JP2007271768A - 電子写真用カラートナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】帯電制御剤の分散性を向上させることにより、カブリ特性、濃度安定性、及びゴースト特性の良好な電子写真用トナーを製造する方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤を含む原料を混合する工程、原料混合物を溶融混練する工程、混練物を冷却固化した後、粉砕する工程、及び粉砕物を分級する工程を具備する電子写真用トナーの製造方法において、前記帯電制御剤は、1μm以下の粒径を有し、トナー構成材料の2質量%以下であり、水に分散され、乳化した状態で前記原料混合工程に供給されることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】結着樹脂、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤を含む原料を混合する工程、原料混合物を溶融混練する工程、混練物を冷却固化した後、粉砕する工程、及び粉砕物を分級する工程を具備する電子写真用トナーの製造方法において、前記帯電制御剤は、1μm以下の粒径を有し、トナー構成材料の2質量%以下であり、水に分散され、乳化した状態で前記原料混合工程に供給されることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真用カラートナーの製造方法に係り、特に、かぶり特性、濃度安定性及びゴースト特性の良好な電子写真用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、一般に、静電荷像をトナーにより現像して可視化し、現像により得られたトナー像を用紙に転写することにより行われる。
このような画像形成に用いられるトナーには、乾式トナーと湿式トナーがあり、乾式トナーの製造方法としては、粉砕法、重合法がある。重合法は、乳化重合法と懸濁重合法に更に分類されるが、重合法に共通していることは、粉砕法に比べて溶融混練時の構成材料が強い剪断力を受けることがないため、トナー技術に不可欠な材料の微分散が不十分であることである。そのため、原材料を機械的に強攪拌してエマルジョン化した状態で使用される(例えば、特許文献1参照)。このエマルジョンの分散粒子の径が、トナー粒子の粒径に大きく影響する。
一方、粉砕法においては、昨今の高度なトナーの要求、特に小粒径化、オイルレス化、低温定着化、高転写効率等に対応すべく、トナー構成材料の微細化・微分散化が不可欠な要素技術となっている。
しかし、トナー構成材料として微細なものを用いても、それらは凝集し、大きな粒子として挙動するため、微細化・微分散化は困難であった。特に、帯電制御剤の場合には、1μm以下という微細なものを用いたとしても、静電気の作用により強固に凝集し、微分散化は困難であった。
特開平11−133659号公報
本発明は、以上のような事情の下になされ、帯電制御剤の微細化及び微分散化を達成することにより、カブリ特性、濃度安定性、及びゴースト特性の良好な電子写真用トナーを製造する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、結着樹脂、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤を含む原料を混合する工程、原料混合物を溶融混練する工程、混練物を冷却固化した後、粉砕する工程、及び粉砕物を分級する工程を具備する電子写真用トナーの製造方法において、前記帯電制御剤は、1μm以下の粒径を有し、トナー構成材料の2質量%以下であり、水に分散され、乳化した状態で前記原料混合工程に供給されることを特徴とする電子写真用カラートナーの製造方法を提供する。
本発明の第2の態様は、上記方法により製造されたことを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
かかる電子写真用トナーは、トナーを担持搬送するための弾性現像ロールと、この弾性現像ロール上に前記トナーを薄層状に形成するように前記トナーの厚さを規制するためのトナー層規制部材とを備え、前記弾性現像ロールの搬送速度が100mm/秒以上である現像装置に好適に用いられる。
また、オイルの供給機構を有しない定着器を備える電子写真用印字装置にも用いることができる。
本発明によると、所定量の帯電制御剤を乳化分散液の状態で原料混合工程に供給することにより、原料の混合が均一に行われ、帯電制御剤の微細化及び微分散化が達成され、それによってカブリ特性、濃度安定性、及びゴースト特性の良好なトナーを得ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーの製造方法は、1μm以下の粒径を有し、原料の2質量%以下の帯電制御剤を、水に分散され、乳化した状態で原料混合工程に供給することを特徴とする。
粉砕法においては、結着樹脂、離型剤、顔料、及び帯電制御剤からなる原料を混合した後、混練するが、この混練工程において、原料は溶融状態で強い剪断力を受け、分散する。この場合、帯電制御剤は、微細かつ均一に分散されることが望ましい。しかし、原料として1μm以下の微細な帯電制御剤を用いたとしても、帯電制御剤は静電的に凝集し、強固な凝集体として挙動し、トナー中に均一に分散され得ない。
そこで、本発明では、重合トナーの製造に専ら使用される帯電制御剤の水系エマルジョンを適用することで、帯電制御剤の高分散化を実現した。それによって、カブリ、ゴーストの無い、高画質な画像を得ることが可能となった。
本発明では、帯電制御剤の粒子径は1μm以下であり、粒子径が1μmを超えると、帯電制御剤同士の再凝集が生じてしまい、また、他の材料との分散も不良となる。また、帯電制御剤の配合量は、トナー構成材料の2質量%以下であり、2質量%を超えると、ゴースト特性が悪化してしまう。
更に、帯電制御剤は、水に分散され、乳化した状態で原料混合工程に供給されなければならず、粉体のまま供給したり、乳化していない状態で供給したのでは、濃度安定性が悪化してしまう。
帯電制御剤が水に分散され、乳化した状態、即ち、水と帯電制御剤の乳化分散液を得るには、水に帯電制御剤微粒子を界面活性剤とともに加えて攪拌すればよい。界面活性剤は、水中に分散した帯電制御剤微粒子の凝集を防ぐ効果や、帯電を低めに抑え、トナー及び外添剤が凝集するのを防止するのに寄与していることが考えられる。或いは、水に帯電制御剤微粒子を加えて強力に攪拌することにより、界面活性剤を用いることなく乳化分散液を得ることも可能である。
帯電制御剤の乳化分散液中の帯電制御剤の量は、特に限定されないが、水が過剰な場合、トナー中の残水分が多くなり、環境安定性に影響を与える。一方、界面活性剤の量が過剰な場合には、帯電が低すぎるため、カブリが増大してしまう等のデメリットもある。
離型剤としては、従来公知の離型剤を用いることができる。そのような離型剤として、 低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、パラフィン等の極性の低いもの或いはカルナバワックス、エステル系等の極性の高いものを挙げることが出来る。また、エマルジョンタイプのカルボキシル基変性ポリオレフィンとして、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1等のオレフィン単位を骨格としてカルボキシル基を有するように変性され、かつアンモニアまたはアミンでカルボキシル基の少なくとも一部が中和されたポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等を使用することも可能である。これらのワックスのうち、カルナバワックスが好ましい。
使用可能な界面活性剤は、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤の公知のものが挙げられ、特に限定されない。
使用可能な界面活性剤は、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤の公知のものが挙げられ、特に限定されない。
トナーの結着樹脂としては、公知のものを含む広い範囲から選択することができる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、およびスチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示でき、これらの樹脂を二種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が好ましい。
本発明の一実施形態に係るトナーの製造方法は、次のようにして行われる。
まず、結着樹脂、着色剤、及び離型剤等の材料の計量を行い、計量された材料を混合機により混合する。混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレンダー、ナウターミキサー等、任意のものを用いることが出来る。混合後又は混合の途中に、帯電制御剤乳化分散液を添加する。
まず、結着樹脂、着色剤、及び離型剤等の材料の計量を行い、計量された材料を混合機により混合する。混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレンダー、ナウターミキサー等、任意のものを用いることが出来る。混合後又は混合の途中に、帯電制御剤乳化分散液を添加する。
結着樹脂、着色剤、及び離型剤の混合、及び帯電制御剤乳化分散液の添加は、例えば、図1に示すようなヘンシェルミキサー1を用いて行うことができる。即ち、ヘンシェルミキサー1の上部蓋の材料添加口にゴム栓3を介して分液ロート2が取り付けられており、この分液ロート2内には所定量の帯電制御剤乳化分散液が収容されている。ヘンシェルミキサー1内の結着樹脂、着色剤、及び離型剤を混合する際に、分液ロート2のコックを開けて、帯電制御剤乳化分散液の添加を行う。混合終了後、原料混合物は、排出口4から排出される。
原料混合物は、次いで混練機に供給され、そこで溶融混練される。混練機としては、特に限定されないが、例えば、2軸混練機、オープンロール型混練機等を用いることができる。オープン型混練機としては、連続式2本ロールミル、連続式3本ロールミル、及びバッチ式ロールミル等、任意の型のものを用いることができる。
混練機から排出された溶融混練物は、通常、トナーの製造に用いられる方法に従って、冷却され、粉砕され、所定の粒度に分級されて、トナー粒子母体が得られる。冷却手段、粉砕手段及び分級手段は、特に限定されず、通常トナーの製造に用いられるものを採用することが出来る。例えば、冷却には、圧延や空気流の吹き付けによる冷却手段を用いることができ、粉砕には、衝突板式粉砕機等の気流粉砕機を用いることができ、分級には、様々な気流分級機を用いることができる。
このようにして得たトナー粒子母体に、シリカ等の外添剤を加え、混合・攪拌することにより、電子写真用トナーが得られる。
以上のように、本発明の一実施形態により得た電子写真用トナーは、所定の帯電制御剤を含む乳化分散液が添加された原料混合物を、溶融混練して製造されたものであるため、原料の均一な混合と帯電制御剤の高度な分散によって、優れたカブリ特性、濃度安定性、及びゴースト特性を有している。
図2は、以上説明した本発明の電子写真用トナーを用いて画像形成をするための画像形成装置を示す。
図2に示す画像形成装置は、現像装置11と感光体ドラム12とを備えている。現像装置11は、内部にトナーを収容するトナーホッパー13、トナーを供給する供給ロール14、供給ロール14から供給されたトナーを感光体ドラム12に付与し、感光体ドラム12の表面の静電潜像を現像する弾性体からなる現像ロール15、この現像ロール15に摺接して、現像ロール15表面のトナー層の厚さを規制するドクターブレード16を具備している。感光体ドラム12の周囲には、感光体ドラム12の表面を一様に帯電する帯電ロール17、帯電した感光体ドラム12の表面に原稿像を露光して、静電潜像を形成するLED18が配置されている。
感光体ドラム12の下部には、転写ベルト19が感光体ドラム12の回転とともに走行しており、転写シート20により感光体ドラム12と接触して、現像されたトナー像は、用紙21に転写される。なお、転写後も感光体ドラム12の表面に残留する、転写されなかったトナーは、クリーニングブレード22により除去される。
以上のように構成される画像形成装置に上述した本実施形態に係るトナーを実装し、弾性現像ロールの搬送速度を100mm/秒以上の高速で動作させても、カブリ特性、画質、耐久性、定着性は良好である。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明について更に具体的に説明する。
最初に、以下の実施例及び比較例におけるが帯電制御剤乳化分散液の調製方法、帯電制御剤の粒径測定方法、原料混合条件、帯電制御剤乳化分散液の添加条件、外添剤混合条件、混練条件、軟化点、ガラス転移点、トナー粒径の測定方法について説明する。
1.帯電制御剤乳化分散液の調製
帯電制御剤(LR−147、日本カーリット(株)製)を乳鉢で粉砕し、帯電制御剤微粒子1を得た。ビーカーに蒸留水を95質量部、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを5質量部を投入し、プロペラ羽の付いた撹拌機で10分間撹拌した後、帯電制御剤微粒子1を10質量部投入し、1時間撹拌を行い、帯電制御剤乳化分散液1を得た。乳化分散液数滴を常温で乾燥させたあと、後記する方法にて粒径を測定したところ、平均粒径は1.0μm以下であった。
帯電制御剤(LR−147、日本カーリット(株)製)を乳鉢で粉砕し、帯電制御剤微粒子1を得た。ビーカーに蒸留水を95質量部、ノニオン界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルを5質量部を投入し、プロペラ羽の付いた撹拌機で10分間撹拌した後、帯電制御剤微粒子1を10質量部投入し、1時間撹拌を行い、帯電制御剤乳化分散液1を得た。乳化分散液数滴を常温で乾燥させたあと、後記する方法にて粒径を測定したところ、平均粒径は1.0μm以下であった。
2.帯電制御剤微粒子の粒径測定方法
帯電制御剤微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、微粒子100粒を無作為に選択し、長軸・短軸を測定し、その平均値を粒径とした。
帯電制御剤微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影し、微粒子100粒を無作為に選択し、長軸・短軸を測定し、その平均値を粒径とした。
3.原料混合条件
投入量はヘンシェルミキサーの容積に対し、70〜80%の範囲になるよう投入量を調整した。撹拌羽は標準の羽を装着し、周速20m/secで回転させた。
投入量はヘンシェルミキサーの容積に対し、70〜80%の範囲になるよう投入量を調整した。撹拌羽は標準の羽を装着し、周速20m/secで回転させた。
4.帯電制御剤乳化分散液の添加条件
分液ロートに予め帯電制御剤乳化分散液を計量しておき、図1に示すように、ヘンシェルミキサーの上部蓋の材料添加口に設置した。撹拌開始10秒後以降に添加をスタートさせ、10分以内に必要量の添加を終了させた。
分液ロートに予め帯電制御剤乳化分散液を計量しておき、図1に示すように、ヘンシェルミキサーの上部蓋の材料添加口に設置した。撹拌開始10秒後以降に添加をスタートさせ、10分以内に必要量の添加を終了させた。
5.外添剤混合条件
投入量はヘンシェルミキサーの容積に対し、70〜80%の範囲になるよう投入量を調整した。撹拌羽は強撹拌羽を装着し、周速40m/secで回転させた。
投入量はヘンシェルミキサーの容積に対し、70〜80%の範囲になるよう投入量を調整した。撹拌羽は強撹拌羽を装着し、周速40m/secで回転させた。
6.混練条件
2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)を使用。混練温度設定はスクリュー長さ方向に8分割されたゾーンのうち供給側4ゾーンは70℃、排出側4ゾーンは100℃に設定した。供給量は25kg/hで行った。
2軸押出機(スクリュウ径43mm、L/D=34)を使用。混練温度設定はスクリュー長さ方向に8分割されたゾーンのうち供給側4ゾーンは70℃、排出側4ゾーンは100℃に設定した。供給量は25kg/hで行った。
7.軟化点の測定
装置:フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)
試料:1g
昇温速度:6℃/分
荷重:20kg
ノズル:直径1mm、長さ1mm
1/2法:試料の半分が流出した温度を軟化点とした。
装置:フローテスター((株)島津製作所製、CFT−500D)
試料:1g
昇温速度:6℃/分
荷重:20kg
ノズル:直径1mm、長さ1mm
1/2法:試料の半分が流出した温度を軟化点とした。
8.トナー粒径の測定
装置:マルチサイザーII(コールター(株)製)
試料:ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。
装置:マルチサイザーII(コールター(株)製)
試料:ビーカーに試料少量と精製水、界面活性剤を入れ、超音波洗浄器にて分散した。
測定:アパーチャーは100μmで行い、カウントは50,000個で行い、体積平均粒径を得た。
9.ガラス転移点(Tg)の測定
装置:示差走査熱量計((株)島津製作所製:DSC−60)
試料:8mg
昇温条件:10℃/分で160℃まで昇温し、降温速度10℃/分で35℃まで冷却したあと、再度10℃/分で160℃まで昇温する。
装置:示差走査熱量計((株)島津製作所製:DSC−60)
試料:8mg
昇温条件:10℃/分で160℃まで昇温し、降温速度10℃/分で35℃まで冷却したあと、再度10℃/分で160℃まで昇温する。
2回目の昇温時において、転移により得られる曲線部分の2つの接線の交点をガラス転移点とした。
実施例1
結着樹脂として、ポリエステル樹脂(軟化点120℃、Tg67℃)92質量部、着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3を4質量部、離型剤としてカルナバワックス1号粉末(融点83℃、(株)加藤洋行輸入品)を3質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、標準羽装着)に投入した。上述のように調製した帯電制御剤微粒子1を含む帯電制御剤乳化分散液1を分液ロートに10質量部(うち帯電制御剤固形分として1質量部)計量し、ヘンシェルミキサーを撹拌しながら全量添加した。
結着樹脂として、ポリエステル樹脂(軟化点120℃、Tg67℃)92質量部、着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3を4質量部、離型剤としてカルナバワックス1号粉末(融点83℃、(株)加藤洋行輸入品)を3質量部をヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、標準羽装着)に投入した。上述のように調製した帯電制御剤微粒子1を含む帯電制御剤乳化分散液1を分液ロートに10質量部(うち帯電制御剤固形分として1質量部)計量し、ヘンシェルミキサーを撹拌しながら全量添加した。
帯電制御剤乳化分散液1の添加終了後、10分間撹拌を行った。得られた混合粉体をスクリューフィーダーで2軸押出機に供給し、溶融混練し、延伸、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した後、衝突式粉砕機・風力分級機にて、トナー平均粒径が6.0μmになるように粉砕分級を行い、粒子を得た。
得られた微粒子100質量部に外添剤として、「RY200」(日本アエロジル(株)製:疎水性シリカ)を2質量部添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、撹拌強化羽装着)で3分間撹拌混合し、トナーを得た。
実施例2
帯電制御剤として、LR−147の代わりに、E−89(オリエント化学工業(株)製)を用いて、帯電制御剤微粒子2を含む帯電制御剤乳化分散液2を得た。帯電制御剤微粒子2の粒径は0.5μmであった。帯電制御剤乳化分散液1の代わりに帯電制御剤乳化分散液2を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、LR−147の代わりに、E−89(オリエント化学工業(株)製)を用いて、帯電制御剤微粒子2を含む帯電制御剤乳化分散液2を得た。帯電制御剤微粒子2の粒径は0.5μmであった。帯電制御剤乳化分散液1の代わりに帯電制御剤乳化分散液2を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例3
帯電制御剤として、LR−147の代わりに、E−84(オリエント化学工業(株)製)を用い、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルの代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて、帯電制御剤微粒子3を含む帯電制御剤乳化分散液3を得た。帯電制御剤微粒子3の粒径は1.0μmであった。帯電制御剤乳化分散液1の代わりに帯電制御剤乳化分散液3を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、LR−147の代わりに、E−84(オリエント化学工業(株)製)を用い、界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルの代わりにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて、帯電制御剤微粒子3を含む帯電制御剤乳化分散液3を得た。帯電制御剤微粒子3の粒径は1.0μmであった。帯電制御剤乳化分散液1の代わりに帯電制御剤乳化分散液3を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
実施例4
トナー中の帯電制御剤の割合を2質量%としたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
トナー中の帯電制御剤の割合を2質量%としたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例1
帯電制御剤として、帯電制御剤乳化分散液1を使用せず、帯電制御剤微粒子1を粉体のまま他の原料と一緒に混合したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、帯電制御剤乳化分散液1を使用せず、帯電制御剤微粒子1を粉体のまま他の原料と一緒に混合したことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例2
帯電制御剤として、帯電制御剤乳化分散液2を使用せず、帯電制御剤微粒子2を粉体のまま他の原料と一緒に混合した以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、帯電制御剤乳化分散液2を使用せず、帯電制御剤微粒子2を粉体のまま他の原料と一緒に混合した以外は実施例2と同様にしてトナーを得た。
比較例3
帯電制御剤として、帯電制御剤乳化分散液3を使用せず、帯電制御剤微粒子3を粉体のまま他の原料と一緒に混合した以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、帯電制御剤乳化分散液3を使用せず、帯電制御剤微粒子3を粉体のまま他の原料と一緒に混合した以外は実施例3と同様にしてトナーを得た。
比較例4
トナー中の帯電制御剤の割合を3質量%としたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
トナー中の帯電制御剤の割合を3質量%としたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例5
帯電制御剤として、LR−147の代わりに、F−21(オリエント化学工業(株)製)を用いて、帯電制御剤微粒子4を含む帯電制御剤乳化分散液4を得た。帯電制御剤微粒子4の粒径は3.0μmであった。帯電制御剤乳化分散液1の代わりに帯電制御剤乳化分散液4を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、LR−147の代わりに、F−21(オリエント化学工業(株)製)を用いて、帯電制御剤微粒子4を含む帯電制御剤乳化分散液4を得た。帯電制御剤微粒子4の粒径は3.0μmであった。帯電制御剤乳化分散液1の代わりに帯電制御剤乳化分散液4を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
比較例6
帯電制御剤として、界面活性剤を用いずに水とLR−147とを混合した、乳化していない混合物を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
帯電制御剤として、界面活性剤を用いずに水とLR−147とを混合した、乳化していない混合物を用いたことを除いて、実施例1と同様にしてトナーを得た。
以上の実施例及び比較例で得たトナー試料について、下記の試験を行い、特性を評価し
試験1−かぶり
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機、プロセススピード129mm/sec)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、白紙印字を行い、印字している途中でフロント扉を開けることにより、印字を強制終了させ、その時のOPCドラム上のカブリトナーをメンディングテープに写しとり、白紙に貼り付けて、カブリトナーを採取していないテープと比較した。
試験1−かぶり
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分29枚(A4横)機、プロセススピード129mm/sec)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字画像を10,000枚連続印字した後、白紙印字を行い、印字している途中でフロント扉を開けることにより、印字を強制終了させ、その時のOPCドラム上のカブリトナーをメンディングテープに写しとり、白紙に貼り付けて、カブリトナーを採取していないテープと比較した。
測定は日本電色工業(株)製の分光式色差計「SE−2000」を用いて得られるXYZ値よりかぶり前後の差の最大値をカブリ値として求め、下記のように評価した。
◎:カブリ値が2未満で良好
○:カブリ値が2以上5未満で良好
△:カブリ値が5以上10未満で実用上問題ないレベル
×:カブリ値が10以上で悪い
試験2−濃度安定性
試験1と同様の装置を用い、通常環境(25℃、50%RH)において、5%印字画像を14,000枚連続印字した。途中、2,000枚おきにA4ベタ画像を印字し、四隅と中央の5点について画像濃度を測定し、平均濃度を求めた(その際、白スジ等による画像欠陥部分は測定しない)。
○:カブリ値が2以上5未満で良好
△:カブリ値が5以上10未満で実用上問題ないレベル
×:カブリ値が10以上で悪い
試験2−濃度安定性
試験1と同様の装置を用い、通常環境(25℃、50%RH)において、5%印字画像を14,000枚連続印字した。途中、2,000枚おきにA4ベタ画像を印字し、四隅と中央の5点について画像濃度を測定し、平均濃度を求めた(その際、白スジ等による画像欠陥部分は測定しない)。
各サンプリングポイントで求めた平均濃度のうち、最大値、最小値から次式により濃度安定性を求め、評価した。
濃度安定性(%)=平均濃度の最小値/平均濃度の最大値×100
◎:濃度安定性が95%以上で良好
○:濃度安定性が85%以上で良好
△:濃度安定性が75%以上で実用上問題ないレベル
×:濃度安定性が75%未満で悪い
試験3−ゴースト
試験1と同様の装置にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、ゴースト現象の発生を確認し易い画像を印字する。目視にて、ゴースト現象発生の有無を確認し、ゴースト評価とした。
◎:濃度安定性が95%以上で良好
○:濃度安定性が85%以上で良好
△:濃度安定性が75%以上で実用上問題ないレベル
×:濃度安定性が75%未満で悪い
試験3−ゴースト
試験1と同様の装置にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、ゴースト現象の発生を確認し易い画像を印字する。目視にて、ゴースト現象発生の有無を確認し、ゴースト評価とした。
図3にゴースト現象の説明図を示す。図3において、左側の印字画像はゴースト現象がない正常な画像であるのに対し、右側の画像には、ポジティブゴーストとネガティブゴーストが発生している。
上記表1から、次のことが明らかである。即ち、1μm以下の粒径を有し、原料の2質量%以下の帯電制御剤を、水に分散され、乳化した状態で原料混合工程に供給して製造された実施例1〜3のトナーは、いずれも、かぶり、濃度安定性、及びゴースト特性のすべてにおいて優れている。
これに対し、帯電制御剤を粉体のまま添加して得た比較例1〜3のトナーは、いずれの特性も劣っており、特にかぶり特性が劣っている。また、トナー中の帯電制御剤の量が多い比較例4のトナーは、かぶり特性及び濃度安定性は良好であるものの、ゴースト特性が悪い。
また、帯電制御剤の粒径を3.0μmとした比較例5のトナーは、濃度安定性及びゴースト特性が劣っている。更に、界面活性剤を入れないため、乳化状態にない帯電制御剤と水の混合液を用いた比較例6のトナーは、濃度安定性が劣っている。
1…ヘンシェルミキサー、2…分液ロート、3…ゴム栓、4…排出口、11…現像装置、12…感光体ドラム、13…トナーホッパー、14…供給ロール、15…現像ロール、16…ドクターブレード、17…帯電ロール、18…LED、19…転写ベルト、20…転写シート、21…用紙、22…クリーニングブレード。
Claims (4)
- 結着樹脂、着色剤、離型剤、及び帯電制御剤を含む原料を混合する工程、
原料混合物を溶融混練する工程、
混練物を冷却固化した後、粉砕する工程、及び
粉砕物を分級する工程
を具備する電子写真用トナーの製造方法において、
前記帯電制御剤は、1μm以下の粒径を有し、トナー構成材料の2質量%以下であり、水に分散され、乳化した状態で前記原料混合工程に供給されることを特徴とする電子写真用カラートナーの製造方法。 - 請求項1に記載の方法により製造されたことを特徴とする電子写真用カラートナー。
- トナーを担持搬送するための弾性現像ロールと、この弾性現像ロール上に前記トナーを薄層状に形成するように前記トナーの厚さを規制するためのトナー層規制部材とを備え、前記弾性現像ロールの搬送速度が100mm/秒以上である現像装置に用いられることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用カラートナー。
- オイルの供給機構を有しない定着器を備える電子写真用印字装置に用いられることを特徴とする請求項2に記載の電子写真用カラートナー。
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JP2006095267A JP2007271768A (ja) | 2006-03-30 | 2006-03-30 | 電子写真用カラートナーの製造方法 |
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2006
- 2006-03-30 JP JP2006095267A patent/JP2007271768A/ja active Pending
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