JP2007277403A - 透明コーティング剤及び透明コーティング膜 - Google Patents

透明コーティング剤及び透明コーティング膜 Download PDF

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Abstract

【課題】防汚性能を損なうことなく、かつ干渉縞の発生を防止することができる透明コーティング剤及び透明コーティング膜を提供する。
【解決手段】無機化合物微粒子を含む透明コーティング剤において、該無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むことを特徴とする透明コーティング剤。層状ケイ酸塩を少量配合することにより、防汚性能を損なうことなく、かつ干渉縞の発生を防止することができる。層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、サポナイト等のスメクタイト群粘土鉱物、マイカ等の粘土鉱物を用いることができる。無機化合物微粒子としては光触媒等を用いることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は透明コーティング剤及び透明コーティング膜に係り、特に、干渉縞の発生を防止することができる透明コーティング剤及び透明コーティング膜に関する。
従来、陶磁器、金属、プラスチック等の各種基材表面に形成する透明コーティング膜において、該透明コーティング膜に無機化合物微粒子を含有させることにより、透明コーティング膜に各種機能を付与することが行われている。
例えば、基材表面に、酸化チタン等の光触媒のコーティング膜を形成することにより、基材に良好な防汚性が付与される。光触媒としては、酸化チタンの他、酸化亜鉛、酸化タングステン、硫化カドミウム、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物があるが、これらのうち、特に、酸化チタン、とりわけアナターゼ型酸化チタンのコーティング膜は、誘電体膜、半導体膜、紫外線カット膜、着色膜、その他各種の保護膜としても広く用いられている。
従来、この酸化チタン被膜の形成のためのコーティング剤として、チタン含有水溶液と塩基性物質との反応により水酸化チタン微粒子の懸濁液を得、この液に過酸化水素等の酸化剤を反応させて生成する過酸化チタン(ペルオキソチタン酸)を最適条件(80℃以上)で加熱することにより得られる、酸化チタン微粒子の懸濁液が用いられている。このようにして得られる酸化チタン微粒子は、光触媒活性を有するアナターゼ型酸化チタン微粒子であり、各種酸化チタン被膜の形成に有効である。
このような酸化チタン微粒子の懸濁液をコーティング剤として用いて、基材上に良好な酸化チタン被膜を密着性良く形成するためには、懸濁液中の酸化チタン微粒子が、粒径の十分に小さい微細粒子であることが望まれることから、本出願人は、先に、極めて微細な酸化チタン微粒子含有液を得る方法について研究を重ね、チタンを含む水溶液に塩基性物質を添加して水酸化チタンの微粒子が分散した分散液を調製する水酸化工程と、該水酸化チタン微粒子の分散液にエネルギー波を照射して該水酸化チタン微粒子を微細化させる微細化工程とを有するチタン含有液の特性改良方法を特許出願した(特願2002−324063)。
しかしながら、酸化チタン微粒子を含むコーティング剤を種々の基材に塗付して酸化チタンコーティング膜を形成した場合、酸化チタンの高屈折率のために、表面光沢が増し、過光沢となったり、虹色の干渉模様が発生したりして、基材本来の意匠性や美観が損なわれ、また質感も大きく変化してしまう場合があった。
本発明者らは、酸化チタンコーティング膜等の光触媒コーティング膜による表面光沢の増加、光の干渉模様の発生を防止すべく検討を重ねた結果、光触媒コーティング剤に熱可塑性フッ素樹脂を配合することにより、表面光沢の増加が抑制され、また光の干渉模様も微細なものとなって殆ど目立たなくなることを知見した。本発明者らは当該知見に基づき、光触媒微粒子を含む光触媒コーティング剤において、さらに熱可塑性フッ素樹脂を含む光触媒コーティング剤を特許出願した(特願2003−121102)。
特願2002−324063 特願2003−121102
上記特願2003−121102号公報の如く、コーティング剤に熱可塑性フッ素樹脂を含有させた場合、可塑性フッ素樹脂は耐久性に劣るため、コーティング剤の耐久性が低下し、その結果防汚性能が低下するという問題があった。特に、コーティング剤中に無機化合物として光触媒微粒子を含む場合、熱可塑性フッ素樹脂が該光触媒微粒子によって分解され、コーティング剤の耐久性及び防汚性能がより低下するという問題があった。
また、一般に、無機化合物粒子を含む透明コーティング剤において、該無機化合物粒子よりも屈折率の低い添加剤を含有させることにより、該透明コーティング剤を用いて形成される膜に、干渉縞が発生することが防止されることが知られている。しかしながら、干渉縞の発生を防止するために該添加剤を多量に含有させると、防汚性能が低下するという問題があった。
さらに、基材表面に保護層を形成し、その上に無機化合物粒子を含む透明コーティング層を形成することが行われている。しかしながら、この場合にあっても、干渉縞の発生を防止するために、透明コーティング層に該添加剤を多量に含有させると、防汚性能が低下するという問題があった。
本発明は、防汚性能を損なうことなく、かつ干渉縞の発生を防止することができる透明コーティング剤及び透明コーティング膜を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の透明コーティング剤は、無機化合物微粒子を含む透明コーティング剤において、該無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むことを特徴とするものである。
請求項2の透明コーティング剤は、請求項1において、該無機化合物微粒子が光触媒微粒子であることを特徴とするものである。
請求項3の透明コーティング剤は、請求項2において、該光触媒微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とするものである。
請求項4の透明コーティング剤は、請求項3において、該酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタン微粒子であることを特徴とするものである。
請求項5の透明コーティング剤は、請求項1ないし4のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩がマイカであることを特徴とするものである。
請求項6の透明コーティング剤は、請求項1ないし5のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩の含有量が前記無機化合物微粒子に対して1〜30重量%であることを特徴とするものである。
請求項7の透明コーティング剤は、請求項1ないし6のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩は平均粒径100〜500nmの微粒子であることを特徴とするものである。
請求項8の透明コーティング剤は、請求項1ないし7のいずれか1項において、該無機化合物微粒子の平均粒径が5〜100nmであることを特徴とするものである。
本発明(請求項9)の透明コーティング膜は、基材表面に形成される透明コーティング膜において、請求項1ないし8のいずれか1項の透明コーティング剤を用いて形成された透明コーティング層を含むことを特徴とするものである。
本発明(請求項10)の透明コーティング膜は、基材表面に形成される透明コーティング膜であって、無機化合物微粒子を含む透明コーティング層と、該透明コーティング層と該基材との間に形成される保護層とを有する積層構造よりなる透明コーティング膜において、該保護層は該無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むことを特徴とするものである。
請求項11の透明コーティング膜は、請求項10において、該無機化合物微粒子が光触媒微粒子であることを特徴とするものである。
請求項12の透明コーティング膜は、請求項11において、該光触媒微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とするものである。
請求項13の透明コーティング膜は、請求項10ないし12のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩がマイカであることを特徴とするものである。
本発明者らは鋭意研究の結果、無機化合物微粒子を含む透明コーティング剤に層状ケイ酸塩を含有させることにより、防汚性能を損なうことなく干渉縞の発生を防止することができることを見出した。この理由の詳細は不明であるが、層状ケイ酸塩は板形の形状を有するため、防汚性能を損なわない程度の少量の層状ケイ酸塩を含有させることにより、透明コーティング膜の屈折率が十分に低下し、干渉縞の発生が防止されるためであると考えられる。あるいは、透明膜への入射光が層状ケイ酸塩の表面で乱反射するためであると考えられる。
即ち、本発明(請求項1)の透明コーティング剤は、無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むため、防汚性能を損なうことなく干渉縞の発生を防止することができる。
本発明において、該無機化合物微粒子が光触媒微粒子である場合、透明コーティング剤に、優れた防汚性が付与される。
本発明において、光触媒微粒子としては、酸化チタン微粒子、とりわけアナターゼ型酸化チタン微粒子が好適である。
本発明において、該層状ケイ酸塩はマイカであることが好ましい。また、層状ケイ酸塩の含有量は、無機化合物微粒子に対して1〜30重量%、特に0.1〜5重量%であることが好ましい。層状ケイ酸塩は平均粒径50〜500nm、特に100〜250nmの微粒子であることが好ましい。
本発明において、無機化合物微粒子の平均粒径は5〜100nm、特に10〜100nmであることが好ましい。
本発明(請求項9)の透明コーティング膜は、上記透明コーティング剤を用いて形成された透明コーティング層を含むものであるため、防汚性能を損なうことなく干渉縞の発生を防止することができる。
なお、この透明コーティング膜は、該透明コーティング層のみにより形成されていてもよく、複数層よりなる透明コーティング膜のうちの1層が該透明コーティング層となっていてもよい。
また、本発明(請求項10)の異なる透明コーティング膜にあっては、透明コーティング層に層状ケイ酸塩を含有させる必要がないため、透明コーティング層の防汚性能の低下が防止される。また、保護層が層状ケイ酸塩を含むため、保護層の屈折率が透明コーティング層の屈折率よりも小さくなり、干渉縞の発生が防止される。
以下に本発明の透明コーティング剤の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の透明コーティング剤としては、特に制限はないが、例えばアクリル系、シリコーン系、シロキサン系のハードコート剤やフッ素系撥水コーティング剤のほか、UVカット塗料、光沢仕上げ剤等、基材に何らかの機能を付与し、かつ透明な層を形成するコーティング剤が挙げられる。
コーティング剤に光触媒を含有させる場合にあっては、光触媒としては特に制限はなく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン、硫化カドミウム、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム等の金属酸化物が挙げられるが、本発明はこれらの金属酸化物光触媒のうち、光触媒効果が高く、汎用性があり、しかも屈折率が高いことにより表面光沢の上昇、干渉模様の発生が著しい酸化チタン、とりわけアナターゼ型酸化チタン微粒子に好適である。
このような光触媒微粒子は、平均粒径5〜100nmの微粒子状であることが好ましい。光触媒微粒子の平均粒径が100nmを超えると基材上に密着性の良いコーティング膜を形成し得ない。平均粒径5nm未満の光触媒微粒子は製造が困難であり、コストが高くつく。
一方、本発明の透明コーティング剤に配合する層状ケイ酸塩としては、マイカが好適に用いられるが、モンモリロナイト、サポナイト等のアスペクト比が数十以上であるスメクタイト群粘土鉱物も同様に用いることができる。
この層状ケイ酸塩は、干渉縞の発生の防止や透明コーティング剤本来の防汚性能の損失防止等の面から、平均粒径が10〜1000nm、特に50〜500nm、とりわけ100〜250nmであることが好ましい。コーティング剤への配合の際の取り扱い性の面から、このような層状ケイ酸塩は、その懸濁液(ディスパージョン)として用いることが好ましい。
本発明の透明コーティング剤中の層状ケイ酸塩の含有量は、光触媒微粒子等の無機化合物微粒子に対して0.1〜30重量%、特に0.1〜5重量%、とりわけ0.1〜1.0重量%であることが好ましい。層状ケイ酸塩の含有量がこの範囲よりも少ないと層状ケイ酸塩を配合したことによる本発明の干渉模様の抑制効果を十分に得ることができない。層状ケイ酸塩の含有量がこの範囲よりも多いと、コスト高になると共に透明度が低下する。また、この範囲よりも多いと、粘性が高くなり、平滑性粘性に劣ると共に、該透明コーティング剤によって形成される透明コーティング膜の膜厚が厚くなる。さらに、この範囲よりも多いと、相対的に無機化合物微粒子の含有量が低減して形成される透明コーティング膜の防汚性能が低減し、好ましくない。
本発明の透明コーティング剤は、層状ケイ酸塩を含むこと以外は、従来の透明コーティング剤と同様の配合組成とすることができ、水系であっても有機溶剤系であっても良い。
一般に、透明コーティング剤中の光触媒微粒子等の無機化合物微粒子の含有量は0.5〜10重量%であり、また、透明コーティング剤には、無機化合物微粒子の分散安定性の向上、基材に対する濡れ性の確保等の目的で界面活性剤を含んでいても良い。
なお、透明コーティング剤の例として光触媒コーティング剤の代表的な配合組成を以下に示すが、何ら以下のものに限定されるものではない。
[水系光触媒コーティング剤(重量%)]
光触媒微粒子: 0.5〜5
マイカ微粒子: 0.01〜2
ペルオキソチタン酸:0.1〜10
水系溶剤: 残部
[有機溶剤系光触媒コーティング剤(重量%)]
光触媒微粒子: 0.5〜5
マイカ微粒子:0.01〜2
有機溶剤: 残部
なお、水系溶剤としては、水、又は水とアルコール類等の極性有機溶剤の1種又は2種以上との混合溶剤を用いることができる。また、有機溶剤としては、アルコール類、低級ケトン等の有機溶剤の1種又は2種以上の混合溶剤を用いることができる。
上記の光触媒コーティング剤によれば、これを金属、セラミック、ガラス、プラスチック、木、石、セメント、コンクリート等の各種の基材に対して、スプレー、刷毛塗り等により塗布し、必要に応じて60〜600℃で加熱処理することにより、表面光沢や光の干渉模様が抑制された良好な光触媒コーティング膜を形成することができる。
本発明の透明コーティング膜は、本発明の透明コーティング剤を用いて形成される。この透明コーティング膜の膜厚は、基材の用途によっても異なるが、通常0.3〜5μm、特に0.4〜3μm、とりわけ0.5〜2μm程度である。
なお、基材表面に無機化合物微粒子を含有する透明コーティング膜を直接に形成する場合、基材表面が該無機化合物微粒子と反応して基材表面が劣化することがある。例えば、ポリカーボネート等の樹脂基材表面に、酸化チタン微粒子を含有する透明コーティング剤を直接に形成する場合、酸化チタン微粒子が基材を分解し、基材が劣化することがある。このため、基材表面に保護層を形成し、その上に透明コーティング層を形成することが行われている。
本発明の別態様の透明コーティング膜は、無機化合物微粒子を含む透明コーティング層と、該透明コーティング層と該基材との間に形成される保護層とを有する積層構造よりなる透明コーティング膜において、該保護層は該無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むものである。この透明コーティング膜は、透明コーティング層に層状ケイ酸塩を含有させる必要がないため、透明コーティング層の防汚性能の低下が防止される。また、保護層が層状ケイ酸塩を含むため、保護層の屈折率が透明コーティング層の屈折率よりも小さくなり、干渉縞の発生が防止される。さらに、少量の層状ケイ酸塩を含有させることにより保護層の屈折率が十分に低下するため、層状ケイ酸塩の添加による保護層の性能の低下が防止される。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
溶剤としてペルオキソチタン酸水溶液100g及び添加剤A100gを用い、層状ケイ酸塩として合成マイカ0.1gを用い、これらを混合してよく攪拌した後、白色ウレタン塗装アルミ板(200mm×200mm×2mm、塗装厚さ10μm)よりなる基材の表面にスプレー塗布して自然乾燥させ、基材表面に第1層(保護層)を形成した。
次いで、溶剤として添加剤Aを200g用い、光触媒としてティオコートAを200g用い、これらを混合してよく攪拌した後、上記保護層の表面にスプレー塗布して自然乾燥させ、第2層(光触媒透明コーティング層)を形成した。
なお、用いた配合剤の詳細は次の通りである。
[ペルオキソチタン酸水溶液]
ペルオキソチタン酸(濃度):1.0重量%
水 :残部
[添加剤A]
(株)ティオテクノ製
エタノール:80重量%
水 :20重量%
[合成マイカ]
ズードケミー触媒社製「製品名:OPTIGEL S−482」
[ティオコートA]
(株)ティオテクノ製光触媒コーティング剤「ティオコートA」
(固形分濃度1.7%)
酸化チタン微粒子(平均粒径:27nm): 1.70重量%
ペルオキソチタン酸: 0.26重量%
水: 98.05重量%
また、スプレーガンとしては、明治機械社製「FSA−G05(C)(ガン口径0.5mm)」を使用し、温度は23℃、エアー圧力は2kg/cmで、塗布回数縦方向2回、横方向2回、合計4回で塗布を行い、第1層(保護層)の平均厚さが0.4〜0.8μm、第2層(光触媒透明コーティング層)の平均厚さが0.4〜0.8μm、これら第1層及び第2層よりなる透明コーティング膜の平均厚さが0.8〜1.6μmの範囲に入るように形成した。なお、膜厚測定にはキーエンス社製超深度測定器「VK−8500」を使用した。
実施例2〜5及び比較例1〜2
第1層中の合成マイカの含有量を表1の通りとしたことの他は実施例1と同様にして、白色ウレタン塗装アルミ板上に、第1層及び第2層よりなる透明コーティング膜を形成した。
なお、比較例2では、白色ウレタン塗装アルミ板上に第1層及び第2層を形成しなかった。
得られたサンプル(実施例1〜5及び比較例1〜2)について、外観(干渉模様の有無及び汚れの程度)、親水性及びL値(明度)の評価を以下の通り行った(初期評価)。また、形成された塗膜を屋外に6ヶ月間暴露した後、同様の評価を行った(屋外曝露6月後評価)。その結果を表1に示す。
Figure 2007277403
[塗膜の外観]
サンプル外観を目視し、主として光の干渉模様の粗密と汚れの程度を観察した。
表1より次のことが明らかである。
即ち、目視による干渉模様の確認については、第1層に合成マイカを含有する塗膜(実施例1〜5)では、初期評価及び屋外曝露6月後評価のいずれにおいても、干渉模様は発生しなかった。一方、第1層に合成マイカを含有しない塗膜(比較例1)では、初期評価及び屋外曝露6月後評価のいずれにおいても、干渉模様の発生が認められた。
また、目視による汚れの程度の確認については、総ての塗膜(実施例1〜5及び比較例1)において、初期評価及び屋外曝露6月後評価のいずれにおいても、汚れの付着が少なく良好であり、保護層に合成マイカを含有させても防汚性能が低下しないことが認められた。なお、白色ウレタン塗装アルミ板に第1層及び第2層を形成しない場合(比較例2)、屋外曝露6月後において、該白色ウレタン塗装アルミ板に汚れが付着し、表面が黒ずんでいた。
[親水性]
霧吹きを用いてサンプルの表面に水を噴霧し、親水性の評価を行った。表面に水滴が形成された場合を○とし、水滴が形成されなかった場合を×とした。
表1から明らかな通り、総ての塗膜(実施例1〜5及び比較例1)において、初期評価及び屋外曝露6月後評価のいずれにおいても、水滴が形成され、保護層に合成マイカを含有させても防汚性能が低下しないことが認められた。なお、白色ウレタン塗装アルミ板に第1層及び第2層を形成しない場合(比較例2)、屋外曝露6月後において、水滴が形成されなかった。このことから、白色ウレタン塗装アルミ板の表面に汚れが付着していることがわかる。
[L値及びΔL]
実施例2〜5及び比較例1〜2の各々について、ミノルタ製色彩色差計「CR−400」を用い、サンプルのL値を測定し、結果を表1に示した。なお、1個のサンプルについて5箇所のL値を測定し、その平均値をL値とした。
また、実施例2〜5及び比較例1〜2の各々について、初期評価におけるL値から屋外曝露6月後評価におけるL値を差し引いた値をΔLとし、その結果を表1に示した。
表1から明らかな通り、合成マイカを含有させても、L値(明度)の低下は認められなかった。

Claims (13)

  1. 無機化合物微粒子を含む透明コーティング剤において、該無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むことを特徴とする透明コーティング剤。
  2. 請求項1において、該無機化合物微粒子が光触媒微粒子であることを特徴とする透明コーティング剤。
  3. 請求項2において、該光触媒微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする透明コーティング剤。
  4. 請求項3において、該酸化チタン微粒子がアナターゼ型酸化チタン微粒子であることを特徴とする透明コーティング剤。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩がマイカであることを特徴とする透明コーティング剤。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩の含有量が前記無機化合物微粒子に対して1〜30重量%であることを特徴とする透明コーティング剤。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩は平均粒径100〜500nmの微粒子であることを特徴とする透明コーティング剤。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、該無機化合物微粒子の平均粒径が5〜100nmであることを特徴とする透明コーティング剤。
  9. 基材表面に形成される透明コーティング膜において、請求項1ないし8のいずれか1項の透明コーティング剤を用いて形成された透明コーティング層を含むことを特徴とする透明コーティング膜。
  10. 基材表面に形成される透明コーティング膜であって、無機化合物微粒子を含む透明コーティング層と、該透明コーティング層と該基材との間に形成される保護層とを有する積層構造よりなる透明コーティング膜において、
    該保護層は該無機化合物微粒子よりも屈折率の低い層状ケイ酸塩を含むことを特徴とする透明コーティング膜。
  11. 請求項10において、該無機化合物微粒子が光触媒微粒子であることを特徴とする透明コーティング膜。
  12. 請求項11において、該光触媒微粒子が酸化チタン微粒子であることを特徴とする透明コーティング膜。
  13. 請求項10ないし12のいずれか1項において、該層状ケイ酸塩がマイカであることを特徴とする透明コーティング膜。
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