JP2007269628A - 医薬化合物の結晶 - Google Patents

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Abstract

【課題】(S)-8-[4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル]-1-イソブチル-N-(4-{[(1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]スルフィニル}フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ベンズアゾシン-5-カルボキサミドの結晶を提供する。
【解決手段】(S)-8-[4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル]-1-イソブチル-N-(4-{[(1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]スルフィニル}フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ベンズアゾシン-5-カルボキサミドの結晶。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬化合物、具体的には(S)-8-[4-(2-ブトキシエトキシ)フェニル]-1-イソブチル-N-(4-{[(1-プロピル-1H-イミダゾール-5-イル)メチル]スルフィニル}フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ベンズアゾシン-5-カルボキサミド(本明細書中、化合物Iと称する場合がある。)の結晶等に関する。
化合物Iおよび化合物Iのモノメタンスルホン酸塩は、いずれもCCR5アンタゴニスト活性を有する医薬化合物である。これらは、国際公開第03/014105号パンフレット(特許文献1)に開示されている公知の化合物である。しかし、化合物Iのモノメタンスルホン酸塩の結晶は得られているの対し(特許文献1)、化合物Iの結晶はこれまで得られていなかった。
国際公開第03/014105号パンフレット
化合物Iの安定な結晶が得られれば、それ自体を医薬の有効成分として利用する場合の取り扱いが容易になる。また、モノメタンスルホン酸塩の原料として用いる場合にも、結晶化による精製効果が期待できる。さらに、モノメタンスルホン酸塩の製造工程の省力化が期待できる。したがって、本発明は、化合物Iの結晶等を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、化合物Iの酢酸エチル溶液にn−ヘプタンを添加することにより初めて化合物Iの結晶を得ることに成功し、さらなる研究により、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1) (S)−(−)−8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンズアゾシン−5−カルボキサミドの結晶;
(2) 粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ=約6.0°、約15.0°、約16.2°、および約17.4°に特徴的なピークを有する上記(1)記載の結晶;
(3) 粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ=約6.0°、約15.0°、約15.7°、および約17.4°に特徴的なピークを有する上記(1)に記載の結晶。
(4) 融点が約123℃〜約128℃である上記(1)記載の結晶;
(5) 融点が約128℃〜約130℃である上記(1)記載の結晶;
(6) 上記(1)記載の結晶を溶解させた溶液にメタンスルホン酸を添加することを特徴とする(S)−(−)−8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンズアゾシン−5−カルボキサミド メタンスルホン酸塩の製造方法;および
(7) 上記(1)記載の結晶を含有する医薬組成物などを提供するものである。
本発明によれば、化合物Iの結晶を得ることができる。当該結晶は、高純度、高品質、高安定性であり、それ自体を医薬として利用することができる。また、モノメタンスルホン酸塩の原料として用いる場合にも、結晶化による精製効果が期待できる。
本明細書中、「結晶」なる語は、通常の意味で用いられ、空間的に規則的な原子配列を有する固体を意味する。同じ化合物であっても、空間的に規則的な原子配列および物理化学的性質が異なる複数の結晶が生成することがある(結晶多形)が、本発明の結晶は、これら結晶多形のいずれであってもよく、2以上の結晶多形の混合物であってもよい。また、本発明の結晶は、溶媒和物または水和物であってもよい。
化合物Iは、例えば国際公開第03/014105号パンフレットに記載の方法またはこれに準じた方法により製造することができる。
化合物Iの結晶は、化合物Iの溶液に貧溶媒を混合すること、当該溶液を冷却すること、または当該溶液を濃縮すること等の方法により得ることができる。
なかでも、適当な溶媒中の化合物Iの溶液に貧溶媒を混合する方法が好ましい。
当該「化合物Iの溶液」における溶媒の例としては、化合物Iの良溶媒であれば特に限定されないが、エステル類(例、酢酸エチル)、ニトリル類(例、アセトニトリル)、アルコール類(例、メタノール、エタノール)、ケトン類(例、アセトン)、芳香族炭化水素類(例、トルエン)、エーテル類(例、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、および1,2−ジメトキシエタン)、ならびにこれらの混合物等が挙げられる。また、かかる溶媒は、含水溶媒であってもよい。なかでも、好ましくはエタノール、テトラヒドロフランおよびアセトン、特に好ましくは酢酸エチルである。
当該「貧溶媒」の例としては、飽和炭化水素類(例、n−ヘキサン)等が挙げられる。なかでも、好ましくはn−ヘキサンである。
当該「化合物Iの溶液」は、例えば、国際公開第03/014105号パンフレットに記載の製造方法またはこれに準じた方法等に従って得られる反応液または当該反応液またはその濃縮液として、または化合物Iの油状物もしくは結晶等を上記のような溶媒に溶解した溶液として得ることができる。
結晶化は必要に応じて、種結晶の添加、物理的刺激(例、超音波刺激)、冷却等により結晶化を促進してもよい。このとき、好ましい冷却温度は約0℃〜約5℃である。
析出した結晶は、ろ過、遠心分離、またはデカンタ法等の公知の方法によって単離することができる。単離した結晶は、風乾等の公知の方法によって乾燥させることができる。ここで、乾燥前に単離した結晶を適当な溶媒で洗浄してもよい。
上記の方法等で得られた本発明の結晶の一形態は、下記の物理化学的性質を有する。
(1)粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=約6.0°、約15.0°、約16.2°、および約17.4°に特徴的なピークを有するか、または図1もしくは図2に示される粉末X線回析スペクトルと実質的に同じ粉末X線回析スペクトルを有する。
(2)示差操作熱量計で測定した融点が、約123℃〜約128℃である。
上記の方法等で得られた本発明の結晶の別の一形態は、下記の物理化学的性質を有する。
(1)粉末X線回折スペクトルにおいて2θ=約6.0°、約15.0°、約15.7°、および約17.4°に特徴的なピークを有するか、または図3に示される粉末X線回析スペクトルと実質的に同じ粉末X線回析スペクトルを有する。
(2)示差操作熱量計で測定した融点が、約128℃〜約130℃である。
また、本発明の結晶は、好適には、下記の条件のHPLC分析において、化合物Iのピークに対する溶出時間約4分の物質のピークのエリア比が0.1%未満である。
[HPLC分析の条件]
カラム:ODS C18、長さ150mm×内径4.6mm
カラム温度:40℃
移動層:0.01M酢酸アンモニウム/アセトニトリル=25/75(v/v)
流速:1.0ml/分
検出:295nm
本発明の結晶は、優れたCCR拮抗作用、特にCCR5および/またはCCR2拮抗作用、とりわけ、強いCCR5拮抗作用を有するので、人におけるHIVの感染症、例えばAIDSの予防ならびに治療や、その他の種々の疾患の予防ならびに治療のために使用できる。この場合、本発明の結晶をそのまま医薬として用いてもよく、または慣用の方法を用いて、本発明の結晶と薬学的に許容される担体等を配合した医薬組成物(例:錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤などの固形製剤;またはシロップ剤、注射剤などの液状製剤)を製造して用いてもよい。
本発明の結晶または本発明の医薬組成物は、対象疾患の種類に応じて、他の薬剤と組み合わせて用いてもよい。かかる薬物は、本発明の結晶と別々に製剤化してもよく、本発明の結晶と一緒に製剤化してもよい。また、薬物を別々に製剤化する場合、別々に製剤化したものを使用時に混合して投与することができるが、別々に製剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に同一対象に投与してもよい。別々に製剤化したものを使用時に混合して投与するためのキット製品(例えば、粉末状の個々の薬物を含有するアンプルと2種以上の薬物を使用時に混合して溶解するための希釈剤などを含有する注射用キットなど)、別々に製剤化した個々の製剤を、同時に、あるいは時間差をおいて別々に、同一対象に投与するためのキット製品(例えば、個々の薬物を含有する錠剤を同一または別々の袋に入れ、必要に応じ、薬物を投与する時間の記載欄を設けた、2種以上の錠剤を同時にあるいは時間差をおいて別々に投与するための錠剤用キットなど)なども本発明の医薬組成物に含まれる。
本発明の結晶、または本発明の医薬組成物の投与量は、投与対象、投与対象の年令および体重、症状、投与時間、投与方法、剤型などのより、適宜選択することができる。
ある特定の患者の投与量は、年令、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、患者のその時に治療を行なっている病状の程度に応じ、それらあるいはその他の要因を考慮して決められる。
上記医薬組成物をAIDS予防治療剤およびAIDSの病態進行抑制剤として用いる場合の投与量は、患者の状態や体重、投与の方法により異なるが、経口投与の場合、成人(体重50kg)1人当り化合物Iとして、約5から1000mg、好ましくは約10から600mgであり、さらに好ましくは約10〜300mgであり、とりわけ好ましくは約15〜150mgであり、1日当たり1回または2から3回にわけて投与される。
また、慣用の方法を用いて本発明の結晶から化合物Iの塩を製造することができる。
かかる塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
以下に、参考例、実施例、製剤例および試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。また、以下の参考例および実施例において、%は特記しない限り重量パーセントを示す。融点は示差走査熱量計(DSC220C、セイコー電子工業(株))を用いて測定した。粉末X線結晶回折のデータは、線源としてCu−Kα1線を用い、RINT2500V(理学電気(株))を用いて測定した。
参考例1(化合物Iの製造)
300mlの4頚コルベンに、8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−5−カルボン酸 45.0g(99.65mmol,1.0aq)とTHF 135mlを仕込み、8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−5−カルボン酸を溶解させた後、DMF 230mgを加えてから、氷水冷却して内温を10〜15℃にした。これに、同温度を保持しながら塩化チオニル 12.45g(0.105mol,1.05aq)を約30分間かけて滴下した。
ついで、10〜15℃で40分撹拌してから室温下で2時間撹拌して反応を終了させ、反応液Aを得た。
別途、2Lの4頚コルベンに(−)−4−{[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル}フェニルアミン 28.87g(0.110mol,1.1aq)とTHF 270mlを仕込み、懸濁液にピリジン 27.59g(3.488mol,3.5aq)を加えてから、氷水冷却して内温を5℃以下にした。得られた反応液に先の反応液AをTHF 45mlを用いて滴下ロートに移し、5℃以下を保持しながら、1.5時間を要して滴下した。さらに、同温度下で2時間撹拌した。
ついで、市水270mlと20%クエン酸水溶液180mlの混合液を約30分で滴下した後、室温放冷下に約10分撹拌してから、外温40℃以下で減圧下に溶媒THFを留去した。
酢酸エチル 450mlで濃縮残留液を抽出し、抽出酢酸エチル層を市水225ml、飽和重曹水450ml、市水450ml、および市水225mlで順次洗浄し、一夜放置した。
酢酸エチル 抽出液を分取し、抽出液は1Lの4頚コルベンで減圧下に溶媒を留去し、残留油状物は酢酸エチル225ml中に懸濁させた後、再度濃縮した。この操作をもう一度繰り返した。
油状の化合物I 81.9g、化学純度97.25%を得た。
実施例1(化合物Iの結晶の製造)
参考例1で得た油状の化合物I 81.9gに、酢酸エチル360mlを加えて溶解後、内温を約40℃に保持しながら、n−ヘプタン360mlを滴下した。化合物Iの種結晶を約10mgを添加後、1時間攪拌した。ついで、室温放置冷却してから室温(約25℃)で2時間の後、更に氷水冷却して5℃以下で1時間熟成した。晶出結晶を減圧ろ取し、5℃以下に冷却した酢酸エチル:n−ヘプタン=1:1 450ml、およびn−ヘプタン45mlで順次ろ取結晶を洗浄した。洗浄した結晶(77.04g)を取り出し、40℃で10時間以上乾燥し、収量63.97g、HPLC面積 99.02%で、化合物Iの結晶(結晶A)を得た。この結晶を示差操作熱量計で測定した融点は、126.4℃であった。この結晶の粉末X線回折パターンを図1に示す。
[HPLC分析条件]
カラム:YMC ProC18,150×4.6mm I.D
移動層:0.01M CHCOONH/MeCN=25:75
検出:295nm
流速:1.0ml/min
温度:40℃
実施例2(化合物Iの結晶の製造)
3Lの4頚コルベンに化合物Iの結晶56.2gを仕込み、酢酸エチル169mLに溶解させた後、再濃縮した。再度酢酸エチル280mLを仕込み室温で溶解した。活性炭(白鷺A) 2.77g (5 w/w%)を仕込み、室温で約10分攪拌した。ろ紙No.5Cを用いて活性炭をろ去し、酢酸エチル52mLで洗浄した。ろ液、洗浄液を1Lの4頚コルベンに受け、35〜40℃に加温した。同温下、n−ヘプタン332mLを約13分かけて滴下した。同温下、約1時間攪拌し、結晶を析出させた。室温まで放冷し、室温で4時間攪拌した。
結晶を吸引濾取し、酢酸エチル−n−ヘプタン(1:1) 110mLで洗浄した。40℃で真空乾燥し、収量50.4g、HPLC面積 99.7%で、で化合物Iの結晶(結晶A’)を得た。この結晶を示差操作熱量計で測定した融点は、127.9℃であった。この結晶の粉末X線回折パターンを図2に示す。
この結晶のHPLC分析のチャートを図4に示す。
なお、HPLC分析は実施例1と同条件で行なった。
実施例3(化合物Iの結晶の製造)
50mLのナス型コルベンに化合物Iの結晶5.0g、アセトニトリル10.5mLを仕込み、水浴上で約80℃に加温して溶解した。室温まで放冷した後、化合物Iの種結晶(結晶A)を添加し、冷蔵庫内で3日間放置した。晶出結晶を濾取し、5℃に冷却したアセトニトリル10mLで洗浄した。得られた湿結晶を40℃で恒量となるまで減圧下乾燥し、収量4.5g、収率90.0%で化合物I(結晶B)を得た。この結晶を示差操作熱量計で測定した融点は、129.7℃であった。この結晶の粉末X線回折パターンを図3に示す。
実施例4(化合物Iの結晶の製造)
100Lの反応釜に8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−5−カルボン酸 9kg、テトラヒドロフラン27Lを仕込み、溶解し、DMF4.6gを添加し、10〜15℃に冷却した。10〜15℃で塩化チオニル2.49kgを滴下し、10〜15℃で1.5時間攪拌した。(溶液A)
300Lの反応釜に(−)−4−{[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル}フェニルアミン 5.77kg、THF 54L、ピリジン 5.52kgを仕込み、0〜5℃に冷却し、溶液Aを0〜5℃で滴下した。0〜5℃で3時間攪拌後、15℃以下で8%クエン酸水溶液90Lを滴下した。THFを減圧下留去した後、酢酸エチル 90Lを加え、抽出した。有機層を水 45L、10%重曹水溶液 90L、水 90L、水 45Lで順次洗浄し、酢酸エチルを減圧下留去した。アセトニトリル 45Lを加え溶媒置換を実施した。再度アセトニトリル 45Lを加え溶媒置換を実施し、化合物Iの結晶を得た。
実施例5(製剤例)
下記の(1)、(2)、(3)および(4)を混和、顆粒化する。この顆粒に(5)および(6)を加えて錠剤に加圧成型する(マンニトール、結晶セルロース、ヒドロキシプルピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、マクロゴール6000、三二酸化鉄はいずれも第十四改正日本薬局方適合品である)。下記の(7)、(9)を溶解もしくは分散した水溶液および、(8)、(10)を分散した水懸濁液を混和し、先に得られた加圧成型物にコーティングする。
(1)化合物Iの結晶 100mg
(2)マンニトール 143.0mg
(3)結晶セルロース 30mg
(4)ヒドロキシプルピルセルロース 9.0mg
(5)クロスカルメロースナトリウム(商品名 アクジゾル) 15mg
(6)ステアリン酸マグネシウム 3mg
(7)ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910(商品名 TC−5) 8.8mg
(8)酸化チタン 1.0mg
(9)マクロゴール6000 2.0mg
(10) 三二酸化鉄 0.2mg
1錠 312mg
実施例6(化合物Iのメタンスルホン酸塩の製造)
1Lの4頚コルベンに化合物Iの結晶70.0g(0.100mol)、アセトニトリル420mLを仕込み、水浴上40℃〜50℃に加温して溶解してから、活性炭3.5g(5w/w%)を添加し同温度で5分間撹拌した。次に、溶解脱色液をろ紙(No.5C)で吸引ろ過し、ろ過器を酢酸エチル210mLで洗浄した。ろ液および洗浄液は2Lの4頚コルベンに受け、新たに酢酸エチル210mL(アセトニトリル:酢酸エチル=1:1の容量比)を加えて、内温28℃よりメタンスルホン酸9.65g(0.100mol)を約5分間を要して滴下した。以後、加温して内温を約40℃に保ちながら化合物Iのメタンスルホン酸塩の種結晶を添加し、同温度下に1時間撹拌して結晶を析出させた後、2時間を要して室温(約25℃)とした。晶出液は室温(約25℃)で6時間攪拌後、氷水冷却して5℃以下で6時間熟成した。晶出結晶は窒素パージ下に濾取し、結晶は室温の酢酸エチル210mLで洗浄した。得られた湿結晶は40℃で恒量となるまで乾燥し、収量76.2g,収率95.7%、化学純度99.01%、光学純度99.96%ee,水分0.36%を得た。
本発明の結晶および本発明の医薬組成物は医薬、特にAIDSの予防ならびに治療剤として有用である。
結晶Aの粉末X線回折パターンである。 結晶A’の粉末X線回折パターンである。 結晶Bの粉末X線回折パターンである。 結晶A’のHPLCチャートである。

Claims (7)

  1. (S)−(−)−8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンズアゾシン−5−カルボキサミドの結晶。
  2. 粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ=約6.0°、約15.0°、約16.2°、および約17.4°に特徴的なピークを有する請求項1に記載の結晶。
  3. 粉末X線回折スペクトルにおいて、2θ=約6.0°、約15.0°、約15.7°、および約17.4°に特徴的なピークを有する請求項1に記載の結晶。
  4. 融点が約123℃〜約128℃である請求項1記載の結晶。
  5. 融点が約128℃〜約130℃である請求項1記載の結晶。
  6. 請求項1記載の結晶を溶解させた溶液にメタンスルホン酸を添加することを特徴とする(S)−(−)−8−[4−(2−ブトキシエトキシ)フェニル]−1−イソブチル−N−[4−[[(1−プロピル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]スルフィニル]フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ベンズアゾシン−5−カルボキサミド メタンスルホン酸塩の製造方法。
  7. 請求項1記載の結晶を含有する医薬組成物。
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