JP2007266075A - 金属用研磨液 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の置換基を有する1,2,3−トリアゾール誘導体と、酸化剤とを含有することを特徴とする。
Description
CMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる金属用研磨溶液は、一般には砥粒(例えばアルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば過酸化水素、過硫酸)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
このような従来の固体砥粒における問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウムおよび水からなる金属用研磨液が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、半導体基体の凸部の金属膜が選択的にCMPされ、凹部に金属膜が残されて所望の導体パターンが得られるものの、従来の固体砥粒を含むよりもはるかに機械的に柔らかい研磨パッドとの摩擦によってCMPが進むため、十分な研磨速度が得難いという問題点を有している。
銅及び銅合金に対して機械的研磨手段をもたない化学研磨方法としては、溶解作用のみによる化学研磨方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、凸部の金属膜が選択的に化学的機械的に研磨されるCMPに比べ、ディッシングなどの発生による問題が発生しやすく平坦性の確保が課題となっている。
その他にも研磨面の段差平坦化を目的として、研磨パッドの劣化を抑える化学機械研磨用水系分散体(例えば、特許文献3参照。)や、ウエハ表面を修正するのに有用なイミノジ酢酸とその塩から選ばれるキレート剤を含有する加工液(例えば、特許文献4参照。)、α−アミノ酸を含有する化学機械研磨組成物(例えば、特許文献5参照。)などが提案されている。
これらの技術により、銅配線における研磨性能の向上が見られるが、銅配線のバリア金属としてしばしば用いられるタンタルやその合金類は、銅に比較して硬質であるため、配線近傍の平滑化に際しては、銅/タンタル選択性を有する研磨液の実現が望まれているのが現状である。
したがって本発明の目的は、迅速な研磨速度を有し、且つ、研磨における銅/タンタル選択性が向上することで、ディッシングが少なく平坦性が向上したLSIの作製を可能とする金属用研磨液を提供することにある。
一般式(I)
一般式(I)で表される1,2,3−トリアゾール誘導体は、1,2,3−トリアゾール環の炭素原子上に特定の置換基を少なくとも1個含有する1,2,3−トリアゾール誘導体(以下、適宜、特定1,2,3−トリアゾール誘導体ともいう)である。
Ra及びRbの少なくとも一方が表す置換基として好ましくは、−La−Rcである。
Laで表される2価の連結基としては、例えばアルキレン基、−S−、−O−、−NH−、−CO−、およびそれらの組合せが挙げられる。好ましくはアルキレン基であり、より好ましくはメチレン、エチレンである。更に好ましくはメチレンである。
Rcで表される置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、カルバモイル基(−CONRR’)、カルボンアミド基(−NHCOR”)、スルファモイル基(−SO2NH2)、スルホンアミド基(−NHSO2R”)が挙げられる。R及びR’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基及びアリール基から選ばれる基を表し、より好ましくは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。R”はそれぞれ独立にアルキル基及びアリール基から選ばれる基を表し、より好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。Rcで表される置換基として好ましくは、ヒドロキシ基、カルボキシ基であり、より好ましくはカルボキシ基である。
Ra及びRbのその他の置換基としては、水素原子または(炭素数1〜5の)アルキル基が好ましい。Ra及びRbのその他の置換基として最も好ましくは水素原子である。
本発明の金属用研磨液に含まれる特定1,2,3−トリアゾール誘導体の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液(即ち、水または水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)の1L中、好ましくは0.00001〜1mol、より好ましくは0.0001〜0.5mol、更に好ましくは0.0001〜0.1molである。
一般に金属用研磨液には、酸化剤、不動態膜形成剤、有機酸、砥粒が含まれるが、本発明においては必ずしも砥粒を入れなくてもよい。本発明の金属用研磨液は、さらに他の成分を含有してもよく、好ましい成分としては例えば界面活性剤、水溶性ポリマー、及び各種添加剤を挙げることができる。金属用研磨液には、各成分を2種以上添加してもよい。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
本発明の金属用研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有する。ただし、酸化剤の分解等を防ぐために、酸化剤を使用直前に添加してもよい。したがって、本明細書では、酸化剤を含まない金属用研磨液予備液も「金属用研磨液」と称する。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。
中でも、過酸化水素、硝酸、過ヨウ素酸カリウム、次亜塩素酸及びオゾン水が好ましい。
本発明の研磨液には、有機酸を併用することが好ましい。ここでいう有機酸とは、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、前述の酸化剤として機能する酸を包含するものではない。
一般式(2)
一般式(1)において、R4及びR5のいずれか一方は水素原子でないことが好ましい。
一般式(2)において、R9は水素原子でないことが好ましい。
本発明の研磨液は更に無機酸を含有することができる。ここでの酸は、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。無機酸としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸などが挙げられ、無機酸の中では燐酸が好ましい。
酸の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0005〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
また、本発明における金属用研磨液には、特定の1,2,3−トリアゾール誘導体以外に酸化剤の劣化を抑制し、且つ、金属表面に不動態膜を形成し、研磨速度を制御する不動態膜形成剤としての機能を有する化合物、具体的には、芳香環を有する化合物を併用してもよい。
芳香環を有する化合物とは、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環を有する、好ましくは分子量20〜600の化合物であり、例えば、テトラゾール類及びその誘導体またはアントラニル酸類及びその誘導体、アミノトルイル酸、キナルジン酸、以下のようなアゾール類が挙げられる。
すなわち、芳香環を有する化合物の添加量は、酸化剤及びこれらの化合物の劣化(無効化、分解)防止の点から研磨に使用する際の研磨液1L中1.0mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0001mol以上が好ましい。
なお、芳香環を有する化合物の添加量よりも少ない添加量で、チオシアン酸塩、チオエーテル類、チオ硫酸塩又はメソイオン化合物を併用してもよい。
本発明の金属用研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。
キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
また、本発明の金属用研磨液には以下の添加剤を用いることが好ましい。アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−オクチルオキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エチルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、その他、アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸などが挙げられる。これらの中でもキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオール、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
本発明の金属用研磨液は、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有することが好ましい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
本発明の研磨液は、必要に応じて、pH調整のためにアルカリ剤、さらにはpHの変動抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
研磨に使用する際の研磨液のpHは2〜14が好ましく、3〜12がより好ましく、3.5〜8が最も好ましい。この範囲において本発明の金属液は特に優れた効果を発揮する。
本発明の金属用研磨液は好ましくは砥粒を含有する。好ましい砥粒としては、例えば、シリカ(沈降シリカ、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ)、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素、ポリスチレン、ポリアクリル、ポリテレフタレートなどが挙げられる。
また、砥粒は平均粒径が5〜1000nmが好ましく、特には10〜200nmが好ましい。
砥粒の添加量としては、砥粒は、使用する際の金属用研磨液の全質量に対して0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%の範囲であることがより好ましい。研磨速度の向上とウエハ面内の研磨速度のばらつきの低減における充分な効果を得る上で0.01質量%以上が好ましく、CMPによる研磨速度が飽和するため、20質量%以下が好ましい。
本発明においては、研磨する対象である半導体が、銅金属及び/又は銅合金からなる配線を持つLSIであることが好ましく、特には銅合金が好ましい。本発明において、金属用研磨液が“主として銅配線の研磨に用いられる”とは、研磨する対象である半導体が、銅金属及び/又は銅合金からなることを意味する。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
本発明においては、研磨する対象である半導体が、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
本発明においては、半導体が銅金属及び/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
金属用研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明の金属用研磨液を用いた研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、12〜240g/cm2であることがより好ましい。
例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
なお、ここで、本発明に係る前記特定のヘテロ環誘導体は、2つの構成成分のうち、有機酸とともに、(B)に添加することが溶液経時安定性の観点から好ましい。
研磨用のパッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
本発明の金属用研磨液でCMPを行なう対象ウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
(1)有機酸として一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物と本発明化合物とを併用することを特徴とした金属用研磨液。
(2)有機酸として一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物と本発明化合物とを併用し、かつ本発明化合物を1mmol/L以下添加することを特徴とする金属用研磨液。
(3)有機酸として一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物と本発明化合物とを併用し、かつ本発明化合物を0.5mmol/L以下添加することを特徴とする金属用研磨液。
(4)押さえ圧力75g/cm2以下で研磨するための金属用研磨液として、有機酸として一般式(1)及び一般式(2)で表される化合物群から選ばれる少なくとも1つの化合物と本発明化合物とを併用し、かつ本発明化合物を0.5mmol/L以下添加することを特徴とする金属用研磨液。
<実施例1>
下記に示す処方(金属用研磨液1)により、研磨液を調製し、実施例1の金属用研磨液を得た。この金属用研磨液を、下記の方法により研磨試験を行って評価した。
過酸化水素(酸化剤) 5g/L
グリシン(有機酸) 15.0g/L(0.2mol/L)
例示化合物I−1(特定1,2,3−トリアゾール誘導体)0.2mmol/L
コロイダルシリカ(砥粒) 9g/L
純水を加えて全量 1000mL
pH(アンモニア水と硫酸で調整) 6.7
研磨パッド: IC1400XY−K Groove(ロデール社)
研磨機: LGP−612(LapmaSterSFT社)
押さえ圧力: 75g/cm2
研磨液供給速度: 200ml/min
銅ブランケットウエハ: 厚さ1.4μmの銅膜を形成したウエハ(200mm)
タンタルブランケットウエハ: 厚さ1μmのタンタル膜を形成したウエハ(200mm)
パターンウエハ: セマテック社製CMP854パターンウエハ(200mm)
研磨パッド/ウエハの回転数:95/120rpm
定盤温調: 20℃
研磨速度: 銅またはタンタルブランケットウエハ面上の49箇所に対し、金属膜のCMP前後での膜厚さを電気抵抗値から換算して、平均研磨速度を求めた。
ディッシング: パターンウエハに対し、非配線部の銅が完全に研磨されるまでの時間に加えて、該時間の50%に相当する時間研磨し、ラインアンドスペース部(ライン100μm、スペース100μm)のディッシングを触針式段差計で測定した。
上記研磨液を用いてCMPを行って得られた研磨速度、ディッシング及び銅とタンタルの研磨速度比を下記表1に示した。
実施例1における金属用研磨液1の処方において、特定1,2,3−トリアゾール誘導体である例示化合物I−1及び有機酸であるグリシンを、それぞれ表3に記載の化合物とした他は、実施例1と同様にして実施例2〜6及び比較例1〜3の金属用研磨液を調製し、実施例1と同様に研磨試験を行った。結果を下記表3に併記する。
Claims (2)
- 半導体デバイスの化学的機械的平坦化に使用される金属用研磨液であって、さらに下記一般式(I)で表される1,2,3−トリアゾール誘導体を含む金属用研磨液。
一般式(I)
Ra及びRbはそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、かつRa及びRbの少なくとも一方が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、ホスホノ基(−PO3H2)、カルバモイル基(−CONRR’)、カルボンアミド基(−NHCOR”)、スルファモイル基(−SO2NH2)、スルホンアミド基(−NHSO2R”)または−La−Rcを表す。Laは、2価の連結基を表す。Rcはヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、ホスホノ基(−PO3H2)、カルバモイル基(−CONRR’)、カルボンアミド基(−NHCOR”)、スルファモイル基(−SO2NH2)、またはスルホンアミド基(−NHSO2R”)を表す。R及びR’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基及びアリール基から選ばれる基を表す。R”はそれぞれ独立にアルキル基及びアリール基から選ばれる基を表す。 - 半導体デバイスの化学的機械的平坦化において、主として銅配線の研磨に用いられることを特徴とする請求項1に記載の金属用研磨液。
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