JP2007274012A - ワックスレスマウント式研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】オリフラ付きのシリコンウェーハWの外周部の裏面に、半導体ウェーハと相似した環状のスペーサ16を着脱自在に貼着するという簡単で低コストな方法で、シリコンウェーハWの外周部を、その中央部よりも研磨布13に向かって突出させる。その後、このウェーハWを研磨する。これにより、研磨中におけるテンプレート14内でのシリコンウェーハWのガタつきの有無にかかわりなく、シリコンウェーハWの外周立ちの発生を防止することができる。
【選択図】図1
Description
そして、遊離砥粒を含む研磨剤を研磨布105の研磨作用面に供給しながら、研磨ヘッド101を研磨定盤104上で回転させることで、シリコンウェーハWの研磨面が鏡面研磨される。
すなわち、バックパッド103がやわらかい不織布からなるので、バックパッド103の外周部における保形性が低下していた。
具体的には、研磨時のシリコンウェーハWには、研磨ヘッド101側から面圧力が作用する。また、自転および公転による外力も加わる。この研磨ヘッド101の面圧力は、ミクロ的には面全域において均一ではない。
したがって、研磨中には、これらの複合力が、テンプレート102によって水平移動が規制されたシリコンウェーハWを介して、テンプレート102内のバックパッド103の外周部に偏在してしまう。その結果、このバックパッド103の外周部が押し潰され、これによりシリコンウェーハWは、その外周部が反り上がった外周立ちの状態で仕上がるという現象が起きていた。
しかしながら、硬いウェーハ保持板にシリコンウェーハを保持して研磨する場合、基本的に研磨後のシリコンウェーハの表面形状は、エッチ後のシリコンウェーハの裏面形状によって決定される。これは、研磨後に硬いウェーハ保持板からシリコンウェーハを剥離した際、シリコンウェーハの裏面の形状が、研磨により平坦化されたシリコンウェーハの表面に転写されるためである。
したがって、かりにエッチドウェーハの裏面の外周部にダレが存在すれば、このバックパッド103の外周部が高硬度であるほど、研磨後、例えばキャリアプレートにシリコンウェーハがワックス貼着されたワックス研磨時と同様に、このシリコンウェーハWの裏面の外周部のダレが、ウェーハ表面の外周部に転写される。その結果、シリコンウェーハWは、外周立ちの状態で仕上がることになる。
しかも、このテンプレート102は、シリコンウェーハWを円滑に出し入れできるように、通常、その内径がシリコンウェーハWの外径よりも若干大きくなっている。その結果、研磨時、テンプレート102の内側で、シリコンウェーハWのガタつきが若干生じるおそれがあった。
その結果、ウェーハ外周部はその中央部に比べて、研磨布との単位時間当たりの接触面積および単位面積当たりの圧力が大きくなる。これにより、半導体ウェーハの外周立ちの発生を、簡単かつ低コストで防ぐことができる。よって、例えばSOIウェーハを作製する際、この外周立ちを原因とする活性層用ウェーハと支持基板用ウェーハとの張り合わせ界面でのボイドの発生を防ぐことができる。
研磨剤としては、例えば焼成シリカやコロイダルシリカ(研磨砥粒)、アミン(加工促進剤)および有機高分子(ヘイズ抑制剤)などを混合したものを採用することができる。コロイダルシリカとは、珪酸微粒子の凝集が起こらないで1次粒子のまま水中に分散した透明または不透明の乳白色のコロイド液である。
研磨ヘッドは、研磨定盤との対向面に1枚の半導体ウェーハが保持される枚葉式でもよいし、多数枚の半導体ウェーハが一括して保持されるバッチ式でもよい。また、この研磨ヘッドは、研磨布の表面に沿って往復動する方式でもよいし、往復動しない方式でもよい。往復動する場合には、半導体ウェーハの外周部の一部を研磨布の外部にはみ出して研磨してもよいし、そうでなくてもよい。研磨ヘッドの使用台数は限定されない。1機でもよいし、複数機でもよい。
研磨ヘッドを研磨定盤の上方に対向配置してもよいし、これとは上下を反対にしてもよい。さらに、研磨ヘッドと研磨定盤との軸線方向をそれぞれ水平方向とした縦型の研磨装置でもよい。
このテンプレートの素材は限定されない。例えば、ガラスエポキシ樹脂や、各種のセラミックスなどが挙げられる。
バックパッドの素材は限定されない。例えばスウェード布などの不織布が挙げられる。また、その硬度も限定されない。そして、このバックパッドの一部分(例えば外周部)だけを、その中央部よりも高硬度(例えばショアA硬度計で35〜55)としてもよい。
バックパッドの厚さは限定されない。ただし、2mm以下が好ましい。2mmを超えると、バックパッドに硬度ムラが生じやすい。
スペーサの高さ(厚さ)は限定されない。ただし、半導体ウェーハの最外周部が、この半導体ウェーハの中央部よりも1〜200μm突出する高さが好ましい。
スペーサは、厚さ200μm以下で、半径方向の幅が5mm以下の略環状のテープでもよい。
スペーサの厚さが200μmを超えると、半導体ウェーハの外周部がウェーハ中央部より突出する量が大きくなる。よって、半導体ウェーハの外周部の研磨量が増大し、半導体ウェーハの外周部に若干ダレが生じるおそれがある。
さらに、スペーサの半径方向の幅が5mmを超える場合、半導体ウェーハの中央部を磨きすぎるおそれがある。
これにより、例えば張り合わせウェーハの製造時に、この外周立ちを原因とする半導体ウェーハと半導体ウェーハとの張り合わせ界面におけるボイドの発生を防ぐことができる。このような効果は、オリフラ付きの半導体ウェーハの研磨時にも得られる。
図1において、10はこの発明の第1の実施例に係るワックスレスマウント式研磨装置である。この研磨装置10は、研磨定盤11と、これに対向して上方に配設された研磨ヘッド12とを備えている。研磨定盤11は、その上面に厚地のスポンジゴムを介して研磨布13が展張されている。研磨ヘッド12は、その下面に、ウェーハ固定用のテンプレート14が設けられている。
テンプレート14は円形のリング状のガラスエポキシ板である。テンプレート14は、研磨ヘッド12の下面に貼着されたバックパッド15を介して、研磨ヘッド12の下面に設けられている。テンプレート14の厚さは、シリコンウェーハWと略同じである。
図1,図2に示すように、バックパッド15はスウェード製であり、厚さはパッド全域で均一である。研磨されるシリコンウェーハWはCZウェーハである。
スペーサ16は、厚さ200μm以下、半径方向の幅が5mm以下の円形のリング形状、または、シリコンウェーハWの外周部と相似形状の樹脂テープである。スペーサ16をシリコンウェーハWの外周に沿って、このシリコンウェーハWの下面に貼着することで、研磨時に前記シリコンウェーハWの外周部が、テンプレート14の外縁面から幅dだけ外方へ突出する。
図1に示すように、シリコンウェーハWの研磨時には、テンプレート14を所定位置に装着し、バックパッド15に純水などを所定量供給しておく。その後、スペーサ16を裏面に貼着したシリコンウェーハWをテンプレート14に収納する。これにより、シリコンウェーハWの裏面側が、水の表面張力によりバックパッド15に吸着・保持される。
このとき、シリコンウェーハWの中央部の表面(研磨面)は、テンプレート14の下縁面と略同じ高さとなる。しかも、スペーサ16によりシリコンウェーハWの最外周部の表面が、ウェーハ中央部から高さdだけ下方に向かって突出する。
その後、砥粒を含む研磨剤を供給しながら、研磨ヘッド12を研磨定盤11上で自転および公転させ、シリコンウェーハWの表面を研磨布13により研磨する。
また、この第1の実施例では、このようにシリコンウェーハWの外周部の裏面に、直接、スペーサ16を貼着している。そのため、研磨時、かりにテンプレート14の内側でシリコンウェーハWのガタつきが生じても、シリコンウェーハWの外周部は、ウェーハ中央部よりも外方へ突出する部分が常時一定となる。その結果、研磨中におけるテンプレート14内でのシリコンウェーハWのガタつきの有無にかかわりなく、このシリコンウェーハWの外周立ちを防止することができる。しかも、このようにシリコンウェーハWの外周部の裏面に、直接、スペーサ16を取り付けたので、オリフラ付きのシリコンウェーハWの研磨にも支障なく対応することができる。
図3は、この発明の参考例に係るワックスレスマウント式研磨装置の縦断面図である。図4は、この発明の参考例に係るスペーサが貼着された半導体ウェーハの斜視図である。
図3および図4に示すように、この参考例のワックスレスマウント式研磨装置20の特長は、シリコンウェーハWの中央部の裏面に略円形状のスペーサ16Aを着脱自在に貼着し、ウェーハ中央部をウェーハ外周部よりも若干研磨量を多くして研磨する点である。
その他の構成、作用および効果は、第1の実施例と略同様であるので、説明を省略する。
13 研磨布、
14 テンプレート、
15 バックパッド、
16 スペーサ、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。
Claims (1)
- 環状のテンプレートの内側にオリフラ付きの半導体ウェーハを収容するとともに、この半導体ウェーハと研磨ヘッドとの間にバックパッドを介在させて半導体ウェーハを研磨するワックスレスマウント式研磨方法において、
前記半導体ウェーハの外周部の研磨面とは反対側の面に、該半導体ウェーハの外周部と相似した形状を有し、かつその中央部より研磨布に向かって所定高さだけ突出した状態で保持する環状のスペーサを着脱可能に取り付けて半導体ウェーハを研磨するワックスレスマウント式研磨方法。
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