JP2007273260A - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量で、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備えた非水電解質二次電池の製造方法において、前記正極の充電電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vであり、前記非水電解質は更に、前記負極活物質と反応して被膜を形成する化合物を有し、正極の電位が3.0Vよりも大きく4.3V以下となるまで充電し、その後正極の電位が2.8〜3.1Vとなるまで放電するサイクルを一回以上行い、この後正極の電位を4.4V以上となるまで再度充電する。
【選択図】なし

Description

本発明は、放電容量及びサイクル特性の向上を目的とする非水電解質二次電池の改良に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化、高エネルギー密度化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
近年では電池のさらなる高容量化が求められており、より高い電位となるまで充電して使用することにより、正極活物質の利用率を高めることが試みられている。しかし、従来正極活物質として用いられているコバルト酸リチウムを、リチウム基準で4.3Vよりも高い電位まで充電すると、化合物としての安定性が大きく低下するため、サイクル特性が低下するという問題がある。
この問題を解決するため、コバルト酸リチウムにジルコニウム、マグネシウム等の異種金属を添加することにより、化合物の高い電位での安定性を高めることが提案されている。しかし、この技術によっても、高電位での安定性は未だ十分ではなく、充放電サイクルにより電解液が分解して、サイクル劣化を引き起こすという問題がある。
ここで、非水電解質二次電池に関する技術としては、特許文献1,2が提案されている。
特開2001-325988号公報 特開2002-203609号公報
特許文献1は、ビニレンカーボネートを添加した電解質を用い、満充電に先立って先ず3.2V程度の定電流定電圧充電を1〜2時間行う技術である。この技術によると、良好な負極表面被膜の形成が可能となるとされる。
特許文献2は、非水溶媒として定電流充電後に定電圧充電を行うことにより前記非水電解質の前記非水溶媒に分解反応を生じさせて前記負極の表面に保護皮膜を形成する工程と、前記負極にリチウムを吸蔵させるための充電工程とを具備する技術である。この技術によると、良好な負極表面被膜の形成が可能となるとされる。
しかし、両技術ともに、正極活物質を高い電位で使用することを考慮していないので、この点においてさらなる改良が求められている。
本発明は、以上に鑑みなされたものであって、高容量で且つサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備えた非水電解質二次電池の製造方法において、前記正極の充電電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vであり、前記非水電解質は更に、前記負極活物質と反応して被膜を形成する化合物を有し、正極の電位が3.0Vよりも大きく4.3V以下となるまで充電し、その後正極の電位が2.8〜3.1Vなるまで放電するサイクルを一回以上行い、この後正極の電位を4.4V以上となるまで充電することを特徴とする。
上記構成では、正極の電位が3.0Vよりも大きく4.3V以下となるまで充電し、その後正極の電位が2.8〜3.1Vなるまで放電するサイクルを一回以上行っており、これにより、負極活物質と反応して被膜を形成する化合物が負極と反応して安定な被膜を形成する。これにより放電特性が向上する。
ここで、正極の電位が4.3Vより高い電位まで充電すると、前記負極活物質と反応して被膜を形成する化合物が正極と反応してガスを発生させたり、負極上に安定な被膜を形成できなくなったりするという問題が生じるが、上記構成であるとこのような問題が生じない。
この構成によると、正極活物質としてジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物を有しており、この化合物はジルコニウムとマグネシウムとの添加によって高電位(リチウム基準で4.4〜4.6V)での安定性が高められている。さらに、正極活物質として、高電位での熱安定性に優れた層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物が配合されているため、高電位での熱安定性に優れる。よって、この活物質系は、高電位となるまで充電して使用するのに適している。
電池電圧は、正極の電位と負極の電位との差で示され、電池電圧を大きくすることにより、電池の容量を大きくすることができるが、負極活物質として電位の低い黒鉛(リチウム基準で約0.1V)を用いると、電池電圧が高く、正極活物質の利用効率の高い電池が得られる。
なお、この系の電池では、正極の電位を4.6Vよりも高くすると、上記正極活物質を用いても、正極活物質の安定性が低下するという問題がある。よって、正極の電位を上記範囲内に規制することが好ましい。
また、ジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物には、アルミニウム等の異種元素がさらに添加されていてもよい。また、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物には、結晶構造中にコバルトが含まれていてもよく、ジルコニウム、マグネシウム、アルミニウム等が添加されていてもよい。
上記のジルコニウムとマグネシウムとが添加されたリチウムコバルト複合酸化物は、LiCo1−x−y−zZrMg(MはAl,Ti,Snの少なくとも一種であり、0<a≦1.1、 0.0002≦x+y+z≦0.03)で示されるものである。また、層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物は、LiMnNiCo(XはZr,Mg,Al,Ti,Snの少なくとも一種、0<b≦1.2、s+t+u+v=1)で示されるものである。
なお、本願発明の効果を十分に得るためには、ジルコニウムの添加量が、LiCo1−x−y−zZrMgにおいて、0.0001≦x<0.03であることが好ましい。また、本願発明の効果を十分に得るためには、マグネシウムの添加量は、0.0001≦y<0.03であることが好ましい。また、ジルコニウム、マグネシウム以外に、Al,Ti,Snが0.0002≦z<0.03の割合で添加されていてもよい。
また、本願発明の効果を十分に得るためには、ニッケル、マンガンの含有量が、LiMnNiCoにおいて、0.1≦t≦0.5、0.1≦s≦0.5であることが好ましい。また、ニッケルとマンガンのモル比が0.95≦s/t≦1.05であることが好ましい。また、化合物の熱安定性を高めるために、Zr,Mg,Al,Ti,Sn等の異種元素が0.0001≦v≦0.03の割合で添加されていてもよい。
また、正極活物質中のリチウムコバルト複合酸化物の含有量が51質量%より少ないと、電池容量、サイクル特性、保存特性が低下するおそれがあり、また、層状構造のリチウムニッケルマンガン複合酸化物の含有量が10質量%未満であると、正極活物質の高電位での熱安定性の向上効果が十分に得られない。このため、好ましくはリチウムコバルト複合酸化物と、層状リチウムニッケルマンガン複合酸化物の質量比を、好ましくは51:49〜90:10とし、より好ましくは70:30〜80:20とする。
前記負極活物質と反応して被膜を形成する化合物としては、ブスルファン、(2−プロピニル)オギザレート、グリコールサルフェート、シクロヘキシルグリコールサルフェート、メタンスルホン酸ペンタフルオロベンゼン、メチルプロピレート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、LiBF、LiFOB、LiBOB、ビストリフルオロスルフォンイミド、フルオロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等を用いることができ、中でもビニレンカーボネートが好適である。
前記非水電解質は、前記ビニレンカーボネートを0.5〜10質量%含む構成とすることができる。
ビニレンカーボネートの含有量が0.5質量%未満であると、形成される被膜が粗となり、十分に負極と非水電解質との反応を抑制できないおそれがある。他方10質量%より多いと、この化合物が高温保存時等にガスを発生させ、電池を膨らせてしまうおそれがある。よって、上記範囲内に規制することが好ましい。
上記本発明によると、高電位での正極活物質の安定性が高く、且つ高電位での電解液の分解を抑制でき、これにより高容量でサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を実現することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、実施例を用いて詳細に説明する。なお、本発明は下記の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
〈正極の作製〉
コバルト(Co)に対して0.2mol%のジルコニウム(Zr)と、コバルトに対して0.5mol%のマグネシウム(Mg)とを共沈させ、熱分解反応させて、ジルコニウム、マグネシウム含有四酸化三コバルトを得た。この四酸化三コバルトと炭酸リチウムとを混合し、空気雰囲気中で850℃で24時間焼成し、その後乳鉢で平均粒径が14μmとなるまで粉砕して、ジルコニウム、マグネシウム含有リチウムコバルト複合酸化物(正極活物質A)を得た。
炭酸リチウムと、Ni0.33Mn0.33Co0.34(OH)で示される共沈水酸化物とを混合し、空気雰囲気中で1000℃で20時間焼成し、その後乳鉢で平均粒径が5μmとなるまで粉砕して、コバルト含有リチウムニッケルマンガン複合酸化物(正極活物質B)を得た。なお、この正極活物質Bの結晶構造をX線を用いて解析したところ、層状構造であることが確認された。
正極活物質Aと正極活物質Bとを質量比7:3で混合した正極活物質94質量部と、導電剤としての炭素粉末3質量部と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)3質量部と、N−メチルピロリドンとを混合して正極活物質スラリーとした。この正極活物質スラリーをアルミニウム製の正極集電体(厚み15μm)の両面に塗布し、乾燥・圧延して正極を作製した。
〈負極の作製〉
負極活物質としての黒鉛95質量部と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース3質量部と、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム2質量部と、水とを混合して負極活物質スラリーとした。この負極活物質スラリーを銅製の負極集電体(厚み8μm)の両面に塗布し、乾燥・圧延して負極を作製した。
なお、充電状態での黒鉛の電位はリチウム基準で0.1Vである。また、正極及び負極の活物質充填量は、設計基準となる正極活物質の電位(本実施例ではリチウム基準で4.4Vであり、電圧は4.3V)において、正極と負極の充電容量比(負極充電容量/正極充電容量)を1.1となるように調整した。
〈電極体の作製〉
上記正極及び負極を、ポリプロピレン製微多孔膜からなるセパレータを介して巻回することにより、電極体を作製した。
〈非水電解質の調整〉
非水溶媒としてのエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とを体積比20:30:50(25℃)で混合し、電解質塩としてのLiPFを1M(モル/リットル)となるように溶解し、ビニレンカーボネート(VC)を非水電解質100質量部あたり2質量部となるように添加して、非水電解質となした。
〈電池の組み立て〉
外装缶に上記電極体を挿入した後、上記電解液を注液し、外装缶の開口部を封口して、非水電解質二次電池(幅34mm×高さ43mm×厚み5mm)を組み立てた。
〈被膜安定化工程〉
組み立てた電池を、25℃条件で、定電流1It(電池容量÷1時間で表される値)で4.2V(正極の電位がリチウム基準で4.3V)まで充電し、その後、定電圧4.2Vで0.02Itまで充電し、その後1Itで電圧が3.0Vまで放電し(被膜安定化サイクル)、実施例1にかかる非水電解質二次電池を完成させた。
(実施例2)
被膜安定化サイクルを3サイクル行ったこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例3)
被膜安定化サイクルを5サイクル行ったこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例4)
被膜安定化サイクルの充電条件を定電流1It(電池容量÷1時間で表される値)で4.1V(正極の電位がリチウム基準で4.2V)まで充電しその後、定電圧4.1Vで0.02Itまで充電する条件に変更したこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例5)
被膜安定化サイクルの充電条件を定電流1It(電池容量÷1時間で表される値)で4.0V(正極の電位がリチウム基準で4.1V)まで充電しその後、定電圧4.0Vで0.02Itまで充電する条件に変更したこと以外は、上記実施例3と同様にして、実施例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例6)
設計基準となる正極活物質の電位を4.4Vに変更し、被膜安定化サイクル後の充電条件を、定電流1Itで4.3V(正極の電位がリチウム基準で4.4V)まで充電し、その後、定電圧4.3Vで0.02Itまで充電する条件に変更し、正極と負極の充電容量比が1.1となるように正極及び負極の活物質充填量を調整したこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7)
設計基準となる正極活物質の電位を4.6Vに変更し、被膜安定化サイクル後の充電条件を、定電流1Itで4.5V(正極の電位がリチウム基準で4.6V)まで充電し、その後、定電圧4.5Vで0.02Itまで充電する条件に変更し、正極と負極の充電容量比が1.1となるように正極及び負極の活物質充填量を調整したこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例8)
ビニレンカーボネートの添加量を0.5質量%としたこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例8に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例9)
ビニレンカーボネートの添加量を1質量%としたこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例9に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例10)
ビニレンカーボネートの添加量を3質量%としたこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例10に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例11)
ビニレンカーボネートの添加量を5質量%としたこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例11に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例12)
ビニレンカーボネートの添加量を10質量%としたこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例12に係る非水電解質二次電池を作製した。
(実施例13)
ビニレンカーボネートの添加量を12質量%としたこと以外は、上記実施例5と同様にして、実施例13に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例1)
被膜安定化サイクルを行わなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
被膜安定化サイクルを行わなかったこと以外は、上記実施例7と同様にして、比較例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例3)
被膜安定化サイクルを行わなかったこと以外は、上記実施例11と同様にして、比較例3に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例4)
設計基準となる正極活物質の電位を4.3Vに変更し、被膜安定化サイクル後の充電条件を、定電流1Itで4.2V(正極の電位がリチウム基準で4.3V)まで充電し、その後、定電圧4.2Vで0.02Itまで充電する条件に変更し、正極と負極の充電容量比が1.1となるように正極及び負極の活物質充填量を調整したこと以外は、上記実施例5と同様にして、比較例4に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例5)
被膜安定化サイクルを行わなかったこと以外は、上記比較例4と同様にして、比較例5に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例6)
被膜安定化サイクルの充電条件を定電流1It(電池容量÷1時間で表される値)で4.3V(正極の電位がリチウム基準で4.4V)まで充電しその後、定電圧4.3Vで0.02Itまで充電する条件に変更したこと以外は、上記実施例3と同様にして、比較例6に係る非水電解質二次電池を作製した。
(比較例7)
ビニレンカーボネートを添加しなかったこと以外は、上記実施例5と同様にして、比較例7に係る非水電解質二次電池を作製した。
〔電位と正極活物質1gあたりの充電容量との関係〕
上記実施例1で作製した正極を用いた三極式セル(対極:リチウム金属、参照極:リチウム金属)を作製し、各充電電位における活物質1gあたりの正極充電容量を測定した。この結果を下記表1に示す。
Figure 2007273260
上記実施例1〜13、比較例1〜7において、設計基準となる電位における正極充電容量は上記表1から算出し、負極充電容量は黒鉛の理論容量から算出した。
〈電池特性試験〉
上記各電池に対し、下記条件で電池特性の試験を行った。この結果を下記表2に示す。
〔サイクル特性試験〕
充電条件:定電流 1It(電池容量÷1時間で表される値)、定電圧(各電池の電池電圧)、合計3時間、25℃
放電条件:定電流 1It、終止電圧 3.0V、25℃
サイクル特性(%):(400サイクル目放電容量/1サイクル目放電容量)×100
Figure 2007273260
上記表2から、電池電圧が4.3〜4.5V(正極の電位がリチウム基準で4.4〜4.6V)である実施例5〜7では、電池容量が820〜908mAhと、電池電圧が4.2V(正極の電位がリチウム基準で4.3V)である比較例4、5の770mAhに比べて電池容量が50〜138mAh大きくなっていることがわかる。
このことは、次のように考えられる。実施例5〜7では、正極が比較例4、5よりも高い電位まで正極が充電されており、正極活物質の利用率が高くなるため、電池容量が大きくなる。
また、ビニレンカーボネートを含有していない比較例7では、サイクル特性が65%と、ビニレンカーボネートを0.5〜10質量%含有する実施例5、実施例8〜12の80〜90%よりも大きく劣化していることがわかる。
このことは次のように考えられる。ビニレンカーボネートは、負極と反応して良質な被膜を形成するため、これにより充放電サイクル時の負極と非水電解質との反応が抑制され、サイクル特性が高まる。
また、被膜安定化サイクルを行っていない比較例1〜3では、サイクル特性が68〜75%と、被膜安定化サイクルを行った実施例5、7、11の85〜90%よりも大きく劣化していることがわかる。
このことは次のように考えられる。被膜安定化サイクルを行わないと、ビニレンカーボネートと、高電位となるまで充電された正極とが、電池に悪影響を及ぼす反応を引き起こす。このため、サイクル特性が大きく低下する。他方、実施例5、7、11では、被膜安定化サイクル時にビニレンカーボネートが負極と反応して良質な被膜を形成し、これによりビニレンカーボネートが消費されるので、この後、高電位となるまで充電しても、正極とビニレンカーボネートとが反応することがない。よって、サイクル特性が高まる。
また、被膜安定化サイクルを電池電圧が4.3V(正極の電位が4.4V)となるまで充電して行った比較例6では、サイクル特性が70%と、被膜安定化サイクルを電池電圧が4.0〜4.2V(正極の電位が4.1〜4.3V)となるまで充電して行った実施例3〜5の87〜90%よりも大きく劣化していることがわかる。
このことは次のように考えられる。正極の電位が4.4V以上となる被膜安定化サイクルを行う場合、ビニレンカーボネートと、高電位となるまで充電された正極とが、電池に悪影響を及ぼす反応を引き起こす。このため、サイクル特性が大きく低下する。
また、被膜安定化サイクルを1〜5サイクル行った実施例1〜3では、被膜安定化サイクルを3回、5回行った実施例2、3のサイクル特性が87%と、被膜安定化サイクルを1回行った実施例1の83%よりわずかに優れていることがわかる。
この結果から、被膜安定化サイクルは、3回以上行うことが好ましく、5回以上行っても効果の更なる向上が見られないことから、被膜安定化サイクル回数の上限を5サイクルとすることが好ましい。
また、ビニレンカーボネートを12質量%含有する実施例13では、放電容量が790mAhと、ビニレンカーボネートを0.5〜10質量%含有する実施例5、実施例8〜12の830〜850mAhよりも低下していることがわかる。
このことは次のように考えられる。ビニレンカーボネート含有量が過剰であると、負極と反応せずに残ったビニレンカーボネートが正極と反応して電池容量を低下させる。このため、ビニレンカーボネートの含有量は0.5〜10質量%とすることが好ましい。
(その他の事項)
本発明においては、電池形状は限定されないので、角形外装缶以外に、円筒形外装缶、コイン形外装体、ラミネート外装体を用いることができる。
また、非水溶媒としては、上記実施例で用いたもの以外に、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、シクロペンタノン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトロヒドロフラン、2−メチルテトロヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等を用いることができる。
また、電解質塩としては、上記LiPF以外に、LiBF、LiCFSO、LiAsF、LiN(CFSO、LiOSO(CF2)CF、LiClO等の一種または複数種の混合物が使用できる。
以上に説明したように、本発明によれば、高容量でサイクル特性に優れた非水電解質二次電池を提供できる。よって、産業上の利用可能性は大きい。

Claims (4)

  1. 正極活物質を有する正極と、負極活物質を有する負極と、非水溶媒と電解質塩とを有する非水電解質と、を備えた非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記正極の充電電位がリチウム基準で4.4〜5.1Vであり、
    前記非水電解質は更に、前記負極活物質と反応して被膜を形成する化合物を有し、
    正極の電位が3.0Vよりも大きく4.3V以下となるまで充電し、その後正極の電位が2.8〜3.1Vとなるまで放電するサイクルを一回以上行い、この後正極の電位を4.4V以上となるまで充電する、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記正極の充電電位がリチウム基準で4.4〜4.6Vであり、
    前記正極活物質が、少なくともジルコニウムとマグネシウムとが添加されたコバルト酸リチウムと、層状構造を有するリチウムニッケルマンガン複合酸化物とからなり、
    前記負極活物質が黒鉛からなる、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  3. 請求項1に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記負極活物質と反応して被膜を形成する化合物は、ビニレンカーボネートである、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  4. 請求項3に記載の非水電解質二次電池の製造方法において、
    前記非水電解質は、前記ビニレンカーボネートを0.5〜10質量%含む、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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