JP2007270283A - 銅の析出回収方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法及びその装置おいて、攪拌操作をできるだけ行なわないようにすること、同時にアノード室の1価銅イオン濃度が低い状態にまで酸化を進行させかつ酸素発生を防ぎながら、処理を継続して進めて電気分解を継続し金属銅を析出させる銅の回収方法及びその装置の提供
【解決手段】金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内側に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノードを設置したアノード室を設置して1価銅イオンを含む溶液をアノード室内に供給しながら電気分解を行い、2価銅イオンを生成させるとともに、生じた2価銅イオンをアノード室より排出することによる1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法及び装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、銅の析出回収方法及びその装置に関するものである。
含銅廃棄物の処理方法として、含銅廃棄物を、酸を含む水溶液に溶解後、銅化合物として浸出させ、銅を回収することが行なわれている。分離回収した銅成分を含有する溶液から金属銅を回収する際に、高純度の金属銅として回収を図りたいときには、電解採取法が最も有効な方法であるとされてきた。この方法では、カソードでは2価銅イオン溶液を電解し、カソードに金属銅として析出させ、アノードでは酸素発生が起こることとなる。その結果、電解採取方法では、電解時の消費電力が必然的に大きくなるという問題が指摘されてきた。この処理には高エネルギーを必要とするために、エネルギーの使用量が少ない方法の開発が要望されている。
このことを背景に、本発明者らは、1価銅イオン、又は1価銅イオンに2価銅イオンを含む溶液を、カソードとアノードの間に隔膜を設けて電気分解すると、カソードでは銅を金属銅として電解採取し、同時にアノードにおいて1価銅イオンを2価イオンに電解酸化することにより、連続的に操作を進めると、銅の電解採取における電力使用量を大幅に低減することができることを見出した。具体的には、1価銅イオンを含む溶液の電気分解により、金属銅を析出させる銅の回収方法において、1価銅イオンを含む溶液中に金属銅を析出させるためのカソード、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液中にアノード、及びカソードとアノードの間に隔膜を設け、前記電極に電流を流して、カソード側からアノード側へ溶液を移動させながら電気分解させることを特徴とする1価銅イオンを含む溶液の電気分解による金属銅の回収方法である(特許文献1)。
この方法に関連して、銅金属廃棄物から1価銅金属イオン溶液を含有する溶液の製造方法(特許文献2)及び1価銅イオンを含む溶液の電気分解により、金属銅を析出させる銅の回収方法において、1価銅イオンを含む溶液中に金属銅を析出させるためのカソード、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液中にアノード、及びカソードとアノードの間に隔膜を設け、前記電極に電流を流して、カソード側からアノード側へ溶液を移動させながら電気分解させることによりカソード部に金属銅を析出させ、同時にアノードにおいて1価銅イオンを2価銅イオンとし、2価銅イオン溶液を取り出して、銅金属廃棄物と錯化合物の存在する溶解槽に導き、銅金属廃棄物を溶解処理し、得られた1価銅イオンを含む溶液を、前記電気分解の1価銅イオンを含む溶液として用いることを特徴とする銅金属廃棄物から金属銅の回収を行う銅金属廃棄物から金属銅の回収する方法及び装置(特許文献3)の発明を行なった。
上記電解方法においては、電解に平板のアノード材ならびにカソード材を用い、一般的にはそれらを交互に並べて電解を行う。上記方法では、カソード室に1価銅イオンを含む溶液を送り、隔膜を通してアノード室に溶液が流れ、アノード室より排出される。カソード室では1価銅イオン濃度は大きいが、一部が析出するため、アノード室では1価銅イオン濃度は低下する。アノードでは1価銅イオンから2価銅イオンへの酸化が起こるが、銅イオン濃度が小さく、かつ攪拌が不十分な場合には酸素が発生し、アノード電位が上昇するため、プロセスとして改善する必要がある。そこで、アノード室の1価銅イオン濃度を大きくするようにすれば問題を解決できると考えられるが、このようにすると、排出される溶液を用いた浸出工程での浸出速度が小さくなり望ましくない結果となる。このようなことから、1価銅イオンから2価銅イオンへの酸化を、アノードでの酸素の発生を防ぎ、かつ、1価銅イオン濃度の低い状態にまで進行させる必要がある。
また、従来から行なわれてきた金属銅を回収する場合では、平板状のアノードを用いて行なわれてきたが、アノード室の1価銅イオン濃度が低い状態にまで酸化を進行させる場合には、攪拌を十分に行うことによって、アノード表面に1価銅イオンを供給することが可能となる。
しかしながら、この場合には、隔膜を通してのカソード室への逆流が起こることが懸念されること、また電極間距離を小さく保ちながら攪拌することは、実際には困難であることが問題点である。
このようなことから、カソードにおいて1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させ、隔膜を設けて電気分解すると、カソードでは銅を金属銅として電解採取し、同時にアノードにおいて1価銅イオンを2価イオンに電解酸化することによる1価銅イオンを含む溶液の電気分解により金属銅を析出させる銅の回収方法及び装置において、膜を設けて電気分解すると、カソードでは銅を金属銅として電解採取し、アノード攪拌操作をできるだけ行なわない場合であっても、アノード室の1価銅イオン濃度が低い状態にまで酸化を進行させ、かつ酸素発生を防ぎながら、継続する銅の回収処理を継続して進めることができる方法及びその装置の開発が望まれていた。
特開2003−105580 特開2003−253483 特開2003−253484
本発明の課題は、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法及びその装置おいて、攪拌操作をできるだけ行なわないようにすること、同時にアノード室の1価銅イオン濃度が低い状態にまで酸化を進行させかつ酸素発生を防ぎながら、処理を継続して進めて電気分解を継続し金属銅を析出させる銅の回収方法及びその装置を提供することである。
本発明者らは鋭意前記課題の解決に努めた結果、新たな知見を得て本発明を完成させた。具体的には、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法及びその装置において、金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノード材によるアノードを設置し、その外側を隔膜によって排液部以外を覆い、これをアノード室とし、アノード室内には生成される2価銅イオン液を排出する管が挿入され、この管を介して2価銅イオンを含む液が排出される。又、アノード室内に1価銅イオンを供給しながらアノード表面に1価銅イオンを供給して電解を行い、生じた2価銅イオンをアノード室より排出することにより、アノード室内において1価銅イオンを効果的にアノード表面に供給することができる。その結果、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収を良好な条件の下で行なうことができることを見出して、本発明を完成させた。
具体的には、アノード材として、導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質または導電性粒子から選ばれる材料を選択し、その外側を隔膜によって排液部以外を覆い、これをアノード室としまた、電解においては、溶液はカソード室に供給され、アノード室より排出される。従来、アノード室での1価銅イオン濃度が低い場合にはアノード室に比べアノード表面での1価銅イオン濃度が小さくなることにより酸素が発生し不適となるため、アノード室とアノード表面での1価銅イオン濃度の差を小さくするため攪拌が必要であることは上述したとおりであるが、本発明では、アノード室内に1価銅イオンを供給しながらアノード表面に効果的に1価銅イオンを供給して電解を行い、生じた2価銅イオンをアノード室より排出することにより、アノード表面において1価銅イオンを処理するために適した濃度に維持することができる。
又、アノード材の表面積を前記の材料を採用することにより大きくし、電流/面積で与えられる電流密度を小さくすることが可能となる。そして、電流密度を小さくすることにより、アノード室とアノード表面での1価銅イオン濃度の差を小さくすることが可能となり、酸素の発生を防ぎながら1価銅イオンから2価銅イオンへの酸化を行うことが可能となる。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法において、金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内側に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノードを設置したアノード室を設置して1価銅イオンを含む溶液をアノード室内に供給しながら電気分解を行い、2価銅イオンを生成させるとともに、生じた2価銅イオンをアノード室より排出することを特徴とする1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
(2)前記アンモニアアルカリ性溶液は、アンモニア水溶液とアンモニウム塩を用いて調製されるものであることを特徴とする(1)記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
(3)前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウム又はそれらの混合物から選ばれるものを用いることを特徴とする(2)記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
(4)前記アノードをカソードと交互に配置し電解を行うことを特徴とする(1)から(3)いずれか記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
(5)1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置において、金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノードを設置したアノード室を設置して1価銅イオンを含む溶液をアノード室内に供給しながら電解を行い、2価銅イオンを生成させるとともに、生じた2価銅イオンをアノード室より排出する排出管を設けたことを特徴とする1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
(6)前記アンモニアアルカリ性溶液は、アンモニア水溶液とアンモニウム塩を用いて調製されるものであることを特徴とする(5)記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
(7)前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウム又はそれらの混合物から選ばれるものを用いることを特徴とする(6)記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
(8)前記アノードをカソードと交互に配置し電解を行うことを特徴とする(5)から(7)いずれか記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法及び装置において、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液から金属銅を回収する際に、アノードの近くで1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液が2価銅イオンを含む溶液に変換される。本発明によれば、このアノードを、導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質または導電性粒子から選ばれるものとし、隔膜によって排液部以外を覆ってアノード室を形成し、アノード室内では生成した2価銅イオン溶液を、アノード室内に挿入されている排出用の管により排出するようにすると、アノード表面に1価銅イオンを効果的に供給することができるので、電気分解を継続して金属銅を効率よく回収することができる。
上記のアノード材に関し、表面積を大きくすることにより、電流/面積で与えられる電流密度を小さくすることが可能となる。電流密度が小さくすることにより、酸素の発生を防ぎながら1価銅イオンから2価銅イオンへの酸化を行うことが可能となるものである。
本発明は、1価銅イオンを含む溶液から電気分解により金属銅を回収する方法および装置である。
この金属銅回収装置は、1価銅イオンを含む溶液の電気分解により、金属銅を析出させるカソード部、2価銅イオン溶液を得るアノード部、及びカソード部を有するものである。
アノード部については図1により説明する。
アノード部とは、隔膜内側に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノード(1)を設置して、アノード室としたものである。
前記銅イオンを含有する溶液中に設けられたアノード部及びカソードからなるカソード部に、外部電源より電流を流すと、カソード付近では還元反応が起こり、金属銅が電極表面に析出する。この装置では、銅金属として回収するために、1価銅イオン溶液が用いられる。1価の銅イオンを含有する溶液には、2価の銅イオンをできるだけ含まない状態であることが望ましい。
そこで、生じた2価銅イオンをアノード室より排出するための排出管(2)を設けておいて、2価銅イオンを取り出す。排出した2価銅イオンを含有する溶液は、銅金属廃棄物から1価銅金属イオン溶液を製造する工程に供給することにより有効に利用することができる。
2価の銅イオンを含む溶液を電気分解することは要するエネルギーが多くなる結果となり、好ましくない。したがって、本発明においては、2価銅イオンを含む場合には処理できないわけではなく、ただ、エネルギーを多く消費する結果となるのでできるだけ少ないことが望ましいということである。このようなことから、使用される溶液は、主に1価銅イオンを含む溶液とすることが有効であり、銅イオンは1価銅イオンを含有する溶液、或いは1価銅イオンの状態でできるだけ保持されている溶液を用いることが有効な結果をもたらすということである。
カソード付近に、反応に際して不可避的に生成する2価銅イオンを含む場合であっても、主に1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液から金属銅を電解によりカソード表面に析出させ、金属銅を回収するものである。
このときの反応は次式で表される。
[Cu(NH3)2]+ + e = Cu +2NH3 (1)
式中、eは電子を表す。
この反応によって、1価銅イオンを還元して、金属銅として析出することができる。すなわち、前記反応では、電気分解が進行しても、水素イオンおよび水酸化物イオンの増減がないために、pHの変化を伴うことはない。このことから、pH調節のための薬剤の投入は、必要としない。この点は反応の管理するうえで、煩雑な操作をする必要がなく、本発明の利点の一つであるということができる。
カソードの周囲に存在する溶液である1価銅イオンを含む溶液、具体的には、1価銅イオンが錯イオンを形成していること、さらに具体的には、1価銅イオンが[Cu(NH3)2]+ であることにより、pHは8から12であり、溶液はアンモニアアルカリ性溶液である。
前記アンモニアアルカリ性溶液は、アンモニア水溶液とアンモニウム塩を用いて調製されるものである。前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウム又はそれらの混合物から選ばれるものを用いる。
そして、さらに具体的には、1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液は、隔膜を通して、アノード室のアノードが存在する周辺部分に供給される。
前記アノード室にはその外部を形成する隔膜(3)が設けられる。隔膜によって排液部(4)以外を覆い、これをアノード室とする。前記隔膜は、溶液の逆流を防ぐために有効に作用する。隔膜には、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなる、ろ隔膜を挙げることができる。隔膜の性状としては、以下の事柄が要求される。隔膜にはアノードおよびカソード両溶液の混合が許されない密隔膜と溶液の物理的物質移動が可能な、ろ隔膜があり、本装置においては溶液が通り抜けることができる、ろ隔膜を使用する。
アノード室では溶液からアノードに向かって、電子が流れ、電極周囲に存在する1価銅イオンは2価銅イオンに変化する。この電極には、導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれる材料が用いられる。多孔質素材としてはグラフアイトなどの炭素材を多高質化処理したものが用いられる。導電性繊維状物質には炭素繊維や炭化珪素繊維などを固めたものが用いられる。導電性粒子には、炭素粒子を固めて処理したものが用いられる。
前記のようにアノードの表面積を大きくすることにより、電流/面積で与えられる電流密度を小さくすることが可能である。電流密度が小さい場合には、酸素の発生を防ぎながら1価銅イオンから2価銅イオンへの酸化を行うことが可能である。
前記の方法はアノードとカソードの組み合わせを述べたものである。アノードとカソードの組み合わせを順次配置すること、具体的には前記アノードをカソードと交互に配置し電解を行うことにより、電解の効率化を図ることができる(図2)。
以下、実施例により本発明の内容を更に詳細に説明する。本発明はこれに限定されるものではない。
1価銅イオン濃度29.8g/L、硫酸アンモニウム1 mol/L、アンモニア5mol/Lからなる溶液を存在させた状態で、カソード(材質 金属銅、大きさ4cm×4cm)、アノード(材質 直径約10マイクロメートルの炭素繊維からなるフェルト、大きさ5cm×7cm)、隔膜として、ろ隔膜をもちいアノード材を覆うようにし、極間距離 4.5cm、電流0.32A、温度を25℃に保ち、1価銅イオン濃度62g/L、硫酸アンモニウム1 mol/L、アンモニア5mol/Lからなる溶液を毎分0.24mLカソード室に供給し、電解槽は窒素により置換して電解を1時間おこなった。スタラーなどによる攪拌は行わなかった。カソードにおける金属銅析出の理論析出量に対する電流効率は83%であった。極間電圧は0.86Vであり、銅1トンあたりの電力消費量は、437kWh/tであり、この結果は、硫酸酸性水溶液を用いた電気分解による金属銅の電解採取の消費電力量2000から2500kWh/t(日本金属学会編 非鉄金属製錬)にくらべ著しく小さいことがわかる。すなわち、本実施例ではエネルギー消費量が少ないということがいえる。
1価銅イオン濃度40.2g/L、硫酸アンモニウム1 mol/L、アンモニア5mol/Lからなる溶液を存在させた状態で、カソード(材質 金属銅、大きさ4cm×4cm)、アノード(材質 直径約10マイクロメートルの炭素繊維からなるフェルト、大きさ5cm×7cm)、隔膜としてろ隔膜をもちいアノード材を覆うようにし、極間距離 4.5cm、電流0.80A、温度を25℃に保ち、1価銅イオン濃度62g/L、硫酸アンモニウム1 mol/L、アンモニア5mol/Lからなる溶液を毎分0.61mLカソード室に供給し、電解槽は窒素により置換して電解を1時間おこなった。スタラーなどによる攪拌は行わなかった。カソードにおける金属銅析出の理論析出量に対する電流効率は95%であった。極間電圧は2.21Vであり、銅1トンあたりの電力消費量は、
982kWhであり、この結果は、硫酸酸性水溶液を用いた場合にくらべ著しく小さい。
本発明のアノードを示す図 複数組のアノードとカソードの組合せによる電解装置を示す図。
符号の説明
1: アノード
2: 排出管
3: 隔膜
4: 排液部
5: カソード




Claims (8)

  1. 1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法において、金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内側に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノードを設置したアノード室を設置して1価銅イオンを含む溶液をアノード室内に供給しながら電気分解を行い、2価銅イオンを生成させるとともに、生じた2価銅イオンをアノード室より排出することを特徴とする1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
  2. 前記アンモニアアルカリ性溶液は、アンモニア水溶液とアンモニウム塩を用いて調製されるものであることを特徴とする請求項1記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
  3. 前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウム又はそれらの混合物から選ばれるものを用いることを特徴とする請求項2記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
  4. 前記アノードをカソードと交互に配置し電解を行うことを特徴とする請求項1から3いずれか記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収方法。
  5. 1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置において、金属銅を析出させるためのカソード、隔膜内に導電性の多孔質素材、導電性繊維状物質又は導電性粒子から選ばれるアノードを設置したアノード室を設置して1価銅イオンを含む溶液をアノード室内に供給しながら電解を行い、2価銅イオンを生成させるとともに、生じた2価銅イオンをアノード室より排出する排出管を設けたことを特徴とする1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
  6. 前記アンモニアアルカリ性溶液は、アンモニア水溶液とアンモニウム塩を用いて調製されるものであることを特徴とする請求項5記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
  7. 前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウム又はそれらの混合物から選ばれるものを用いることを特徴とする請求項6記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。
  8. 前記アノードをカソードと交互に配置し電解を行うことを特徴とする請求項5から7いずれか記載の1価銅イオンを含むアンモニアアルカリ性溶液を電気分解して金属銅を析出させる銅の回収装置。

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