JP2007267511A - 電線の固定具および電線の固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる電線の固定方法を提供する。
【解決手段】電線100を設定対象物500に対して配線して固定するための電線の固定具1であって、設定対象物における電線100の出口付近には、トンネル状の電線保持部分20を設け、電線保持部分20の途中には電線保持部分20の中心のズレ量dを有する段差部分10,11を有しており、ズレ量dは電線100の被覆102の厚み未満であり、電線100の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線100の固定強度が得られ、電線100がほぼ直線状態のまま固定できる。
【選択図】図1
【解決手段】電線100を設定対象物500に対して配線して固定するための電線の固定具1であって、設定対象物における電線100の出口付近には、トンネル状の電線保持部分20を設け、電線保持部分20の途中には電線保持部分20の中心のズレ量dを有する段差部分10,11を有しており、ズレ量dは電線100の被覆102の厚み未満であり、電線100の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線100の固定強度が得られ、電線100がほぼ直線状態のまま固定できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、電線の固定具および配線の固定方法に関し、特に電線と電気機器の内部配線との接続を安定させることができる電線の固定具および電線の固定方法に関する。
電気機器に対して電線を接続するために、電線は端子ボルトとナットにより取り付ける構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような構造では電線を電気機器の筐体に直接的に固定することができない。そこで、電気機器に電線を固定する場合には、電気機器に設けられた壁や凹凸部に電線を挟んで、この電線を山形に屈曲させることで、電線は電気機器に固定される。電気機器の筐体は、概ね上下に分かれていて、例えば本体と蓋体との間に電線を挟む構造であって、本体と蓋体の対応した位置に壁や凹凸部が設けられていて、蓋体を本体に対して被せる力で電線を押し曲げて、その摩擦力で電線の引っ張り力に対向する。
特開平7−130411号公報
ところが、このように電線を屈曲させて電気機器の筐体に固定する方法では、電線に予め屈曲できるだけの余分な長さを与えておく必要があり、蓋体を締める力で電線を屈曲させる時に、電線が蓋体に設けられた壁の上を滑って筐体の中に引きずり込まれる。この時に、摩擦に対向するための力も必要であり、その力は電線に引っ張り力となって吸収されるから、電線がのびてしまい、引きずり込まれる長さの分電線の長さにバラツキを引き起こす。
そうすると、残りの電線、すなわち電気機器の外の配線部分の電線長さにもバラツキが生じてしまい不揃いになって配線にはなはだ都合が悪く、配線作業性が低下する。
特に、電線に対して電気機器を直列に並べるバス配線の場合には、各電気機器が所定の間隔で並ばないので都合が悪い。このため、電線に余分な長さを必要とせずに、電線は直線状態のままで長さのバラツキが無く、電気機器と電線とを固定することが望まれている。
そこで、本発明は上記課題を解消するために、電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる電線の固定具および電線の固定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解消するために、本発明の電線の固定具は、電線を設定対象物に対して配線して固定するための電線の固定具であって、
前記設定対象物における前記電線の出口付近には、トンネル状の電線保持部分を設け、前記電線保持部分の途中には前記電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、前記ズレ量は前記電線の被覆の厚み未満であることを特徴とする。
前記設定対象物における前記電線の出口付近には、トンネル状の電線保持部分を設け、前記電線保持部分の途中には前記電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、前記ズレ量は前記電線の被覆の厚み未満であることを特徴とする。
本発明の電線の固定具は、好ましくは前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分から構成されており、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分が重ね合わされることで円筒トンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分の前記段差部分では、前記軸方向に対して交互に円筒中心がズレていることを特徴とする。
本発明の電線の固定具は、好ましくは前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1略U字部分と第2略U字部分から構成されており、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分が重ね合わされることでトンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分は、交互に歯部が前記電線の前記被覆に噛み合うように凹凸が対応して配置され、前記歯部が前記第1略U字部分と前記第2略U字部分において互いに交互に中心がズレていることを特徴とする。
本発明の電線の固定具は、好ましくは前記設定対象物は、前記電線の固定部材であることを特徴とする。
本発明の電線の固定具は、好ましくは前記設定対象物は、機器の筐体の一部であることを特徴とする。
本発明の電線の固定方法は、電線を設定対象物に対して配線して固定するための電線の固定方法であって、
前記設定対象物における前記電線の出口付近に設けられたトンネル状の電線保持部分の途中には前記電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、前記ズレ量は前記電線の被覆の厚み未満であり、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする
本発明の電線の固定方法は、好ましくは前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分から構成されており、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分が重ね合わされることで円筒トンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分の前記段差部分では、前記軸方向に対して交互に円筒中心がズレていて、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする。
前記設定対象物における前記電線の出口付近に設けられたトンネル状の電線保持部分の途中には前記電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、前記ズレ量は前記電線の被覆の厚み未満であり、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする
本発明の電線の固定方法は、好ましくは前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分から構成されており、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分が重ね合わされることで円筒トンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分の前記段差部分では、前記軸方向に対して交互に円筒中心がズレていて、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする。
本発明の電線の固定方法は、好ましくは前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1略U字部分と第2略U字部分から構成されており、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分が重ね合わされることでトンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分は、交互に歯部が前記電線の前記被覆に噛み合うように凹凸が対応して配置され、前記歯部が前記第1略U字部分と前記第2略U字部分において互いに交互に中心がズレていて、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする。
本発明の請求項1の電線の固定具によれば、電線の芯線に影響を与えずに、電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる。
本発明の請求項2の電線の固定具によれば、分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分を用いて、電線の芯線に影響を与えずに、電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる。
本発明の請求項3の電線の固定具によれば、分割された第1略U字部分と第2略U字部分を用いて、電線の芯線に影響を与えずに、電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる。
本発明の請求項4の電線の固定具によれば、電線の固定部材に対して電線を強固に固定できる。
本発明の請求項5の電線の固定具によれば、機器の筐体の一部に対して電線を強固に固定できる。
本発明の請求項6の電線の固定具によれば、電線の芯線に影響を与えずに、電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる。
本発明の請求項7の電線の固定具によれば、分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分を用いて、電線の芯線に影響を与えずに、電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる。
本発明の請求項8の電線の固定具によれば、図13(B)に示すように、箱体2401には第1略U字部分2601が形成され、蓋体2402には第2第1略U字部分2602が形成されている。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の電線の固定具の好ましい実施形態を示す図であり、。
電線は、電気機器に電力や通信信号を伝送するのに用いられ、電気機器の内部配線と電気接続用の端子などによって電気的に接続されていると同時に、電気機器の外の部分は延長されて、電源や制御機器や、複数の電気機器に接続されている。電気機器の外部配線は、建物の壁や天井や、移動体であれば自動車の車体の壁などの所定の経路を通過して配線されているから、電線の長さにバラツキが生じると、配線作業性が低下する。
現場での一品工事なら別であるが、通常の電線の固定方法では規格寸法の配線体を沢山生産するには不都合と言える。電線は直線状態のまま加工されれば、電線には長さのバラツキが生じないので、配線体の大量生産には適する。
そこで、本発明の実施形態の電線の固定具では、電線を保持している部分が円筒状に形成されており、その円筒状のトンネルの長さ方向には複数の中心位置がずれた段差部分を設けることにより、電線の長さの変化を少なくして、電線を強固に保持することができる構造を採用している。
図1(A)は、本発明の電線の固定具の好ましい実施形態を示しており、電線の固定具1は、電線固定部分20を有しており、電線100はこの電線固定部分20により確実に固定される。
トンネル状の電線保持部分20は、例えば電気機器の電線100の出口付近において電線100を保持している。電線保持部分20は円筒状のトンネルを形成しており、電線保持部分20の途中形状は、長手方向に沿って幾つかに分割されており、複数の段差部分10,11が交互に繰り返して配列されている。
電線100は、複数本の芯線101と、絶縁用の被覆102を有し、電線100は断面円形を有している。複数本の芯線101の幾何学的な中心が中心線Lである。
図1(B)に示すように、電線保持部分20の特徴的なところは、段差部分10の中心S1が、電線100の芯線101の中心線Lに対して、ズレ量dだけずれており、。同様にして、段差部分10の中心S2が、電線100の芯線101の中心線Lに対して、ズレ量dだけ反対方向にずれていることである。
さらに、特徴的なのは、ズレ量dは電線100の被覆102の厚み未満に設定されていることである。これにより、電線100が電線保持部分20に保持された状態では、被覆102が変形するだけであり芯線101に与える影響は少なく、芯線101は概ね直線的にトンネル状の電線保持部分20を通過できる。芯線101は金属であるから、芯線101が真っ直ぐな状態であれば、被覆102が変形99を起こしても、電線100の長さのバラツキは少ない。
図1では、電線保持部分20は、軸方向に沿って上下に2つに分割されており、第1半円筒部分21と第2半円筒部分22から構成されている。第1半円筒部分21と第2半円筒部分22が重ね合わされることで、円筒トンネル状の電線保持部分20が形成される。第1半円筒部分21と第2半円筒部分22の段差部分10,11の円筒中心は、中心軸Lに対して軸方向に対して交互に上下方向に沿ってズレている。
これにより、電線100の被覆102が、電線保持部分20の段差部分10,11により確実に固定できる
図2は、本発明の別の実施形態を示している。図2では、電線100の図示は省略している。
図2は、本発明の別の実施形態を示している。図2では、電線100の図示は省略している。
図2の電線の固定具1は、その内部に電線保持部分20を有している。電線保持部分20には、3つの半径方向に関して3カ所に第1段差部分〜第3段差部分10,11,12が形成されている。各第1段差部分〜第3段差部分10,11,12は、内部に角の切り立った段差である。この角部分は、例えば60度から90度の角度を有していることが望ましい。
段差部分の数は3段であるが、段差部分の数は多いほど良いが、部品加工や強度の制約や、占有面積の問題があるので、概ね電線直径の2倍程度の長さの円筒状のトンネルには、3段程度の段差を設けることが望ましい。図2の例でも、電線固定部分20は例えば上下に2分割可能である。
図3は、本発明の範囲外である比較例を示している。図3に示すように、電線保持部分400の段差部分300,301は、円筒の直径の大きさの違いで同心円状に形成されていて、相互にはずれていない。この場合には、電線はより直線的に配置されるのであるが、直径の小さい段差部分301は、直径の大きい段差部分300に比べて、電線の断面積を圧縮してしまうことになる。しかも、取扱者が電線20電線保持部分400の段差部分300,301内に装着するときには大きな力が必要になり、圧縮された断面積は長さ方向に変形して逃げることになるから、電線に対するダメージが大きい。
図4ないし図6は、本発明の実施形態の電線の固定具1が、実際に適用された例を示している。
図4では、電線の固定具1が設定対象物であるコネクタ500に取り付けられている。電線100の端末は、電線の固定具1を用いてコネクタ500に固定されている。
図5では、電線の固定具1が設定対象物である電源ボックス600に取り付けられている。電線100の端末は、電線の固定具1を用いて電源ボックス600に固定されており、電源ボックス600から電線100が導出されている。
図6では、電線の固定具1が設定対象物であるバスハーネスに対して適用されている。制御ボックス700には、電線の固定具1を用いて電線100の端部が固定されている。電線500は、コネクタ750が設けられている。
図4ないし図6の例では、電線の固定具1の電線固定部分20は、例えば2分割されている。図4のコネクタ500は上下部分501,502に2分割できる。図5の電源ボックス600は、本体601と蓋体602に分割できる。図6の制御ボックス700は、本体701と蓋体702分割できる。
次に、図7と図8を参照して、本発明のさらに別の実施形態を説明する。
図7は、電気接続用のコネクタ810の正面図である。図8は図7の電気接続用のコネクタ810のH−H線における断面図である。
図7と図8に示す電線の固定具1001は、設定対象物としての電気接続用のコネクタ810に設定されている。このコネクタ810の中心には電線の固定具1001と端子840が配置されている。図8に示すように、端子840は、被覆圧着841と芯線圧着842を有している。芯線圧着841は電線100の芯線101に対して圧着され、被覆圧着842は被覆102に対して圧着されている。被覆102には、電磁シールド導体102Dが配置されている。
図8に示す電線100の端部と端子840は、絶縁体843により保持されており、端子840の先端部は、コネクタソケット844の開口部内に位置している。絶縁体843の外面には、電磁シールド外殻845が配置されており、電磁シールド外殻845の一部は、電線100の被覆102に対してカシメ部846により固定されている。
電磁シールド外殻845は、回路を電磁ノイズから隔離するために、嵌め合い面以外のコネクタ810の周囲をほぼ全部覆っている。電磁シールド外殻845は、導電性の金属部品であり、その終端は電線の電磁シールド導体102Dと電気的に圧着カシメで固定して接続されている。
図8に示す電磁シールド導体102Dは、編組線などで電線100の全周囲を覆い、さらにその上を外装の被覆102が覆っている。被覆102がコネクタの外殻絶縁体847で固定すれば、コネクタはシールド電線と一体化して、外力に耐えて、電磁ノイズの影響もなく機能を維持することができる。
電線の固定具1001とコネクタソケット844は、外殻絶縁体847内に直列に配置されている。図7に示すように、コネクタソケット844は、上部分割体844Aと下部分割体844Bにより構成されている。外殻絶縁体847は、図7に示すように上部分割体847Aと下部分割体847Bにより構成されており、上部分割体847Aと下部分割体847Bは、左右の係止手段847Cにより固定されている。
図8に示す端子840の先端部は、相手方の端子と嵌め合う形状を有している。端子840は絶縁体843に固定されているが、絶縁体840はコネクタハウジングとして、相手側のコネクタと嵌め合うようにソケット型を有している。図7と図8の電気接続用のコネクタ810は、プラグとして応用しても、電線の固定具1001を使用することができる。
図8に示す電線の固定具1001は、電線保持部分20を有しており、電線保持部分20は円筒状トンネル部分であり、電線保持部分20は複数のシールド電線100を電線100の形状に合わせて扁平な横に広がった円筒状トンネルである。各電線100は複数の芯線を内包している。
図8に示す電線保持部分20は、電線固定用の4つの段差部分10,11が上下交互にずれて形成されている。段差部分10,11のそれぞれの中心は、電線100の中心線に対して図8の紙面縦方向に沿ってずれており、電線100の外装の被覆102は、4カ所の段差部分10,11により上下交互にわずかに変形してコネクタの外殻絶縁体847内の段差部分10,11に引っ掛かり、電線100を引っ張る力に対して強固に固定されている。
図7と図8の例では、好ましくは電線保持部分20は、電線保持部分20の軸方向に沿って分割された第1略U字部分21Pと第2略U字部分22Pから構成されており、第1略U字部分21Pと第2略U字部分22Pが重ね合わされることで、トンネル状の電線保持部分20が形成されている。第1略U字部分21Pと第2略U字部分22Pは、交互に歯部が電線の被覆102に噛み合うように凹凸が対応して配置され、歯部が第1略U字部分21Pと第2略U字部分22Pにおいて互いに上下に沿って交互に中心がズレている。
図7と図8の例では、上述したように、外殻絶縁体847は上下に2分割されていて、外殻絶縁体847は電線100やコネクタソケット844を上下から挟んで、外殻絶縁体847はスナップフィットによる係止手段847Cを用いて固定されている。
電線固定用の段差部分10,11の数は、用途に応じて任意に設定することができる。
図7と図8の本発明の実施形態を応用すれば、1本の電線でも、並んだ複数本の電線でもシールド電線の被覆であっても、コネクタや電源箱、電気機器などの設定対象物に対して確実に固定できる。
図9ないし図11は、本発明のさらに別の実施形態を示している。
図9は、設定対象物である電気接続箱120の箱体1201と蓋体1202の合わせ目1203付近を示している。図10は、電気接続箱120の箱体1201と蓋体1202と電線の固定具1301を示す断面図である。図11は、図9とは異なる別の実施形態を示している。
図10に示すように、電気接続箱120は、箱体1201と蓋体1202と電線の固定具1301を有している。複数本の電線100が電気接続箱120の内部から外部に導出しようとする場合に、箱体1201の延長部と蓋体1202の延長部の間には、電線の固定具1301が形成されている。箱体1201と蓋体1202は、ネジ1500により固定されている。
図10に示すように、電線の固定具1301は、複数の電線100を挟むために、箱体1201と蓋体1202にそれぞれ設けられた一対の半円筒状のトンネルから構成されている。一対の半円筒状のトンネルが組み合わされると、円筒状のトンネルである電線保持部分20が形成される。図10に示すように、電線保持部分20は、電線保持部分20の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分21Rと第2半円筒部分22Rから構成されており、第1部分21Rと第2部分22Rが重ね合わされることでトンネル状の電線保持部分20が形成されている。
第1部分21Rと第2部分22Rは、交互に歯部が電線の被覆102に噛み合うように凹凸が対応して配置され、歯部が第1半円筒部分21Rと第2半円筒部分22Rにおいて互いに上下に沿って交互に中心がズレている。電線保持部分20は、段差部分10,11を有している。
この図示例では、段差部分10の軸方向の幅は段差部分11の軸方向の幅が大きい。しかも、段差部分10,11の各中心軸は電線100の中心軸Lに対して上下(軸方向に垂直な方向)にズレている。このため、電線100の被覆102の変形は容易にできるので、電線100の数が増えても、複数の電線100を固定する力が少なくても済む。
また、図11に示すように、段差部分10,11の各中心軸は電線100の中心軸Lに対して垂直なG方向である左右方向(図10の紙面垂直方向)にズレるようにしても良い。
図12は、本発明のさらに別の実施形態を示している。
図12(A)は機器の一部分を示しており、図12(B)は図12(A)の機器におけるJ−J線での断面図である。
図12において、機器は、部品1401と部品1402を有している。部品1401と部品1402はネジ1403により固定されている。部品1401と部品1402は、電線保持部分20を構成している。
電線保持部分20は、電線保持部分20の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tから構成されており、第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tが重ね合わされることでトンネル状の電線保持部分20が形成されている。第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tは、交互に歯部が電線の被覆102に噛み合うように凹凸が対応して配置され、歯部が第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tにおいて互いに上下に沿って交互に中心がズレている。電線保持部分20は、段差部分10,11を有している。第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tの各対応する段差部分は、同じW方向にずれている。
図12(B)に示すように、段差部分10,11がW方向(横方向)にずらせる場合には、隣りの電線20,20のための段差部分10,11は、対向する方向に互いに逆方向に沿ってW方向にズレを設けることが望ましい。このようにすると、図12(A)に示すように、隔壁が厚くなった部分と痩せた部分が交互に並ぶから、厚くなった部分は半円筒状のトンネルの高さより、電線100の直径の高さまで延長して突出させるので、略J字型の溝になる。
第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tは歯がかみ合うように組み合わされる。その組み合わせは、円筒状のトンネルの長さ方向に沿って複数の段差部分として設けるが、隣の段差部分は、横ずれの方向が変わり、略J字型の溝は鏡文字になって設けられることから、電線100の被覆はそこで逆方向に押されて、段差部分10,11にしっかりと食い込む。図12では、2対の段差部分10,11、すなわち4段の段差部分10,11が交互に設けられている。
上下の第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tを組み合わせる時には、略J字型の溝の突出した部分で、電線が案内されるから、電線は上下の第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tに挟まれることもなく、容易に電線保持部分20に収納される。
また、電線を押さえる力は、上下の第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tの横方向に向かうから、電線の反発力が上下の第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tを開く方向には働かずに、押さえる力も少なくて済み、上下の第1半円筒部分21Tと第2半円筒部分22Tの係止手段も簡単な小さなもので済む。電線保持部分20の厚みも薄くて済み、小さな電線保持部分20により電線20を固定できる。図12の実施形態は、コネクタや電気接続箱やその他の電気機器に応用できる。
電線保持部分は、電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1略U字部分と第2略U字部分から構成されており、第1略U字部分と第2略U字部分が重ね合わされることでトンネル状の電線保持部分が形成される。第1略U字部分と前記第2略U字部分は、交互に歯部が電線の被覆に噛み合うように凹凸が対応して配置され、歯部が第1略U字部分と第2略U字部分において互いに交互に中心がズレていて、電線の被覆が電線保持部分の段差部分により固定される。具体的には、図13(A)ないし図13(C)に示すように、機器の箱体2401は凹みの列の歯部2500と凸の列の歯部2501を交互に有しており、蓋体2402の凹みの列の歯部2500と凸の列の歯部2501は、箱体2401の凹みの列の歯部2500と凸の列の歯部2501と比べると、凹凸の順番が逆になっている。図13(B)に示すように、箱体2401には第1略U字部分2601が形成され、蓋体2402には第2第1略U字部分2602が形成されている。
図13(B)と図13(C)に示すように、箱体2401の凹みの列の歯部2500と凸の列の歯部2501と、蓋体2402の凸の列の歯部2501と凹みの列の歯部2500とが噛合って、蓋体2402を箱体2401に対して閉めることができる。電線100の軸方向に関する両側を凸の列の歯部2501が支えるので、電線100は直線状に並ぶことから、蓋体2402を閉めるときに、箱体2401と蓋体2402の間に、電線100の被覆を噛み込んでしまうのを防いで蓋体2402が閉めにくくなることを防止できる。
図13(C)において、電線固定部の段差3000が図13(B)の横方向L2にずれると、略J字の電線固定具になり、図13(B)の電線100の縦方向L1にずれると、略U字の電線固定具になる。
本発明の実施形態の電線の固定具と電線の固定方法は、電線を設定対象物に対して配線して固定するための電線の固定具であって、設定対象物における電線の出口付近には、トンネル状の電線保持部分を設け、電線保持部分の途中には電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、ズレ量は電線の被覆の厚み未満である。
電線の大きな屈曲を伴わなくても充分な電線の固定強度が得られる。電線がほぼ直線状態のまま固定できることから、電線の長さのバラツキが生じない。軽い力で電線を固定できるので、電線の挙動が把握できるから、電線の芯線に対する噛み込みなどがない。電線保持部分が小型化できる。
本発明の実施形態は、電気機器に電線を固定する場合には、電気機器に設けられた電線の被覆が、電気機器の筐体に対して強固に固定される。これにより、万が一電線が引っ張られるようなことがあっても、電線と電気機器の内部配線との接続部分を守り電気接続を安定させることで、回路の信頼性が確保されている。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
例えば、図1の実施形態では、電線保持部分20は、軸方向に沿って上下に2つに分割されており、第1半円筒部分21と第2半円筒部分22から構成されている。しかし、これに限らず、電線保持部分20は、左右に2分割されていても、あるいは上下と左右に分割されていても良い。
1 電線の固定具
10 段差部分
11 段差部分
20 電線保持部分
21 第1半円筒部分
22 第2半円筒部分
100 電線
101 芯線
102 被覆
500 コネクタ(設定対象物)
600 電源ボックス(設定対象物)
700 制御ボックス(設定対象物)
1200 電気接続箱(設定対象物)
L 電線の芯線の幾何学的な中心線
d 中心のズレ量
10 段差部分
11 段差部分
20 電線保持部分
21 第1半円筒部分
22 第2半円筒部分
100 電線
101 芯線
102 被覆
500 コネクタ(設定対象物)
600 電源ボックス(設定対象物)
700 制御ボックス(設定対象物)
1200 電気接続箱(設定対象物)
L 電線の芯線の幾何学的な中心線
d 中心のズレ量
Claims (8)
- 電線を設定対象物に対して配線して固定するための電線の固定具であって、
前記設定対象物における前記電線の出口付近には、トンネル状の電線保持部分を設け、前記電線保持部分の途中には前記電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、前記ズレ量は前記電線の被覆の厚み未満であることを特徴とする電線の固定具。 - 前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分から構成されており、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分が重ね合わされることで円筒トンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分の前記段差部分では、前記軸方向に対して交互に円筒中心がズレていることを特徴とする請求項1に記載の電線の固定具。
- 前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1略U字部分と第2略U字部分から構成されており、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分が重ね合わされることでトンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分は、交互に歯部が前記電線の前記被覆に噛み合うように凹凸が対応して配置され、前記歯部が前記第1略U字部分と前記第2略U字部分において互いに交互に中心がズレていることを特徴とする請求項1に記載の電線の固定具。
- 前記設定対象物は、前記電線の固定部材であることを特徴とする請求項1に記載の電線の固定具。
- 前記設定対象物は、機器の筐体の一部であることを特徴とする請求項1に記載の電線の固定具。
- 電線を設定対象物に対して配線して固定するための電線の固定方法であって、
前記設定対象物における前記電線の出口付近に設けられたトンネル状の電線保持部分の途中には前記電線保持部分の中心のズレを有する段差部分を有しており、前記ズレ量は前記電線の被覆の厚み未満であり、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする電線の固定方法。 - 前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1半円筒部分と第2半円筒部分から構成されており、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分が重ね合わされることで円筒トンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1半円筒部分と前記第2半円筒部分の前記段差部分では、前記軸方向に対して交互に円筒中心がズレていて、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする請求項6に記載の電線の固定方法。
- 前記電線保持部分は、前記電線保持部分の軸方向に沿って分割された第1略U字部分と第2略U字部分から構成されており、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分が重ね合わされることでトンネル状の前記電線保持部分が形成され、前記第1略U字部分と前記第2略U字部分は、交互に歯部が前記電線の前記被覆に噛み合うように凹凸が対応して配置され、前記歯部が前記第1略U字部分と前記第2略U字部分において互いに交互に中心がズレていて、前記電線の被覆が前記電線保持部分の前記段差部分により固定されることを特徴とする請求項6に記載の電線の固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006089395A JP2007267511A (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 電線の固定具および電線の固定方法 |
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JP2006089395A JP2007267511A (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 電線の固定具および電線の固定方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007267511A true JP2007267511A (ja) | 2007-10-11 |
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JP2006089395A Pending JP2007267511A (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 電線の固定具および電線の固定方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007267511A (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS587478A (ja) * | 1981-06-30 | 1983-01-17 | インタ−ナシヨナル・ビジネス・マシ−ンズ・コ−ポレ−シヨン | 螢光体及びその製造方法 |
JPS60195885A (ja) * | 1984-03-14 | 1985-10-04 | ニツクスドルフ・コンプ−タ−・アクチエンゲゼルシヤフト | 電気ケ−ブルのプラグボツクス内保持部品 |
JP2003257511A (ja) * | 2002-02-27 | 2003-09-12 | Auto Network Gijutsu Kenkyusho:Kk | 電線接続構造 |
-
2006
- 2006-03-28 JP JP2006089395A patent/JP2007267511A/ja active Pending
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