JP2007276237A - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル列が傾くと、ノズルから吐出されるインク滴の吐出速度が変わってしまう。
【解決手段】本印刷装置は、所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、前記所定方向と交差する方向へ前記ノズル列と媒体とを相対的に移動させる移動機構と、水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御するコントローラと、を有する。
【選択図】図13

Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関する。
紙、布、OHP用紙などの媒体に画像を印刷する印刷装置として、インクジェット方式のプリンタが知られている。インクジェット方式のプリンタでは、キャリッジを移動させてヘッドからインク滴を吐出するドット形成処理と、紙を搬送する搬送処理とを交互に繰り返し、ドットから構成される画像を紙に印刷する。また、インクジェット方式のプリンタの中には、ヘッドをキャリッジによって移動させるのではなく、紙幅分の長さのヘッドを用いるラインプリンタと呼ばれるものもある。
特開2003−19839号公報には、キャリッジを用いるプリンタが記載されている。このプリンタでは、キャリッジ軸の傾きに応じて、キャリッジを駆動するキャリッジ駆動モータの出力を調整している。
特開2003−19839号公報
特開2003−19839号公報のプリンタでは、ヘッドのノズル列と垂直な方向の傾きを検出していることになる。一方、ノズル列と平行な方向を軸とする傾き(ノズル列の傾き)も印刷に影響を与えることがある。例えば、ノズル列が傾くと、ノズルから吐出されるインク滴の吐出速度が変わるため、ドットの形成位置が変わってしまう。
そこで、本発明は、ノズル列の傾きによる悪影響を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、前記所定方向と交差する方向へ前記ノズル列と媒体とを相対的に移動させる移動機構と、水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御するコントローラと、を有する印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
本印刷装置は、所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、前記所定方向と交差する方向へ前記ノズル列と媒体とを相対的に移動させる移動機構と、水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御するコントローラと、を有する。このような印刷装置によれば、ノズル列の傾きによる悪影響を抑制することができる。
また、水平方向に対する前記ノズル列の傾きを検出するための傾きセンサを更に有し、前記コントローラは、前記傾きセンサの検出結果に基づいて、前記吐出タイミングを制御することが望ましい。また、前記傾きセンサは、静的な傾きを検出するための第1センサと、動的な傾きを検出するための第2センサとを備え、前記第1センサの検出結果と前記第2センサの検出結果とに基づいて、前記ノズル列の傾きが検出されることが好ましい。これにより、外乱に影響されずにノズル列の傾きを検出できる。
また、前記コントローラは、画素データに従って前記ノズルからのインク滴の吐出を制御して、前記画素データに対応する画素にドットを形成又は非形成するものであり、前記コントローラは、前記画素データを並び替えることにより、前記インク滴の吐出タイミングを変更することが望ましい。これにより、画素単位の調整が可能になる。また、前記ノズルからインク滴を吐出するための素子を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部を更に有し、前記駆動信号には、前記ノズル列と前記媒体とが所定距離だけ相対的に移動する毎に、前記素子を駆動するための複数の波形が含まれ、前記コントローラは、前記ノズル列と前記媒体とが所定距離だけ相対的に移動する間に、前記複数の波形のうちの前記傾きに応じた波形により前記素子を駆動することが好ましい。これにより、画素単位よりも細かい調整が可能になる。
前記ノズル列を備えるヘッドを複数備え、各ヘッドは前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、前記移動機構は、複数の前記ヘッドに対して前記媒体を搬送することが望ましい。これにより、ラインプリンタにおいてノズル列の傾きによる悪影響を抑制することができる。また、前記コントローラは、いずれのヘッドの前記ノズル列も前記水平方向に対して共通に傾くものとして、前記吐出タイミングを制御することが好ましい。これにより、簡易な構成にすることができる。
また、本件印刷方法は、所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、媒体とを、前記所定方向と交差する方向へ相対的に移動させ、前記ノズルからインク滴を吐出する印刷方法であって、水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御する。このような印刷方法によれば、ノズル列の傾きによる悪影響を抑制することができる。
===印刷システムの構成===
次に、印刷システムの実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態の記載には、コンピュータプログラム、及び、コンピュータプログラムを記録した記録媒体等に関する実施形態も含まれている。
図1は、印刷システムの外観構成を示した説明図である。この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを備えている。プリンタ1は、紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する印刷装置である。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されており、プリンタ1に画像を印刷させるため、印刷させる画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。
コンピュータ110にはプリンタドライバがインストールされている。プリンタドライバは、表示装置120にユーザインタフェースを表示させ、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラムである。このプリンタドライバは、フレキシブルディスクFDやCD−ROMなどの記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に記録されている。または、このプリンタドライバは、インターネットを介してコンピュータ110にダウンロードすることも可能である。なお、このプログラムは、各種の機能を実現するためのコードから構成されている。
なお、「印刷装置」とは、媒体に画像を印刷する装置を意味し、例えばプリンタ1が該当する。また、「印刷制御装置」とは、印刷装置を制御する装置を意味し、例えば、プリンタドライバをインストールしたコンピュータが該当する。また、「印刷システム」とは、少なくとも印刷装置及び印刷制御装置を含むシステムを意味する。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成>
図2は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図3Aは、プリンタ1の断面図である。また、図3Bは、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。以下、本実施形態のプリンタであるラインプリンタの基本的な構成について説明する。
本実施形態のプリンタ1は、搬送ユニット20、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ(不図示)と、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bと、ベルト24とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。不図示の搬送モータが回転すると、上流側搬送ローラ23A及び下流側搬送ローラ23Bが回転し、ベルト24が回転する。給紙ローラ21によって給紙された紙Sは、ベルト24によって、印刷可能な領域(ヘッドと対向する領域)まで搬送される。ベルト24が紙Sを搬送することによって、紙Sがヘッドユニット40に対して搬送方向に移動する。印刷可能な領域を通過した紙Sは、ベルト24によって外部へ排紙される。なお、搬送中の紙Sは、ベルト24に静電吸着又はバキューム吸着されている。
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、搬送中の紙Sに対してインクを吐出することによって、紙Sにドットを形成し、画像を紙Sに印刷する。本実施形態のプリンタはラインプリンタであり、ヘッドユニット40は紙幅分のドットを一度に形成することができる。このヘッドユニット40の構成については、後で説明する。
検出器群50には、ロータリー式エンコーダ(不図示)、紙検出センサ53などが含まれる。ロータリー式エンコーダ53は、上流側搬送ローラ23Aや下流側搬送ローラ23Bの回転量を検出する。ロータリー式エンコーダ53の検出結果に基づいて、紙Sの搬送量を検出することができる。紙検出センサ53は、給紙中の紙の先端の位置を検出する。なお、後述の傾きセンサ55も、検出器群50に含まれる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ヘッドユニット40の構成>
図4Aは、ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列を示す説明図である。図4Bは、各ヘッドの位置関係の説明図である。ヘッドユニットの下面は、ベルト24で搬送される紙Sと対向する。
ヘッドユニット40の下面では、搬送方向上流側で紙幅方向に並ぶ複数のヘッド41Aと、搬送方向下流側で紙幅方向に並ぶ複数のヘッド41Bとが、千鳥列配置で並んでいる。
各ヘッドには、ブラックインクノズル列K、シアンインクノズル列C、マゼンタインクノズル列M及びイエローインクノズル列Yが形成されている。各ノズル列は、インクを吐出するための吐出口であるノズルを複数個(本実施形態では180個)備えている。各ノズル列の複数のノズルは、紙幅方向に沿って、一定のノズルピッチで並んでいる。ここでは、ノズルピッチは1/180インチである。各ヘッドのノズルには、図中の左から順に番号が付されている(♯1〜♯180)。
搬送方向上流側のヘッド41Aのノズル列と、搬送方向下流側のヘッド41Bのノズル列は、紙幅方向に関して2個のノズルが重複するように構成されている。つまり、搬送方向上流側のヘッド41Aの紙幅方向端部の2個のノズルと、搬送方向下流側のヘッド41Bの紙幅方向端部の2個のノズルとが、紙幅方向に関して同じ位置になる。具体的には、搬送方向上流側のヘッド41Aのノズル♯1と搬送方向下流側のヘッド41Bのノズル♯179とが紙幅方向に関して同じ位置になり、搬送方向上流側のヘッド41Aのノズル♯2と搬送方向下流側のヘッド41Bのノズル♯180とが紙幅方向に関して同じ位置になる。また、搬送方向上流側のヘッド41Aのノズル♯179と搬送方向下流側のヘッド41Bのノズル♯1とが紙幅方向に関して同じ位置になり、搬送方向上流側のヘッド41Aのノズル♯180と搬送方向下流側のヘッド41Bのノズル♯2とが紙幅方向に関して同じ位置になる。
図5は、ブラックインクノズル列Kとシアンインクノズル列Cの周辺の構成の説明図である。図6は、2つのノズル列の周辺の断面図である。
各ノズル列の周辺には、駆動ユニット42と、駆動ユニット42を収納するためのケース43と、ケースに装着される流路ユニット44とを備えている。
駆動ユニット42は、複数のピエゾ素子421によって構成されるピエゾ素子群422と、このピエゾ素子群422が固定される固定板423と、各ピエゾ素子421に給電するためのフレキシブルケーブル424と、から構成される。各ピエゾ素子421は、所謂片持ち梁の状態で固定板423に取り付けられている。固定板423は、ピエゾ素子421からの反力を受け止め得る剛性を備えた板状部材である。フレキシブルケーブル424は、可撓性を有するシート状の配線基板であり、固定板423とは反対側となる固定端部の側面でピエゾ素子421と電気的に接続されている。そして、このフレキシブルケーブル424の表面には、ピエゾ素子421の駆動等を制御するための制御用ICであるヘッド制御部HCが実装されている。図示するように、ヘッド制御部HCは、各ノズル列毎に、すなわち色毎に、それぞれ設けられる。
ケース43は、駆動ユニット42を収納可能な収納空部431を有する直方体ブロック状の外形である。このケース43の先端面には上記の流路ユニット44が接合される。この収納空部431は、駆動ユニット42が丁度嵌合可能な大きさである。また、このケース43には、インクカートリッジからのインクを流路ユニット44に導入するためのインク供給管433も形成されている。
流路ユニット44は、流路形成基板45と、ノズルプレート46と、弾性板47とを有し、流路形成基板45がノズルプレート46と弾性板47に挟まれるようにそれぞれを積層して一体的に構成される。ノズルプレート46は、図4Bに示すような4つのノズル列が形成されたプレートである。
流路形成基板45には、圧力室451及びインク供給口452となる空部が各ノズルに対応して複数形成される。リザーバ453は、インクカートリッジに貯留されたインクを各ノズルの圧力室451に供給するための共通の液体貯留室であり、各ノズルの圧力室451の他端と連通している。そして、インクは、インクカートリッジからインク供給管433を通ってリザーバ453内に導入され、リザーバ453から各ノズルの圧力室451へ供給される。弾性板47は、ダイヤフラム部471を備えている。また、リザーバ453となる空部の一方の開口面を封止するコンプライアンス部472も備えている。この弾性板47では、支持板にエッチング加工が施され、島部473を残すように支持板が除去されている。そして、この島部473にピエゾ素子421の自由端部の先端が接着される。
そして、駆動ユニット42は、ピエゾ素子421の自由端部を流路ユニット44側に向けた状態で収納空部431内に挿入され、この自由端部の先端面が対応する島部473に接着される。また、ピエゾ素子群接合面とは反対側の固定板背面が収納空部431を区画するケース43の内壁面に接着される。この収納状態でフレキシブルケーブル424を介してピエゾ素子421に駆動信号が供給されると、ピエゾ素子421は伸縮して圧力室451の容積を膨張・収縮させる。このような圧力室451の容積変化により、圧力室451内のインクには圧力変動が生じる。そして、このインク圧力の変動を利用することにより、ノズルからインク滴が吐出される。
===ノズル列の傾きの影響===
図7Aは、ノズル列が水平な場合のインクの挙動の説明図である。上図は、リザーバ453内のインク供給の様子の説明図であり、下図は、各ノズルからのインク滴の吐出の様子の説明図である。説明の簡略化のため、実際のノズル数よりも少ないノズル数で図を示している。
既に説明した通り、インクカートリッジからのインクは、インク供給管433を通ってリザーバ453内に導入され、リザーバ453から各ノズルの圧力室451へ供給される。そして、ピエゾ素子421の伸縮に応じて圧力室451が膨張・収縮されて、ノズルからインク滴が吐出される。
ノズル列が水平な場合、リザーバ453内のインクは、各ノズルの圧力室451へ均等に供給される(上図参照)。この結果、各ノズルからインク滴が吐出されると、各ノズルからはインク滴が均等に吐出される。つまり、各ノズルから吐出されたインク滴は、同じ吐出速度(飛翔速度)になる。
図7Bは、ノズル列が傾いた場合のインクの挙動の説明図である。上図は、リザーバ453内のインク供給の様子の説明図であり、下図は、各ノズルからのインク滴の吐出の様子の説明図である。なお、下図において、インク滴の様子の説明のためノズル列が水平に記載されているが、実際には傾いている。
搬送方向を軸にしてノズル列が傾くと、リザーバ453も搬送方向を軸にして傾き、リザーバ453内のインクが上から下に流れ易くなる。特に、インク供給管433がリザーバ453の中心付近(図中の点線参照)に設けられているため、この位置よりも上にはインクが流れにくくなり、この位置よりも下へはインクが流れ易くなる。このため、図中の右側の圧力室451へはインクを供給しにくくなり、図中の左側の圧力室451へはインクを供給しやすくなる。言い換えると、図中の右側の圧力室451内ではインクの圧力が低くなり、図中の左側の圧力室451内ではインクの圧力が高くなる。
この結果、ノズルに応じてインク滴の吐出速度が異なる。図中の右側では、圧力室451へのインクの供給が弱く、圧力室451内のインクの圧力が低いため、対応するノズルから吐出されるインク滴の吐出速度は遅くなる。一方、図中の左側では、圧力室451へのインクの供給が強く、圧力室451内のインクの圧力が高いため、対応するノズルから吐出されるインク滴の吐出速度は速くなる。
図8A〜図8Dは、印刷画像への傾きの影響の説明図である。図8A及び図8Bは、ノズル列が水平な場合の説明図であり、図8C及び図8Dは、ノズル列が傾いた場合の説明図である。図8A及び図8Cは、1つのヘッド41によって形成された印刷画像の説明図であり、図8B及び図8Dは、複数のヘッド41によって形成された印刷画像の説明図である。なお、ここでは文字を印刷することを前提に説明する。また、図中の上から下に向かって、紙Sがヘッド41に対して搬送される。図中には、紙Sは記載されていないが、代わりに、紙Sに印刷された文字が記載されている。
ノズル列が水平な場合、各ノズルから同じ吐出速度でインク滴が吐出されるので、仮に各ノズルから同時にインク滴が吐出されると、紙Sには搬送方向の同じ位置に複数のドットが形成される(すなわち、紙幅方向に平行なドットの列が形成される)。そして、ノズル列が水平な場合、図8A及び図8Bに示す通り、印刷画像は紙Sに正常に形成される。
搬送方向を軸にしてノズル列が傾くと、インク滴はノズルに応じて異なる吐出速度になる。図8C及び図8Dでは、各ヘッドにおいて図中左側に位置するノズルほど吐出速度は速く、図中の右側に位置するノズルほど吐出速度は遅いものとする。仮に各ノズルから同時にインク滴を吐出すると、吐出速度の速いインク滴は先に紙Sに着弾し、吐出速度の遅いインク滴はその後に紙Sに着弾し、紙Sには紙幅方向に対して斜め(図中の右上がり)のドットの列が形成される。
この結果、図8Cに示す通り、各ヘッドは、右上がりの印刷画像(文字)を形成するため、画質が劣化する。また、搬送方向上流側のヘッド41Aの図中左側のノズルの吐出速度と、搬送方向下流側のヘッド41Bの図中右側のノズルの吐出速度との差が大きいため、図8Dに示す通り、搬送方向上流側のヘッド41Aが形成する印刷画像と、搬送方向下流側のヘッド41Bが形成する印刷画像とのつなぎ目がずれてしまい、画質が劣化する。
そこで、本実施形態では、以下に説明する通り、ヘッドの傾きを傾きセンサによって検出し、傾きセンサの検出結果に基づいて各ノズルの吐出タイミングを調整することによって、画質の劣化を抑制している。
===傾きセンサ===
図9は、傾きセンサ55の斜視図である。この傾きセンサ55は、コントローラ60を構成する基板に取り付けられている。
傾きセンサ55は、加速度センサ551と、地磁気センサ552と、角速度センサ553(X軸角速度センサ553X、Y軸角速度センサ553Y及びZ軸角速度センサ553Z)とを有する。加速度センサ551は、重力を検出するセンサであり、水平方向(XY平面)におかれると出力はゼロになり、水平面から傾くとその傾きに応じた信号を出力する。つまり、この加速度センサ551は、X軸回りの回転量及びY軸回りの回転量を検出するセンサであり、X軸回りの回転量に応じた信号と、Y軸回りの回転量に応じた信号を出力する。地磁気センサ552は、方位磁石が東西南北の方位を示すように、Z軸回りの回転量を検出するセンサである。X軸角速度センサ553Xは、X軸回りの回転の角速度を検出するセンサであり、ジャイロが用いられている。同様に、Y軸角速度センサ553YはY軸回りの回転の角速度を検出するセンサであり、Z軸角速度センサ553ZはZ軸回りの回転の角速度を検出するセンサである。
加速度センサ551及び地磁気センサ552は、傾き(軸周りの回転量)の絶対値を検出することが可能である。言い換えると、加速度センサ551及び地磁気センサ552は、静的な傾きを検出することが可能である。但し、加速度センサ551及び地磁気センサ552は応答速度が遅いため、プリンタ本体の傾きが時間変化する場合に検出誤差が生じるおそれがある。例えば加速度センサ551は、プリンタ本体の傾きが時間変化すると、慣性による影響を重力の変化として信号を出力してしまう。
一方、角速度センサ553は応答速度が速いので、傾きの時間変化(回転量の時間変化)を検出できる。言い換えると、角速度センサ553は、動的な傾きを検出することが可能である。但し、角速度センサの出力値を積分して絶対的な回転量を検出しようとすると、検出誤差が蓄積されてしまう。
そこで、本実施形態では、加速度センサ551及び地磁気センサ552の出力と、角速度センサ553の出力とを相互補正することによって、コントローラ60はプリンタ本体の傾きを検出している。具体的には、角速度センサ553が角速度を検出していないときにはコントローラ60は加速度センサ551及び地磁気センサ552の出力でプリンタ本体の傾きを検出し、角速度センサ553が角速度を検出したときにはコントローラ60は角速度センサ553の出力に基づいて加速度センサ551及び地磁気センサ552の出力を補正する。言い換えると、コントローラ60は、静的な傾きと動的な傾きを検出し、動的な傾きで静的な傾きを補正する。
コントローラを構成する基板に傾きセンサ55が取り付けられた状態では、図中のX軸と搬送方向とが平行になり、Y軸と紙幅方向とが平行になり、Z軸とプリンタ本体の上下方向とが平行になるように、傾きセンサ55は取り付けられている。このため、図7Bに示すようなノズル列の傾きは、加速度センサ551によるX軸回りの回転量に応じた信号と、X軸角速度センサ553Xの出力信号とに基づいて、検出される。
なお、本実施形態では複数のヘッドがヘッドユニット40にあるが、各ヘッドの各ノズル列は共通の傾きで傾いているものとしている。つまり、傾きセンサ55によって検出される搬送方向を軸とする回転量は、各ヘッドの各ノズル列の吐出タイミングの変更に共通に用いられる。このため、プリンタには1つの傾きセンサ55があれば良い。
===吐出タイミングの変更(1)===
吐出タイミングを変更する方法として、第1に、画像データを補正する方法がある。
ここで、画像データとは、印刷すべき画像を示すデータであり、複数の画素データから構成される。画素データは、画素の階調を示すデータである。画素データが1ビットデータの場合、画素データが「0」の画素にはドットを形成せず、画素データが「1」の画素にはドットを形成することを意味する。また、画素データが2ビットデータの場合、画素データが「00」の画素にはドットを形成せず、画素データが「01」の画素には小ドットを形成し、画素データが「10」の画素には中ドットを形成し、画素データが「11」の画素には大ドットを形成することを意味する。
図10Aは、ノズル列が水平な場合における画像データと印刷画像との関係の説明図である。図中の左側には、画像データが示されている。この図では、画素データが1ビットデータであるものとし、画素データが「0」の画素は塗りつぶさず、画素データが「1」の画素は塗りつぶすことによって、画像データの示す画像を表している。図中の右側には、紙Sに形成されるドットや、これらのドットによって構成される印刷画像が示されている。この図の升目は画素の領域を示しているが、実際には紙に升目は現れない。なお、各升目は、1/180インチ(紙幅方向)×1/180インチ(搬送方向)の領域を示している。
図10Aに示す通り、画像データは、横に伸びる線の画像を示している。この画像データに従ってヘッドが駆動されると、各ノズルから同時にインク滴が吐出されることになる。ここではノズル列は傾いていないため、インク滴は紙Sに同時に着弾し、紙Sには紙幅方向に沿ってドットの列が形成される。この結果、印刷画像は横に伸びる線を示し、画像データの示す画像が紙Sに印刷されている。
図10Bは、ノズル列が傾いている場合であって、画像データを補正しない場合における画像データと印刷画像との関係の説明図である。ここでも、画像データに従ってヘッドが駆動されると、各ノズルから同時にインク滴が吐出されることになる。但し、ノズル列が搬送方向を軸にしてノズル列が傾くと、インク滴はノズルに応じて異なる吐出速度になる。そして、吐出速度の速いインク滴は先に紙Sに着弾し、吐出速度の遅いインク滴はその後に紙Sに着弾する結果、ここでは1画素分(1/180インチ)ずつずれてドットが形成され、紙Sには紙幅方向に対して斜め(図中の右上がり)のドットの列が形成される。この結果、印刷画像は、右上がりの線を示し、画像データの示す画像とは異なってしまう。
図10Cは、ノズル列が傾いている場合であって、画像データを補正する場合における画像データと印刷画像との関係の説明図である。画像データは、傾きセンサ55の検出結果に基づいて、補正される。コントローラ60は、搬送方向に対応する方向に沿って画像データの画素データを1画素分ずつずらす。そして、補正後の画像データに従ってヘッドが駆動されると、吐出速度の遅いインク滴を吐出するノズルからは早いタイミングにてインク滴が吐出され、吐出速度の速いインク滴を吐出するノズルからは遅いタイミングにてインク滴が吐出される。この結果、インク滴は紙Sに同時に着弾し、画像データの示す画像が紙Sに印刷されている。
このように、画像データを補正することによって、ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングが変更できる。また、傾きセンサ55の検出結果に基づいて画像データを補正することによって、各ノズルから吐出されるインク滴の吐出速度が異なっていても、画像データの示す画像を紙Sに印刷することができる。
なお、上記の説明では画素データを1画素ずつずらしているが、傾きセンサ55の検出結果次第では、例えば2画素ずつ画素データをずらしても良いし、2画素に1画素の割合で徐々にずらしても良い。
===吐出タイミングの変更(2)===
上記の説明では、インク滴の吐出タイミングが1画素分ずつずれるため、ドットの着弾位置(ドットの形成位置)を1/180インチ単位でしか調整することができない。
図13Aは、ノズル列の傾きによって1/540インチずつずれてドットが形成される場合の説明図である。図13Bは、画像データを補正しただけで吐出タイミングを変更した場合の説明図である。図13A及び図13Bに示す通り、1/180インチ単位でのドットの形成位置の調整では、ノズル列の傾きの影響を調整しきれないことがある。
そこでここでは、1/180インチよりも細かくドットの着弾位置を調整できるように、インク滴の吐出タイミングを変更する方法について説明する。
図11は、本実施形態のヘッド制御部HCのブロック図である。
ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、信号選択部83と、制御ロジック84と、スイッチ86とを備えている。また、本実施形態のヘッド制御部HCは、調整部87を備えている。制御ロジック84を除いた各部(すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、信号選択部83、スイッチ86、調整部87)は、それぞれピエゾ素子421毎に設けられる。
このヘッド制御部HCには、クロックCLK、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、駆動信号COMなどがコントローラ60から入力する。また、画素データSIを含む信号や、傾き情報を含む調整制御信号なども、コントローラ60からヘッド制御部HCに入力する。
図12は、各種信号の説明図である。
駆動信号COMは、繰返し周期T毎に繰り返し生成され、ヘッド制御部HCへ入力される。この繰返し周期Tは、紙Sが1/180インチ搬送されるのに要する期間である。つまり、紙Sが1/180インチ搬送される毎に、ヘッド制御部HCには図示した駆動信号COMが入力される。なお、駆動信号COMはコントローラ60の駆動信号生成部(不図示)で生成され、駆動信号生成部で生成された駆動信号COMが各ヘッドのヘッド制御部HCへ入力される。繰返し周期Tは6つの区間T1〜T6に分けることができる。各区間T1〜T6には、それぞれ駆動パルスPSを含む区間信号SSがある。
ラッチ信号LATは、紙Sが1/180インチ搬送されたことを示す信号である。ラッチ信号LATのパルスが入力されてから次のパルス信号が入力されるまでの間に、紙Sは1/180インチ搬送されることになる。また、チェンジ信号CHは、繰返し周期Tを6つの区間T1〜T6に分けるための信号である。
選択信号q0〜q3は、制御ロジック84から出力される信号である。制御ロジック84は、ラッチ信号LAT及びチェンジ信号CHに応じて、選択信号q0〜q3を出力する。なお、図12には、吐出タイミングの調整を行わない場合に用いられる選択信号だけが示されている(他の選択信号については後述する)。
印加信号は、ピエゾ素子421に印加される信号である。2ビットデータである画素データに応じて、ピエゾ素子421に印加される信号が異なることになる。
次に、吐出タイミングの調整を行わない場合のヘッド制御部HCの動作について説明する。
クロック信号CLKに同期して画素データSIがヘッド制御部HCに入力されると、2ビットデータである画素データの下位ビットデータが第1シフトレジスタ81Aにそれぞれセットされ、上位ビットデータが第2シフトレジスタ81Bにそれぞれセットされる。そして、ラッチ信号LATのパルスに応じて、下位ビットデータが第1ラッチ回路82Aにラッチされ、上位ビットデータが第2ラッチ回路82Bにラッチされる。
制御ロジック84から出力された選択信号q0〜q3は、信号選択部83に入力される。信号選択部83は、第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bにラッチされた画素データ(2ビットデータ)に応じて、選択信号q0〜q3のうちのいずれか1つを選択し、スイッチ信号SWとして出力する。画素データが[00]の場合には選択信号q0が選択され、画素データが[01]の場合には選択信号q1が選択され、画素データが[10]の場合には選択信号q2が選択され、画素データが[11]の場合には選択信号q3が選択される。なお、調整部87からの信号に基づく信号選択部83の動作については後述する。
スイッチ86には駆動信号COM及びスイッチ信号SWが入力される。スイッチ信号がHレベルのとき、スイッチ86はON状態になり、駆動信号COMがピエゾ素子421へ印加される。スイッチ信号SWがLレベルのとき、スイッチ86はOFF状態になり、駆動信号COMはピエゾ素子421へ印加されない。
画素データが[00]の場合、スイッチ86が選択信号q0によりOFFされ、インク滴は吐出されない。
画素データが[01]の場合、スイッチ86が選択信号q1によりON/OFFされ、駆動信号COMの第4区間信号SS4がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421は駆動パルスPS4により駆動される。この駆動パルスPS4に応じてピエゾ素子421が駆動すると、小インク滴が吐出され、紙Sに小ドットが形成される。
画素データが[10]の場合、スイッチ86が選択信号q2によりON/OFFされ、駆動信号COMの第3区間信号SS3及び第4区間信号SS4がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421が駆動パルスPS3及び駆動パルスPS4により駆動される。この駆動パルスPS3及び駆動パルスPS4に応じてピエゾ素子421が駆動すると、中インク滴が吐出され、紙Sに中ドットが形成される。
画素データが[11]の場合、スイッチ86が選択信号q3によりON/OFFされ、駆動信号COMの第1区間信号SS1〜第6区間信号SS6がピエゾ素子421へ印加され、ピエゾ素子421が駆動パルスPS1〜駆動パルスPS6により駆動される。この駆動パルスPS1〜駆動パルスPS6に応じてピエゾ素子421が駆動すると、大インク滴が吐出され、紙Sに大ドットが形成される。
次に、吐出タイミングの調整を行う場合について説明する。ここでは中インク滴の吐出タイミングの調整(中ドットの形成位置の調整)について説明する。また、ここでは、図13Aのように1/540インチずつずれてドットが形成される場合に対する吐出タイミングの調整について説明する。
図13Cは、吐出タイミングの変更の第2の方法の説明図である。この方法においても、前述の第1の方法と同様に、コントローラ60は、画像データを構成する画素データをずらす補正を行う。ここでは1/540インチずつドットがずれるほどノズル列が傾いているため、コントローラ60は、3画素に1画素の割合で徐々に画素データをずらしていく(図13Cの中央図参照)。
図14は、中ドットの形成に関わる各種信号の説明図である。
制御ロジック84は、図12の選択信号q2だけでなく、図14に示す5種類の選択信号q2(+2)〜q2(−2)を出力している(図12の選択信号q2は、5種類の選択信号q2(+2)〜q2(−2)のうちのq2(0)である)。画素データが[10]の場合、信号選択部83は、制御ロジック84が出力する選択信号q0〜q2の中から、図14に示す5種類の選択信号q2のいずれかの信号を選択し、スイッチ信号SWとして出力する。後述するように、信号選択部83は、調整部87(図11参照)からの信号に従って、5種類の選択信号q2(+2)〜q2(−2)のうちのいずれかを選択することになる。
選択信号q2(+2)は、選択信号q2(0)と比べて、早いタイミングでHレベルになる。このため、選択信号q2(+2)がスイッチ信号SWになった場合、選択信号q2(0)がスイッチ信号SWになった場合と比べて、早いタイミングで区間信号SSが印加されるため、早いタイミングで中インク滴が吐出される。具体的には、紙Sが1/540インチだけ手前にあるタイミングで、中インク滴が吐出される。このため、選択信号q2(+2)がスイッチ信号SWになった場合、選択信号q2(0)がスイッチ信号SWになった場合と比べて、1/540インチだけ搬送方向下流側(紙Sの上端側)に中ドットが形成される。
また、選択信号q2(+1)は、選択信号q2(0)と比べて、早いタイミングでHレベルになる。このため、選択信号q2(+1)がスイッチ信号SWになった場合、選択信号q2(0)がスイッチ信号SWになった場合と比べて、紙Sが1/1080インチだけ手前にあるタイミングで(早いタイミングで)中インク滴が吐出され、1/1080インチだけ搬送方向下流側に中ドットが形成される。
また、選択信号q2(−2)は、選択信号q2(0)と比べて、遅いタイミングでHレベルになる。このため、選択信号q2(−2)がスイッチ信号SWになった場合、選択信号q2(0)がスイッチ信号SWになった場合と比べて、遅いタイミングで区間信号SSが印加されるため、遅いタイミングで中インク滴が吐出される。具体的には、紙Sが1/540インチだけ余計に搬送された後のタイミングで、中インク滴が吐出される。このため、選択信号q2(−2)がスイッチ信号SWになった場合、選択信号q2(0)がスイッチ信号SWになった場合と比べて、1/540インチだけ搬送方向上流側(紙Sの下端側)に中ドットが形成される。
また、選択信号q2(−1)は、選択信号q2(0)と比べて、遅いタイミングでHレベルになる。このため、選択信号q2(−1)がスイッチ信号SWになった場合、選択信号q2(0)がスイッチ信号SWになった場合と比べて、紙Sが1/1080インチだけ余計に搬送された後のタイミングで(遅いタイミングで)中インク滴が吐出され、1/1080インチだけ搬送方向上流側に中ドットが形成される。
つまり、5種類の選択信号q2(+2)〜q2(−2)を使い分けることによって、1/1080インチ単位で中インク滴の吐出タイミングを変更することができる。言い換えると、5種類の選択信号q2(+2)〜q2(−2)を使い分けることによって、1/1080インチ単位で中ドットの形成位置を調整できる。
調整部87には、コントローラ60から出力された調整制御信号が入力する。調整制御信号には、傾きセンサ55の検出結果に対応する傾き情報が含まれている。ここでの傾き情報は、3画素に1画素の割合で画素データがずらされることに対応して、「3」になる。
なお、各ヘッドのヘッド制御部HCには、コントローラ60から出力された共通の調整制御信号が入力する。言い換えると、コントローラ60は、共通の調整制御信号によって、各ヘッドのインク滴の吐出タイミングを制御している。
調整部87は、対応するノズル番号を傾き情報「3」で割った余りに対応する値を、信号選択部83へ出力する。ここでの調整部87は、余りが「0」の場合には「+2」を出力し、余りが「1」の場合には「0」を出力し、余りが「2」の場合には「−2」を出力する。例えば、ノズル♯1に対応する調整部87は「0」を信号選択部83へ出力し、ノズル♯2に対応する調整部87は「+2」を信号選択部83へ出力し、ノズル♯3に対応する調整部87は「−2」を信号選択部83へ出力する。
信号選択部83は、調整部87からの信号に従って、5種類の選択信号q2(+2)〜q2(−2)のうちのいずれかを選択することになる。調整部87からの信号が「+2」の場合、信号選択部83は、選択信号q2(+2)を選択し、スイッチ信号SWとして出力する。調整部87からの信号が「0」の場合、信号選択部83は、選択信号q2(0)を選択し、スイッチ信号SWとして出力する。調整部87からの信号が「−2」の場合、信号選択部83は、選択信号q2(−2)を選択し、スイッチ信号SWとして出力する。
このような吐出タイミングの変更方法によれば、図13Cの右図に示すように、図13Bよりも画像データに忠実に、画像を紙Sに印刷することができる。
なお、ここでは中インク滴の吐出タイミングの調整について説明を行なったが、小インク滴の吐出タイミングの調整も同様に行うことができる。但し、選択信号q1は6種類にすることができる。
大インク滴の吐出タイミングは、中インク滴や小インク滴の吐出タイミングのように調整を行うことはできない。但し、大ドットは、画素をインクで塗りつぶす部分に用いられるため、形成位置の細かい調整を行わなくても画質への影響は少ない。
===その他の実施の形態===
一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタ>
前述の実施形態では、プリンタ1はラインプリンタであった。しかし、ラインプリンタ以外のプリンタであっても良い。
図15Aは、別のプリンタの構成を説明するための斜視図である。図15Bは、ヘッドのノズル配置の説明図である。
このプリンタには、キャリッジユニット30が設けられている。キャリッジユニット30は、キャリッジ31とキャリッジモータ32とを備えている。コントローラ60がキャリッジモータ32を駆動すると、キャリッジ31が移動方向に移動する。キャリッジ31の下にはヘッド41が設けられている。前述のラインプリンタでは複数のヘッド41が設けられているが、このプリンタではヘッド41は1つである。ヘッド41の各ノズル列は、搬送方向に沿って並ぶ180個のノズルから構成される。
印刷を行うとき、コントローラ60は、キャリッジ31を移動方向に移動させてヘッド41からインクを吐出してドットを形成するドット形成動作と、搬送ユニット20により紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、紙Sに画像を印刷する。
このようなプリンタの場合、傾きセンサ55は、移動方向を軸とする回転の回転量を検出することにより、ノズル列の傾きを検出する。そして、前述の実施形態と同様に、傾きセンサ55の検出結果に基づいて吐出タイミングを制御すれば、ノズル列の傾きの影響を補正できる。
<傾きセンサ>
前述の実施形態では、傾きセンサ55は、3軸の傾きを検出可能なセンサであった。しかし、このような3軸の傾きを検出する必要はなく、1軸の傾きを検出するだけのセンサであっても良い。ノズル列の傾きさえ検出できれば良いからである。
また、前述の実施形態では、傾きセンサ55は、静的な傾きを検出する加速度センサ551と、動的な傾きを検出する角速度センサ553とを備えていた。しかし、静的な傾きを検出する加速度センサ551だけでノズル列の傾きを検出しても良い。
また、前述の実施形態では、加速度センサ551を用いてノズル列の傾きを検出しているが、ノズル列の傾きを検出できるのであれば、他のセンサであっても良い。
また、傾きセンサ55をプリンタに設けなくても良い。例えば、プリンタ製造段階でノズル列の傾きに関する傾き情報をメモリに記憶しておき、コントローラ60は、印刷を行うときにメモリから傾き情報を読み出し、この傾き情報に基づいて吐出タイミングを調整しても良い。
<ノズル>
前述の実施形態では、圧電素子を用いてインクを吐出していた。しかし、液体を吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
印刷システムの全体構成の説明図である。 プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図3Aは、プリンタ1の断面図である。また、図3Bは、プリンタ1の搬送処理とドット形成処理を説明するための斜視図である。 図4Aは、ヘッドユニット40の下面における複数のヘッドの配列を示す説明図である。図4Bは、各ヘッドの位置関係の説明図である。 ブラックインクノズル列Kとシアンインクノズル列Cの周辺の構成の説明図である。 2つのノズル列の周辺の断面図である。 図7Aは、ノズル列が水平な場合のインクの挙動の説明図である。図7Bは、ノズル列が傾いた場合のインクの挙動の説明図である。 図8A〜図8Dは、印刷画像への傾きの影響の説明図である。 傾きセンサ55の斜視図である。 図10Aは、ノズル列が水平な場合における画像データと印刷画像との関係の説明図である。図10Bは、ノズル列が傾いている場合であって、画像データを補正しない場合における画像データと印刷画像との関係の説明図である。図10Cは、ノズル列が傾いている場合であって、画像データを補正する場合における画像データと印刷画像との関係の説明図である。 本実施形態のヘッド制御部HCのブロック図である。 各種信号の説明図である。 図13Aは、ノズル列の傾きによって1/540インチずつずれてドットが形成される場合の説明図である。図13Bは、画像データを補正しただけで吐出タイミングを変更した場合の説明図である。図13Cは、吐出タイミングの変更の第2の方法の説明図である。 中ドットの形成に関わる各種信号の説明図である。 図15Aは、別のプリンタの構成を説明するための斜視図である。図15Bは、ヘッドのノズル配置の説明図である。
符号の説明
1 プリンタ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、
23A 上流側搬送ローラ、23B 下流側搬送ローラ、24 ベルト、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
42 駆動ユニット、421 ピエゾ素子、422 ピエゾ素子群、
423 固定板、424 フレキシブルケーブル、
43 ケース、431 収納空部、433 インク供給管、
44 流路ユニット、45 流路形成基板、
451 圧力室、452 インク供給口、453 リザーバ、
46 ノズルプレート、47 弾性板、471 ダイヤフラム部、
472 コンプライアンス部、473 島部、
50 検出器群、53 紙検出センサ、55 傾きセンサ、
551 加速度センサ、552 地磁気センサ、553 角速度センサ、
553X X軸角速度センサ、553Y Y軸角速度センサ、
553Z Z軸角速度センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路
81A 第1シフトレジスタ、81B 第2シフトレジスタ、
83 信号選択部、84 制御ロジック、86 スイッチ、87 調整部、
100 印刷システム、110 コンピュータ、
120 表示装置、130 入力装置、140 記録再生装置、
S 紙、HC ヘッド制御部、
COM 駆動信号、T 繰返し周期、T1〜T6 区間、
PS 駆動パルス、SS 区間信号、
LAT ラッチ信号、CH チェンジ信号、q 選択信号、SW スイッチ信号

Claims (9)

  1. 所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、
    前記所定方向と交差する方向へ前記ノズル列と媒体とを相対的に移動させる移動機構と、
    水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御するコントローラと、
    を有する印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    水平方向に対する前記ノズル列の傾きを検出するための傾きセンサを更に有し、
    前記コントローラは、前記傾きセンサの検出結果に基づいて、前記吐出タイミングを制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記傾きセンサは、静的な傾きを検出するための第1センサと、動的な傾きを検出するための第2センサとを備え、
    前記第1センサの検出結果と前記第2センサの検出結果とに基づいて、前記ノズル列の傾きが検出される
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、画素データに従って前記ノズルからのインク滴の吐出を制御して、前記画素データに対応する画素にドットを形成又は非形成するものであり、
    前記コントローラは、前記画素データを並び替えることにより、前記インク滴の吐出タイミングを変更する
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置であって、
    前記ノズルからインク滴を吐出するための素子を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部を更に有し、
    前記駆動信号には、前記ノズル列と前記媒体とが所定距離だけ相対的に移動する毎に、前記素子を駆動するための複数の波形が含まれ、
    前記コントローラは、前記ノズル列と前記媒体とが所定距離だけ相対的に移動する間に、前記複数の波形のうちの前記傾きに応じた波形により前記素子を駆動する
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記ノズル列を備えるヘッドを複数備え、
    各ヘッドは前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、
    前記移動機構は、複数の前記ヘッドに対して前記媒体を搬送する
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置であって、
    前記コントローラは、いずれのヘッドの前記ノズル列も前記水平方向に対して共通に傾くものとして、前記吐出タイミングを制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  8. (1)所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、
    前記所定方向と交差する方向へ前記ノズル列と媒体とを相対的に移動させる移動機構と、
    水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御するコントローラと、
    を有する印刷装置であって、
    (2)水平方向に対する前記ノズル列の傾きを検出するための傾きセンサを更に有し、
    前記コントローラは、前記傾きセンサの検出結果に基づいて、前記吐出タイミングを制御し、
    (3)前記傾きセンサは、静的な傾きを検出するための第1センサと、動的な傾きを検出するための第2センサとを備え、
    前記第1センサの検出結果と前記第2センサの検出結果とに基づいて、前記ノズル列の傾きが検出され、
    (4)前記コントローラは、画素データに従って前記ノズルからのインク滴の吐出を制御して、前記画素データに対応する画素にドットを形成又は非形成するものであり、
    前記コントローラは、前記画素データを並び替えることにより、前記インク滴の吐出タイミングを変更し、
    (5)前記ノズルからインク滴を吐出するための素子を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部を更に有し、
    前記駆動信号には、前記ノズル列と前記媒体とが所定距離だけ相対的に移動する毎に、前記素子を駆動するための複数の波形が含まれ、
    前記コントローラは、前記ノズル列と前記媒体とが所定距離だけ相対的に移動する間に、前記複数の波形のうちの前記傾きに応じた波形により前記素子を駆動し、
    (6)前記ノズル列を備えるヘッドを複数備え、
    各ヘッドは前記所定方向に関して異なる位置に設けられ、
    前記移動機構は、複数の前記ヘッドに対して前記媒体を搬送し、
    (7)前記コントローラは、いずれのヘッドの前記ノズル列も前記水平方向に対して共通に傾くものとして、前記吐出タイミングを制御する
    ことを特徴とする印刷装置。
  9. 所定方向に並ぶ複数のノズルを有するノズル列と、媒体とを、前記所定方向と交差する方向へ相対的に移動させ、
    前記ノズルからインク滴を吐出する
    印刷方法であって、
    水平方向に対する前記ノズル列の傾きに応じて、前記ノズルから吐出するインク滴の吐出タイミングを制御する印刷方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016150539A (ja) * 2015-02-18 2016-08-22 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置

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