JP2007263180A - 変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で変速範囲の広い無段変速機(CVT)を提供する。
【解決手段】無段変速部と多段変速部を組み合わせる。無段変速部は、入力プーリ12と第1,第2の出力プーリ14,16を有し、二つの出力プーリの溝幅を変更して、ベルト18の巻付き半径を変えて無段変速を行う。多段変速部は、第1出力プーリに関連する第1ギア変速機構32と、第2出力プーリに関連する第2ギア変速機構38を含む。二つの変速機構の出力は、第1,第2中間軸26,34により出力切換え機構46に送られ、一方が出力軸48に接続される。第1ギア変速機構には、第1速と第3速のギア組が配置され、第2ギア変速機構には第2速ギア組が配置される。二つのギア変速機構と出力切換え機構により多段変速部のギア組が選択され、無段変速部にて無段変速がなされる。ギア組、無段変速部の変速比を適宜選定することで、変速範囲全域で無段変速となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関等の原動機の出力を速度を変えて出力する変速装置、特に無段変速機構を含む変速装置に関する。
動力を伝達する際、そのときの変速比を連続的に変更することができる無段変速装置(以下、CVTと記す。)が実用に供されている。連続的は変速比を得る機構として様々な提案がなされているが、その一つに、V字形の溝を有する二つのプーリに、そのV字形の溝に嵌るようにしてベルトを巻き渡し、V字の溝幅を変更することにより、ベルトの巻付き半径を変えて、二つのプーリの速度比を変更する機構が知られている。
このベルト式無段変速機構は、二つのプーリにおけるベルトの巻付き半径の比が変速比となるため、変速比の範囲を広くとろうとすると、プーリの外径が大きくなり、装置が大型化するという問題がある。
下記特許文献1においては、遊星歯車機構を有する多段変速機構と、無段変速機構とを直列に配置して、広い変速比の範囲を確保している。
また、下記特許文献2においては、ベルト式無段変速機構と、遊星歯車機構を組み合わせた変速装置が開示されている。この変速装置においては、低速段においては遊星歯車機構を介さず無段変速機構の出力を出力軸へと伝達し、高速段においては遊星歯車機構への入力を、出力軸と無段変速機構とに分配し、無段機構を介して再び入力軸に戻している。遊星歯車機構を設けることにより、機械的な変速段を2段とし、広い変速比の範囲を確保している。
特開昭60−67455号公報 特開平 8−35545号公報
上記特許文献1の変速装置においては、多段変速機構の変速動作前後において、変速比が不連続となり、いわゆる変速ショックが発生する。このショックは、この変速装置が搭載される車両の振動を生じさせ、搭乗者にも感知される。また、ショックが無段変速機構のベルトに作用し、ベルトの寿命を低下させる。上記特許文献2の変速装置においては、高速段において、遊星歯車機構で分配された動力の一方が再び入力軸に戻り、このために動力の伝達効率が低下する。また、高速段と低速段との切り換えの際、無段変速機構の動力伝達の向きが逆転する。そして、このときにベルトに掛かる負担が増加し、ベルトの寿命を低下させる可能性がある。
本発明は、無段変速機構を有し、小型かつ変速比の範囲が広い変速装置を提供する。
本発明の変速装置は、動力伝達の変速比を連続して変更可能な無段変速部と、離散的に設定された変速比を選択し、段階的に変速比を変更する多段変速部とを有している。無段変速部は、1つの入力要素、第1出力要素および第2出力要素を有している。多段変速部は、第1出力要素に連なり、少なくとも1つの変速段を有する第1変速部と、第2出力要素に連なり、少なくとも1つの変速段を有する第2変速部とを有している。さらに、第1変速部、第2変速部の何れを介して動力を伝達するのかを選択する切換え部を有している。
また、無段変速部は、第1入力要素および第2入力要素の二つの入力要素と、1つの出力要素を有するようにもできる。多段変速部は、第1入力要素に連なり、少なくとも1つの変速段を有する第1変速部と、第2入力要素に連なり、少なくとも1つの変速段を有する第2変速部とを有するようにもできる。さらに、第1変速部、第2変速部の何れを介して動力を伝達するのかを選択する切換部を有している。
無段変速部は、V字形の溝を有する3個のプーリに、そのV字形の溝に嵌るようにベルトを巻き渡し、2個のプーリのV字形の溝幅を変更することにより、ベルトの巻付き半径を変更して変速比を連続的に変更するものとできる。V字形の溝の幅を変更できる二つのプーリを、第1可変溝幅プーリ、第2可変溝幅プーリとし、またもう一つの溝幅が固定されたプーリを固定溝幅プーリと記す。上記の出力プーリを2個備えた構成においては、可変溝幅プーリが出力プーリに対応し、入力プーリが固定溝幅プーリに対応する。また、入力プーリを2個備えた構成においては、可変溝幅プーリが入力プーリに、出力プーリが固定溝幅プーリに対応する。多段変速部の第1変速部は第1可変溝幅プーリに接続され、第2変速部は第2可変溝幅プーリに接続される。
固定溝幅プーリに動力を入力し、第1または第2可変溝幅プーリのいずれかを選択して出力するようにできる。
また、切換え部の選択により動力を第1または第2可変溝幅プーリのいずれかに入力し、固定溝幅プーリに出力するようにもできる。
多段変速部は、第1変速部と第2変速部に、低速側から交互に変速段を配置するようにできる。すなわち、最も低い第1速を第1変速部に配置した場合、第2速は第2変速部に、第3速は再び第1変速部に配置するようにできる。
V字形の溝を有する3個のプーリとベルトを含む無段変速部を採る変速装置のシフトアップの変速動作は、切換え部により第1速が選択された第1変速部が選択された状態で、第1可変溝幅プーリの溝幅を変更して変速比を低速側から高速側に移行する。無段変速部が最も高速側になると、切換え部により第2速が選択された第2変速部に切り換えられる。このとき、第2可変溝幅プーリにおける変速比は低速側であり、ここから高速側に移行して変速を行う。無段変速部が最も高速側となると、切換え部により、あらかじめ第3速が選択された第1変速部に切り換えられる。このとき、第1可変溝幅プーリにおける変速比は低速側であり、ここから高速側に移行して変速を行う。
このように、2個の可変溝幅プーリを含む3個のプーリとベルトを含む無段変速部を採用した構成においては、一方の可変溝幅プーリの変速比が高速側に移行するときは、これに連動して他方の可変溝幅プーリの変速比が低速側に移行する。
多段変速機の変速動作の前後において、多段変速部と無段変速部の総合変速比が一致するようにすることができる。これによれば、無段変速部による変速動作の際には、変速比が連続して可変し、さらに多段変速機における変速動作においても総合の変速比が一致しているので、当該変速装置の変速範囲全域において変速比を連続して変更できる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1−4には、本実施形態にかかる車両用の変速装置10の概略構成が示されている。図1は正面図、図2は側面図、図3は無段変速部に係る側面図、図4は多段変速部および切換え部に係る側面図である。
V字形の溝を有する3個のプーリ12,14,16にベルト18が巻き渡されている。3個のプーリのうち、一つはV字形の溝幅が固定された入力プーリ12であり、残りの二つは、V字形の溝幅が変更可能である第1出力プーリ14と第2出力プーリ16である。これら二つの出力プーリ14,16は、後述する切換え部により選択された一方が動力伝達に関与する。第1出力プーリ14は、このプーリの軸である第1出力プーリ軸20上に、軸方向に並んで配置される対をなすプーリハーフ14A,16Bを有する。プーリハーフ14A,14Bは、対向する面が円錐側面の一部に形成され、これによりV字形の溝が形成される。同様に第2出力プーリ16も第2出力プーリ軸22上に、対をなして配置されるプーリハーフ16A,16Bを有し、これらのプーリハーフによりV字形の溝が形成される。第1および第2出力プーリの一方のプーリハーフ14A,16Aの背面にはそれぞれ液圧室21,23が配置され、この液圧室21,23の液圧を制御することにより、プーリハーフ14A,16Aは軸方向に移動する。この移動により、V字形の溝の幅が変更される。
入力プーリ12は、V字形の溝を有するが、この溝幅は固定されている。入力プーリ12は、入力軸24上に設けられ、これらはスプラインなど回転方向においては一体に回転し、軸方向には移動を許容する方法で結合されている。なお、入力プーリは、溝を有さないスプロケットや歯付きプーリとしてもよく、この場合、ベルトはそれに対応する形状となる。
前述のように、3個のプーリ12,14,16には、ベルト18が巻き渡されており、V字形の溝の幅を変更することにより、ベルト18の第1および第2出力プーリの巻付き半径が変更される。溝幅を拡げれば巻付き半径は減少し、狭めれば巻付き半径が増加する。溝幅を連続的に変更することにより、巻付き半径も連続的に変更でき、変速比も連続可変となる。第1および第2出力プーリ14,16の溝幅の変更は、ベルト18が弛まないよう、同調して制御される。したがって、第1出力プーリ14の溝幅が拡がりベルトの巻付き半径が減少するときは、第2出力プーリ16の溝幅は逆に狭まり、巻付き変形は増加する。この出力プーリの溝幅の変更により、ベルト18の中心は若干軸方向に移動し、この移動を許容するために、前述したように、入力プーリ12は軸方向に動けるようになっている。
以上の、入力プーリ12、第1および第2出力プーリ14,16、これら出力プーリのの溝幅を変更するための液圧室21,23を含む液圧機構およびベルト18が無段変速部に含まれる。
多段変速部は、第1出力プーリ軸20、これに平行に配置された第1中間軸26およびこれらの軸上に設けられたギア組28,30を含む第1ギア変速機構32、並びに第2出力プーリ軸22、これに平行に配置された第2中間軸34およびこれらの軸上に設けられたギア組36を含む第2ギア変速機構38を有する。第1ギア変速機構32のギア組28は、第1出力プーリ軸20上に回転可能に支持されているギア28Aと、第1中間軸26上に固定されたギア28Bからなる。このギア組28が第1速のギア組であり、以降これを第1速ギア組28と記す。同様に、ギア組30は、第1出力プーリ軸20上に回転可能に支持されているギア30Aと、第1中間軸26に固定されたギア30Bからなる第3速ギア組30である。第1速ギア組28と第3速ギア組30は、第1ギア切換え機構40により、いずれかが選択されて第1入力プーリ軸20に噛み合わされる。第1ギア切換え機構40は、周知の常時噛み合い式、同期噛み合い式などの変速装置におけるギア切換え機構を用いることができる。また、多板クラッチなどの摩擦クラッチを用いて構成することもできる。ギア28A,30Aのうち選択された一方が第1入力軸20と一体となって回転し、これと噛み合うギア28Bまたはギア30Bを介して、第1入力軸20の回転を第1中間軸26に伝達される。
第2ギア変速機構32のギア組36は、第2出力プーリ軸22上に回転可能に支持されたギア36Aと、第2中間軸34上に固定されたギア36Bからなる第2速ギア組36である。第2出力プーリ軸22上には、車両を後退させるための後退ギア42Aが回転可能に支持されている。この後退ギア42Aは、アイドルギア42Cと噛み合い、さらにアイドルギア42Cは、第1速のギア28Bと噛み合う。これらの3個のギアで、後退ギア組42が構成され、第1速のギア28Bは、後退ギア組42の被駆動側のギア42Bとして機能する。第2速ギア組36と後退ギア組42は、第2ギア切換え機構44によりいずれかが選択された第2入力プーリ軸22に噛み合わされる。第2ギア切換え機構44も、常時噛み合い式、同期噛み合い式などの変速装置におけるギア切換え機構、また多板クラッチなどの摩擦クラッチなどを用いることができる。
第1および第2中間軸26,34は、第1中間軸26を中空軸とし、第2中間軸34がこの中空部分を貫通する二重配置を採る。この配置は、装置全体の外径を小さくする上で有利であるが、二つの軸を平行に配置する構成、共通の軸に沿って直列した構成を採ることも可能である。第1および第2中間軸26,34は、出力切換え機構46を介して、出力軸48に選択的に接続される。出力切換え機構46は、第1中間軸26を出力軸48に接続する第1クラッチ50と、第2中間軸34を出力軸48に接続する第2クラッチ52を有する。第1および第2クラッチ50,52は、例えば多板クラッチとすることができる。第1および第2クラッチ50,52の継断を制御することにより、出力軸48に接続する中間軸、ギア変速機構および出力プーリが選択され、動力伝達が行われる経路が決定する。出力軸48には出力ギア54が固定され、差動装置56のリングギア58と噛み合っている。
図5および図6は、無段変速部の変速動作の説明図である。図5は、第1出力プーリ14のベルト巻付き半径Ro1が最大、第2出力プーリ16のベルト巻付き半径Ro2が最小の状態を示している。この状態は、第1出力プーリ軸20に関しては、最も回転速度が低くなる低速側であり、その時の変速比は、入力プーリ12の巻付き半径Ri とすればRo1/Ri で表される。一方、図5の状態は、第2出力プーリ軸22に関しては、最も回転速度が高くなる高速側となっており、その変速比はRo2/Ri である。
図6は、図5の状態と逆に、第1出力プーリ14のベルト巻付き半径Ro1が最小、第2出力プーリ16のベルト巻付き半径Ro2が最大の状態を示している。この状態は、第1出力プーリ軸20に関しては、最も回転速度が高くなる高速側であり、一方第2出力プーリ軸22に関しては、最も回転速度が低くなる低速側とである。
図7は、変速装置10の速度比(変速比の逆数)を表した図であり、横軸には無段変速部の速度比、縦軸には無段変速部と多段変速部の速度比を総合した総合速度比が示されている。この図とあわせて、変速装置10の動作を説明する。
出力軸48の速度を加速する場合の動作について説明する。最も低速の状態では、多段変速部においては、第1ギア切換え機構40によって第1速ギア組28が選択され、また出力切換え機構46により第1中間軸26が出力軸48に接続される。この多段変速部において第1速ギア組28が選択されている状態が、図7におけるモード1で示される範囲である。一方、無段変速部においては、図5に示される第1出力プーリ軸に関して最も低速側となる状態となっている。この状態から加速する際には、ベルト18の巻付き半径を変化させて図5の状態から図6の状態に移行する。このときの無段変速部の速度比と総合速度比の関係は図7のモード1の範囲の右上がりの実線となる。一方、動力伝達には関与しないが、入力プーリ12と第2出力プーリ16の速度比は、破線で示されるように変化する。
モード1の範囲の最も高速側になると、多段変速部のギア組を第2速ギア組36に切り換える。この切り換え動作では、まず第2ギア切換え機構44によりギア36Aを第2出力プーリ軸22に結合する。この結合は、モード1の範囲の最も高速側になる以前にあらかじめ済ませておくことが望ましい。次に、出力切換え機構46により、出力軸48に接続する中間軸を、第2中間軸26に切り換える。この出力切換え機構46の切り換え動作により、多段変速部において第2速ギア組36が選択されたモード2に移行する。ベルトの巻き付き状態は、図6の状態のまま、第2速ギア組へのシフトアップが行われ、ベルトの巻付き半径の変更をする必要がないため、短時間でシフトアップが完了する。
このモードの切り換え時、すなわち多段変速部においてシフトアップを行うときに、その前後における総合速度比が一致することが望ましい。このためには、第1速ギア組28の変速比と第1出力プーリが最も高速側になったときの無段変速部の変速比の積と、第2速ギア組36の変速比と第2出力プーリが最も低速側のときの無段変速比の積とが一致すればよい。言い換えれば、そのようになるように各変速比が選択される。
このように、シフトアップ前後で総合変速比が変わらなければ、出力切換え機構46における切り換え動作も短時間とすることができ、広い変速比幅を確保しながら、無段階でスムースな変速が可能となる。
モード2においては、第2出力プーリ軸22が動力伝達を行う。前述のように、第2出力プーリ軸22に関しては図6に示す状態が低速側で、図5に示す状態が高速側であり、図6に示す状態から図5に示す状態に移行することにより加速がなされる。このときの速度比が、図7のモード2の範囲の破線で表されている。モード1の場合と同様、伝達に関与しない側の第1出力プーリ軸にかかる速度比が実線で表されている。
モード2の範囲で最も高速側になると、第3速ギア組30への切り換えが行われる。第1ギア切換え機構40によりギア30Aが第1出力プーリ軸20に結合される。これも、モード2の最も高速側となる前に、あらかじめ完了していることが望ましい。第1ギア切換え機構40による第3ギア組30への切り換えがなされると、次に出力切換え機構46により第1中間軸26が出力軸48に接続される。この切り換え動作により、多段変速部において第3速ギア組30が選択されたモード3へ移行する。また、モード3への移行前後においても、総合速度比が変わらないように各部の変速比を設定することが好ましい。
モード3へ移行した時点での無段変速部は、図5に示す状態にあり、第1出力プーリ軸20に関しては低速側の状態である。そして、図6の高速側の状態に移行して、総合速度比が最も高速側となるまで加速するのがモード3である。このときの速度比がモード3の範囲の右上がりの実線で示されている。
減速時の動作は、加速時と全く逆であるので、説明は省略する。
このように、二つの出力プーリ軸20,22上に低速側から交互にギア組を配置することで、変速を連続的に移行することができる。つまり、次に選択されるギア組をギア切換え機構40,44によりあらかじめ選択しておくことにより、出力切換え機構46のクラッチ50,52の動作のみで、多段変速部のシフトアップが完了する。また、モードの切り換え時、すなわち、多段変速部における変速の前後において、総合変速比が変化しないように各変速比を設定することにより、出力切換え機構46の切り換え動作においても、同期をとる必要がなく、無段階でスムースな変速が可能となる。
後退ギア組42は、第2ギア切換え機構44により選択される。第2ギア切換え機構44により、後退ギア42Aを第2出力プーリ軸22に結合されると、これに噛み合うアイドルギア42C、さらにギア42B(28B)を介して第1中間軸26に動力が伝達され、さらに出力切換え機構46により、出力軸48に送られる。後退ギア組42においては、第2速ギア組36と同様、無段変速部は、図6の状態で低速側、図5の状態で高速側となる。
図8は、本実施形態にかかる変速装置110の概略構成を示す図である。前述の変速装置10と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。また、変速装置10の構成と同一ではないが、対応する構成については、変速装置10の説明において用いた符号に100を加えた符号を用いて説明する。
変速装置110は、無段変速部の構成については、変速装置10と同様の構成であり、多段変速部において第4速が追加されたこと、およびこの追加によりレイアウトが変更されたことが変速装置10との相違点である。多段変速部の第1ギア変速機構32の構成は、前述の変速装置10と同様であるが、第2ギア変速機構138は、第2速と第4速の二つのギア組136,160を含み、無段変速部に関し、第1ギア変速機構32の反対側に配置される。これは、第1出力プーリ14の液圧室21と同じ側に位置することになり、軸方向の長さにおいて、有利となる。また、後退ギア42そのものの位置の変更はないが、後退ギア42を選択するための切換え機構162は、専用のものとなっている。
また、第1中間軸126は、中空の第2中間軸134の中空部分を貫通して、出力切換え機構46に延びている。中空の第2中間軸134上に第2速、第4速の被駆動側のギア136B,160Bが固定され、第2速、第4速の駆動側のギア136A,160Aは、第2出力プーリ軸22上に回転可能に支持されている。一方のギア136A,160Aが、第2ギア切換え機構144により選択され、第2出力プーリ軸22に結合される。
変速動作については、多段変速部が第3速までの変速装置10と基本的に変わるものではなく、説明は省略する。
図9および図10は、本実施形態に係る変速装置210の概略構成を示す図である。前述の変速装置10,110は、動力がまず無段変速部に入力され、無段変速部から多段変速部に送り、そして出力される構成であったのに対し、この実施形態の変速装置210は、多段変速部に入力され、変速された後、無段変速部に送られる点が相違している。動力は、入力軸212よりに入力し、入力切換え機構214に伝えられる。入力切換え機構214は、入力軸212を、同軸配置された第1中間軸216と第2中間軸218のいずれか一方に選択的に結合するものであり、第1クラッチ220,第2クラッチ222を有する。第1クラッチ220を接続することにより入力軸212と第1中間軸216が結合され、第2クラッチ222を接続することにより入力軸212と第2中間軸218が結合される。
第1中間軸216には第1ギア変速機構224が連なっており、第2中間軸218には第2ギア変速機構226が連なっている。これらのギア変速機構224,226は、前述の変速装置10のギア変速機構32,36と基本的な構造は同じであるが、入出力が逆になっているので、ギア比が異なっている。第1ギア変速機構224は、第1速ギア組228と、第3速ギア組230を含む。第1速ギア組228は、第1中間軸216に固定されたギア228Aと、後述する無段変速部の第1入力プーリ232の軸である第1入力プーリ軸234上に回転可能に支持されるギア228Bを含む。また、第3速ギア組230についても、第1中間軸216に固定されたギア230A、第1入力プーリ軸234上に回転可能に支持されたギア230Bを含む。第1速と第3速のギア組228,230の選択は、第1ギア切換え機構236により行われる。第1ギア切換え機構236は、変速装置10の第1ギア切換え機構40と同様、常時噛み合い式変速装置等のギア切換え機構と同様の構造を採ることができる。
第2ギア変速機構226は、第2速ギア組238を有し、このギア組を構成するギア238Aが第2中間軸218に固定され、もう一方のギア238Bは、後述する無段変速部の第2入力プーリ240の第2入力プーリ軸242上に回転可能に支持されている。第2速ギア238Bは、第2ギア切換え機構244により、第2入力プーリ軸242に選択的に結合される。第2ギア切換え機構244は、前述の各ギア切換え機構と同様、常時噛み合い式変速装置等のギア切換え機構と同様の構造を採ることができる。
第2入力プーリ軸242上には、後退ギア組246を構成するギア246Bが回転可能に支持されている。後退ギア246Bはアイドルギア246Cと噛み合い、アイドルギア246Cはさらに第1速ギア228Aに噛み合う。すなわち、後退ギア組246は、ギア246B、ギア246Cおよび第1速のギア228Aからなる。つまり第1速のギア228Aは、後退ギア246Aでもある。後退ギア組246の選択は、第2速と共用する第2ギア切換え機構246により行われる。
第1および第2入力プーリ軸234,242上には、無段変速部を構成するV字形の溝を有する第1および第2入力プーリ232,240が設けられている。この二つの入力プーリ232,240は、前述の変速装置10の第1および第2出力プーリと同様、軸方向に対向する対をなすプーリハーフを含み、このプーリハーフの一方を液圧装置により軸方向にスライドさせて、V字形の溝幅の変更が可能となっている。無段変速部には、V字形の溝を有するもう一つのプーリである出力プーリ248が含まれる。出力プーリ248の溝幅は固定である。3個のプーリ232,240,248には、ベルト252が巻き渡され(図10参照)、二つの入力プーリ240,248の溝幅を変更することにより、これらのプーリにおけるベルトの巻付き半径が変更され、これにより、第1入力プーリ232と出力プーリ248の間の変速比、第2入力プーリと出力プーリ248の間の変速比が連続的に変更される。出力プーリ248が固定される出力軸254には出力ギア254が固定され、この出力ギア254は、差動装置256のリングギア258に噛み合っている。
変速装置210の変速動作は、基本的には前述した変速装置10の動作と同様である。すなわち、多段変速部および入力切換え部である入力切換え機構214で選択されたギア組に応じたモードが決定され、モード内での変速は無段変速部によって連続的に行われる。多段変速部位おいて、第1および第2ギア変速機構224,226に、ギア組を低速側の交互に配置することで、ギア切換え機構236,244の切り換え動作に起因する変速動作の遅れが減少する。また、モードが切り替わる際、すなわち多段変速部におけるギア組が切り換えられる前後において、多段変速部と無段変速部の総合変速比が一致するようにすれば、変速動作において同期をとるための時間が不要となり、変速動作に要する時間を短縮することができる。
以上の実施形態においては、第1ギア変速機構に2組のギア組、第2ギア変速機構に1組または2組のギア組を配置し、3段または4段とした構成について説明した。しかし、配置するギア組の数は、これに限られず、第1および第2ギア変速機構に配置されるギア組は1組ずつとすることもできる。また3組以上とすることも可能である。
本発明の実施形態にかかる変速装置10の概略構成を示す正面図である。 変速装置10の概略構成を示す側面図である。 変速装置10の無段変速部の構成を示す側面図である。 変速装置10の多段変速部、出力切換え部の構成を示す側面図である。 無段変速部の動作説明図である。 無段変速部の動作説明図である。 変速装置10の総合速度比と無段変速部の速度比の関係を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかる変速装置110の概略構成を示す側面図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる変速装置210の概略構成を示す側面図である。 変速装置210の概略構成を示す正面図である。
符号の説明
10 変速装置、12 入力プーリ(固定溝幅プーリ)、14 第1出力プーリ(第1可変溝幅プーリ)、16 第2出力プーリ(第2可変溝幅プーリ)、18 ベルト、20 第1出力プーリ軸、22 第2出力プーリ軸、24 入力軸、26 第1中間軸、32 第1ギア変速機構、34 第2中間軸、38 第2ギア変速機構、46 出力切換え機構、48 出力軸、 210 変速装置、212 入力軸、214 入力切換え機構、216 第1中間軸、218 第2中間軸、224 第1ギア変速機構、226 第2ギア変速機構、232 第1入力プーリ(第1可変溝幅プーリ)、240 第2入力プーリ(第2可変溝幅プーリ)、248 出力プーリ(固定溝幅プーリ)、252 ベルト。

Claims (8)

  1. 入力要素と、入力要素の回転が伝達される第1出力要素および第2出力要素とを有し、入力要素と第1出力要素の変速比および入力要素と第2出力要素の変速比をそれぞれ連続的に変更可能な無段変速部と、
    第1出力要素に連なる少なくとも1つの変速段を有する第1変速部と、第2出力要素に連なる少なくとも1つの変速段を有する第2変速部と、を有し、段階的に変速比を変更する多段変速部と、
    第1変速部と第2変速部の出力の一方を選択して出力する、出力切換え部と、
    を有する変速装置。
  2. 請求項1に記載の変速装置であって、
    無段変速部は、
    第1および第2出力要素が略V字形の溝を有する第1および第2出力プーリであり、
    入力要素が入力プーリであり、
    第1および第2出力プーリの溝に嵌るように、第1および第2出力プーリと入力プーリとに巻き渡されたベルトを有し、
    略V字形の溝幅を変更して、変速比を変更するものである、
    変速装置。
  3. 第1入力要素および第2入力要素と、これらの入力要素の回転が伝達される出力要素とを有し、第1入力要素と出力要素の変速比および第2入力要素と出力要素の変速比をそれぞれ連続的に変更可能な無段変速部と、
    第1入力要素に連なる少なくとも1つの変速段を有する第1変速部と、第2入力要素に連なる少なくとも1つの変速段を有する第2変速部と、を有し、段階的に変速比を変更する多段変速部と、
    入力を、第1変速部と第2変速部の一方を選択して入力する、入力切換え部と、
    を有する変速装置。
  4. 請求項2に記載の変速装置であって、
    無段変速部は、
    第1および第2入力要素が略V字形の溝を有する第1および第2入力プーリであり、
    出力要素が出力プーリであり、
    第1および第2入力プーリの溝に嵌るように、第1および第2入力プーリと出力プーリとに巻き渡されたベルトを有し、
    略V字形の溝幅を変更して、変速比を変更するものである、
    変速装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の変速装置であって、多段変速部は、低速側の変速段から順に、第1変速部と第2変速部に交互に各変速段を設けたものである、変速装置。
  6. 請求項5に記載の変速装置であって、隣接する変速段への変速時には、無段変速部と多段変速部の総合変速比が、変速の前後において一致する、変速装置。
  7. 請求項1から4のいずれか1項に記載の変速装置であって、第1変速部の出力側の軸と第2変速部の出力側の軸は共通の軸線を有して配置される、変速装置。
  8. 請求項1から4のいずれか1項に記載の変速装置であって、第1変速部の出力側の軸と第2変速部の出力側の軸は、二重に配置される、変速装置。
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