JP2007258413A - 電気二重層コンデンサ - Google Patents

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俊之 北川
Koji Tsuyuki
公二 露木
Sayori Hirose
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Abstract

【課題】自動車用等に用いる電気二重層コンデンサに関し、素子の電極接続の品質が悪いという課題を解決し、高信頼性の電気二重層コンデンサを提供することを目的とする。
【解決手段】正負の引き出し電極部1a、1bが両端面に設けられたコンデンサ素子1と、コンデンサ素子1を駆動用電解液と共に収容し、かつコンデンサ素子1の引き出し電極部1bを内底面に接合した金属ケース2と、コンデンサ素子1の他方の引き出し電極部1aを内面に接合して金属ケース2の開口部を封止した端子板3からなり、上記コンデンサ素子1に設けられた引き出し電極部1a、1bを構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成により、引き出し電極部1a、1b全体に亘って各電極間の密度が高まるため、引き出し電極部1a、1bと金属ケース2ならびに端子板3のレーザー溶接を確実に行って高信頼性を実現できる。
【選択図】図1

Description

本発明は各種電子機器やハイブリッド自動車の回生用、あるいは電力貯蔵用等に使用される電気二重層コンデンサに関するものである。
図5はこの種の従来の電気二重層コンデンサの構成を示した断面図であり、図5において、10はコンデンサ素子、10aはこのコンデンサ素子10に形成された中空部を示し、このコンデンサ素子10は帯状のアルミニウム箔からなる集電体上に分極性電極層を形成すると共に、幅方向の一端側に引き出し電極部を設けた正負一対の電極を、正負の引き出し電極部を夫々逆方向にしてその間にセパレータを介在させて巻回する(全て図示せず)ことにより、正負の引き出し電極部が対向する端面(図5において上下方向)に夫々露出するように構成されたものである。
11は上記コンデンサ素子10を図示しない駆動用電解液と共に収容したアルミニウム製の有底円筒状の金属ケース、11aはこの金属ケース11の外底面に一体で設けられた外部接続用の陰極端子、11bはコンデンサ素子10の中空部10a内に嵌まり込むように内底面に一体で設けられた突起であり、この突起11bをコンデンサ素子10の中空部10a内に嵌め込んで金属ケース11内に挿入されたコンデンサ素子10の陰極側の引き出し電極部を金属ケース11の内底面にレーザー溶接等によって機械的かつ電気的に接合するようにしたものである。
12はアルミニウム製の封口板、12aはこの封口板12の表面側に一体で設けられた外部接続用の陽極端子、12bはコンデンサ素子10の中空部10a内に嵌まり込む突起、12cは電解液注入孔、13は圧力調整弁であり、コンデンサ素子10の陽極側の引き出し電極部を封口部12の内面にレーザー溶接等の手段によって接合することにより、機械的かつ電気的に接合すると共に、この封口板12の周縁上で上記金属ケース11の開口部を巻き込むように加工(一般に、カーリング加工と呼ばれている)することによって封止して構成されたものである。
このように構成された従来の電気二重層コンデンサは、コンデンサ素子10の両端面に設けられた一対の引き出し電極部を金属ケース11と封口板12に夫々直接接合することにより、コンデンサ素子10の一方の電極を金属ケース11から、他方の電極を封口板12から取り出す構成としたことにより、小型化と接続抵抗の低減を図ることができるというものであった。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2004−134632号公報
しかしながら上記従来の電気二重層コンデンサでは、コンデンサ素子10の両端面に夫々設けられた一対の引き出し電極部は、図6に示すように、一方の電極のみが端面に露出するようにして陽極あるいは陰極の引き出し電極部を構成するようにしているために各電極間は密度が粗い状態になっており、このような引き出し電極部に金属ケース11あるいは封口板12を押し当てて溶接する際に、安定度が悪いという問題があった。
さらに上記溶接による接合は、コンデンサ素子10の両端面に設けられた各引き出し電極部に金属ケース11の内底面ならびに封口板12の内面を夫々押し当てた状態で、金属ケース11の外底面ならびに封口板12の表面側から夫々レーザー光を照射することによりレーザー溶接を行って接合するようにしているため、コンデンサ素子10の引き出し電極部まで十分に溶融されているかどうかという溶接状態の確認が難しく、安定した品質の溶接を行うことが極めて困難であるという課題を有していた。
従って、これらの課題を少しでも改善する目的で、金属ケース11の内底面ならびに封口板12の内面の一部に溶接部としての突起を設け、この突起をコンデンサ素子10の引き出し電極部に押し当てることにより引き出し電極部を部分的に潰すように加工して各電極間の密度を高め、この密度が高まった部分でレーザー溶接を行うことによって溶接品質の安定化を図るようにしていたが、このような手段を用いることによって溶接品質が向上しても、溶接箇所が一部分であることから溶接品質の安定というレベルには到達せず、多くの課題を残すものであった。
本発明はこのような従来の課題を解決し、コンデンサ素子の引き出し電極部と金属ケースならびに封口板の接続信頼性を高めた電気二重層コンデンサを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、帯状の金属箔からなる集電体上に分極性電極層を形成すると共に幅方向の一端側に引き出し電極部を設けた正負一対の電極を、正負の引き出し電極部を夫々逆方向にしてその間にセパレータを介在させて巻回することにより正負の引き出し電極部が対向する端面に夫々露出するように構成されるコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収容し、かつ。コンデンサ素子の一方の引き出し電極部を内底面に接合した有底筒状の金属ケースと、上記コンデンサ素子の他方の引き出し電極部を内面に接合して上記金属ケースの開口部を封止した端子板からなる電気二重層コンデンサにおいて、上記コンデンサ素子の各端面に設けられた引き出し電極部を構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成のものである。
以上のように本発明による電気二重層コンデンサは、コンデンサ素子の各端面に設けられた引き出し電極部を構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成により、引き出し電極部全体に亘って各電極間の密度を高めることができるようになり、これにより、コンデンサ素子の引き出し電極部と金属ケースならびに端子板の密着性が向上してレーザー溶接が良好に行えるようになるため、高品質の接合を実現することができるようになるという効果が得られるものである。
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1による電気二重層コンデンサの構成を示した断面図、図2は同電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図であり、図1と図2において、1はコンデンサ素子、1aと1bはこのコンデンサ素子1の両端面に夫々形成された正負一対の引き出し電極部、1cは中空部である。
また、上記コンデンサ素子1は帯状のアルミニウム箔からなる集電体上に分極性電極層を形成すると共に、幅方向の一端側に引き出し電極部1a、1bを設けた正負一対の電極を、正負の引き出し電極部1a、1bを夫々逆方向にしてその間にセパレータを介在させて巻回する(全て図示せず)ことにより、正負の引き出し電極部1a、1bが対向する端面(図1において上下方向)に夫々露出するように構成され、さらに、両端面に夫々形成された引き出し電極部1a、1bは、引き出し電極部1a、1bを構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成としているものである。
2は上記コンデンサ素子1を図示しない駆動用電解液と共に収容したアルミニウム製の有底円筒状の金属ケース、2aはこの金属ケース2の内底面に一体で設けられた突起であり、この突起2aを上記コンデンサ素子1の中空部1cに嵌め込んで金属ケース2内に挿入されたコンデンサ素子1の端面に形成された一方の引き出し電極部1bを金属ケース2の内底面にレーザー溶接等の手段によって接合することにより、機械的かつ電気的に接合するようにしたものである。
3は外周面に上段が小径となる段部が円環状に設けられた端子板、3aはこの端子板3の内面に設けられた突起、3bは端子板3の内面に設けられた凹部、3cは端子板3の表面に設けられた外部接続用のネジ部であり、上記突起3aをコンデンサ素子1の中空部1cに嵌め込むと共に、コンデンサ素子1の端面に形成された他方の引き出し電極部1aを端子板3の凹部3b内でレーザー溶接等の手段によって接合することにより、機械的かつ電気的に接合するようにしたものである。
4は断面が逆L字形に形成されたリング状の封口ゴムであり、この封口ゴム4は上記端子板3の段部の平面部とこれに繋がる下側外周面に内面が当接すると共に、外周面が上記金属ケース2の内周面に当接するように構成されており、この封口ゴム4の外周面を金属ケース2の外周面の絞り加工(絞り加工部2b)により圧縮すると共に、封口ゴム4の平面部分を金属ケース2の開口端のカーリング加工(カーリング加工部2c)により圧縮することにより封止を行うように構成されたものである。
このように構成された本実施の形態による電気二重層コンデンサは、コンデンサ素子1の両端面に夫々露出するように設けられた正負一対の引き出し電極部1a、1bを構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成にしたことにより、引き出し電極部1a、1b全体に亘って各電極間の密度を高めることができるようになるため、コンデンサ素子1の引き出し電極部1a、1bと端子板3ならびに金属ケース2の密着性が向上してレーザー溶接を確実に行えるようになるため、高品質の接合を行うことができるようになるという格別の効果を奏するものである。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で説明した電気二重層コンデンサのコンデンサ素子に設けられた引き出し電極部の構成が一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
図3は本発明の実施の形態2による電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図であり、図3において、5はコンデンサ素子、5aと5b(図示せず)はこのコンデンサ素子5の両端面に夫々設けられた正負一対の引き出し電極部、5cは中空部である。
また、上記引き出し電極部5a、5bを構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成は実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、端子板3と接合される側の引き出し電極部5aを構成する電極の外周部のみを中心に向かって倒れるように傾斜させた構成にしたものである。
このような構成にすることにより、コンデンサ素子5の両端面に夫々露出するように設けられた一対の引き出し電極部5a、5bのうち、端子板3と接合される側の引き出し電極部5aの外周部が中心に向かって傾斜したようになるため、この引き出し電極部5aが金属ケース2の内面に当接して短絡することを防止することができるようになり、更に信頼性の高い電気二重層コンデンサを提供することができるという格別の効果を奏するものである。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項3に記載の発明について説明する。
本実施の形態は、上記実施の形態1で説明した電気二重層コンデンサのコンデンサ素子に設けられた引き出し電極部の外周部を絶縁テープで被覆した構成のものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて説明する。
図4は本発明の実施の形態3による電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図であり、図4において、1はコンデンサ素子、1aと1b(図示せず)はこのコンデンサ素子1の両端面に夫々形成された正負一対の引き出し電極部、1cは中空部である。
また、上記引き出し電極部1a、1bを構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた構成は実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、端子板3と接合される側の引き出し電極部1aの少なくとも外周部を絶縁テープ6で被覆した構成にしたものである。
このような構成にすることにより、コンデンサ素子1の両端面に夫々露出するように設けられた一対の引き出し電極部1a、1bのうち、端子板3と接合される側の引き出し電極部1aの少なくとも外周部が絶縁テープ6で被覆されているため、この引き出し電極部1aが金属ケース2の内面に当接して短絡することを防止することができるようになり、更に信頼性の高い電気二重層コンデンサを提供することができるという格別の効果を奏するものである。
本発明による電気二重層コンデンサは、コンデンサ素子の引き出し電極部と金属ケースならびに端子板の各接合品質を高めて高信頼性を実現できるという効果を有し、特に高い信頼性が要求される車用の電気二重層コンデンサ等として有用である。
本発明の実施の形態1による電気二重層コンデンサの構成を示した断面図 同電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図 本発明の実施の形態2による電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図 本発明の実施の形態3による電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図 従来の電気二重層コンデンサの構成を示した断面図 電気二重層コンデンサに使用されるコンデンサ素子の引き出し電極部を示した要部断面図
符号の説明
1、5 コンデンサ素子
1a、1b、5a、5b 引き出し電極部
1c、5c 中空部
2 金属ケース
2a、3a 突起
2b 絞り加工部
2c カーリング加工部
3 端子板
3b 凹部
3c ネジ部
4 封口ゴム
6 絶縁テープ

Claims (3)

  1. 帯状の金属箔からなる集電体上に分極性電極層を形成すると共に幅方向の一端側に引き出し電極部を設けた正負一対の電極を、正負の引き出し電極部を夫々逆方向にしてその間にセパレータを介在させて巻回することにより正負の引き出し電極部が対向する端面に夫々露出するように構成されたコンデンサ素子と、このコンデンサ素子を駆動用電解液と共に収容し、かつ。コンデンサ素子の一方の引き出し電極部を内底面に接合した有底筒状の金属ケースと、上記コンデンサ素子の他方の引き出し電極部を内面に接合して上記金属ケースの開口部を封止した端子板からなる電気二重層コンデンサにおいて、上記コンデンサ素子の各端面に設けられた引き出し電極部を構成する電極を巻回方向に沿って中心から外周に向かって倒れるように傾斜させた電気二重層コンデンサ。
  2. コンデンサ素子の両端面に設けられた引き出し電極部のうち、端子板と接合される側の引き出し電極部を構成する電極の外周部のみを中心に向かって倒れるように傾斜させた請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
  3. コンデンサ素子の各端面に設けられた引き出し電極部のうち、端子板と接合される側の引き出し電極部の少なくとも外周部が覆われるように絶縁テープで被覆した請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
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