JP2007271692A - 高倍率ズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】4群構成のズームレンズにおいて、手振れ防止機能を有する高倍率ズームレンズを提供する。
【解決手段】物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力の第1のレンズ群1、負の屈折力の第2レンズ群2、正の屈折力の第3レンズ群3、正の屈折力の第4レンズ群4を備え、第1レンズ群1と第2レンズ群2とが相対的に距離を変化させることにより倍率を変倍する機能を備える高倍率ズームレンズであって、第3レンズ群3は、正の屈折力をもつ物体側で第1の曲率半径のプラスチックレンズ3aと像側に前記第1の曲率半径より小さい凹面を有する負レンズ3bから成り、手振れによる撮影画像を補正する為に光軸に対して垂直方向に第3レンズ群3を移動させる。
【選択図】図1
【解決手段】物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力の第1のレンズ群1、負の屈折力の第2レンズ群2、正の屈折力の第3レンズ群3、正の屈折力の第4レンズ群4を備え、第1レンズ群1と第2レンズ群2とが相対的に距離を変化させることにより倍率を変倍する機能を備える高倍率ズームレンズであって、第3レンズ群3は、正の屈折力をもつ物体側で第1の曲率半径のプラスチックレンズ3aと像側に前記第1の曲率半径より小さい凹面を有する負レンズ3bから成り、手振れによる撮影画像を補正する為に光軸に対して垂直方向に第3レンズ群3を移動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は手振れによって生じる像の振れを光学的に補正する手振れ補正機能を有するズームレンズに関し、特に、ビデオカメラやデジタルスチルカメラに好適な低コストで高倍率ズームレンズに関する。
従来、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影系には、手振れ補正機能が主流となっている。手振れ補正用のズームレンズとして物体側から順に、正の屈折力の第1レンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群より成る4群構成のズームレンズにおいて、第3レンズ群の全体、或いは一部を光軸に垂直方向に移動させて防振を行う光学系が種々提案されている。例えば、特許文献1、特許文献2に記載されているようなものがあった。
特開2003−228001号公報
特開2000−321494号公報
特開2003−228001号公報では、前記第3レンズ群を正と負の二つのレンズ群に分割し、正のレンズ群を光軸と垂直方向に振動させて防振効果を得るズームレンズを提案している。第3レンズ群を分割することにより、正のレンズ群の偏芯敏感度を大きくすることができ、防振時の移動シフト量を小さくとることができる。一方、特開2000−321494号公報では、手振れ補正は前記第3レンズ群全体を光軸と垂直方向に振動させる。ズーム比は20〜23倍と高倍率を達成しており、前記第3レンズ群は硝子レンズ3枚で構成された実施例を示している。
CCD等を用いた撮像素子において、高集積化が進んでいる状況においては、撮影系にも高解像の光学系が求められおり、偏芯に対する要求は益々厳しくなってきている。撮影光学系の一部のレンズ群を光軸に対して垂直方向に移動させて手振れ補正を行う場合、防振時の偏芯収差を如何にして抑えるかが大きな課題である。手振れ補正群の移動量をΔy、手振れ補正画角をθ、光学系全系の焦点距離をf、手振れ補正群の敏感度をSとすると、移動量Δyは次式で表される。
Δy = f・tanθ/S
前者のように第3レンズ群を分割して、防振レンズ群の感度Sを大きくし、移動のシフト量を小さくとる手法があるが、分割することによって第3レンズ群の全長が長くなり、小型化には不利となる。また、構成枚数が多くなり全系で14〜15枚となるため、コスト上昇は免れない。一方、後者の場合は前記第3レンズ群のシフト量を小さくとるために前記第4レンズ群の近軸横倍率が大きく設定されている。シフト量を小さくとるのには有利であるが、合焦時の画角変動が大きくなってしまう。また、高倍率になればなるほど望遠側の焦点距離fが長くなり、防振の補正角度θが同じとすると、補正の為のシフト量Δyは大きくなってしまい、高倍率ズームレンズでは防振性能の維持が困難になる。
前者のように第3レンズ群を分割して、防振レンズ群の感度Sを大きくし、移動のシフト量を小さくとる手法があるが、分割することによって第3レンズ群の全長が長くなり、小型化には不利となる。また、構成枚数が多くなり全系で14〜15枚となるため、コスト上昇は免れない。一方、後者の場合は前記第3レンズ群のシフト量を小さくとるために前記第4レンズ群の近軸横倍率が大きく設定されている。シフト量を小さくとるのには有利であるが、合焦時の画角変動が大きくなってしまう。また、高倍率になればなるほど望遠側の焦点距離fが長くなり、防振の補正角度θが同じとすると、補正の為のシフト量Δyは大きくなってしまい、高倍率ズームレンズでは防振性能の維持が困難になる。
また、防振のためのシフトレンズ群は光軸と垂直方向に振動させる。光軸方向に可動である第2、第4レンズ群とは違って、重力に逆らって駆動させるためにシフトレンズ群には小型軽量が要求される。アクチュエータ等の駆動手段への負担を軽減し、光軸中心で精度良く振動させることが肝要である。シフトレンズ群を硝子レンズ2〜3枚で構成したのでは、重量が重くなりアクチュエータへの負担が大きくなり、精度良く制御できない。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、4群構成のズームレンズにおいて、変倍時及びフォーカス時に像面に対して固定された状態にある第3レンズ群を光軸に垂直に振動させることによって手振れを補正する際、第3レンズ群の形状、屈折力配置を適切に設定し、プラスチックレンズを用いて小型軽量で構成することにより、手振れ時の偏芯収差の発生量を小さくし、画面全体にわたって、高画質な画像を実現できる小型軽量の高倍率ズームレンズを低価格で提供することを目的とする。
従来の課題を解決するために、本発明の高倍率ズームレンズは、物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力の第1のレンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を備え、前記第1レンズ群と第2レンズ群とが相対的に距離を変化させることにより倍率を変倍する機能を備える高倍率ズームレンズであって、前記第3レンズ群は、正の屈折力をもつ物体側で第1の曲率半径のプラスチックレンズと像側に前記第1の曲率半径より小さい凹面を有する負レンズから成り、手振れによる撮影画像を補正する為に光軸に対して垂直方向に前記第3レンズ群を移動させることを特徴としたものである。
本発明の構成により、高倍率ズームレンズ構成で、防振制御を効率的に実現することができる。
本発明の高倍率ズームレンズによれば、第3レンズ群を正の屈折力のプラスチックレンズと、像側に強い凹面を有する負の屈折力のレンズで構成する。これらの正レンズと負レンズの屈折力と形状を最適に設定し、少なくとも1面の非球面を有することにより、防振時の偏芯収差(特に球面収差、コマ収差、像面湾曲)の発生量を小さく抑えることが可能となる。また、重量比率が大きい正レンズの材料にプラスチックを用いることにより小型軽量で迅速な高精度の防振制御が可能となる。また、第4レンズ群には非球面を有するプラスチックレンズを用いることにより、光学性能を良好に補正することができる。
以下に、本発明の高倍率ズームレンズの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1における高倍率ズームレンズの構成図を示す。図1に示すように、高倍率ズームレンズの全体構成は、正の屈折力をもつ光軸方向に固定構造の第1レンズ群1、負の屈折力をもつ光軸方向に可動に構成される第2レンズ群2、正の屈折力をもち光軸方向に固定されるが光軸に対し垂直方向に移動可能で手振れ補正機能を有する第3レンズ群3、正の屈折力をもつ光軸方向に可動構造の第4レンズ群4から構成される。
第1レンズ群1は、負レンズ1aと正レンズ1bとを貼りあわせた接合レンズ、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ1cとにより構成され、正の屈折力を有しかつ固定構造とされている。第2レンズ群2は、負レンズ2aと、両凹レンズ2bと正レンズ2cとの接合レンズとにより構成され負の屈折力を有する。第3レンズ群3は、正のプラスチックレンズ3aと物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズ3bで構成され、この第3レンズ群を構成するレンズの少なくとも1面が非球面を有する。尚、この第3レンズ群は変倍時及び合焦時、光軸方向に固定されている。第4レンズ群4は、プラスチックレンズ4aと、正レンズ4bと負レンズ4cとを貼り合わせた正の接合レンズとの2群3枚のレンズ群によって構成されている。プラスチックレンズ4aは、その少なくとも1面が非球面である。Sは絞りであり、EGは、撮像素子のカバー硝子およびローパスフィルター等の等価硝子である。第2レンズ群2と第4レンズ群4とは、可動に構成されて、その光軸上を移動する。手振れによる像の移動を補正する為に第3レンズ群3が光軸に対して垂直方向に移動可能である。
本実施の形態においては、図1に示すように、第1群が3枚、第2群が3枚、第3群が2枚、第4群が3枚の計11枚とレンズ枚数が少ない構成ながら高倍率ズームで、かつコンパクト化を図ることができる。実施例に記載しているように、実用的には30倍くらいまでは充分この構成が可能である。
人が撮影を行うとき、どんなに気をつけても手振れが発生する。手振れは画角の狭い望遠側において顕著に現れる。原因としては、体の揺れや、筋肉の振動等が考えられるが、具体的には、最大約20Hzの周波数で、±0.5°程度までの振れ角が発生するとみられている。本発明では第3レンズ群3の全体を光軸に対して垂直方向に振動させることにより手振れ補正を行う。光軸に対し垂直方向のシフトによって、性能落下が懸念されるが、手振れ補正時の光学性能はシフトさせるレンズ3aと3bの屈折力及び形状に大きく左右される。
まず、第3レンズ群3を正レンズ3aと負レンズ3bで構成することにより、手振れ補正時の色収差の変動量を小さく抑えることができる。例えば3aはd線に対するアッベ数が55以上の低分散材料で、3bは同アッべ数が30以下の高分散材料で構成することにより、3群全体で色収差の発生を小さく抑え、シフト時の変動量も小さく抑えることが可能となる。
また、正レンズ3aは物体側に強い凸面を有し、負レンズ3bは像側に強い凹面を有する構成となっている。凸面では内向コマ及びアンダーの像面湾曲が発生し、凹面では外向コマ及びオーバーの像面湾曲が発生する。これらのバランスをとり、打ち消しあうことによって性能を維持しているが、手振れ補正時3群を光軸と垂直方向にシフトさせたときも正レンズ3aの物体側の凸面や、負レンズ3bの像側凹面でコマ収差や像面湾曲の発生が大きくなる。
そこで本実施例1の高倍率ズームレンズでは、第3レンズ群3に用いられる正のプラスチックレンズ3aの焦点距離をf31、負レンズ3bの焦点距離をf32、広角端における全系の焦点距離をfwとすると、条件式(1)、(2)を満足するように構成する。
4.0 < f31/fw < 7.0 ・・・(1)
8.0 <|f32/fw|< 14.0・・・(2)
条件式(1)は、第3レンズ群内のプラスチックレンズ3aの屈折力に関するものである。条件式(1)において、下限を超えて正の屈折力が強くなりすぎると、レンズ面の曲率半径が小さくなり、手振れ補正の偏芯時に発生する収差量が大きくなる。また、このレンズ3aはプラスチックで構成されている為に、屈折力が強くなりすぎると温度変化によるバックフォーカスの変動が大きくなり、好ましくない。
8.0 <|f32/fw|< 14.0・・・(2)
条件式(1)は、第3レンズ群内のプラスチックレンズ3aの屈折力に関するものである。条件式(1)において、下限を超えて正の屈折力が強くなりすぎると、レンズ面の曲率半径が小さくなり、手振れ補正の偏芯時に発生する収差量が大きくなる。また、このレンズ3aはプラスチックで構成されている為に、屈折力が強くなりすぎると温度変化によるバックフォーカスの変動が大きくなり、好ましくない。
一方、条件式(1)の上限を越えて正の屈折力が弱くなりすぎると、バックフォーカスが長くなりすぎる。バックフォーカスを確保しようとすると、同じ第3レンズ群内の負の屈折力3bを弱くする必要がある。負の屈折力を弱めると、色収差の補正が困難となる。
条件式(2)は、第3レンズ群内のメニスカスレンズ3bの屈折力に関するものである。条件式(2)において、下限を超えて負の屈折力が強くなりすぎると、バックフォーカスが長くなりすぎる。バックフォーカスを確保しようとすると、同じ第3レンズ群内の正の屈折力3aを強くする必要がある。正の屈折力を強めると、レンズ面の曲率半径が小さくなり、手振れ補正の偏芯時に発生する収差量が大きくなる。
一方、条件式(2)の上限を超えて負の屈折力が弱くなりすぎると、第3レンズ群全体での色収差の補正が困難となり、手振れ補正時に色収差の発生が大きくなる。即ち、条件式(1)、(2)によって色収差や手振れ補正時の収差を良好に補正し、バックフォーカスを確保しながら小型化を実現させる。
また、本実施例1では、前記第3レンズ群に用いられる正レンズ3aの物体側の曲率半径をR311、負レンズ3bの像面側の曲率半径をR322としたとき、条件式(3)を満足するように構成する。
1.0 < R311/R322 <1.4・・・(3)
条件式(3)は、第3レンズ群3の物体側の面(入射面)と像側の面(射出面)の曲率比を規定したものである。前述したように入射面では内向コマとアンダーの像面湾曲が発生し、射出面では外向コマとオーバーの像面湾曲が発生する。この曲率比を条件式(3)内の範囲に収めることにより、手振れ補正時の収差補正を良好に行うことが可能であることを見出した。条件式(3)の下限を超えて射出面に対して入射面の曲率半径が小さくなると、手振れ補正時、入射面で発生する偏芯収差量が射出面のそれより大きくなり、全系での残存収差が大きく性能が維持できない。一方、条件式(3)の上限を超えて射出面に対して入射面の曲率半径が大きくなると、手振れ補正時、射出面での偏芯収差が残り、全系で性能が維持できない。以上のように条件式(3)の範囲外では、手振れ補正時、入射面及び射出面で、偏芯収差の発生量のバランスが崩れて、全系での像面湾曲やコマ収差の発生が大きくなり、良好な光学性能を得ることができなくなってしまう。条件式(3)は偏芯時の収差を良好に補正し、性能を良好に保つ為のものである。
条件式(3)は、第3レンズ群3の物体側の面(入射面)と像側の面(射出面)の曲率比を規定したものである。前述したように入射面では内向コマとアンダーの像面湾曲が発生し、射出面では外向コマとオーバーの像面湾曲が発生する。この曲率比を条件式(3)内の範囲に収めることにより、手振れ補正時の収差補正を良好に行うことが可能であることを見出した。条件式(3)の下限を超えて射出面に対して入射面の曲率半径が小さくなると、手振れ補正時、入射面で発生する偏芯収差量が射出面のそれより大きくなり、全系での残存収差が大きく性能が維持できない。一方、条件式(3)の上限を超えて射出面に対して入射面の曲率半径が大きくなると、手振れ補正時、射出面での偏芯収差が残り、全系で性能が維持できない。以上のように条件式(3)の範囲外では、手振れ補正時、入射面及び射出面で、偏芯収差の発生量のバランスが崩れて、全系での像面湾曲やコマ収差の発生が大きくなり、良好な光学性能を得ることができなくなってしまう。条件式(3)は偏芯時の収差を良好に補正し、性能を良好に保つ為のものである。
また、本実施例1では、第4レンズ群4に少なくとも1面が非球面であるプラスチックレンズ4aが含まれることが望ましい。第4レンズ群4は、変倍または物体距離の変化に伴う像面の変動を補正するために、光軸方向に可動である。プラスチックレンズを用いることにより軽量化を図り、省電力で精度が良い制御を行うことが可能となる。そして、非球面によって、像面湾曲やコマ収差を補正し、全変倍領域で良好な光学性能を得ることが可能となる。
以上のように、本実施例1においてはプラスチックレンズを効果的に用い、屈折力や構成を適切に設定することにより、手振れ補正時にも収差が良好に補正された低コストで高性能の高倍率ズームレンズが実現できる。
本発明の実施例1についての数値実施例を(表1)に示す。表中r1、r2、…、r21は物体側から順に数えたレンズ各面の曲率半径、d1、d2、…は各レンズの肉厚及び空気間隔、n1,n2,…は各レンズのd線における屈折率、ν1、ν2、…はd線を基準にするアッベ数である。また、全系の焦点距離をf、FナンバーをF/、そして画角を2ωとして示している。表1中の*印を付した面は非球面で構成された面であることを示し、非球面形状は次の式で表される。
x=(h2/r)/(1+(1-(K+1)h2/r2)1/2)+Ah4+Bh6+Ch8+Dh10
但し、xは光軸からの高さがhの非球面形状の非球面頂点の接平面からの距離、rを基準球面の曲率半径とし、非球面係数K,A,B,C,Dは表1に示されるとおりである。
但し、xは光軸からの高さがhの非球面形状の非球面頂点の接平面からの距離、rを基準球面の曲率半径とし、非球面係数K,A,B,C,Dは表1に示されるとおりである。
なお、この実施例1のズームレンズにおける有効像円はφ2.3mmとなっている。レンズ系全体のF値は1.86〜3.41、焦点距離fは2.15〜52.1mmで、f31/fwの値は5.2、|f32/fw|の値は10.8、R311/R322の値は1.20となっており、条件式(1)、(2)、(3)をそれぞれ満たしている。
これらの収差図からわかるように、本実施の形態1のように光学系を構成することにより、収差の小さい良好な光学性能を実現することができる。
本実施の形態において、第3レンズ群中のプラスチックレンズ3a、第4レンズ群中のプラスチックレンズ4aを同一のプラスチック材料とすることができるので、プラスチックレンズの製造において、例えば、一台の射出成形機で行う場合、材料の入れ替えによるロスを無くすことができる。また、プラスチックレンズに反射防止コーティングを施す場合、そのコーティングの構成を共通にすることができるため、例えば、同じ真空蒸着機を用いて同時にコーティングを行うことができる。
このように、製造設備やプラスチック材料を効率的に使用することが可能なため、さらに低コスト化が可能になる。例えば、実施例ではプラスチックレンズの材料を環状オレフィンポリマー(例えば日本ゼオン株式会社で製造される『ZEONEX 480R』、で説明したが、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)(例えば三菱レイヨン株式会社で製造される『アクリペット』、住友化学工業株式会社で製造される『スミペックス』)およびその他の環状オレフィンポリマー(例えば日本ゼオン株式会社で製造される『ZEO1NEX 330R』、JSR株式会社で製造される『ARTON』、三井化学株式会社で製造される『アペル』)、スチレン系樹脂(例えば新日鉄化学株式会社で製造される『エスチレンMS−600』や『エスチレンMS−800』)、低吸湿アクリル(例えば日立化成工業株式会社の製造する『OPTOREZ』、三菱レイヨン株式会社で製造される『アクリペット WF100』)等を使用しても良い。もちろん、第3レンズ群中のプラスチックレンズ、第4レンズ群中のプラスチックレンズに異なる樹脂材料を選択しても良いことは当然である。
図6は、本発明の実施例2の高倍率ズームレンズの構成図を示す。図6において、第1レンズ群1、第2レンズ群2、第3レンズ群3は図1に示す実施例1の構成と同様である。実施例1と異なるのは第4レンズ群のプラスチックレンズ4cを像面側に配置した点である。レンズ系全体のF値は1.86〜3.40、焦点距離fは2.16〜51.8mmで、f31/fwの値は5.1、|f32/fw|の値は10.8、R311/R322の値は1.19となっており、条件式(1)、(2)、(3)をそれぞれ満たしている。
本発明の実施例2についての数値実施例を(表2)に示す。(表2)の各記号等の示す意味は(表1)と同様である。
本発明の実施例2についての数値実施例を(表2)に示す。(表2)の各記号等の示す意味は(表1)と同様である。
図11は、本発明の実施例3の高倍率ズームレンズの構成図を示す。図11において、第1レンズ群1、第2レンズ群2、第3レンズ群3、第4レンズ群4は図6に示す実施例2の構成と同様である。レンズ系全体のF値は1.86〜3.77、焦点距離fは1.98〜58.9mmで、f31/fwの値は5.5、|f32/fw|の値は11.6、R311/R322の値は1.18となっており、条件式(1)、(2)、(3)をそれぞれ満たしている。
本発明の実施例3についての数値実施例を(表3)に示す。(表3)の各記号等の示す意味は(表1)と同様である。
本発明の実施例3についての数値実施例を(表3)に示す。(表3)の各記号等の示す意味は(表1)と同様である。
以上のように本発明によれば、第3レンズ群に最適なレンズタイプでプラスチックレンズを効果的に用いて、そしてその特徴を最大限に生かし、11枚という少ないレンズ構成で収差及び手振れ補正時の性能が良好に補正され、画面全体にわたって、高画質な画像を提供できる小型軽量の高倍率ズームレンズを実現することができる。
1 第1レンズ群
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
S 開口絞り
EG 撮像素子のカバー硝子やローパスフィルター等と光学的に等価な平板硝子
2 第2レンズ群
3 第3レンズ群
4 第4レンズ群
S 開口絞り
EG 撮像素子のカバー硝子やローパスフィルター等と光学的に等価な平板硝子
Claims (9)
- 物体側から像面側に向かって順に、正の屈折力の第1のレンズ群、負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を備え、
前記第1レンズ群と第2レンズ群とが相対的に距離を変化させることにより倍率を変倍する機能を備える高倍率ズームレンズであって、
前記第3レンズ群は、正の屈折力をもつ物体側で第1の曲率半径のプラスチックレンズと像側に前記第1の曲率半径より小さい凹面を有する負レンズから成り、手振れによる撮影画像を補正する為に光軸に対して垂直方向に前記第3レンズ群を移動させることを特徴とする高倍率ズームレンズ。 - 前記第1のレンズ群は、光軸方向に固定構造であり、前記第2レンズ群は、光軸上を可動であることにより倍率を変倍する機能を有し、第3レンズ群は、変倍及び合焦時に光軸方向に固定されるが光軸に対し垂直に移動可能で手振れによる撮像補正機能を有し、前記第4レンズ群は、光軸上を可動で変倍または物体距離の変化に伴う像面の変動を補正する機能を有することを特徴とする請求1に記載の高倍率ズームレンズ。
- 前記第3レンズ群は、正のプラスチックレンズと、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズで構成され、この第3レンズ群を構成するレンズの少なくとも1面が非球面を有することを特徴とする請求項2に記載の高倍率ズームレンズ。
- 前記第3レンズ群に用いられる正レンズの焦点距離をf31、負レンズの焦点距離をf32、広角端における全系の焦点距離をfwとしたとき、
4.0 < f31/fw < 7.0
8.0 <|f32/fw|< 12.0
なる条件を満足する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の高倍率ズームレンズ。 - 前記第3レンズ群に用いられる正レンズの物体側の曲率半径をR311、負レンズの像面側の曲率半径をR322としたとき、
1.0 < R311/R322 <1.4
なる条件を満足する請求項4に記載の高倍率ズームレンズ。 - 前記第3レンズ群の正レンズを所定のアッべ数の低分散材料で構成し、負のメニスカスレンズを前記正レンズよりアッベ数の小さい高分散材料で構成することを特徴とする請求項3に記載の高倍率ズームレンズ。
- 前記正レンズのd線に対するアッベ数は、55より大きく、前記負のメニスカスレンズのアッベ数は30より小さいことを特徴とする請求項6に記載の高倍率ズームレンズ。
- 前記第4レンズ群は、少なくとも1面が非球面であるプラスチックレンズを有することを特徴とする請求項5に記載の高倍率ズームレンズ。
- 第3レンズ群の正のプラスチックレンズと、第4レンズ群中のプラスチックレンズを、同一のプラスチック材料で形成することを特徴とする請求項6に記載の高倍率ズームレンズ。
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2006
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