JP2007267471A - ポリマーアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】棒状物体を長手方向に移動させることのできるポリマーアクチュエータを提供する。
【解決手段】円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体11と、該イオン導電性高分子体11の内周面に複数の内部電極12aが前記イオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、前記イオン導電性高分子体11の外周面に複数の外部電極12bが前記イオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bとを備えるポリマーアクチュエータ10であって、前記内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ10の内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ10の円筒内部の棒状物体を長手方向に移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、棒状物体を長手方向に移動させるポリマーアクチュエータに関するものである。
医療機器や産業用ロボット、マイクロマシン等の分野において、小型、軽量で柔軟性に富むアクチュエータが求められており、それに対応すべくそのアクチュエータの作動原理として静電引力型、圧電型、超音波型、形状記憶合金式、高分子伸縮式等が提案されている。
このうち、高分子伸縮式としてイオン導電性高分子を用いたポリマーアクチュエータは軽量で発生力が大きいこと等から、新しいアクチュエータとして検討されてきている。このポリマーアクチュエータは、イオン導電性高分子膜(イオン交換樹脂膜)とその表面に相互に絶縁状態で接合した金属電極とからなり、該イオン導電性高分子膜を含水状態として金属電極間に電圧を印加することによりイオン導電性高分子膜に湾曲または変形を生じさせることを特徴とするものである(例えば、特許文献1,2参照。)。
しかし、その動作は基本的に湾曲であり、そのままでは用途が限られていた。そこで、特許文献3では、円筒形状の伸縮部の外周側と内周側とに電極を配したポリマーアクチュエータ素子を用い、径方向において電極を介して伸縮部を積層することにより、電圧印加時に径方向において縮み、軸方向において伸びるポリマーアクチュエータが提案されている。また、特許文献4では、アクチュエータ素子の組み合わせにより湾曲の動作を伸縮動作に変換したものが提案されている。また特許文献5では、運動変換機構を工夫することにより伸長方向および収縮方向の両方に充分な大きさの出力およびストロークを発生させることができるポリマーアクチュエータが提案されている。また特許文献6では、ポリマーアクチュエータ素子の板を複数枚使用することによるダイヤフラムポンプが提案されている。
特開2002−330598号公報 特開2005−033991号公報 特開2003−199365号公報 特開2004−314219号公報 特開2005−081487号公報 特開2002−332956号公報
しかしながら、これらの用途は限定されており、ポリマーアクチュエータ素子の特徴を生かしながら様々な用途で使用するにはまだ十分とは言えず、更なる動作機構の開発が求められていた。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、棒状物体を長手方向に移動させることのできるポリマーアクチュエータを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体と、該イオン導電性高分子体の内周面に複数の内部電極が前記イオン導電性高分子体の長手方向に配列されてなる内部電極アレイと、前記イオン導電性高分子体の外周面に複数の外部電極が前記イオン導電性高分子体の長手方向に配列されてなる外部電極アレイとを備えるポリマーアクチュエータであって、前記内部電極と外部電極の間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータの円筒内部の棒状物体を長手方向に移動させることを特徴とするポリマーアクチュエータである。
ここで、前記印加電圧状態の制御により、前記イオン導電性高分子体の内径を縮小させて当該ポリマーアクチュエータの内壁で前記棒状物体の一方の端部を把持し、ついでこの把持部分から前記棒状物体の他方の端部側に向けて前記内部電極及び外部電極の長手方向配列順に前記イオン導電性高分子体の内径の拡大、縮小を交互に行って前記イオン導電性高分子体を蛇腹形状に変形させて当該ポリマーアクチュエータの長さを短縮させた後、前記イオン導電性高分子体の内径を縮小させて当該ポリマーアクチュエータの内壁で前記棒状物体の他方の端部側部分を把持し、さらに該棒状物体の他方の端部側部分を把持したまま当該部分以外のイオン導電性高分子体を元の円筒形状に戻して棒状物体を長手方向に移動させることが好適である。
また前記内部電極は、前記イオン導電性高分子体の内周面の円周上に設けられた1または複数の帯状の電極膜からなり、前記外部電極は、前記イオン導電性高分子体の外周面の円周上に設けられた1または複数の帯状の電極膜からなることが好ましい。
また、前記イオン導電性高分子体内部に内部電極へ電圧印加するための配線を有するとよい。
また前記内部電極と外部電極との配置関係、内部電極と外部電極との面積比、印加電圧の大きさの少なくともいずれか一つを調整して前記イオン導電性高分子体の内径変化量を調整することが好ましい。
また少なくとも前記内部電極上に保護層を有することが好ましく、前記イオン導電性高分子体は、その内部に強度維持フレームを有することが好ましい。
また前記イオン導電性高分子体の内周面に前記棒状物体を保持するグリップ層を有するとよい。
前記課題を解決するために提供する本発明は、請求項1〜8のいずれか一に記載のポリマーアクチュエータが同心円状に複数配置されてなることを特徴とするポリマーアクチュエータである。
本発明によれば、内部電極アレイと外部電極アレイへの電圧印加状態を制御してイオン導電性高分子体の長手方向の各位置の内径変化を制御することにより、当該ポリマーアクチュエータの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に大きい変位でかつ応答性よく出し入れ自在に移動させることが可能となる。あるいは、外部にある棒状物体をポリマーアクチュエータの先端の円筒内部で掴まえて、該ポリマーアクチュエータの円筒内部を経由して取り出したりすることもできる。
また、このポリマーアクチュエータを利用して狭い空間に長い棒を出すことが可能となる。すなわち、医療用カテーテルの限られた空間中から様々なものを精度よくコントロールされた力で出し入れすることができる。
また、本発明のポリマーアクチュエータは、棒状物体を出し入れ運動させるために必要な空間が従来よりも少なくてすむため、当該ポリマーアクチュエータを個々に駆動可能なように二次元的に行列配置して、それぞれのポリマーアクチュエータの棒状物体の出し入れ運動を制御することにより、ピンディスプレイ(3Dディスプレイ)とすることができる。
以下に、本発明に係るポリマーアクチュエータの構成について説明する。
図1は、本発明に係るポリマーアクチュエータの第1の実施の形態における構成を示す概略図である。図1(a)は本発明のポリマーアクチュエータの外観を示す斜視図であり、図1(b)は図1(a)のa−a´で切断した場合の構成を示す断面図である。
図1に示すように、ポリマーアクチュエータ10は、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体11と、イオン導電性高分子体11の内周面に複数(図1では3つ)の内部電極12aがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、イオン導電性高分子体11の外周面に複数(図1では3つ)の外部電極12bがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bとを備える。また、ポリマーアクチュエータ10では、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ10の内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ10の円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ここで、内部電極アレイ15aの1電極である内部電極12aは1または複数の帯状の電極膜からなり、イオン導電性高分子体11の内周面の円周上に設けられている。あるいはイオン導電性高分子体11の内周面をスパイラル状に設けられてもよい。また、外部電極アレイ15bの1電極である外部電極12bも1または複数の帯状の電極膜からなり、イオン導電性高分子体11の外周面の円周上に設けられている。あるいはイオン導電性高分子体11の外周面をスパイラル状に設けられてもよい。図1に示す内部電極12a、外部電極12bはともに1つのつながったベルト状の電極膜である。
また、内部電極12a、外部電極12bはそれぞれイオン導電性高分子体11の長手方向に等間隔で配置され、内部電極アレイ15a、外部電極アレイ15bを形成している。また、内部電極12a、外部電極12bは同じ幅すなわち面積比として1:1の関係となっており、電極位置E1,E2,E3それぞれにおいて、内部電極12a、外部電極12bは正対するように配置されている。また、内部電極12a、外部電極12bそれぞれは外部電源を含む電圧印加システム(図示せず)につながっており、それぞれ別個に電圧が印加されるようになっている。なお、図1では内部電極アレイ15a、外部電極アレイ15bはそれぞれ3つの電極が配列されているが、配列する電極の数は3つ以上であれば特に制限はない。
なお、ここでいうポリマーアクチュエータ10は、特許第2961125号公報、特開平11−206162号公報などで開示されている従来公知のものでもよいが、それ以外に例えばつぎのような構成のものを使うとよい。
図2は、本発明のポリマーアクチュエータを構成するポリマーアクチュエータ素子の基本的構成を示す断面図である。
ポリマーアクチュエータ素子a1は、陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子膜(イオン導電性高分子フィルム)1と、該イオン導電性高分子膜1の両面それぞれに設けられる電極膜2と、該電極膜2それぞれに電気的に接続されたリード線4とを備え、1対のリード線4より電極膜2間に電圧が印加されることによりイオン導電性高分子膜1が湾曲または変形するものである。
イオン導電性高分子膜1は、フッ素樹脂、炭化水素系などを骨格としたイオン交換樹脂からなり、表裏2つの主面をもつ形状を呈している。本発明での円筒形状である。また、イオン交換樹脂としては、陰イオン交換樹脂、陽イオン交換樹脂、両イオン交換樹脂いずれでもよいが、このうち陽イオン交換樹脂が好適である。
陽イオン交換樹脂としては、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたものが挙げられ、とくにフッ素樹脂にスルホン酸基、カルボキシル基などの官能基が導入された陽イオン交換樹脂が好ましい。
電極膜2は内部電極12a、外部電極12bに相当するものであり、カーボン粉末とイオン導電性樹脂とからなり、前記カーボン粉末同士がイオン導電性樹脂を介して結合していることを特徴とする。カーボン粉末は、導電性をもつカーボンブラックの微細粉末であり、比表面積が大きなものほど電極膜2としてイオン導電性高分子膜1と接する表面積が大きくなりより大きな変形量を得ることができる。例えばケッチェンブラックが好ましい。また、イオン導電性樹脂は、イオン導電性高分子膜1を構成する材料と同じものでよい。
また、電極膜2は、イオン導電性樹脂成分とカーボン粉末を含む塗料がイオン導電性高分子膜1に塗布されてなるものである。あるいは、電極膜2は、カーボン粉末とイオン導電性樹脂とからなる導電膜がイオン導電性高分子膜1に圧着されてなるものである。
いずれの方法によっても、簡便に短時間で電極膜2を形成することができる。
なお、少なくともイオン導電性高分子膜1に陽イオン物質が含浸されているが、該陽イオン物質とは、水及び金属イオン、水及び有機イオン、イオン液体のいずれかであることが好ましい。ここで、金属イオンとは例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。また、有機イオンとは例えば、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられる。これらのイオンはイオン導電性高分子膜1中において水和物として存在している。イオン導電性高分子膜1が水及び金属イオン、または水及び有機イオンを含み、含水状態となっている場合には、ポリマーアクチュエータ素子a1は中からこの水が揮発しないように封止されていることが好ましい。
また、イオン液体とは、常温溶融塩とも言われる不燃性、不揮発性のイオンのみからなる溶媒であり、例えばイミダゾリウム環系化合物、ピリジニウム環系化合物、脂肪族系化合物のものを使用することができる。イオン導電性高分子膜1にイオン液体を含浸させている場合には、揮発する心配なく高温あるいは真空中でもポリマーアクチュエータ素子a1を使用することができようになる。
また、図3に、前記ポリマーアクチュエータ素子の変形例を示す。
図3は、本発明のポリマーアクチュエータを構成する別のポリマーアクチュエータ素子の基本的構成を示す断面図である。
ポリマーアクチュエータ素子a2は、上述したポリマーアクチュエータ素子a1の1対の電極膜2それぞれの上に金または白金からなる金属導電膜3を備え、該金属導電膜3にリード線4を電気的に接続した構成となっている。ここで、イオン導電性高分子膜1、電極膜2、イオン導電性高分子膜1に含浸させる陽イオン物質は、図2で示したものと同じである。
ここで、金属導電膜3は、1対の電極膜2それぞれの上に湿式めっき法、蒸着法、スパッタ法などの従来公知の成膜手法により、金または白金の薄膜が形成されてなるものである。この金属導電膜3の厚さにはとくに制限はないが、リード線4からの電位が電極膜2に均等に印加されるように連続した膜となる程度の厚さであることが好ましい。
図4に、これらのポリマーアクチュエータ素子a1,a2の動作原理を示す。ここでは、イオン導電性高分子膜1中にナトリウムイオンが含浸されているものとして説明する。
図4(a)では、電源Eよりリード線4を通じて、図中左側のポリマーアクチュエータa1の電極膜2にプラスの電位、図中右側の電極膜2にマイナスの電位を印加している。この電位差(例えば0.5〜2.0V程度)により、ポリマーアクチュエータ素子a1(a2)のイオン導電性高分子膜1中では、マイナスの電位が印加された側(図中右側)の電極膜2にナトリウムイオン水和物が引き寄せられて移動し、当該電極膜2の近傍に集中しこの領域は体積膨張するようになる。一方、プラスの電位が印加された側(図中左側)の電極膜2近傍におけるナトリウム水和物濃度は減少し、この領域は体積収縮するようになる。その結果、イオン導電性高分子膜1の2つの電極膜2近傍領域の間に体積差が生じることとなり、イオン導電性高分子膜1は図中左側に湾曲するようになる。
図4(b)では、2つの電極膜2がショートした状態でつながれることから2つの電極膜2近傍領域で蓄積された電荷に応じて放電が起こる。そして、その結果2つの電極膜2の間に電位差がなくなることから、イオン導電性高分子膜1の2つの電極膜2近傍領域の間に体積差はなくなり、イオン導電性高分子膜1は初期形状状態である真っ直ぐな状態となる。
図4(c)では、電源Eよりリード線4を通じて、図中左側のポリマーアクチュエータ素子a1(a2)の電極膜2にマイナスの電位、図中右側の電極膜2にプラスの電位を印加しており、電圧印加方法が図4(a)の場合とは逆である。この電位差により、ポリマーアクチュエータ素子a1(a2)のイオン導電性高分子膜1中では、マイナスの電位が印加された側(図中左側)の電極膜2の近傍領域は体積膨張するようになり、プラスの電位が印加された側(図中右側)の電極膜2近傍領域は体積収縮するようになる。その結果、イオン導電性高分子膜1は図中右側に湾曲するようになる。
このポリマーアクチュエータ素子a1,a2の動作原理に基づいて、本発明のポリマーアクチュエータ10はつぎのように動作することになる。
図5に、本発明のポリマーアクチュエータ10の動作ステップを示す。ここでは、イオン導電性高分子体11中にナトリウムイオンが含浸されているものとして説明する。
(S11)ポリマーアクチュエータ10の円筒内部に棒状物体Pが挿入されており、すべての内部電極12a、外部電極12bには電圧が印加されていない初期状態である(図5(a)の状態)。なお、ここではポリマーアクチュエータ10は水平面上に直立した状態であり、棒状物体Pには図中下方向に重力加速度が作用しているが、初期状態ではポリマーアクチュエータ10の内壁は棒状物体Pに密着している。また、図中ポリマーアクチュエータ10の内部電極12a、外部電極12bは省略している。
(S12)まず、ポリマーアクチュエータ10の電極位置E1における内部電極12a及び外部電極12bのみに電圧を印加する(図5(b)の状態)。ここでは、内部電極12aにマイナスの電位を、外部電極12bにはプラスの電位を印加する。この電位差により、イオン導電性高分子体11の内径は縮小し、ポリマーアクチュエータ10の内壁が棒状物体Pの一方の端部を締め付けて把持するようになる。また、ポリマーアクチュエータ10は電極位置E1から電極位置E3に向けてその内径、外径が広がるようにわずかに湾曲している。
(S13)つぎに、ポリマーアクチュエータ10の電極位置E1への電圧印加を維持したまま、電極位置E2,E3における内部電極12a及び外部電極12bに電圧を印加する(図5(c)の状態)。ここでは、電極位置E2の内部電極12aにプラスの電位を、外部電極12bにはマイナスの電位を印加し、電極位置E3の内部電極12aにマイナスの電位を、外部電極12bにはプラスの電位を印加する。これにより、電極位置E2ではイオン導電性高分子体11の内径は拡大し、電極位置E3ではイオン導電性高分子体11の内径は縮小して、イオン導電性高分子体11は蛇腹形状に変形することとなりポリマーアクチュエータ10全体としての長さが短縮するようになる。図においては長さAだけ短縮している。また、これと同時あるいはその後に電極位置E3のポリマーアクチュエータ10の内壁が棒状物体Pの他方の端部部分(図中上部分)を締め付けて把持する。なお、内部電極アレイ15a、外部電極アレイ15bそれぞれで配列される電極の数が4以上の場合には、前記ステップS12の把持部分から棒状物体Pの他方の端部側に向けて内部電極12a及び外部電極12bの長手方向配列順に、本ステップにおけるイオン導電性高分子体11の内径の拡大、縮小が交互に行われるように各電極に電圧を印加する。また、その際の電圧印加はすべての電極位置の電極に同時に行ってもよいが、前記ステップS12の把持部分から棒状物体Pの他方の端部側に向かって順番に行ってもよい。
(S14)つぎに、ポリマーアクチュエータ10の電極位置E3への電圧印加を維持したまま、電極位置E1,E2における内部電極12aと外部電極12bをショートさせる。あるいはイオン導電性高分子体11を初期状態に戻すとポリマーアクチュエータ10の内壁が棒状物体Pに接触するため、電極位置E1,E2においてその接触を防止する程度に内部電極12a及び外部電極12bに電圧を印加してもよい(図5(d)の状態)。これにより、イオン導電性高分子体11は元の円筒形状に戻るように変形しポリマーアクチュエータ10全体としての長さが元の長さに戻るように伸長するようになる。ここで、棒状物体Pは図中上部分の端部部分がポリマーアクチュエータ10の内壁で把持されているため、該ポリマーアクチュエータ10の伸長とともに棒状物体Pもその長手方向(図では上方向)に移動することになる。
(S15)最後に、すべての電極位置の内部電極12aと外部電極12bをショートさせ、ポリマーアクチュエータ10を初期状態に戻す(図5(e)の状態)。これにより、棒状物体Pは最初の状態から変位量Aだけその長手方向に移動したことになる。
以上のようなポリマーアクチュエータ10の駆動ステップでは、ポリマーアクチュエータ10の湾曲は小さくてすむため、短い応答時間で対象物(棒状物体P)を長手方向に移動させることができる。なお、図1の構成のポリマーアクチュエータ10は本発明のポリマーアクチュエータとしては最小単位の構成であり、その長手方向(軸方向)の変位量も単位変位量Aと小さいが、前記内部電極アレイ15a及び外部電極アレイ15bの電極数を増やすことによりイオン導電性高分子体11の湾曲する数を増加させて前記ステップS11からステップS15を1回行った(1サイクル)際の変位を大きくすることができる。
すなわち、内部電極アレイ15a及び外部電極アレイ15bの電極数をLとすると、湾曲数n=(L−1)/2となることから、1サイクルの変位量は次の式となる。
(1サイクルの変位量)=A×(L−1)/2
あるいは、図6に示すように、前記ステップS11からステップS15の手順を1サイクルとして、そのサイクルを繰り返して行うことでその変位量を確保してもよい。この場合の全変位量は次の式となる。
(全変位量)=A×m(サイクル数)
以上のポリマーアクチュエータ10は例えば次の手順で作製することができる。
(S21)円筒形状のイオン導電性高分子体11を用意する。
(S22)有機溶媒にイオン導電性樹脂を溶解したものに、所定の比表面積のカーボン粉末を目標のカーボン粉末とイオン導電性樹脂との固形分重量比となるように混ぜ合わせ、分散させて塗料を得る。
(S23)ステップS22の塗料を用いてイオン導電性高分子体11の必要部位に塗布し、その塗膜を大気中で乾燥させる。当該処理(塗布−乾燥)を繰り返し、所望の厚さの電極膜を内周面、外周面それぞれに形成し、内部電極12a、外部電極12bとする。これ以外にめっき法により導電性金属からなる電極膜を形成してもよい。
(S24)イオン導電性高分子体11に陽イオン物質を含浸させる処理を行う。具体的には、イオン導電性高分子体11に電極膜を形成したものを金属イオン、有機イオンいずれかを含む塩化物溶液または水酸化物溶液、あるいはイオン液体に浸漬することにより、これらの金属イオン、有機イオン、イオン液体がイオン導電性高分子体11及び電極膜中に含浸させる。
(S25)内部電極12a、外部電極12bそれぞれにリード線を接続して、ポリマーアクチュエータを完成する。
図7、図8に本発明のポリマーアクチュエータ10の変形例として、a−a´で切断した場合の断面図を示す。
図7に示すポリマーアクチュエータ10Aは、ポリマーアクチュエータ10と同様に、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体11と、イオン導電性高分子体11の内周面に複数(図7では3つ)の内部電極12a,12a,12aがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる内部電極アレイと、イオン導電性高分子体11の外周面に複数(図7では3つ)の外部電極12b,12b,12bがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる外部電極アレイとを備える。また、ポリマーアクチュエータ10では、内部電極12aと外部電極12bの間、内部電極12aと外部電極12bの間、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ10Aの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ10Aの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ポリマーアクチュエータ10Aがポリマーアクチュエータ10と異なる点は、内部電極12a,12a,12aと外部電極12b,12b,12bとがそれぞれ対応する電極と正対せずイオン導電性高分子体11の長手方向にずれている点である。図7においては、外部電極12b,12b,12bに対して内部電極12a,12a,12aがそれぞれ図中下方向に一定距離ずれている。これにより、例えばポリマーアクチュエータ10Aの内径が縮小する際のイオン導電性高分子体11の湾曲変形が、イオン導電性高分子体11の円筒直径方向のみではなく、円筒長手方向(図では上方向)の変形が加わるようになり、棒状物体Pのこの円筒長手方向の動き(図では下方向の動き)をより抑制することができる。例えば、棒状物体Pに対して重力が図中下方向に作用する場合には、その重力に抗してイオン導電性高分子体11が図中上方向に湾曲変形するので、棒状物体Pを図中上方向に移動させやすくなる。また逆に、イオン導電性高分子体11の湾曲変形を図中下方向となるようにすると、例えば棒状物体Pの図中下端にスプリングが配置され、常に図中上方向への力が発生する場合に、そのスプリングの力に抗してイオン導電性高分子体11が図中下方向に湾曲変形して、棒状物体Pの図中上方向への動きを抑制することができる。
また図8に示すポリマーアクチュエータ10Bは、ポリマーアクチュエータ10と同様に、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体11と、イオン導電性高分子体11の内周面に複数(図8では3つ)の内部電極12a,12a,12aがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる内部電極アレイと、イオン導電性高分子体11の外周面に複数(図8では3つ)の外部電極12b,12b,12bがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる外部電極アレイとを備える。また、ポリマーアクチュエータ10では、内部電極12aと外部電極12bの間、内部電極12aと外部電極12bの間、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ10Bの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ10Bの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ポリマーアクチュエータ10Bがポリマーアクチュエータ10と異なる点は、内部電極12a,12a,12aと外部電極12b,12b,12bとでイオン導電性高分子体11表面に占める面積が異なる点である。図8においては内部電極12a,12a,12a及び外部電極12b,12b,12bはベルト状の電極であって、内部電極12a,12a,12aのベルト幅が外部電極12b,12b,12bのベルト幅よりも大きくなっており、面積内部電極12a,12a,12aの面積が外部電極12b,12b,12bの面積よりも大きくなっている。これにより、例えばポリマーアクチュエータ10Bの内径が拡大・縮小する際のイオン導電性高分子体11の湾曲変形量は小さくなるが、変位面積は大きくなり、棒状物体Pへの接触面積が大きくなることからより棒状物体Pをグリップすることができる。
つぎに、本発明に係るポリマーアクチュエータの第2の実施の形態について説明する。
図9は、本発明に係るポリマーアクチュエータの第2の実施の形態における構成を示す概略断面図である。
図9に示すように、ポリマーアクチュエータ20Aは、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体11と、イオン導電性高分子体11の内周面に複数(図9では3つ)の内部電極12aがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、イオン導電性高分子体11の外周面に複数(図9では3つ)の外部電極12bがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bと、内部電極12a及びイオン導電性高分子体11の内壁を保護する保護層26aと、外部電極12b及びイオン導電性高分子体11の外壁を保護する保護層26bとを備える。また、ポリマーアクチュエータ20Aでは、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ20Aの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ20Aの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ここで、イオン導電性高分子体11、内部電極12a、外部電極12bは第1の実施の形態で示したものと同じであり、ポリマーアクチュエータ20Aの動作ステップは第1の実施の形態と同じである。
保護層26a,26bは、それぞれ内部電極12a、外部電極12bを保護するものであるから、できるだけ摩擦係数の小さい材料からなることが好ましい。例えば、フッ素系樹脂やポリエチレン系樹脂などのコーティング層、ダイヤモンドライクカーボン薄膜などが挙げられる。なお、この保護層26a,26b内に内部電極12a、外部電極12bへのリード配線を埋め込むようにしてもよい。
この保護層26a,26bにより、ポリマーアクチュエータ20Aの内壁が棒状物体と接触しても内部電極12aやイオン導電性高分子体11が損傷を受けることがなくなり、また外壁も周囲と接触しても外部電極12bやイオン導電性高分子体11が損傷を受けることがなくなるためその耐久性が向上する。
図10に本発明のポリマーアクチュエータ20Aの変形例を示す。
図10に示すように、ポリマーアクチュエータ20Bは、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体11と、イオン導電性高分子体11の内周面に複数(図10では3つ)の内部電極12aがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、イオン導電性高分子体11の外周面に複数(図10では3つ)の外部電極12bがイオン導電性高分子体11の長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bと、内部電極12a及びイオン導電性高分子体11の内壁を保護する保護層26aと、棒状物体Pと接触して該棒状物体Pをグリップするグリップ層27aとを備える。また、ポリマーアクチュエータ20Bでは、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ20Bの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ20Bの円筒内部にある棒状物体Pをその長手方向に移動させることができる。
ここで、イオン導電性高分子体11、内部電極12a、外部電極12b、保護層26aは図9のポリマーアクチュエータ20Aで示したものと同じであり、ポリマーアクチュエータ20Bの動作ステップは第1の実施の形態と同じである。
グリップ層27aは、棒状物体Pをグリップするために摩擦係数が大きい材料からなることが好ましく、例えばスチレンブタジエンゴム(SBR)や天然ゴム(NR)などが挙げられる。あるいはポリマーアクチュエータ20Bの内壁をすべてカバーするように保護層26aを形成した後に、所定の領域のみその保護層26a表面を粗面化したり微小粒子を付着させることによりグリップ層27aとしてもよい。なお、グリップ層27aは、その下に内部電極12aを含まないように形成することが好ましい。
このグリップ層27aにより、ポリマーアクチュエータ20Aの内壁が棒状物体と接触してもイオン導電性高分子体11が損傷を受けることがなくなるだけでなく、その棒状物体を確実に把持することができ、棒状物体の移動の信頼性が向上する。
つぎに、本発明に係るポリマーアクチュエータの第3の実施の形態について説明する。
図11は、本発明に係るポリマーアクチュエータの第3の実施の形態における構成を示す概略断面図である。
図11に示すように、ポリマーアクチュエータ30Aは、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子ベース31aと、該イオン導電性高分子ベース31a内部に前記該イオン導電性高分子ベース31aの構造を維持するためのフレーム31bとからなるイオン導電性高分子体31Aと、イオン導電性高分子体31Aの内周面に複数(図11では3つ)の内部電極12aがイオン導電性高分子体31Aの長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、イオン導電性高分子体31Aの外周面に複数(図11では3つ)の外部電極12bがイオン導電性高分子体31Aの長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bとを備える。また、ポリマーアクチュエータ30Aでは、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ30Aの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ30Aの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ここで、内部電極12a、外部電極12bは第1の実施の形態で示したものと同じであり、ポリマーアクチュエータ30Aの動作ステップは第1の実施の形態と同じである。
イオン導電性高分子体31Aのうち、イオン導電性高分子ベース31aは内部にフレーム31bを有していること以外は第1の実施の形態で示したイオン導電性高分子体11と同じものである。また、フレーム31bはイオン導電性分子体31Aとしての剛性を維持するためのものであり、硬い高分子材料からなる繊維が骨材としてイオン導電性分子体31A内部に張り巡らされている。
このようなイオン導電性高分子ベース31aとフレーム31bが一体となったイオン導電性高分子体31Aは、まず硬い高分子材料からなる繊維を円筒形状の型に入れて円筒形状のフレーム31bとし、ついでその型の中にイオン導電性高分子ベース31aの原材料を入れた後に加熱等の加工によりイオン導電性高分子ベース31aとして得られるものである。
イオン導電性高分子体31Aのフレーム31bによりポリマーアクチュエータ30Aとしての剛性が維持される。特に、変位量を大きくするために軟らかいイオン導電性高分子ベース31aとした場合には有効である。
図12に本発明のポリマーアクチュエータ30Aの変形例を示す。
図12に示すように、ポリマーアクチュエータ30Bは、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子ベース31aと、該イオン導電性高分子ベース31a内部に前記該イオン導電性高分子ベース31aの構造を維持し内部電極12a及び外部電極12bへ電圧を印加するためのリード線となる配線フレーム31eとからなるイオン導電性高分子体31Bと、イオン導電性高分子体31Bの内周面に複数(図12では3つ)の内部電極12aがイオン導電性高分子体31Bの長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、イオン導電性高分子体31Bの外周面に複数(図12では3つ)の外部電極12bがイオン導電性高分子体31Bの長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bとを備える。また、ポリマーアクチュエータ30Bでは、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ30Bの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ30Bの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ここで、内部電極12a、外部電極12b、イオン導電性高分子ベース31aは図11のポリマーアクチュエータ30Aで示したものと同じであり、ポリマーアクチュエータ30Bの動作ステップは第1の実施の形態と同じである。
イオン導電性高分子体31Bのうち、配線フレーム31eは内部電極12a及び外部電極12bへ電圧を印加するためのリード線であるとともにイオン導電性分子体31Bとしての剛性を維持するためのものであり、リード線が骨材としてイオン導電性分子体31B内部に張り巡らされている。
このようなイオン導電性高分子ベース31aと配線フレーム31eが一体となったイオン導電性高分子体31Bは、まずリード線からなる繊維を円筒形状の型に入れて円筒形状の配線フレーム31eとし、ついでその型の中にイオン導電性高分子ベース31aの原材料を入れた後に加熱等の加工によりイオン導電性高分子ベース31aとして得られるものである。なおこのとき、イオン導電性高分子体31Bの内部電極12a、外部電極12bが形成される予定の箇所の壁面に配線フレーム31eのリード線の端部が露出しているように形成されている。
イオン導電性高分子体31Bの配線フレーム31eによりポリマーアクチュエータ30Bとしての剛性が維持されるとともに、ポリマーアクチュエータ30Bの円筒内周部、外周部に配線スペースをとる必要がなくなるためにコンパクト化することが可能となる。
図13に本発明のポリマーアクチュエータ30Aの別の変形例を示す。
図13に示すように、ポリマーアクチュエータ30Cは、円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子ベース31aと、該イオン導電性高分子ベース31a内部に前記該イオン導電性高分子ベース31aの構造を維持するためのフレーム31bとからなるイオン導電性高分子体31Aと、イオン導電性高分子体31Aの内周面に複数(図13では3つ)の内部電極12aがイオン導電性高分子体31Aの長手方向に配列されてなる内部電極アレイ15aと、イオン導電性高分子体31Aの外周面に複数(図13では3つ)の外部電極12bがイオン導電性高分子体31Aの長手方向に配列されてなる外部電極アレイ15bと、内部電極12a及びイオン導電性高分子体11の内壁を保護する保護層26aと、外部電極12b及びイオン導電性高分子体11の外壁を保護する保護層26bとを備える。また、ポリマーアクチュエータ30Cでは、内部電極12aと外部電極12bの間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータ30Cの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータ30Cの円筒内部にある棒状物体をその長手方向に移動させることができる。
ここで、イオン導電性高分子体31A、内部電極12a、外部電極12bは図11のポリマーアクチュエータ30Aで示したものと同じであり、保護層26a,26bは図9のポリマーアクチュエータ20Aで示したものと同じである。またポリマーアクチュエータ30Bの動作ステップは第1の実施の形態と同じである。
つぎに、本発明に係るポリマーアクチュエータの第4の実施の形態について説明する。
図14は、本発明に係るポリマーアクチュエータの第4の実施の形態における構成を示す概略図である。図14(a)は本発明のポリマーアクチュエータの外観を示す斜視図であり、図14(b)は図14(a)のa−a´で切断した場合の構成を示す断面図である。
図14に示すように、ポリマーアクチュエータ40は、第1の実施の形態で示したポリマーアクチュエータ10が同心円状に複数配置(図14では2つ配置)されてなるものである。ここで、イオン導電性高分子体11、内部電極12a、外部電極12bは第1の実施の形態で示したものと同じであり、ポリマーアクチュエータ40の動作ステップは第1の実施の形態と同じである。
内側のポリマーアクチュエータ10と外側のポリマーアクチュエータ10は径が異なるだけで、同じ動作が行われる。したがって、径方向の変位に関してポリマーアクチュエータ10が積層された効果により、より大きな変位の力を発生させることができる。なお、ここでは第1の実施の形態のポリマーアクチュエータ10を径方向に積層したものを示したが、積層に適用できるポリマーアクチュエータはこれに限定されるものではなく、前記第1の実施の形態のその他のもの(図7、図8)、第2の実施の形態(図9、図10)、第3の実施の形態(図11〜図13)で示したポリマーアクチュエータを用いることもできる。
本発明に係るポリマーアクチュエータの第1の実施の形態における構成を示す図である。 ポリマーアクチュエータ素子の基本構成(1)を示す断面図である。 ポリマーアクチュエータ素子の基本構成(2)を示す断面図である。 ポリマーアクチュエータ素子の基本動作原理の説明図である。 本発明のポリマーアクチュエータの動作原理の説明図(1)である。 本発明のポリマーアクチュエータの動作原理の説明図(2)である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第1の実施の形態における変形例(1)の構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第1の実施の形態における変形例(2)の構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第2の実施の形態における構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第2の実施の形態における変形例の構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第3の実施の形態における構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第3の実施の形態における変形例(1)の構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第3の実施の形態における変形例(2)の構成を示す図である。 本発明に係るポリマーアクチュエータの第4の実施の形態における構成を示す図である。
符号の説明
1…イオン導電性高分子膜、2…電極膜、3…金属導電膜、4…リード線、10,10A,10B,20A,20B,30A,30B,30C,40…ポリマーアクチュエータ、11,31A,31B…イオン導電性高分子体、12a,12a,12a,12a,12a,12a,12a…内部電極、12b,12b,12b,12b,12b,12b,12b…外部電極、15a…内部電極アレイ、15b…外部電極アレイ、26a,26b…保護層、27a…グリップ層、31a…イオン導電性高分子ベース、31b…フレーム、31e…配線フレーム、a1,a2…ポリマーアクチュエータ素子、E1,E2,E3…電極位置、P…棒状物体

Claims (9)

  1. 円筒形状で陽イオン物質が含浸されたイオン導電性高分子体と、該イオン導電性高分子体の内周面に複数の内部電極が前記イオン導電性高分子体の長手方向に配列されてなる内部電極アレイと、前記イオン導電性高分子体の外周面に複数の外部電極が前記イオン導電性高分子体の長手方向に配列されてなる外部電極アレイとを備えるポリマーアクチュエータであって、
    前記内部電極と外部電極の間への印加電圧状態の制御により当該ポリマーアクチュエータの内径を変化させ、当該ポリマーアクチュエータの円筒内部の棒状物体を長手方向に移動させることを特徴とするポリマーアクチュエータ。
  2. 前記印加電圧状態の制御により、前記イオン導電性高分子体の内径を縮小させて当該ポリマーアクチュエータの内壁で前記棒状物体の一方の端部を把持し、ついでこの把持部分から前記棒状物体の他方の端部側に向けて前記内部電極及び外部電極の長手方向配列順に前記イオン導電性高分子体の内径の拡大、縮小を交互に行って前記イオン導電性高分子体を蛇腹形状に変形させて当該ポリマーアクチュエータの長さを短縮させた後、前記イオン導電性高分子体の内径を縮小させて当該ポリマーアクチュエータの内壁で前記棒状物体の他方の端部側部分を把持し、さらに該棒状物体の他方の端部側部分を把持したまま当該部分以外のイオン導電性高分子体を元の円筒形状に戻して棒状物体を長手方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  3. 前記内部電極は、前記イオン導電性高分子体の内周面の円周上に設けられた1または複数の帯状の電極膜からなり、前記外部電極は、前記イオン導電性高分子体の外周面の円周上に設けられた1または複数の帯状の電極膜からなることを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  4. 前記イオン導電性高分子体内部に内部電極へ電圧印加するための配線を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  5. 前記内部電極と外部電極との配置関係、内部電極と外部電極との面積比、印加電圧の大きさの少なくともいずれか一つを調整して前記イオン導電性高分子体の内径変化量を調整することを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  6. 少なくとも前記内部電極上に保護層を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  7. 前記イオン導電性高分子体は、その内部に強度維持フレームを有することを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  8. 前記イオン導電性高分子体の内周面に前記棒状物体を保持するグリップ層を有することを特徴とする請求項1に記載のポリマーアクチュエータ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一に記載のポリマーアクチュエータが同心円状に複数配置されてなることを特徴とするポリマーアクチュエータ。
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