JP2007267022A - 基地局装置及び基地局装置の傾斜測定方法 - Google Patents

基地局装置及び基地局装置の傾斜測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基地局装置の傾斜を精度良く測定し、測定結果に係る情報を自動的に他の装置に通知すること。
【解決手段】基地局装置10において、設置方向取得部62は、基地局装置10の設置方向を取得する。傾斜角算出部66は、基地局装置10の基準となる設置方向を示す基準設置方向と設置方向取得部62により取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する。障害監視部52は傾斜角算出部66により算出される傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、基地局装置及び基地局装置の傾斜を測定する方法に関する。
小型軽量で出力の小さいPHS(Personal Handy-phone System)等の基地局装置は、電柱やビルの屋上等に設置されることが多い。そのため、屋内に設置される装置等に比べて、強風や地震等の外的影響を受けやすい状態にあり、障害発生率も高い。
従来の基地局装置は、保守診断部を備えている。保守診断部は、基地局装置の内部状態を監視し、障害の発生を検知すると自律復旧を試みる。また、保守診断部は、上位装置である基地局管理装置に障害の発生又は復旧に係る情報を通知する。
なお、下記特許文献1には、インターネット接続機能及び電子メール送受信機能を備えた携帯電話機であって、異常事態又は緊急事態を検知する1種類以上の手段を内蔵し、検知した異常事態又は緊急事態の情報を受発信する携帯電話機に係る技術が開示されている。
特開2005−311995号公報
PHS等の基地局装置は、強風や地震等の影響により、設置当初の状態から傾斜したり、取り付けられた電柱と共に転倒したりする場合もある。しかし、従来の基地局装置は、自身の傾きを検知する手段を備えていなかったため、基地局管理装置との通信が切断されるような倒壊等の壊滅的な障害が発生しない限り、基地局装置が傾斜したことを自動的に検出することはできなかった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、基地局装置の傾斜を精度良く測定し、測定結果に係る情報を自動的に他の装置に通知することができる基地局装置及び基地局装置の傾斜測定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る基地局装置は、基地局装置の設置方向を取得する設置方向取得手段と、前記基地局装置の基準となる設置方向を示す基準設置方向と前記設置方向取得手段により取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、前記傾斜角算出手段により算出される傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う傾斜通知手段と、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係る基地局装置の傾斜測定方法は、基地局装置の設置方向を取得する設置方向取得ステップと、前記基地局装置の基準となる設置方向を示す基準設置方向と前記設置方向取得ステップにおいて取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する傾斜角算出ステップと、前記傾斜角算出ステップにおいて算出される傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う傾斜通知ステップと、を含むことを特徴としている。
本発明では、基地局装置の設置方向を取得し、基地局装置の基準となる設置方向を示す基準設置方向と取得された設置方向とのなす角である傾斜角を算出する。そして、算出された傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う。本発明によれば、基地局装置の傾斜に係る情報を自動的に他の装置に通知することができる。
また、本発明の一態様では、前記傾斜通知手段は、前記傾斜角算出手段により算出される傾斜角が所定値を超える場合に、前記通知を行う。こうすれば、基地局装置の傾斜が大きくなった場合にその旨を自動的に他の装置に通知することが可能となり、基地局装置の倒壊等を予測することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記基地局装置内の温度を測定する温度測定手段と、少なくとも1つの温度範囲に関連付けて、前記基準設置方向を記憶する基準設置方向記憶手段とを、をさらに含み、前記傾斜角算出手段は、前記温度測定手段により測定される温度に基づいて前記基準設置方向記憶手段に記憶される基準設置方向を読み出すとともに、該基準設置方向と前記設置方向取得手段により取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する。こうすれば、設置方向の測定精度が温度に応じて変化するような場合でも、基地局装置の傾斜を精度良く測定することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記温度測定手段により測定される温度が所定の温度範囲内にある場合に、該所定の温度範囲に関連付けて、前記設置方向取得手段により取得される設置方向を前記基準設置方向記憶手段に記憶させる基準設置方向設定手段をさらに含む。こうすれば、基地局装置の製造時又は出荷時等にすべての温度範囲について基準設置方向(正規の設置方向)を測定及び設定しておくことができない場合でも、それ以降基地局設置内部の温度が基準設置方向が未設定であるいずれかの温度範囲に入った時に、自動的にその時点における設置方向を測定し、当該設置方向を基準設置方向として設定することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記設置方向取得手段により取得される設置方向は、所定サンプリング周期で測定される設置方向の所定期間における平均値である。こうすれば、設置方向に係る測定値のばらつきを軽減することが可能となり、基地局装置の傾斜を精度良く測定することができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記傾斜角算出手段により算出される傾斜角は、前記所定期間より長い期間における前記傾斜角の移動平均値である。こうすれば、電柱等に設置された基地局装置が突風等により一時的に揺れるような場合に、それが異常(障害)として検知されるのを防ぐことができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記設置方向取得手段は、前記平均値の測定誤差が所定値を超える場合に、前記設置方向の再測定を行うととともに、該測定結果に基づいて前記平均値を再取得する。こうすれば、設置方向の測定誤差が大きいと判断される場合に、その測定誤差が一時的な測定精度の悪化により生じたものであるのか、或いは基地局装置が本当に傾斜したことにより生じたものであるのか、を切り分けることができるようになる。また、基地局装置の傾斜に係る異常(障害)を検出する速度を向上させることができるようになる。
また、本発明の一態様では、前記設置方向取得手段は、前記所定サンプリング周期より短いサンプリング周期で前記再測定を行う。こうすれば、設置方向に係る測定精度が向上し、基地局装置の傾斜を精度良く測定することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、基地局装置10の機能ブロック図である。基地局装置10は、制御部20、無線通信部30、回線インターフェース40及び保守診断部50を含んで構成されている。
制御部20は、運転管理部22、無線制御部24及び回線制御部26を含み、CPU及びメモリ等から構成される。運転管理部22は、無線制御部24、回線制御部26及び保守診断部50等と接続され、基地局装置10全体の運転に係る制御を行う。無線制御部24は、無線通信部30及びアンテナ診断部54と接続され、運転管理部22の指示に従って無線通信部30の制御を行う。また、無線通信部30及びアンテナ32の状態をアンテナ診断部54に通知する。回線制御部26は、回線インターフェース40及び回線診断部56と接続され、運転管理部22の指示に従って回線インターフェース40の制御を行う。また、基地局装置10に接続される回線の状態を回線診断部56に通知する。
無線通信部30は、アンテナ32を備え、無線制御部24と接続されるとともに制御部20を介して回線インターフェース40と接続されている。無線通信部30は、無線制御部24の指示に従って、アンテナ32で受信される各通信装置からの信号を復調し、パケットを分離抽出等した後に、当該パケットを制御部20を介して回線インターフェース40に出力する。また、制御部20を介して回線インターフェース40から入力される複数のパケットを多重等し、変調した信号をアンテナ32を介して各通信装置に対して送信する。
回線インターフェース40は、回線制御部26と接続されるとともに制御部20を介して無線通信部30と接続されている。また、ISDN(Integrated Service Digital Network)回線やEthernet(登録商標)等を介して通信ネットワークと接続され、基地局装置10と通信ネットワークを相互に連結している。回線インターフェース40は、回線制御部26の指示に従って、通信ネットワークから入力されるパケットを制御部20を介して無線通信部30に出力する。また、無線通信部30から入力される複数のパケットを制御部20を介して通信ネットワークに出力する。
保守診断部50は、障害監視部(傾斜通知部)52、アンテナ診断部54、回線診断部56及び傾斜診断部60を含んで構成される。保守診断部50は、基地局装置10の各機能ブロックの動作状態を監視しており、障害の発生を検知すると自律復旧を試みる。また、必要に応じて上位装置である基地局管理装置や基地局管理装置を含むオンラインセンタ等に対して障害の発生又は復旧に係る情報を通知する。障害監視部52は、アンテナ診断部54、回線診断部56及び傾斜診断部60と接続され、各診断部から入力される診断結果を監視し、必要に応じて基地局管理装置等に障害等に係る情報を通知する。アンテナ診断部54は、障害監視部52と接続されるとともに、無線制御部24を介して無線通信部30及びアンテナ32と接続されている。そして、無線通信部30及びアンテナ32の状態を診断するとともに、診断結果を障害監視部52に出力する。回線診断部56は、障害監視部52と接続されるとともに、回線制御部26を介して回線インターフェース40と接続されている。そして、基地局装置10に接続される回線の状態を診断するとともに、診断結果を障害監視部52に出力する。
傾斜診断部60は、設置方向取得部62、加速度センサ63、基準設置方向記憶部64、温度測定部65、傾斜角算出部66及び基準設置方向設定部68を含んで構成され、障害監視部52と接続されている。そして、正規の設置方向(基準設置方向)を基準とする基地局装置10の傾斜角を算出するとともに、算出した傾斜角等の情報を診断結果として障害監視部52に出力する。
設置方向取得部62は、加速度センサ63を含んで構成され、加速度センサ63により測定される基地局装置10の設置方向を取得する。加速度センサ63は、基地局装置10に固定されており、基地局装置10の設置方向を測定する。加速度センサ63は、取り付けられた物体に加わる加速度の大きさを測定するセンサであり、具体的には、重力加速度の大きさ及び方向(重力加速度ベクトル)を測定し、加速度センサ63を基準とした座標系における重力加速度ベクトルのx,y,z方向成分を取得する。本実施の形態では、加速度センサ63により測定される重力加速度ベクトルの各成分を、基地局装置10の設置方向として用いている。ここで、設置方向取得部62が取得する設置方向は、加速度センサ63が所定サンプリング周期で測定する設置方向の所定診断周期における平均値であってもよい。こうすれば、加速度センサ63による重力加速度ベクトルに係る測定値のばらつきが軽減され、測定精度が向上するようになる。
図2は、設置方向の平均値及び基地局装置の傾斜角を算出する処理を示すシーケンス図である。同図に示すように、加速度センサ63は、サンプリング周期t毎に重力加速度ベクトル(x,y,z)を測定する。設置方向取得部62は、サンプリング周期t毎に加速度センサ63から読み出される重力加速度ベクトルを、診断周期T(又はサンプリング回数n)で平均し、当該平均値を基地局装置10の設置方向とする。なお、同図に示すように、基地局装置10の傾斜角は、設置方向取得部62により取得される設置方向に基づいて、後述する傾斜角算出部66により算出される。
なお、設置方向取得部62は、設置方向の平均値に係る測定誤差が所定値を超える場合に、加速度センサ63による設置方向の再測定結果に基づいて、設置方向の平均値を再取得するようにしてもよい。こうすれば、設置方向の測定誤差が大きいと判断される場合に、その測定誤差が一時的な測定精度の悪化により生じたものであるのか、或いは基地局装置が本当に傾斜したことにより生じたものであるのか、を切り分けることができるようになる。このため、後述する移動平均を使って傾斜角を求める方法に比べて、より早期に基地局装置10の傾斜を検出することができるようになる。また、設置方向取得部62は、より短いサンプリング周期で再測定を行うようにしてもよい。こうすれば、設置方向に係る測定精度が向上するようになる。
ここで、加速度センサ63により測定される重力加速度ベクトルの各成分をそれぞれx,y,z、その平均値をそれぞれ〈x〉,〈y〉,〈z〉とし、平均値を求める診断周期Tにおけるサンプリング回数をnとすると、設置方向の平均値に係る測定誤差(x方向成分、y方向成分、z方向成分)はそれぞれ以下の式より求めることができる。
Figure 2007267022
基準設置方向記憶部64は、少なくとも1つの温度範囲に関連付けて、基地局装置10の基準となる設置方向、すなわち、基地局装置10の正規の設置方向である基準設置方向を記憶している。基準設置方向は、正規の方向に設置された状態における重力加速度ベクトルのx,y,z方向成分で表される。図3は、基地局装置10の外観及び正規の設置方向を示す図である。同図は、基地局装置10のアンテナコネクタ/CLKコネクタが上を向くように設置された状態を示しており、同図(a)、(b)、(c)はそれぞれ基地局装置10の上面図、正面図、右側面図である。ここでは、基地局装置10におけるx,y,z方向を、それぞれ同図(b)の正面図における上方向、左方向、裏面方向と定義している。同図(b)の正面図において重力加速度ベクトルは下向きであり、この状態における基地局装置10の設置方向(x,y,z)=(−1,0,0)が基地局装置10の少なくとも1つの基準設置方向となる。
基準設置方向記憶部64には、基地局装置10の製造時又は出荷前等に、予め少なくとも1つの基準設置方向を記憶させるようにしてもよい。すなわち、製造時又は出荷前等に、基地局装置10を正規の設置方向に取り付けた状態で重力加速度を測定し、測定時の基地局装置内部の温度が属する温度範囲に関連付けて、設置方向取得部62により取得される設置方向(加速度センサ63により測定される重力加速度ベクトルに係るx,y,z方向成分の所定期間における平均値)を基準設置方向記憶部64に記憶させるようにしてもよい。例えば、製造時に、基地局装置10を図3に示す方向に取り付けた状態で重力加速度を測定する。この時の基地局装置内の温度が15℃であったとすると、基準設置方向記憶部64には図4に示す情報が記憶される。すなわち、基準設置方向記憶部64には、同図に示すように、0℃より高くかつ20℃以下である温度範囲に関連付けて、基準設置方向(x,y,z)=(−1,0,0)が記憶される。同図では、その他の温度範囲について基準設置方向が未設定となっているが、重力加速度の測定時に、基地局装置内の温度がそのいずれかの温度範囲に入れば、当該温度範囲についても基準設置方向を記憶させることができる。なお、基地局装置内の温度は温度測定部65によって測定される。
基準設置方向設定部68は、温度測定部65により測定される温度が属する温度範囲に関連付けて、設置方向取得部62により取得される設置方向を基準設置方向記憶部64に記憶させる。これにより、基地局装置10の製造時又は出荷時等に、基準設置方向記憶部64におけるすべての温度範囲について基準設置方向を測定及び設定しておくことができない場合でも、それ以降基地局設置内部の温度が基準設置方向が未設定であるいずれかの温度範囲に入った時に、自動的にその時点における設置方向を測定し、当該設置方向を基準設置方向として設定することが可能となる。
傾斜角算出部66は、温度測定部65により測定される温度に基づいて基準設置方向記憶部64に記憶される基準設置方向を読み出すとともに、該基準設置方向と設置方向取得部により取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する。こうすれば、設置方向の測定精度が温度に応じて変化するような場合でも、基地局装置10の傾斜角を精度良く算出することができるようになる。ここで、傾斜角をθ、基準設置方向を(x,y,z)、加速度センサ63により測定される設置方向を(x,y,z)とすると、傾斜角θは以下の式より求められる。
Figure 2007267022
なお、傾斜角算出部66は、所定診断周期よりも長い期間における傾斜角の移動平均値を算出し、当該移動平均値を基地局装置10の傾斜角とするようにしてもよい。例えば、図2に示すように、傾斜角算出部66が診断周期T(又はサンプリング回数n回)における設置方向の平均値に基づいて傾斜角を算出する場合において、診断周期の4倍の期間(4T)における傾斜角の移動平均値を傾斜角とするようにしてもよい。こうすれば、電柱等に設置された基地局装置10が突風等により一時的に傾斜したような場合に、傾斜角算出部66により算出される傾斜角が急激に変化するのを防ぐことができる。これにより、基地局装置10が突風等により一時的に揺れた場合に、実際には傾斜していないにも関わらず傾斜していると誤判断されるのを防ぐことができる。
また、傾斜角算出部66は、算出した傾斜角を障害監視部52に出力する。障害監視部52は、傾斜角算出部66により算出される傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う。具体的には、基地局装置10の傾斜角が閾値を超えた場合に、基地局管理装置等に対して基地局装置10が傾斜した旨及びその時点での傾斜角等を通知する。また、傾斜していた基地局装置10が、復旧作業等により正規の設置方向に設置し直されたような場合に、基地局管理装置等に対して基地局装置10の傾斜が解消した旨及びその時点での傾斜角等を通知する。
次に、基地局装置10の第1の傾斜診断処理を、図5のフローチャートに基づいて説明する。本処理で使用されるサンプリング周期t、サンプリング回数n、診断周期T、傾斜角の閾値θ等のシステムパラメータは、基地局装置10の電源投入時に制御用設定ファイル等から制御部20に読み込まれる。ただし、読み込んだシステムパラメータが所定の値域を超える場合には、予め定められたデフォルト値が代わりに使用される。
運転管理部22が保守診断部50に対して定期監視開始要求を通知すると、基地局装置10は定期監視状態に遷移する。定期監視状態に入ると、タイマ制御により定期的に傾斜診断処理を含む各種診断処理が実行される。なお、傾斜診断処理は診断周期T毎に繰り返し実行される。以上の前提事項は、後述する第2の傾斜診断処理でも同様である。
第1の傾斜診断処理が開始されると、加速度センサ63は、サンプリング周期tにて基地局装置10の設置方向(重力加速度)を測定する(S100)。そして、設置方向取得部62は、サンプリング周期t毎に加速度センサ63から設置方向を読み出し、当該設置方向の診断周期T(又はサンプリング回数n)における平均値を算出し、当該平均値をその時点において取得された基地局装置10の設置方向とする(S102)。
次に、温度測定部65は、基地局装置10内の温度を測定する(S104)。そして、S104において測定された温度に関連する基準設置方向が基準設置方向記憶部64に設定済みであるか否かが判定される(S106)。
S106において、基準設置方向が設定済みであると判定された場合、傾斜角算出部66は、S104において測定された温度に基づいて、基準設置方向記憶部64に記憶される基準設置方向を読み出す(S108)。また、S108において読み出した基準設置方向とS102において取得された設置方向とのなす角である傾斜角を算出する(S110)。S110で算出された傾斜角は、S112における移動平均の算出において以後複数回利用されるため、不揮発性メモリに少なくとも一定期間保存される。傾斜角算出部66は、傾斜角を算出後、診断周期Tよりも長い期間(例えば4T等)における傾斜角の移動平均値を算出し、当該移動平均値をその時点において算出された基地局装置10の傾斜角とする(S112)。そして、S112において算出された傾斜角を障害監視部52に出力する。
傾斜診断部60は、S112において算出された傾斜角が閾値θを超えるか否かを判定する(S114)。S114において傾斜角が閾値θ以下であると判定されると、基地局装置10の傾斜は許容範囲以内であるとして、傾斜診断部60の内部状態を「正常状態」に遷移させる(S122)。一方、S114において傾斜角が閾値θを超えると判定されると、基地局装置10の傾斜が許容範囲を超えたとして、傾斜診断部60の内部状態を「異常状態」に遷移させる(S124)。
次に、障害監視部52は、基地局管理装置への通知が必要であるか否かを判定する(S126)。具体的には、S122又はS124において、傾斜診断部60の内部状態が異なる状態に遷移したか否かに応じて判定する。すなわち、S124において、傾斜診断部60の内部状態が「正常状態」から「異常状態」に遷移した場合、S126において基地局管理装置への通知は必要と判定され、障害監視部52は、基地局管理装置に対して基地局装置10の傾斜が許容範囲を超えた旨及びその時点での傾斜角等を通知する(S128)。また、S122において、傾斜診断部60の内部状態が「異常状態」から「正常状態」に遷移した場合、S126において基地局管理装置への通知は必要と判定され、障害監視部52は、基地局管理装置に対して基地局装置10の傾斜が解消した旨及びその時点での傾斜角等を通知する(S128)。一方、S122又はS124において傾斜診断部60の内部状態が変化しなかった場合、S126において基地局管理装置への通知は不要と判定され、本処理は終了する。
S106において、基準設置方向が未設定であると判定された場合、加速度センサ63は、サンプリング周期tにて基地局装置10の設置方向を測定する(S116)。そして、設置方向取得部62は、サンプリング周期t毎に加速度センサ63から設置方向を読み出し、当該設置方向の診断周期T(又はサンプリング回数n)における平均値を算出し、当該平均値をその時点において取得された基地局装置10の基準設置方向とする(S118)。次に、基準設置方向設定部68は、S104において測定された温度が属する温度範囲に関連付けて、S118において取得された基準設置方向を基準設置方向記憶部64に記憶させる(S120)。S122以降の処理は上述した通りである。
次に、基地局装置10の第2の傾斜診断処理を、図6のフローチャートに基づいて説明する。本処理では、上述した第1の傾斜診断処理との重複説明を避けるため、基準設置方向記憶部64には、予めすべての温度範囲について基準設置方向が設定済みとなっているものとする。
第2の傾斜診断処理が開始されると、加速度センサ63は、サンプリング周期tにて基地局装置10の設置方向(重力加速度)を測定する(S200)。そして、設置方向取得部62は、サンプリング周期t毎に加速度センサ63から設置方向を読み出し、当該設置方向の診断周期T(又はサンプリング回数n)における平均値を算出し、当該平均値をその時点において取得された基地局装置10の設置方向とする(S202)。
次に、温度測定部65は、基地局装置10内の温度を測定する(S204)。傾斜角算出部66は、S204において測定された温度に基づいて、基準設置方向記憶部64に記憶される基準設置方向を読み出す(S206)。また、S206において読み出した基準設置方向とS202において取得された設置方向とのなす角である傾斜角を算出する(S208)。
傾斜診断部60は、S208において算出された傾斜角が閾値θを超えるか否かを判定する(S210)。S210において傾斜角が閾値θ以下であると判定されると、基地局装置10の傾斜は許容範囲以内であるとして、本処理は終了する。一方、S210において傾斜角が閾値θを超えると判定されると、基地局装置10の傾斜が許容範囲を超えた可能性が考えられるが、この場合、基地局装置10の傾斜が実際に許容範囲を超えたとの判定を下す前に、S202において算出された設置方向の平均値の信頼性を検証する。すなわち、設置方向の平均値の測定誤差が所定値を超えるか否かを判定する(S212)。
S212において、測定誤差が所定値を超えると判定されると、S208で算出された傾斜角の信頼性は低いとして、測定精度を高めるべく、サンプリング周期tをより短くまたサンプリング回数nをより多くして、S200からの測定を再実行する。
一方、S212において、測定誤差が所定値を以下である判定されると、S208で算出された傾斜角の信頼性は高いとして、基地局装置10の傾斜が実際に許容範囲を超えたとの判定を下す。そして、障害監視部52は、基地局管理装置に対して基地局装置10の傾斜が許容範囲を超えた旨及びその時点での傾斜角等を通知する(S214)。
以上に述べた基地局装置及び基地局装置の傾斜測定方法によれば、基地局装置の傾斜を精度良く測定し、測定結果に係る情報を自動的に他の装置に通知することができる。また基地局装置の設置状態を確認するために要する人的コスト等を削減することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、重力加速度センサを用いて基地局装置の設置方向を測定する構成を示したが、加速度センサの代わりに、方向を示す情報を取得できるあらゆる種類のセンサ(例えば地磁気センサ)等を用いることも可能である。
さらに、基地局装置の設置方向に係る測定データは、基地局装置が自然界等の外的要因から受ける力を推定するために用いることが可能であり、周辺に新たな基地局装置を設置する際の建柱強度の計算に係る基礎データとして活用することもできる。
本発明の実施の形態に係る基地局装置の機能ブロック図である。 設置方向(重力加速度ベクトル)の平均値及び基地局装置の傾斜角を算出する処理を示すシーケンス図である。 基地局装置の外観及び正規の設置方向を示す図である。 製造時における基準設置方向記憶部の一例を示す図である。 基地局装置の第1の傾斜診断処理を示すフローチャートである。 基地局装置の第2の傾斜診断処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 基地局装置、20 制御部、22 運転管理部、24 無線制御部、26 回線制御部、30 無線通信部、32 アンテナ、40 回線インターフェース、50 保守診断部、52 障害監視部(傾斜通知部)、54 アンテナ診断部、56 回線診断部、60 傾斜診断部、62 設置方向取得部、63 加速度センサ、64 基準設置方向記憶部、65 温度測定部、66 傾斜角算出部、68 基準設置方向設定部。

Claims (9)

  1. 基地局装置の設置方向を取得する設置方向取得手段と、
    前記基地局装置の基準となる設置方向を示す基準設置方向と前記設置方向取得手段により取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する傾斜角算出手段と、
    前記傾斜角算出手段により算出される傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う傾斜通知手段と、
    を含むことを特徴とする基地局装置。
  2. 請求項1に記載の基地局装置において、
    前記傾斜通知手段は、前記傾斜角算出手段により算出される傾斜角が所定値を超える場合に、前記通知を行う、
    ことを特徴とする基地局装置。
  3. 請求項1又は2に記載の基地局装置において、
    前記基地局装置内の温度を測定する温度測定手段と、
    少なくとも1つの温度範囲に関連付けて、前記基準設置方向を記憶する基準設置方向記憶手段とを、
    をさらに含み、
    前記傾斜角算出手段は、前記温度測定手段により測定される温度に基づいて前記基準設置方向記憶手段に記憶される基準設置方向を読み出すとともに、該基準設置方向と前記設置方向取得手段により取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する、
    ことを特徴とする基地局装置。
  4. 請求項3に記載の基地局装置において、
    前記温度測定手段により測定される温度が所定の温度範囲内にある場合に、該所定の温度範囲に関連付けて、前記設置方向取得手段により取得される設置方向を前記基準設置方向記憶手段に記憶させる基準設置方向設定手段をさらに含む、
    ことを特徴とする基地局装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の基地局装置において、
    前記設置方向取得手段により取得される設置方向は、所定サンプリング周期で測定される設置方向の所定期間における平均値である、
    ことを特徴とする基地局装置。
  6. 請求項5に記載の基地局装置において、
    前記傾斜角算出手段により算出される傾斜角は、前記所定期間より長い期間における前記傾斜角の移動平均値である、
    ことを特徴とする基地局装置。
  7. 請求項5に記載の基地局装置において、
    前記設置方向取得手段は、前記平均値の測定誤差が所定値を超える場合に、前記設置方向の再測定を行うととともに、該測定結果に基づいて前記平均値を再取得する、
    ことを特徴とする基地局装置。
  8. 請求項7に記載の基地局装置において、
    前記設置方向取得手段は、前記所定サンプリング周期より短いサンプリング周期で前記再測定を行う、
    ことを特徴とする基地局装置。
  9. 基地局装置の設置方向を取得する設置方向取得ステップと、
    前記基地局装置の基準となる設置方向を示す基準設置方向と前記設置方向取得ステップにおいて取得される設置方向とのなす角である傾斜角を算出する傾斜角算出ステップと、
    前記傾斜角算出ステップにおいて算出される傾斜角が所定の条件を満たす場合に、他の装置に対して所定の通知を行う傾斜通知ステップと、
    を含むことを特徴とする基地局装置の傾斜測定方法。
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