JP2007256315A - 現像ローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】現像ローラに起因する印字性能の低下要因を除去することを目的とし、長期に渡って高い印字性能を確保することができる現像ローラの開発を課題とする。
【解決手段】現像ローラ1には、導電性シャフト(芯体)2の周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に中間層6があり、最外層に表面層7が設けられている。表面層7を構成する樹脂又はゴムの100%モジュラスは、隣接する中間層6の100%モジュラスよりも低く、当該中間層6の100%モジュラスは、弾性層3の100%モジュラスよりも高い。現像ローラ1は、その表面にトナーがこびりつき難く、現像ローラ1を使用するとトナーの劣化が抑制される。
【選択図】図2

Description

本発明は、現像ローラに関するものであり、複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置など電子写真方式を採用した装置に組み込まれる現像ローラとして好適なものである。
近年、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式による印字装置等を備えたOA機器が普及している。
電子写真方式による印字装置は例えば図1の様に感光ドラム10を中心として帯電ローラ11、露光部12、現像ローラ1、転写ローラ13及びクリーニングブレード15を配したものである。現像ローラ1は、トナー収容部16の開口近傍と感光ドラム10との間に設けられている。トナー収容部16にはトナーが帯電状態で収納されている。
電子写真方式による印字装置では、帯電ローラ11で感光ドラム10を一様に帯電し、露光部12で露光して感光ドラム10上に静電潜像を形成させる。さらに感光ドラム10に現像ローラ1を押し当てて感光ドラム10にトナーを供給する。トナーは帯電した状態で感光ドラム10に供給され、静電潜像上にトナーが供給してトナー像を形成する。そして感光ドラム10と転写ローラ13との間に挟まれた記録紙等にトナー像を転写する。また残余のトナーは、クリーニングブレード15でかき落とされ、トナー収容部に回収されて再利用される。
上記した様に現像ローラ1は感光ドラム10などの静電潜像担持体へトナーを搬送する機能を有するものである。
図2は、一般的な現像ローラ1の断面図及びその一部拡大図である。
現像ローラ1は、特許文献1に開示された様に、ステンレススチール製、SUM材製、アルミニウム合金製などの導電性シャフト(芯体)2を持ち、この周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に表層部5が設けられたものである。旧来の現像ローラ1では、表層部5は単層であったが、表層部5が複数層に別れているものもある。
図2に示す例では、表層部5は中間層6と表面層7とを有している。
中間層6は、弾性層3からのブリード物のブロック層としての機能や、抵抗調整を目的として設けられる。一方で、表層部5に皺が生じることを防ぐため、中間層6の物理的性質は、表面層7と弾性層3との中間的なものとなる様に調製されている。
特開2001−132858号公報
ところで電子写真方式による印字装置を長期間に渡って使用すると、印字性能が次第に劣化し、鮮明度が低下する。
この原因は多数考えられ、複数の要因が重複して生じるものであり、現像ローラに起因する要因もある。
本発明は、現像ローラに起因する印字性能の低下要因を除去することを目的とするものであり、長期に渡って高い印字性能を確保することができる現像ローラの開発を課題とするものである。
本発明者は、上記した課題を解決するため、現像ローラに起因する印字性能の低下要因について調査した。ここで公知の低下要因として現像ローラのトナーフィルミングがある。トナーフィルミングとは現像ローラの表面にトナーがこびりつく現象であり、現像ローラにトナーが過度にこびり付くと、印字装置の性能が低下する。
また本発明者が新たに着目した要因として、トナーの劣化現象がある。即ち現像ローラによってトナー収容部16のトナーが感光ドラム10に供給されるが、転写に寄与しなかったトナーは、トナー収容部16に回収されて再利用される。実際上、転写に寄与するトナーは、僅かであり、大多数のトナーは、クリーニングブレード15でかき落とされ、トナー収容部に回収されて再利用される。
従ってトナー収容部16内のトナーは転写される迄の間に、何度も繰り返して現像ローラと接する。
その結果、トナー自体が変性し、性能が劣化する。具体的には、トナーの帯電量が低下してしまう。
そこで本発明者は、トナーフィルミングとトナー自体の劣化に注目し、両者がより軽減される条件を研究した。
その結果、弾性層、中間層及び表面層を有する現像ロールにおいては、表面層のモジュラスを中間層のモジュラスよりも低くすることにより、トナーフィルミングが減少し、トナー自体の劣化も抑制されることが判った。
即ち従来技術においては、中間層6の物理的性質は、表面層5と弾性層3の間のものとすることが当業者の間で常識であったが、低モジュラスの弾性体にこれよりも高モジュラスの中間層を設け、この中間層の外側に中間層よりも低モジュラスの表面層を設けると、トナーフィルミングが減少し、トナー自体の劣化も抑制されることが判った。
上記した知見に基づく請求項1に記載の発明は、感光ドラムに接した状態で回転し、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラであって、芯体の外周側に弾性層が設けられ、最外表面に樹脂又はゴムを素材とする表面層があり、前記表面層と弾性層との間に樹脂又はゴムを素材とする中間層が設けられた現像ローラにおいて、表面層を構成する樹脂又はゴムのモジュラスは、隣接する中間層のモジュラスよりも低く、当該中間層のモジュラスは、弾性層のモジュラスよりも高いことを特徴とする現像ローラである。
また表面層の100%モジュラスが5MPa以下である場合に、前記した効果がより顕著であることが判った。
即ち請求項2に記載の発明は、感光ドラムに接した状態で回転し、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラであって、芯体の外周側に弾性層が設けられ、最外表面に樹脂又はゴムを素材とする表面層があり、前記表面層と弾性層との間に樹脂又はゴムを素材とする中間層が設けられた現像ローラにおいて、表面層を構成する樹脂又はゴムの100%モジュラスは5MPa以下であり、且つ表面層を構成する樹脂又はゴムの100%モジュラスは、隣接する中間層の100%モジュラスよりも低く、当該中間層の100%モジュラスは、弾性層の100%モジュラスよりも高いことを特徴とする現像ローラである。
また表面層の厚さは、10μm未満であることが望ましいことが判った(請求項3)。
本発明の現像ローラは、長期使用において表面にトナーがこびりつき難い。また本発明の現像ローラを使用するとトナーの劣化が抑制される。
そのため本発明の現像ローラをプリンター等に使用すると、長期に渡って高い印字性能等が維持される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の現像ローラ1の断面形状は、前記した図2と同様であり、導電性シャフト(芯体)2の周囲に弾性層3が設けられ、さらにその外周に中間層6があり、最外層に表面層7が設けられたものである。
導電性シャフト(芯体)2は、直径が6〜10mm程度である。導電性シャフト(芯体)2の素材はステンレススチール、SUM材、アルミニウム等の金属を採用することが推奨されるが、導電性を有する樹脂であってもよい。
そして本実施形態の現像ローラ1は、各層のモジュラスに特徴があり、各層の100%モジュラスを比較すると弾性層3のモジュラスが最も低く、次いで表面層7のモジュラスが低く、中間層6はモジュラスが最も高い。
即ち現像ローラ1は、最外表面に樹脂又はゴムを素材とする表面層7があり、表面層7と弾性層3との間に樹脂等の中間層6が設けられており、表面層7を構成する樹脂等の100%モジュラスは隣接する中間層6の100%モジュラスよりも低く、当該中間層6の100%モジュラスは、弾性層3の100%モジュラスよりも高い。
具体的に各層の100%モジュラス及び厚さを列記すると、弾性層3の100%モジュラスは2MPa以下、より好ましくは1MPa以下である。
弾性層3の厚さは1〜20mmであり、通常は2〜6mm程度である。
中間層6の100%モジュラスは、前記した弾性層3のモジュラスよりも高く、且つその範囲は8MPa以下であり、より好ましくは5MPa以下である。
中間層6の厚さは、5〜300μm程度であり、推奨される範囲は6〜20μm程度である。
表面層7の100%モジュラスは、前記した中間層6の100%モジュラスよりも低く、且つ5MPa以下であり、好ましくは4MPa以下である。最も推奨される表面層7の100%モジュラスは、1〜4MPaである。
表面層7の厚さは、前記した各層の中で最も薄いものであり、2〜50μmである。ただし表面層7は薄い方が望ましく、推奨される表面層7の厚さは2〜10μmである。
前記弾性層3の材料としては、NBR、シリコーン、変性シリコーン、ウレタン等の材料を用いることが可能である。発泡体からなる材料を用いてもよい。JIS Z 0237に準ずる傾斜式ボールタック試験(傾斜角30゜、23℃)で1〜13、好ましくは2〜13がよい。
前記の観点より、弾性層3の材料として、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須成分とする硬化性組成物の硬化物を好適に使用することができる。前記硬化性組成物は分子量及び官能基量を変化させることで、容易に硬化物の物性を制御することができる。
前記(A)成分の、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体のアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。好適には、下記一般式(1):
2C=C(R1)−CH2− (1)(式中、R1は水素原子またはメチル基)
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。また、(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度のゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
また、(A)成分の有機重合体の主鎖は任意の重合体から選ぶことができ、特に制限されるものではない。例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリオキシアルキレン、ポリシロキサン、ポリスルフィドなどが挙げられる。特に、オキシアルキレン単位からなる重合体は、硬化前に低粘度であるため扱いやすく、好ましい。
また、前記硬化性組成物の(A)成分として使用される前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30モル%以上、好ましくは50モル%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシアルキレン単位は、一種類である必要はなく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。電気特性の環境安定性において、主鎖骨格として比較的吸水性の低いオキシプロピレン単位、またはオキシブチレン単位からなる重合体であることが好ましく、コスト面を考慮すると、オキシプロピレン単位からなる重合体が、特に好ましい。
上記のようなポリオキシアルキレン系重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)(GPC法、ポリスチレン換算)で500〜50,000であることが、その取扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点で好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量が50,000以上の場合、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
次に、前記(B)成分である化合物(硬化剤)は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であれば良いが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると、硬化後も多量のヒドロシリル基硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となるため、その数を50個以下に調整するのが好ましく、更には、硬化物のゴム弾性の制御や貯蔵安定性を良好にする観点からは、2〜30個に調整することがより好ましい。尚、本発明において、ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することを意味する。よって、SiH2の場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が、硬化性とゴム弾性の点から好ましい。
このような硬化剤の分子量は、成形品の加工性を良好にする観点からは、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)(Mn)で30,000以下に調整するのが好ましく、更に、上記(A)成分であるベースポリマーとの反応性や相溶性を良好にする観点からはMnで300〜10,000に調整するのがより好ましい。
また、以上の硬化剤は、ベースポリマーの凝集力が硬化剤の凝集力に比べて大きいことを考慮すると、相溶性の点でフェニル基含有変性体を有することが重要であり、入手のし易さの点ではスチレン変成体が好適であり、貯蔵安定性の観点からはα−メチルスチレン変性体が好適である。
(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;
白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)m、Pt〔(MeViSiO)4m};
白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34};
白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34
(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化反応を十分に進行させるには、10-2〜10-6molの範囲で用いるのがさらに好ましい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10-1モル以上用いない方がよい。
弾性層3に導電性を付与する目的で、弾性層3を構成する前記硬化性組成物に導電性付与剤を添加してもよい。導電性付与剤は特に制限はなく、任意のものを使用することができる。導電性付与剤としては、カーボンブラック、金属微粉末、有機リチウム塩、無機リチウム塩、さらには、第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等を有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキシド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
導電性付与剤の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。添加量が0.01重量部未満と少なすぎると、発現される導電付与能が不十分であり、また、添加量が100重量部を越えて多すぎると硬化性組成物の粘度の上昇が大きく作業性が悪くなる恐れがある。また、用いる導電性付与剤の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与剤のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮する方が好ましい。
さらに、弾性層3を構成する前記硬化性組成物には、必要に応じて、各種充填剤、各種機能付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤を適宜添加してよい。前記充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、金属微粉末、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウムなどが挙げられる。
またさらに、弾性層3を構成する前記硬化性組成物には、貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を添加してもよい。貯蔵安定性改良剤としては、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
また、弾性層3のASKER−C硬度は20〜70°であることが好ましい。ASKER−C硬度は、JIS−K7312に記載されるタイプC硬さ試験機を用い、水平方向に固定されたローラの表面にアスカーC硬さ試験機を垂直に押し当てることにより、評価することができる。
弾性層3の形成方法としては特に限定されず、従来公知の各種ローラの成形方法を用いることができる。例えば、中心にステンレススチール製等の導電性シャフト2を設置した金型に、硬化性組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度および時間で加熱硬化させて、導電性シャフト2の周りに弾性層3を成形する。ここで、弾性層3を形成するための硬化性組成物が液状である場合、生産性、加工性の点で液状射出成形が好ましい。この場合、硬化性組成物は、半硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完全硬化させてもよい。
上記したような材料を用い、100%モジュラスが2MPa以下、好ましくは1MPa以下となるように設計することにより、弾性層3を形成することができる。
次に、中間層6について説明する。中間層6の材料としては特に限定はないが、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーやオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。これらのエラストマーは単独で用いてもよいし、併用してもよい。以下、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/またはオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いる場合を代表例として説明する。
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン・ブタジエンの共重合体及びその水素添加物、スチレン・イソプレンの共重合体及びその水素添加物、スチレン・2−メチルプロペンの共重合体、スチレン・ブタジエン・イソプレンの共重合体及びその水素添加物、及びこれら重合体にエチレンを共重合したものなどが挙げられる。良好な弾性を得るには、ブロック共重合体であることが好ましく、スチレン−ブタジエン−スチレンの水素添加物(略称SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンの水素添加物(略称SEPS)、スチレン−エチレン−イソプレン−スチレンの水素添加物(略称SEEPS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンの水素添加物(略称SEBS)、スチレン−イソブチレン−スチレン(略称SIBS)などが例として挙げられる。また、重合するスチレンモノマーには官能基が置換されたものであっても構わない。スチレン系熱可塑性エラストマーの分子量としては、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が50,000〜300,000、ゴム弾性、機械的強度、加工性の観点から、70,000〜150,000で好適に用いられる。分子量が50,000未満のものはゴム弾性及び機械的強度が劣り、300,000以上のものは溶剤への溶解性が悪く、また弾性層3に塗布した後にひび割れが生じやすくなる。また、スチレン含有量は5〜50重量%が好ましく、特に15〜30重量%が好ましい。ポリスチレン含有量が多くなると、硬度が高くなり膜形成が困難であり、また、含有量が少なくなると、溶液粘度が高くなり加工性が低下する。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・ヘキセン共重合体、エチレン・プロピレン・5−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体が挙げられる。これらの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のどれでも良く、硫黄、過酸化物等により架橋しても構わない。オレフィン系熱可塑性エラストマーの分子量としては、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)が50,000〜500,000、ゴム弾性、機械的強度、塗布性の観点から、70,000〜300,000で好適に用いられる。分子量が50,000未満のものはゴム弾性及び機械的強度が劣り、500,000以上のものは溶剤への溶解性が悪く、また弾性層3に塗布した後にひび割れが生じやすい。また、エチレン含有量は30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%のものが好適に用いられる。
また、中間層6を構成する樹脂組成物には抵抗調整、表面形状の調整あるいは弾性層に対する接着性等の観点から、導電性付与剤、各種フィラー等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、弾性層3と中間層6との接着性をさらに向上させるために、弾性層3の表面をプライマー処理した後、中間層6を形成することが好ましい。プライマーとしては、各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
また、現像ローラ1を非磁性一成分接触現像方式の現像ローラとして使用する場合には、ローラ表面の凹凸がトナーの搬送性に重要な役割を果たすため、ローラ表面に凹凸を付与する有機系フィラーが中間層6(及び/又は表面層7)に添加される。中間層6に添加される有機系フィラーとしては、ローラ表面に凹凸をつけることができるものであれば特に限定はないが、ウレタン系、アクリル系、スチレン系等の有機系フィラーが、トナーの帯電を安定化するために好ましい。有機系フィラーの平均粒子径の測定方法としては、公知の評価方法であれば特に限定はなく、有機系フィラーを適切に分散させた懸濁液をレーザー回折および散乱法に基づいた評価を行うことが、評価ばらつきを最小に抑える観点で好ましい。また、中間層6に添加される有機系フィラーの平均粒子径は1〜40μmであることが好ましく、4〜30μmであることが特に好ましい。なお、平均粒子径が1μm未満であると、中間層6の膜厚より小さくなるため、凹凸を付与する効果が小さくなる。一方、平均粒子径が40μmを超えると、導電性ローラの表面の凸が大きくなるため、画像に悪影響を与える。
中間層6の形成方法としては特に制限はないが、例えば、導電性シャフト2の周りに形成された弾性層3の外周面上に、中間層6を構成する樹脂組成物をスプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥、硬化させることにより、中間層6を形成することができる。具体的には、スチレン系熱可塑性エラストマー及び/またはオレフィン系熱可塑性エラストマーを溶剤に溶かして固形分を3〜20%にし、弾性層3の外周面上にスプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。このときに使用する溶剤は、中間層6の主成分である熱可塑性エラストマーが相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるが、非極性溶剤であるトルエン、キシレン、ヘキサン等が好適に用いられる。さらに、溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
中間層6の乾燥温度としては、50〜200℃が好ましく、さらに中間層6の熱的安定性を考慮すると、50〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が50℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、内層の弾性層3及び中間層6の劣化を招く恐れがある。また、中間層6の厚さは、上記したように5〜300μm程度であり、推奨される範囲は6〜20μm程度である。ここで中間層6の厚さを調整するために、上記したスプレー、ディップ塗布等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。
上記したような材料を用い、100%モジュラスが弾性層3の100%モジュラスよりも高く、且つ8MPa以下、好ましくは5MPa以下になるように設計することにより、中間層6を形成することができる。
次に、表面層7について説明する。表面層7の材料としては所望のモジュラスを示すものであれば特に限定はないが、例えば、耐磨耗性能に優れたウレタン樹脂を用いることができる。ウレタン樹脂としては、ウレタン基、ウレア基、アロハネート基及びビュレット基等のウレタン樹脂の製造過程で形成される官能基を有する樹脂であれば、特に限定されるものではない。さらに、表面層7は適度な柔軟性を有する必要があり、この観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂からなることが好ましく、これらはポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンのブレンド樹脂、あるいは1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を有するウレタン樹脂であってもよい。
また一般的に、ウレタン樹脂は、ヒドロキシ基やアミノ基等の活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を3次元網目構造に重合する熱硬化性ウレタン樹脂と、前記活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を高分子量に重合、鎖伸長した熱可塑性ウレタン樹脂、の2種類に分けられる。熱可塑性ウレタン樹脂は、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、イソプロパノール等各種溶剤に可溶であるので、予め重合した熱可塑性ウレタン樹脂を溶剤で希釈し、コーティング、乾燥という、非常に簡便な工程により被覆層を形成することが可能である。また、予め重合するということは、安全上取扱が困難なイソシアネート基を含有する化合物を閉鎖系で重合した後に、残存イソシアネート基をほとんど含有していない熱可塑性ウレタン樹脂として、開放系でコーティングができる。従って、作業性、安全性の観点から、熱可塑性ウレタン樹脂を使用することが特に好ましい。
また一般に、電子写真方式の装置に使用されるローラにおいては、導電領域から半導電領域(104〜1010Ω)に制御する必要があるため、表面層7に導電性付与剤を含有させて導電性を付与する。導電性付与剤としては、上記した弾性層3に含有させる導電性付与剤と同様のものが使用できる。添加量も同様である。なお、上記のウレタン樹脂等に導電性付与剤を添加する際は、溶剤中に導電性付与剤を溶解あるいは分散させる必要がある。例えば、カーボンブラック等の凝集力の強いものを使用する場合は、ビーズミル等の分散機を好適に使用することができ、また、それぞれの材料及び処方に最適な分散剤を選定するのが好ましい。
また、樹脂強度の向上ならびに中間層6との接着性の観点から、表面層7を構成する樹脂組成物には、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー等のフィラーやカップリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。また、中間層6と表面層7との接着性をさらに向上させるために、中間層6の表面をプライマー処理した後、表面層7を形成することが好ましい。プライマーとしては、各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
また、上記したように、現像ローラ1を非磁性一成分接触現像方式の現像ローラとして使用する場合には、表面に凹凸を付与する有機系フィラーが中間層6及び/又は表面層7に添加される。表面層7に添加される有機系フィラーとしては、上記した中間層6に添加される有機系フィラーと同様のものが使用できる。平均粒子径の測定方法も同様の方法が採用できる。
表面層7の形成方法としては特に制限はないが、例えば、導電性シャフト2上の弾性層3の周りに形成された中間層6の外周面上に、表面層7を構成する樹脂組成物を一旦溶剤に希釈し、1流体型スプレー塗布、2流体型スプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、表面層7を形成することができる。具体的には、ウレタン樹脂等及び添加剤を溶剤に溶かして固形分を3〜20%にし、スプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。このときに使用する溶剤は、用いる表面層7の主成分であるウレタン樹脂等が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるが、これらに限定されるものではない。さらに、溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
表面層7の乾燥温度としては、溶剤の沸点との関係にもよるが、一般的には50〜200℃が好ましく、さらに被覆層の熱的安定性を考慮すると、50〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が50℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、弾性層3や中間層6並びに表面層7の劣化を招く恐れがある。表面層7の厚さは、上記したように2〜50μm程度であり、推奨される範囲は2〜10μm程度である。ここで中間層6の厚さを調整するために、上記したスプレー、ディップ塗布等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。
上記したような材料を用い、100%モジュラスが中間層6の100%モジュラスよりも低く、且つ5MPa以下、好ましくは4MPa以下になるように設計することにより、表面層7を形成することができる。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.弾性層を構成する組成物の100%モジュラス測定
(A−1)アリル末端ポリオキシプロピレン(商品名:カネカサイリルACS003、カネカ社):500gと、
(B−1)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(商品名:CR100、カネカ社):16gと、
(C−1)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液):0.30gと、
(D−1)カーボンブラック(商品名:3030B、三菱化学社):70gと、
貯蔵安定性改良剤としてマレイン酸ジメチル:0.20gと、
を混合し、10mmHg以下で120分間減圧脱泡して得られた組成物を、縦5cm、横5cm、高さ2mmの型に流し込み、140℃の環境下で30分間静置して硬化させた。この硬化物を後述の「弾性層1」に相当する試料とし、JIS−C3005ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法、4・16絶縁体及びシースの引張りに則った方法にて、精密万能試験機AGS−J(島津製作所社)を用い、100%モジュラスを評価した。その結果、0.5MPaであった。
2.中間層を構成する組成物の100%モジュラス測定
セプトン2002(クラレ社)80重量部に対して、タフテックM1913(旭化成ケミカルズ社)20重量部を混合した配合物の固形分を、キシレンで5%に希釈し、1時間静置した溶液を調製した。この溶液を上記1と同様の型に流し込み、乾燥及び硬化させた。このときの試料の厚みは100μmであった。この試料を縦5cm、横1cmに切断し、後述の「中間層1」に相当する試料とした。この試料について、チャック間距離45mmの条件で精密万能試験機AGS−J(島津製作所社)により100%モジュラスを測定した。その結果、3.3MPaであった。
3.表面層を構成する組成物の100%モジュラス測定
ハイムレンY−237、同Y−210B、同Y−258(以上、大日精化社)を、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド):MEK(メチルエチルケトン)=1:1の混合溶媒で5%にそれぞれ希釈し、1時間静置した溶液を調製した。これら溶液を上記1,2と同様の型に流し込み、乾燥及び硬化させた。このときの試料の厚みは100μmであった。これらの硬化物を縦5cm、横1cmに切断し、それぞれ、後述の「表面層1」(Y−237)、「表面層2」(Y−210B)、「表面層3」(Y−258)に相当する試料とした。これらの試料について、チャック間距離45mmの条件で精密万能試験機AGS−J(島津製作所社)により100%モジュラスを測定した。その結果、表面層1相当試料(Y−237)では2.7MPa、表面層2相当試料(Y−210B)では3.2MPa、表面層3相当試料(Y−258)では8.0MPaであった。
4.各種現像ローラの作製
上記1と同様にして(A−1)、(B−1)、(C−1)、(D−1)、及びマレイン酸ジメチルを混合し、10mmHg以下で120分間減圧脱泡して得られた組成物を、直径12mmのステンレススチール製シャフト上に被覆し、金型内140℃の環境下で30分間静置して硬化させ、厚さ4mmのゴム弾性体からなる弾性層1を形成した。
セプトン2002(クラレ社)80重量部とタフテックM1913(旭化成ケミカルズ社)20重量部との混合物18gと、導電性付与剤としてのカーボンブラックHS−100(電気化学工業社)7.2gとを、キシレン400gで希釈した溶液を調製し、1時間静置した。この溶液を、弾性層1の周りにディッピングし、乾燥させ、厚みが約10μmの中間層1を形成させた。
ハイムレンY−237、同Y−210B、または同Y−258の各60gと、導電性付与剤としてのカーボンブラックHS−100(電気化学工業社)7.2gとを、DMF:MEK=1:1の混合溶媒437gで希釈した溶液(3種類)を調製し、1時間静置した。それぞれの溶液を、中間層1の周りにディッピングし、乾燥させ、厚みが約6μmの表面層1、2又は3を形成させた。これにより、シャフトの周りに厚さ4mmの弾性層1が同心円上に設けられ、さらに弾性層1上に中間層1が設けられ、またさらに中間層1上に表面層1(実施例1)、表面層2(実施例2)、又は表面層3(比較例1)が設けられた各現像ローラが作製された。
5.トナーフィルミング試験
上記4で作製した各現像ローラについて、トナーフィルミング試験を行った。本試験は各現像ローラにこびりついたトナーの量を測定するものである。すなわち、正常な状態の現像ローラでは、現像ローラ周囲に付着したトナーをエアブローにて除去した後は、現像ローラ表面にトナーがこびりついていないので、ローラ表面に貼った粘着テープへはトナーは転写されない。これに対し、トナーフィルミングが進んだ現像ローラでは、同様の操作を行うと、粘着テープにトナーが転写される。この粘着テープへの転写状態を観察することにより、トナーフィルミングの進み具合が把握できる。
各現像ローラを、カラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キャノン社)のトナーカートリッジ(色:シアン)にセットし、10℃且つ15%RHの環境で、1%の画像濃度で1000枚/時間のスピードで印刷した。試験開始から2時間毎に現像ローラを取り出し、現像ローラ上のトナーをエアーブローにて除去した後、粘着テープを現像ローラの表面に貼り、直ちにこれを外し、トナーの粘着テープへの転写状態を目視で観察した。結果を第1表に示す。第1表において、「○」は粘着テープ上にトナーのこびりつきが認められなかったことを示し、「△」は粘着テープ上にトナーのこびりつきが薄く認められたが、印刷結果への影響は認められなかったことを示し、「×」は粘着テープ上にトナーのこびりつきが多量に認められ、且つ印刷結果への影響も認められたことを示す。すなわち、実施例1の現像ローラでは、試験開始から14時間経ってもトナーのこびりつきは認められず、印刷結果にも影響が認められなかった。また、実施例2の現像ローラでは、試験開始から20時間経ってもトナーのこびりつきは認められず、印刷結果にも影響が認められなかった。一方、比較例1の現像ローラでは、試験開始から8時間でトナーのこびりつきが認められ、さらに、試験開始から12時間では多量のトナーこびりつきが認められ、印刷結果にも影響が認められた。
Figure 2007256315
6.帯電量試験
上記4で作製した各現像ローラについて、帯電量試験を行った。本試験は、各現像ローラ表面に静電的に付着したトナーの帯電量を測定するものである。トナーフィルミングの原因となる劣化したトナーの増加に伴い、トナー自体の性能が劣化、すなわちトナーの帯電量が低下する。
上記5と同様に、各現像ローラを、カラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キャノン社)のトナーカートリッジ(色:シアン)にセットし、10℃且つ15%RHの環境で、1%の画像濃度で1000枚/時間のスピードで印刷した。試験開始から1時間毎に現像ローラを取り出し、現像ローラ上の1cm×15cmの一定領域に付着したトナーを、吸引式小型帯電測定装置Model 210HS−2A(トレック社)にて測定した。結果を図3に示す。図3は、各現像ローラにおける評価時間(h)と帯電量(μC)との関係を表すグラフである。グラフ中の曲線は対数による近似曲線である。すなわち、実施例1及び2の現像ローラでは、いずれも比較例1の現像ローラに比べてトナーの帯電量の変化が小さかった。
7.表面層の厚さの影響
表面層1,2,3の厚さを約12μmに変更した以外は上記の実施例1、2及び比較例1と同じ現像ローラを作製し(それぞれ、実施例1’、実施例2’、及び比較例1’とする)、トナーフィルミング試験を行った。トナーフィルミング試験の結果を第2表に示す。「○」、「△」、「×」の意味は第1表と同じである。すなわち、いずれの現像ローラにおいても表面層の厚さが10μm未満の現像ローラの方(実施例1、実施例2、及び比較例1)が、トナーのこびりつきが特に少なかった。以上より、表面層の厚さは10μm未満が特に好ましいことが示された。なお、実施例1’、2’の現像ローラにおいても比較例1’の現像ローラに比べてトナーの帯電量の変化が小さいことが、同時に示された。
Figure 2007256315
電子写真方式による印字装置の構成を表す概略図である 現像ローラの断面図及びその一部拡大断面図である。 帯電性試験の結果を表すグラフである。
符号の説明
1 現像ローラ
2 導電性シャフト(芯体)
3 弾性層
6 中間層
7 表面層
10 感光ドラム

Claims (3)

  1. 感光ドラムに接した状態で回転し、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラであって、芯体の外周側に弾性層が設けられ、最外表面に樹脂又はゴムを素材とする表面層があり、前記表面層と弾性層との間に樹脂又はゴムを素材とする中間層が設けられた現像ローラにおいて、表面層を構成する樹脂又はゴムのモジュラスは、隣接する中間層のモジュラスよりも低く、当該中間層のモジュラスは、弾性層のモジュラスよりも高いことを特徴とする現像ローラ。
  2. 感光ドラムに接した状態で回転し、感光ドラムにトナーを供給する現像ローラであって、芯体の外周側に弾性層が設けられ、最外表面に樹脂又はゴムを素材とする表面層があり、前記表面層と弾性層との間に樹脂又はゴムを素材とする中間層が設けられた現像ローラにおいて、表面層を構成する樹脂又はゴムの100%モジュラスは5MPa以下であり、且つ表面層を構成する樹脂又はゴムの100%モジュラスは、隣接する中間層の100%モジュラスよりも低く、当該中間層の100%モジュラスは、弾性層の100%モジュラスよりも高いことを特徴とする現像ローラ。
  3. 表面層の厚さは10μm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像ローラ。
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