JP2007277233A - 眼科用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粘度低下を抑制した眼科用組成物を提供する。
【解決手段】 カルボキシメチルセルロースナトリウムとともに、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上の化合物を含有し、特定粘度範囲にある眼科用組成物は、特に低粘度領域において、組成物の粘度を安定に維持することができ、また、ドライアイなどの眼粘膜乾燥症状の予防効果等、眼粘膜組織障害の予防又は治療効果に優れている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する組成物の粘度低下が抑制され、細胞保護効果に優れた眼科用組成物等に関する。
眼粘膜等に適用される眼科用組成物においては、成分の生物学的利用能を高めるために、眼粘膜への組成物の滞留性を向上させる必要がある。そこで、カルボキシメチルセルロースナトリウムといった粘稠化剤を配合して、滞留性を向上させる製剤設計が行われている。このような眼粘膜滞留効果は、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有することによって組成物に付与される粘性に起因している。そこで、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する眼科用組成物においては、適度な粘度を設定すること及び所望の設定粘度を長期的に安定に保持することが重要であった。
セルロース系高分子は、熱により部分分解が起こり、セルロース系高分子を含有する組成物の粘度低下が起こることが知られている。特に眼科用組成物における粘度の低下は使用感の経時的な変動にもつながり、問題となっている。
これまでに、生物粘着剤又は粘度増強剤であるポリマー、例えばポリアクリル酸類;アクリル酸塩コポリマー;架橋されたポリアクリル酸類;セルロース、セルロース誘導体、デキストラン、ヒアルロン酸などの多糖類の分解が、溶液やスラリー中の金属イオンによって促進されることが知られている。また、EDTAでは効果が無いものの、EDTAよりも遊離イオンと錯体化する能力が大きいキレート化剤であるホスホン酸又はホスホン酸エステルを使用することによって、遊離の金属イオンを減少させ、ポリマーの分解又は他の不活性化の速度を減少させ、ポリマー含有組成物の粘度の経時的な変動を減少させることが分かっている(特許文献1)。
しかしながら、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する眼科用組成物の実用化にいたる技術として十分ではなかった。
ところで、カルボキシメチルセルロースナトリウムには保水作用があり、ドライアイに代表される眼粘膜の乾燥に起因する角膜上皮細胞障害を治療する効果があることがわかっている(特許文献2)。したがって、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する眼科用組成物において粘度低下を抑制することは、前述した眼粘膜滞留効果の保持のみならず、眼粘膜組織障害治療効果を安定に保持するうえでも重要である。
特表平11−510480号公報 特開2006−52160号
そこで、本発明は、カルボキシメチルセルロースナトリウムが配合された組成物の粘度の低下が抑制され、乾燥から細胞を保護する事で眼粘膜組織障害の予防又は治療効果に優れ、また薬物滞留性や使用感の変動が抑制された眼科用組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、課題解決のために鋭意検討の結果、カルボキシメチルセルロースナトリウムとともに、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上(本明細書中では単に、多価アルコールとも言う。)を含有することによって、組成物の粘度低下を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(9)に掲げる眼科用組成物である。
(1)カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上とを含有し、20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sである眼科用組成物、
(2)カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリンとを含有し、20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sである眼科用組成物、
(3)カルボキシメチルセルロースナトリウムの25℃、2%水溶液の粘度が20mPa・s〜8000mPa・sである(1)又は(2)に記載の眼科用組成物、
(4)カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度が0.6〜1.0である(1)乃至(3)のいずれかに記載の眼科用組成物、
(5)さらに、無機塩類及び/又は緩衝剤を含有する(1)乃至(4)のいずれかに記載の眼科用組成物、
(6)さらに、非イオン性界面活性剤を0.001〜5%(w/v)で含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の眼科用組成物、
(7)さらに、エチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩を0.0001〜1%(w/v)含有する(1)乃至(6)のいずれかに記載の眼科用組成物、
(8)眼科用組成物が、点眼薬、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬又はコンタクトレンズケア用剤である(1)乃至(7)のいずれかに記載の眼科用組成物、
(9)粘度が、円すい−平板形回転粘度計を用いて測定された粘度である(1)乃至(8)のいずれかに記載の眼科用組成物。
さらに、本発明は、下記(10)に掲げる方法である:
(10)カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上とを含有し、組成物の20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sであることを特徴とする組成物の粘度低下を抑制する方法。
なお、本明細書中、特に言及しない場合、%はw/v%を意味するものとする。
また、本発明の眼科用組成物は、発明の効果を利用するものであればその使用用途は特定されず、医薬品、医薬部外品、雑品等の各種分野において利用することができる。眼科用組成物としては、例えば、点眼薬(剤)(コンタクトレンズを装用中にも使用することができる点眼剤を含む、また、点眼液ともいう。)、洗眼薬(剤)(コンタクトレンズを装用中にも使用することができる洗眼剤を含む、また、洗眼液ともいう。)、眼軟膏剤、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(洗浄液、保存液、殺菌液、マルチパーパスソリューションなど)などが挙げられ、好ましくは、点眼薬、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬又はコンタクトレンズケア用剤であり、特に好ましくは、点眼薬、洗眼薬、コンタクトレンズ装着液に有用である。
なお、本明細書中でコンタクトレンズとは、ハード、ソフト、酸素透過型ハード、カラーなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。
本発明の眼科用組成物は、カルボキシメチルセルロースナトリウムとともに多価アルコールを含有することによって、低粘度領域における組成物の粘度低下が抑制される。低粘度であっても、組成物の粘度低下が抑制されることで、組成物中の成分の滞留性が向上し、また、カルボキシメチルセルロースナトリウムによりもたらされる保水作用が長期的に安定し、組成物を所望の粘度で維持できることは、ひいては、眼科用組成物の使用感や薬物滞留性等の性能の変動を抑制することになる。また、カルボキシメチルセルロースナトリウムとともに多価アルコールを併用することによって、細胞の保護効果が増し乾燥への抵抗性が強化され、細胞生存率が相乗的に増加する。したがって、ドライアイなどの眼粘膜が乾燥状態を呈する疾患や症状の予防や治療に優れた効果を有する眼科用組成物を提供することができる。
本発明の眼科用組成物に用いるカルボキシメチルセルロースナトリウムは、公知の高分子化合物である。当業者が通常眼科用組成物に用いるカルボキシメチルセルロースナトリウムを特に制限なく用いることができるが、本発明においては、好ましくは、25℃、2%水溶液の初期の粘度が20mPa・s〜8000mPa・sのものが用いられ、より好ましくは20mPa・s〜6000mPa・s、特に好ましくは20mPa・s〜3000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いる。また、カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、通常0.1〜3.0の範囲を用いることができるが、本発明の眼科用組成物には、好ましくは0.6〜1.0、より好ましくは0.6〜0.9、特に好ましくは0.7〜0.9を用いるとよい。
カルボキシメチルセルロースナトリウムは市販のものを利用することができ、例えば第一工業製薬株式会社から販売されているセロゲン(登録商標)シリーズPR-S(25℃、2%水溶液の粘度が20mPa・s〜40mPa・s、エーテル化度0.70〜0.85)、P−715A(25℃、2%水溶液の粘度が80mPa・s〜140mPa・s、エーテル化度0.60〜0.70)、F−SC(25℃、2%水溶液の粘度が300mPa・s〜400mPa・s、エーテル化度0.70〜0.85)、AG−GUM(25℃、2%水溶液の粘度が900mPa・s〜1500mPa・s、エーテル化度0.70〜0.85)等、ダイセル化学工業株式会社から販売されているCMCダイセルシリーズ、日本製紙ケミカル株式会社から販売されているサンローズFシリーズ等が利用できる。尚、これらの粘度測定にはB型粘度計を用い、詳細な測定方法は、エーテル化度の測定方法を含めて、前述のメーカーがそれぞれ定める測定方法に従う。
本発明において眼科用組成物中のカルボキシメチルセルロースナトリウムの含有量は、通常0.001〜3%、好ましくは0.001〜2%、より好ましくは0.001〜1.5%、さらに好ましくは0.005〜1%、特に好ましくは0.01〜0.5%である。
より具体的に、眼科用組成物が点眼薬の場合、通常0.001〜2%、好ましくは0.002〜1.2%、より好ましくは0.005〜0.8%で用いられる。コンタクトレンズ装着液の場合、通常0.002〜2.5%、好ましくは0.002〜1.5%、より好ましくは0.005〜1%で用いられる。洗眼薬の場合通常0.001〜1.5%、好ましくは0.002〜1%、より好ましくは0.005〜0.5%で用いられる。コンタクトレンズケア用剤の場合、通常0.001〜3%、好ましくは0.005〜2%、より好ましくは0.01〜1%で用いられる。
本発明の眼科用組成物では、カルボキシメチルセルロースナトリウムと共に、多価アルコールを含有することによって粘度低下抑制効果を奏することができる。多価アルコールとしては、好ましくはポリエチレングリコール、グリセリンなどであり、特に好ましくはグリセリンである。尚、ポリエチレングリコールとしては、ポリエチレングリコール6000、ポリエチレングリコール4000などが好適に用いられる。本発明に用いる多価アルコールの眼科用組成物への含有量は、分子量や種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常、0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、さらに好ましくは0.005〜3%、特に好ましくは0.005〜1%、さらに特に好ましくは0.05〜1%で用いることができる。
より具体的に、眼科用組成物が点眼薬の場合、通常0.001〜5%、好ましくは0.001〜2%、より好ましくは0.005〜1%で用いられる。コンタクトレンズ装着液の場合、通常0.001〜5%、好ましくは0.001〜2.5%、より好ましくは0.005〜1.5%で用いられる。洗眼薬の場合通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.005〜1%で用いられる。コンタクトレンズケア用剤の場合通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、より好ましくは0.01〜3%で用いられる。
本発明の眼科用組成物は、所望の効果を得るために適切な粘度に初期設定された組成物の粘度を長期的に安定に保持することができる。特に、眼科用組成物の粘度は、眼粘膜に適用した時の差し心地(使用感)や薬物滞留効果、ドライアイなどの疾患の治療等に多大な影響を与えることから、適切な粘度を初期設定し、初期粘度が長期的に安定に保持されることが重要となる。また、カルボキシメチルセルロースナトリウムが主体となって眼科用組成物に付与される粘度は高粘度において適用時の使用感が不快になりやすく、そのため、20℃における粘度は10.0mPa・s以下に設定することが好ましい。さらに、20℃における粘度が10.0mPa・s以下である組成物の初期粘度を安定に維持することが重要となる。本発明の眼科用組成物では、20℃における粘度が10.0mPa・s以下の時、粘度低下抑制効果が顕著に発揮される。一方、20℃における粘度が10.0mPa・sより大きい組成物においては細胞保護効果が粘度上昇に相関して増加することはなく、使用者によっては却って眼粘膜に刺激等の不快感を感じる可能性もある事から、20℃における粘度が10.0mPa・s以下である組成物において最適な細胞保護効果を発揮することが可能となる。
本発明の眼科用組成物は、20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sである組成物において発明の効果を発揮できる。好ましくは20℃における粘度が1.2〜9.0mPa・s、より好ましくは20℃における粘度が1.2〜8.0mPa・s、さらに好ましくは20℃における粘度が1.2〜7.0mPa・s、特に好ましくは20℃における粘度が1.2〜5.0mPa・s、さらに特に好ましくは20℃における粘度が1.5〜5.0mPa・sである。
本発明の眼科用組成物は、必要に応じて、生体に適用可能な範囲内のpHに調整して用いる。pHは、通常、pH4.0〜10.0、好ましくは5.0〜9.0に調整する。また、本発明の効果をより発揮するために、特に好ましくは5.5〜8.5の範囲で調整する。pHの調整は、緩衝剤、pH調整剤などを用いて行うことができる。
本発明の眼科用組成物には、粘度をより安定に保持する観点から、緩衝剤を配合することが好ましい。本発明に用いる緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、HEPES緩衝剤、MOPS緩衝剤などが挙げられる。より具体的には、ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム 、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、HEPES、MOPSなどの化合物や、これらの群から選ばれる2種以上の化合物の組み合わせ等が挙げられる。
好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。
特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤またはリン酸緩衝剤である。
特に好ましい緩衝剤はより具体的には、ホウ酸緩衝剤としてはホウ酸、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩、ホウ酸とホウ酸塩との組み合わせが挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩、リン酸とリン酸塩との組み合わせが挙げられる。
本発明の眼科用組成物において緩衝剤の含有量は、緩衝剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、緩衝剤として用いる化合物の総量として、通常0.001〜15%、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.001〜7%、さらに好ましくは0.001〜5%、よりさらに好ましくは0.001〜3%、特に好ましくは0.005〜3%、より特に好ましくは0.005〜1.5%で用いられる。
本発明の眼科用組成物には、粘度をより安定に保持する観点から、無機塩類を配合することが好ましい。好ましい無機塩類としては、塩化カリウム、塩化ナトリウムである。
本発明の眼科用組成物において無機塩類の含有量は、無機塩類の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常0.001〜5%、好ましくは0.001〜1%、より好ましくは0.002〜0.7%、特に好ましくは0.005〜0.5%で用いられる。より具体的には、本発明の眼科用組成物が点眼薬、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬又はコンタクトレンズケア用剤の場合、通常0.001〜5%、好ましくは0.001〜2%、より好ましくは0.01〜1%、さらに好ましくは0.05〜0.8%、特に好ましくは0.1〜0.6%で用いられる。
本発明の眼科用組成物には、非イオン性界面活性剤を配合することが好ましい。非イオン性界面活性剤は、主に溶解補助剤等として眼科用組成物に多用される一方、カルボキシメチルセルロースナトリウムが主体となって組成物に付与される粘度を低下させる事もある。しかし、本発明によればそのような粘度の低下も効果的に抑制する事ができる。本発明に用いる非イオン性界面活性剤としては、通常当業者が眼科用組成物に利用しうるものを用いることができ、例えばポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー235 、ポロクサマー188 など) ;ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) ,モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) ,POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65) などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬化ヒマシ油5 ,POE硬化ヒマシ油10 ,POE硬化ヒマシ油20 ,POE硬化ヒマシ油40 ,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60 ,POE硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油類;POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。
好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、POEソルビタン脂肪酸エステル類又はPOE硬化ヒマシ油類から選ばれる非イオン性界面活性剤であり、特に好ましくは、ポロクサマー407、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である。
本発明の眼科用組成物において非イオン性界面活性剤の含有量は、界面活性剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常0.001〜5%、好ましくは0.001〜1%、より好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.05〜0.3%で用いられる。
本発明の眼科用組成物には、粘度をより安定に保持する観点から、エチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩を配合することが好ましい。かかるエチレンジアミン酢酸誘導体としては、例えば、エデト酸(以下、エチレンジアミン四酢酸又はEDTAともいう。)、エチレンジアミン二酢酸(以下、EDDAともいう。)、ジエチレントリアミン五酢酸(以下、DTPAともいう。)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(以下、HEDTAともいう。)などが例示できる。これらは、1種又は2種以上配合でき、薬理学的に又は生理学的に許容される塩(例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)として使用してもよい。なかでも好ましくは、エチレンジアミン四酢酸またはその塩であり、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物(以下、エデト酸ナトリウムともいう。)である。
本発明の眼科用組成物中におけるエチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩の含有量は分子量や種類などによって異なるので一概に規定できないが、好ましくは0.0001〜1%、より好ましくは0.0005〜0.5%、特に好ましくは0.001〜0.3%、さらに特に好ましくは0.001〜0.1%である。
また、組成物全体を安定に保持する観点から、エチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩、非イオン性界面活性剤、無機塩類及び/又は緩衝剤を組み合わせて配合することがより好ましい。本発明の眼科用組成物中におけるこれらの成分は、総量として、0.01〜5%配合するのが好ましく、特に好ましくは0.05〜3%である。特に、粘度をより安定に保持する観点から、エチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩、無機塩類及び/又は緩衝剤を組み合わせて配合することがより好ましい。本発明の眼科用組成物中におけるこれらの成分は、総量として、0.01〜4%配合するのが好ましく、特に好ましくは0.05〜2.5%である。
本発明の眼科用組成物は、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有するのに適している。眼科用組成物に通常用いられる充血除去成分、眼筋調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸、酸性ムコ多糖類、局所麻酔薬成分などが例示できる。具体的には、以下に挙げる成分が例示できる。
充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。
抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンなど。
抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミンなど。
ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロールなど。
アミノ酸:例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸ナトリウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウムなど。
酸性ムコ多糖類:コンドロイチン硫酸 、コンドロイチン多硫酸エステル、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラト硫酸またはそれらの塩など。
局所麻酔薬成分:例えば、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。
また、本発明の眼科用組成物には、発明の効果を損なわない範囲でその用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調整剤、等張化剤、香料または清涼化剤、安定剤などの各種添加剤を挙げることができる。
以下に本発明の眼科用組成物に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。
増粘剤:例えば、デキストラン、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはこれらの薬理学的に許容される塩など。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリンなど。
界面活性剤:例えば、上記した非イオン性界面活性剤以外にも、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤)など。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)など。
pH調整剤:例えば、塩酸、ホウ酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなど。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、プロピレングリコールなど。
香料又は清涼化剤:例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、リュウノウ、ウイキョウ油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。
本発明の眼科用組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧に調整して用いる。浸透圧は、100〜1200mOsm、好ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは150〜400mOsmであり、生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.4〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4である。
本発明の眼科用組成物は、公知の方法により製造でき、必要により、ろ過滅菌処理工程や、容器への充填工程等を加えることができる。
また、本発明は、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上とを含有し、組成物の20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sであることを特徴とする、組成物の粘度低下を抑制する方法である。なお、本発明の方法は、カルボキシメチルセルロースナトリウムや多価アルコールの、種類や含有量等及びその他の好ましい態様について、本発明の眼科用組成物に関する前述の記載に従って行うことができる。
以下に、実験例及び実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
粘度の測定方法
粘度測定方法は円すい一平板形回転粘度計を用いる方法(第十四改正日本薬局法に記載の、一般試験法、45粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法)に従った。具体的には、市販の円すい−平板形回転粘度計と適宜選択されたロータとを用いて測定した。
粘度の測定においては、市販の粘度計、例えば、E型粘度計[トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本)から販売]、シンクローレクトリックPC 型(ブルックフィールド、米)、フェランティシャーリー(フェランティ、英)、ロートビスコR (ハーケ、独)、IGK ハイシャーレオメーター(石田技研、日本)、島津レオメーターR (島津製作所、日本)、ワイセンベルグレオゴニオメーター(サンガモ、英)、メカニカルスペクトロメーター(レオメトリックス、米)等を利用できる。そして、これらの市販の粘度計とローターを適宜選択し、披検試料測定毎にJIS Z8809により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として適宜調整することにより、20℃における粘度を測定することができる。
具体的には、円すいと平円板との間の角度αの隙間に試料を入れ、円すい又は平円板を一定の角速度ω若しくはトルクTで回転させ、定常状態に達したときの平円板又は円すいが受けるトルク若しくは角速度を測定し、試料の粘度ηを次式により算出することによって粘度を測定した。
η =100×(3α/2πR)・(T /ω)
η :試料の粘度(mPa ・s)(Pa ・s =10 mPa・s )
α :平円板と円すいがなす角度(rad)
π :円周率
R :円すいの半径(cm)
T :平円板又は円すい面に作用するトルク(10−7N・m)
ω :角速度(rad/s)
本試験における各試験液、各試験例、各実施例の粘度は、E型粘度計の1種であるTVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ(トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本))を用いて、以下の測定条件の下で測定を行った。
測定条件:
TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプに付属の標準コーンロータ(図1における円すい1に相当)(平円板と円すいがなす角度=1°34’、半径(R)=2.4cm)をフルスケール・トルク673.7×10−7 Nm のスプリングを介してモータで回転させる。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置する。
被検試料1mlをコーンロータの所定の位置(平円板)に載置し、温度が20℃になるまで放置する。次いで、装置を被検試料の粘度に応じた回転数で回転させ、表示された粘度を読み取る。高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809 により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整する。なお、TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ以外の市販の機種を用い、上記と同様にコーンロータを選択して実施し、適宜校正することにより、同等の結果を得ることもできる。
使用ローター:標準ローター(1°34′、R=2.4cm)
回転数 :5rpm
試料量 :1ml
測定温度 :20℃
時間 :3分後の粘度を測定値とした。
実験例1 粘度安定性試験
試験液の調製は表1に示す処方に従った。具体的には、試験液3〜4の調製方法を示す。グリセリン、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ソルビン酸カリウム及びホウ酸を50mlの精製水中にて攪拌溶解して、さらに0.2gのカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMCとする。商品名「セロゲンPR−S」又は商品名「AG−GUM」を使用した。)を添加して攪拌溶解させ、ホウ砂を攪拌溶解しながら添加してpHを調整した後、精製水を適量加えて全体を100mlとして、粘度を測定した。 その後、透明ガラス瓶に10mL充填し密栓して、60℃の恒温槽(ナガノ科学機械製作所製 CH20−11M)内にて2週間保管した。2週間保管後に再度粘度を測定した。恒温槽保管前後における粘度測定値から、下記数式1により粘度低下抑制率(%)を算出した。結果は、表1に示す。
また、同時に配合する成分による粘度低下抑制への影響を検討するため、表2及び表3に示す処方に従い、試験液を調製した。調製方法は前述の表1における方法に準じ、CMCとしては商品名「セロゲンF−SC」を使用した。また、恒温槽保管方法、粘度低下抑制率の算出は、前述の表1における方法と同様とした。結果は、表2及び表3に示す。
(数式1)粘度低下抑制率(%)={1−(A÷B)}×100

式中、Aは「60℃2週間保管後のグリセリン含有試験液における粘度低下」を示す。
Bは「60℃2週間保管後のグリセリン不含試験液における粘度低下」を示す。

また、粘度低下抑制率の計算において、AとBは下記の通り対応させて算出した。
A:試験液3 と B:試験液1
A:試験液4 と B:試験液2
A:試験液7 と B:試験液5
A:試験液8 と B:試験液5
A:試験液9 と B:試験液6
A:試験液11 と B:試験液10
Figure 2007277233
Figure 2007277233
Figure 2007277233
試験の結果、カルボキシメチルセルロースナトリウムを含有する組成物の粘度低下が、グリセリンを含有することによって抑制できることが確認された。また、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びグリセリンを含有する組成物に、さらにエデト酸ナトリウム又は無機塩類を含有することによって、組成物の粘度低下がより一層抑制できることが確認された(表2)。また、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び非イオン性界面活性剤を含有する組成物においては、粘度低下が大きい傾向にあるが、そのような場合にも、グリセリンをともに含有することによって、粘度低下が抑制できることが確認された(表3)。なお、これらの効果は、組成物の20℃における初期粘度が10.0mPa・s以下である組成物に認められた。
実験例2 乾燥誘発細胞障害試験
試験例の調製は、表4に示す処方に従った。具体的には、表5に示す組成であるオペガード(登録商標、千寿製薬株式会社)約90mlに0.3gのカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMCとする。商品名「セロゲンF−SC」を使用した。)或いは1.0gのグリセリンを攪拌しながら溶解させて、オペガード(登録商標)を適量加えて全体を100mlとした。試験例3の20℃における粘度は4.1mPa・s、試験例4は4.2mPa・sであった。
10%(v/v)ウシ胎児血清を添加したMedium199(日本インビトロジェン株式会社)にウサギ角膜上皮細胞株(SIRC)を懸濁後、96ウエルマイクロタイタープレートに播種しフルグロースになるまで培養した。細胞の培養上清を除去し、各試験例を5μlずつウエルに添加した。その96ウエルマイクロタイタープレートを37℃で2時間インキュベートし細胞を乾燥させた。その後、生細胞検出試薬WST−8(登録商標、同仁化学株式会社)を10%(v/v)添加したMedium199(10%WST-8)を各ウエルに100μlずつ添加し30分間、37℃、5%CO下で培養し、各ウエルの450nmにおける吸光度(吸光度I)を測定した。尚、ブランクとして、無細胞ウエルに10%WST-8を添加し、同様に処理した場合の450nmにおける吸光度(吸光度IB)を測定した。 また上記乾燥処理細胞と同条件で培養し乾燥処置を施さなかったSIRC細胞(非乾燥細胞群)に10%(v/v)WST−8を添加し同様の処置し、吸光度(吸光度II)を測定した。尚、ブランクとして、無細胞ウエルに10%WST-8を添加し、同様に処理した場合の450nmにおける吸光度(吸光度IIB)を測定した。下記数式1により乾燥処置後の細胞生存率(%)を算出した。試験結果は表4に示した。
(数式2)細胞生存率(%)=100×( 吸光度I− 吸光度IB )÷( 吸光度II − 吸光度IIB )
(数式3)細胞生存率の変化(%)=各試験例における細胞生存率(%)− 試験例1における細胞生存率(%)
Figure 2007277233
Figure 2007277233
試験の結果、グリセリンとカルボキシメチルセルロースナトリウムをともに含有する組成物では、細胞生存率が相乗的に高くなることが確認された。したがって、グリセリンとカルボキシメチルセルロースを含有する組成物が、ドライアイに代表されるような眼粘膜乾燥状態に対して細胞を保護し、眼粘膜組織障害の予防又は治療効果に優れることが示された。
実施例
表中の各実施例は、単位をg/100mlとして記載するものとする。また、表中、「点眼薬」とあるのは点眼薬(剤)、「洗眼薬」とあるのは洗眼薬(剤)、「人工点」とあるのは人工涙液型点眼薬(剤)、「装着液」とあるのは、コンタクトレンズ装着液、「CL用剤」とあるのはコンタクトレンズケア用剤をそれぞれ意味するものとする。これらの各実施例において、実験例1と同様の条件にて、60℃2週間保管したところ、それぞれの処方において多価アルコールを含有しない場合と比較して、粘度低下が抑制されていた。尚、表6及び表7における粘度の記載欄には、60℃恒温槽保管前の粘度(初期粘度)を示した。
Figure 2007277233
Figure 2007277233
円すい−平板形回転粘度計の説明図である。

Claims (4)

  1. カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上とを含有し、20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sである眼科用組成物。
  2. カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリンとを含有し、20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sである眼科用組成物。
  3. 眼科用組成物が、点眼薬、コンタクトレンズ装着液、洗眼薬又はコンタクトレンズケア用剤である請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
  4. カルボキシメチルセルロースナトリウムと、グリセリン、ポリエチレングリコール、マンニトール、キシリトール及びソルビトールからなる群から選択される1種又は2種以上とを含有し、組成物の20℃における粘度が1.2〜10.0mPa・sであることを特徴とする、組成物の粘度低下を抑制する方法。
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