JP2007273636A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プラズマのモードジャンプを抑止することが可能なプラズマ処理装置及びその方法を提供する。
【解決手段】マイクロ波プラズマ処理装置100は,複数のスロット37に通したマイロ波を,梁26で支持された複数枚の誘電体パーツ31に透過させ,透過させたマイクロ波によりガスをプラズマ化して基板Gをプラズマ処理する。誘電体パーツ31を支持する梁26は,その端部周辺でのプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以上になるように基板側に突出して設けられる。この梁26の突出により,隣り合う誘電体パーツ31を透過したマイクロ波の電界エネルギーにより生じた表面波による干渉や,隣り合う誘電体パーツ31下方のプラズマが拡散されるときにプラズマ中を伝播して隣のプラズマに到達する電子やイオンによる干渉が抑制される。
【選択図】図4

Description

本発明は,プラズマを生成して被処理体をプラズマ処理するプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法に関する。
図10に示したように,マイクロ波放電でプラズマを生成する際,入射するマイクロ波のパワーが変わると,そのパワーの変化の程度やプロセスの条件によっては,特有なモードの表面波が不連続に励起される場合があることが,従来から知られている(たとえば,非特許文献1を参照。)。このように表面波のモードが不連続に励起されると,誘電体の下方にて生成されるプラズマの電子密度(またはプラズマ電子密度)が不連続に変化する,いわゆる,プラズマの電子密度ジャンプ(モードジャンプ)が発生する。
電気学会・マイクロ波プラズマ調査専門委員会編「マイクロ波プラズマの技術」オーム社出版,平成15年9月25日発行,p71−p80
しかし,プラズマ生成過程で,このようなモードジャンプが頻繁に発生すると良好なプラズマ処理が行えない。たとえば,CVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着薄膜成膜法)処理過程でモードジャンプが頻繁に発生すると,モードジャンプが起こる度にプラズマの状態が不連続に変化することに伴い,ガスの解離の程度が変化し,その度に形成される膜質も変化する。この結果,不均一な膜が階層的に積層されてしまう。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,プラズマのモードジャンプを抑止することが可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することにある。
前述したように,プラズマ生成過程でプラズマがモードジャンプする要因としては,入射されるマイクロ波の電界エネルギーの変動が考えられる。この電界エネルギーの変動は,導波管内を伝播する進行波の振幅の状態,および,進行波が導波管端面で反射することにより生じる反射波の振幅の状態が時間とともに常に変化し,これにより,進行波と反射波との合成波である導波管内の定在波の振幅の状態が常に変化することによって生じる。
また,このようなマイクロ波の電界エネルギーの変動に伴ってプラズマ内のインピーダンスが変化すると,表面波が誘電体とプラズマとの間を伝播する際,表面波の電界エネルギーがプラズマに吸収される割合とプラズマを反射する割合とが変化することも,プラズマの密度が変化してモードジャンプが発生する1つの要因として考えられる。
特に,プラズマ処理装置に設けられた誘電体が,梁で仕切られた複数枚の誘電体パーツから形成されている場合,プラズマは誘電体パーツ毎にその下面近傍にて生成される。この場合,各誘電体パーツを透過したマイクロ波の電界エネルギーにより各誘電体パーツに表面波が生じ,この表面波により,隣の誘電体パーツのプラズマが干渉されることが,モードジャンプの更なる要因の1つとして考えられる。さらに,各誘電体パーツのプラズマが拡散するとき,その拡散プラズマに含まれる電子やイオンにより隣の誘電体パーツのプラズマが干渉されることも,モードジャンプの要因の1つとして考えられる。そして,実際には,これらの要因が「複雑に絡み合う」ことにより,各誘電体パーツ下方に生成されたプラズマの密度が不連続に変動し,プラズマがモードジャンプする。
このようなモードジャンプの発生を抑えるために,本発明のある観点によれば,複数のスロットが開口された複数の導波管と,上記複数の導波管を伝播し,上記複数のスロットに通したマイクロ波を透過させる誘電体と,上記誘電体を透過したマイクロ波によりガスをプラズマ化させて,被処理体をプラズマ処理する処理室と,を備えるプラズマ処理装置であって,上記誘電体は、複数枚の誘電体パーツから構成され、各誘電体パーツは、梁に支持された状態で,上記複数の導波管のうちの1つまたは2つ以上の導波管を伝播して各導波管の1つまたは2つ以上のスロットに通したマイクロ波を透過させるように配置され、上記梁は,上記被処理体側の端部周辺のプラズマ中の電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以上になるように上記被処理体側に突出して設けられるプラズマ処理装置が提供される。これにより,本発明にかかるプラズマ処理装置は,導波管を伝播してスロットに通したマイクロ波を各誘電体パーツに透過させ,処理室に入射されたマイクロ波によってガスをプラズマ化させて,被処理体をプラズマ処理する。
このとき,上記各誘電体パーツは,その各誘電体パーツの周縁にて上記梁に支持されていてもよい。
誘電体パーツ下面の電界エネルギーにより生じた表面波は,誘電体パーツや梁の表面とプラズマとの間を反射しながら伝播する。このとき,表面波の電界エネルギーの一部は,いわゆるエバネッセント波としてプラズマの生成に消費される。そして,一般的に,外部からのエネルギーの供給がない場合,プラズマの生成に消費される表面波の電界エネルギーは,表面波の伝播距離が長ければ長いほど増加する。
梁が非磁性体である導電性材料から形成されている場合,梁はマイクロ波を透過しない。このため,表面波は,梁の表面を伝播中,新たな電界エネルギーの供給を受けることができない。各誘電体パーツと梁との間に段差が設けられている場合(図4参照)には,誘電体パーツと梁とがフラットな(梁が突出していない)場合(図7参照)に比べ,表面波が隣の誘電体パーツのプラズマまで伝播する距離は,梁の側壁部分だけ長くなり,しかも,梁を伝播中の表面波は,電界エネルギーの供給を受けることができない。このため,表面波は,隣り合う誘電体パーツに向かって伝播する間に多くの電界エネルギーを消費し,隣の誘電体パーツ下方に到達する前に減衰してしまう。これにより,表面波が,隣の誘電体パーツ下方のプラズマに与える干渉を抑止することができる。
さらに,梁を突出させることにより,梁の壁面の面積が大きくなるにしたがって,その壁面に衝突する電子やイオンが指数関数的(電子やイオンの拡散係数は,指数関数として表される)に増加し,その結果,隣り合う誘電体パーツ下方のプラズマまで伝播される電子やイオンの数が減少する。これにより,拡散プラズマが,隣り合う各誘電体パーツ下方のプラズマに与える干渉を抑止することができる。
以上のように,本発明にかかるプラズマ処理装置によれば,梁を突出させることにより,表面波による干渉および拡散プラズマによる干渉を抑え,プラズマのモードジャンプを抑制し,これにより,均一なプラズマを安定的に生成することができる。
さらに,本発明にかかるプラズマ処理装置によれば,梁の被処理体側の端部周辺のプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以上になるように梁を突出させる。よって,梁の突出位置の上限値hは,梁の被処理体側の端部周辺のプラズマ電子密度Nが,カットオフのプラズマ電子密度Nに等しくなったときとなる。具体的には,梁の突出位置の上限値hは,前記誘電体パーツ近傍のプラズマ電子密度をNとし,隣り合う梁間の間隔の最小値をaとしたとき,h=21/2×a×(lnN―lnN)/2πで求められ,実際には0.038m程度である。なお,梁の被処理体側の端部周辺とは,梁の端部から被処理体側に約数mm〜約1cm以上離れた位置をいう。
前述したように,誘電体パーツ下面の電界エネルギーにより生じた表面波は,誘電体パーツや梁の表面とプラズマとの間を反射しながら伝播する。このとき,表面波の電界エネルギーの一部は,いわゆるエバネッセント波としてプラズマの生成に消費される。そして,マイクロ波が導体の梁の周囲を伝播するとき,エネルギーは外部から供給されないため,表面波の電界エネルギーはプラズマの生成に消費され続け,これにより,表面波は減衰する。
ここで,誘電体近傍のプラズマ電子密度をN(図3参照),梁の端部周辺のプラズマ電子密度をN,カットオフのプラズマ電子密度をN(図3参照)とする。上記表面波の減衰により,梁の端部近傍のプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度Nより小さくなると,梁の端部周辺での電子の密度が薄くなり,梁を伝播する表面波(マイクロ波)がエバネッセント波としてプラズマ内に染み込む状態を保つことができず,一気にプラズマ内に進入する。この結果,処理容器内部のプラズマが不安定になる。
しかし,本発明にかかるプラズマ処理装置によれば,梁は,梁の端部近傍でのプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以上になるように突出する。すなわち,梁の上限値hは,21/2×a×(lnN―lnN)/2π,つまり,シミュレーションの結果得られた「0.038」m程度となる。これによれば,梁の端部近傍でのプラズマ電子密度はある程度の密度に保たれ,極端に薄くなることはない。これにより,梁を伝播する表面波(マイクロ波)がプラズマ内を通って処理容器内部に進入することにより,処理容器内部のプラズマが不安定になる現象を回避することができる。この結果,均一に生成されたプラズマにより基板を精度よくプラズマ処理することができる。
このとき,上記各誘電体パーツには,被処理体と対向する面にて凹部または凸部の少なくともいずれかが形成されていてもよい。これによれば,各誘電体パーツの凹部または凸部により,各誘電体パーツ下面にて表面波が伝播する際の電界エネルギーの損失を増加させることができる。これにより,表面波の伝播を抑え,定在波の発生を抑制し,均一なプラズマを生成することができる。
また,上記プラズマ処理装置は,第1のガス噴射孔から第1のガスを供給する第1のガス供給部と,上記第1のガス噴射孔より被処理体側に設置された第2のガス噴射孔から第2のガスを供給する第2のガス供給部とを備えていてもよい。このとき,上記梁は,上記第2のガス噴射孔より誘電体側に位置するように設けられていてもよい。これによれば,梁は,第2のガス噴射孔より誘電体側に位置するため,非処理体上に向かって拡散されるプラズマの広がりを妨げない。
このとき,上記第1のガスは,上記第2のガスよりも結合エネルギーの最小値が大きいガスであることが好ましい。
これによれば,結合エネルギーが大きい第1のガスは,処理室に入射された直後の強いマイクロ波の電界エネルギーによってプラズマ化される。また,結合エネルギーが小さい第2のガスは,第1のガスのプラズマ化にある程度のエネルギーを消費することにより弱められた電界エネルギーによって,たとえば,良質な膜を形成するためのプリカーサー(前駆体)までほどよく解離される。この「ほどよく解離する」とは,たとえば,シラン(SiH)ガスがSiHラジカルまで解離し,SiHラジカルまで過剰解離されない程度の解離をいう。これにより,ほどよく解離し,かつ,放射状に均一に拡散された拡散プラズマによって,被処理体を精度よくプラズマ処理することができる。
ただし,上記第1のガスまたは上記第2のガスの少なくともいずれかが,複数のガスを混合した混合ガスであって,その混合ガスが過剰反応する場合などの特殊な場合には,第1のガスおよび第2のガスの結合エネルギーの大小関係に関わらず,過剰反応が起きないように各ガスの噴射位置が決定される。なお,上記第1のガスおよび上記第2のガスは,プラズマを励起させるためのガスであってもよく,酸化処理,窒化処理,エッチング処理,CVD処理などの処理をするためのガスであってもよい。
前記梁は,導電性材料から形成されていてもよい。これによれば、隣り合う誘電体パーツ間を伝播するマイクロ波を抑制することにより、より安定で均一なプラズマを励起することができる。さらに、前記梁は、非磁性体から形成されていてもよい。これによれば,梁が磁化することにより梁から発生する磁界がプラズマに及ぼす影響により、不均一なプラズマが生成されることを回避することができる。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,梁の被処理体側の端部周辺のプラズマ電子密度Nが,カットオフのプラズマ電子密度N以上になるように,被処理体側に突出した上記梁により支持された複数枚の誘電体パーツの各誘電体パーツに,複数の導波管のうちの1つまたは2つ以上の導波管を伝播して各導波管の1つまたは2つ以上のスロットに通したマイクロ波を透過させ,上記透過させたマイクロ波によりガスをプラズマ化して,被処理体をプラズマ処理することを特徴とするプラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法が提供される。
これによれば,梁と誘電体パーツとの段差によって,表面波が隣の誘電体パーツのプラズマまで伝播する距離は,梁の側壁部分だけ長くなる。外部からのエネルギーの供給がない場合,プラズマの生成に消費される表面波の電界エネルギーは,表面波の伝播距離が長ければ長いほど増加するが,梁は非磁性体である導電性材料により形成されているため,梁を伝播中の表面波は,電界エネルギーの供給を受けることができない。このため,表面波は,梁を伝播中に多くの電界エネルギーを消費し,隣の誘電体パーツ下方に到達する前に減衰してしまう。これにより,表面波が,隣の誘電体パーツ下方のプラズマに与える干渉を抑止することができる。その上,本発明にかかるプラズマ処理装置によれば,上記梁は,非処理体上にプラズマが拡散される際の障壁とならない位置に突出しているので,拡散プラズマは,梁が障壁となることなく,被処理体上にて放射状に均一に広がる。
さらに,本発明によれば,梁は,梁の端部周辺でのプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以上になるように突出する。すなわち,梁の上限値hは,21/2×a×(lnN―lnN)/2π(シミュレーション結果によれば0.038m程度)となる。これによれば,梁の端部周辺でのプラズマ電子密度はある程度の密度に保たれ,極端に薄くなることはない。この結果,梁を伝播する表面波(マイクロ波)がエバネッセント波としてプラズマ内に染み込む状態を保つことができずに一気にプラズマ内に進入することにより,処理容器内部のプラズマが不安定になるという現象を回避することができる。この結果,均一に生成されたプラズマにより基板を精度よくプラズマ処理することができる。
また,各誘電体パーツと梁とに段差を設けると,梁の壁面に衝突する電子やイオンが指数関数的に増加し,これにより,隣り合う誘電体パーツ下方のプラズマまで伝播される電子やイオンの数が減少する。これにより,拡散プラズマが,隣り合う各誘電体パーツ下方のプラズマに与える干渉を抑止することができる。以上の結果,表面波による干渉および拡散プラズマによる干渉を抑制してプラズマのモードジャンプを抑止することにより,均一なプラズマを安定的に生成することができる。
上記プラズマ処理方法は,第1のガスを第1のガス噴射孔から供給し,上記供給された第1のガスがプラズマ着火した後,上記第1のガス噴射孔の位置および上記梁が突出した位置より被処理体側に設置された第2のガス噴射孔から,第2のガスを供給するようにしてもよい。また,このとき,前記第1のガスまたは前記第2のガスの少なくともいずれかは,複数のガスを混合した混合ガスであって,前記第1のガスは,前記第2のガスよりも結合エネルギーの最小値が大きいガスであることが好ましい。
これによれば,まず,結合エネルギーの大きい第1のガスが,入射直後の強いマイクロ波の電界エネルギーによってプラズマ化される。つぎに,第1のガスがプラズマ着火した後,第1のガスより結合エネルギーの小さい第2のガスが,第1のガス噴射孔の位置および梁26が突出した位置より被処理体側に設置された第2のガス噴射孔から噴射される。これにより,第2のガスは,第1のガスをプラズマ化するためにパワーを消費して弱められたマイクロ波の電界エネルギーによって,たとえば,良質の膜を形成するためのプリカーサー(前駆体)まで解離する。また,第2のガス噴射孔は,第1のガス噴射孔の位置および梁26の突出位置より被処理体側に設けられているので,これらが非処理体上に向かうプラズマの拡散を妨げることもない。この結果,被処理体上に均一に生成されたプラズマにより,被処理体を精度よくプラズマ処理することができる。
ただし,上記第1のガスまたは上記第2のガスの少なくともいずれかが,複数のガスを混合した混合ガスであって,その混合ガスが過剰反応する場合などの特殊な場合には,第1のガスおよび第2のガスの結合エネルギーの大小関係に関わらず,過剰反応が起きないように各ガスの噴射位置が決定される。
以上に説明したように,本発明によれば,プラズマのモードジャンプを抑止することが可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置およびプラズマ処理方法を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお,以下の説明及び添付図面において,同一の構成及び機能を有する構成要素については,同一符号を付することにより,重複説明を省略する。
また,本明細書中1mTorrは(10−3×101325/760)Pa,1sccmは(10−6/60)m/secとする。
(第1実施形態)
まず,本発明の第1実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置の構成について,本装置を縦方向(y軸に垂直な方向)に切断した断面図である図1,および,処理室の天井面を示した図2を参照しながら説明する。また,以下の説明では,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置(プラズマ処理装置に相当)を用いた,ゲート酸化膜形成プロセスを例に挙げて説明する。
(マイクロ波プラズマ処理装置の構成)
マイクロ波プラズマ処理装置100は,処理容器10と蓋体20とを備えている。処理容器10は,その上部が開口された有底立方体形状を有している。処理容器10と蓋体20とは,蓋本体21の下面外周部と処理容器10の上面外周部との間に配設されたOリング32により密閉され,これにより,プラズマ処理を施す処理室Uが形成されている。処理容器10および蓋体20は,たとえば,アルミニウム等の金属からなり,電気的に接地されている。
処理容器10には,その内部にてガラス基板(以下「基板」という)Gを載置するためのサセプタ11(載置台)が設けられている。サセプタ11は,たとえば窒化アルミニウムからなり,その内部には,給電部11aおよびヒータ11bが設けられている。
給電部11aには,整合器12a(たとえば,コンデンサ)を介して高周波電源12bが接続されている。また,給電部11aには,コイル13aを介して高圧直流電源13bが接続されている。整合器12a,高周波電源12b,コイル13aおよび高圧直流電源13bは,処理容器10の外部に設けられている。また,高周波電源12bおよび高圧直流電源13bは,接地されている。
給電部11aは,高周波電源12bから出力された高周波電力により処理容器10の内部に所定のバイアス電圧を印加するようになっている。また,給電部11aは,高圧直流電源13bから出力された直流電圧により基板Gを静電吸着するようになっている。
ヒータ11bには,処理容器10の外部に設けられた交流電源14が接続されていて,交流電源14から出力された交流電圧により基板Gを所定の温度に保持するようになっている。
処理容器10の底面は筒状に開口され,その外部周縁にはベローズ15の一端が装着されている。また,ベローズ15の他端は昇降プレート16に固着されている。このようにして,処理容器10底面の開口部分は,ベローズ15および昇降プレート16により密閉されている。
サセプタ11は,昇降プレート16上に配設された筒体17に支持されていて,昇降プレート16および筒体17と一体となって昇降し,これにより,サセプタ11を処理プロセスに応じた高さに調整するようになっている。また,サセプタ11の周囲には,処理室Uのガスの流れを好ましい状態に制御するためのバッフル板18が設けられている。
処理容器10の底部には,処理容器10の外部に設けられた真空ポンプ(図示せず)が備えられている。真空ポンプは,ガス排出管19を介して処理容器10内のガスを排出することにより,処理室Uを所望の真空度まで減圧する。
蓋体20には,蓋本体21,6本の方形導波管33,スロットアンテナ30,および,誘電体(複数枚の誘電体パーツ31から構成)が設けられている。
6本の方形導波管33(導波管に相当)は,その断面形状が矩形状であり,蓋本体21の内部にて平行に並べて設けられている。各方形導波管33の内部は,フッ素樹脂(たとえばテフロン(登録商標)),アルミナ(Al),石英などの誘電部材34で充填されていて,その誘電部材34により,λg=λc/(ε1/2の式に従って各方形導波管33の管内波長λgが制御される。ここで,λcは自由空間の波長,εは誘電部材34の誘電率である。
各方形導波管33は,上部にて開口し,その開口には,可動部35が昇降自在に挿入されている。可動部35は,アルミニウムなどの非磁性体である導電性材料から形成されている。
蓋本体21の外部であって,各可動部35の上面には,昇降機構36がそれぞれ設けられていて,可動部35を昇降移動させる。かかる構成により,誘電部材34の上面までを限度として,可動部35を昇降移動させるにより,方形導波管33は,その高さを任意に変えることができるようになっている。
スロットアンテナ30は,蓋本体21の下方にて蓋本体21と一体となって形成されている。スロットアンテナ30は,アルミニウムなどの非磁性体である金属から形成されている。スロットアンテナ30には,各方形導波管33の下面にて,図2に示した13個のスロット37(開口)が,それぞれ直列に並べて設けられている。各スロット37の内部には,フッ素樹脂,アルミナ(Al),石英などの誘電部材が充填されていて,その誘電部材により,λg=λc/(ε1/2の式に従って各スロット37の管内波長λgが制御される。ここで,λcは自由空間の波長,εはスロット37内部の誘電部材の誘電率である。
誘電体は,39枚の誘電体パーツ31から構成され,各誘電体パーツ31はタイル状に形成されている。13枚の誘電体パーツ31は,1つのマイクロ波発生器40に対してY分岐管41を介して接続された2本の方形導波管33を跨ぐように3列に設けられている。
各誘電体パーツ31は,互いに隣接する2本の方形導波管33(すなわち,Y分岐管41を介して同じマイクロ波発生器40に接続された2本の方形導波管33)の下面に設けられた26個(=13個×2列)のスロット37のうち,y座標が同一となる2つのスロットを跨ぐようにそれぞれ取り付けられている。以上の構成により,スロットアンテナ30の下面には,全部で39枚(=13枚×3列)の誘電体パーツ31が取り付けられる。
各誘電体パーツ31は,石英ガラス,AlN,Al,サファイア,SiN,セラミックスなどの誘電材料を用いて形成されている。各誘電体パーツ31には,図1および図3に示したように基板Gと対向する面にて凹凸が形成されている。このように,各誘電体パーツ31に凹部または凸部の少なくともいずれかを設けることによって,表面波が,各誘電体パーツ31の表面を伝播する際の電界エネルギーの損失が増加し,これにより,表面波の伝播を抑止することができる。この結果,定在波の発生を抑制して,均一なプラズマを生成することができる。
なお,各方形導波管33の下面に形成されるスロット37の個数は任意であり,たとえば,各方形導波管33の下面にそれぞれ12個ずつのスロット37を設け,スロットアンテナ30の下面に全部で36枚(=12枚×3列)の誘電体パーツ31を配設させてもよい。また,各誘電体パーツ31の上面に設けるスロット37の個数も2つに限られず,1つ,または,3つ以上であってもよい。
(梁の突出)
スロットアンテナ30の下面には,図2に示したように,39枚の誘電体パーツ31を,13枚×3列に配列させた状態で支持するために,格子状に形成された梁26が設けられている。各誘電体パーツ31は,その誘電体パーツ31と梁26(図1では梁26a〜梁26dとして示されている。)とに段差が設けられるように,その周縁にて梁26にそれぞれ支持されている。すなわち,梁26は,各誘電体パーツ31の周縁にて梁26が基板G側に突出するように設けられている。梁26は,アルミニウムなどの非磁性体である導電性材料にて形成されている。
梁26の下面には,その一部にて複数の支持体27(図1では支持体27a〜支持体27dとして示されている。)が設けられている。各ガスパイプ28(たとえば,下段のガスシャワーヘッドを構成する一単位となるパーツ)の両端は,支持体27により支持されている。ガスパイプ28は,アルミナなどの誘電体から形成されている。
図1の冷却水配管44には,マイクロ波プラズマ処理装置100の外部に配置された冷却水供給源45が接続されていて,冷却水供給源45から供給された冷却水が冷却水配管44内を循環して冷却水供給源45に戻ることにより,蓋本体21は,所望の温度に保たれるようになっている。
以上に説明した構成により,図2に示した3つのマイクロ波発生器40から出力された,たとえば,2.45GHz×3のマイクロ波は,各Y分岐管41を経由して各方形導波管33を伝播し,各スロット37を通り,各誘電体パーツ31を透過して処理室U内に入射されるようになっている。
(第1のガス供給部および第2のガス供給部)
つぎに,本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置100にかかるガス供給部について,図1および図3を参照しながら説明する。図1に示したように,ガス供給源43は,複数のバルブ(バルブ43a1,43a3,43b1,43b3,43b5,43b7),複数のマスフローコントローラ(マスフローコントローラ43a2,43b2,43b6),酸素ガス供給源43a4,シランガス供給源43b4およびアルゴンガス供給源43b8から構成されている。
ガス供給源43は,各バルブ(バルブ43a1,43a3,43b1,43b3,43b5,43b7)の開閉および各マスフローコントローラ(マスフローコントローラ43a2,43b2,43b6)の開度をそれぞれ制御することにより,所望の濃度の酸素ガス,シランガスおよびアルゴンガスを処理容器10内にそれぞれ供給するようになっている。
ガス導入管29(図1ではガス導入管29a〜29dとして示されている。)は,梁26(図1では梁26a〜26dとして示されている。)の内部を貫通している。ガス導入管29a,29cには,第1の流路42aを介して酸素ガス供給源43a4が接続されている。また,ガス導入管29b,29dには,第2の流路42bを介してシランガス供給源43b4およびアルゴンガス供給源43b8が接続されている。
図1に示し,さらに,図3に一部拡大して示したように,酸素ガスは,たとえば,ガス導入管29a,29cを通って,図3に示したガス噴射孔Aから各誘電体パーツ31と各ガスパイプ28との間の空間に噴射される。たとえば,図3では,方形導波管33a1および方形導波管33a2を伝播し,スロット37a1およびスロット37a2から漏れ出して,誘電体パーツ31aを透過したマイクロ波の電界エネルギーにより,酸素ガス供給源43a4から供給された酸素ガスは,電離および解離し,これにより,酸素ガスがプラズマ化される。
一方,シランガスおよびアルゴンガスの混合ガスは,酸素ガスがプラズマ着火後,たとえば,ガス導入管29b,29dを通って,さらに,図3に示したように,支持体27bの内部を貫通したガス管を介して,ガス管に接続された各ガスパイプ28のガス噴射孔Bからサセプタ11上の基板G側に噴射される。これにより,シランガスおよびアルゴンガスの混合ガスは,酸素ガスのプラズマ化にある程度のエネルギーを消費して弱められた電界エネルギーによって,良質の膜を形成するためのプリカーサー(前駆体)であるSiHラジカルまで解離する(すなわち,SiHラジカルまでは解離されない)。このようにして生成されたプラズマにより,基板G上に非常に良質なゲート酸化膜が形成される。
一般的には,上段のガス噴射孔Aから噴射されるガス(第1のガス)は,下段の(すなわち,ガス噴射孔Aより下方に位置する)ガス噴射孔Bから噴射されるガスより(第2のガス)も結合エネルギーが大きいガスであることが好ましい。
これによれば,前述したように,まず,結合エネルギーの大きい第1のガスが,比較的強いマイクロ波の電界エネルギーによってプラズマ化される。つぎに,供給されたガスがプラズマ着火した後,第1のガスより結合エネルギーの小さい第2のガスが,ガス噴射孔Aの位置および梁26が突出した位置より下方に設置されたガス噴射孔Bから噴射される。これにより,第2のガスは,第1のガスをプラズマ化するためにパワーを消費して弱められたマイクロ波の電界エネルギーによって,良質の膜を形成するためのプリカーサー(前駆体)まで解離する。この結果,良質のゲート酸化膜を形成することができる。
この原則に基づけば,OとOとの分子結合エネルギーは,5.2(eV),SiとHとの分子結合エネルギーは,3.2(eV),Arのイオン化エネルギーは,15.759(eV)であることから,本来的には,結合エネルギーが大きいアルゴンガスを上段から噴射させ,結合エネルギーが小さいシランガスおよび酸素ガスの混合ガスを下段から噴射させるほうがよい。
しかし,シランガスと酸素ガスとを混合すると,混合ガスが過剰反応してしまうため,これらのガスを混合して供給することができない。このような特殊な理由により,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100では,酸素ガスを上段から噴射させ,シランガスを下段から噴射させる。また,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100では,下段から噴射されるシランガスの量が少ないため(具体的には,酸素ガス833sccmに対してシランガス100sccm),シランガス100sccmをアルゴンガス1500sccmと混合させてガスの流量を多くしてから,その混合ガスを下段から噴射させる。このように,アルゴンガスを主体とした混合ガスを下段から噴射することにより,アルゴンガスが主体となって解離が生じ,より均一なプラズマが生成される。
また,本実施形態のマイクロ波プラズマ処理装置100では,梁26は,ガス噴射孔Bより下方に位置しないように突出させる。かかる構成によれば,所望の程度に解離したプラズマが基板G上に向かって下方に放射状に広がっていく際,梁26がその拡散の妨げにならない。これにより,過剰解離されず,プリカーサー(前駆体)であるSiHラジカルまで解離されたプラズマによって基板G上に良質なゲート酸化膜を形成することができる。
なお,酸素ガス(第1のガスに相当)を供給し,供給された酸素ガスをガス噴射孔A(第1のガス噴射孔に相当)から噴射するガス供給部を第1のガス供給部という。また,シランガスおよびアルゴンガス(第2のガスに相当)の混合ガスを供給し,供給された混合ガスをガス噴射孔B(第2のガス噴射孔に相当)から噴射するガス供給部を第2のガス供給部という。
(プラズマのモードジャンプ)
つぎに,上記に説明したマイクロ波プラズマ処理装置100にかかる各誘電体パーツ31の下面近傍にて発生した各プラズマがモードジャンプする要因を説明し,その後,発明者らが,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100を用いて,モードジャンプをどのようにして抑制し,均一なプラズマを安定的に生成することに成功したかについて,図4および図7を参照しながら順に説明する。
図4および図7は,誘電体近傍の状態を説明するための模式図であって,図4は,誘電体パーツ31を支持する梁26が突出している場合,図7は,誘電体パーツ31を支持する梁26が突出していない(フラットな)場合を示している。なお,図4および図7では,下段のガスパイプ28は取り付けられておらず,ガスは,梁26を貫通したガス導入管29から噴射される。
まず,各誘電体パーツ31の下面近傍にて生成される各プラズマがモードジャンプする3つの要因について図7を参照しながら説明する。
(第1の要因:マイクロ波)
図2に示したように,マイクロ波発生器40から出射されたマイクロ波は,方形導波管33内を伝播して各スロット37に通される。このとき,方形導波管33内を伝播する進行波の振幅の状態,および,進行波が方形導波管33端面で反射することにより生じる反射波の振幅の状態は,時間とともに常に変化する。これに伴い,進行波と反射波との合成波である方形導波管33内の定在波の振幅の状態も常に変化する。この変化の影響を受けて,各スロット37から漏れ出すマイクロ波の電界エネルギーの強度は,常に変動する。
さらに,このようにしてマイクロ波の電界エネルギーが変動すると,プラズマ内のインピーダンスが変化する。プラズマ内のインピーダンスが変化すると,誘電体パーツ31を透過した電界エネルギーにより生じる表面波が誘電体パーツ31とプラズマとの間を反射しながら伝播するとき,表面波の電界エネルギーがプラズマに吸収される割合とプラズマを反射する割合とが変化する。
このようにして,入射されるマイクロ波の電界エネルギーが変化したり,プラズマ内のインピーダンスが変化すると,プロセスの条件によってはモードジャンプが発生する。より具体的に説明すると,図10に示したように,マイクロ波放電でプラズマを生成する際,入射するマイクロ波のパワーが変わると,そのパワーの変化の程度やプロセスの条件によっては,誘電体の下面近傍にて特有なモード(TM0n0モード)の表面波が不連続に励起される。このように表面波のモードが不連続に励起されると,誘電体下部の電磁界強度の分布が,以前の分布とまったく異なった分布となり,誘電体の下方にて生成されるプラズマの電子密度が不連続に変化して,プラズマの電子密度ジャンプ(モードジャンプ)が発生する。なお,図10に示したPfは入射パワー,Pcはプロセスの条件に依存する定数である。
このような表面波のモードジャンプは,誘導結合型プラズマ処理装置や容量結合型プラズマ処理装置にない特有の現象である。このため,マイクロ波プラズマ処理装置では,誘導結合型プラズマ処理装置や容量結合型プラズマ処理装置よりもプラズマのモードジャンプが生じやすい。
それに加え,図7に示したように,各誘電体パーツ31と梁26とがフラットに形成されている場合,各プラズマは,さらに,つぎの2つの要因により相互に干渉される。
(第2の要因:表面波による干渉)
その1つは,表面波による干渉である。たとえば,図7に示したように,入射されたマイクロ波の電磁界は,開口C(スロット口)から誘電体内部を放射状に均一に広がっていき,各誘電体パーツの下面まで透過して,各誘電体パーツの下面にて表面波を生成する。
生成された表面波が,誘電体パーツ31およびプラズマ間を反射しながら伝播していくとき,その電界エネルギーの一部は,エバネッセント波としてプラズマの生成に消費される。しかし,各誘電体パーツ31と梁26との間に段差などの障壁がないと,表面波は,電界エネルギーの一部をプラズマの生成に消費されながらも,その消費量は少ないため,表面波は,隣り合う誘電体パーツまで伝播する。
このようにして,表面波が隣り合う誘電体パーツ31まで伝播すると,その表面波の干渉により,隣り合うプラズマの密度の変化が増幅され,隣り合う誘電体パーツ31下方のプラズマの状態が不安定になる。これが,各誘電体パーツ31下方のプラズマがモードジャンプする第2の要因である。
(第3の要因:電子およびイオンによる干渉)
他の1つは,拡散プラズマ中の電子やイオンがプラズマ中を伝播することによる干渉である。たとえば,プラズマが拡散するとき,拡散プラズマ中の電子やイオンのうち,その一部は,プラズマ中を伝播して隣り合うプラズマまで到達する。このようにして,電子やイオンが隣のプラズマに到達すると,隣り合うプラズマの電子密度やイオン密度が大きく変動する。これが,各誘電体パーツ31下方のプラズマがモードジャンプする第3の要因である。
以上に説明したように,プラズマのモードジャンプは,入射されるマイクロ波の電界エネルギーの変動と,これに伴うプラズマ内のインピーダンスの変化(第1の要因),表面波による干渉(第2の要因),および,拡散プラズマによる干渉(第3の要因)が複雑に絡み合い,各誘電体パーツ31下方のプラズマ電子密度が不連続に変動することによって発生する。
しかし,プラズマ生成過程で,このようなモードジャンプが頻繁に発生すると,モードジャンプが起こる度にプラズマの状態が不連続に変化することに伴い,ガスの解離の程度が変化し,その度に形成される膜質も変化する。この結果,不均一な膜が階層的に積層されてしまう。
このような問題を解消するために,発明者らは,処理容器10の天井にて梁26を突出させ,これにより,プラズマのモードジャンプを抑制することに成功した。発明者らが,どのようにしてプラズマのモードジャンプを抑制することに成功したかについて,図4を参照しながら以下に説明する。
(第2の要因(表面波の干渉)の抑制)
各誘電体パーツ31が,突出した梁26により区切られると,梁26は,外部からの干渉から誘電体パーツ31下方のプラズマを保護する壁となる。前述したように,誘電体パーツ31を透過したマイクロ波の電界エネルギーにより生じた表面波が,誘電体パーツ31や梁26の表面とプラズマとの間を反射しながら隣の誘電体パーツ31に向かって伝播するとき,表面波の電界エネルギーの一部は,いわゆるエバネッセント波としてプラズマの生成に消費される。そして,一般的に,外部からのエネルギーの供給がない場合,表面波の伝播距離が長ければ長いほど,プラズマ内に吸収され,消費される表面波の電界エネルギーは増加する。
梁26が非磁性体である導電性材料から形成されている場合,梁26はマイクロ波を透過しない。このため,表面波は,梁26の表面を伝播中,新たな電界エネルギーの供給を受けることができない。この結果,各誘電体パーツ31と梁26との間に段差が設けられている場合には,各誘電体パーツ31と梁26とがフラットな場合に比べて,表面波が隣の誘電体パーツのプラズマまで伝播する距離は,梁26の側壁部分だけ長くなり,しかも,梁26を伝播中の表面波は,電界エネルギーの供給を受けることができないため,表面波は,隣り合う誘電体パーツ31に向かって伝播する間に多くの電界エネルギーを消費し,隣の誘電体パーツ下方に到達する前に減衰してしまう。これにより,隣の誘電体パーツ下方に生成されたプラズマ電子密度の変化が増幅されることを抑止することができる。
(第3の要因(拡散プラズマの干渉)の抑制)
また,梁26を突出させることにより,梁26の壁面の面積が大きくなるにしたがい,梁26の壁面に衝突する電子やイオンが指数関数的(電子やイオンの拡散係数は,指数関数として表される)に増加し,その結果,隣り合う誘電体パーツ31下方のプラズマまで伝播される電子やイオンの数が減少する。これにより,隣の誘電体パーツ31下方に生成されたプラズマ電子密度の変化が増幅されることを抑止することができる。
以上に説明したように,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100によれば,隣り合うプラズマへの表面波による干渉,および,隣り合うプラズマへの拡散プラズマによる干渉を抑制し,プラズマのモードジャンプを抑えることにより,均一なプラズマを安定的に生成することができる。
(実験結果)
以上のような着想および論理を証明するために,発明者らは,実際に,突出した梁26を持つ本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100を設計し,これを用いてゲート酸化膜形成プロセスを実行した。このときのプロセス条件は,処理室Uの圧力が60mTorr(7.98Pa),マイクロ波のパワーが2.55kW×3(3つのマイクロ波発生器40を使用)であった。なお,ガラス基板のサイズは,730mm×920mm以上であればよく,たとえば,G4.5基板サイズで730mm×920mm(チャンバ内の径:1000mm×1190mm),G5基板サイズで1100mm×1300mm(チャンバ内の径:1470mm×1590mm)である。
また,ガス種は,酸素ガス,シランガスおよびアルゴンガスを用い,そのガス量は酸素ガス833sccm,シランガス100sccm,アルゴンガス1500sccmであった。また,処理室Uの温度が120℃になるようにサセプタ11(ステージ)の温度を300℃とした。また,前述したように,酸素ガスは,上段に位置するガス噴射孔Aから噴射し,シランガスおよびアルゴンガスは,下段に位置するガスシャワー(ガスパイプ28)のガス噴射孔Bから噴射した。
その結果,各誘電体パーツ31と梁26とがフラットなマイクロ波プラズマ処理装置では,目視により梁26の下面の複数箇所にて,モードジャンプと思われる,輝度の高い発光が認められたのに対し,梁26を突出させた本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100では,梁26の表面での発光はほとんど認められなかった。
この発光は,電子の状態が励起状態から基底状態に戻るときに生じるので,発光している部分と発光していない部分とでは電子密度の分布に偏りがあると考えられる。梁26が突出したマイクロ波プラズマ処理装置100では,プロセス処理中の発光がほとんど認められなかったことから,誘電体パーツ31近傍にて電子密度の分布に偏りがなく,モードジャンプが発生せず,均一なプラズマが安定的に生成されていると予想される。
これを客観的な数値として算出するために,発明者らは,梁26の高さ(誘電体から突出した長さ)が0mm,10mm,20mmの場合のマイクロ波プラズマ処理装置を使用したゲート酸化膜形成処理において,膜評価装置(SSM(Solid State Measurement Inc.):水銀プローブ)を用いて,生成されたゲート酸化膜のC−V測定を行った。この結果を図5および図6に示す。
測定の結果,図5に示したように,梁の高さを高くするほど,固定電荷密度の値が小さくなることがわかった。また,図6に示したように,梁の高さが0mmの場合,固定電荷密度は2.7cm−2,目視による発光は「○(発光あり)」,梁の高さが10mmの場合,固定電荷密度は1.8cm−2,目視による発光は「×(発光なし)」,梁の高さが20mmの場合,固定電荷密度は1.3cm−2,目視による発光は「×(発光なし)」であった。
固定電荷密度は,形成された膜が良質か否かを示す指標であり,具体的には,固定電荷密度が小さいほど,形成されたゲート酸化膜が良質であることを示す。よって,上記測定結果から,梁の高さを高くするほど,良質なゲート酸化膜が形成されることが証明された。
(梁の突出の上限値)
梁26の高さhは,梁26の端部周辺でのプラズマ電子密度Nがプラズマのカットオフ電子密度N(図3参照)以上であることが制約条件となる。よって,梁26の高さの上限値hは,梁26の端部近傍のプラズマ電子密度Nが,カットオフ密度Nに等しくなったときとなる。具体的には,梁26の高さの上限値hは,誘電体直下の梁26の端部周辺のプラズマ電子密度をN(図3参照),隣り合う梁間の間隔の最小値をaとすると,h=21/2×a×(lnN―lnN)/2πで求められる。
誘電体パーツ31下面の電界エネルギーにより生じた表面波は,誘電体パーツ31や梁26の表面とプラズマとの間を反射しながら伝播する。このとき,表面波の電界エネルギーの一部は,いわゆるエバネッセント波としてプラズマの生成に消費される。そして,表面波が金属の梁26を伝播するとき,エネルギーは外部から供給されないため,表面波の電界エネルギーはプラズマの生成に消費され続け,これにより,表面波は減衰する。
上記表面波の減衰により,梁26の端部周辺のプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以下になると,梁26を伝播する表面波(マイクロ波)がエバネッセント波としてプラズマ内に染み込む状態を保つことができずに一気にプラズマ内に進入する。この結果,処理容器内部のプラズマが不安定になる。
よって,梁26の高さhは,梁26の端部周辺のプラズマ電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度Nより大きくなるという条件を満たす高さでなければならない。これによれば,梁26の端部周辺でのプラズマ電子密度はある程度の密度に保たれる。この結果,梁26を伝播する表面波(マイクロ波)がエバネッセント波としてプラズマ内に染み込む状態を保つことができる。この結果,均一に生成されたプラズマにより基板Gを精度よくプラズマ処理することができる。
(シミュレーション結果)
以上の論理を導き出した発明者らは,梁26の高さの上限値hを求めるべく,以下のシミュレーションを実行した。このシミュレーションモデルでは,図8に示したように,隣り合う梁間の間隔の最小値をaとし,梁26の高さをhとする。
梁26の高さがhの位置における梁周辺のプラズマ電子密度をNとすると,近似的にモデル化して表した次式(1)にて表される。
=N×exp{−2πh/(21/2×a)}・・・(1)
上記式(1)を変形すると,以下の対数関数になる。
h=21/2×a×(lnN−lnN)/2π・・・(2)
式(2)の関数を図9に示す。図9は,横軸に梁26の高さhをとり,縦軸にプラズマ電子密度Nをとった対数グラフである。
ここで,上記理論によれば,梁26の高さhは,N>Nを満たすことがプラズマの状態を安定的に保つための条件となる。よって,梁26の高さhは,N=Nのとき,その上限値hをとる。これを上記式(2)に当てはめると,次のようになる。
=21/2×a×(lnN−lnN)/2π・・・(3)
ここで,一般に,カットオフのプラズマ電子密度Nは,次式(4)にて表される。
=m×ε×ω/e・・・(4)
は電子の質量,εは真空の誘電率,ωは入射波の角周波数,eは電子の電荷である。
上記式(4)により,カットオフのプラズマ電子密度N=7.5×e10(cm−3)が算出される。この算出結果Nと,誘電体直下の梁の端部周辺のプラズマ電子密度N=5.0×e12(cm−3)とを,上記式(3)に当てはめることにより,発明者らは,「0.038m」が梁26の高さの上限値hであることを突きとめた。このシミュレーション結果を図9に示す。
このようにして,梁26の高さhが「0.038m」以下であれば,梁26の端部周辺でのプラズマ電子密度Nはある程度の密度に保たれる。この結果,梁26を伝播する表面波(マイクロ波)がエバネッセント波としてプラズマ内に染み込む状態を保つことができる。このようにして,梁26の高さhを「0.038m」以下にすれば,梁26を伝播する表面波(マイクロ波)がエバネッセント波としてプラズマ内に染み込む状態を保つことができずに一気にプラズマ内に進入し,これにより,処理容器内部にてプラズマが不安定になるという現象を回避することができることが証明された。
以上,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100によれば,各誘電体パーツ31より梁26を突出させることにより,表面波による干渉,および,拡散プラズマによる干渉を抑制し,これにより,プラズマのモードジャンプを抑制することができた。この結果,均一なプラズマを安定的に生成し,基板Gを精度よくプラズマ処理することができた。
なお,本実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置100では,酸素ガスを上段のガス噴射孔Aから噴射し,シランガスおよびアルゴンガスを下段のガス噴射孔Bから噴射した。しかし,ガスの噴射孔の位置はこれに限られず,たとえば,同じ高さに設けられた複数の噴射孔のいずれかの噴射孔から,各種のガスをそれぞれ噴射させてもよい。
また,図3に示した複数のガスパイプ28に代えて,梁26からツララ状に突出させた複数のノズルから第2のガスを噴射するようにしてもよい。
また,処理室Uの内部では,たとえば,0.7eV〜2.0eVの低電子温度,1011〜1013cm−3の高密度プラズマによって,基板Gへのダメージが少ない均一な成膜が行われる。たとえば,アモルファスシリコン成膜の場合の条件を例に挙げると,処理室U内の圧力については,5〜100Pa,好ましくは,10〜60Pa,基板Gの温度については,200〜450℃,好ましくは,250℃〜380℃が適当である。また,処理室Uの大きさは,G3以上が適当であり,たとえば,G4.5(基板Gの寸法:730mm×920mm,処理室Uの内部寸法:1000mm×1190mm),G5(基板Gの寸法:1100mm×1300mm,処理室Uの内部寸法:1470mm×1590mm)である。さらに,マイクロ波発生器のパワーの出力については,1〜4W/cm,好ましくは,3W/cmが適当である。マイクロ波発生器のパワーの出力が,1W/cm以上であれば,プラズマが着火し,比較的安定してプラズマを発生させることができる。マイクロ波発生器のパワーの出力が,1W/cm未満では,プラズマが着火しなかったり,プラズマの発生が非常に不安定になり,プロセスが不安定,不均一となって実用的でなくなってしまう。
上記実施形態において,各部の動作はお互いに関連しており,互いの関連を考慮しながら,一連の動作として置き換えることができる。そして,このように置き換えることにより,プラズマ処理装置の発明の実施形態をプラズマ処理方法の実施形態とすることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば,本発明にかかるプラズマ処理装置により実行されるプラズマ処理は,CVD処理に限られず,アッシング処理,エッチング処理などのあらゆるプラズマ処理が可能である。
本発明は,プラズマのモードジャンプを抑止することが可能な,新規かつ改良されたプラズマ処理装置に適用可能である。
本発明の第1実施形態にかかるマイクロ波プラズマ処理装置の断面図である。 同実施形態にかかる処理容器の天井面を示した図である。 同実施形態にかかる誘電体近傍を拡大した断面図である。 梁が突出した場合のプラズマへの干渉を説明するための説明図である。 固定電荷密度の梁の高さ依存性を示すグラフである。 梁の高さ,固定電荷密度,目視(発光の程度)の関係を示す図である。 誘電体と梁とがフラットな場合のプラズマへの干渉を説明するための説明図である。 梁の高さの上限値を求めるためのシミュレーションモデルを示した図である。 梁の高さとプラズマ電子密度との関係を示した図である。 マイクロ波の入射パワーと電子密度および表面波のモードとの関係を示す図である。
符号の説明
10 処理容器
11 サセプタ
20 蓋体
21 蓋本体
26 梁
27 支持体
28 ガスパイプ
29 ガス導入管
30 スロットアンテナ
31 誘電体パーツ
33 方形導波管
37 スロット
40 マイクロ波発生器
43 ガス供給源
43a4 酸素ガス供給源
43b4 シランガス供給源
43b8 アルゴンガス供給源
100 マイクロ波プラズマ処理装置
U 処理室

Claims (16)

  1. 複数のスロットが開口された複数の導波管と,前記複数の導波管を伝播し,前記複数のスロットに通したマイクロ波を透過させる誘電体と,前記誘電体を透過したマイクロ波によりガスをプラズマ化させて,被処理体をプラズマ処理する処理室と,を備えるプラズマ処理装置であって,
    前記誘電体は、複数枚の誘電体パーツから構成され、
    各誘電体パーツは、梁に支持された状態で,前記複数の導波管のうちの1つまたは2つ以上の導波管を伝播して各導波管の1つまたは2つ以上のスロットに通したマイクロ波を透過させるように配置され、
    前記梁は,前記被処理体側の端部周辺のプラズマ中の電子密度Nがカットオフのプラズマ電子密度N以上になるように前記被処理体側に突出して設けられることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記梁の突出位置の上限値hは,前記誘電体パーツ近傍のプラズマ電子密度をNとし,隣り合う梁間の間隔の最小値をaとすると,
    =21/2×a×(lnN―lnN)/2π
    の式から求められることを特徴とする請求項1に記載されたプラズマ処理装置。
  3. 前記梁の上限値hは,
    0.038mであることを特徴とする請求項2に記載されたプラズマ処理装置。
  4. 前記各誘電体パーツは,
    その各誘電体パーツの周縁にて前記梁に支持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  5. 前記各誘電体パーツには,
    被処理体と対向する面にて凹部または凸部の少なくともいずれかが形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  6. 前記梁は,導電性材料から形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  7. 前記梁は,非磁性体であることを特徴とする請求項6に記載されたプラズマ処理装置。
  8. 前記プラズマ処理装置であって,さらに,
    第1のガス噴射孔から第1のガスを供給する第1のガス供給部と,
    前記第1のガス噴射孔より被処理体側に設置された第2のガス噴射孔から第2のガスを供給する第2のガス供給部と,を備え,
    前記梁は,
    前記第2のガス噴射孔より誘電体側に位置するように設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載されたプラズマ処理装置。
  9. 前記第1のガスまたは前記第2のガスの少なくともいずれかは,複数のガスを混合した混合ガスであって,
    前記第1のガスは,前記第2のガスよりも結合エネルギーの最小値が大きいガスであることを特徴とする請求項8に記載されたプラズマ処理装置。
  10. 前記第1の処理ガスと前記第2の処理ガスとの関係は,前記混合ガスが過剰反応する場合を除き,成り立つことを特徴とする請求項9に記載されたプラズマ処理装置。
  11. 梁の被処理体側の端部周辺のプラズマ中の電子密度Nが,カットオフのプラズマ電子密度N以上になるように,被処理体側に突出して設けられた前記梁に支持された複数枚の誘電体パーツの各誘電体パーツに,複数の導波管のうちの1つまたは2つ以上の導波管を伝播して各導波管の1つまたは2つ以上のスロットに通したマイクロ波を透過させ,
    前記透過させたマイクロ波によりガスをプラズマ化して,被処理体をプラズマ処理することを特徴とするプラズマ処理装置を使用したプラズマ処理方法。
  12. 前記梁の突出位置の上限値hは,前記誘電体パーツ近傍のプラズマ電子密度をNとし,隣り合う梁間の間隔の最小値をaとすると,
    =21/2×a×(lnN―lnN)/2π
    の式から求められることを特徴とする請求項11に記載されたプラズマ処理方法。
  13. 前記梁の上限値hは,
    0.038mであることを特徴とする請求項12に記載されたプラズマ処理方法。
  14. 前記プラズマ処理方法であって,さらに,
    第1のガスを第1のガス噴射孔から供給し,
    前記供給された第1のガスがプラズマ着火した後,前記第1のガス噴射孔の位置および前記梁が突出した位置より下方に設置された第2のガス噴射孔から,第2のガスを供給することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載されたプラズマ処理方法。
  15. 前記第1のガスまたは前記第2のガスの少なくともいずれかは,複数のガスを混合した混合ガスであって,
    前記第1のガスは,前記第2のガスよりも結合エネルギーの最小値が大きいガスであることを特徴とする請求項14に記載されたプラズマ処理方法。
  16. 前記第1の処理ガスと前記第2の処理ガスとの関係は,前記混合ガスが過剰反応する場合を除き,成り立つことを特徴とする請求項15に記載されたプラズマ処理方法。
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