JP2007277376A - 熱分解ガス化装置 - Google Patents

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高広 村上
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Abstract

【課題】ガス化炉での充分な燃料滞留時間を得ることができ、冷ガス効率の向上と、C転換率並びにH転換率の向上とを図り得る熱分解ガス化装置を提供する。
【解決手段】ガス化炉2内の底部に、燃料とベッド材とを流動化させて流動層3´を形成しチャーを生成しつつ燃料をガス化するために水蒸気を供給可能な水蒸気供給ライン11を接続し、ガス化炉2に、筒状で下端が開口して流動層3´に没入され且つ上端がガス化炉2の上方へ延出する燃焼炉1を一体に設け、ガス化炉2の底部に、チャーを燃焼炉1内で上昇移動させて燃焼させガス化に必要な熱を発生させるために燃焼炉1の下端開口部に空気を供給可能な空気供給ライン12を、貫通配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱分解ガス化装置に関するものである。
従来より、燃料として、石炭、バイオマス、廃プラスチック、或いは各種の含水廃棄物等を用い、これらを熱分解してガス化ガスを生成するガス化装置の開発が進められている。
この種のガス化装置としては、従来、例えば、特許文献1に開示されているようなものがある。
前記特許文献1に開示されているガス化装置は、図7に示される如く、燃料とベッド材とが投入される燃焼炉1の上部より該燃焼炉1の底部にかけて延び且つ下端が開口した筒状のガス化炉2を設け、前記燃焼炉1の中段に、投入された燃料とベッド材とを流動化させて流動層3を形成するための空気供給用散気管4を設け、前記燃焼炉1の底部に、前記流動層3から流下し、前記ガス化炉2の下端開口部に移動したベッド材と未燃燃料とを、前記ガス化炉2内で上昇移動させその間に前記未燃燃料或いは必要に応じて前記ガス化炉2内に投入される燃料のガス化を行う水蒸気供給用噴射ノズル5を設けたものである。
前記燃焼炉1の頂部には、燃焼排ガスを排出するための排気路6が接続され、該排気路6には、排ガスから固形分(チャー)を分離して再び燃焼炉1へ戻すためのチャー分離用サイクロン7が接続され、該チャー分離用サイクロン7には、排ガスから更に微粉(灰)を分離するための微粉分離用サイクロン8が接続されている。
前記ガス化炉2の下流端には、生成されたガス化ガスからベッド材及び固形分(チャー)を分離して再び燃焼炉1へ戻すためのベッド材分離用サイクロン9が接続され、該ベッド材分離用サイクロン9には、ベッド材が分離されたガス化ガスから更に微粉(灰)を分離するための微粉分離用サイクロン10が接続されている。
図7に示される従来のガス化装置においては、燃焼炉1内でベッド材が空気供給用散気管4から供給される空気により流動化されて流動層3が形成され、該流動層3に投入される燃料が燃焼され、その燃焼排ガスは、排気路6より排出され、チャー分離用サイクロン7で排ガス中に含まれる固形分(チャー)が分離され、燃焼炉1へ戻され、固形分が分離された燃焼排ガスは、後段の微粉分離用サイクロン8で微粉(灰)が分離されて排出される。
前記燃焼炉1内における流動層3では、燃料が約800[℃]で燃焼されると共にベッド材が加熱され、該ベッド材と未燃燃料は、空気供給用散気管4の下方に流下し、水蒸気供給用噴射ノズル5から噴出する水蒸気(約400[℃])のジェットによりガス化炉2内へ導かれ、該ガス化炉2内へ導かれたベッド材と未燃燃料とに加え、ガス化炉2へ更に燃料が投入され、該燃料とベッド材とが、前記水蒸気供給用噴射ノズル5より噴出される水蒸気のジェットにより、ガス化炉2内にて高速流動化されながら上昇し、その間に、熱分解(還元)反応(約800[℃])及び水蒸気ガス化(還元)反応(約800[℃])が行われ、これらの反応により、燃料から一酸化炭素(CO)、水素(H)、メタンなどの水性ガスからなるガス化ガス(可燃性ガス)が生成される。この熱分解反応と水蒸気ガス化反応(水性ガス反応)は、吸熱反応であり、ガス化炉2内に導入されたベッド材の熱量で反応が行われると共に、ガス化炉2を取り巻く流動層3から伝わる熱量でも反応が行われる。
前記熱分解反応及び水蒸気ガス化反応によって生成されたガス化ガスは、ベッド材分離用サイクロン9へ流入して、ベッド材及び固形分(チャー)が分離され、更に微粉分離用サイクロン10で微粉(灰)が取り除かれた後、水蒸気分が取り除かれ、図示していないガスタービン等に供給され発電利用される他、有効成分(一酸化炭素、水素、メタン)が抽出され合成ガス利用される。
尚、前記ベッド材分離用サイクロン9で分離されたベッド材及び固形分(チャー)は、再び燃焼炉1へ戻される。
特開2005−239820号公報
しかしながら、前述の如き従来のガス化装置では、ガス化炉2が高速流動層となっており、数秒程度の燃料滞留時間しか得られないため、燃料の熱分解が完了せず、得られるガス熱量、即ち冷ガス効率が低くなる一方、C転換率やH転換率もあまり高くすることができないという欠点を有していた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、ガス化炉での充分な燃料滞留時間を得ることができ、冷ガス効率の向上と、C転換率並びにH転換率の向上とを図り得る熱分解ガス化装置を提供しようとするものである。
本発明は、燃料とベッド材とが投入されるガス化炉と、
該ガス化炉内の底部に水蒸気を供給することにより、前記ガス化炉内に投入された燃料とベッド材とを流動化させて流動層を形成しチャーを生成しつつ燃料をガス化するための水蒸気供給ラインと、
筒状で下端が開口して前記ガス化炉内の流動層に没入され且つ上端がガス化炉の上方へ延出する燃焼炉と、
該燃焼炉の下端開口部に空気を供給することにより、前記ガス化炉で生成されたチャーを燃焼炉内で上昇移動させて燃焼させ、ガス化に必要な熱を発生させるための空気供給ラインと
を備えたことを特徴とする熱分解ガス化装置にかかるものである。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
前述の如く構成すると、燃焼炉が高速流動層となり、ガス化炉は高速流動層とならず、該ガス化炉における燃料滞留時間を百数十秒以上にすることができるため、燃料の熱分解が完了し、得られるガス熱量、即ち冷ガス効率が高くなると共に、C転換率やH転換率も高くすることが可能となる。
前記熱分解ガス化装置においては、前記燃焼炉内での燃焼によって発生した排ガス中に含まれるベッド材を捕集して前記ガス化炉へ戻すことにより、ガス化に必要な熱を前記ガス化炉に供給するための熱回収用サイクロンを備えることが、効率をより向上させる上で有効となる。
又、前記熱分解ガス化装置においては、燃料に触媒を担持させることができ、このようにすると、燃料と触媒との接触効率が大となって、チャーのガス化及びタール分解が促進され、冷ガス効率、C転換率、H転換率を著しく向上させることが可能になると共に、生成タール量を著しく減少させることが可能となる。
本発明の請求項1記載の熱分解ガス化装置によれば、ガス化炉での充分な燃料滞留時間を得ることができ、冷ガス効率の向上と、C転換率並びにH転換率の向上とを図り得るという優れた効果を奏し得る。
又、本発明の請求項2記載の熱分解ガス化装置によれば、熱回収用サイクロンを備えることにより、効率をより向上させることができるという優れた効果を奏し得る。
更に又、本発明の請求項3記載の熱分解ガス化装置によれば、燃料に触媒を担持させることにより、更なる冷ガス効率、C転換率、H転換率の向上と、生成タール量の低減を図り得るという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例であって、燃料とベッド材とが投入されるガス化炉2を設け、該ガス化炉2内の底部に、該ガス化炉2内に投入された燃料とベッド材とを流動化させて流動層3´を形成しチャーを生成しつつ燃料をガス化するために水蒸気を供給可能な水蒸気供給ライン11を接続し、前記ガス化炉2に、筒状で下端が開口して前記ガス化炉2内の流動層3´に没入され且つ上端がガス化炉2の上方へ延出する燃焼炉1を一体に設け、前記ガス化炉2の底部に、該ガス化炉2で生成されたチャーを燃焼炉1内で上昇移動させて燃焼させガス化に必要な熱を発生させるために燃焼炉1の下端開口部に空気を供給可能な空気供給ライン12を、貫通配置したものである。
本図示例の場合、前記燃焼炉1の下流側には、該燃焼炉1内での燃焼によって発生した排ガス中に含まれるベッド材を捕集して前記ガス化炉2へ戻すことにより、ガス化に必要な熱を前記ガス化炉2に供給するための熱回収用サイクロン13を設けるようにし、該熱回収用サイクロン13には、排ガスから更に微粉(灰)を分離するための微粉分離用サイクロン14を接続してある。
又、前記ガス化炉2の頂部には、生成されたガス化ガスを回収するためのガス化ガス回収ライン15を接続し、該ガス化ガス回収ライン15には、ガス化ガスからベッド材及び固形分(チャー)を分離して再びガス化炉2の底部へ戻すためのベッド材分離用サイクロン16を接続し、該ベッド材分離用サイクロン16には、ベッド材が分離されたガス化ガスから更に微粉(灰)を分離するための微粉分離用サイクロン17を接続してある。
ここで、図2は従来例(図7参照)を模擬して製作した研究室規模の試験装置(条件1)を示す概要構成図、図3は本発明を実施する形態の一例(図1参照)を模擬して製作した研究室規模の試験装置(条件2)を示す概要構成図であって、これらの試験装置を用いて実際に試験を行うことにより、図7に示す従来例と、図1に示す本発明を実施する形態の一例とを比較した。
前記試験装置におけるライザーは、呼び径が50Aで高さが6400mm(50A×6400mmH)の管で形成し、バブリング流動層容器は、370×80×1800mmの箱体で形成し、図2に示す条件1の試験装置では、前記ライザーをガス化炉2とし且つ前記バブリング流動層容器を燃焼炉1とするために、前記ライザー(ガス化炉2)の底部に水蒸気発生装置18からの水蒸気を水蒸気供給用噴射ノズル5を介して送り込むようにすると共に、前記バブリング流動層容器(燃焼炉1)の底部に押込通風機19(FDF)からの空気を空気供給用散気管4を介して供給し、前記ライザー(ガス化炉2)に燃料を供給する一方、図3に示す条件2の試験装置では、前記ライザーを燃焼炉1とし且つ前記バブリング流動層容器をガス化炉2とするために、前記ライザー(燃焼炉1)の底部に押込通風機19(FDF)からの空気を空気供給ライン12を介して供給すると共に、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)の底部に水蒸気発生装置18からの水蒸気を水蒸気供給ライン11を介して送り込み、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)に燃料を供給するようにしてある。
そして、図2に示す条件1の試験装置では、前記ライザー(ガス化炉2)で生成されたガス化ガスは、サイクロン(ベッド材分離用サイクロン9)でベッド材及び固形分(チャー)を分離した後、フィルタ20とタールトラップ21を介してタールを除去し、ガスクロマトグラフ等のガス分析器22にて組成分析を行い、残りのガス化ガスは燃焼器23にて焼却処理し、ガスクーラ24とバグフィルタ25を通過させ、誘引通風機26(IDF)にて排気するようにし、又、前記バブリング流動層容器(燃焼炉1)から排出される燃焼排ガスは、排気路6を通過させサイクロン(チャー分離用サイクロン7)で固形分(チャー)を分離した後、ガス分析器27にて組成分析を行い、残りの燃焼排ガスは、ガスクーラ28とバグフィルタ29を通過させ、誘引通風機30(IDF)にて排気するようにしてある。尚、前記サイクロン(ベッド材分離用サイクロン9)でガス化ガスから分離されたベッド材及び固形分(チャー)は、循環量測定器31で循環量を測定しつつ、前記バブリング流動層容器(燃焼炉1)へ戻すようにしてある。
一方、図3に示す条件2の試験装置では、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)で生成されたガス化ガスは、ガス化ガス回収ライン15を通過させサイクロン(ベッド材分離用サイクロン16)でベッド材及び固形分(チャー)を分離した後、フィルタ20とタールトラップ21を介してタールを除去し、ガスクロマトグラフ等のガス分析器22にて組成分析を行い、残りのガス化ガスは燃焼器23にて焼却処理し、ガスクーラ24とバグフィルタ25を通過させ、誘引通風機26(IDF)にて排気するようにし、又、前記ライザー(燃焼炉1)から排出される燃焼排ガスは、サイクロン(熱回収用サイクロン13)でベッド材を分離した後、ガス分析器27にて組成分析を行い、残りの燃焼排ガスは、ガスクーラ28とバグフィルタ29を通過させ、誘引通風機30(IDF)にて排気するようにしてある。尚、前記サイクロン(サイクロン(熱回収用サイクロン13)でガス化ガスから分離されたベッド材及び固形分(チャー)は、循環量測定器31で循環量を測定しつつ、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)へ戻すようにしてある。
前記燃料としては、コーヒー滓を使用し、流動媒体としてのベッド材には7号珪砂(平均粒径0.14mm )を使用した。燃料性状を以下の表1に示す。
Figure 2007277376
前記燃料の質量流量は、下記の表2に示す如く、4kg/hとし、ガス化炉2の温度は1073Kとし、燃焼炉1の温度は1103Kとした。
Figure 2007277376
ここで、図2に示す条件1の試験装置では、前記ライザー(ガス化炉2)とバブリング流動層容器(燃焼炉1)との間でベッド材を循環させるためには、ライザー(ガス化炉2)でのベッド材の流速を終末速度より大きくすれば良く、今回の試験で使用したベッド材の場合、800℃での終末速度は1.19m/sとなることから、余裕を見て、ライザー(ガス化炉2)でのベッド材の流速を2.82m/sとしてあり、更に、ガス化炉2となるライザーの高さが6400mmであり、前述の如く流速が2.82m/sであるため、前記ライザー(ガス化炉2)での燃料滞留時間は、
6400mm÷2820mm/s≒2.27s
となり、およそ3秒程度になる。
一方、図3に示す条件2の試験装置では、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)内の燃料滞留時間は、試験温度におけるベッド材の循環量を循環量測定器31で測定し、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)内に存在する粒子量より、プラグフローと仮定して算出した。即ち、前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)内のベッド材の量は、流動層3´の層高を0.45mに設定したため、
0.37m×0.08m×0.45m×1200kg/m3=16kg
となり、前記ライザー(燃焼炉1)でのベッド材の流速を4.63m/sとした場合、前記循環量測定器31で測定したベッド材の循環量が100g/sとなり、このときの前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)内の燃料滞留時間は、
層内ベッド材量÷循環量=16000g÷100g/s
=160s
となる。又、前記ライザー(燃焼炉1)でのベッド材の流速を2.12m/sとした場合、前記循環量測定器31で測定したベッド材の循環量が14.3g/sとなり、このときの前記バブリング流動層容器(ガス化炉2)内の燃料滞留時間は、
層内ベッド材量÷循環量=16000g÷14.3g/s
=1118.9s
≒1120s
となる。
このように、図2に示す条件1の試験装置では、ライザー(ガス化炉2)での燃料滞留時間が数秒程度の極めて短い時間しか得られないのに対し、図3に示す条件2の試験装置では、バブリング流動層容器(ガス化炉2)での燃料滞留時間を充分長く設定できることが確認された。
更に、図4に、ガス化炉2の温度1073Kにおける燃料滞留時間(3s、160s、1120s)と、冷ガス効率、C転換率、H転換率との関係を示す。尚、冷ガス効率を算出する際に、入熱量は燃料供給分のみ考慮した。図4より明らかなように、ガス化炉2での燃料滞留時間は、3秒から160秒に長くすると、冷ガス効率、C転換率、H転換率が向上しているのがわかる。これは、3秒程度の滞留時間では熱分解時間が完了しないことによると考えられる。尚、160秒から1120秒と更に燃料滞留時間を長くとっても、冷ガス効率、C転換率、H転換率は若干向上するのみである。これは、熱分解完了後のチャーは本温度条件ではガス化し難いことによる。
図5は従来例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験(条件1で燃料滞留時間3s)と、本発明を実施する形態の一例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験(条件2で燃料滞留時間160s)との間で、冷ガス効率、C転換率、H転換率の各々を比較した棒グラフであって、いずれも本発明を実施する形態の一例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験の方が、従来例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験より優れていることが確認できる。
更に、本発明を実施する形態の一例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験(条件2で燃料滞留時間160s)において、燃料単体(コーヒー滓のみ)の場合と、コーヒー滓に触媒としてCaOを4.76wt%物理混合させた場合と、コーヒー滓に触媒としてCa(OH)2を4wt%担持させた場合とを比較し、その結果を図6に示す。図6から明らかなように、触媒を燃料と物理混合することにより、冷ガス効率、C転換率、H転換率は若干向上するが、燃料に触媒を担持させた場合は、冷ガス効率、C転換率、H転換率は顕著に向上し、90%のC転換率、135%のH転換率が得られ、冷ガス効率も95%となった。これは、担持により燃料と触媒との接触効率が向上することによる。又、触媒としてCaOを物理混合させた場合の生成タール量は、コーヒー滓のみの場合とほとんど変化ないが、触媒としてCa(OH)2を担持させると顕著に減少している。これは、燃料に触媒を担持させることで、燃料と触媒との接触効率が向上し、チャーのガス化及びタール分解が促進されることによる。
こうして、各種試験結果からも明らかなように、図1に示す本発明を実施する形態の一例としての熱分解ガス化装置によれば、ガス化炉2での充分な燃料滞留時間を得ることができ、冷ガス効率の向上と、C転換率並びにH転換率の向上とを図り得る。更に、熱回収用サイクロン13を備えることにより、効率をより向上させることができる。しかも、燃料に触媒を担持させることにより、更なる冷ガス効率、C転換率、H転換率の向上と、生成タール量の低減を図り得る。
尚、本発明の熱分解ガス化装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。又、本発明を実施する形態の一例として、触媒は、Ca(OH)2を使用した例を提示したが、ニッケル、鉄、ロジウム、ルテニウム、活性白土、ドロマイト、白金、コバルト、活性炭等の触媒でも良い。
本発明を実施する形態の一例を示す概要構成図である。 従来例を模擬して製作した研究室規模の試験装置を示す概要構成図である。 本発明を実施する形態の一例を模擬して製作した研究室規模の試験装置を示す概要構成図である。 ガス化炉での燃料滞留時間と、冷ガス効率、C転換率、H転換率との関係を示す線図である。 従来例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験(条件1)と、本発明を実施する形態の一例を模擬して製作した研究室規模の試験装置で行った試験(条件2)との間で、冷ガス効率、C転換率、H転換率の各々を比較した棒グラフである。 冷ガス効率、C転換率、H転換率、生成タール量に及ぼす触媒の影響について示す棒グラフである。 従来例を示す概要構成図である。
符号の説明
1 燃焼炉
2 ガス化炉
3´ 流動層
11 水蒸気供給ライン
12 空気供給ライン
13 熱回収用サイクロン
14 微粉分離用サイクロン
15 ガス化ガス回収ライン
16 ベッド材分離用サイクロン
17 微粉分離用サイクロン

Claims (3)

  1. 燃料とベッド材とが投入されるガス化炉と、
    該ガス化炉内の底部に水蒸気を供給することにより、前記ガス化炉内に投入された燃料とベッド材とを流動化させて流動層を形成しチャーを生成しつつ燃料をガス化するための水蒸気供給ラインと、
    筒状で下端が開口して前記ガス化炉内の流動層に没入され且つ上端がガス化炉の上方へ延出する燃焼炉と、
    該燃焼炉の下端開口部に空気を供給することにより、前記ガス化炉で生成されたチャーを燃焼炉内で上昇移動させて燃焼させ、ガス化に必要な熱を発生させるための空気供給ラインと
    を備えたことを特徴とする熱分解ガス化装置。
  2. 前記燃焼炉内での燃焼によって発生した排ガス中に含まれるベッド材を捕集して前記ガス化炉へ戻すことにより、ガス化に必要な熱を前記ガス化炉に供給するための熱回収用サイクロンを備えた請求項1記載の熱分解ガス化装置。
  3. 燃料に触媒を担持させた請求項1又は2記載の熱分解ガス化装置。
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