JP2007265834A - サージアブソーバ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サージアブソーバ1の一対の端子電極部材2、3を、ともに凹部9を有する突出部8を備える構造とする。すると突出部8が壁になって、主放電の際に端子電極部材2、3から飛散する金属が突出部8の外側面8bとセラミクス碍子管4の内面との隙間11部分のセラミクス碍子管4の内壁に付着しない。
【選択図】図1
Description
しかしながら、特許文献1記載のサージアブソーバでは、主放電電極間でサージ電圧によるアーク放電(以下、主放電とする。)が行われる際に、主放電により主放電電極が高温となり、主放電電極を構成する金属成分が電極表面から飛散する現象が起きる。このとき飛散した金属が絶縁性管の内壁に付着し堆積するとこの金属を伝って電流リークが発生し、ショートを引き起こす恐れがある。
本発明に係るサージアブソーバは、主放電間隙を介して対向配置された一対の端子電極部材と、前記一対の端子電極部材を両端に配して内部に封止ガスを封止する絶縁性管とを備えたサージアブソーバであって、前記一対の端子電極部材のうち少なくとも一方は、金属製の電極基体部と、この電極基体部から前記絶縁性管の内周面との間に間隙を開けて軸方向に突出する突出部とから構成されるとともに、前記突出部の中心領域に凹部を備えることを特徴とする。
一対の端子電極部材の双方を上記の構成とすれば、放電によって飛散した金属が付着しにくい領域を双方の端子電極部材に近接した絶縁性管の内壁に作ることができ、電流のリークやショートを生じる可能性をより減少させることができる。
このサージアブソーバは上記の構成を有しているので、ピン状電極と、このピン状電極に対向する端子電極部材との間にもトリガーギャップが形成される。そして、多くのトリガーギャップが形成されれば放電しやすくなり、放電開始電圧を安定化することができる。
また、ピン状電極の長さを変化させて端子電極部材との間隔を調節できるので、放電開始電圧を容易に調節することができる。
このサージアブソーバでは、一方の端子電極部材に設けられた突出部の先端部と他方の端子電極部材との間が、主放電を誘発するためのトリガー放電を生じさせるトリガーギャップとなっている。このトリガーギャップにおける放電をしやすくするためには突出部の先端は広い面上であるよりも狭い面上のほうが好ましく、また、面上であるよりは頂部を有するほうが好ましい。このサージアブソーバは上記の構成を有するので、トリガー放電を生じやすくすることができ、放電開始電圧を安定させることができる。
このサージアブソーバはトリガー線を絶縁性管の内壁に備えるので、このトリガー線と端子電極部材との間にもトリガーギャップを形成することができる。そして、トリガーギャップが増えることによって放電しやすくなり、放電開始電圧を安定化させることができる。
このサージアブソーバの主用途を電源ライン用とした場合、通信線用などに比べるとサージ電流が高くなる。端子電極部材の外縁部が絶縁性管の外周面より突出していると、このサージアブソーバを基板から浮かせた状態で実装することができ、高電流の放電が起きたときにサージアブソーバに発生する熱によって基板が焦げるなどの問題を防止することができる。
また、一対の端子電極部材のうちの一方の端子電極部材にピン状電極を固着する、または絶縁性管の内壁にトリガー線を備える構成にすると、放電開始電圧が安定した、十分なサージ寿命を有する小型で表面実装の可能な電源ライン用のサージアブソーバを提供することができる。
本実施形態に係るサージアブソーバ1は全体としては直方体状であって、図1に示すように、一対の対向配置された端子電極部材2、3と、これら端子電極部材2、3を両端に配して内部がアルゴン(Ar)等の封止ガスで封止された絶縁性のセラミクス碍子管4とから構成される。
まず、一対の端子電極部材2、3を打ち抜き加工によって上記の形状に成形する。
続いて、セラミクス碍子管4の両端面に、モリブデン(Mo)−タングステン(W)層とNi層とをこの順に形成し、ロウ材5とのぬれ性を向上させるためのメタライズ層10を形成する。
そして、端子電極部材2の周縁部6上に枠状のロウ材5を載置しその上にセラミクス碍子管4を載置する。さらにセラミクス碍子管4の上部にもロウ材5を載置し、端子電極部材2の凹部9と端子電極部材3の凹部9とが互いに対向するように端子電極部材3を載置して仮組する。
こうして製造されたサージアブソーバ1は、プリント基板等の上に形成されたランドとサージアブソーバ1の一対の端子電極部材2、3の外面とを半田付けにて固定され、使用される。
第2の実施形態が上記第1の実施形態と異なる点は、図4に示すように、第1の実施形態における端子電極部材2がピン状電極26を中央域に固着された板状の主放電電極板24である点である。
まず、端子電極部材3、主放電電極板24およびピン状電極26を成形する。次にセラミクス碍子管4の両端面にモリブデン(Mo)−タングステン(W)合金層とニッケル(Ni)層とをこの順に成形し、ロウ材5、25との濡れ性を向上させるためのメタライズ層10を形成する。
そして、主放電電極板24上に固形で平面状のロウ材25を設置し、続いてその中央領域にピン状電極26を設置し、主放電電極板24の周縁部6の上にロウ材25を介してセラミクス碍子管4を設置する。さらに、セラミクス碍子管4の上に枠状のロウ材5を載置し、その上に端子電極部材3を、ピン状電極26のピン状部22が凹部9の中心に配置されるように載置して仮組みする。この後、第1の実施形態のサージアブソーバ1と同様にしてサージアブソーバ21を製造する。
また、このサージアブソーバ21ではピン状部22の先端部と凹部9の底面9aおよび突出部8の内側面8aとの間に複数のトリガーギャップが形成されるので、トリガー放電がされやすく放電開始電圧が安定する。
また、本実施態様ではピン状電極26を細い円柱状としたが、三角錐状などの先端に向かって外周の内径を減ずる形状にして、ピン状電極26の先端と対向する端子電極部材3との間のトリガー放電を生じやすくしてもよい。
第3の実施形態のサージアブソーバ41が前記第1の実施形態のサージアブソーバ1と異なる点は、図5に示すように、セラミクス碍子管4の内壁に1本のカーボントリガー線42が設けられている点と、一対の端子電極部材2、3にセラミクス碍子管4の外周面より突出した外縁部43が備えられている点とである。
また、このサージアブソーバ41ではカーボントリガー線42と、突出部8の外側面8bとの間にトリガーギャップが形成されるので、トリガー放電がされやすく放電開始電圧が安定する。
例えば、端子電極部材2、3は、CuやNi系の合金でもよい。
また、セラミクス碍子管4の両端面のメタライズ層10は、Ag、Cu、Au、Mo−Mnでも良く、また、メタライズ層10を用いず活性金属のロウ材5、25だけで封止しても構わない。
封止ガスは、所望の電気特性を得るために組成を調整された、例えば、大気(空気)でもよく、Ar、N2、Ne、He、Xe、H2、SF6、C2F6、C3F8、CO2等、及びこれらの混合ガスでもよい。
2、3 端子電極部材
4 セラミクス碍子管(絶縁性管)
5、25 ロウ材
6 周縁部
7 電極基体部
8 突出部
8a 内側面
8b 外側面
8c 上面
9 凹部
9a 底面
10 メタライズ層
11、11a、11b 隙間
22 ピン状部
23 基台部
24 主放電電極板
26 ピン状電極
42 カーボントリガー線(トリガー線)
43 外縁部
51 突出電極
52 横部分
53 縦部分
71 穴
72 端部
Claims (6)
- 主放電間隙を介して対向配置された一対の端子電極部材と、前記一対の端子電極部材を両端に配して内部に封止ガスを封止する絶縁性管とを備えたサージアブソーバであって、
前記一対の端子電極部材のうち少なくとも一方は、金属製の電極基体部と、この電極基体部から前記絶縁性管の内周面との間に間隙を開けて内側かつ軸方向に突出する突出部とから構成されるとともに、
前記突出部の中心領域に凹部を備えることを特徴とするサージアブソーバ。 - 主放電間隙を介して対向配置された一対の端子電極部材と、前記一対の端子電極部材を両端に配して内部に封止ガスを封止する絶縁性管とを備えたサージアブソーバであって、
前記一対の端子電極部材の双方が、金属製の電極基体部と、この電極基体部から前記絶縁性管の内周面との間に間隙を開けて内側かつ軸方向に突出する突出部とから構成されるとともに、
前記突出部の中心領域に凹部を備えることを特徴とするサージアブソーバ。 - 主放電間隙を介して対向配置された一対の端子電極部材と、前記一対の端子電極部材を両端に配して内部に封止ガスを封止する絶縁性管とを備えたサージアブソーバであって、
前記一対の端子電極部材の一方が、金属製の電極基体部と、この電極基体部から前記絶縁性管の内周面との間に間隙を開けて内側かつ軸方向に突出する突出部とから構成されるとともに、
前記突出部の中心領域に前記凹部を備え、
他方の前記端子電極部材は、内表面に前記一方の端子電極部材に向けて延びるピン状電極が固着されていることを特徴とするサージアブソーバ。 - 前記突出部は先端方向に向かって断面積を減ずるように形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のサージアブソーバ。
- 前記絶縁性管は内壁に1本または複数本のトリガー線を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のサージアブソーバ。
- 前記一対の端子電極部材が前記絶縁性管の外周面より突出した外縁部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のサージアブソーバ。
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