JP2007270501A - アンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造および仕切り設備構築方法 - Google Patents
アンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造および仕切り設備構築方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】シールド工法によって構築されるアンダーパストンネルのアプローチ部2Aに構築される仕切り設備構築構造1は、セグメント20の製造時に予めセグメント20の上端面20aに埋設された第1接合継手21と、仕切り設備10の下端面10aに備えられた第2接合継手11とを備えている。第1接合継手21に第2接合継手11を係合させることでアプローチ部2Aの上方に仕切り設備10を取り付けることができる。
【選択図】図1
Description
このような問題を解消するため、シールド工法により地上からシールド掘削機を発進させてアンダーパストンネルの全線をシールドトンネルで連続施工する方法が採用されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、このアプローチ部の側壁部の上端には、高欄や防音壁などの仕切り設備が取り付けられることがある。仕切り設備の設置面(基礎部)は、地上面に略平行に形成される。仕切り設備を設置する際の基礎部の施工は、例えば、アプローチ部を開削によって施工する場合には、仕切り設備の基礎部をアプローチ部の側壁と同時に施工するものであり、具体的には型枠を設けてその内部に鉄筋籠や鉄筋を配筋してからコンクリートを打設して基礎部を構築していた。
また、設置したセグメントの上端面に基礎部を設ける場合、その上端面に例えば円孔を削孔し、この円孔にインサートなどを取り付けて鉄筋やアンカーを接続してセグメントより上方に突出させて基礎部のコンクリートに埋め込むようにした作業を行う必要があった。このように、現場においてセグメント上端面を加工して鉄筋やアンカーを取り付ける作業が発生することから、時間と手間がかかり、効率よく構築作業ができないという欠点があった。
本発明によれば、セグメントの製造時に、予めセグメントの上端面に第1接合継手を埋設しておくことで、アプローチ部にセグメントを設置した後に、その第1接合継手に仕切り設備の第2接合継手を係合させてアプローチ部の上部に仕切り設備を設置することができる。現場においてセグメントに対する加工が不要となる簡易な接合構造であることから、仕切り設備の構築作業の効率を向上させることができる。
本発明によれば、アプローチ部にセグメントを設置した後に、セグメントの上端面より突出している接続部材を埋設させてコンクリートを打設した基礎部に仕切り設備を設置することができる。そして、セグメントとコンクリートとは、接続部材を介して強固に接続されている。現場においてセグメントに対する加工が不要となる簡易な接合構造であることから、仕切り設備の構築作業の効率を向上させることができる。
本発明によれば、予め上端面に雌型継手を備えたセグメントをアプローチ部に設置した後に、雌型継手に接続部材を接続し、この接続部材を埋設させてコンクリートを打設した基礎部に仕切り設備を設置することができる。
本発明によれば、アプローチ部にセグメントを設置した後に、接続部材をセグメントの上端面の雌型継手に接続させることで、接続部材を介してセグメントとコンクリートとが強固に接続される。現場においてセグメントに対する加工が不要となる簡易な接合構造であることから、仕切り設備の構築作業の効率を向上させることができる。
また、アプローチ部にセグメントを設置した後に、セグメントの上端面より突出している接続部材を埋設させてコンクリートを打設した基礎部に仕切り設備を設置することができる。
このように、現場におけるセグメントに対する加工作業が不要となる簡易な接合構造を実現できる。したがって、構築作業において時間や手間がかからず効率化できるため、作業時間の短縮を図ることができる。
図1は本発明の第一の実施の形態による仕切り設備構築構造を示す破断斜視図、図2(a)はアンダーパストンネルの概略構成を示す側面図、(b)はアプローチ部における仕切り設備の設置状態を示す側面図、図3は仕切り設備構築構造の接合部を示す図であって、(a)はその要部側面図、(b)はその要部断面図である。
図2(a)及び(b)に示すように、アンダーパストンネル2は、側面視で略U字形に構築され、地中内に延設されているトンネル部2Bと、地上面Gからトンネル部2Bまでを連絡してなり上方が開放されたアプローチ部2Aとからなる。つまり、地上から地中に向けて徐々に深度を増していく傾斜路が形成され、所定の深さで略水平方向となり、さらに所定の位置で地上に向けた上り勾配の傾斜路が形成されている。
なお、本矩形シールド掘削機は、例えばカッタを複数に分割させることで各々の掘削断面を小さくして掘削できる。そして、下部カッタより上部カッタを先行させることで、土被りの小さなアプローチ部2Aでも地山を安定させて掘削できる。
また、仕切り設備10における下端面10aには、第1接合継手21、21と対向する位置に第2接合継手11、11が埋設されて備えられている。この第2接合継手11は、第1接合継手21と同様の構成をなし、凹陥部11aが形成され、仕切り設備10の下端面10aに貫通孔11cが形成された係止板11bが設けられている。そして、第2接合継手11にもまた、埋込鉄筋12が仕切り設備10内に埋め込まれている。
そして、セグメント20の上端面20aと仕切り設備10の下端面10aとを接合させることにより、アプローチ部2Aの上端部に仕切り設備10が取り付けられて仕切り設備構築構造1が構築されることになる。
図4は第一の実施の形態の変形例による仕切り設備接合構造の説明図であって、(a)はその接合工程を示す側面断面図、(b)は接合時の状態を示す断面図である。
図4(a)及び(b)に示すように、本変形例による仕切り設備構築構造1では、第一の実施の形態による第1及び第2接合継手(図3(a)及び(b)参照)に代えて、セグメント20に第3接合継手30を備え、この第3接合継手30に対して第4接合継手40を備えたものであり、第3接合継手30と第4接合継手40との接合は、仕切り設備10をトンネル軸方向(図4(a)に示すF方向、これを「スライド方向)とする)にスライドさせる構成となっている。
第3接合継手30は、セグメント20の上端面20aに埋設され、断面C型形状をなすC型金物31がその凹部31aの開口を上端面20a側に向けて配置されている。そして、凹部31aには、断面H型形状をなすH型金物32の一端が固着され、その他端(突出係合部32a)が上端面20aより上方に突出されている。
一方、第4接合継手40は、仕切り設備10の下端面10aに設けられ、断面C型状をなしていてスライド方向に所定の長さで形成された溝状のC型溝金物41と、C型金物41のスライド方向側に隣接して形成された受け穴42とからなる。C型溝金物41は、溝部41aの開口を下端面10aに向けて配置されている。そして、溝部41aは、スライド方向にテーパ面が形成されている。
仕切り設備10をセグメント20に固定する方法は、先ずセグメント20の第3接合継手30の突出係合部32aを受け穴42に挿入させるようにして仕切り設備10の下端面10aを矢印E方向に移動させてセグメント20の上端面20aに当接させる。次いで、仕切り設備10を上端面20aに沿って矢印F方向にスライドさせると、突出係合部32aが溝部41a内に挿入して係合される。このとき、溝部41aがテーパ状に形成されているため楔作用により突出係合部32aは容易に抜けることはない。
このように構成される変形例では、現場においてセグメント20に加工作業を行うことなくセグメント20と仕切り設備10とを接続することができるため、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
図5に示すように、第二の実施の形態による仕切り設備構築構造1は、仕切り設備10がコンクリート50を介しセグメント20に固定される構造である。
アプローチ部2Aにおけるセグメント20には、円筒形状の第一カプラー61(雌型継手)が埋設されている。この第一カプラー61には孔61aが設けられ、その孔61aの内面にはメネジが形成されている。そして、第一カプラー61の下端側に鉄筋62を螺合させた状態で埋設されている。第一カプラー61の他端面はセグメント20の上端面20aと同一面に配置されている。
そして、セグメント20を所定位置に設置した後、第一カプラー61の孔61aの上端側に、両端に雄ネジが形成されている連結ボルト63の一端部63aを螺合させて他端部63bを上端面20aより所定の長さで突出させておく。そして、その他端部63bに第二カプラー64の一部を螺合させ、第二カプラー64に第二鉄筋65(本発明による接続部材に相当)の基端部65aを螺合接続する。さらに、第二鉄筋65を埋め込むようにして型枠6、6を設置し、その型枠6内にコンクリート50を打設する。コンクリート50の上面50aは、仕切り設備10の設置面となる。
なお、仕切り設備10とコンクリート50との接続方法は、例えば、コンクリート50に仕切り設備10を取り付けるための接続部材(図示省略)などを埋設したり、仕切り設備10の下端部をコンクリート50と共に固定したりする方法があるが、仕切り設備10の構造に対応した接続方法を適宜選択すればよいことは言うまでもない。
なお、図6に示すように、第二の実施の形態の第一カプラー61(図5参照)に代えてメネジが形成された略Y型形状の雌型インサート66(雌型継手)をセグメント20に埋め込ませる構成としてもよい(第二の実施の形態の変形例)。
本第二の実施の形態およびその変形例についても仕切り設備10の基礎部をなすコンクリート50とセグメント20との接続を現場において簡易に構築できることから、第一の実施の形態と同様の効果が得られる。
例えば、本発明による第一の実施の形態及び変形例では接合部Sをボルト締結やスライド移動させてなる接合構造としているが、これらの接合構造に限定されることはない。例えば、この他の接合継手として、セグメント20又は仕切り設備10のどちらか一方の接合面にピンボルトを内装させた雄型継手を備え、他方の接合面にそのピンボルトを挿入締結させる孔部を形成してなる雌型継手を備え、ピンボルトを孔部に挿入させることでセグメント20と仕切り設備10とを締結させる接合構造であってもよい。
また、第一及び第二の実施の形態では防音壁を対象にした仕切り設備10としているが、防音壁に限定されることはない。仕切り設備は、使用用途に応じた種類があり、夫々構造も異なることから、採用される仕切り設備に適した仕切り設備構築構造1とすればよい。
2 アンダーパストンネル
2A アプローチ部
10 仕切り設備
10a 下端面
11 第2接合継手
20 セグメント
20a 上端面
21 第1接合継手
30 第3接合継手
40 第4接合継手
50 コンクリート
61 第一カプラー(雌型継手)
63 連結ボルト
65 第二鉄筋(接続部材)
66 雌型インサート(雌型継手)
Claims (4)
- アンダーパストンネルのアプローチ部に構築されるセグメントの上方に、前記アプローチ部の内側と外側とを仕切る仕切り設備を取り付けるアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造であって、
前記セグメントの上端面に埋設された第1接合継手と、
前記仕切り設備の下端面に備えられた第2接合継手と、
が設けられ、
前記第1接合継手に前記第2接合継手が係合して構成されていることを特徴とするアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造。 - アンダーパストンネルのアプローチ部に構築されるセグメントの上方に、前記アプローチ部の内側と外側とを仕切る仕切り設備を取り付けるアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造であって、
上端面より上方に接続部材を突出させた前記セグメントと、
記仕切り設備の設置面をなし、前記突出してなる前記接続部材が埋め込まれるようにコンクリートを打設して形成させた基礎部と、
前記基礎部の上面に取り付けられた前記仕切り設備と、
から構成されていることを特徴とするアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造。 - 前記接続部材は、前記セグメントの前記上端面に埋設されてなる雌型継手に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築構造。
- アンダーパストンネルのアプローチ部に構築されるセグメントの上方に、前記アプローチ部の内側と外側とを仕切る仕切り設備を取り付けるアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築方法であって、
上端面に雌型継手を埋設させてなる前記セグメントを設置し、
前記雌型継手に接続部材を接続させて前記上端面より上方に突出させ、
前記突出している接続部材が埋め込まれるようにコンクリートを打設し、前記仕切り設備の設置面をなす基礎部を形成し、
前記基礎部の上面に前記仕切り設備を取り付けるようにしたことを特徴とするアンダーパストンネルのアプローチ部における仕切り設備構築方法。
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