JP2007260767A5 - - Google Patents
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Description
本願発明は、ワークに対して溶接を行う溶接ロボットの制御装置に関するものである。
従来、ワークに対して溶接を行う多関節溶接ロボットにおいては、ウィービング動作と呼称される動作を行うものがある。ウィービング動作とは、図10に示すように、予め記憶された作業プログラムによって溶接ロボット100の各アーム101の駆動モータ102をサーボ制御によって回転駆動させることにより、溶接トーチ103の先端を溶接進行方向に対して直交する方向に揺動させる動作をいう。
このウィービング動作では、ティーチングプレイバック方式に基づいて溶接部の形状に沿って溶接トーチ103が直線補間動作又は円弧補間動作を行いつつ、溶接トーチ103のツールセンタポイント(TCP)103aを、予め教示された振幅、周期及び波形に基づいて移動させる。このウィービング動作が行われることによって、良好でかつ確実な溶接を実現することができる。
ウィービング中の溶接トーチのTCP位置は、教示点間を補間して得た主軌道上の各補間点に対して進行方向座標系を定義し、その座標系で算出されるウィービング変位を溶接ロボットの設置位置に定義される基本座標系における各補間点の座標に加算することで決定される。例えば、図11に示すように、教示点Q1,Q2間をr個の補間点P1,P2,…Prで直線補間する場合、例えば、補間点P1における溶接トーチ103のTCP位置は、補間点P1に進行方向座標系(n,o,a)を定義し、例えばo方向が溶接面に沿う方向であるとすると、当該o方向にウィービング変位Hだけ移動した点Pw1がウィービング中の溶接トーチ103のTCP位置になる。なお、図11において、tが溶接トーチ103の軸方向の単位ベクトルとすると、aはQ1Q2方向の単位ベクトル、oはtとaに対して垂直方向の単位ベクトル、nはoとaに対して垂直方向の単位ベクトルである。
ところで、図11に示すように教示点Q2がウィービング終了点の場合、教示点Q2におけるウィービング変位Hが0になることは稀なので、溶接トーチ103のウィービング後のTCP位置Qw2は主軌道から離れた点となることが多い。従来は、次の作業の開始点(すなわち、教示点Q2)に溶接トーチのTCP位置を合わせるために、ウィービング溶接作業の終わりに、溶接をさせながら教示点Q2におけるウィービング後のTCP位置Qw2から主軌道上の教示点Q2に直線で移動させる処理が行われていた。このため、教示点の間隔やウィービング条件(振幅、周期)により、ウィービング終了点Q2付近での溶接ビードの形状がまちまちとなり、溶接品質悪化の原因となっていた。
従来、教示点Q1Q2間の主軌道Lのウィービング終了点Q2におけるウィービング変位を0にすることにより、点Q2において、溶接トーチ103のTCP位置を一致させる方法が提案されている。
例えば、特開平5−57642号公報にはウィービング周波数を変更することで、主軌道のウィービング終了点でのウィービング変位を0にするよう調整する方法が提案されている。また、特開平6−87076号公報にはウィービング周期が主軌道のウィービング終了点で終了するように溶接速度を変化して、当該主軌道の終了点でのウィービング変位を0にするよう調整する方法が提案されている。
しかしながら、上記従来の方法では教示点間距離の違いによりウィービング周波数や溶接速度が変化することになり、教示されたウィービング周波数(周期)や溶接速度を実現することができない。また、溶接区間により溶接条件が変化することになるから、溶接ビード形状の不均一の要因となり、溶接品質上問題となる。
従って、ウィービング周期及び溶接速度を教示されたものからできるだけ変化させることなく、しかも、ウィービング終了点における溶接トーチのTCP位置を教示された終了点に一致させる方法が望まれるが、従来、このような方法は提案されていない。
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、ウィービング終了点近傍を除くウィービング区間では教示されたウィービング周期及び溶接速度を維持し、ウィービング終了点ではウィービング変位を0とする溶接作業を行うように制御できる溶接ロボット制御装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
多関節溶接ロボットのアーム先端に設けられた溶接トーチの移動経路として教示された複数の教示点を連結して構成された主軌道上に、多数の補間点を設け、各補間点に前記主軌道に対して直交する方向の変位を第1のウィービング周期に基づいて設定し、前記溶接トーチを各補間点の変位位置に従って移動させることにより、当該溶接トーチを前記主軌道上でウィービング動作をさせながらウィービング終了点まで移動させる溶接ロボット制御装置であって、前記ウィービング終了点までの残り時間を算出する残時間算出手段と、前記ウィービング終了点における前記変位が0になる第2のウィービング周期を算出するウィービング周期算出手段と、前記残時間算出手段により算出される残り時間が所定の残り時間になったときに、前記第1のウィービング周期を前記ウィービング周期算出手段により算出される前記第2のウィービング周期に変更するウィービング周期変更手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このような構成によれば、ウィービング終了点までの残り時間が所定の時間になれば、以降はウィービング終了点におけるウィービング変位が0になるようなウィービング周期を用いるので、ウィービング終了時に溶接トーチのTCP位置をウィービング終了点に一致させることができる。
また、請求項1に記載の溶接ロボット制御装置において、前記ウィービング周期変更手段は、更に前記変位が所定の値になったときのみ、前記第1のウィービング周期を前記ウィービング周期算出手段により算出される前記第2のウィービング周期に変更することを特徴とする(請求項2)。
このような構成によれば、ウィービング周期を変更する時期をウィービング終了点までの残り時間だけでなく、ウィービング変位によっても決めることができる。すなわち、ウィービング周期を変更する時期を溶接トーチのTCP位置がウィービング端点にあるときや主軌道上にあるときに限定することができる。
また、請求項2に記載の溶接ロボット制御装置において、前記ウィービング周期変更手段は、前記変位が最大値または最小値のときであり前記残り時間が前記所定の残り時間以下になったときに前記第1のウィービング周期を前記ウィービング周期算出手段により算出される前記第2のウィービング周期に変更することを特徴とする(請求項3)。
このような構成によれば、溶接トーチのTCP位置がウィービング端点にあるときでウィービング終了点までの残り時間が所定の時間以内であるときにウィービング周期を変更することができる。
また、請求項3に記載の溶接ロボット制御装置において、前記ウィービング周期変更手段は、前記変位が最大値または最小値のときであり前記残り時間が前記第1のウィービング周期の3/4より短いときに前記第1のウィービング周期を前記ウィービング周期算出手段により算出される前記第2のウィービング周期に変更することを特徴とする(請求項4)。
このような構成によれば、ウィービング周期を変更するのがウィービング終了点の近傍だけなので、ウィービング終了点の近傍までは教示されたウィービング周期を用いることができる。
また、請求項1〜4のいずれかに記載の溶接ロボット制御装置において、前記ウィービング周期算出手段は、前記残り時間により2以上の場合に分けて前記第2のウィービング周期を算出することを特徴とする(請求項5)。
このような構成によれば、ウィービング終了点までの残り時間により場合分けをして、それぞれの場合に応じたウィービング周期を算出することができる。
また、請求項5に記載の溶接ロボット制御装置において、前記ウィービング周期変更手段は、前記変位が最大値または最小値のときであり前記残り時間が前記第1のウィービング周期の5/8より長く3/4より短いときには、前記変位が0になったときから前記第1のウィービング周期を前記ウィービング周期算出手段により算出される前記第2のウィービング周期に変更することを特徴とする(請求項6)。
また、請求項6に記載の溶接ロボット制御装置において、前記ウィービング周期算出手段は、前記変位が最大値または最小値のときであり前記残り時間が前記第1のウィービング周期の1/4より長く3/8以下のときには第2のウィービング周期を残り時間の4倍とし、前記第1のウィービング周期の3/8より長く5/8以下のときには第2のウィービング周期を残り時間の4/3倍とし、前記第1のウィービング周期の5/8より長く3/4より短いときには前記変位が0になったときから第2のウィービング周期を残り時間の2倍とすることを特徴とする(請求項7)。
このような構成によれば、溶接トーチのTCP位置がウィービング端点にあるときでウィービング終了点までの残り時間が教示されたウィービング周期の1/4より多く3/4より短いときに、3通りに場合わけして、それぞれウィービング終了点におけるウィービング変位が0になるウィービング周期であり、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わず、溶接ビード形状が比較的均一になるウィービング周期を算出することができる。
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
まず、本願発明に係る溶接ロボット制御装置のウィービング動作におけるウィービング周期の調整について、図1,図3,図4を用いて説明する。
本願発明においては、ウィービング終了点でのウィービング変位を0にするためにウィービング溶接作業の途中でウィービング周期を変更するが、溶接ビード形状に与える影響をできるだけ減らすために周期が変更される区間(以下、「調整区間」という。)を可能な限り短くする。但し、調整区間が短すぎると溶接トーチを急激に移動させる必要があり、駆動モータのサーボ制御上の問題が生じる。よって、以下に説明するように場合分けして、調整区間をウィービング終了直前の1/4周期から5/8周期に該当する区間とする。なお、ウィービング区間でウィービング波形が1周期以下ということは実用上ほとんどないので、考えないこととする。
図1は、調整区間設定のための場合分けの説明をするための説明図である。図1において、ウィービング開始点Q1から、点Bと点Cとの間にあるウィービング終了点Q2まで主軌道L上の補間点において、ウィービング変位を加算して得た溶接トーチのTCP位置で溶接が行われる。ウィービング終了点Q2は点Bから点Cまでの間のどこかに必ず位置し(図1では点A’の手前に位置した場合を例示している。)、その位置する点により、点Aからウィービング終了点Q2に達するまでの時間Trで6通り(ウィービング終了点Q2が位置する区間E,F,G,E’,F’,G’を参照)に場合分けされる。点Aは、ウィービング終了点Q2が位置するウィービング周期の最後の1周期に対して直前の、ウィービング変位が最小値となる補間点である。教示されたウィービング周期をT0とすると、Tr=1/4T0,3/4T0,5/4T0の点B,B’,Cでは、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるので、ウィービング周期の調整は必要とされない。
なお、補間点の間隔やウィービング波形、振幅によっては、補間点におけるウィービング変位が最小値と一致しないこともある。例えば、図2は補間点Pr-1と補間点Prの間でウィービング変位が最小値となる例である。この場合は最小値を限定値とせず、幅を持った範囲とする。すなわち、範囲Dに溶接トーチのTCP位置が位置するウィービング変位の範囲を最小値とする。図2の例では、溶接トーチのTCP位置Pwrが範囲Dに位置するので補間点Prがウィービング変位が最小値となる補間点、すなわち点Aになる。なお、当該補間点の前後の補間点におけるウィービング変位が最小値とならないように、範囲Dは直近の補間点の中でただ一つの補間点のみが該当するような範囲にしなければならない。最大値や0についても同様に幅を持った範囲とする。以下では、説明を簡単にするために、補間点の間隔は十分狭く、そのウィービング変位が最小値や最大値や0と一致する補間点があるものとして説明する。
〔1/4T0<Tr≦3/8T0のとき〕
1/4T0<Tr≦3/8T0のときウィービング終了点Q2は区間Eに位置する。このときのウィービング周期の調整について、図3(a)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間Eに位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は点Aにおける溶接トーチのTCP位置Awから主軌道Lを少し越えた位置(図3(a)で主軌道Lの上側)になるため、点A以降が調整区間とされ、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が長くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線AwQw2から実線AwQ2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Trを1/4周期とする周期になるので、T1=4Trとされる。
1/4T0<Tr≦3/8T0のときウィービング終了点Q2は区間Eに位置する。このときのウィービング周期の調整について、図3(a)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間Eに位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は点Aにおける溶接トーチのTCP位置Awから主軌道Lを少し越えた位置(図3(a)で主軌道Lの上側)になるため、点A以降が調整区間とされ、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が長くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線AwQw2から実線AwQ2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Trを1/4周期とする周期になるので、T1=4Trとされる。
〔3/8T0<Tr≦5/8T0のとき〕
3/8T0<Tr≦5/8T0のときウィービング終了点Q2は区間Fに位置する。このときのウィービング周期の調整について、図3(b)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間Fに位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は、1/4T0<Tr≦3/8T0のときと同様に、点Aにおける溶接トーチのTCP位置Awに対して主軌道Lを挟んで反対側(図3(b)で主軌道Lの上側)の位置になり、点A以降が調整区間とされるが、溶接トーチのTCP位置Qw2は主軌道Lから離れた位置になるので、ウィービング周期を短くしてウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0にされる。すなわち、ウィービング軌道を点線AwQw2から実線AwQ2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Trを3/4周期とする周期になるので、T1=(4/3)Trとされる。溶接ビード形状が比較的均一となる点や、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点で、点A以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTrを3/4周期とする上記の方法を採用しているが、点A以降の調整区間でウィービング周期を長くしてTrを1/4周期としたり、点B以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'(=Tr−1/4T0)を1/2周期とする方法を採用してもよい。
3/8T0<Tr≦5/8T0のときウィービング終了点Q2は区間Fに位置する。このときのウィービング周期の調整について、図3(b)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間Fに位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は、1/4T0<Tr≦3/8T0のときと同様に、点Aにおける溶接トーチのTCP位置Awに対して主軌道Lを挟んで反対側(図3(b)で主軌道Lの上側)の位置になり、点A以降が調整区間とされるが、溶接トーチのTCP位置Qw2は主軌道Lから離れた位置になるので、ウィービング周期を短くしてウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0にされる。すなわち、ウィービング軌道を点線AwQw2から実線AwQ2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Trを3/4周期とする周期になるので、T1=(4/3)Trとされる。溶接ビード形状が比較的均一となる点や、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点で、点A以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTrを3/4周期とする上記の方法を採用しているが、点A以降の調整区間でウィービング周期を長くしてTrを1/4周期としたり、点B以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'(=Tr−1/4T0)を1/2周期とする方法を採用してもよい。
〔5/8T0<Tr<3/4T0のとき〕
5/8T0<Tr<3/4T0のときウィービング終了点Q2は区間Gに位置する。このときのウィービング周期の調整について、図3(c)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間Gに位置するときは、溶接トーチのTCP位置Qw2が主軌道Lに近くなる点を除いてウィービング終了点Q2が区間Fに位置するとき(図3(b))と基本的に変わらない。従って、ウィービング終了点Q2が区間Fに位置する場合と同様の方法でウィービング周期を短くしてもよいが、本願発明では、調整区間を可及的に短くするとの考えから、点B以降を調整区間として、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が短くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線BQw2から実線BQ2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、点Bにおけるウィービング終了点Q2に達するまでの時間Tr'を1/2周期とする周期になるので、T1=2Tr'とされる。サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点や、溶接ビード形状が比較的均一となる点で、点B以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'を1/2周期とする上記の方法を採用しているが、点A以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTrを3/4周期としたり、点A'以降の調整区間でウィービング周期を短くして点A’におけるウィービング終了点Q2に達するまでの時間Tr''(=Tr−1/2T0)を1/4周期とする方法を採用してもよい。
5/8T0<Tr<3/4T0のときウィービング終了点Q2は区間Gに位置する。このときのウィービング周期の調整について、図3(c)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間Gに位置するときは、溶接トーチのTCP位置Qw2が主軌道Lに近くなる点を除いてウィービング終了点Q2が区間Fに位置するとき(図3(b))と基本的に変わらない。従って、ウィービング終了点Q2が区間Fに位置する場合と同様の方法でウィービング周期を短くしてもよいが、本願発明では、調整区間を可及的に短くするとの考えから、点B以降を調整区間として、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が短くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線BQw2から実線BQ2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、点Bにおけるウィービング終了点Q2に達するまでの時間Tr'を1/2周期とする周期になるので、T1=2Tr'とされる。サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点や、溶接ビード形状が比較的均一となる点で、点B以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'を1/2周期とする上記の方法を採用しているが、点A以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTrを3/4周期としたり、点A'以降の調整区間でウィービング周期を短くして点A’におけるウィービング終了点Q2に達するまでの時間Tr''(=Tr−1/2T0)を1/4周期とする方法を採用してもよい。
〔3/4T0<Tr≦7/8T0のとき〕
3/4T0<Tr≦7/8T0のときウィービング終了点Q2は区間E’に位置する。このときのウィービング周期の調整について、図4(a)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間E’に位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は点A’における溶接トーチのTCP位置Aw’から主軌道Lを少し越えた位置(図4(a)で主軌道Lの下側)になるため、点A’以降が調整区間とされ、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が長くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線Aw'Qw2から実線Aw'Q2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Tr''を1/4周期とする周期になるので、T1=4Tr''とされる。
3/4T0<Tr≦7/8T0のときウィービング終了点Q2は区間E’に位置する。このときのウィービング周期の調整について、図4(a)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間E’に位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は点A’における溶接トーチのTCP位置Aw’から主軌道Lを少し越えた位置(図4(a)で主軌道Lの下側)になるため、点A’以降が調整区間とされ、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が長くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線Aw'Qw2から実線Aw'Q2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Tr''を1/4周期とする周期になるので、T1=4Tr''とされる。
〔7/8T0<Tr≦9/8T0のとき〕
7/8T0<Tr≦9/8T0のときウィービング終了点Q2は区間F’に位置する。このときのウィービング周期の調整について、図4(b)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間F’に位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は、3/4T0<Tr≦7/8T0のときと同様に、点A’における溶接トーチのTCP位置Aw’に対して主起動Lを挟んで反対側(図4(b)で主軌道Lの下側)の位置になり、点A’以降が調整区間とされるが、溶接トーチのTCP位置Qw2は主起動Lから離れた位置になるので、ウィービング周期を短くしてウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0にされる。すなわち、ウィービング軌道を点線Aw'Qw2から実線Aw'Q2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Tr''を3/4周期とする周期になるので、T1=(4/3)Tr''とされる。溶接ビード形状が比較的均一となる点や、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点で、点A’以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr''を3/4周期とする上記の方法を採用しているが、点A’以降の調整区間でウィービング周期を長くしてTr''を1/4周期としたり、点B’以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'''(=Tr−3/4T0)を1/2周期とする方法を採用してもよい。
7/8T0<Tr≦9/8T0のときウィービング終了点Q2は区間F’に位置する。このときのウィービング周期の調整について、図4(b)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間F’に位置するとき、溶接トーチのTCP位置Qw2は、3/4T0<Tr≦7/8T0のときと同様に、点A’における溶接トーチのTCP位置Aw’に対して主起動Lを挟んで反対側(図4(b)で主軌道Lの下側)の位置になり、点A’以降が調整区間とされるが、溶接トーチのTCP位置Qw2は主起動Lから離れた位置になるので、ウィービング周期を短くしてウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0にされる。すなわち、ウィービング軌道を点線Aw'Qw2から実線Aw'Q2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、Tr''を3/4周期とする周期になるので、T1=(4/3)Tr''とされる。溶接ビード形状が比較的均一となる点や、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点で、点A’以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr''を3/4周期とする上記の方法を採用しているが、点A’以降の調整区間でウィービング周期を長くしてTr''を1/4周期としたり、点B’以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'''(=Tr−3/4T0)を1/2周期とする方法を採用してもよい。
〔9/8T0<Tr<5/4T0のとき〕
9/8T0<Tr<5/4T0のときウィービング終了点Q2は区間G'に位置する。このときのウィービング周期の調整について、図4(c)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間G'に位置するときは、溶接トーチのTCP位置Qw2が主軌道Lに近くなる点を除いてウィービング終了点Q2が区間F'に位置するとき(図4(b))と基本的に変わらない。従って、ウィービング終了点Q2が区間F'に位置する場合と同様の方法でウィービング周期を短くしてもよいが、本願発明では、調整区間を可及的に短くするとの考えから、点B'以降を調整区間として、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が短くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線B'Qw2から実線B'Q2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、点B’におけるウィービング終了点Q2に達するまでの時間Tr'''を1/2周期とする周期になるので、T1=2Tr'''とされる。溶接ビード形状が比較的均一となる点や、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点で、点B’以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'''を1/2周期とする上記の方法を採用しているが、点A’以降を調整区間としてウィービング周期を短くしてTr''を3/4周期としたり、点A''以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr''''(=Tr−T0)を1/4周期とする方法を採用してもよい。
9/8T0<Tr<5/4T0のときウィービング終了点Q2は区間G'に位置する。このときのウィービング周期の調整について、図4(c)を用いて説明する。ウィービング終了点Q2が区間G'に位置するときは、溶接トーチのTCP位置Qw2が主軌道Lに近くなる点を除いてウィービング終了点Q2が区間F'に位置するとき(図4(b))と基本的に変わらない。従って、ウィービング終了点Q2が区間F'に位置する場合と同様の方法でウィービング周期を短くしてもよいが、本願発明では、調整区間を可及的に短くするとの考えから、点B'以降を調整区間として、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようにウィービング周期が短くされる。すなわち、ウィービング軌道を点線B'Qw2から実線B'Q2に変更するようにウィービング周期が変更される。このとき調整区間でのウィービング周期T1は、点B’におけるウィービング終了点Q2に達するまでの時間Tr'''を1/2周期とする周期になるので、T1=2Tr'''とされる。溶接ビード形状が比較的均一となる点や、サーボエラーを引き起こしかねない溶接トーチの急激な移動を伴わない点で、点B’以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr'''を1/2周期とする上記の方法を採用しているが、点A’以降を調整区間としてウィービング周期を短くしてTr''を3/4周期としたり、点A''以降を調整区間としウィービング周期を短くしてTr''''(=Tr−T0)を1/4周期とする方法を採用してもよい。
上記において、ウィービング終了点Q2が区間Eに位置する場合と区間E'に位置する場合とでは、調整区間と調整区間でのウィービング周期T1が共通したものとされる。同様に、ウィービング終了点Q2が区間Fに位置する場合と区間F'に位置する場合、区間Gに位置する場合と区間G'に位置する場合もそれぞれ調整区間と調整区間でのウィービング周期T1が共通したものとされる。
ゆえに、Trをウィービング変位が最小値または最大値となる補間点からウィービング終了点Q2に達するまでの時間とすると、場合分けは、1/4T0<Tr≦3/8T0、3/8T0<Tr≦5/8T0、5/8T0<Tr<3/4T0の3通りにまとめることができる。
なお、図1、図3、図4では、説明を分りやすくするためにウィービング軌道を直線の単純な軌道にして説明しているがこの限りではなく、一定の周期で増減を繰り返す正弦波等の波形を利用したウィービング動作について利用できる。
図5は、本願発明に係る溶接ロボット制御装置が適用される溶接ロボット制御システムを示す構成図である。この溶接ロボット制御システムでは、溶接ロボットに設けられた溶接トーチによってワーク(被溶接物)に対して溶接が行われる。
溶接ロボット制御システムは、溶接ロボット10と、溶接ロボット制御装置20と、溶接電源装置30とによって大略構成されている。
溶接ロボット10は、ワークWに対して例えばアーク溶接を自動で行うものである。溶接ロボット10は、フロア等の適当な箇所に固定されるベース部材11と、それに複数の軸を介して連結された複数のアーム12と、複数のアーム12の両端又は片端に設けられた複数の駆動モータ(サーボモータ)13(一部図示略)とによって構成されている。
溶接ロボット10には、最も先端側に設けられたアーム12の先端部に、溶接トーチ14が設けられている。溶接トーチ14は、溶加材としての例えば直径1mm程度の溶接ワイヤ15をワークWの所定の溶接位置に導くものである。
溶接ロボット10の上部には、ワイヤ送給装置16が設けられている。ワイヤ送給装置16は、溶接トーチ14に対して溶接ワイヤ15を送り出すためのものである。ワイヤ送給装置16は、溶接ワイヤ15が巻回された図示しないリールと、リールを回転させる送給モータ17とによって構成され、送給モータ17は、溶接電源装置30によって回転駆動される。
ワイヤ送給装置16には、溶接ワイヤ15を案内するためのコイルライナ19が接続され、コイルライナ19の先端は、溶接トーチ14に接続されている。これにより、ワイヤ送給装置16によって送り出された溶接ワイヤ15は、コイルライナ19を介して溶接トーチ14に導かれる。溶接ワイヤ15は、溶接トーチ14から外部に突出して消耗電極として機能する。すなわち、溶接電源装置30によって溶接ワイヤ15の先端とワークWとの間に高電圧を印加してアークを発生させ、そのアークの熱で溶接ワイヤ15を溶融させることにより、ワークWに対して溶接が施される。
各アームに設けられた駆動モータ13は、溶接ロボット制御装置20からの駆動信号によって回転駆動され、この各駆動モータ13が回転駆動されることにより、各アーム12が変位し、結果的に溶接トーチ14が上下前後左右に移動可能とされる。
さらに、本実施形態では、各駆動モータ13が回転駆動されることにより、溶接トーチ14のウィービング動作が行われる。ウィービング動作とは、上述したように、溶接トーチ14を溶接進行方向に対して直交する方向に揺動させる動作をいう。本実施形態に係る溶接ロボット10は、図5に示すように、複数の関節を有する多関節の溶接ロボットであり、これら複数の関節を複合動作させることにより、溶接トーチ14が溶接進行方向に対して直交方向に揺動されるように制御される(図10の正弦波状の軌跡を参照)。
なお、各駆動モータ13には、図示しないエンコーダが設けられている。エンコーダの出力は、溶接ロボット制御装置20に入力され、溶接ロボット制御装置20では、エンコーダの出力によって溶接トーチ14の現在位置を認識するようになっている。
溶接ロボット制御装置20は、溶接ロボット10の動作を制御するためのものである。溶接ロボット制御装置20は、予め記憶されている制御ソフトウェア及び図示しないエンコーダからの現在位置情報等に基づいて、溶接ロボット10の各駆動モータ13の駆動を制御して、溶接トーチ14をワークWの所定の溶接点に移動させる。また、溶接ロボット制御装置20は、各駆動モータ13の駆動を制御して、溶接トーチ14を揺動させることにより、上記ウィービング動作を実行する。
溶接電源装置30は、図示しない溶接電源を備えており、溶接電源は溶接トーチ14とワークWとの間に高電圧の溶接電圧を供給するものである。また、溶接電源装置30は、所定のタイミングでワイヤ送給装置16の送給モータ17を駆動させる機能をも有している。
図6は、溶接ロボット制御装置20の内部構成及びその周辺装置を示すブロック図である。溶接ロボット制御装置20は、CPU21、RAM22、ROM23、タイマ(TIMER)24、ハードディスク25、ティーチングペンダントI/F26、操作ボックスI/F27、及びサーボドライバI/F28を備えており、各部はバス(BUS)31によって相互に接続されている。
ティーチングペンダントI/F26には、ティーチングペンダント33が接続され、操作ボックスI/F27には、操作ボックス34が接続されている。また、サーボドライバI/F28には、溶接ロボット制御装置20の内部に設けられた6つのサーボドライバ35が接続され、サーボドライバ35には、溶接ロボット10に設けられた6つの駆動モータ13がそれぞれ接続されている。
CPU21は、本溶接ロボット制御装置20の制御中枢となるものであり、教示された作業プログラム、ティーチングペンダント33や操作ボックス34からの操作信号、あるいは図示しないエンコーダからの現在位置情報等に基づいて、所定のデータ処理を行い、バス31及びサーボドライバI/F28を介してサーボドライバ35に動作指令を与える。これにより、駆動モータ13が回転駆動され、溶接トーチ14が移動される。
RAM22は、CPU21に対して作業領域を提供するものであり、計算データ等を一時的に記憶する。RAM22は、例えば後述する動作命令バッファ41、軌道バッファ42、補間点バッファ43、又は関節角度バッファ44として機能する。
ROM23は、溶接ロボット10の動作を制御するための制御ソフトウェアを格納するものである。
ハードディスク25は、溶接ロボット10の溶接作業が教示された作業プログラム、この作業プログラムの実行条件を示すデータ、制御定数を示すデータ等を格納するものである。
タイマ24は、予め定められた定期時刻ごとに同期信号をCPU21に対して発生するものである。同期信号は、CPU21がサーボドライバ35に対して動作指令信号を出力する際の更新タイミングとして用いられる。
ティーチングペンダントI/F26は、ティーチングペンダント33とのインターフェースを司るものである。ティーチングペンダント33は、例えば表示装置33aとキーボード33bとを有し、溶接ロボット10の動作を手動で行う際にユーザによって操作されるものである。CPU21は、このティーチングペンダント33からの操作信号を受け取ることにより所定のデータ処理を行うとともに、ティーチングペンダント33に対して表示データを送ることにより、操作情報を表示させる。
操作ボックスI/F27は、操作ボックス34とのインターフェースを司るものである。操作ボックス34は、自動運転モード又は手動モードの選択、起動、開始、停止等の各種操作をユーザによって可能にするものである。CPU21は、この操作ボックス34からの操作信号を受け取ることにより所定のデータ処理を行う。
サーボドライバI/F28は、サーボドライバ35とのインターフェースを司るものである。サーボドライバ35は、CPU21からの動作指令信号に基づいて、6つの駆動モータ13をそれぞれ駆動制御するものである。
図7は、CPU21及びRAM22の実際的な機能をブロックにして表した場合の構成図である。
CPU21の機能としては、動作命令読出部36、軌道生成部37、補間点生成部38、関節角度生成部39、及びサーボ出力部40によって表され、RAM22の機能としては、動作命令バッファ41、軌道バッファ42、補間点バッファ43、及び関節角度バッファ44によって表される。なお、各バッファ41〜44は、FIFO(first-in first-out)バッファとして構成されており、先入れ及び先出しでデータが処理される。
動作命令読出部36は、ハードディスク25に記憶された作業プログラムから、溶接ロボット10の動作命令に関する情報(例えば座標、速度情報等のデータからなる軌道命令)を読み出し、動作命令バッファ41に格納する。
軌道生成部37は、動作命令バッファ41から動作命令に関する情報(動作命令コマンド)を読み出し、読み出した情報に基づいて溶接ロボット10の溶接トーチ14の作業軌道を三次元空間の直交座標上で計画する。軌道生成部37は、計画された軌道データを軌道バッファ42に格納する。
補間点生成部38は、軌道バッファ42から軌道データを読み出し、読み出した軌道データを、「補間周期」と呼称される所定時間毎に分割する。そして、補間周期毎に直交座標によって表される、溶接トーチ14が到達すべき位置、姿勢を示す補間点データを算出する。すなわち、軌道データは、溶接開始点から溶接終了点に至る溶接トーチ14の移動軌跡を複数の教示点によって表すとともに、教示点間の溶接トーチ14の移動方法を直線移動や円弧移動によって定義したものである。補間点生成部38は、隣接する教示点間において溶接トーチ14が通過すべき点とその点における溶接トーチ14の姿勢等のデータを補間周期毎に補間している。補間点生成部38は、算出した補間点データを補間点バッファ43に格納する。
関節角度生成部39は、補間点バッファ43から溶接トーチ14の到達位置、姿勢を示す補間点データを読み出し、溶接ロボット10の各関節における関節角度を示すデータに逆変換する演算を行い、算出した関節角度データを関節角度バッファ44に格納する。なお、本実施形態の特徴であるウィービング動作におけるウィービング周期の調整については、主にこの関節角度生成部39において実現されるようになっている。これについては後述する。
関節角度バッファ44に格納された、溶接ロボット10の関節角度データは、タイマ24によって発生される同期信号SYNCに同期してサーボ出力部40に通知される。そして、上記関節角度データは、サーボ出力部40から所定のタイミングでサーボドライバI/F28を介してサーボドライバ35へ各関節の位置指令(駆動モータ13に対する動作指令)として出力される。
図8は、関節角度生成部39の機能を更に細かくブロックにして表した場合の構成図である。
関節角度生成部39は更に、ウィービングデータ読出部391、ウィービング変位算出部392、TCP位置姿勢算出部393、残時間算出部394、ウィービング周期調整部395、逆変換部396によって構成される。
ウィービングデータ読出部391は、教示作業プログラムからウィービング変位を算出するために必要なウィービング周期、ウィービング振幅、ウィービング波形などからなるウィービングデータを読み出す。なお、後述するウィービング周期調整部395からウィービング周期が入力された場合は、教示作業プログラムから読み出されたウィービング周期に変えてウィービング周期調整部395から入力されたウィービング周期が使用される。
ウィービング変位算出部392は、ウィービングデータ読出部391により読み出されたウィービングデータからウィービング変位を算出する。
TCP位置姿勢算出部393は、補間点バッファ43に格納されている補間点データにウィービング変位算出部392で算出されたウィービング変位を加算してTCP位置及び溶接トーチ14の姿勢を算出する(図11参照)。
残時間算出部394は、動作命令バッファ41から補間周期を読み出し、読み出された補間周期と処理中の補間点以降の残りの補間点数とから処理中の補間点におけるウィービング終了点までの残り時間(以下、「残時間」という。)を算出する。
ウィービング周期調整部395は、ウィービング変位算出部392で算出されたウィービング変位と残時間算出部394で算出された残時間からウィービング周期調整が必要か否かを判別し、ウィービング周期調整が必要であると判別した場合には必要なウィービング周期を算出する。まず、ウィービング後のTCP位置がウィービング端点になるか否かを判別するために、ウィービング変位算出部392で算出されたウィービング変位が最大値または最小値となるか否かを判別する。ウィービング変位が最大値または最小値となる補間点におけるウィービング後のTCP位置がウィービング端点になる。次に、ウィービング周期調整部395は、ウィービング変位が最大値または最小値となると判別したとき、すなわち、ウィービング後のTCP位置がウィービング端点になると判別したときは、残時間算出部394で算出された残時間がウィービング周期の調整が必要な時間か否かを判別する。ウィービング周期調整部395は、残時間がウィービング周期の調整が必要な時間であると判別したときは、ウィービング終了点でウィービング変位が0となるウィービング周期を残時間から算出し出力する。
逆変換部396は、TCP位置姿勢算出部393で算出されたTCP位置と溶接トーチ14の姿勢を溶接ロボット10の各関節における関節角度を示すデータに逆変換する演算を行い、算出した関節角度データを関節角度バッファ44に格納する。
次に、本実施形態に係るウィービング動作におけるウィービング周期の調整について、図9に示すフローチャートと図1、図3、図4を参照して説明する。
図9は関節角度生成部39で実行される、本実施形態に係る特徴的なウィービング動作におけるウィービング周期の調整についての制御を表すフローチャートである。
この制御はウィービング開始点Q1からウィービング終了点Q2に達するまで実行され、各補間点P1,P2,…における溶接ロボット10の各関節角度を示す関節角度データが算出される。
まず、補間カウンタmが0に初期化され、ウィービング周期Tが教示されたウィービング周期T0に、フラグFLAGがOFFに初期化される(S1)。ここで、FLAGはウィービング周期の調整を区別するためのフラグであり、条件に該当したとき(図1において、補間点Pmが点Aのときウィービング終了点Q2が区間Gに位置するとき又は補間点Pmが点A’のときウィービング終了点Q2が区間G’に位置するとき)にONにされる。次に、補間カウンタmが1増加され(S2)、ウィービング終了点Q2に達したか否かが判別される(S3)。ウィービング終了点Q2に達しない場合(S3:NO)は、ステップ4に進み、ウィービング終了点Q2に達した場合(S3:YES)は処理を終了する。
ステップS4において、補間点バッファ43から補間点データが読み出される。ここで、補間点データとは、補間点Pmの位置P(m)、及び補間点Pmにおける溶接トーチ14の姿勢R(m)よりなるデータである。また、ウィービング変位算出部392により、ウィービング変位H(m)が算出される。ウィービング変位H(m)は補間点Pmにおけるウィービング変位である。
次に、ウィービング変位H(m)が最大値Hmaxまたは最小値Hminであるか否か判別される(S5)。例えば、図1の補間点Aにおいてウィービング変位H(m)は最小値Hminとなり溶接トーチ14のTCP位置Awはウイ−ビング端点となる。また、補間点A’においてウィービング変位H(m)は最大値Hmaxとなり溶接トーチ14のTCP位置Aw’はウイ−ビング端点となる。ステップS5において、H(m)≠HmaxかつH(m)≠Hminの場合(S5:NO)、FLAGがONであり、かつ、H(m)が0であるか否か判別される(S6)。例えば、図1の補間点Bにおいてウィービング変位H(m)は0となり溶接トーチ14のTCP位置は主軌道L上となる。ステップS6において、FLAG=OFFまたはH(m)≠0の場合(S6:NO)、ステップS7に進む。
ステップS7では、補間点Pmの位置P(m)に変位H(m)が加算され、溶接トーチ14のウィービング後のTCP位置Pw(m)が算出され、ステップS8に進む。なお、溶接トーチ14のウィービング後のTCP位置Pw(m)が算出されるときに、溶接トーチ14のウィービング後の姿勢Rw(m)も算出されるが、ウィービング周期の調整には関係ないので、ここでは説明を省略する。
ステップS8では、TCP位置Pw(m)、溶接トーチ14の姿勢Rw(m)の逆変換により、溶接ロボット10の各関節角度を示す関節角度データが算出され、関節角度バッファ44に格納され、ステップS2に戻る。
ステップS5において、H(m)=HmaxまたはHminの場合(S5:YES)、補間点PmはTCP位置Pw(m)がウィービング端点となる補間点であり、残時間算出部394により算出された補間点Pmにおける残時間Trにより場合分けされる。
まず、1/4T<Tr≦3/8Tであるか否か判別される(S10)。1/4T<Tr≦3/8Tの場合(S10:YES)、図1において補間点Pmが点Aでありウィービング終了点Q2が区間Eに位置する場合か、補間点Pmが点A’でありウィービング終了点Q2が区間E'に位置する場合であり、このとき図3(a),図4(a)のように、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようなウィービング周期T=4Trが算出され(S13)、ステップS7に進む。以降のウィービング変位の算出にはウィービング周期T=4Trが用いられる。
ステップS10がNOの場合、3/8T<Tr≦5/8Tであるか否か判別される(S11)。3/8T<Tr≦5/8Tの場合(S11:YES)、図1において補間点Pmが点Aでありウィービング終了点Q2が区間Fに位置する場合か、補間点Pmが点A’でありウィービング終了点Q2が区間F'に位置する場合であり、このとき図3(b),図4(b)のように、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようなウィービング周期T=(4/3)Trが算出され(S14)、ステップS7に進む。以降のウィービング変位の算出にはウィービング周期T=(4/3)Trが用いられる。
ステップS11がNOの場合、5/8T<Tr<3/4Tであるか否か判別される(S12)。5/8T<Tr<3/4Tの場合(S12:YES)、図1において補間点Pmが点Aでありウィービング終了点Q2が区間Gに位置する場合か、補間点Pmが点A’でありウィービング終了点Q2が区間G'に位置する場合であり、このとき図3(c),図4(c)のように、点Bまたは点B’まではウィービング周期は変更されず、補間点Pmが点Bまたは点B’になったとき以降からウィービング周期が変更される。この識別のためにフラグFLAGがONにされ(S15)、ステップS7に進む。
ステップS12がNOの場合、すなわち、3/4T≦TrまたはTr≦1/4Tの場合、そのままステップS7に進む。Tr=3/4T、1/4Tのときは、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるので周期の変更を必要としない。3/4T<Trのときは、まだウィービング周期の変更を検討する補間点に達していない。また、Tr<1/4Tとなることはありえない。なぜなら、ウィービング周期が変更される前であれば1つ前のウィービング端点のときにTr<3/4Tに該当していたことになるし、ウィービング周期が変更された後(1つ前のウィービング端点のときに1/2T<Tr<3/4Tに該当した場合)であれば当該ウィービング端点においてTr=1/4Tとなっているからである(例えば、補間点が図1の点Aのときにウィービング終了点Q2が区間FのA'よりC側に位置し、図3(b)に示されるウィービング周期の変更によりウィービング軌道が変更となった場合における次のウィービング端点)。
ステップS6において、FLAG=ONかつH(m)=0の場合(S6:YES)、補間点Pmが図3(c),図4(c)における点Bまたは点B’であるので、ウィービング終了点Q2におけるウィービング変位が0になるようなウィービング周期T=2Trが算出され、FLAG=OFFにされて(S9)、ステップS7に進む。以降のウィービング変位の算出にはウィービング周期T=2Trが用いられる。
上記のように、本実施形態では、ウィービング終了点Q2近傍の調整区間でだけウィービング周期を変更して、ウィービング終了点Q2でのウィービング変位が0になるように調整することで、教示された溶接速度を維持し、調整区間以外ではウィービング周期も変化させることなく、ウィービング終了時に溶接トーチ14のTCP位置をウィービング終了点Q2に一致させるように溶接作業を行わせることができる。
なお、調整区間の長さや場合分けは、本実施形態に限られず、調整区間をもっと長くしてもよいし、場合分けを3通りでなく2通りに簡略化してもよいし、もっと細かく分けても構わない。場合分けの境界線も本実施形態に限られない。
また、本実施形態ではウィービング変位が最大値または最小値になったときに残時間で場合分けをしたが、ウィービング変位が0になったときに残時間で場合分けをしても構わないし、それ以外の所定値のときに残時間で場合分けをしても構わない。残時間で場合分けせずに、残りの主軌道の距離や、何周期残っているかで場合分けしてもかまわない。
また、場合分けせずに、所定の残時間以下になりウィービング変位量が所定の値になったときに、ウィービング終了点でのウィービング変位が0になるようなウィービング周期に変更するようにしても構わないし、ウィービング変位に関係なく所定の残時間になったときに、ウィービング終了点でのウィービング変位が0になるようなウィービング周期に変更するようにしても構わない。
10 溶接ロボット
13 駆動モータ
14 溶接トーチ
20 溶接ロボット制御装置
21 CPU
22 RAM
25 ハードディスク
28 サーボドライバI/F
30 溶接電源装置
35 サーボドライバ
39 関節角度生成部
42 軌道バッファ
43 補間点バッファ
44 関節角度バッファ
W ワーク(被溶接物)
13 駆動モータ
14 溶接トーチ
20 溶接ロボット制御装置
21 CPU
22 RAM
25 ハードディスク
28 サーボドライバI/F
30 溶接電源装置
35 サーボドライバ
39 関節角度生成部
42 軌道バッファ
43 補間点バッファ
44 関節角度バッファ
W ワーク(被溶接物)
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