JP2007262292A - トレッド用ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低温領域及び高温領域のいずれにおいても、走行開始時とクルージング中のいずれにおいても、優れたグリップ性能を発揮できるトレッド用ゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分に少なくとも2種類類以上の樹脂を配合してなるトレッド用ゴム組成物であって、該ゴム組成物における各樹脂の配合量の合計は、該ゴム成分100重量部に対して30〜90重量部であり、該ゴム組成物に配合される該樹脂は、軟化点が120〜180℃の範囲内にある少なくとも1種類の高温軟化樹脂、および軟化点が120℃未満である少なくとも1種類の低温軟化樹脂を含み、下記の式;
〔式1〕
配合指数=Σ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/
Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100
で表される配合指数が40〜95%であるトレッド用ゴム組成物は、優れたグリップ性能を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物及びこれを用いたタイヤに関し、さらに詳しくは、優れたグリップ性能を発揮するタイヤトレッド用ゴム組成物及びタイヤに関するものである。
近年、自動車の性能向上、道路の舗装化、及び高速道路網の発達に伴い、高運動性能を備えた空気入りタイヤの要求が強まっている。この特性が高い程、より高速で正確かつ安全に走行することが可能となる。とりわけ、加速性能やブレーキ性能に代表されるグリップ性能は重要な要求特性である。
従来、タイヤに高いグリップ性能を付与するために、スチレン含有率の高いスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を含むゴム組成物をトレッドに用いて、ポリマー間のヒステリシスロスをグリップに活かす方法が採られていた。しかしながら、スチレン含有率の高いSBRはガラス転移温度が高いため、該SBRを含むゴム組成物をタイヤのトレッドに用いると、走行時のタイヤ温度の近傍でタイヤの諸物性の温度依存性が大きくなり、温度変化に対するタイヤの性能変化が大きくなるという問題があった。
更に、樹脂を高充填したゴム組成物をトレッドに適用し、該樹脂のアドヒージョン効果をグリップに活かす方法、カーボンブラックを高充填したゴム組成物をトレッドに適用し、ゴム組成物のヒステリシスをグリップに活かす方法、粒子径の小さなカーボンブラックを配合したゴム組成物をトレッドに適用する方法等も採られてきた。
また、ゴム組成物中にカーボンブラックや軟化剤を高充填させる方法もあるが、粒径の小さなカーボンブラックを配合すると、ゴム組成物中でのカーボンブラックの分散性が低下するため、該ゴム組成物をタイヤのトレッドに用いた場合、タイヤの耐摩耗性が低下してしまい、要求レベルの高グリップ特性を得にくいという不都合があった。
更に、トレッドゴム組成物にテルペン系樹脂を一定量配合することによりグリップ性に優れた性能が得られるトレッドゴム組成物を得ようとする方法(特許文献1参照)もある。しかしながら、これらの方法が知られていてもなお、樹脂を配合によりグリップ性能を向上させることに対する需要は依然として高い。
ところで、異なった軟化点を有する少なくとも3種の樹脂を含むゴムトレッドを有する空気入りタイヤにより、けん引力の高いトレッドを有するタイヤが提供されることが報告されている。すなわち、タイヤを静止状態から車の駆動速度まで走らせるにつれてトレッドの温度が上昇するが、軟化点が異なる複数の樹脂を配合し、各樹脂の軟化点特性を利用して広い温度領域においてけん引力が増加することが報告されている(特許文献2参照)。
特開2004−18760号公報 特開2001−81243号公報
そこで本発明の課題は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤのトレッドに用いた場合に優れたグリップ性能を発揮でき、特に低温領域及び高温領域のいずれにおいても、走行開始時とクルージング中のいずれにおいても、優れたグリップ性能を発揮できるトレッド用ゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるトレッド用ゴム組成物を用い、グリップ性能に優れた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明は、上記課題を達成するために、軟化点温度が異なる複数の樹脂を配合することにより広い温度領域に渡って優れたグリップ性能を有するトレッド用ゴム組成物を提供するものである。
つまり本発明は、ゴム成分に少なくとも2種類類以上の樹脂を配合してなるトレッド用ゴム組成物であって、
該ゴム組成物における各樹脂の配合量の合計は、該ゴム成分100重量部に対して30〜90重量部であり、
該ゴム組成物に配合される該樹脂は、軟化点が120〜180℃の範囲内にある少なくとも1種類の高温軟化樹脂、および軟化点が120℃未満である少なくとも1種類の低温軟化樹脂を含み、
下記の式;
〔式1〕
配合指数=Σ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/
Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100
で表される配合指数が40〜95%であることを特徴とするトレッド用ゴム組成物を提供するものである。
本発明によれば、ゴム組成物に、軟化点が120〜180℃の範囲内にある樹脂と、軟化点が120℃未満である樹脂を、一定の数式に従った重量部で配合することで、低温領域及び高温領域のいずれにおいても、走行開始時とクルージング中のいずれにおいても、タイヤに優れたグリップ性能を発現させることが可能なトレッド用ゴム組成物を提供することができる。また、該トレッド用ゴム組成物を用いた、幅広い温度領域で優れたグリップ性能を有する空気入りタイヤを提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明者らはゴム組成物に軟化点温度が異なる複数の樹脂を配合した際の、ゴム組成物に対して配合された樹脂の合計量と、樹脂の軟化点温度と樹脂を配合重量部がグリップ性能に及ぼす影響を検討した。その結果、複数の樹脂をゴムに配合する際に、軟化点が120〜180℃の範囲内にある樹脂と軟化点が120℃未満である樹脂を、適切な配合比率(重量部)で配合することにより、グリップ性が優れたトレッドゴム組成物が得られることを見出して、本願発明に至った。
よって本発明は、ゴム成分に少なくとも2種類類以上の樹脂を配合してなるトレッド用ゴム組成物であって、
該ゴム組成物における各樹脂の配合量の合計は、該ゴム成分100重量部に対して30〜90重量部であり、
該ゴム組成物に配合される該樹脂は、軟化点が120〜180℃の範囲内にある少なくとも1種類の高温軟化樹脂、および軟化点が120℃未満である少なくとも1種類の低温軟化樹脂を含み、
下記の式;
〔式2〕
配合指数=Σ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/
Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100
で表される配合指数が40〜95%であることを特徴とするトレッド用ゴム組成物を提供するものである。
本願明細書において高温軟化樹脂とは、軟化点が120〜180℃の範囲内にある樹脂を意味するものである。本発明において使用できる高温軟化樹脂として、テルペンフェノール樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、及びブチルフェノールアセチレン樹脂を挙げることができる。しかし本発明で使用される高温軟化樹脂はそれらに限定されるものではない。また使用する高温軟化樹脂は1種類であっても2種類以上であってもよい。
本願明細書において低温軟化樹脂とは軟化点が120℃未満である樹脂を意味するものである。本発明において使用できる低温軟化樹脂として、テルペンフェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、及びアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂を挙げることができる。しかし本発明で使用される低温軟化樹脂はそれらに限定されるものではない。また使用する低温軟化樹脂は1種類であっても2種類以上であってもよい。
なお樹脂の具体例としては、ロジン変性石油樹脂としては大社松製油のハイロジンS(軟化点105℃);芳香族炭化水素樹脂C9樹脂としては新日本石油化学のネオポリマーL90(軟化点95℃)、ネオポリマー120(軟化点120℃)、ネオポリマーE130(軟化点125℃)、ネオポリマー140(軟化点144℃)、ネオポリマー170S(軟化点160℃)、日石ネオレジンD-145(軟化点150℃);脂肪族炭化水素樹脂C5樹脂としてはトーネックスのESCOREZ1102(軟化点100℃)、三井化学のハイレッツT500X(軟化点100℃);アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂としてはスケネクタディのR7521P(軟化点90℃)、SP1068(軟化点90℃)、R7510PJ(軟化点100℃)、SMD31144(軟化点127℃)、R7572P(軟化点128℃)、R7578P(軟化点130℃)、日立化成のヒタノール1502P(軟化点94℃);ブチルフェノールアセチレン樹脂としてはBASFのKORESIN(軟化点143℃);ストラクトールのTS30(軟化点30℃)、TS50(軟化点50℃)、40MSF(軟化点102℃)、TH20(軟化点105℃)、TH110(軟化点105℃);変性フェノールホルムアルデヒド樹脂としては住友ベークライトのPR-51587(軟化点87℃)、PR-50235(軟化点121℃);ジシクロペンタジエン樹脂としてはトーネックスのECR-260(軟化点100℃)、ECR-213(軟化点102℃);脂環族系炭化水素樹脂としては日本ゼオンのクイントン1500(軟化点100℃)、クイントン1700(軟化点100℃)、クイントン1525L(軟化点125℃);テルペンフェノール樹脂としてはヤスハラケミカルのYSポリスターT80(軟化点80℃)、YS90L(軟化点90℃)、YSポリスターT115(軟化点115℃)、YSポリスターU115(軟化点115℃)、マイティエースG125(軟化点125℃)、YSポリスターN125(軟化点125℃)、マイティエースK125(軟化点125℃)、YSポリスターT145(軟化点145℃)、YSポリスターS145(軟化点145℃)、マイティエースG150(軟化点150℃)などを挙げることができる。
本願明細書において配合指数とは、各高温軟化樹脂の配合重量部と該高温軟化樹脂の軟化点温度を掛け算した値(上記数式において“各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度”で表す)の各々の値を全て足し算した総和(上記数式において”Σ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)”で表す)の値を、低温軟化樹脂と高温軟化樹脂の両者を含めた各樹脂の配合重量部と該樹脂の軟化点温度を掛け算した値(上記数式において“各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度”で表す)の各々の値を全て足し算した総和(上記数式において”Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)”で表す)の値で割り算したパーセンテージで示したものである。
なお本願明細書において重量部とは、ゴム組成物中に含まれるゴム成分の重量を100とした場合の、該組成物における各成分の重量部を意味するものである。
本技術分野において、タイヤ用のゴム組成物に種々の樹脂を配合することが行なわれているが、配合する樹脂の軟化点は得られたゴム組成物の物性に影響する。即ち、軟化点の高い樹脂を配合すると、タイヤの温度が樹脂の軟化点前後になった時にヒステリシスロスが高くなり、これにより、トレッドに生じたエネルギーは熱に転換されてグリップカが生じやすくなる。この効果は樹脂の軟化点の温度が高いほど顕著で、120〜180℃、より好ましくは120〜150℃で効果が高い。
またこの効果は軟化点が高温である樹脂の配合量が多いほど顕著であるが、軟化点が高温の樹脂のみを配合すると低温での硬度が高くなり、走行初期や環境温度が低い時のグリップ力が低下するので好ましくない。よって環境温度が低い場合においても高い場合においても、更に走行初期においてもクルージング時においても優れたグリップ力を達成するには、軟化点温度が120〜180℃の高温軟化樹脂と、軟化点温度が120℃未満の低温軟化樹脂を適切な配合比率で配合する必要がある。
よって本発明者らは鋭意検討を行い、軟化点温度が120〜180℃の樹脂の配合重量部が多くても、軟化点が120℃未満の樹脂を同時に配合することにより低温での硬化が抑制されることを見出し、本発明をするに至った。本発明の構成を採用することにより、低温でのグリップ力を犠牲にすることなく、全ての温度においてグリップ性を改善することができる。
本発明者らは種々の検討を詳細に行なった結果、ゴム組成物に樹脂を配合した際にグリップ力へ及ぼされる効果は、“樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度”で示され、配合されるすべての樹脂から求めた“各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度”の合計値に対する、軟化点が120℃以上の樹脂から求めた”各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度”の合計値の割合のパーセンテージ(配合指数)が、少なくとも40%以上となるように、各樹脂の軟化点温度と配合重量部を選択すると、グリップ力が向上することを見出した。
また本発明者らは、配合されるすべての樹脂から求めた“各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度”の合計値に対する、軟化点が120℃以上の各樹脂から求めた“各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度”の合計値の割合のパーセンテージ(配合指数)が、多くとも95%以下となるように、配合する各樹脂の軟化点温度および各樹脂の配合重量部を選択すると、低温での硬化が抑制されることを見出した。なお配合指数が95%より大きいと、低温での硬度が高くなり、走行初期や環境温度が低い時のグリップ力が低下し、好ましくないことがある。
更にゴム組成物に配合される樹脂の総量も、ゴム組成物の物性に影響する。樹脂の配合量の合計(高温軟化樹脂の重量部と低温軟化樹脂の重量部の合計)が30重量部未満だと、ヒステリシスロスが高くなる成分量が少ないために、グリップが向上する幅が小さい。一方樹脂の配合量の合計が90重量部より多くなると低温での硬度が高くなり、走行初期や環境温度が低い時のグリップ力が低下し、好ましくないことがある。よって本発明で配合する樹脂の合計量は30〜90重量部の範囲内であることが好ましい。
本発明のトレッド用ゴム組成物には、ゴム成分と樹脂の他に、充填剤や可塑剤、更にはゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、オイル類、老化防止剤、加硫剤、加硫助剤、加硫促進剤、スコーチ防止剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、上記ゴム組成物は、ゴム成分と樹脂に加えて、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述のトレッド用ゴム組成物をトレッドゴムとして用いたことを特徴とする。また、該空気入りタイヤは、高速走行重視型の高速競技車用タイヤとして特に好適である。本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をトレッドゴムとして用いているため、広い温度範囲においてグリップ性能が特に優れている。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
トレッドゴム層に下記の表1に示す配合処方を適用して、各実施例および比較例の競技用タイヤ(タイヤサイズ:215/40R18)を試作した。
〔表1〕
SBR1 100
油展プロセスオイル 37.5
カーボン2 90
ステアリン酸 1
老化防止剤6C 1
WAX 1
亜鉛華 2.5
促進剤DPG 0.3
促進剤DM 2.0
促進剤CZ 1.5
硫黄 1.8
1 日本合成ゴム社製 #0120(37.5%油展)
2 東海カーボン(株)製、シースト7H
得られた各供試タイヤを競技用事車両に装着し、テストコースを走行させ、1周目の駆動性、制動性・バンドル応答性、操舵時のコントロール性をテストドライバーが3段階(バツ印、丸印、二重丸印)に総合価して走行初期のグリップ評価(暖まり性)とした。さらに5周目の評価をクルージング時のグリップ評価とし、3段階に総合評価した。
この結果を、各トレッドゴムのプロセスオイル量、樹脂量(重量部)、各樹脂の軟化点と配合重量部から計算される配合指数(Σ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100)、50℃における動的貯蔵弾性率(E´)、100℃におけるtanδの値と共に下記の表2、3、4中に示す。表2、3、4において、軟化点144℃の樹脂としては新日本石油化学のネオポリマー140を、軟化点100℃の樹脂としては三井化学のハイレッツT500Xを、軟化点80℃の樹脂としてはヤスハラケミカルYSポリスタT80を、それぞれ使用した。
なお、各トレッドゴム層のtanδ(100℃)およびE´(50℃)は、各トレッドゴム層から幅5mm、長さ20mmにて切り出した試料を、東洋精機(株)製スペクトロメータを使用して、動的歪4%、初期静的歪6%、周波数52Hzの条件下で測定した値である。
Figure 2007262292
Figure 2007262292
Figure 2007262292
比較例1に示すように、従来技術である軟化点温度が低い樹脂のみを配合すると、E´(50℃)は低くなってソフト配合となり、走行初期グリップは良いが、tanδ(100℃)も低くなり、クルージング時のグリップは不足している。軟化点が144℃の樹脂(高温軟化樹脂)のみを配合した比較例3では高めのtanδ(100℃)を維持しておりクルージング時のグリップは良好だが、E´(50℃)は高くなり、走行初期グリップは低い。軟化点の低い樹脂をわずかに配合した比較例2も、tanδ(100℃)は高めを維持できておりクルージング時のグリップは良好だが、E´(50℃)は低下傾向ではあるが低下の程度が小さく、走行初期グリップは低い。
一方、本発明に係る各樹脂の軟化点と配合重量部から計算される配合指数、すなわちΣ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100%の値が、40〜95%となるように、各樹脂の軟化点と配合重量部が選択されることを特徴とするタイヤを用いた実施例1から11は、初期グリップまたはクルージング時のグリップを犠牲にすることなく、クルージング時のグリップまたは初期グリップが改良された。
実施例7から11に示したように、120℃以下の軟化点の樹脂として、80℃の樹脂のみならず、100℃の樹脂においても、軟化点と配合重量部から計算される配合指数、すなわちΣ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100%の値が、40〜95%となるように各樹脂の軟化点と配合重量部を選択すれば、初期グリップまたはクルージング時のグリップを犠牲にすることなく、クルージング時のグリップまたは初期グリップが改良された。
また実施例1に示したように、配合された各樹脂の合計重量部が30重量部でも、グリップの改良に効果があった。更に実施例7に示したように、配合された各樹脂の合計重量部が90部でも、やはりグリップの改良に効果があった。よって本発明において樹脂の配合量の合計は30〜90重量部の範囲内であることが好適である。
本発明によれば、ゴム組成物に、軟化点が120〜180℃の範囲内にある樹脂と、軟化点が120℃未満である樹脂を、一定の数式に従った重量部で配合することで、低温領域及び高温領域のいずれにおいても、走行開始時とクルージング中のいずれにおいても、タイヤに優れたグリップ性能を発現させることが可能なトレッド用ゴム組成物を提供することができる。該トレッド用ゴム組成物を用いた、幅広い温度領域で優れたグリップ性能を有する空気入りタイヤは、特に高速走行に使用されるタイヤとして有用である。

Claims (5)

  1. ゴム成分に少なくとも2種類類以上の樹脂を配合してなるトレッド用ゴム組成物であって、
    該ゴム組成物における各樹脂の配合量の合計は、該ゴム成分100重量部に対して30〜90重量部であり、
    該ゴム組成物に配合される該樹脂は、軟化点が120〜180℃の範囲内にある少なくとも1種類の高温軟化樹脂、および軟化点が120℃未満である少なくとも1種類の低温軟化樹脂を含み、
    下記の式;
    〔式1〕
    配合指数=Σ(各高温軟化樹脂の配合重量部×該高温軟化樹脂の軟化点温度)/
    Σ(各樹脂の配合重量部×該樹脂の軟化点温度)×100
    で表される配合指数が40〜95%であることを特徴とするトレッド用ゴム組成物。
  2. 前記低温軟化樹脂の軟化点が80〜100℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記低温軟化樹脂がテルペンフェノール樹脂、ロジン変性石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、及びアルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂からなる群から選択された少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 前記高温軟化樹脂がテルペンフェノール樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、及びブチルフェノールアセチレン樹脂からなる群から選択された少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの請求項に記載されたトレッド用ゴム組成物をトレッドゴムとして用いた空気入りタイヤ。
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