際の変形(歪)が大きくなる。
図2は、破断分離により生じた歪(分離歪)と硫化物系介在物の平均アスペクト比の関係を示したグラフであり、後述する実施例の実験結果(上記Pcはいずれも規定範囲内)を整理したものである。この図2より、分離歪を200μm以下に抑えるには、上記硫化物系介在物の平均アスペクト比を10.0以下とする必要がある。分離歪を150μm以下とより小さくするには上記アスペクト比を9.5以下とすることが好ましい。
尚、本発明における「硫化物系介在物」とは、主にMnSを意味するが、Mn、Zr、Ti、Mg、Ca、Se、Te、REM等の各硫化物の他、これらの複合硫化物や、酸化物を核とした上記硫化物や複合硫化物との複合化合物も包含される。
〈Veq≧0.18
但し、Veq=V+Ti/2+Si/20 …(2)
{式(2)中、V、Ti、Siは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}〉
MnS等の様な介在物が存在しなくてもボイドが発生し、破断分離時の延性破壊を招く場合があるが、その原因として、フェライトの硬さが低すぎる場合が考えられる。そこで本発明者らは、フェライトの硬さに影響を及ぼす元素について調べたところ、V、Ti、Siがフェライトの硬さに影響を及ぼす元素であり、種々の実験から該V、Ti、Siを含む上記Veqがフェライトの硬さと相関があることを見出した。
図3は、上記Veqと破断分離により生じる歪との関係を示したグラフであり、後述する実施例の実験結果を整理したものであるが、この図3より、分離歪を200μm以下に抑えて優れた破断分離性を確保するには、Veqを0.18質量%以上とする必要があることがわかる。好ましくは0.22質量%以上である。尚、Veqを0.40質量%以上としても効果が飽和するので、コストの観点から上記Veqを0.40質量%以下とすることが好ましい。
〈Ceq≧0.80
但し、Ceq=C+0.28Mn−1.0S+0.32Cr+1.7V+1.3Ti
…(3)
{式(3)中、C、Mn、S、Cr、V、Tiは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}〉
Ceqは、鋼材の硬さと相関のあるパラメータであり、コンロッドとして使用可能な強度を確保するには、Ceqを0.80質量%以上(より好ましくは0.90質量%以上)に制御するのがよい。一方、Ceqが高すぎても被削性が劣るため、その上限は1.50質量%とすることが好ましい。
〈PM≦500
但し、PM=554C+71Mn−262S+82Cr+429V …(4)
{式(4)中、C、Mn、S、Cr、Vは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}〉
PMは、被削性と相関のあるパラメータであり、量産可能なレベルの切削性を確保するには、500質量%以下(より好ましくは400質量%以下)とするのがよい。
次に、本発明の各化学成分等の限定理由を以下に詳述する。
〈C:0.25〜0.60%〉
Cは、強度の確保と共に破断時の歪を小さくするのに必要な元素である。また、パーライト等の組織を形成し、フェライト部における硫化物系介在物を核としたボイドの生成を抑制する効果もある。従って、C量は0.25%以上とする必要がある。好ましくは0.30%以上である。しかしC量が過剰になると、被削性が劣化するため0.60%以下とする。好ましくは0.55%以下である。
〈Mn:2%以下(0%を含まない)〉
Mnは、鋼材の強度を高めるとともに焼入性を向上させ、炭素含有量が高い場合にはレーザー加工した切欠き底に脆い熱影響層を生成させて、破断分離を容易にする。該効果を発揮させるには、Mn量を0.5%以上とすることが好ましい。しかしMn量が過剰であると、鍛造後にベイナイトが生成し、硬さが著しく増加して被削性が低下する。また、ベイナイトは可動転位を多く含むため、コンロッドに重要な特性である耐力が低下する。よって本発明ではMn量を2%以下とする。好ましくは1.5%以下である。
〈S:0.05〜0.2%〉
Sは、Mnと硫化物(MnS)を生成し、被削性を改善するのに有効な元素である。本発明では、該効果を発揮させるためS量を0.05%以上とする。好ましくは0.08%以上、より好ましくは0.10%以上である。上記MnSが、製造過程における圧延等で細長く伸びた形状になると、これが、破断分離時の破面進展を阻害する原因となる。本発明では、硫化物系介在物を球状化することにより上記問題を解決するが、S量が過剰になると該硫化物系介在物も過剰となり、フェライト部でのボイド発生の起点が増加して、延性破壊が生じ易くなる。よってS量は0.2%以下とする。好ましくは0.12%以下である。
〈Si:1.5%以下(0%を含まない)〉
Siは、鋼溶製時の脱酸元素として有用であると共に、フェライト中に固溶して、破断分離時の塑性変形の主な原因である軟質相(フェライト)の強度を向上させ、耐力や疲労強度を向上させるのに有効な元素でもある。また、破断分離時の変形(真円度変化)を抑制し、破断面の勘合性を向上させるのにも有効である。これらの効果を十分発揮させるには、Si量を0.15%以上とすることが好ましい。しかしSi量が多過ぎると、必要以上に硬さが増加し被削性が劣化するため、1.5%以下とする。好ましくは0.5%以下である。
〈V:0.05〜0.3%〉
Vは、Siと同様にフェライトの強度を高めて破断分離時の変形を抑制する効果がある。該効果を十分発揮させるにはV量を0.05%以上とすることが好ましい。一方、Vを過剰に含有させても上記効果は飽和するので、その上限を0.3%とする。
〈P:0.15%以下(0%を含まない)〉
本発明において、Pは、破断時の変形を抑制し、破断面の勘合性を向上させるのに有効であり、該効果を発揮させるため0.02%以上と積極的に含有させてもよい。しかしPは、連続鋳造時の鋳造欠陥を誘発しやすい元素でもあるので、0.15%以下(好ましくは0.08%以下)とする。
〈Al:0.06%以下(0%を含まない)〉
Alは、鋼溶解時に脱酸作用を発揮する元素であり、溶鋼中の酸素濃度が低下することで硫化物系介在物が球状化し易くなるため、硫化物系介在物の球状化にも寄与する元素である。この様な効果を発揮させるには、0.010%以上含有させることが好ましい。しかしAl等が過剰となってもその効果は飽和し、溶鋼中の酸素濃度が低下し過ぎて硫化物系介在物の球状化が却って阻害される。よってAl量は0.06%以下(より好ましくは0.020%以下)とする。
〈N:0.03%以下(0%を含まない)〉
Nは、不可避的に鋼中に含有される元素であり、多量に含まれていると鋳造欠陥の原因になるため0.03%以下(より好ましくは0.02%以下)に抑える。
〈Cr:2%以下(0%を含まない)〉
Crを添加すれば、上記Mnと同様に鋼材の強度を高めるとともに焼入性を向上させ、また、炭素含有量が高い場合にはレーザー加工した切欠き底に脆い熱影響層を生成させて、破断分離を容易にする。該効果を発揮させるには、好ましくは0.1%以上(より好ましくは0.15%以上)含有させるのがよい。しかしながら、Crが多量に含まれると鍛造後にベイナイトが生成し、硬さが著しく増加して被削性が低下する。またベイナイトは可動転位を多く含むため、コンロッドに重要な特性である耐力を低下させる。よって本発明ではCr量を2%以下(より好ましくは1.0%以下)に抑える。
〈Zr:0.2%以下(0%を含まない)、
Ti:0.1%以下(0%を含まない)、
Mg:0.01%以下(0%を含まない)、
Ca:0.01%以下(0%を含まない)、
Te:0.1%以下(0%を含まない)、及び
REM:0.3%以下(0%を含まない)
よりなる群から選択される少なくとも1種〉
これらの元素は、硫化物系介在物の形態を制御して、破断分離時の変形を抑制する効果を有している。Zrは、硫化物系介在物の球状化に有効な元素であり、該効果を期待するには、Zr量を0.05%以上とすることが好ましい。しかしZr量が多過ぎると、硬くなりすぎて被削性が劣化するため0.2%以下(より好ましくは0.10%以下)とするのがよい。
Tiは、硫化物系介在物の球状化に寄与すると共に、Si、Vと同様にフェライトの強度を高めて破断分離時の変形を抑制する効果も有する。該効果を発揮させるには、Ti量を0.05%以上とするのが好ましい。しかし、Ti量が過剰になると被削性が低下するため0.1%を上限とするのがよい。より好ましくは0.08%以下である。
Mgは、硫化物系介在物を微細化させるのに有用な元素である。硫化物系介在物が存在すると機械的性質が損なわれるが、微細化することで機械的性質の劣化を抑えることができる。該効果を発揮させるには、Mg量を0.0003%以上とすることが好ましい。しかしMgが多量になると、酸化物が過剰に存在し機械的性質が却って損なわれるため、0.01%以下(より好ましくは0.0040%以下)とする。
Caは、硫化物系介在物を球状化させる効果がある。該効果を発揮させるには、Caを0.0005%以上含有させることが好ましい。尚、Caを添加する際、Ca酸化物が形成されるのを抑制し、硫化物系介在物中にCaを固溶させて硫化物系介在物の球状化を図るには、Al等をCa添加の直前に添加して溶鋼中の酸素量を下げてからCaを添加するのがよい。
一方、Ca量が過剰になると、Mg同様に酸化物が多量に形成され機械的性質が却って損なわれる。よって、Ca量は0.01%以下(より好ましくは0.0030%以下)とするのがよい。
Teも硫化物系介在物の球状化効果を有する元素であり、該効果を発揮させるには0.0010%以上含有させることが好ましい。しかし多量に含まれると熱間変形能が劣化するため、0.1%以下(好ましくは0.01%以下)とするのがよい。
REM(希土類元素;例えばミッシュメタル)も、Mg同様に硫化物系介在物を微細化する効果を有しており、機械的性質の改善効果に寄与する。該効果を期待してREMを添加する場合、0.0010%以上とするのがよい。しかし多量に添加しすぎると、酸化物が多量に形成され機械的性質が却って損なわれる。よってREMは0.3%以下(より好ましくは0.010%以下)とするのがよい。
本発明で規定する含有元素は上記の通りであって、残部は鉄および不可避的不純物であり、該不可避的不純物として、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素の混入が許容され得る。また、破断分離性をより向上させるため、下記元素を規定範囲内で積極的に含有させることも可能である。
〈Se:0.1%以下(0%を含まない)、及び/又は
Bi及び/又はPb:合計で0.2%以下(0%を含まない)〉
Se、Bi、Pbはいずれも被削性改善の効果を有する元素である。該効果を発揮させるには、Seの場合、0.0010%以上含有させることが好ましい。また、Bi及び/又はPbを含有させる場合、合計で0.01%以上とすることが好ましい。しかしSeを多量に含有させると熱間変形能が劣化するので、0.1%以下(より好ましくは0.03%以下)とするのがよい。また、Bi及び/又はPbを多量に含有させると、鋼材の鋳造欠陥、圧延時の疵を誘発するため、Bi及び/又はPbは合計で0.2%以下(より好ましくは0.15%以下)とするのがよい。
〈B:0.004%以下(0%を含まない)〉
Bは、焼入れ性を改善してフェライト分率を低減し、硫化物系介在物によるボイドの発生を抑制する効果を有している。該効果を発揮させるには、B量を0.0005%以上とすることが好ましい。しかしBが多量に含まれていると、鉄との共晶溶液を生じ熱間変形能が低下するため、0.004%以下とする。より好ましくは0.002%以下である。
本発明の圧延材は、組織がフェライトおよびパーライトの2相組織であって、フェライトとパーライトが合計で全体の95面積%以上を占める。フェライトとパーライト以外の組織(例えばベイナイト)は、面積率で5%以下であれば許容できる。
本発明は、上記圧延材の製造方法まで規定するものではないが、熱間圧延に際して行う加熱の温度を950℃以上とすれば、上記硫化物系介在物の平均アスペクト比を容易に規定範囲内とすることができるので好ましい。一方、上記温度が高すぎるとスケールによる不良やキズが生じるため、1200℃以下とすることが好ましい。また、硫化物系介在物の形態を制御するには上記の通りCaやZr、Te等を添加することが有効であるが、該元素を添加するには、溶製段階において、上記Ca等を添加する直前にAl等の脱酸元素を添加して溶鋼中の酸素量を低減させてから上記Ca等を添加するのがよい。
上記Pcを制御するには、C量を調整すると共にフェライト分率を制御する必要がある。フェライト分率は、鍛造直後の鋼材温度や鍛造後の冷却速度の調整、C以外の合金元素量の調整等の公知手段で調整可能である。具体的には次の様な方法挙げられる。即ち、適当な条件で鍛造を実施し、フェライト分率を測定してPcを算出する。Pcが本発明で規定の範囲になく、例えばフェライト分率を下げることでPcを規定の範囲内とすることができる場合には、冷却速度を下げたり、鍛造直後の鋼材温度を下げたり、またMn等の合金成分を規定の範囲内で下げる等の調整を実施する。この様にPcが概ね0.5付近となるよう試行錯誤を繰り返すことでPcの調整が可能である。
尚、本発明の圧延材は、該圧延材を用いた熱間鍛造部品の製造において、鍛造した後、機械的性質の特性確保のために、焼入れおよび焼戻しといった熱処理を施す必要がなく、冷却ままで使用することのできる非調質鋼である。上記圧延材の形状は棒状であればよく、その大きさは特に限定されないが、一般的には直径25〜50mm程度である。
本発明の破断分離型コネクティングロッド用熱間鍛造部品は、上記圧延材を用い、公知の方法で熱間鍛造してコンロッドの外形を形成することによって得られる。また、破断分離型コネクティングロッドを得るには、上記鍛造部品に成形加工等の加工を施して、クランクシャフトに組み付けるための貫通孔を形成し、その後、貫通孔部分が2つの略半円に分離するよう破断分離することにより得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
棒鋼製造例
表1、2に示す化学成分の鋼を通常の溶製方法に従って溶解・鋳造後、分塊、圧延を行って70mmφの棒鋼を得た。次に、これを熱間鍛造により25mm厚に鍛造した。尚、上記製造方法において、Pcの調整は、成分と熱間鍛造後の800〜600℃の平均冷却速度を調整して行った。また、硫化物系介在物の平均アスペクト比は、圧延直前の鋼材温度を変えたり、硫化物系介在物を球状化させるCaやZr、Te等の添加により制御した。これらの元素は全てAl添加後に添加した。
得られた棒鋼を用いて、フェライト分率の測定、硫化物系介在物の平均アスペクト比の測定、および破断分離性の評価を下記の要領で行った。
〈フェライト分率(α)の測定〉
得られた棒鋼のD/4部が観察できるよう長手方向に平行な断面からサンプルを採取し(図4参照)、表面を鏡面研磨した後、ナイタールで腐食させて組織観察用試験片を用意した。そして光学顕微鏡を用いて100倍で撮影し(1視野の写真サイズ:9cm×7cm)、得られた写真の画像解析を行って求めた。上記測定を、サンプル表面における任意の3視野で同様に行い、その平均値をフェライト分率(面積%)とした。
また前記画像解析に基づき、フェライトとパーライトの面積率の合計を求めた。
〈硫化物系介在物のアスペクト比(L/W)の測定〉
棒鋼の長手方向に対して平行な断面でのD/4部(図4参照)における1平方ミリメートルを光学顕微鏡で観察した。そして、幅が1μm以上の介在物について、各介在物の長径Lおよび幅W(幅は、長径に対し最も広い幅)を測定し、L/Wを求め、その算術平均値を算出した。上記介在物には、硫化物系介在物のみならず酸化物のみからなるものも含まれ得るが、その可能性は非常に小さいため、上記方法により求めたL/Wを硫化物系介在物の平均アスペクト比とみなした。
〈破断分離性の評価〉
上記70φの棒鋼に対し、棒鋼の圧延方向に垂直な方向に熱間鍛造を施して25mm厚とした後、図5に示す試験片に加工した。図5中、(a)は試験片の上面図、(b)は試験片の側面図を夫々示しており、aは切欠、bはボルト穴、cは圧延方向であることを示す矢印を夫々示している。試験片は、65mm×65mm×厚み22mmの板状で、中央はφ40mmの円筒状に抜き取られている。抜き取り部の端部には、ノッチが設けられている。また、試験片には圧延方向に沿ってボルト穴b(φ8.3mm)が設けられている。
上記試験片を用いて、図6に示す要領で、プレス試験機(1600tプレス、プレス速度:270mm/s[治具接触時(治具高さ110mm)の速度、くさび4およびくさび5のくさび角が30°であるからTP破断速度は約150mm/s])にセットして試験片の破断分離を行った。そして図7に示す要領で破断分離前後の穴径差(L2−L1)を分離歪として測定し、この分離歪が200mm以下のものを破断分離性に優れていると評価した。
これらの結果を表3,4に示す。
Figure 2007277705
Figure 2007277705
Figure 2007277705
Figure 2007277705
表1〜4から次のように考察できる(尚、下記記号は、表1〜4の実験記号を示す)。a01〜a12は、圧延後の冷却速度を変化させてフェライト分率を変動させ、またC量を変化させてPcを変動させたものである。このうち、Pcが本発明の規定範囲内にないものは、分離歪が大きく破断分離性に劣っている。
b01〜b03は、硫化物系介在物の平均アスペクト比を圧延直前の鋼材温度および鍛造直後の鋼材温度を変えて制御した例である。これらの例から分かるように、Caといった硫化物系介在物を球状化する元素を添加してもアスペクト比は必ずしも規定範囲内になく、圧延直前の鋼材温度および鍛造直後の鋼材温度の影響を受けることがわかる。b03の様にアスペクト比が10.0を超えると、分離歪が200μm(C70S6の最大破断歪)を超えるため、優れた破断分離性を確保できない。
c01以降は、各化学成分を変動させたものである。このうちc01〜c05はC量を変動させたものであり、c01はC量が不足し、Pcが下限値を下回っているため、破断分離性に劣っている。またc05より、被削性を確保するにはPMを規定範囲内とするのがよいことがわかる。
e01〜e04は、Mn量を変動させたものであるが、e01は、Mn量が比較的少なくフェライトの生成が促進されてPcが規定範囲を上回っている。またe04は、Mn量が比較的多くフェライトがあまり生成されず、Pcが規定範囲を下回っている。そのためe01とe04は、破断分離性に劣っている。
g01〜g07は、S量を変動させた例であるが、S量を0.2%にまで高めても優れた破断分離性を確保できることがわかる。一方、g01〜g03から、破断分離性を高めるには一定量のCrを含有させることが好ましいことがわかる。
i01〜i04は、V量を変動させた例であり、i01は硫化物系介在物の平均アスペクト比が10.0以下に抑えられ、かつフェライト分率が規定範囲内にあるが、Veqが低いためボイドが発生し、破断分離性に劣っている。
m01〜m16は、Ti、Zr等のいわゆる選択元素を添加した例であるが、m01は、上記i01と同様にVeqが低いため、ボイドが発生して破断分離性に劣っている。m04はBを添加した例であるが、この様にBを添加しても破断分離性に悪影響を及ぼさないことがわかる。m10は、Caが比較的少なく、また硫化物系介在物を球状化させるためのその他の元素の添加や製造条件の制御を行なわなかったので、硫化物系介在物の平均アスペクト比が大きくなり、分離歪が大きくなった。
本発明の条件を満たす圧延材は、分離歪が欧州で使用されているC70S6の最大歪200μm以下に収まっており、破断分離型コネクティングロッドの製造に適している。特に、C量が上記C70S6より低くかつS量を十分に添加することができるため、優れた被削性も兼備させることができる。
コンロッド製造例
表1のa01〜07に示す化学成分の鋼を通常の溶製方法に従って溶解・鋳造後、分塊、圧延(圧延直前の鋼材温度950℃)を行って32mmφの棒鋼を得た。次に、これを表5に示す条件で熱間鍛造し、さらに機械加工することによって、コンロッドの外形を有する熱間鍛造部品(厚さ18mm)を製造した。この熱間鍛造部品は、ピストンとの連結軸とクランクシャフトに組み付けるための半円部とを有するコンロッド本体部と、このコンロッド本体部と一緒になって貫通孔を形成する半円部を有するコンロッドキャップ部とが一体となった形態をしており、前記連結軸は圧延方向に沿って形成されている。この熱間鍛造部品にレーザーでノッチを入れ、機械力を作用させて破断することによって、コンロッド本体部とコンロッドキャップ部に分離した。ノッチは、破断面が圧延方向と直交するように形成した。
得られた破断分離型コンロッドについて、フェライト分率と硫化物系介在物の平均アスペクト比を前記と同様にして測定した。また破断分離前後の貫通孔の穴径差(L2−L1)を分離歪として測定した。
結果を表5に示す。
Figure 2007277705
表5から明らかなようにPcの値が適切な例(x01、x02)は、Pcの値が不適切な例(x03)よりも分離歪が小さい。
Pcと破断分離により生じた歪(分離歪)の関係を示すグラフである。 硫化物系介在物の平均アスペクト比(L/W)と破断分離により生じた歪(分離歪)の関係を示すグラフである。 Veqと破断分離により生じた歪(分離歪)との関係を示すグラフである。 硫化物系介在物の観察部位を説明するための概略斜視図である。 破断分離性の評価に用いた試験片の形状を模式的に示した(a)上面図および(b)側面図である。 プレス試験機での破断分離の状態を模式的に示した断面側面図である。 破断分離性の評価に用いた試験片の破断分離前後(試験前後)の状態を示した上面図である。
符号の説明
1 プレス
2 支持台
3,3’ ホルダー
4,5 くさび
6 試験片

Claims (6)

  1. 化学成分組成が、質量%で(以下、成分について同じ)、
    C :0.25〜0.60%、
    Mn:2%以下(0%を含まない)、
    S :0.05〜0.2%、
    Si:1.5%以下(0%を含まない)、
    V :0.05〜0.3%、
    P :0.15%以下(0%を含まない)、
    Al:0.06%以下(0%を含まない)、
    N :0.03%以下(0%を含まない)、および
    Cr:2%以下(0%を含まない)
    を満たし、
    更に、
    Zr:0.2%以下(0%を含まない)、
    Ti:0.1%以下(0%を含まない)、
    Mg:0.01%以下(0%を含まない)、
    Ca:0.01%以下(0%を含まない)、
    Te:0.1%以下(0%を含まない)、及び
    REM:0.3%以下(0%を含まない)
    よりなる群から選択される少なくとも1種を含み、
    残部鉄および不可避的不純物からなるものであり、
    フェライトとパーライトが合計で全体の95面積%以上を占め、
    棒状圧延材の長手方向に対して平行な断面におけるD/4部(Dは圧延材の直径)を観察したときに、硫化物系介在物の平均アスペクト比が10.0以下であると共に、
    下記式(1)で示されるPcが0.41〜0.75で、かつ下記式(2)で示されるVeqが0.18質量%以上であることを特徴とする破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用圧延材。
    Pc=C/(1−α/100) …(1)
    {式(1)中、Cは鋼中炭素含有量(質量%)を示し、αはフェライト分率(面積%)を示す}
    Veq=V+Ti/2+Si/20 …(2)
    {式(2)中、V、Ti、Siは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}
  2. 更に、下記式(3)で示されるCeqが0.80質量%以上で、かつ下記式(4)で示されるPMが500質量%以下である請求項1に記載の破断分離型コネクティングロッド用圧延材。
    Ceq=C+0.28Mn−1.0S+0.32Cr+1.7V+1.3Ti…(3)
    PM=554C+71Mn−262S+82Cr+429V …(4)
    {式(3)(4)中、C、Mn、S、Cr、V、Tiは鋼中の各元素の含有量(質量%)を示す}
  3. 更に、
    Se:0.1%以下(0%を含まない)、及び/又は
    Bi及び/又はPb:合計で0.2%以下(0%を含まない)
    を含む請求項1または2に記載の破断分離型コネクティングロッド用圧延材。
  4. 更に、B:0.004%以下(0%を含まない)を含む請求項1〜3のいずれかに記載の破断分離型コネクティングロッド用圧延材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の破断分離型コネクティングロッド用圧延材に熱間鍛造を施して得られる破断分離性に優れた破断分離型コネクティングロッド用熱間鍛造部品。
  6. 請求項5に記載の熱間鍛造部品を用いて得られる破断分離型コネクティングロッド。
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