JP2007270460A - 建物用建材 - Google Patents

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仁 川村
Masato Yoshida
真人 吉田
Toshihiro Sugiura
敏博 杉浦
Seiso Takeda
政宗 武田
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Abstract

【課題】建造物内の部屋から他の部屋へとマイクロ波又はミリ波からなる電波が漏れ出すのを防止でき、しかも、外観を損ねることなく簡単に実現し得る建物用建材を提供することである。
【解決手段】建造物にて部屋の境として使用される戸境壁50は、木製の下地材51と、下地材51の表面に塗布された仕上げ材53と、から形成されている。仕上げ材53は、電波を反射可能で、電波の波長λに対して1/10〜1/2の粒径を有する砂粒55を、建材本体の壁面に塗布可能な合成糊54に混入することにより形成されている。このため、仕上げ材53に入射した電波は砂粒55の表面で反射されて減衰し、電波が戸境壁50を透過することが防止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、集合住宅における住戸等、建造物内で各部屋を仕切るのに使用される建物用建材に関し、特に、不要電波の遮断機能を有する建物用建材に関する。
従来より、例えば、集合住宅において、屋外に設置された受信アンテナにてテレビ放送電波を受信し、その受信信号を各住戸のテレビまで伝送する場合、受信アンテナから各住戸の端子までは受信信号を同軸ケーブルで伝送し、その後各住戸の部屋内において送信機と受信機とで無線伝送する場合がある(例えば特許文献1等参照)。
無線伝送の際は、同軸ケーブルで送られた受信信号を、送信機においてマイクロ波帯又はミリ波帯の受信信号に周波数変換し、周波数変換後の受信信号を送信機のアンテナから空気中に放射し、その放射電波をテレビに接続された受信機のアンテナで受信する。
ところで、住人Aが送受信機を設置している部屋と、住人Bが送受信機を設置している部屋とが戸境壁を介して隣接し、しかも戸境壁の電波遮蔽性がそれ程大きくないときは、住人Aの送信機から受信機に送信された送信電波が、戸境壁を透過して住人Bの受信機に到達する場合がある。この場合、住人Bの送信機から受信機に送信される送信電波と、上記戸境壁を透過した送信電波とが電波干渉を起こし、住人Bの受信機においてテレビ放送信号の復調が困難となるなどの弊害が発生することがある。
一方、従来より、ミリ波帯の電波が壁部を透過することを防止するための電波吸収材として、何れも木質系材料と炭素系材料とを混合して成る三つの層を含み、各層において木質系材料と炭素系材料との混合割合を異ならせたものが知られている(例えば特許文献2等参照)。従って、集合住宅の各部屋でテレビ放送信号をミリ波帯の電波を使って無線伝送する無線伝送システムを構築する場合に、この電波吸収材を各部屋の壁部に取り付けることにより、上記電波干渉を防止できるようになる。
特開2005−86300号公報 特開平8−189166号公報
しかし、従来の電波吸収材は、壁部とは別に形成され、その後、壁部の表面に取り付けられる。従って、壁部を形成する工程とは別に、電波吸収材を形成する形成工程及び電波吸収材を壁部に取り付ける工程が必要になり、電波吸収材の形成及び取付けに要するコストが上昇する。
また、従来の電波吸収材は、壁部の表面に取り付けられるので、壁部の表面を構成する部材(たとえば仕上げ材)が電波吸収材で覆われ、電波吸収材の表面が壁部の外観を左右することになる。通常、電波吸収材の外観は仕上げ材などの外観よりも劣るので、電波吸収材を取り付けたことにより壁部の外観が低下し易い。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、建造物内の部屋から他の部屋にマイクロ波又はミリ波からなる電波が漏れ出すのを防止でき、しかも、外観を損ねることなく簡単に実現し得る建物用建材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために成された請求項1に記載の発明は、建造物にて部屋の境として使用される建材本体と、該建材本体の壁面に設けられ、マイクロ波又はミリ波からなる電波を遮蔽可能な仕上げ材と、を備えた建物用建材であって、前記仕上げ材は、前記電波を反射可能で、前記電波の波長λに対して1/10〜1/2の粒径を有する粒状体を、前記建材本体の壁面に貼着又は塗布可能な担持体に混入することにより形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物用建材において、仕上げ材は、建材本体に貼着可能な壁紙であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の建物用建材において、仕上げ材は、建材本体に塗布可能な塗り壁材又は塗料であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の建物用建材において、粒状体は、砂又は色砂であることを特徴とする。
請求項1に記載の建物用建材によれば、この建物用建材が境を成す部屋にマイクロ波又はミリ波からなる電波を送信する送信機が設置され、この送信機からの送信電波が建物用建材に入射したとしても、その入射した電波は、仕上げ材の担持体に混入されている粒状体の表面で繰り返し反射され、反射後担持体内を伝搬する間に減衰する。このため、請求項1に記載の建物用建材は、マイクロ波又はミリ波からなる電波が建材本体を透過し他の部屋に漏れ出すのを防止することができる。
また、請求項1に記載の建物用建材は、建材本体の壁面に仕上げ材を設ける際には、粒状体を混入させた担持体を建材本体の壁面に貼着するか、塗布するだけで良いので、極めて簡単に作製でき、その電波遮蔽機能を有する建物用建材を低コストで実現できる。
請求項2に記載の建物用建材は、仕上げ材を壁紙としたので、従来より一般に使用されている壁紙と同様に建物用建材に所望の外観を付与することができ、電波遮蔽機能を持たせることにより建物用建材の外観が損なうこともない。また、請求項3に記載の建物用建材は、仕上げ材を塗り壁材又は塗料としたので、上記仕上げ材を壁紙とした場合と同様の効果が得られる。
請求項4に記載の建物用建材においては、粒状体として、砂又は色砂を使用していることから、電波遮蔽機能を有する仕上げ材を低コストで作製でき、特に、色砂を使用すれば、建物用建材の仕上げ材に所望の色彩を施こすことができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[実施形態]
図1〜図4に本発明の実施形態を示す。
集合住宅の複数の住戸のうち、本発明の建物用建材により境界が形成される2つの住戸を図1に示す。図1において、一対の側壁11及び側壁12と、一対の側壁13及び側壁14とで区画される居住空間が、側壁11と側壁12との間に、該両側壁11及び側壁12と平行に配置された戸境壁(特許請求の範囲の「建物用建材」に相当する)50により第1住戸16と第2住戸18とに分けられている。
第1住戸16では、戸境壁50の一側面50aから離れた側壁11の近くに第1送信機30Aが配置され、戸境壁50の一側面50aの近くに、第1送信機30Aから放射される放射電波を受信する第1受信機40Aが配置されている。これに対して、第2住戸18では、戸境壁50の他側面50bから離れた側壁12の近くに第2送信機30Bが配置され、戸境壁50の他側面50bの近くに、第2送信機30Bから放射される放射電波を受信する第2受信機40Bが配置されている。
上記戸境壁50は建材本体と、その両側の一対の仕上げ材とを含み、一側面50a側の仕上げ材は、第1送信機30Aから第1受信機40Aに放射される放射電波を減衰させ、放射電波が戸境壁50を透過せず第2住戸18に漏れない構成となっている。
次に、第1住戸16内の第1送信機30A及び第1受信機40Aと、第2住戸18内の第2送信機30B及び第2受信機40Bとを含む無線伝送システムについて、図2を参照しつつ説明する。なお、第1送信機30Aと第2送信機30Bの構成及び他の機器との接続状態は同じであり、また、第1受信機40Aと第2受信機40Bの構成及び他の機器との接続状態も同じであるため、以下、共通して説明可能な部分は、第1送信機30A及び第2送信機30Bを送信機30として説明し、第1受信機40A及び第2受信機40Bを受信機40として説明する。
図2において、BS/CSアンテナ21は、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)を介して配信される衛星放送を受信するオフセット型のパラボラアンテナであり、反射鏡21aと、支持腕を介して反射鏡21aの焦点位置に配置された受信ユニット21bとから構成されている。
受信ユニット21bは、反射鏡21aにて集波された放送/通信衛星(BS/CS)からの送信電波を受信して、その受信信号(例えば、周波数11.7GHz〜12.75GHzの放送信号)を、元の周波数よりも低い所定周波数(例えば、1032〜2071MHz)の中間周波信号(BS/CS−IF)にダウンコンバートして出力する。
次に、BS/CSアンテナ21の受信ユニット21bから出力された中間周波信号は、UHFアンテナ22にて受信された地上ディジタル放送信号(以下、UHF信号ともいう)と混合器23にて混合され、混合された信号が、同軸ケーブルからなる伝送線L1を介して送信機30に入力される(以下、受信ユニット21bから出力された中間周波信号と、UHF信号とが混合された信号を、単に放送信号(470〜2071MHz)ともいう)。
そして、送信機30は、入力された放送信号を受信機40側に送信すべき伝送信号として取り込み、これをミリ波帯(本実施形態では60GHz)にアップコンバートして送信アンテナ39から第1住戸16又は第2住戸18の空間内に放射する。
また、BS/CSアンテナ21の受信ユニット21bと送信機30を接続する伝送線L1上には、受信ユニット21bと送信機30とに電力を供給するための電源挿入器24が設けられており、受信ユニット21bと送信機30とは、この電源挿入器24及び伝送線L1を介して電源装置25から供給される直流の電源電圧(例えば、DC15V)を受けて動作する。
次に、第1住戸16又は第2住戸18内の戸境壁50の近くに配置された受信機40は、第1住戸16又は第2住戸18内に放射されるミリ波帯の放射電波を受信アンテナ41で受信し、その受信信号をダウンコンバートすることにより、BS/CSアンテナ21の受信ユニット21bから出力された中間周波信号(BS/CS−IF)、及び、UHFアンテナ22にて受信されたUHF信号を復元し、同軸ケーブルからなる伝送線L2を介して接続されたディジタルチューナ28等の受信端末に出力する。
ところで、一般にディジタルチューナ28などのディジタル放送受信端末は、同軸ケーブルを介して外部の機器に電源を供給できるようにするために、伝送線L2が接続される受信信号の入力端子から電源電圧(例えば、DC15V)を出力できるように構成されている。そして、本実施形態の受信機40は、ディジタルチューナ28などのディジタル放送受信端末から、伝送線L2を介して供給される直流の電源電圧を受けて動作する。
以下、送信機30及び受信機40について、図3を参照しつつ説明する。図3は、送信機30及び受信機40の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、送信機30には、受信ユニット21bから出力された中間周波信号(BS−CS/IF)、UHFアンテナ22にて受信されたUHF信号、及び、電源装置25から供給される電源電圧(DC15V)を、伝送線L1を介して入力するための入力端子T1と、この入力端子T1に入力された信号の中から、直流信号成分(つまり、電源電圧DC15V)を取り出し、内部回路に供給する電源分離フィルタ31と、電源分離フィルタ31を通過してきた放送信号(BS/CS−IF、UHF信号)を増幅する増幅回路32と、水晶等を利用して周波数変換用の基準となる一定周波数の基準信号を発生する基準発振器33と、制御電圧により発振周波数を制御可能な電圧制御型の可変発振回路(VCO)を備え、基準発振器33からの基準信号、VCOから出力される高周波信号の一部を方向性結合器を介して取り込み、外部から入力される周波数制御信号に従って、この高周波信号と基準発振器33が発生した基準信号とを分周又は逓倍して位相比較することにより、所定周波数の高周波信号を出力するPLL発振器34と、PLL発振器34から出力される高周波信号を周波数逓倍して、放送信号をミリ波帯にアップコンバートするのに必要な所定周波数(本実施形態では59GHz)の信号を出力する逓倍器35と、が設けられている。
また、送信機30には、増幅回路32にて増幅された放送信号と逓倍器35からの出力信号とを混合するミキサ36が設けられており、このミキサ36にて、入力された放送信号がミリ波帯(本実施形態では60GHz)の伝送信号にアップコンバートされる。さらに、ミキサ36の出力側には、信号抽出フィルタ(以下、BPFともいう)37が設けられており、ミキサ36からの出力のうち、逓倍器35からの出力信号よりも周波数が高い周波数帯(60GHz帯)の伝送信号のみを通過可能に構成されており、60GHz帯の伝送信号が選択的に抽出される。
つまり、ミキサ36からの出力信号には、逓倍器35からの出力信号よりも高周波側に周波数変換された伝送信号と、逓倍器35からの出力信号よりも低周波側に周波数変換された伝送信号との、2種類の伝送信号が含まれることから、本実施形態ではBPF37を介して、逓倍器35からの出力信号よりも周波数が高い60GHz帯の伝送信号のみを、受信機40に送信すべき伝送信号として選択的に抽出するようにしている。
そして、BPF37を通過した伝送信号は、ミリ波用の増幅回路38に入力され、この増幅回路38にて所定レベルまで増幅された後、送信アンテナ39から第1部屋16内の空間に放射される。
一方、受信機40は、受信アンテナ41により受信した受信信号を増幅するミリ波用の増幅回路42と、水晶等を利用して周波数変換用の基準となる一定周波数の基準信号を発生する基準発振器43と、制御電圧により発振周波数を制御可能な電圧制御型の可変発振回路(VCO)を備え、基準発振器43からの基準信号、VCOから出力される高周波信号の一部を方向性結合器を介して取り込み、外部から入力される周波数制御信号に従って、この高周波信号と基準発振器43が発生した基準信号とを分周又は逓倍して位相比較することにより、所定周波数の高周波信号を出力するPLL発振器44と、PLL発振器44から出力される高周波信号を周波数逓倍して、ミリ波帯の受信信号を元の周波数帯にダウンコンバートするのに必要な所定周波数(本実施形態では59GHz)の信号を出力する逓倍器45と、が設けられている。
また、受信機40には、増幅回路42にて増幅された受信信号と逓倍器45からの出力信号とを混合するミキサ46が設けられており、このミキサ46にて、入力されたミリ波帯(本実施形態では60GHz)の受信信号が、元の周波数帯にダウンコンバートされる。さらに、ミキサ46の出力側には、信号抽出フィルタ(以下、BPFともいう)47が設けられており、BPF47は、ミキサ46からの出力のうち、送信機30にてアップコンバートされる前の放送信号のみを選択的に通過させる。
そして、BPF47を通過した伝送信号は、増幅回路48に入力され、この増幅回路48にて所定レベルまで増幅された後、出力端子T2まで伝送され、出力端子T2から第1部屋に設置されたディジタルチューナ28へと出力される。
なお、出力端子T2には、ディジタルチューナ28から供給される電源電圧(DC15V)が入力されることから、増幅回路48と出力端子T2の間の伝送路には、出力端子T2に入力された電源電圧(DC15V)を取り出し、受信機40の内部回路に供給する電源分離フィルタ49が設けられている。
次に、図1のX部拡大図である図4(a)を参照しつつ戸境壁50について説明する。
戸境壁50は、その厚さ方向に離れて配置された木製の下地材(特許請求の範囲の「建材本体」に相当する)51、57と、下地材51の表面(壁面)51aに形成された仕上げ材53及び下地材57の表面(壁面)57aに形成された仕上げ材58とを含む。なお、図4(a)に二点鎖線で示すように、下地材51と下地材57との間にコンクリートなどの骨材61が配置されることもある。
仕上げ材53は、図4(a)のY部拡大図である図4(b)に示すように、水性の合成糊(特許請求の範囲の「担持体」に相当する)54に、天然砂からなる砂粒(特許請求の範囲の「粒状体」に相当する)55を混ぜ合わせて生成された塗り壁材(いわゆる、じゅらく壁)であり、所定の厚さで、下地材51の表面51aに塗布されている。
砂粒55は、二酸化珪素(石英)を主成分として含み、その表面で60GHz帯の放射電波を反射する性質を有している。砂粒55の粒径は、60GHz帯の放射電波の波長λ(約5mm)に対して1/10〜1/2の範囲、具体的には約0.5mm〜約2.5mmの範囲で選定されている。
一方、木製の下地材57の表面57aに形成された仕上げ材58は、この表面57aに貼着された壁紙であり、所定厚さを持つ。ここで、壁紙は、ビニル製のビニル壁紙(ビニルクロスともいう)である。
以下、図1、図4(a)及び図4(b)を参照しつつ、戸境壁50による60GHz帯の放射電波の遮蔽について説明する。第1住戸16内で第1送信機30Aの送信アンテナ39から第1受信機40Aの受信アンテナ41に無線伝送される60GHz帯の放射電波は、受信アンテナ41にて受信されると共に、図4(a)の矢印aで示すように、戸境壁50に、壁面に対して直交するように入射する。
そして、戸境壁50の仕上げ材53に入射した60GHz帯の放射電波は、図4(b)に矢印bで示すように砂粒55の表面で種々の方向(入射方向と同方向、入射方向と交差する方向又は入射方向と反対方向)に反射され、反射後、仕上げ材53内を伝搬する間に次第に減衰する。ここで、60GHz帯の放射電波が砂粒55の表面での反射を繰り返すことにより、仕上げ材53内での放射電波の伝搬経路が長くなり、減衰が促進される。
このように、本実施形態の戸境壁50によれば、壁に入射された60GHz帯の放射電波は、仕上げ材53に混入された砂粒55の表面で反射されて減衰されるので、仕上げ材53から下地材51には殆ど出射することがなく、60GHz帯の放射電波が一側面50aから他側面50bに透過するのを防止できる。
[電波透過伝送試験]
次に、上記実施形態の戸境壁50によるミリ波帯の電波の遮蔽を確認するために、電波透過伝送試験を行った。図5は、電波透過伝送試験の測定系を示す構成図である。
本電波透過伝送試験は、材質の異なる5種類の試験用建材70を通過する電波の通過損失を夫々測定したものであり、測定系は、図5に示すように、ネットワークアナライザ85と、このネットワークアナライザ85に接続された送信機75と、同じくネットワークアナライザ85に接続された受信機80と、から構成されている。
送信機75及び受信機80は、テーブル77またはテーブル82上に夫々載置されており、送信機75は、送信アンテナ76を受信機80に向けて配置され、一方、受信機80は、送信機75から30cm離れた位置に受信アンテナ81を送信機75に向けて配置される。
試験用建材70は、以下の表1の左欄に示すように、夫々、厚さ12mmのプラスタ・ボードにエマルジョンペイントを塗布したもの、ビニールクロスを貼り付けたもの、フッ素コーティングしたもの、珪藻土を塗布したもの、じゅらく(Model 056290 5115:水性の合成糊に0.5mm〜2.5mmの砂粒を混入したもの)を塗布したものの5種類を使用した。
なお、送信機75及び受信機80は、56GHz〜94GHzの電波を送受信可能なアンリツ社製「伝送/反射モジュール 3740A−EE」を使用し、ネットワークアナライザ85は、アンリツ社製「ブロードバンド・ベクトルネットワーク アナライザ ME7808B」を使用した。
このように構成された測定系において、送信機75から60GHzの垂直偏波を受信機80に向けて放射し、一方、送信機75と受信機80との間(つまり、電波の伝播経路上)に試験用建材70を伝播方向に対して直交するように設置し、ネットワークアナライザ85にて通過損失を測定した。測定結果を以下の表1に示す。なお、表1の通過損失の値は、試験用建材70が設置されていない場合の損失(自由空間伝搬損失)を除いたものであり、試験用建材70による損失量を表している。
Figure 2007270460
表1に示す測定結果においては、じゅらく(Model:056290 5115)を塗布したプラスタ・ボードの通過損失が最も大きく10dB以上あり、他の試験用建材70では、2dB〜5dB程度の通過損失が測定された。このように、じゅらく(Model:056290 5115)を塗布したもの以外の4種類の試験用建材70でのミリ波帯電波の透過損失は小さいのに対して、じゅらく(Model:056290 5115)を塗布したものはミリ波帯電波の透過損失が大きいことから、ミリ波帯電波は、仕上げ材53内を伝搬する間に減衰するという上記考察の正当性が裏付けられた。
この実施形態によれば、以下の効果が得られる。まず、戸境壁50で区画された第1住戸16に配置された第1送信機30Aから第1受信機40Aに送信される60GHz帯の放射電波(送信電波)が戸境壁50の仕上げ材53に入射しても、戸境壁50の仕上げ材53はその透過を防止することができる。これにより、第1送信機30Aからの60GHz帯の放射電波が、第2住戸18内で第2送信機30Bから第2受信機40Bに送信される60GHz帯の放射電波と干渉することが防止される。
また、下地材51の壁面51aに仕上げ材53を設ける際には、水性の合成糊54と、電波を反射可能で、且つ、電波の周波数に応じた径の砂粒55と、からなる仕上げ材53を、下地材51の壁面51aに塗布するだけで良いので、戸境壁50を極めて簡単に作製でき、これにより電波遮蔽機能を有する戸境壁50を低コストで実現できる。
さらに、砂粒と水性の合成糊とからなる塗り壁材は、従来より一般に使用され所定の外観を持つので、本実施形態の戸境壁50によれば、外観を損なうことなく、電波遮蔽機能を持たせることが可能である。また、砂粒55として入手が容易な天然砂を使用したので、電波遮蔽機能を有する仕上げ材53を低コストで作製することができる。
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されず、以下のような変形が可能である。
(1)建物用建材
本発明の建物用建材には、上述したような隣接する第1住戸16及び第2住戸18の境界を形成する戸境壁50の他に、各住戸内の居住空間を部屋に仕切るために使用される間仕切り壁も含まれる。
(2)仕上げ材
建物用建材の仕上げ材は、建材本体の一方の壁面のみに設けることも、他方の壁面のみに設けることも、両方の壁面に設けることもできる。たとえば、上記実施形態では仕上げ材53のみに砂粒55を混入し、仕上げ材58には砂粒を混入しなかったが、仕上げ材58にも砂粒などの粒状体を混入することができ、これにより第2住戸18から第1住戸16への送信電波の透過を防止できる。
なお、仕上げ材の種類としては、水性の合成糊に砂粒を混入したじゅらく壁の他に、電波に応じた径の砂粒が混入された繊維壁、プラスタ壁、モルタル壁及び漆喰壁などを採用することができる。そして、建材本体の両方の壁面に塗り壁を塗布する場合は、一方の壁面に塗布する塗り壁の種類と、他方の壁面に塗布する塗り壁の種類とは、同じでも異なっても良い。
また、建材本体の壁面に塗布される仕上げ材として、担持体としての一般の塗料に、砂粒などの粒状体を混入した塗料を使用することができ、具体的には、アクリル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料及びシリコン樹脂塗料などが挙げられる。さらに、建材本体の壁面に貼着される仕上げ材として、砂粒などの粒状体を混入した壁紙(壁クロス)を使用することができ、具体的には、上記実施形態のビニル壁紙の他に、織物壁紙や紙壁紙が挙げられる。なお、一方の仕上げ材の種類(塗り壁、壁紙又は塗料)と、他方の仕上げ材の種類(塗り壁、壁紙又は塗料)とは、同じでも良いし、異なっても良い。
また、担持体に混入する粒状体としては、上記実施形態の天然砂の他、人工砂、天然色砂、人工色砂を使用することができる。天然色砂や人工色砂を使用すれば、仕上げ材に電波遮蔽性を付与できるとともに、所定の色彩を付与できる。粒状体の粒径はマイクロ波又はミリ波からなる電波の波長λの1/2〜1/10である。従って、たとえばマイクロ波(周波数:3GHz〜30GHz)の波長は10cm〜1cmであるので、たとえば送信電波として周波数が30GHzのマイクロ波を使用する場合は、粒状体の粒径は5mmから1mmの範囲で選定する。
(3)送受信機器
また、建物用建材の両側の住戸又は部屋に配置される送信機及び受信機は、放送信号を周波数変換して無線伝送する機器に限定されず、たとえば、無線LAN(通常マイクロ波帯電波を使用する)において電波を伝送するために使用するアクセスポイント、及び無線LAN機能を持つパーソナルコンピュータ(パソコン)に装着された無線LANアダプタであっても良い。
本発明の実施形態における戸境壁及び住戸などを示す平面説明図である。 図1の戸境壁の両側に配置された送信機及び受信機を含む無線通信システムを示す全体図である。 図1の送信機及び受信機を示すブロック図である。 下地材に塗布された仕上げ材の詳細を示すX部及びY部拡大図である。 電波透過伝送試験の測定系を示す説明図である。
符号の説明
11〜14…側壁、16…第1住戸、18…第2住戸、21…BS/CSアンテナ、21a…反射鏡、21b…受信ユニット、22…UHFアンテナ、23…混合器、24…電源挿入器、25…電源装置、28…ディジタルチューナ、29…TV、30…送信機、30A…第1送信機、30B…第2送信機、31…電源分離フィルタ、32…増幅回路、33…基準発振器、34…PLL発振器、35…逓倍器、36…ミキサ、37…BPF、38…増幅回路、39…送信アンテナ、40…受信機、40A…第1受信機、40B…第2受信機、41…受信アンテナ、42…増幅回路、43…基準発振器、44…PLL発振器、45…逓倍器、46…ミキサ、47…BPF、48…増幅回路、49…電源分離フィルタ、50…戸境壁、50a…一側面、50b…他側面、51…下地材、51a…表面、53…仕上げ材、54…合成糊、55…砂粒、61…骨材、70…試験用建材、75…送信機、76…送信アンテナ、77,82…テーブル、80…受信機、81…受信アンテナ、85…ネットワークアナライザ

Claims (4)

  1. 建造物にて部屋の境として使用される建材本体と、
    該建材本体の壁面に設けられ、マイクロ波又はミリ波からなる電波を遮蔽可能な仕上げ材と、
    を備えた建物用建材であって、
    前記仕上げ材は、
    前記電波を反射可能で、前記電波の波長λに対して1/10〜1/2の粒径を有する粒状体を、前記建材本体の壁面に貼着又は塗布可能な担持体に混入することにより形成されていることを特徴とする建物用建材。
  2. 前記仕上げ材は、前記建材本体に貼着可能な壁紙であることを特徴とする請求項1に記載の建物用建材。
  3. 前記仕上げ材は、前記建材本体に塗布可能な塗り壁材又は塗料であることを特徴とする請求項1に記載の建物用建材。
  4. 前記粒状体は、砂又は色砂であることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の建物用建材。
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