JP2007257987A - ガス放電表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】青色蛍光体層の初期電圧マージンおよび電圧寿命が維持されるとともに輝度および色度の劣化が改善されたガス放電装置を提供する。
【解決手段】互いに対向される一対の基板1,4の間の放電空間内に放電ガスが封入され、この一対の基板1,4の間に、行電極対(X,Y)と、この行電極対(X,Y)を被覆する誘電体層2と、この誘電体層2を被覆する酸化マグネシウム層3と、行電極対(X,Y)によって発生される放電によって放電ガスから発生される真空紫外線によって励起されて可視光を発生させる蛍光体層7が設けられ、この蛍光体層7が、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体によって形成されている。
【選択図】図6

Description

この発明は、真空紫外線によって励起される蛍光体を含む蛍光体層を有するガス放電表示装置に関する。
一般に、ガス放電表示装置の一つであるプラズマディスプレイパネル(PDP)は、放電空間を介して対向する一対の基板の間に、それぞれ誘電体層によって被覆された行電極対とこの行電極対に対して直交する方向に延びる列電極が設けられ、この行電極対と列電極が交差する部分の放電空間に放電セルがマトリクス状に形成され、各放電セル毎にそれぞれ赤,緑,青に色分けされた蛍光体層が形成された構造を備えている。
そして、放電空間内には、キセノンを含む放電ガスが封入されている。
このような構造のPDPは、行電極対の一方の行電極と列電極との間で選択的にアドレス放電が発生され、次に、このアドレス放電によって放電セルに対向する部分の誘電体層に壁電荷が形成された放電セル(発光セル)内において、行電極対の行電極間においてサステイン放電が発生されて、このサステイン放電によって放電ガス中のキセノンから真空紫外線(波長147nmの共鳴線および波長172nmの分子線)が発生され、この真空紫外線によって蛍光体層が励起されて発光することにより、赤,緑,青の蛍光体層からそれぞれ赤,緑,青の可視光が発生して、パネル面に映像信号に対応したマトリクス表示による画像が形成される。
従来、上記のようなPDP等のガス放電表示装置に備えられる蛍光体層を形成する赤,緑,青の蛍光体としては、例えば、赤色蛍光体として(Y、Gd)BO3:Euが知られており、緑色蛍光体として(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Mnが知られており、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Eu(BAM系青色蛍光体)が知られている。
この蛍光体層を形成する赤,緑,青の蛍光体のうち、ユーロピウム不活アルミン酸塩(BAM)系青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu)は、真空紫外線(VUV)から可視光への変換効率が他の青色蛍光体と比べて高く、高い初期輝度を実現することができる。
しかしながら、このBAM系青色蛍光体は、PDPの長期間の駆動によって劣化して、青色の色純度や輝度が著しく低下してしまうという問題を有しており、このBAM系青色蛍光体の劣化スピードが他の色の蛍光体よりも著しく速いことによって、カラーバランスが崩れて、PDPに所謂焼付けが発生してしまう原因の一つになっている。
そして、このBAM系青色蛍光体は、輝度および色度の劣化改善を図ることと、初期電圧マージンおよび電圧寿命の改善を図ることとを両立させることが難しく、これらの両立を実現することが長年の課題になっている。
この発明は、上記のような従来の真空紫外線によって励起されて発光する蛍光体層を有するガス放電表示装置における問題点を解決することをその技術的課題の一つとしている。
この発明(請求項1に記載の発明)によるガス放電表示装置は、上記目的を達成するために、互いに対向される一対の基板の間の放電空間内に放電ガスが封入されているとともに、この一対の基板の間に、放電空間内において放電を発生させる放電電極と、この放電電極を被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する酸化マグネシウム層と、放電電極によって発生される放電によって放電ガスから発生される真空紫外線によって励起されて可視光を発生させる蛍光体層が設けられているガス放電表示装置において、前記蛍光体層が、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体を含んでいることを特徴としている。
この発明は、互いに対向される一対の基板の間の放電空間内に放電ガスが封入され、この一対の基板の間に、放電空間内において放電を発生させる放電電極と、この放電電極を被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する酸化マグネシウム層と、放電電極によって発生される放電によって放電ガスから発生される真空紫外線によって励起されて可視光を発生させる蛍光体層が設けられ、この蛍光体層のうちの青色蛍光体層が、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体、例えば、BaMgAl1017:Eu2+で表される第1青色蛍光体と、この第1青色蛍光体よりも含水量が少ないBaMgAl1017:Eu2+で表される第2青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体によって形成されているガス放電表示装置をその最良の実施形態としている。
ガス放電表示装置の青色の蛍光体層が、含水量が多いユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体(例えば、BaMgAl1017:Eu2+で表される第1青色蛍光体)のみによって形成される場合には、この青色蛍光体層の輝度および色度の劣化スピードが他の赤や緑の蛍光体層と比べて速くなってカラーバランスが崩れてしまうことになり、含水量が少ないユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体(例えば、第1青色蛍光体よりも含水量が少ないBaMgAl1017:Eu2+で表される第2青色蛍光体)のみによって形成される場合には、青色蛍光体層の初期電圧マージンおよび電圧寿命が悪化してしまうことになるが、上記実施形態のガス放電表示装置によれば、青色蛍光体層が、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体を含むことによって、青色蛍光体層の初期電圧マージンおよび電圧寿命を維持しながら輝度および色度の劣化を改善して、他の色の蛍光体層との十分なカラーバランスを取ることが出来る。
上記実施形態のガス放電表示装置において、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率が20〜60パーセントになるように設定するのが好ましく、これによって、青色蛍光体層の初期電圧マージンと電圧寿命を維持しながら輝度と色度の劣化をさらに改善することが出来る。
また、上記実施形態のガス放電表示装置において、第2青色蛍光体の昇温による還元系ガス発生量の炭化系ガス発生量に対する割合(例えば、1未満)が、第1青色蛍光体の昇温による還元系ガス発生量の炭化系ガス発生量に対する割合(例えば、1以上)よりも小さく、この第1青色蛍光体と第2青色蛍光体とが混合された混合青色蛍光体における還元系ガス発生量と炭化系ガス発生量との比(ガス・バランス値)が0.9〜1.5となるように設定することが好ましく、これによって、青色蛍光体層の初期電圧マージンと電圧寿命を維持しながら輝度と色度の劣化を改善することが出来る。
また、上記実施形態のガス放電表示装置において、放電ガスが、キセノンを10体積パーセント以上含むようにすることが好ましく、これによってパネルの輝度を向上させることが出来るようになる。
図1は、この発明によるガス放電表示装置の実施形態における一実施例を示しており、ガス放電表示装置の一種であるPDPを列方向に沿って断面した場合の一個の放電セルの周辺の構成を示している。
この図1において、PDPは、表示面である前面ガラス基板1の背面に、行方向(図1において紙面に垂直方向)に延びるとともに列方向(図1において左右方向)に並設された行電極対(X,Y)が形成されている。
この行電極対(X,Y)を構成する行電極XとYは、それぞれ、行方向に帯状に延びるバス電極Xa,Yaと、このバス電極Xa,Yaに沿って等間隔に配列されてそれぞれバス電極Xa,Yaから対になっている他方の行電極側に延びて互いに放電ギャップgを介して対向される透明電極Xb,Ybとから構成されている。
そして、前面ガラス基板1の背面側に誘電体層2が形成されていて、この誘電体層2によって行電極対(X,Y)が被覆され、さらに、この誘電体層2の表面が酸化マグネシウム(MgO)によって形成される保護層3によって被覆されている。
一方、前面ガラス基板1と放電空間を介して対向する背面ガラス基板4の表示側の面上には、アドレス電極Dが、各行電極対(X,Y)の互いに対になっている透明電極XbおよびYbに対向する位置において行電極対(X,Y)と直交する列方向に延びるとともに、行方向に互いに所定の間隔を開けて平行に並設されている。
背面ガラス基板4の表示側の面上には、さらに、アドレス電極Dを被覆する白色の列電極保護層(誘電体層)5が形成されている。
そして、この列電極保護層5上に、それぞれバス電極Xa,Yaに対向する位置において行方向に延びるとともに列方向に並設された横壁部6Aと、列方向に並設された各アドレス電極Dの中間位置に対向する位置において列方向に延びるとともに行方向に並設された縦壁部(図示せず)とによって略格子形状に成形された隔壁6が形成されており、この隔壁6によって、放電空間が、各行電極対(X,Y)の放電ギャップgを介して対向される透明電極Xb,Ybに対向する部分毎にマトリクス状に区画されて、それぞれ放電セルCが形成されている。
さらに、この各放電セルC内において、隔壁6の横壁部6Aと縦壁部の間の列電極保護層6の表面と各横壁部6Aと縦壁部の側面の五つの面に、それぞれ赤,緑,青に色分けされた蛍光体層7が、赤,緑,青の順に行方向に並ぶように形成されている。
そして、この前面ガラス基板1と背面ガラス基板4の間の放電空間内には、10体積パーセント以上のキセノンを含む放電ガスが封入されている。
このPDPの赤,緑,青の蛍光体層7は、後述するように、行電極対(X,Y)の放電ギャップgを介して互いに対向する透明電極XbとYb間において発生される放電(サステイン放電)によって放電ガス中のキセノンから発生する真空紫外線により励起されて、それぞれ、赤,緑,青の各色の可視光を発生する。
この蛍光体層7のうち、真空紫外線によって励起されて発光することにより青色の可視光を発生する蛍光体層(以下、青色蛍光体層という)が、組成(化学式)はBaMgAl1017:Eu2+で同じであるが、蛍光体を生成する焼成行程の違いによって、含んでいる構造水(蛍光体に含まれる水分)の量が異なるユーロピウム不活アルミン酸塩(BAM)系の第1青色蛍光体と第2青色蛍光体が混合された青色蛍光材料(以下、混合青色蛍光材料)によって、形成されている。
すなわち、第1青色蛍光体は従来の青色蛍光体と同様の量の構造水を含んでおり、第2青色蛍光体は、第1青色蛍光体よりも少ない構造水を含んでおり、例えば、第2青色蛍光体について、その焼成行程において二段階の加熱処理が行われることによって、含んでいる構造水が第1青色蛍光体よりも減少されている。
この第2青色蛍光体のように、含んでいる構造水が少ないBAM系青色蛍光体は、壊れ難いので、第1青色蛍光体よりも輝度および色度劣化が少ないという特性を有している。
すなわち、BAM系青色蛍光体は、元々壊れ易い構造を有しており、構造水のインターカレーション(無機層状結晶の層と層の間に異種の分子やイオンが取り込まれる反応)によって、さらにその構造が弱くなっているため、含んでいる構造水が多いほど真空紫外線の照射によって、輝度および色度が劣化し易くなる。
この構造水を多く含むBAM系青色蛍光体の輝度および色度の劣化は、一般的に、蛍光体が真空紫外線により励起されることによって脱水されて、BAMの母体結晶から水イオンが飛び出す際に、この母体結晶が破損するためと考えられている。
一方、構造水を多く含むBAM系青色蛍光体は、その母体結晶が真空紫外線の照射によって破損する際に構造水を放出することにより、酸化マグネシウム(MgO)によって形成される保護層3のγ特性を向上させることが出来、これによって、PDPの放電発生時の初期電圧マージンおよび電圧寿命を改善するという効果を発揮する。
このように、BAM系青色蛍光体は、含んでいる構造水が多い場合には、BAMが壊れ易く、輝度および色度の劣化が激しくなるが、真空紫外線が照射された際の構造水の放出によって、初期電圧マージンと電圧寿命の改善および緑色蛍光体の輝度劣化の防止を図ることが出来、反対に、含んでいる構造水が少ない場合には、BAMが壊れ難くなって、輝度および色度の劣化は改善されるが、初期電圧マージンと電圧寿命の改善および緑色蛍光体の輝度劣化防止効果は少なくなってしまうという性質を有している。
このため、PDPの青色蛍光体層7の輝度および色度の劣化防止と、初期電圧マージンと電圧寿命の改善および緑色蛍光体の輝度劣化防止とを両立させるためには、この青色蛍光体層7を形成する混合青色蛍光体の第1青色蛍光体と第2青色蛍光体の混合比率が問題になってくる。
以下、この混合青色蛍光体の第1青色蛍光体と第2青色蛍光体の混合比率を設定するために行われた分析結果について説明する。
図2は、二つの第1青色蛍光体(すなわち、従来のBAM系青色蛍光体)A,Bと、二つの第2青色蛍光体(すなわち、第1青色蛍光体よりも含んでいる構造水が少ないBAM系青色蛍光体)C,Dのそれぞれの粉末に対して行われた昇温脱離ガス分析において、0〜1000℃の温度領域において第1青色蛍光体A,Bおよび第2青色蛍光体C,DのそれぞれのBAM系青色蛍光体から放出されるガスの総量を示している。
図3は、図2の0〜1000℃の温度領域において発生する各種ガスの第1青色蛍光体A,Bおよび第2青色蛍光体C,Dの各BAM系青色蛍光体における割合を示している。
なお、この図2および3のガス名が表記されていない部分には、HeおよびCH4,NH3,CO,O2,Ar等のガスが含まれている。
この図2および3から分かるように、それぞれのBAM系青色蛍光体から発生するH2Oガス(構造水の水蒸気)の量および各BAM系青色蛍光体における発生ガスの総量に対するH2Oガスの割合の何れも、第1青色蛍光体A,Bの方が第2青色蛍光体C,Dよりも多い。
図4は、この図2および3に示された昇温離脱ガス特性を有する第1青色蛍光体A,Bと第2青色蛍光体C,Dのそれぞれの真空紫外線(147nm)の照射時間に対する輝度/y維持率を示すグラフである。
この図4から、第2青色蛍光体C,Dは、その輝度/y維持率の真空紫外線照射時間に対する低下率(劣化)が、第1青色蛍光体A,Bよりも非常に小さく、第2青色蛍光体C,Dによって図1のPDPの青色蛍光体層7を形成すると、PDPの青輝度の寿命を改善出来ることが分かる。
ここで、PDPにおいては、プラズマの照射によって蛍光体層から発生する水イオンは、プラズマ中において水素イオンと酸素イオンに分解して保護層を形成する酸化マグネシウムと接触し、このとき、水素イオンと酸化マグネシウムとの接触確率が高い場合には、酸化マグネシウムが還元されて、酸化マグネシウム内に酸素ベーカンシ(Vセンタ)が形成され、このようにして活性化された酸化マグネシウムは二次電子放出係数が高くなって、PDPの放電電圧を下げると考えられている。
一方、プラズマの照射によってPDPの蛍光体層から酸素ガスや一酸化炭素ガス,二酸化炭素ガスが多く発生して保護層を形成する酸化マグネシウムとの接触確率が高い場合には、酸化マグネシウムが局所的に炭化してMgCO3等の物質に変質することによってバンドギャップが広くなり、二次電子放出係数が小さくなって、放電電圧が上昇したり電圧マージンが小さくなってしまう。
図5は、蛍光体層7を形成する混合青色蛍光体における第2青色蛍光体(図2および3のCまたはD)の混合比率と輝度・色度劣化改善率との関係を示すグラフである。
この図5から分かるように、輝度・色度劣化改善率は、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体(図2および3のCまたはD)の混合比率に比例しており、第2青色蛍光体の混合比率が高くなるほど輝度・色度劣化改善率が高くなる。
図6は、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率と初期電圧マージンとの関係を示すグラフである。
この図6から分かるように、初期電圧マージンは、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率が約60パーセントまでは、ほぼ一定の高い値を示すが、第2青色蛍光体の混合比率が60パーセントよりも大きくなると、急激に小さくなって悪化する。
また、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率が20パーセント以下の場合でも、初期電圧マージンはほぼ一定の高い値を維持するが、図5から、輝度および色度の劣化防止を図ることが出来なくなる。
青色蛍光体層の電圧寿命と緑色蛍光体層の劣化防止効果も、図3と同様の特性を示す。
この図5と6からは、混合青色蛍光体によって形成される青色蛍光体層7の初期電圧マージンおよび電圧寿命を維持しながら、十分な輝度・色度劣化改善率を得るためには、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率を約20〜60パーセントに設定するのが最適であることが分かる。
なお、混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率が20パーセント以下(例えば、18パーセント)の場合でも、全く輝度および色度の劣化防止効果が無い訳ではないが、実用上、第2青色蛍光体の混合比率を20パーセント以上に設定するのが好ましい。
ここで、図2および3に示されるように、第1青色蛍光体は、炭化系ガスの発生量に対する還元系ガスの発生量の割合が高く(含んでいる構造水が多く)、第2青色蛍光体は、炭化系ガスの発生量に対する還元系ガスの発生量の割合が低い(含んでいる構造水が少ない)ため、上記のような青色蛍光体層7を形成する混合青色蛍光体における第1青色蛍光体と第2青色蛍光体の混合比を、この青色蛍光体層7から発生する還元系ガスの発生量と炭化系ガスの発生量とのガス・バランス(割合)という観点からも設定することが出来る。
図7は、図2,3に示される第1青色蛍光体A,Bおよび第2青色蛍光体C,Dのそれぞれの炭化系ガス(CO+CO2)発生量に対する還元系ガス(H2O)発生量の割合(ガス・バランス値)を示したグラフであり、この炭化系ガスと還元系ガスのガス・バランス値が大きいほど、青色蛍光体中に含まれる構造水の量が多いことを示している。
前述したように、青色蛍光体層の初期電圧マージンと電圧寿命の改善等を図るためには、ガス・バランス値が1.5以上または2.0以上の青色蛍光体が用いられるのが好ましいが、輝度および色度の劣化防止を図るためには、このガス・バランス値が小さい青色蛍光体が用いられるのが好ましい。
図8は混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率とガス・バランス値との関係を示したグラフである。
この図8から、混合青色蛍光体の混合比率が60パーセント以下の場合、混合青色蛍光体のガス・バランス値は約0.9以上になり、混合青色蛍光体の混合比率が20パーセント以上の場合、混合青色蛍光体のガス・バランス値は約1.5以下になる。
従って、図5,6から求められた混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率20〜60パーセントと、図7,8に示されている第1青色蛍光体A,Bと第2青色蛍光体C,Dのそれぞれの炭化系ガスと還元系ガスのガス・バランス値から、PDPの初期電圧マージンおよび電圧寿命の改善と青色蛍光体層の輝度劣化防止を両立させるためには、青色蛍光体層を形成する混合青色蛍光体のガス・バランス値を約0.9〜1.5の範囲に設定するのが好ましことが分かる。
上記実施例のガス放電表示装置は、互いに対向される一対の基板の間の放電空間内に放電ガスが封入され、この一対の基板の間に、放電空間内において放電を発生させる放電電極と、この放電電極を被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する酸化マグネシウム層と、放電電極によって発生される放電によって放電ガスから発生される真空紫外線によって励起されて可視光を発生させる蛍光体層が設けられ、この蛍光体層が、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体を含んでいるガス放電表示装置を、その上位概念の実施形態としている。
この上位概念を構成するガス放電表示装置は、青色の蛍光体層が、含水量が多いユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体のみを含んでいる場合には、この青色蛍光体層の輝度および色度の劣化スピードが他の赤および緑の蛍光体層と比べて速くなってカラーバランスが崩れてしまうことになり、また、含水量が少ないユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体のみを含んでいる場合には、青色蛍光体層の初期電圧マージンおよび電圧寿命が悪化してしまうのに対して、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体を含むことによって、青色蛍光体層の初期電圧マージンおよび電圧寿命を維持しながら輝度および色度の劣化を改善して、他の色の蛍光体層との十分なカラーバランスを取ることが出来る。
この発明によるガス放電装置の一実施例を示す断面図である。 青色蛍光体の発生ガス総量の比較を示す図である。 青色蛍光体の発生ガス割合の比較を示す図である。 青色蛍光体の輝度/y維持率の比較を示す図である。 青色蛍光体の含水量による輝度劣化改善率の変化を示す図である。 青色蛍光体の含水量による初期電圧マージンの変化を示す図である。 青色蛍光体のガス・バランス値の比較を示す図である。 混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率とガス・バランス値の関係を示す図である。
符号の説明
1 …前面ガラス基板(基板)
3 …保護層(酸化マグネシウム層)
4 …背面ガラス基板(基板)
7 …蛍光体層
C …放電セル
X,Y …行電極(放電電極)

Claims (6)

  1. 互いに対向される一対の基板の間の放電空間内に放電ガスが封入されているとともに、この一対の基板の間に、放電空間内において放電を発生させる放電電極と、この放電電極を被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する酸化マグネシウム層と、放電電極によって発生される放電によって放電ガスから発生される真空紫外線によって励起されて可視光を発生させる蛍光体層が設けられているガス放電表示装置において、
    前記蛍光体層が、含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が混合された混合青色蛍光体を含んでいることを特徴とするガス放電表示装置。
  2. 前記含水量が互いに異なる二つのユーロピウム不活アルミン酸塩系青色蛍光体が、BaMgAl1017:Eu2+で表される第1青色蛍光体と、この第1青色蛍光体よりも含水量が少ないBaMgAl1017:Eu2+で表される第2青色蛍光体である請求項1に記載のガス放電表示装置。
  3. 前記混合青色蛍光体における第2青色蛍光体の混合比率が、20〜60パーセントである請求項2に記載のガス放電表示装置。
  4. 前記第2青色蛍光体の昇温による還元系ガス発生量の炭化系ガス発生量に対する割合が、第1青色蛍光体の昇温による還元系ガス発生量の炭化系ガス発生量に対する割合よりも小さい請求項2に記載のガス放電表示装置。
  5. 前記第1青色蛍光体における還元系ガス発生量と炭化系ガス発生量との比が1以上であり、第2青色蛍光体における還元系ガス発生量と炭化系ガス発生量との比が1未満であり、混合青色蛍光体における還元系ガス発生量と炭化系ガス発生量との比が0.9〜1.5である請求項4に記載のガス放電表示装置。
  6. 前記放電ガスが、キセノンを10体積パーセント以上含んでいる請求項1に記載のガス放電表示装置。
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