JP2007270828A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の排気浄化装置において、吸蔵還元型NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に酸素を安定供給し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制可能な技術を提供する。
【解決手段】内燃機関1の排気管7cに配置された吸蔵還元型NOx触媒10と、NOx触媒10より下流の排気管7cに配置され酸化能を有する補助触媒11と、NOx触媒10より上流側の排気中に燃料を供給する還元剤添加弁12と、NOx触媒10より上流側の排気であって、還元剤添加弁12によって燃料が供給されNOx触媒10に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる燃料量が少ない排気を、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給するバイパス通路14と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】内燃機関1の排気管7cに配置された吸蔵還元型NOx触媒10と、NOx触媒10より下流の排気管7cに配置され酸化能を有する補助触媒11と、NOx触媒10より上流側の排気中に燃料を供給する還元剤添加弁12と、NOx触媒10より上流側の排気であって、還元剤添加弁12によって燃料が供給されNOx触媒10に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる燃料量が少ない排気を、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給するバイパス通路14と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼル機関などの内燃機関の排気通路に、吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」という。)を配置し、窒素酸化物(以下、「NOx」という。)を浄化する技術が知られている。
排気通路にNOx触媒が備えられている場合には、NOx触媒のNOx吸蔵能力を再生するために、NOx触媒に吸蔵されたNOxあるいは硫黄酸化物(以下、「SOx」という。)を放出及び還元して除去する必要がある。そのために、例えばNOx触媒より上流の排気通路に取り付けた還元剤添加弁から還元剤を供給し、NOx触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比あるいはリッチ(理論空燃比以下)にしている。
しかし、NOx触媒に流入する排気の空燃比がリッチであると、NOx触媒で作用しない還元剤が白煙となり大気中に排出され、排気エミッションの悪化を招いてしまう。
そこで、NOx触媒より下流の排気通路に酸化能を有する補助触媒を配置すると共に、内燃機関に流入する過給機のコンプレッサ下流の吸気の一部をNOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給し、補助触媒においてNOx触媒から流出する還元剤を酸化し、大気中に排出される還元剤を低減し、排気エミッションの悪化を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、内燃機関に流入する過給機のコンプレッサ下流の吸気の一部をNOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給する場合には、軽負荷時などの過給が小さい時にはNOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給する酸素量が不十分となる。このような場合には、補助触媒においてNOx触媒から流出する還元剤の酸化が促進されず、大気中に還元剤が排出され、排気エミッションが悪化するおそれがあった。
特開2004−76682号公報
特開2001−280125号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、内燃機関の排気浄化装置において、吸蔵還元型NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に酸素を安定供給し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制可能な技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、
内燃機関の排気通路に配置された吸蔵還元型NOx触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より下流の前記排気通路に配置され酸化能を有する補助触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より上流側の排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より上流側の排気であって、前記還元剤供給手段によって還元剤が供給され前記吸蔵還元型NOx触媒に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の前記排気通路に供給するバイパス通路と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置である。
内燃機関の排気通路に配置された吸蔵還元型NOx触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より下流の前記排気通路に配置され酸化能を有する補助触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より上流側の排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より上流側の排気であって、前記還元剤供給手段によって還元剤が供給され前記吸蔵還元型NOx触媒に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の前記排気通路に供給するバイパス通路と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置である。
つまり、本発明では、バイパス通路を介して、NOx触媒より上流側の排気であって、還元剤供給手段によって還元剤が供給され吸蔵還元型NOx触媒に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を、NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給する。
これによると、当該排気がNOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ないことから、当該排気には還元剤量が少なく、かつ酸素を十分含んでおり、当該排気中の酸素を用いて補助触媒においてNOx触媒から流出する還元剤を酸化し、大気中に排出される還元剤を低減し、排気エミッションの悪化を抑制できる。
ここで、NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給される排気は、NOx触媒より上流側の排気である。NOx触媒で圧力損失が生じることに起因して、NOx触媒の前後差圧が生じ、排気はNOx触媒の上流側が下流側よりも高圧となる。このNOx触媒の前後差圧を利用して、バイパス通路において、排気は、NOx触媒より上流側から、NOx触媒と補助触媒との間、すなわちNOx触媒より下流側に滞ることなく流れる。よって、NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に排気中の酸素を安定供給できる。したがって、安定供給される酸素を用いて補助触媒においてNOx触媒から流出する還元剤を酸化し、大気中に排出される還元剤を低減し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制できる。
また、NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給される排気は、内燃機関で燃焼した気体であるので、比較的高温である。このため、当該排気が補助触媒に流れても、補助触媒の温度は低下し難い。よって、補助触媒の温度を、還元剤を酸化させる活性温度に保持し易くなり、補助触媒において還元剤をより効率的に酸化でき、大気中に排出される還元剤を低減し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制できる。
さらに、NOx触媒より上流における排気をNOx触媒と補助触媒との間の排気通路に供給することにより、NOx触媒に流れる排気の量を減少させる。このため、NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチにするために、還元剤供給手段から供給する還元剤の量が減少する。これにより、量が減少した還元剤で酸化反応を行うため、酸化反応が小さくなり、この酸化反応に伴う発熱量も減少し、NOx触媒が過昇温手前の許容最大温度となるまでの還元剤を連続して供給できる供給回数が増加する。この還元剤の供給回数が増加することは、言い換えれば、還元剤を連続して供給する時間が延びることである。よって、還元剤を連続して供給し続け、NOx触媒に流入する排気の空燃比をリッチに保持できる時間が延び、NOx触媒に吸蔵されたNOxあるいはSOxをより効率的に放出及び還元して除去できる。
前記バイパス通路は、内燃機関の気筒の排気ポートに接続された排気マニホールドの排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の排気通路に供給するとよい。これによると、NOx触媒より上流側の排気であって、還元剤供給手段によって還元剤が供給されNOx触媒に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を供給できる。
前記NOx触媒流入排気の空燃比が所定空燃比よりもリッチのときに、前記バイパス通路を介して、前記NOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の排気通路に供給するとよい。これによると、補助触媒においてNOx触媒から流出する還元剤を酸化し、大気中に排出される還元剤を低減し、排気エミッションを抑制できる。ここで、所定空燃比は、理論空燃比や、内燃機関の運転状態から事前に適合した還元剤が白煙として大気中に排出されない程度の空燃比で
ある。
ある。
前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間且つ前記バイパス通路が合流した後の前記排気通路の排気の状態が、排気の温度及び排気の空燃比をパラメータとして定められる所定範囲に含まれるように、前記NOx触媒流入排気又は前記バイパス通路を流通する排気の少なくとも一方の流量を制御するとよい。これによると、補助触媒においてNOx触媒から流出する還元剤を酸化し、大気中に排出される還元剤を低減し、排気エミッションを抑制できる。ここで、所定範囲は、排気の温度及び排気の空燃比をパラメータとして定められる範囲であって、補助触媒において還元剤が良好に酸化できる範囲である。
本発明によると、内燃機関の排気浄化装置において、吸蔵還元型NOx触媒と補助触媒との間の排気通路に酸素を安定供給し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制可能となる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本発明の実施例1に係る排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。
図1は、本発明の実施例1に係る排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。
図1に示す内燃機関1は、1番気筒(#1)〜4番気筒(#4)の4つの気筒2a、2b、2c、2d(以下、総称して気筒2という場合もある。)を有する水冷式の4ストロークサイクル・ディーゼル機関であり、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3a、3b、3c、3d(以下、総称して燃料噴射弁3という場合もある。)を備えている。各燃料噴射弁3は、コモンレール4と接続され、このコモンレール4は燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。
内燃機関1の排気通路7は、内燃機関1の気筒2の排気ポート7a、排気マニホールド7b、排気管7cによって構成されている。排気通路7の排気管7cは、下流にて不図示のマフラーと接続されている。排気管7cの途中には、過給機8のタービンハウジング9が配置されており、排気管7cにおけるタービンハウジング9より下流の部位には、気筒2から排出される排気を浄化するための2つの触媒が設けられている。2つの触媒のうち上流側に配置された触媒は、吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒という)10であり、下流側に配置された触媒は、酸化能を有する補助触媒11である。
また、タービンハウジング9の上流側である排気マニホールド7bにおける内燃機関1の1番気筒2aの排気ポート7a近傍には、排気通路7内を流通する排気中に還元剤たる燃料を供給する還元剤添加弁(還元剤添加手段)12が取り付けられている。還元剤添加弁12は、燃料通路13を介して燃料ポンプ6と接続されている。
一方、排気通路7のタービンハウジング9の上流側であって、排気マニホールド7bにおける内燃機関1の4番気筒2dの排気ポート7a側には、バイパス通路14の入口14aが設けられており、NOx触媒10と補助触媒11との間には、バイパス通路14の出口14bが設けられている。すなわち、バイパス通路14は、排気マニホールド7bの排気を、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給する。バイパス通路14には、排気流量制御弁15が設けられている。
ここで、バイパス通路14に供給される排気に、還元剤添加弁12からの燃料が回り込
んで入り込まないように、バイパス通路14の入口14aは、排気マニホールド7b内で還元剤添加弁12の配置位置から最も遠くに設けられている。このため、バイパス通路14に流れる排気は、NOx触媒10より上流側の排気であって、還元剤添加弁12によって燃料が供給されNOx触媒10に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる燃料が少ない排気である。
んで入り込まないように、バイパス通路14の入口14aは、排気マニホールド7b内で還元剤添加弁12の配置位置から最も遠くに設けられている。このため、バイパス通路14に流れる排気は、NOx触媒10より上流側の排気であって、還元剤添加弁12によって燃料が供給されNOx触媒10に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる燃料が少ない排気である。
以上の構成の内燃機関1には、内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)16が併設されている。このECU16は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAMなどからなる制御コンピュータである。
ECU16は、燃料噴射弁3、還元剤添加弁12と電気配線で接続されており、ECU16が燃料噴射弁3、還元剤添加弁12での燃料供給/停止や燃料供給量を調節することが可能になっている。また、ECU16は、バイパス通路14の排気流量制御弁15と電気配線で接続されており、排気流量制御弁15を開閉制御し、バイパス通路14を流れる排気流量を調節することが可能になっている。
ECU16は、一定時間毎に実行すべき基本ルーチンにおいて、例えば、各種センサの出力信号の入力、機関回転数の演算、燃料供給量の演算、燃料供給時期の演算などを実行する。基本ルーチンにおいてECU16が入力した各種信号やECU16が演算して得られた各種制御値は、ECU16のRAMに一時的に記憶される。
更に、ECU16は、各種のセンサやスイッチからの信号の入力、一定時間の経過、あるいはクランクポジションセンサからのパルス信号の入力などをトリガとした割り込み処理などにおいて、RAMから各種制御値を読み出し、それらの制御値に従って燃料噴射弁3、還元剤添加弁12、排気流量制御弁15などを制御する。
ここで、内燃機関1に配置されるNOx触媒10は、NOx触媒10に流入する排気の空燃比がリーン(理論空燃比以上)であるときには、排気中のNOxを吸蔵して大気中に放出しないようにし、NOx触媒10に流入する排気の空燃比が理論空燃比あるいはリッチであるときには、吸蔵されていたNOxを放出及び還元して除去するものである。また、NOx触媒10は、NOx触媒10に流入する排気の空燃比がリーンであるときには、排気中のSOxをも吸蔵してしまう。
このため、内燃機関1が希薄燃焼運転されている場合には、内燃機関1から排出される排気の空燃比がリーンとなり排気の酸素濃度が高くなるため、排気中に含まれるNOxあるいはSOxがNOx触媒10に吸蔵されることになるが、内燃機関1の希薄燃焼運転が長期間継続されると、NOx触媒10のNOx吸蔵能力が飽和し、排気中のNOxがNOx触媒10に吸蔵されずに大気中へ放出されてしまう。
特に、内燃機関1のようなディーゼル機関では、大部分の運転領域においてリーンの混合気が燃焼され、それに応じて排気の空燃比がリーンとなるため、NOx触媒10のNOx吸蔵能力が飽和し易い。
したがって、内燃機関1が希薄燃焼されている場合には、NOx触媒10のNOx吸蔵能力が飽和する前にNOx触媒10に流入する排気中の酸素濃度を低下させると共に燃料の濃度を高め、NOx触媒10に吸蔵されたNOxあるいはSOxを放出及び還元する必要がある。
このため、ECU16は、ROMに記憶されたアプリケーションプログラムに従って、NOx還元処理又はSOx被毒回復処理といった、NOx触媒10に流入する排気の空燃
比を比較的短い周期でスパイク的に(短時間に)リッチとする、リッチスパイク制御を実行する。
比を比較的短い周期でスパイク的に(短時間に)リッチとする、リッチスパイク制御を実行する。
なお、NOx還元処理は、スパイク的に還元剤添加弁12から排気中へ燃料を添加させることにより、NOx触媒10に流入する排気の空燃比をリッチとし、NOx触媒10に吸蔵されたNOxを放出及び還元する処理である。
SOx被毒回復処理は、スパイク的に還元剤添加弁12から排気中へ燃料を添加させることにより、添加した燃料をNOx触媒10において酸化させ、酸化反応に伴う熱によって触媒温度を600℃〜800℃に昇温させると共にNOx触媒10に流入する排気の空燃比をリッチとし、NOx触媒10に吸蔵されたSOxを放出及び還元させる処理である。
これらのようなリッチスパイク制御では、NOx触媒10に流入する排気の空燃比が比較的短い周期でリーンとスパイク的なリッチとを交互に繰り返すことにより、NOx触媒10がNOxの吸蔵とNOxあるいはSOxの放出及び還元とを交互に短い周期で繰り返すことになる。
ここで、リッチスパイク制御によって、NOx触媒10に流入する排気の空燃比がリッチであると、NOx触媒10で作用しない燃料がNOx触媒10から白煙として大気中に排出され、排気エミッションの悪化を招いてしまう。
そこで、NOx触媒10より下流の排気管7cには、NOx触媒10で作用しない排気中の燃料を酸化させる酸化能を有する補助触媒11を配置すると共に、補助触媒11での燃料の酸化を促進させるべくバイパス通路14から排気マニホールド7bの排気を補助触媒11に供給している。
具体的には、図2に示すように、リッチスパイク制御によって、空燃比のスパイク的なリッチを実現するべくスパイク的に還元剤添加弁12から排気中へ燃料を添加させる時に、同時にバイパス通路14の排気流量制御弁15を開弁し、排気マニホールド7bの排気を補助触媒11に供給する。なお、還元剤添加弁12から排気中へ燃料を添加させない時は、同時にバイパス通路14の排気流量制御弁15を閉弁する。
これによると、スパイク的に還元剤添加弁12から排気中へ燃料を添加させる時に、燃料量が少なくかつ酸素を十分含んだ排気マニホールド7bの排気を、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給し、酸素を用いて補助触媒11においてNOx触媒10から流出する燃料を酸化し、大気中に排出される燃料を低減し、排気エミッションの悪化を抑制できる。
ここで、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給される排気は、NOx触媒10より上流側の排気である。ここで、NOx触媒10で圧力損失が生じることに起因して、NOx触媒10の前後差圧が生じ、排気はNOx触媒10の上流側が下流側よりも高圧となる。このNOx触媒10の前後差圧を利用して、バイパス通路14において、排気は、NOx触媒10より上流側から、NOx触媒10と補助触媒11との間、すなわちNOx触媒10より下流側に圧力差に従って滞ることなく流れる。よって、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに排気マニホールド7bの排気中の酸素を安定供給できる。したがって、安定供給される酸素によって補助触媒11においてNOx触媒10から流出する燃料を酸化し、大気中に排出される燃料を低減し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制できる。
また、NOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給される排気は、内燃機関1で燃焼した気体であるので、比較的高温である。このため、当該排気が補助触媒11に流れても、補助触媒11の温度は低下しない。よって、補助触媒11の温度を、燃料を酸化させる活性温度に保持し易くなり、補助触媒11において燃料をより効率的に酸化でき、大気中に排出される燃料を低減し、排気エミッションの悪化をより好適に抑制できる。
さらに、NOx触媒10より上流における排気をNOx触媒10と補助触媒11との間の排気管7cに供給することにより、NOx触媒10に流れる排気の量を減少させる。このため、NOx触媒10に流入する排気の空燃比をリッチにするために、還元剤添加弁12から供給する燃料の量が減少する。これにより、量が減少した燃料で酸化反応を行うため、酸化反応が小さくなる。そして、この酸化反応に伴う発熱量が減少し、NOx触媒10が過昇温手前の許容最大温度となるまでの燃料を連続して供給できる供給回数が増加する。この燃料の供給回数が増加することは、言い換えれば、燃料を連続して供給する時間が延びることである。よって、燃料を連続して供給し続け、NOx触媒10に流入する排気の空燃比をリッチに保持できる時間が延び、NOx触媒10に吸蔵されたNOxあるいはSOxをより効率的に放出及び還元して除去できる。
なお、上記実施例では、還元剤添加弁12を、排気マニホールド7bに配置する構成であった。しかし、本発明は、これに限られず、排気管7cのタービンハウジング9より下流の部位に還元剤添加弁12を配置してもよい。この場合には、還元剤添加弁12から供給される燃料は、上流側、特に排気マニホールド7bまで回り込むことがないため、バイパス通路14の排気に還元剤添加弁12から供給される燃料が含まれてしまうことを防止できる。
また、上記実施例では、リッチスパイク制御によって、空燃比のスパイク的なリッチを実現するべくスパイク的に還元剤添加弁12から排気中へ燃料を添加させる時に、同時にバイパス通路14の排気流量制御弁15を開弁し、排気マニホールド7bの排気を補助触媒11に供給していた。しかし、これに限られず、NOx触媒10に流入するNOx触媒流入排気の空燃比が所定空燃比よりもリッチの時に、バイパス通路14を介して、NOx触媒流入排気よりも含まれる燃料量が少ない排気を、NOx触媒10と補助触媒11との間に供給してもよい。ここで、所定空燃比は、理論空燃比や、内燃機関1の運転状態から事前に適合した燃料が白煙として大気中に排出されない程度の空燃比である。
<実施例2>
図3は、本発明の実施例2に係る排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。本実施例では、上記実施例で説明した事項については説明を省略し、特徴部分のみを説明する。
図3は、本発明の実施例2に係る排気浄化装置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。本実施例では、上記実施例で説明した事項については説明を省略し、特徴部分のみを説明する。
図3に示す内燃機関1は、NOx触媒10の直下流、すなわちNOx触媒10の下流且つバイパス通路14の出口14bよりも上流の排気管7cに、NOx触媒10から流出する排気の温度を検出する第1排気温度センサ17及びNOx触媒10から流出する排気の空燃比を検出する第1排気空燃比センサ18が配置されている。第1排気温度センサ17及び第1排気空燃比センサ18はECU16に電気配線で接続されており、ECU16がこれらの出力値を読み取ることができるようになっている。
また、バイパス通路14の途中、すなわち排気流量制御弁15の下流のバイパス通路14に、バイパス通路14を流通する排気の温度を検出する第2排気温度センサ19及びバイパス通路14を流通する排気の空燃比を検出する第2排気空燃比センサ20が配置されている。第2排気温度センサ19及び第2排気空燃比センサ20はECU16に電気配線で接続されており、ECU16がこれらの出力値を読み取ることができるようになっている。
ところで、バイパス通路14が分岐した排気管7cとバイパス通路14とに同時に排気を流通させていると、それぞれの通路の流量によって、バイパス通路14が合流した後の排気管7cを流通する排気(合流後排気という)の温度や合流後排気の空燃比が変動する。このため、合流後排気は、その状態によっては補助触媒11で燃料を酸化するのに適さなくなる場合があった。
そこで、本実施例では、合流後排気の状態が、排気の温度及び排気の空燃比をパラメータとして定められる所定範囲に含まれるように、排気流量制御弁15を用いてバイパス通路14を流通する排気の流量を制御するようにした。
具体的には、第1排気温度センサ17、第1排気空燃比センサ18、第2排気温度センサ19、及び第2排気空燃比センサ20の各種センサの出力値、並びに総排気流量のうちバイパス通路14に排気が流通する割合(バイパス分流比という)に基づいて、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比を算出する。この合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれるか否か検証する。合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれない場合には、バイパス分流比を変更し、最終的に合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれるようにする。そして、この所定範囲に含まれる合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比を算出する際のバイパス分流比に基づいて、排気流量制御弁15を用いてバイパス通路14を流通する排気の流量を制御する。
したがって、これによると、補助触媒11においてNOx触媒10から流出する燃料を酸化し、大気中に排出される燃料を低減し、排気エミッションを抑制できる。ここで、上記所定範囲は、排気の温度及び排気の空燃比をパラメータとして定められる範囲であって、補助触媒11において燃料が良好に酸化できる範囲である。
ここで、本実施例の排気流量制御弁15を用いてバイパス通路14を流通する排気の流量を制御する時の制御ルーチンについて、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、本ルーチンは、ECU16に予め記憶されており、周期的に実行されるルーチンである。
ステップS101では、まず、ECU16は、バイパス分流比を初期値に設定する。当該初期値は、事前に適合した0〜1間の値である。本実施例では、初期値は最も0側に設定される。
ステップS102では、ECU16は、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比を算出する。
詳しくは、エアフローメータが検出する吸入空気量などから求まる排気流量をga、バイパス分流比をγ、第1排気温度センサ17で検出する第1排気温度をT1、第2排気温度センサ19で検出する第2排気温度をT2、算出する合流後排気の温度をT3とすると、
T3=(ga×(1−γ)×T1+ga×γ×T2)/ga・・・(式1)
となる式1から合流後排気の温度を算出する。
T3=(ga×(1−γ)×T1+ga×γ×T2)/ga・・・(式1)
となる式1から合流後排気の温度を算出する。
また、第1排気空燃比センサ18で検出する第1排気空燃比をA1、第2排気空燃比センサ20で検出する第2排気空燃比をA2、NOx触媒10から流出する排気の燃料質量である第1燃料質量をF1、バイパス通路14を流通する排気の燃料質量である第2燃料
質量をF2とすると、
A1=ga×(1−γ)/F1、A2=ga×γ/F2と表せる。
質量をF2とすると、
A1=ga×(1−γ)/F1、A2=ga×γ/F2と表せる。
このため、合流後排気の空燃比をA3とすると、
A3=ga/(F1+F2)=ga/(ga×(1−γ)/A1+ga×γ/A2)・・・(式2)
となる式2から合流後排気の空燃比を算出する。
A3=ga/(F1+F2)=ga/(ga×(1−γ)/A1+ga×γ/A2)・・・(式2)
となる式2から合流後排気の空燃比を算出する。
ステップS103では、ECU16は、ステップS102で算出した合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれるか否かを検証する。具体的には、図5に示すマップの右上の所定範囲である燃料酸化良好範囲に含まれるかを検証する。なお、所定範囲は、排気の温度及び排気の空燃比をパラメータとして定められる範囲であって、補助触媒11において燃料が良好に酸化できる範囲である。
ステップS103において、所定範囲に含まれない場合には、ステップS104へ進む。また、所定範囲に含まれる場合には、ステップS105へ進む。
ステップS104では、ECU16は、バイパス分流比を所定量αだけ増加させるよう変更し、ステップS102へ戻る。そして、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれるまで、バイパス分流比を変更するこのステップS104のループを繰り返す。
なお、本実施例では、ステップS104でのバイパス分流比の変更は増加させていく場合を説明するが、バイパス分流比の初期値を最も1側に設定し、所定量だけ減少させていくようにしてもよい。
ステップS105では、ECU16は、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれたときのバイパス分流比に基づいて流量制御弁の開度を調節する。
流量制御弁の開度は、例えば、予め求められたバイパス分流比と排気流量と流量制御弁の開度との3次元マップにバイパス分流比及び排気流量を代入して求まる。
以上説明した制御ルーチンによれば、流量制御弁の開度を調節して補助触媒で燃料を酸化させる状態に制御できる。
なお、本実施例では、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比を算出するものであった。しかし、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比を直接センサから読み取って、実際の流量制御弁の開度の状態を確認し、合流後排気の温度及び合流後排気の空燃比が所定範囲に含まれるように流量制御弁の開度を修正してもよい。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
1 内燃機関
7 排気通路
7a 排気ポート
7b 排気マニホールド
7c 排気管
9 タービンハウジング
10 吸蔵還元型NOx触媒
11 補助触媒
12 還元剤添加弁
14 バイパス通路
15 排気流量制御弁
16 ECU
17 第1排気温度センサ
18 第1排気空燃比センサ
19 第2排気温度センサ
20 第2排気空燃比センサ
7 排気通路
7a 排気ポート
7b 排気マニホールド
7c 排気管
9 タービンハウジング
10 吸蔵還元型NOx触媒
11 補助触媒
12 還元剤添加弁
14 バイパス通路
15 排気流量制御弁
16 ECU
17 第1排気温度センサ
18 第1排気空燃比センサ
19 第2排気温度センサ
20 第2排気空燃比センサ
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に配置された吸蔵還元型NOx触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より下流の前記排気通路に配置され酸化能を有する補助触媒と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より上流側の排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒より上流側の排気であって、前記還元剤供給手段によって還元剤が供給され前記吸蔵還元型NOx触媒に流入するNOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の前記排気通路に供給するバイパス通路と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記バイパス通路は、内燃機関の気筒の排気ポートに接続された排気マニホールドの排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の前記排気通路に供給することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記NOx触媒流入排気の空燃比が所定空燃比よりもリッチのときに、前記バイパス通路を介して、前記NOx触媒流入排気よりも含まれる還元剤量が少ない排気を、前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間の前記排気通路に供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記吸蔵還元型NOx触媒と前記補助触媒との間且つ前記バイパス通路が合流した後の前記排気通路の排気の状態が、排気の温度及び排気の空燃比をパラメータとして定められる所定範囲に含まれるように、前記NOx触媒流入排気又は前記バイパス通路を流通する排気の少なくとも一方の流量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007027721A JP2007270828A (ja) | 2006-03-07 | 2007-02-07 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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JP2007027721A JP2007270828A (ja) | 2006-03-07 | 2007-02-07 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007270828A true JP2007270828A (ja) | 2007-10-18 |
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ID=38673868
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007027721A Withdrawn JP2007270828A (ja) | 2006-03-07 | 2007-02-07 | 内燃機関の排気浄化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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-
2007
- 2007-02-07 JP JP2007027721A patent/JP2007270828A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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