JP2020079206A - 縮合複素環化合物及びその中間体の製造方法 - Google Patents

縮合複素環化合物及びその中間体の製造方法 Download PDF

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Yuya Nakai
雄野 中井
正輝 戸田
Masaki Toda
正輝 戸田
亮平 江藤
Ryohei Eto
亮平 江藤
藤井 拓也
Takuya Fujii
拓也 藤井
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Abstract

【課題】5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン及びその製造中間体である1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの製造方法の提供。【解決手段】4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドと反応させる工程を含む、1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの製造方法、及び1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンを用いた5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの製造方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、縮合複素環化合物及びその中間体の製造方法に関する。
式:
Figure 2020079206
で示される5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンは、結核菌、多剤耐性結核菌及び/又は非結核性抗酸菌に対して優れた抗菌作用を有する化合物として知られている(特許文献1)。その製造中間体として有用な式:
Figure 2020079206
で示される1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの公知の製法は、安定かつ工業的スケールでの製造にはコスト面で不利である。したがって、5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン及びその製造中間体の効率的な製法が望まれている。
国際公開第2016/031255号公報
本発明が解決しようとする課題の一つは、5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(以下、本明細書において「化合物A」ともいう)及びその製造中間体である1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの新規かつ改良された製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、化合物A及びその製造中間体である1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの製造方法として工業的スケールでの製造に応用可能な新規な合成経路を見出し、本発明を完成した。
本発明者らはまた、化合物Aの新規な結晶形態が製剤化工程及び製剤化後も安定であり、良好な溶解性及びバイオアベイラビリティを示すことを見出した。
すなわち、ある態様において、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドと反応させる工程を含む、1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの製造方法が提供される。
別の態様において、1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンを用いて得られた(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンと反応させる工程を含む、化合物Aの製造方法が提供される。
さらに別の態様において、化合物Aの2つの新規な結晶形態(以下、本明細書において「I形結晶」あるいは「II形結晶」ともいう)が提供される。
さらに別の態様において、化合物AのI形結晶あるいはII形結晶を含む医薬組成物が提供される。
本発明の新規かつ改良された製造方法により、結核菌、多剤耐性結核菌及び/又は非結核性抗酸菌に対して優れた抗菌作用を有する化合物Aの安定かつ効率的な工業的生産が可能となる。
化合物AのI形結晶あるいはII形結晶は、良好な溶解性及びバイオアベイラビリティを示すため、医薬的に有用な製剤を提供しうる。
図1は、化合物AのI形結晶の粉末X線回折パターンを示す。 図2は、化合物AのII形結晶の粉末X線回折パターンを示す。
本発明の具体的態様を以下に例示する。
[項1]
1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの製造方法であって、以下の工程を含む方法:
4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを塩基で処理して4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリンを得た後、アルキルチオ尿素の存在下、溶媒中にて1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドと反応させる工程。
[項2]
さらに以下の工程を含む、項1に記載の方法:
2,6−ジフルオロアニリンを塩素化剤及びアルキルチオ尿素の存在下、溶媒中にて反応させて、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを得る工程。
[項3]
さらに以下の工程を含む、項1又は2に記載の方法:
イソブテニルクロリドをヨウ素化剤の存在下、溶媒中にて1−エチル−4−ピペリドンと反応させて、1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドを得る工程。
[項4]
項1〜3のいずれかで得られた1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンを用いて5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンを製造する方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)項1〜3のいずれかで得られた1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンをシリル化剤及び塩基存在下、溶媒中にて反応させて、4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを得る工程;
(2)(1)で得られた4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンとD−エポキソンとの不斉エポキシ化反応により、(1R,6R)−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンを得る工程;
(3)(2)で得られた(1R,6R)−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンをイリド生成剤及び塩基存在下、溶媒中にて反応させて、(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを得る工程;及び
(4)(3)で得られた(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを塩基存在下、溶媒中にて8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンと反応させて、5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンを得る工程。
[項5]
さらに以下の工程を含む、項4に記載の方法:
項4で得られた5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの酢酸和物を得、これを乾燥及び精製することにより、5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンのI形結晶を得る工程。
[項6]
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールの製造方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)2−メチル−2−ビニルオキシランを触媒存在下、溶媒中、水素化分解した後、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートと反応させて、[1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]メタノールを得る工程;
(2)(1)で得られた[1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]メタノールを過酸化物及び添加剤の存在下、溶媒中、反応させた後、塩基存在下で処理して[(1R,6R)−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−6−イル]メタノールを得る工程;
(3)(2)で得られた[(1R,6R)−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−6−イル]メタノールを、トシルクロリド及び塩基存在下、溶媒中にて反応させた後、脱離処理して(S)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−4−メチレンピペリジン−3−オールを得る工程;及び
(4)(3)で得られた(S)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−4−メチレンピペリジン−3−オールと過安息香酸とのエポキシ化反応により(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを得る工程。
[項7]
8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの製造方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼンを、水素雰囲気下及びパラジウム触媒の存在下、溶媒中にて桂皮酸クロリドと反応させてN−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミドを得る工程;
(2)(1)で得られたN−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミドを、塩化アルミニウムの存在下、反応させて5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オンを得る工程;
(3)(2)で得られた5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オンを溶媒中にて塩化チオニルと反応させて、2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンを得る工程;
(4)(3)で得られた2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンを塩基存在下、溶媒中にてメタノールと反応させて、8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリンを得る工程;
(5)(4)で得られた8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリンを酸存在下、反応させて、8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンを得る工程;
(6)(5)で得られた8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンを酸存在下、無水酢酸と反応させて、8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテートを得る工程;
(7)(6)で得られた8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテートを水素雰囲気下及びパラジウム触媒存在下、溶媒中にて還元反応させて、8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテートを得る工程;及び
(8)(7)で得られた8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテートを酸存在下、溶媒中にて反応させて、8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンを得る工程。
[項8]
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの製造方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンを塩基存在下、溶媒中にてベンジルアルコールと反応させて、2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリンを得る工程;
(2)(1)で得られた2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリンをパラジウム触媒及び酸存在下、水素雰囲気下にて反応させて、8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンを得る工程。
[項9]
X線源としてCuKα線を用いて得られる粉末X線回折図において、回折角(2θ)4.9°±0.2°、10.6°±0.2°、13.9°±0.2°、及び21.9°±0.2°に回折ピークを示すことを特徴とする、5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンのI形結晶。
[項10]
X線源としてCuKα線を用いて得られる粉末X線回折図において、回折角(2θ)10.8°±0.2°、14.2°±0.2°、21.0°±0.2°、及び25.3°±0.2°に回折ピークを示すことを特徴とする、5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンのII形結晶。
[項11]
項9に記載のI形結晶及び製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
[項12]
フィルムコーティング錠の形態である、項11に記載の医薬組成物。
[製造方法]
化合物A及びその製造中間体1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンを製造する方法を以下に例示する。各工程で得られる化合物は、適宜、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の当分野で通常用いられる公知の方法により単離及び精製してもよく、あるいは、単離又は精製せず次の工程に進んでもよい。
(製造方法1)
4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートの合成
4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートは、2,6−ジフルオロアニリンを塩素化剤及びアルキルチオ尿素の存在下、溶媒中にて反応させて製造することができる。
塩素化剤としては、N−クロロスクシンイミド、トリクロロイソシアヌル酸が挙げられる。
アルキルチオ尿素としては、1,3−ジメチルチオ尿素が挙げられる。
溶媒としては、アセトニトリル、酢酸エチル及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば室温である。
反応時間は、例えば30分〜6時間であり、好ましくは1〜2時間である。
(製造方法2)
1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドの合成
1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドは、イソブテニルクロリドをヨウ素化剤の存在下、溶媒中にて1−エチル−4−ピペリドンと反応させて製造することができる。
ヨウ素化剤としては、ヨウ化ナトリウムが挙げられる。
溶媒としては、アセトンが挙げられる。
反応温度は、例えば室温〜50℃である。
反応時間は、例えば3〜20時間であり、好ましくは5〜13時間である。
(製造方法3)
1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの合成
1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンは、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを塩基で処理して4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリンを得た後、アルキルチオ尿素の存在下、溶媒中にて1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドと反応させて製造することができる。
塩基としては、水酸化ナトリウムが挙げられる。
アルキルチオ尿素としては、1,3−ジメチルチオ尿素が挙げられる。
溶媒としては、例えば水が挙げられる。
4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリンを得る反応において、反応温度は、例えば室温である。反応時間は、例えば30分〜3時間であり、好ましくは1時間である。
1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドとの反応において、反応温度は、例えば還流温度である。反応時間は、例えば5〜12時間であり、好ましくは10時間である。
(製造方法4)
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールの合成
(1)1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンをシリル化剤及び塩基存在下、溶媒中にて反応させて、4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを製造することができる。
シリル化剤としては、例えばtert−ブチルジメチルシリルクロリドが挙げられる。
塩基としては、例えばトリエチルアミンが挙げられる。
溶媒としては、例えばアセトニトリルが挙げられる。
反応温度は、例えば還流温度である。
反応時間は、例えば1〜5時間であり、好ましくは2時間である。
(2)(1)で得られた4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンを、添加剤の存在下、D−エポキソンと溶媒中にて不斉エポキシ化反応させて、(1R,6R)−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンを製造することができる。
添加剤としては、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、炭酸カリウム、過酸化水素水及びこれらの混合物が挙げられる。
溶媒としては、例えばトルエン、プロパノール、アセトニトリル及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば0〜20℃であり、好ましくは5〜15℃である。
反応時間は、例えば2〜10時間であり、好ましくは5時間である。
(3)(2)で得られた(1R,6R)−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンをイリド生成剤及び塩基存在下、溶媒中にて反応させて、(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを製造することができる。
イリド生成剤としては、例えばトリメチルスルホキソニウムヨージドが挙げられる。
塩基としては、例えば水酸化カリウムが挙げられる。
溶媒としては、例えばジメチルスルホキシドが挙げられる。
反応温度は、例えば室温である。
反応時間は、例えば1〜5時間であり、好ましくは3時間である。
(製造方法5)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンは、(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを塩基存在下、溶媒中にて8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンと反応させて、製造することができる。
塩基としては、例えば炭酸カリウムが挙げられる。
溶媒としては、例えばプロパノール、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば還流温度である。
反応時間は、例えば1〜5時間であり、好ましくは3時間である。
(製造方法6)
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールの合成(別法)
(1)2−メチル−2−ビニルオキシランを触媒及び添加剤存在下、溶媒中、1,3−ビス(ヘキサフルオロ−α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼンとビニルエポキシド転移反応した後、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネート及びパラホルムアルデヒドと反応させて、[1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]メタノールを製造することができる。
(1−1)ビニルエポキシド転移反応の条件
触媒としては、例えばパラジウム触媒が挙げられ、好ましくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
添加剤としては、例えばトリフェニルホスフィンが挙げられる。
溶媒としては、例えばトルエン、1,2−ジメトキシエタン及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば室温である。
反応時間は、例えば30分〜2時間であり、好ましくは1時間半である。
(1−2)4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートとの反応条件
溶媒としては、例えばトルエンが挙げられる。
反応温度は、例えば室温である。
反応時間は、例えば1〜4時間であり、好ましくは2時間半である。
(2)(1)で得られた[1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]メタノールを過酸化物及び添加剤の存在下、溶媒中、反応させた後、塩基及び添加剤の存在下で処理して[(1R,6R)−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−6−イル]メタノールを製造することができる。
(2−1)過酸化物との反応条件
過酸化物としては、例えばクメンヒドロペルオキシドが挙げられる。
添加剤としては、例えばゼオライト、(D)−(−)−酒石酸イソプロピル、チタンテトライソプロポキシド及びこれらの混合物が挙げられる。
溶媒としては、例えばトルエン、ジメチルスルホキシド及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば0℃以下〜室温である。
反応時間は、例えば1〜5時間であり、好ましくは3時間である。
(2−2)塩基処理条件
塩基としては、例えばトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン及びこれらの混合物が挙げられる。
添加剤としては、例えば無水フタル酸が挙げられる。
溶媒としては、例えば酢酸エチルが挙げられる。
反応温度は、例えば室温である。
反応時間は、例えば30分〜2時間であり、好ましくは1時間である。
(3)(2)で得られた[(1R,6R)−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−6−イル]メタノールを、トシルクロリド及び塩基存在下、溶媒中にて反応させた後、脱離処理して(S)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−4−メチレンピペリジン−3−オールを製造することができる。
(3−1)トシル化条件
塩基としては、例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン塩酸塩及びこれらの混合物が挙げられる。
溶媒としては、例えばトルエンが挙げられる。
反応温度は、例えば室温である。
反応時間は、例えば30分〜3時間であり、好ましくは1時間半である。
(3−2)脱離条件
添加剤として、例えばヨウ化ナトリウム、アスコルビン酸及びこれらの混合物を用いてもよい。
溶媒としては、例えばアセトニトリル、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば室温〜80℃である。
反応時間は、例えば1〜4時間であり、好ましくは3時間である。
(4)(3)で得られた(S)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−4−メチレンピペリジン−3−オールと過安息香酸とのエポキシ化反応により(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールを製造することができる。
過安息香酸としては、例えばm−クロロ過安息香酸が挙げられる。
溶媒としては、例えば酢酸エチル、水及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば10℃以下である。
反応時間は、例えば1〜4時間であり、好ましくは3時間である。
(製造方法7)
8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
(製造方法7−1)
N−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミドの合成
1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼンを、水素雰囲気下及びパラジウム触媒の存在下、溶媒中にて桂皮酸クロリドと反応させてN−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミドを製造することができる。
パラジウム触媒としては、例えば5%パラジウム炭素が挙げられる。
溶媒としては、例えば酢酸エチルが挙げられる。
反応温度は、例えば0℃以下である。
反応時間は、例えば30分〜2時間であり、好ましくは1時間である。
(製造方法7−2)
5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オンの合成
N−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミドを、塩化アルミニウムの存在下、反応させて5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オンを製造することができる。
添加剤として、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム及びこれらの混合物を用いてもよい。
反応温度は、例えば100〜130℃であり、好ましくは120℃である。
反応時間は、例えば30分〜3時間であり、好ましくは1時間である。
(製造方法7−3)
2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンの合成
5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オンを溶媒中にて塩化チオニルと反応させて、2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンを製造することができる。
溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
反応温度は、例えば60〜80℃であり、好ましくは70℃である。
反応時間は、例えば30分〜3時間であり、好ましくは1時間である。
(製造方法7−4)
8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリンの合成
2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンを塩基存在下、溶媒中にてメタノールと反応させて、8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリンを製造することができる。
塩基としては、例えばtert−ブトキシカリウムが挙げられる。
溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる。
反応温度は、例えば60〜80℃であり、好ましくは70℃である。
反応時間は、例えば30分〜3時間であり、好ましくは1時間である。
(製造方法7−5)
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの合成
8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリンを酸存在下、反応させて、8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンを製造することができる。
酸としては、例えば酢酸、臭化水素酸及びこれらの混合物が挙げられる。
反応温度は、例えば還流温度である。
反応時間は、例えば6〜18時間であり、好ましくは14時間である。
(製造方法7−6)
8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテートの合成
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンを酸存在下、無水酢酸と反応させて、8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテートを製造することができる。
酸としては、例えば濃硫酸が挙げられる。
反応温度は、例えば100〜130℃であり、好ましくは120℃である。
反応時間は、例えば1〜4時間であり、好ましくは2時間である。
(製造方法7−7)
8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテートの合成
8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテートを水素雰囲気下及びパラジウム触媒存在下、溶媒中にて還元反応させて、8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテートを製造することができる。
パラジウム触媒としては、例えば10%パラジウム炭素が挙げられる。
溶媒としては、例えば酢酸が挙げられる。
反応温度は、例えば60〜80℃であり、好ましくは70℃である。
反応時間は、例えば6〜10時間であり、好ましくは8時間である。
(製造方法7−8)
8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテートを酸存在下、溶媒中にて反応させて、8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンを製造することができる。
酸としては、例えば濃塩酸が挙げられる。
溶媒としては、例えばメタノールが挙げられる。
反応温度は、例えば還流温度である。
反応時間は、例えば30分である。
(製造方法8)
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの合成(別法)
(製造方法8−1)
2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリンの合成
2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンを塩基存在下、溶媒中にてベンジルアルコールと反応させて、2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリンを製造することができる。
塩基としては、例えばtert−ブトキシカリウムが挙げられる。
溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
反応温度は、例えば30〜80℃であり、好ましくは70℃である。
反応時間は、例えば例えば1〜4時間であり、好ましくは2時間である。
(製造方法8−2)
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの合成
2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリンをパラジウム触媒及び酸存在下、水素雰囲気下にて反応させて、8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンを製造することができる。
パラジウム触媒としては、例えば5%パラジウム炭素が挙げられる。
酸としては、例えば酢酸が挙げられる。
反応温度は、例えば60〜80℃であり、好ましくは70℃である。
反応時間は、例えば例えば1〜4時間であり、好ましくは2時間である。
[化合物Aの結晶多形の製造方法]
(I形結晶の製造方法)
上記製造方法により得られた化合物Aを酢酸及び/又は酢酸カリウムの存在下、60〜80℃、好ましくは70℃で結晶が溶解するまで撹拌し、熱時ろ過した後、ゆっくりと冷却し、30℃以下で1時間以上熟成させて化合物Aの酢酸和物を得、これを真空乾燥又は送風乾燥することにより、化合物AのI形結晶を製造することができる。
真空乾燥は、例えば65〜85℃、1.0kPaで24〜48時間行う。
送風乾燥は、例えば50℃で18時間〜終夜行う。
化合物AのI形結晶はまた、酢酸和物を形成させずに、酢酸及び/又は酢酸カリウムに換えて、例えばジメチルスルホキシドを用いることによっても製造することができる。
(II形結晶の製造方法)
上記製造方法により得られた化合物Aをメタノール又はプロパノール中で室温〜還流温度下で撹拌した後、送風乾燥することにより、化合物AのII形結晶を製造することができる。
送風乾燥は、例えば60〜80℃で17〜20時間行う。
[結晶形態]
(I形結晶)
本発明の製造方法によって得られた化合物Aの新規な結晶形態の1つであるI形結晶は、X線源としてCuKα線を用いて得られる粉末X線回折図において、回折角(2θ)4.9°、10.6°、13.9°、及び21.9°付近に回折ピークを示しうる。これらの回折ピークは、化合物Aの他の結晶形態であるII形結晶の粉末X線回折図では見られない特徴的なピークである。I形結晶は、さらに回折角(2θ)9.9°、16.6°、17.9°、18.2°、23.1°、26.2°、及び31.9°付近から選択される少なくとも1つの回折角にも回折ピークを示してもよい。なお、前記の回折角(2θ)は、測定機器や測定条件等により、−0.2〜+0.2°の誤差が生じる可能性があるが、当該回折角の誤差は許容範囲として本発明の範囲に含まれる。
(II形結晶)
本発明の製造方法によって得られた化合物Aの新規な結晶形態の1つであるII形結晶は、X線源としてCuKα線を用いて得られる粉末X線回折図において、回折角(2θ)10.8°、14.2°、21.0°、及び25.3°付近に回折ピークを示しうる。これらの回折ピークは、化合物Aの他の結晶形態であるI形結晶の粉末X線回折図では見られない特徴的なピークである。II形結晶は、さらに回折角(2θ)8.7°、16.5°、16.7°、17.3°、23.9°、及び28.2°付近から選択される少なくとも1つの回折角にも回折ピークを示してもよい。なお、前記の回折角(2θ)は、測定機器や測定条件等により、−0.2〜+0.2°の誤差が生じる可能性があるが、当該回折角の誤差は許容範囲として本発明の範囲に含まれる。
[製剤/医薬組成物]
化合物AのI形結晶は、当分野において通常用いられる公知の方法に従い、少なくとも1種以上の製薬上許容される担体とともに製剤化することができる。該製剤(本明細書において、「医薬組成物」ともいう)中の化合物Aの含量は、剤形、投与量等の条件により異なるが、例えば、製剤全体または核錠子の1〜50重量%、好ましくは1.5〜35重量%である。化合物Aは、ヒトを含む哺乳動物に対して投与することができる。投与量は、投与対象、症状、剤形、投与ルート等により異なるが、例えば、ヒト成人患者に経口投与する場合の投与量は、化合物Aとして、通常1回あたり約5mgから100mgの範囲である。
「製薬上許容される担体」としては、当分野において通常用いられる賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤等の成分が挙げられる。
化合物AのI形結晶の製剤化方法としては、湿式造粒法が好ましい。より好ましくは、流動層造粒法である。製剤化に際し、造粒をせずにI形結晶を直接打錠した場合には、過酷条件下(例えば50℃/75%RH、9日間)でII形結晶に転移することがある。流動層造粒法は、薬物の凝集を緩和し、薬物を担体とよく混合させることにより結晶転移を抑制することができる。製剤化後のI形結晶を保持するために、製剤を当分野において通常用いられる乾燥剤とともに包装することにより、水による溶媒媒介転移を抑制してもよい。
化合物AのII形結晶の製剤化方法としては、上記湿式造粒法に加え、直接打錠法も含まれる。
化合物Aの剤形としては、錠剤(フィルムコーティング錠を含む)、カプセル剤、顆粒剤、散剤、トローチ剤等の経口剤が挙げられる。光照射下での着色を避けるために、フィルムコーティング錠が好ましい。ある態様において、フィルムコーティング錠は、結晶転移を避けるため、非セルロース系可塑剤(例えばポリエチレングリコール)を含まないものであってもよい。
以下に参考例及び実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例等で用いた分析装置及び測定機器の測定条件等を以下に示す。
(粉末X線回折装置)
D8 Advance(Bruker AXS GmbH製)
測定法:反射法
線源:CuKα線(λ=1.5418Å)
測定範囲:3〜40°
スキャンステップ:0.02°
スキャンスピード:0.1sec/step
[参考例]
(参考例1)
1−(2,6−ジクロロベンジル)−1−メチル−4−オキソピペリジン−1−イウム ブロミドの合成
アセトン(70L)、2,6−ジクロロベンジルブロミド(14.00kg)、1−メチル−4−ピペリドン(7.26kg)を反応容器に加え、還流下にて5時間攪拌した。析出晶を分離し、アセトン(70L)にて洗浄を行い、50℃で20時間送風乾燥し、標題化合物(18.82kg)を白色〜微黄色固体として得た(91%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 2.48-2.61 (2H, m), 2.88-3.04 (2H, m), 3.45 (3H, s), 3.85-3.98 (2H, m), 3.98-4.12 (2H, m), 4.99 (2H, s), 7.58-7.74 (3H, m).
(参考例2)
1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの合成
水(35mL)、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネート(5g)を反応容器に加え、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(3.28mL)をゆっくり流入した。流入終了後、室温にて1時間攪拌した。析出晶を分離し、水(25mL)にて洗浄を行い、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリンを白色〜灰色固体として得た。得られた固体へ、2−プロパノール(15mL)、水(15mL)、1−(2,6−ジクロロベンジル)−1−メチル−4−オキソピペリジン−1−イウム ブロミド(7.57g)、1,3−ジメチルチオ尿素(0.085g)を加え、還流下にて10時間攪拌した。トルエン(15mL)、塩化ナトリウム(0.375g)を加え、分液した。水層にトルエン(15mL)を加えて抽出した。有機層を合わせて減圧濃縮し、残渣へ2−プロパノール(7.5mL)を加え、−10℃以下で1時間攪拌した。析出晶を分離し、2−プロパノール(5mL)にて洗浄を行い、35℃で12時間以上送風乾燥し、標題化合物(1.27g)を白色〜微黄色固体として得た(34%収率)。
1HNMR (CDCl3) δ ppm: 2.58 (4H, t, J = 6.0 Hz), 3.46 (4H, t, J = 6.0 Hz), 6.86-6.98 (2H, m).
[実施例]
(実施例1)
N−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミドの合成
1,4−ジフルオロ−2−ニトロベンゼン(75.0g)、酢酸エチル(375mL)、5%パラジウム炭素(4.0g)を反応容器に加え、水素雰囲気下にて、25〜60℃で4時間攪拌した。固体をろ去し、ろ液に水(375mL)、重炭酸ナトリウム(59.4g)を加え、0℃を超えない温度で桂皮酸クロリド(86.0g)ゆっくり流入した。流入終了後、1時間攪拌した。分液を行い、有機層を水(375mL)で2回洗浄した。有機層を減圧濃縮し、残渣にトルエン(375mL)を加えて再結晶し、表題化合物(100.0g)を白色固体として得た(81%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 6.96-7.02 (1H,m), 7.13 (1H, d, J = 15.6 Hz), 7.31-7.39 (1H, m), 7.42-7.50 (3H, m), 7.61-7.66 (3H, m), 8.09-8.16 (1H, m), 10.1 (1H, s).
(実施例2)
5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オンの合成
塩化ナトリウム(36.0g)、塩化カリウム(36.0g)、塩化アルミニウム(238.0g)を反応容器に加え、内容物が熔融するまで加熱した。撹拌下、N−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−フェニルアクリルアミド(103g)をゆっくり投入し、投入終了後120℃で1時間攪拌した。反応液を氷水(2L)に少しずつ流入した。流入終了後、室温にて1時間攪拌した。析出晶をろ取し、表題化合物(75.5g)を淡赤色固体として得た(104%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 6.63 (1H, d, J = 9.9 Hz), 7.02 (1H, dtd, J = 12.9 Hz, 9.2 Hz, 3.6 Hz), 7.40-7.48 (1H, m), 8.00 (1H, dd, J = 9.9 Hz, 1.2 Hz), 12.0 (1H, s).
(実施例3)
2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリンの合成
5,8−ジフルオロキノリン−2(1H)−オン(69.9g)、N,N−ジメチルホルムアミド(350mL)を反応容器に加え、0℃付近まで冷却した。塩化チオニル(115.0g)をゆっくり流入した。流入後、70℃付近で1時間攪拌した。アセトン/水(2/1)の混合液(700mL)を加えて結晶を析出させ、25%水酸化ナトリウム水溶液(340mL)を加えて中和した。40℃で1時間熟成し、0℃で1時間熟成し、析出晶をろ取し、水で洗浄し、表題化合物(63.0g)を褐色固体として得た(81%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 7.52 (1H, dtd, J = 12.9 Hz, 9.3 Hz, 3.6 Hz), 7.69-7.76 (1H, m), 7.80 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.58 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 1.5 Hz).
(実施例4)
8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリンの合成
t−ブトキシカリウム(14.1g)、N,N−ジメチルアセトアミド(50mL)、メタノール(1.3g)を反応容器に加え、10℃以下まで冷却した。30℃を超えない温度で2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリン(10.0g)をゆっくり投入した。70℃付近で1時間攪拌した。20℃付近まで冷却後、水/メタノール(1.5/1)の混合液(100mL)を流入して結晶を析出させ、水(30mL)を加え20〜40℃で1時間撹拌した。さらに0℃付近で1時間熟成させた後、析出晶をろ取し、水/メタール(1/1)の混合液で洗浄し、表題化合物(7.7g)を褐色固体として得た(74%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 3.95 (3H, s), 4.01 (3H, s), 6.84 (1H, dd, J = 8.7 Hz, 3.3 Hz), 7.05 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 11.1 Hz, 8.7 Hz), 8.38 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 0.9 Hz).
(実施例5)
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの合成
8−フルオロ−2,5−ジメトキシキノリン(100g)、酢酸(300mL)、臭化水素酸水溶液(50%,1.2L)を反応容器に加え、還流下にて14時間反応液を水(3L)に流入し、70〜100℃で1時間熟成した。その後室温にて1時間熟成し、析出晶をろ取し、水で洗浄し、表題化合物(85.7g)をベージュ色の固体として得た(99%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δppm: 6.46 (1H, d, J = 9.8 Hz), 6.52 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 3.7 Hz), 7.21 (1H, dd, J = 10.9 Hz, 8.8 Hz), 8.02 (1H, dd, J = 9.8 Hz, 1.6 Hz), 10.33 (1H, brs), 11.60 (1H, brs).
(実施例6)
8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテートの合成
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オン(2.0g)、無水酢酸(12mL)、濃硫酸(0.03mL)を反応容器に加え、120℃付近にて2時間攪拌した。0℃付近まで冷却し、反応液を水(20mL)へ流入した。流入終了後、1時間以上熟成した。析出物をろ取し、水で洗浄し、表題化合物(2.13g)を白色〜ベージュ色の固体として得た(86%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δppm: 2.39 (3H, s), 6.60 (1H, d, J = 9.9 Hz), 6.96 (1H, dd, J = 8.7 Hz, 3.9 Hz), 7.45 (1H, dd, J = 10.5 Hz, 8.7 Hz), 7.90 (1H, dd, J = 9.9 Hz, 1.8 Hz), 11.9 (1H, s).
(実施例7)
8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテートの合成
8−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロキノリン−5−イル アセテート(128g)、10%パラジウム炭素(12.8g)、酢酸(1.0L)を反応容器に加え、水素雰囲気下にて70℃で8時間攪拌した。析出物をろ去し、水(1.3L)を加えて、80℃付近まで加熱した。室温付近まで冷却し、0℃付近にて1時間熟成した。析出物をろ取し、水で洗浄し、表題化合物(104g)を白色〜ベージュ色の固体として得た(80%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δppm: 2.29 (3H, s), 2.45 (2H, dd, J = 8.1 Hz, 6.0 Hz), 2.73 (2H, dd, J = 8.1 Hz, 6.9 Hz), 6.75 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 4.2 Hz), 7.12 (1H, t, J = 9.3 Hz), 10.2 (1H, s).
(実施例8)
8−フルオロ−5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
8−フルオロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−5−イル アセテート(51g)、メタノール(255mL)、濃塩酸(306g)を反応容器に加え、還流下にて30分攪拌した。冷却し、水(1.0L)を流入し、30〜40℃で1時間以上熟成した。0℃付近まで冷やし、析出晶をろ取し、水で洗浄し、表題化合物(40.9g)を白色〜ベージュ色の固体として得た(98%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δppm: 2.42 (2H, dd, J = 7.8 Hz, 6.3 Hz), 2.79 (2H, t, J = 7.8 Hz), 6.40 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 4.2 Hz), 6.85 (1H, t, J = 10.5 Hz), 9.45 (1H, s), 9.90 (1H, s).
(実施例9)
2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリンの合成
tert−ブトキシカリウム(46.4g)、N,N−ジメチルホルムアミド(165mL)、ベンジルアルコール(50.1g)を反応容器に加え、30℃を超えない温度で2−クロロ−5,8−ジフルオロキノリン(33.0g)をゆっくり投入した。70℃付近にて2時間攪拌した。20℃付近まで冷却し、水/アセトン(1/2)の混合液(330mL)を加えて結晶化させ、水(165mL)を加え、20〜40℃で1時間熟成した。0℃で1時間熟成したのち、析出晶をろ取し、水/アセトン(1/1)の混合液で洗浄し、褐色固体を得た。アセトン(330mL)、活性炭(3.3g)を加え、還流下にて30分以上攪拌した。析出物を熱時ろ過し、ろ液を冷却して結晶化させ、表題化合物(44.2g)を淡褐色固体として得た(74%収率)。
1HNMR (CDCl3) δppm: 5.19 (2H, s), 5.58 (2H, s), 6.69 (1H, dd, J = 8.8 Hz, 3.6 Hz), 6.96 (1H, d, J = 9.2 Hz), 7.23 (1H, dd, J = 10.8 Hz, 2.0 Hz), 7.32-7.43 (6H, m), 7.48 (2H, d, J = 7.2 Hz), 7.55 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.46 (1H, dd, J = 9.2 Hz, 1.6 Hz).
(実施例10)
8−フルオロ−5−ヒドロキシキノリン−2(1H)−オンの合成
2,5−ビス(ベンジルオキシ)−8−フルオロキノリン(35.6g)、5%パラジウム炭素(3.5g)、酢酸(245mL)を反応容器に加え、水素雰囲気下にて70℃付近で2時間攪拌した。析出物をろ去し、残渣の一部を濃縮した。水(350mL)を加えて加熱し、冷却して再結晶した。20〜40℃で1時間熟成し、0℃で1時間熟成した。析出物をろ取し、水で洗浄し、表題化合物(14.0g)を淡褐色固体として得た(78%収率)。
1HNMR:実施例5参照
(実施例11)
4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートの合成(1)
アセトニトリル(140L)、N−クロロスクシンイミド(22.75kg)、1,3−ジメチルチオ尿素(0.32kg)を反応容器に加え、2,6−ジフルオロアニリン(20.0kg)をゆっくり流入した。流入終了後、室温にて2時間攪拌した。p−トルエンスルホン酸一水和物(32.41kg)を投入し、1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸エチル(60L)にて洗浄を行い、60℃で19時間送風乾燥し、標題化合物(44.66kg)を白色〜微黄色固体として得た(85%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δppm: 2.29 (3H, s), 6.33-6.80 (3H, brs), 7.03-7.19 (4H, m), 7.44-7.52 (2H, m).
(実施例12)
4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートの合成(2)
アセトニトリル(60L)、酢酸エチル(60L)、2,6−ジフルオロアニリン(20.0kg)を反応容器に加え、トリクロロイソシアヌル酸(12.60kg)をゆっくり投入した。投入終了後、室温にて1時間攪拌した。析出晶をろ去し、アセトニトリル(20L)/酢酸エチル(20L)の混合液にて洗浄した。p−トルエンスルホン酸一水和物(32.41kg)を投入し、1時間以上熟成した。析出晶を分離し、アセトニトリル(40L)/酢酸エチル(20L)の混合液にて洗浄を行い、60℃で19時間送風乾燥し、標題化合物(44.68kg)を白色〜微黄色固体として得た(85%収率)。
1HNMR:実施例11参照
(実施例13)
1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドの合成
アセトン(60L)、イソブテニルクロリド(18.42kg)、ヨウ化ナトリウム(28.15kg)を反応容器に加え、室温にて5時間攪拌した。水(200L)を流入し、分液し、有機層(27L)を取得した。得られた有機層へ、アセトン(140L)、1−エチル−4−ピペリドン(20.0kg)を加え、50℃を超えない温度で8時間攪拌した。析出晶を分離し、アセトン(200L)にて洗浄を行い、60℃で11時間送風乾燥し、標題化合物(41.35kg)を白色〜微黄色固体として得た(85%収率)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 1.34 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.98 (3H, s), 2.55-2.87 (4H, m), 3.56 (2H, q, J = 7.2 Hz), 3.64-3.80 (4H, m), 4.10 (2H, s), 5.41 (1H, brs), 5.49-5.55 (1H, m).
(実施例14)
1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの合成
水(418L)、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネート(59.77kg)を反応容器に加え、25%水酸化ナトリウム水溶液(31.33kg)をゆっくり流入した。流入終了後、室温にて1時間攪拌した。析出晶を分離し、水(299L)にて洗浄を行い、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリンを白色〜灰色固体として得た。得られた固体へ2−プロパノール(179L)、水(179L)、1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージド(82.48kg)、1,3−ジメチルチオ尿素(1.02kg)を加え、還流下にて10時間攪拌した。0℃付近まで冷却し、1時間以上熟成した。析出晶を分離し、2−プロパノール(20L)/水(20L)の混合液にて洗浄を行い、続いて2−プロパノール(20L)にて洗浄を行い、35℃で37時間送風乾燥し、標題化合物(26.30kg)を白色〜微黄色固体として得た(60%収率)。
1HNMR:参考例2参照
(実施例15)
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールの合成
アセトニトリル(48L)、1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オン(16.0kg)、tert−ブチルジメチルシリルクロシド(11.3kg)、ヨウ化ナトリウム(11.2kg)、トリエチルアミン(8.24kg)を反応容器に加え、還流下にて2時間攪拌した。トルエン(64L)及び水(64L)/重炭酸ナトリウム(3.20kg)の混合液を流入し、分液した。有機層を水(64L)、水(32L)で洗浄した。有機層を減圧濃縮し、残渣へトルエン(128L)及びシリカゲル60N(1.60kg)を加え、室温にて30分以上攪拌した。析出物をろ去し、トルエン(16.7kg)にて洗浄を行い、4−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンのトルエン溶液を得た。1−プロパノール(58.9kg)、アセトニトリル(74L)、水(99L)/エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(15.0g)/炭酸カリウム(27.0kg)の混合液、D−エポキソン(2.52kg)を加え、10℃を超えない温度で35%過酸化水素水(25.3kg)をゆっくり流入した。流入終了後、5〜15℃で5時間攪拌した。20℃を超えない温度で、水(131L)/チオ硫酸ナトリウム五水和物(65.1kg)/炭酸ナトリウム(528g)の混合液をゆっくり流入し、30分以上攪拌した。静置後に分液し、有機層を水(160L)/塩化ナトリウム(4kg)の混合液で2回洗浄を行い、(1R,6R)−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタンのトルエン/1−プロパノール/アセトニトリル混合液を得た。ジメチルスルホキシド(88.0kg)、トリメチルスルホキソニウムヨージド(15.8kg)、48%水酸化カリウム水溶液(8.38kg)を加え、室温にて3時間攪拌した。水(160L)を流入し、分液した。有機層を水(160L)/塩化ナトリウム(4kg)の混合液で洗浄した。有機層を減圧濃縮し、残渣にエタノール(64L)を流入し、還流下にて固体が溶解するまで攪拌した。25℃付近まで冷却し、1時間以上熟成した。析出晶を分離し、エタノール(12.6kg)にて洗浄を行い、60℃で16時間送風乾燥し、標題化合物(7.10kg)を白色〜微黄色固体として得た(39%収率)。
1HNMR (CDCl3) δ ppm: 1.76 (1H, dt, J = 13.8 Hz, 4.1 Hz), 2.02-2.17 (1H, m), 2.08 (1H, d, J = 11.1 Hz), 2.70 (1H, d, J = 4.7 Hz), 3.02-3.22 (2H, m), 3.06 (1H, d, J = 4.7 Hz), 3.23-3.36 (1H, m), 3.37-3.48 (1H, m), 3.79-3.91 (1H, m), 6.84-6.95 (2H, m).
(実施例16)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オール(13.83kg)、8−フルオロ−5−ヒドロキシ3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(10.00kg)、炭酸カリウム(1.39kg)、2−プロパノール(69L)、水(14L)を反応容器に加え、還流下にて3時間攪拌した。水(138L)を流入し、30〜50℃で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、2−プロパノール(42L)にて洗浄を行い、60℃で19時間送風乾燥し、標題化合物(20.94kg)を白色〜微黄色固体として得た(91%収率、II形)。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 1.62-1.75 (1H, m), 1.83-1.99 (1H, m), 2.40-2.54 (2H, m), 2.80-3.01 (4H, m), 3.15-3.40 (2H, m), 3.62-3.80 (1H, m), 3.68 (1H, d, J = 9.0 Hz), 4.02 (1H, d, J = 9.0 Hz), 4.52 (1H, s), 4.86 (1H, d, J = 6.3 Hz), 6.58 (1H, dd, J = 9.0 Hz, 3.9 Hz), 6.97-7.07 (1H, m), 7.21-7.33 (2H, m), 10.0 (1H, s).
(実施例17)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの精製(1)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(20.93kg、II形)、酢酸(175.65kg)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、70℃付近まで温めた水(41.86kg)をろ過機を通して流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(49.40kg)/水(15.70kg)の混合液にて洗浄を行い、85℃、1.0kPaで24時間真空乾燥し、標題化合物(15.45kg)を白色〜微黄色固体として得た(73%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例18)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの精製(2)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(11.10kg、II形)、酢酸カリウム(1.91kg)、酢酸(100kg)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、70℃付近まで温めた水(22kg)をろ過機を通して流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(26kg)/水(8kg)の混合液にて洗浄を行い、65〜70℃、1.0kPaで42時間真空乾燥し、標題化合物(8.61kg)を白色〜微黄色固体として得た(77%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例19)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの精製(3)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(3.10kg、II形)、ジメチルスルホキシド(19L)を反応容器に加え、水(37L)をゆっくり流入した。流入終了後、室温にて1時間以上熟成した。析出晶を分離し、エタノール(25L)にて洗浄を行い、50℃で19時間送風乾燥し、標題化合物(2.81kg)を白色〜微黄色固体として得た(93%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例20)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの精製(4)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(2.00kg、II形)、酢酸(16L)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、60℃付近まで温めた水(4L)を流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(45L)/水(15L)の混合液にて洗浄を行った。得られた結晶に、水(55L)を通過させた。結晶を分離し、50℃で終夜送風乾燥し、標題化合物(1.27kg)を白色〜微黄色固体として得た(63%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例21)
(S)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−4−メチレンピペリジン−3−オールの合成
トルエン(40L)、1,2−ジメトキシエタン(40L)、トリフェニルホスフィン(0.62kg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.43kg)、1,3−ビス(ヘキサフルオロ−α−ヒドロキシイソプロピル)ベンゼン(3.95kg)を反応容器に加え、2−メチル−2−ビニルオキシラン(20.51kg)をゆっくり流入した。流入終了後、室温にて1時間半攪拌した。トルエン(81L)、パラホルムアルデヒド(5.06kg)、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネート(44.25kg)を加え、室温にて2時間半攪拌した。水(101L)及び25%水酸化ナトリウム水溶液(34.58kg)を流入し、分液した。水(97L)にて洗浄を行い、有機層を減圧濃縮した。残渣にトルエン(71L)、シリカゲル60N(1.02kg)、活性炭(0.53kg)を加え、室温にて30分以上攪拌した。析出物をろ去し、トルエン(71L)にて洗浄を行い、[1−(4−クロロ−2,6−ジクロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル]メタノールのトルエン溶液を得た。ゼオラムA−3(3.45kg)、(D)−(−)−酒石酸イソプロピル(3.40kg)、チタンテトライソプロポキシド(3.75kg)を加え、0℃を超えない温度でクメンヒドロペルオキシド(17.55kg)及びトルエン(17L)をゆっくり流入した。流入終了後、0℃以下にて2時間攪拌した。ジメチルスルホキシド(10.30kg)を流入し、室温にて1時間攪拌した。50%DL−乳酸(34L)、水(137L)を流入し、分液した。有機層を重炭酸ナトリウム(8.86kg)/水(137L)の混合液にて洗浄した。有機層を減圧濃縮し、残渣へ酢酸エチル(137L)、トリエチルアミン(10.67kg)、4−ジメチルアミノピリジン(0.81kg)、無水フタル酸(13.66kg)を加え、室温にて1時間攪拌した。ヘプタン(137L)及び重炭酸ナトリウム(8.86kg)/水(102L)の混合液を流入し、分液した。水層を酢酸エチル(137L)/ヘプタン(137L)の混合液にて洗浄した。トルエン(204L)、25%水酸化ナトリウム水溶液(126.52kg)を流入し、70℃付近にて2時間攪拌した。静置後に分液し、有機層へ濃塩酸(12.99kg)及び水(137L)を流入し、分液した。重炭酸ナトリウム(8.86kg)/水(137L)の混合液にて洗浄を行い、有機層を減圧濃縮した。残渣へトルエン(109L)を流入し、[(1R,6R)−3−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−7−オキサ−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−6−イル]メタノールのトルエン溶液を得た。トリエチルアミン(7.33kg)、トリメチルアミン塩酸塩(0.31kg)、トシルクロリド(12.56kg)を加え、室温にて1時間半攪拌した。重炭酸ナトリウム(2.27kg)/水(73L)の混合液を流入し、分液した。有機層を減圧濃縮し、残渣にアセトニトリル(106L)、ヨウ化ナトリウム(10.87kg)を加え、70℃付近にて2時間攪拌した。水(89L)及びアスコルビン酸(12.77kg)を加え、室温にて1時間攪拌した。酢酸エチル(145L)を流入し、分液した。有機層を亜硫酸ナトリウム(8.31kg)/水(89L)の混合液及び水(89L)で洗浄を行い、減圧濃縮した。残渣へメタノール(18L)を流入し、ヘプタン(177L)にて抽出した。ヘプタン層にシリカゲル60N(1.55kg)を加え、室温にて30分以上攪拌した。析出物をろ去し、ヘプタン(18L)/エタノール(13L)の混合液にて洗浄した。ろ液を減圧濃縮し、残渣へエタノール(27L)及び2−プロパノール(27L)を流入した。攪拌下に水(100L)をゆっくり流入して結晶を析出させた。析出晶を分離し、水(27L)にて洗浄を行い、40℃で20時間送風乾燥し、標題化合物(1.60kg)を白色〜灰色固体として得た(4%収率)。
1HNMR (CDCl3) δ ppm: 2.29 (1H, dt, J = 13.8 Hz, 4.9 Hz), 2.54-2.73 (2H, m), 3.01-3.19 (3H, m), 3.29-3.40 (1H, m), 4.13-4.26 (1H, m), 4.87 (1H, s), 5.00 (1H, s), 6.83-6.95 (2H, m).
(実施例22)
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オールの合成
(S)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−4−メチレンピペリジン−3−オール(7.21kg)、酢酸エチル(22L)、水(36L)を反応容器に加え、m−クロロ過安息香酸(10.27kg)をゆっくり投入した。投入終了後、10℃を超えない温度で3時間攪拌した。重炭酸ナトリウム(3.50kg)、亜硫酸ナトリウム(3.50kg)/水(36L)の混合液を流入し、30分以上攪拌した。析出晶を分離し、水(14L)にて洗浄を行った。エタノール(10L)を流入し、還流下にて結晶が溶解するまで攪拌した。25℃付近まで冷却し、1時間以上熟成した。析出晶を分離し、エタノール(3L)にて洗浄を行い、60℃で17時間送風乾燥し、標題化合物(1.52kg)を白色〜微黄色固体として得た(19%収率)。
1HNMR:実施例15参照
(実施例23)
酢酸和物の調製(1)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(20.93kg、II形)、酢酸(175.65kg)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、70℃付近まで温めた水(41.86kg)をろ過機を通して流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(49.40kg)/水(15.70kg)の混合液にて洗浄を行い、標題化合物の酢酸和物(18.55kg)を得た。
1HNMR (DMSO-d6) δ ppm: 1.62-1.74 (1H, m), 1.83-1.99 (1H, m), 1.90 (3H, s), 2.40-2.54 (2H, m), 2.80-3.00 (4H, m), 3.14-3.40 (2H, m), 3.62-3.80 (1H, m), 3.68 (1H, d, J = 9.2 Hz), 4.01 (1H, d, J = 9.2 Hz), 4.54 (1H, brs), 4.88 (1H, brs), 6.57 (1H, dd, J = 9.2 Hz, 3.6 Hz), 6.97-7.07 (1H, m), 7.21-7.32 (2H, m), 10.0 (1H, s). 12.0 (1H, brs).
(実施例24)
酢酸和物の調製(2)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(11.10kg、II形)、酢酸カリウム(1.91kg)、酢酸(100kg)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、70℃付近まで温めた水(22kg)をろ過機を通して流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(26kg)/水(8kg)の混合液にて洗浄を行い、標題化合物の酢酸和物(10.15kg)を得た。
1HNMR:実施例23参照
(実施例25)
I形結晶の調製(1)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(20.93kg、II形)、酢酸(175.65kg)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、70℃付近まで温めた水(41.86kg)をろ過機を通して流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(49.40kg)/水(15.70kg)の混合液にて洗浄を行い、85℃、1.0kPaで24時間真空乾燥し、標題化合物(15.45kg)を白色〜微黄色固体として得た(73%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例26)
I形結晶の調製(2)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(11.10kg、II形)、酢酸カリウム(1.91kg)、酢酸(100kg)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、70℃付近まで温めた水(22kg)をろ過機を通して流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(26kg)/水(8kg)の混合液にて洗浄を行い、65〜70℃、1.0kPaで42時間真空乾燥し、標題化合物(8.61kg)を白色〜微黄色固体として得た(77%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例27)
I形結晶の調製(3)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(3.10kg、II形)、ジメチルスルホキシド(19L)を反応容器に加え、水(37L)をゆっくり流入した。流入終了後、室温にて1時間以上熟成した。析出晶を分離し、エタノール(25L)にて洗浄を行い、50℃で19時間送風乾燥し、標題化合物(2.81kg)を白色〜微黄色固体として得た(93%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例28)
I形結晶の調製(4)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(2.00kg、II形)、酢酸(16L)を反応容器に加え、70℃付近にて結晶が溶解するまで攪拌した。熱時ろ過し、60℃付近まで温めた水(4L)を流入した。ゆっくり冷却し、30℃以下で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、酢酸(45L)/水(15L)の混合液にて洗浄を行った。得られた結晶に、水(55L)を通過させた。結晶を分離し、50℃で終夜送風乾燥し、標題化合物(1.27kg)を白色〜微黄色固体として得た(63%収率、I形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例29)
II形結晶の調製(1)
(3R,4R)−6−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−1−オキサ−6−アザスピロ[2.5]オクタ−4−オール(13.83kg)、8−フルオロ−5−ヒドロキシ3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(10.00kg)、炭酸カリウム(1.39kg)、2−プロパノール(69L)、水(14L)を反応容器に加え、還流下にて3時間攪拌した。水(138L)を流入し、30〜50℃で1時間以上熟成した。析出晶を分離し、2−プロパノール(42L)にて洗浄を行い、60℃で19時間送風乾燥し、標題化合物(20.94kg)を白色〜微黄色固体として得た(91%収率、II形)。
1HNMR:実施例16参照
(実施例30)
II形結晶の調製(2)
5−{[(3R,4R)−1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)−3,4−ジヒドロキシピペリジン−4−イル]メトキシ}−8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(200g、I+II形)、メタノール(2L)を反応容器に加え、室温にて22時間攪拌した。析出晶を分離し、メタノール(600mL)にて洗浄を行い、80℃で17時間送風乾燥し、標題化合物(181.70g)を白色〜微黄色固体として得た(90%収率、II形)。
1HNMR:実施例16参照
(粉末X線回折)
化合物AのI形及びII形結晶の粉末X線回折パターンを上記粉末X線回折装置を用いて測定した。得られたI形及びII形結晶の粉末X線回折パターンをそれぞれ図1及び2に示す。
図1によれば、I形結晶は、回折角(2θ)4.9°、9.9°、10.6°、13.9°、16.6°、17.9°、18.2°、21.9°、23.1°、26.2°、31.9°付近にピークを示した。
図2によれば、II形結晶は、回折角(2θ)8.7°、10.8°、14.2°、16.5°、16.7°、17.3°、21.0°、23.9°、25.3°、28.2°付近にピークを示した。
(製剤処方)
化合物AのI形結晶を,上記ジェットミル(型式:PJM−100SP,日本ニューマチック工業製;エアー圧:0.4MPa;送りスピード:20rpm)を用いて機械的に破砕して薬物微粒子を得た。粉砕したI形結晶、乳糖水和物、トウモロコシデンプン及び二酸化ケイ素を上記流動層造粒機(型式:FD−MP−01,パウレック社製)に投入し混合した。別にヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を水に溶解して調製した結合液で流動層造粒及び乾燥を行い、造粒物を得た。得られた造粒物を篩又は解砕式整粒機(型式:P−3S,ダルトン社製)に投入し顆粒を得た。容器回転式混合機(石飛製作所社製)に、得られた顆粒及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)を入れて混合した。容器回転式混合機に、混合組成物とステアリン酸マグネシウムを入れて混合した。この最終混合物をロータリー式打錠機(型式:0512SS,菊水製作所社製)を用いて打錠し錠剤(素錠)を得た。錠剤には、化合物Aが約5〜100mg含まれるようにした。図7に製剤の製造方法を模式的に示す。
化合物Aの製剤処方例を以下に示す。
Figure 2020079206
(フィルムコーティング錠)
化合物AのI形結晶を以下の方法に従い製剤化する。
予めフィルムコーティング液を以下のとおりに調製する。フィルムコーティング成分であるOPADRY(商標登録)又はOPADRY amb II(商標登録)を水に溶解し、分散させ、常法によりフィルムコーティング液を調製する。OPADRYは、ヒプロメロース(HPMC)、タルク、酸化チタン及び色素成分からなり、適宜、ポリエチレングリコール(PEG)をさらに含むこともある。OPADRY amb IIは、ポリビニルアルコール(PVA)を含み、さらに可塑剤を含む。化合物AのI形結晶を含む素錠をコーティング装置(型式:DRC−200,パウレック社製)に入れ、このフィルムコーティング液でコーティングし、乾燥させて、フィルムコーティング錠を得る。
本発明の製造方法は、結核菌、多剤耐性結核菌及び/又は非結核性抗酸菌に対して優れた抗菌作用を有する化合物Aの安定かつ効率的な工業的生産に有用である。

Claims (3)

  1. 1−(4−クロロ−2,6−ジフルオロフェニル)ピペリジン−4−オンの製造方法であって、以下の工程を含む方法:
    4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを塩基で処理して4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリンを得た後、アルキルチオ尿素の存在下、溶媒中にて1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドと反応させる工程。
  2. さらに以下の工程を含む、請求項1に記載の方法:
    2,6−ジフルオロアニリンを塩素化剤及びアルキルチオ尿素の存在下、溶媒中にて反応させて、4−クロロ−2,6−ジフルオロアニリン・4−メチルベンゼンスルホネートを得る工程。
  3. さらに以下の工程を含む、請求項1又は2に記載の方法:
    イソブテニルクロリドをヨウ素化剤の存在下、溶媒中にて1−エチル−4−ピペリドンと反応させて、1−エチル−1−(2−メチルアリル)−4−オキソピペリジン−1−イウム ヨージドを得る工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021230198A1 (ja) * 2020-05-11 2021-11-18 大塚製薬株式会社 ジヒドロキノリノン化合物の共結晶

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