JP2007255261A - 非接触型燃料改質器及びシステム - Google Patents

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Yusuke Kayaba
祐介 萱場
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Abstract

【課題】内燃機関などにおいて燃料を改質して燃焼効率を高め、排ガスの性質を変えて有害物質を減少させ、燃料消費を減らすように構成した燃料改質器を提供する。
【解決手段】本発明の燃料改質器100は、外側に配置された外管111と、外管111の内部に配置され、かつ、燃料を通すことができるように構成された内管112と、内管112の内部に配置された導電部材113と、外管111と内管112との間に収容された燃料改質剤114とを備える。燃料改質剤114は、電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aと、エネルギーを出す配合剤Bと、配合剤Aと配合剤Bとを結びつける結合剤Cとで構成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、非接触型の燃料改質器に関するものである。特に、本発明は、内燃機関などにおいて燃料と接触しないで燃料改質剤を収容し、この燃料改質剤の改質作用によって燃料を改質し、排出ガスに含まれる有害物質を浄化することができるようにした燃料改質器に関する。さらに、本発明は、優れた改質性能を持つ非接触型の燃料改質器を備えた燃料改質器システムに関する。
従来の内燃機関の排出ガス清浄化システムは、内燃機関において燃料を燃焼させた後に排出されるガスに含まれる有害物質を酸化触媒などによって浄化し、或いは、排出ガスに含まれる有害物質をフィルタで捕集するという手法が取られていた。
また、従来の非接触型の燃焼材料改質装置は、トルマリンを主成分とする燃焼材料改質剤を、燃焼材料に接触させることなく改質剤収容部の中に収容し、改質剤収容部及び流体通路を通過する燃焼材料に磁力線を作用させていた(特許文献1参照)。また、従来の他の燃料改質器は、流体通路と改質材収容部とを分離して筐体に設け、改質材の中に配置した良導体と、前記筐体に接続したアース線とを有している。二重管構造を有するNMR分析用サンプルチューブの内管部には、電気石(トルマリン)などを入れている(特許文献2参照)。さらに、従来の他の液体燃料改善装置は、電気石と、遠赤外線発生物質と、アルミナと、結合材からなるそれぞれ粉末状の原料を混練し、成粒し、焼成してなる液体燃料改善を用いている(特許文献3参照)。
(特許文献のリスト)
特開2004−245206号公報 特開2001−234819号公報 特開2005−127138号公報
従来の酸化触媒、或いは、フィルタを用いる排出ガス清浄化システムでは、下記の課題があった。
(イ)排出ガスの装置が高熱になり、溶融したり、消耗老化することがある。
(ロ)触媒として白金などを使用する場合、触媒が高価である。
(ハ)排出ガス中の各有害物質の成分により、熱コントロールが難しく、装置の構造が複雑である。
従来の電気石(トルマリン)を用いる燃焼材料改質装置(燃料改質器)では、磁力線発生装置や遠赤外線発生物質が必要となり、装置の構造が複雑で、高価になっている。また、電気石(トルマリン)は、天然鉱石であるがゆえに、その品質には各種の差が出ている。したがって、電気石(トルマリン)によって発生される電気的なエネルギーの強さにも差が出ており、電気エネルギーが不足するおそれがある。
本発明の目的は、内燃機関において燃料を改質することによって燃焼の効率を高め、内燃機関から排出されるガス自体の性質を変えて有害物質を減少させ、合わせて、燃料の消費を減少するように構成した燃料改質器を提供することにある。本発明の他の目的は、装置の構造が簡素であり、効率良く燃料の改質を行うことができる非接触型の燃料改質器を提供することにある。本発明の更なる目的は、上記のような優れた特徴を持つ非接触型の燃料改質器を複数個数備えた、燃料の改質性能が良い燃料改質器システムを提供することにある。
本発明の燃料改質器は、燃料を改質することにより燃焼の効率を高めることによって、内燃機関において排出されるガス自体の性質を変えることができるものである。現在一般的に使用されている燃料は化石燃料が主であり、その成分は主に炭酸ガスと水である。現実には、排気ガス中に多くの未燃焼物が含まれており、それらの未燃焼物が変化して有害物質として大気中に放出されている。もし、燃料を燃えやすくすれば、燃料の燃焼効率が上がり、燃料の消費量が少なくなり、排気ガス中の未燃焼物を減らすことができ、環境に及ぼす負荷を低減することができる。
本発明の燃料改質器が燃料をどのように改質しているのかということについては、NMR(核磁気共鳴)試験によって、燃料の分子団(クラスター)が小さくなっていることから理解することができる。すなわち、燃料の分子団(クラスター)が小さくなるのは、電磁波による帯電分解による燃料の分子団(クラスター)の微細化であると考えられる。また、燃料の分子団(クラスター)の微細化による燃焼の変化については、排気ガス中の成分測定、排煙濃度測定、あるいは、実走行による燃費の測定結果などから明らかになっている。
本発明の燃料改質器は、主として2つの部分から成り立っている。すなわち、第1の部分は改質剤であり、第2の部分は前記改質剤を封入して燃料を効果的に帯電させながら通過させる筐体部分である。本発明の燃料改質器では、燃料が通過するときに電磁波の帯電による分子団(クラスター)の微細化が行われる。ここで、その微細化の作用をもたらす改質剤は、燃料が通過する内管を包囲するように配置された外管の中に封入されている。このような本発明の構成では、改質剤は、内管を通る燃料と直接的に接触しないので、改質剤が燃料に溶け込むことはなく、改質剤の劣化を防止することができる。
本発明は、内燃機関の燃料を改質するための燃料改質器において、外側に配置された外管と、前記外管の内部に配置され、かつ、燃料を通すことができるように構成された内管と、前記内管の内部に配置された導電部材と、前記外管と前記内管との間に収容された燃料改質剤とを備えるように構成した。この燃料改質器では、燃料は燃料改質剤と接触することなしに内管の内部を導電部材に案内されるようにして通過することができる。したがって、内管の外部に配置された燃料改質剤が発生する電気エネルギーは、内管の内部に配置された導電部材に向けられるので、この電気エネルギーは効率良く内管内部の燃料に到達することができる。したがって、本発明の燃料改質器を用いることにより、燃料改質剤が発生する電気エネルギーにより燃料を改質して、内燃機関において燃料を改質して燃焼効率を高め、排ガスの性質を変えて有害物質を減少させることができる。また、本発明の燃料改質器を用いることにより、燃料が効果的に改質されるので、内燃機関などにおいて燃料の消費量を削減することができる。
本発明の燃料改質器では、前記導電部材は、銅製の平織金網で構成され、四辺を内巻きにして螺旋状に形成され、前記導電部材の一部分が前記内管の内壁に接触するように構成するのが好ましい。この構成により、内管の外部に配置された燃料改質剤が発生する電気エネルギーを、内管の内部に配置された導電部材に効率良く向けることができる。本発明の燃料改質器では、前記内管の外側に銀めっきを施すのが好ましい。この構成により、燃料改質剤が発生する電気エネルギーを効率良く内管内部の燃料に到達させて、燃料の改質性能を向上させることができる。
本発明の燃料改質器では、前記内管は銅製であって、両端に絞り加工でニップルが形成されるのが好ましい。この構成により、燃料改質器内部で燃料の流速を下げて、燃料の改質性能を向上させることができる。本発明の燃料改質器では、前記外管は、ゴム製の外被と、コーキング剤で密閉されるのが好ましい。この構成により、装置の密閉構造を確実にすることができ、極めて効率良く燃料の改質を行うことができる。
本発明の燃料改質器では、前記燃料改質剤は、少なくとも電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aを含むようにするのがよい。本発明の燃料改質器では、前記燃料改質剤は、電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aと、電気エネルギーを出す配合剤Bと、前記配合剤Aと前記配合剤Bとを結びつける結合剤Cとで構成されるのがよい。この構成により、極めて良好な改質性能を実現することができる。本発明の燃料改質器では、前記配合剤Aの配合比率は23重量%から70重量%であり、前記配合剤Bの配合比率は5重量%から30重量%であり、前記結合剤Cの配合比率は5重量%から30重量%であるのが好ましい。この配合により、良好な改質性能を実現することができる。
本発明の燃料改質器では、前記配合剤Aと前記配合剤Bと前記結合剤Cとを配合した後の珪素比率は25重量%以上であるのが好ましい。この配合により、良好な改質性能を実現することができる。本発明の燃料改質器では、前記配合剤Aと前記配合剤Bは精製水で練り合わされて生成されるのが好ましい。このように生成することにより、改質効果を上げることができる。本発明の燃料改質器では、精製水で練り合わされた前記配合剤Aと前記配合剤Bは、熱を加えて焼結されるのが好ましい。このように焼結することにより、改質能力の低下を防ぐことができる。
本発明の燃料改質器では、精製水で練り合わされた前記配合剤Aと前記配合剤Bの焼結は、低温で2段階に温度と時間を変えて行われ、最後に真空焼結されるのが好ましい。このように焼結することにより、改質効果の持続を長く維持することができる。本発明の燃料改質器では、前記配合剤Aは最低比重が3以上であるのが好ましい。この配合により、良好な改質性能を実現することができる。本発明の燃料改質器では、前記配合剤Aは、少なくとも珪素を配合比率で35重量%から55重量%含み、かつ、アルミニウムを配合比率で20重量%から35重量%含むのが好ましい。この配合により、良好な改質性能を実現することができる。本発明の燃料改質器では、前記配合剤Bは、珪酸ナトリウムを含むのが好ましい。この配合により、良好な改質性能を実現することができる。本発明の燃料改質器では、前記結合剤Cは、炭素を90重量%以上含むのが好ましい。この配合により、良好な改質性能を実現することができる。
さらに、本発明は複数の燃料改質器を含む燃料改質器システムであって、入力側に配置され、かつ、複数の端子部を含む第1の分配管と、出力側に配置され、かつ、複数の端子部を含む第2の分配管と、上記の特徴を有する複数個数の燃料改質器とを備え、前記複数個数の燃料改質器のそれぞれの一方の端部が、前記第1の分配管の端子部に連結され、かつ、前記複数個数の燃料改質器のそれぞれの他方の端部が、前記第2の分配管の端子部に連結されることを特徴とする。本発明の燃料改質器システムは、優れた改質性能を持つ非接触型の燃料改質器を複数個数備えているので、燃料の改質性能が非常に良く、装置の耐久性がよい。
本発明の燃料改質器システムでは、前記第1の分配管の端子部と前記燃料改質器の端部との連結部にフレキシブルジョイントが設けられ、前記第2の分配管の端子部と前記燃料改質器の端部との連結部にフレキシブルジョイントが設けられるのが好ましい。この構成により、確実な連結を達成することができる。本発明の燃料改質器システムでは、前記複数の燃料改質器をそれぞれ通る燃料の滞留時間が異なるように、前記複数の燃料改質器は、前記第1の分配管の端子部と、前記第2の分配管の端子部とに連結されるのが好ましい。この構成により、燃料のある一部分が改質剤を通過する速度と、燃料の他の一部分が改質剤を通過する速度とが異なるので、燃料の改質を異なる速度で行うことができ、燃料の改質を極めて効率良く行うことができる。
本発明の燃料改質器は、エンジンなどの内燃機関において、燃料を改質することによって燃焼の効率を高め、内燃機関から排出されるガス自体の性質を変えて有害物質を減少させることができる。また、本発明の燃料改質器は、エンジンなどの内燃機関において、燃料の消費を削減することができる。さらに、本発明の燃料改質器は、非接触型であって、装置の構造が簡素であり、効率良く燃料の改質を行うことができる。本発明の燃料改質器システムは、優れた特徴を持つ非接触型の燃料改質器を複数個数備えているので、燃料の改質性能が非常に良い。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1の実施の形態:
最初に、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1および図2を参照すると、本発明の第1の実施の形態において、内燃機関の燃料を改質するための燃料改質器100は、外側に配置された外管111と、外管111の内部に配置され、かつ、燃料を通すことができるように構成された内管112とを備える。外管111と内管112は、燃料改質器100の筐体を構成する。外管111の両端部は、内管112の外周部に対して端板111a、111bで閉鎖される。或いは、外管111の両端部を絞り加工して、内管112の外周部に対して閉鎖することもできる。改質すべき燃料は内管112の中を、一方の端部から他方の端部に向って通過するように構成される。
導電部材113が、内管112の内部に配置される。導電部材113は銅などの導電性材料である金属で製造されるのが好ましい。例えば、導電部材113は、20メッシュの銅網(平織金網など)で構成することができる。導電部材113は、四辺を内巻きにして螺旋状に形成される。このように導電部材113を形成することによって、内管112の中を通過する燃料が、管内のどの部位を通過したとしても、改質されやすくなっている。導電部材113の少なくとも一部分が、内管112の内壁に接触するように構成されるのが好ましい。この構成により、導電性材料で形成された導電部材113と、導電性材料で形成された内管112は、常に電気的に導通される。
内管112は、厚さが1mmで円筒形状のものであり、銅で製造されるのが好ましい。内管112の長さは、例えば270mmに形成することができる。内管112の外径DAは、例えば15mmに形成することができる。内管112の外径DAが15mmである部分の長さは、例えば170mmにわたって形成される。内管112の外側に銀めっきが施されるのが好ましい。このように銀めっきを設けることにより、改質剤からの電気エネルギーを効果的に引き寄せるのを助けることができる。銀めっきを施すの効果は、後述するように、実証によって確認されている。内管112は、両端に絞り加工でニップル116、117が形成される。ニップル116、117の外径DBは8mmに形成することができる。ニップル部を設けることにより、内管112の耐圧性能を向上させることができる。
外管111は、厚さが1mmで円筒形状のものであり、銅で製造されるのが好ましい。外管111の長さは、例えば204mmに形成することができる。外管111の外径DCは、例えば30mmに形成することができるし、或いは、40mmに形成することができる。外管111の円筒形状部は、ゴム製の外被(チューブ)118で密閉されるのが好ましい。外管111の両端部は、コーキング剤115を用いて密閉するのが好ましい。ゴム製の外被(チューブ)118とコーキング剤115を用いることによって、外管111の外部から内部への湿気の流入を防止すると共に、外管111の内部から外部への電気エネルギーの漏出を効果的に抑えることができる。
燃料改質剤114が、外管111と内管112との間に形成される円管状空間部122に収容される。燃料改質剤114は、少なくとも電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aを含む。燃料改質剤114は、電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aと、電気エネルギーを出す配合剤Bと、前記配合剤Aと前記配合剤Bとを結びつける結合剤(バインダ)Cとで構成されるのがよい。配合剤Aは非常に不安定であり、微力な電気エネルギーを出すものである。このような特性をもつ配合剤Aに配合剤Bを混ぜ合わせることによって、安定した電気エネルギーの出力を得ることができる。さらに、配合剤Aと配合剤Bは精製水で練り合わされて生成される。この方法により、より多くの改質剤を円管状空間部122の内部に詰めることが可能になり、結合剤(バインダ)Cが配合剤Aおよび配合剤Bに含まれる粉末同士を密に結びつける作用を発生させることができる。
精製水で練り合わされた配合剤Aと配合剤Bを含む燃料改質剤114を円管状空間部122の内部に充填した後、熱を加えて燃料改質剤114を焼結させる。高温(例えば、300°C以上)で処理を行うと電気エネルギーの出力が非常に弱くなることが確認されているので、低温(例えば、100°Cから220°C程度)で燃料改質剤114を焼結させる。精製水で練り合わされた配合剤Aと配合剤Bを含む燃料改質剤114の焼結は、低温で2段階に温度と時間を変えて行われ(例えば、100°Cから120°Cで8時間の第1段階と、180°Cから220°Cで12時間の第2段階からなる2つの段階で)、最後に真空焼結される。
燃料改質剤114において、配合剤Aの配合比率は23重量%から70重量%であるのが好ましい。また、燃料改質剤114において、配合剤Bの配合比率は5重量%から30重量%であるのが好ましい。また、燃料改質剤114において、物質Cの配合比率は5重量%から30重量%であるのが好ましい。燃料改質剤114において、配合剤Aと、配合剤Bと、結合剤(バインダ)Cの配合比率(重量)は、3:2:2であるのが特に好ましい。配合剤Bの比率が少ないときは、配合剤Aと配合剤Bを混合する時に、精製水にNa水溶液を加えて使用するのがよい。この場合、Na濃度は10重量%から20重量%であるのが好ましい。配合剤Aと配合剤Bと結合剤(バインダ)Cとを配合した後の珪素比率は25重量%以上であるのが好ましい。配合剤Aは最低比重が3以上であるのが好ましい。
配合剤Aは、少なくとも珪素を配合比率で35重量%から55重量%含み、かつ、アルミニウムを配合比率で20重量%から35重量%含むのが好ましい。また、配合剤Aは、少なくともマグナシウムを配合比率で3重量%から10重量%含むのが好ましい。また、配合剤Aは、少なくとも鉄を配合比率で2重量%から10重量%含むのが好ましい。また、配合剤Aは、少なくともカリウムを配合比率で1重量%から5重量%含むのが好ましい。また、配合剤Aは、少なくともカルシウムを配合比率で1重量%から5重量%含むのが好ましい。また、配合剤Aは、少なくともチタンを配合比率で1重量%から5重量%含むのが好ましい。また、配合剤Aは、少なくともナトリウムを配合比率で0.5重量%から3重量%含むのが好ましい。配合剤Aは、珪素を48重量%含み、アルミニウムを31重量%含み、マグナシウムを7重量%含み、鉄を5重量%含み、カリウムを3重量%含み、カルシウムを3重量%含み、チタンを2重量%含み、ナトリウムを1重量%含むのが特に好ましい。
配合剤Aは、30から50メッシュ粉末である配合剤A1と、100から200メッシュ粉末である配合剤A2とで構成されるのが好ましい。配合剤A1は、少なくとも珪素を48重量%含み、アルミニウム(50から150メッシュ)を31重量%含み、マグナシウムを7重量%含み、鉄(45メッシュ)を5重量%含み、カリウムを3重量%含み、カルシウムを3重量%含み、チタン(45メッシュ)を2重量%含み、ナトリウムを1重量%含むのが好ましい。配合剤A2は、少なくとも珪素を48重量%含み、アルミニウム(50から150メッシュ)を31重量%含み、マグナシウムを7重量%含み、鉄(150メッシュ)を5重量%含み、カリウムを3重量%含み、カルシウムを3重量%含み、チタン(75メッシュ)を2重量%含み、ナトリウムを1重量%含むのが好ましい。上記の配合剤A1と配合剤A2を2:1の配合比率(重量)で混合した後、さらに、50重量%の精製水に混合して、100°Cから120°Cで8時間と、180°Cから220°Cで12時間の2段階について、真空加熱して水分を除去するのがよい。
配合剤Bは、珪酸ナトリウムを含む粉末で構成されるのがよい。例えば、配合剤Bは、Na2Oを配合比率で15重量%から25重量%含み、かつ、SiO2を配合比率で45重量%から65重量%含むのが好ましい。結合剤(バインダ)Cは、炭素を90重量%以上含むのが好ましい。例えば、結合剤Cは、少なくとも炭素(活性炭素)を90重量%以上含み、白金を配合比率で0.5重量%から5重量%含み、銀を配合比率で0.5重量%から5重量%含むのが好ましい。或いは、結合剤Cは、白金を含まないようにしてもよい。或いは、結合剤Cは、銀を含まないようにしてもよい。結合剤Cに含まれる炭素(活性炭素)として、例えば、油種由来製の「Charcoal Activated Powd」を用いることができる。
各種の配合剤成分の配合比率の選定は、実証実験に基づいて決めることができる。各種の配合比率の選定のポイントは「電位差の保持と増幅」である。配合剤Aは電気エネルギーを常に放出するものであるが、その電気エネルギーの出力は微力であり、非常に不安定な出力状態のものである。この配合剤Aの電気エネルギーを増強するためには、何らかの外的刺激を与えるのが有効であることが実証実験によって確認された。最初に、配合剤Aのみを筐体に封入して実験を行った。この筐体を小型のディーゼル発電機に装着して排ガス成分を測定した。筐体に熱を加えたり、バイブレータで筐体に振動を与えたりすると、COやHC、O2 、NOx などの測定値に変化が現われ、その変化傾向から燃焼効率が上がったと判断できた。配合剤Aに配合剤Bと結合剤Cを配合して加熱処理することによって、上記実験で筐体に熱や振動を加えた状態と同様な状態を維持することができると考えられる。
配合剤Aを製造するにあたって、各種の配合剤成分の選定は、自然界にあるモデルに基づいて行った。この自然界にあるモデルは「地電流」といわれるものであって、この大地の中を流れる微弱な電流は、一定方向に安定して流れている所もあれば、電流が乱れている所もある。何故にこのような「地電流」が流れるのかは未だに解明されていないけれども、種類の違う複数の鉱物間に存在する僅かな電位差によって、局所的に電流が流れやすくなっている場所があることがわかっている。また、家を建てたりする場合に、この「地電流」の方向が不安定だったり、低くなっているときに、炭素を地中に埋めて「地電流」の状態を改善することが、非常に昔から行われていたことがわかっている。このような自然界にあるモデルに基づいて、各種の配合剤成分の選定を行い、その配合比率を変化させて改質効果を確認した。
配合剤Bとして珪酸ナトリウムを選定した理由は、珪酸ナトリウムは伝導性があり、固形化させやすいことと、配合剤Aに含まれる珪素とナトリウムの働きを補強するためである。結合剤Cとして炭素を選定した理由は、炭素には微弱な電流を一定方向に向けるように電流状態を改善する働きがあることと、炭素は、電池に使われているように、電位差から電流を生じさせる場合に有効な物質であるためである。
上述した好ましい配合比率の範囲外であっても、何らかの改質作用が働くことは確認することができたけれども、改質作用により望ましい効果が達成されるものという観点から、上記の好ましい配合比率を決定している。このような好ましい配合比率は、排ガス成分測定を行う実証実験の結果から導き出されたものであり、一時的に効果を生じることがあっても、除々に効果が変化しやすい配合比率があることも確認されている。また、配合剤A、配合剤B、結合剤Cに関する好ましい配合比率についても、実証実験の結果から最も適切なものを選定している。
従来の他の改質器に用いられる主原材料はトルマリン鉱石を多く含ものである。しかしながら、トルマリン鉱石は天然鉱石であり、その品質には各種差があり、出力することができる電気エネルギーの強さにも差が出るのが現実である。実際に、従来の他の改質器を用いて排ガス成分測定と、燃費の測定を行ったところ、その改質効果に15%から50%の差があることが認められた。
また、配合後の改質剤を焼結処理したものと、配合後の改質剤を焼結処理しないものとについて、排ガス成分測定と、燃費の測定を行ってその結果を比較した。その結果、焼結処理したものの方が、配合後の改質剤を焼結処理ないものよりも20%以上も改質効果が優れていることが認められた。また、配合後の改質剤を焼結する温度を、例えば300°C以上に設定すると、改質効果が悪化したり、改質剤の耐用時間が短くなることが確認された。特に、配合後の改質剤を焼結する温度を400°C以上に設定すると、ほとんど改質効果がなくなることも確認された。さらに、配合後の改質剤を焼結する温度を250°Cよりも高く設定すると、2週間から4週間の経過で、改質効果が半減することがあることも確認された。したがって、上記温度よりも低い温度において配合後の改質剤を真空焼結させることによる改質効果は、焼結させないものと比較すると50%以上も優ることがあることも確認された。
(2)第2の実施の形態:
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。以下の説明は、本発明の第2の実施形態が本発明の第1の実施形態と異なる点を主に述べる。したがって、以下に記載がない個所は、前述した本発明の第1の実施形態についての説明をここに準用する。
図3を参照すると、本発明の第2の実施の形態において、燃料改質器システム200は複数の燃料改質器、例えば3個の燃料改質器201、202、203を含むように構成される。それぞれの燃料改質器201、202、203の構成は、前述した本発明の第1の実施形態における構成と同様に構成することができる。図3には3個の燃料改質器201、202、203を示すけれども、燃料改質器システム200に用いられる燃料改質器の個数は、図4に示すように2個であってもよいし、図3に示すように3個であってもよいし、或いは、例えば図5に示す構成のように4個以上であってもよい。或いは、本発明により、図示していないけれども、4分管等を使用する燃料改質器システムなども実現できる。
図3を参照すると、第1の分配管210が、燃料改質器システム200の上流側に配置される。第1の分配管210は、上流側端部を有する連結本管212と、連結本管212から下流側に延びる3個の端子部214、216、218とを含む。3個の端子部214、216、218は、等しい間隔を隔てて連結本管212から互いに平行に延びるように構成するのが好ましい。連結本管212の上流側端部は、上流側配管232の下流側端部に連結される。3個の端子部214、216、218の下流側端部は、それぞれ3個の燃料改質器201、202、203の上流側端部に連結される。改質すべき燃料は、燃料タンク(図示せず)から上流側配管232を通して燃料改質器201、202、203に導入される。
第1の分配管210の端子部214、216、218と、燃料改質器201、202、203の上流側端部との連結部にフレキシブルジョイント236を設けるのが好ましい。連結本管212の上流側端部と、上流側配管232の下流側端部との連結部にフレキシブルジョイント236を設けるのが好ましい。すべてのフレキシブルジョイントは兼用設計とすることができる。フレキシブルジョイントとして、例えば、ラバージョイントを用いることができる。
第2の分配管220が、燃料改質器システム200の下流側に配置される。第2の分配管220は、下流側端部を有する連結本管222と、連結本管222から上流側に延びる3個の端子部224、226、228とを含む。3個の端子部224、226、228は、等しい間隔を隔てて連結本管222から互いに平行に延びるように構成するのが好ましい。連結本管222の下流側端部は、下流側配管234の上流側端部に連結される。3個の端子部224、226、228の上流側端部は、それぞれ3個の燃料改質器201、202、203の下流側端部に連結される。燃料改質器201、202、203を通過して改質された燃料は、下流側配管234を通して内燃機関(図示せず)に供給される。第2の分配管220の端子部224、226、228と、燃料改質器201、202、203の下流側端部との連結部にフレキシブルジョイント236が設けられるのが好ましい。連結本管222の下流側端部と、下流側配管234の上流側端部との連結部にフレキシブルジョイント236が設けられるのが好ましい。
第1の分配管210の寸法・形状・材質などは、第2の分配管220の寸法・形状・材質などと同様に構成することができる。すなわち、2つの分配管は兼用設計とすることができる。図示したような本発明の構成では、3個の燃料改質器201、202、203をそれぞれ通る燃料の滞留時間が異なるように、3個の燃料改質器201、202、203は、第1の分配管210の端子部214、216、218と、第2の分配管220の端子部214、216、218とに連結されている。この構成では、燃料改質器201を通る燃料の滞留時間は、燃料改質器202を通る燃料の滞留時間よりも長い。また、燃料改質器203を通る燃料の滞留時間は、燃料改質器202を通る燃料の滞留時間よりも短い。この構成により、複数の燃料改質器を用いて、非常に効率良く燃料の改質を行うことができる。
図6を参照すると、分配管250は、連結本管252と、3個の端子部254、255、256とを含む「3分管」として構成することができる。3個の端子部254、255、256は、等しい間隔(例えば、中心間距離が50mm)を隔てて連結本管212から互いに平行に延びる。連結本管212は、厚さが1mmで、外径が15mmで、入口がある方の端部側に外径が8mmの部分を含むように形成される。入口と反対側の端部は閉鎖されている。連結本管252は、全長が180mmの銅管で形成するのが好ましい。3個の端子部254、255、256は、外径が8mmである。
3個の端子部254、255、256は、連結本管252の中心軸線を基準として長さが40mmの銅管で形成するのが好ましい。連結本管252の中心軸線と、3個の端子部254、255、256の中心軸線とのなす角度は、直角であるように構成することができる。連結本管252の中心軸線と、3個の端子部254、255、256の中心軸線とのなす角度は、例えば、45度から90度の範囲の角度に構成してもよい。第1の分配管210および第2の分配管220として、図6に示す分配管250を用いることができる。
或いは、図7を参照すると、変形例として、分配管260は、連結本管262と、2個の端子部264、265とを含む「2分管」として構成することができる。2個の端子部264、265は、例えば、中心間距離が50mmの間隔を隔てて連結本管262から互いに平行に延びる。連結本管262は、全長が130mmの銅管で形成するのが好ましい。分配管260に関する他の仕様は、上述した分配管250と同様である。
図4を参照すると、本発明の第2の実施の形態において、燃料改質器システム200Bは2個の燃料改質器201、202を含むように構成される。燃料改質器システム200Bは、2つの2分管210B、220Bとを使用する。第1の分配管210Bは2つの端子部214B、216Bを有する。第2の分配管220Bは2つの端子部224B、226Bを有する。第1の分配管210Bおよび第2の分配管220Bとして、図7に示す分配管260を用いることができる。燃料改質器201の上流側端部は第1の分配管210Bの端子部214Bに連結される。燃料改質器201の下流側端部は第2の分配管220Bの端子部224Bに連結される。燃料改質器202の上流側端部は第1の分配管210Bの端子部216Bに連結される。燃料改質器202の下流側端部は第2の分配管220Bの端子部226Bに連結される。それぞれの連結部にフレキシブルジョイント236を設けるのが好ましい。
図5を参照すると、本発明の第2の実施の形態において、2分管を用いた燃料改質器システムの変形例の構造が示されている。この変形例では、燃料改質器システム200Cは4個の燃料改質器201A、201B、202A、202Bを含むように構成される。燃料改質器システム200Cは、2つの2分管210B、220Bとを使用する。第1の分配管210Bは2つの端子部214B、216Bを有する。第2の分配管220Bは2つの端子部224B、226Bを有する。第1の分配管210Bおよび第2の分配管220Bとして、図7に示す分配管260を用いることができる。燃料改質器201Aの上流側端部は第1の分配管210Bの端子部214Bに連結される。燃料改質器201Aの下流側端部は燃料改質器201Bの上流側端部に連結される。燃料改質器201Bの下流側端部は第2の分配管220Bの端子部224Bに連結される。燃料改質器202Aの上流側端部は第1の分配管210Bの端子部216Bに連結される。燃料改質器202Aの下流側端部は燃料改質器202Bの上流側端部に連結される。燃料改質器202Bの下流側端部は第2の分配管220Bの端子部226Bに連結される。それぞれの連結部にフレキシブルジョイント236を設けるのが好ましい。
或いは、図8を参照すると、更に変形例として、分配管270は、連結本管272と、4個の端子部274、275、276、277とを含む「4分管」として構成することができる。4個の端子部274、275、276、277は、等しい間隔(例えば、中心間距離が50mm)を隔てて連結本管272から互いに平行に延びる。連結本管272は、全長が230mmの銅管で形成するのが好ましい。分配管270に関する他の仕様は、上述した分配管250と同様である。ここで詳細に説明しないけれども、5個以上の端子部を含む分配管を構成することもできる。
図9を参照すると、図9は3分管を用いた燃料改質器システム200を利用する燃料系統の構成を示す概略ブロック図である。内燃機関の1つであるエンジン310と、燃料タンク320との間に燃料改質器システム200が連結される。燃料改質器システム200は、第1の分配管210と、3個の燃料改質器201、202、203と、第2の分配管220とを含む。第1の分配管210は、連結本管212と、3個の端子部214、216、218とを含む。第2の分配管220は、連結本管222と、3個の端子部224、226、228とを含む。
エンジン310は、エアを導入するインテークマニホールド312と、燃料を受け入れて噴射するインジェクタ314とを有する。燃料改質器システム200は、3個の燃料改質器201、202、203を含む。燃料タンク320から送られる燃料は、タンクパイプ321を通って燃料ポンプ322に導入される。燃料ポンプ322で加圧された燃料は、燃料パイプ323を通ってダンパ324に導入される。次いで、燃料は、ダンパ324で燃料の脈動をおさえられ、ダンパパイプ325を通ってフィルタ326に導入される。フィルタ326で濾過された燃料は、パイプ327を介して分配器328に導入される。インジェクタ314からエンジン310に噴射する燃料の圧力を一定に保つために、プレッシャレギュレータ340が分配器328に連結される。
分配器328で分離されてエンジンに送られる燃料は、上流側パイプ329を通って連結本管212の上流側端部に導入される。余分な燃料は分配器328で分離され、プレッシャレギュレータ340を通り、リターンパイプ342を通って燃料タンク320に戻される。連結本管212に導入された燃料は3個の燃料改質器201、202、203を通ることによって改質され、連結本管222に導入される。改質された燃料は、連結本管222からエンジンパイプ350を通ってインジェクタ314に導入され、インジェクタ314のノズルからエンジン310に噴射される。この構成により、3個の燃料改質器201、202、203により適正に改質された燃料をエンジン310に送ることができる。
次に、本発明の実施例について、比較例と比較した実証実験結果に関して説明する。
(1)実験項目の概要:
(1・1)他社改質器との比較実験:
本発明の実施例と、他社改質器との比較実験に用いたのサンプルの仕様の概略は以下のとおりである。
(1・1・1)本発明の実施例:
燃料改質器システムの構造として「2分管」と「3分管」を用いた。それぞれの燃料改質器において、外管の外径DCは30mmのものと、40mmのものとを用いている。改質剤として、上記の実施形態において記載した燃料改質剤114を用いている。ここで用いる本発明の実施例の改質剤は、炭素と珪素を多く含有しているが、これらの成分については2つの効果と作用があると考えられる。炭素はAl(アルミニウム)やMg、Fe、K、Ca、Ti、Naなどの物質の電位差によって流れる直流電流を増幅させながら移動させる導体と考えられる。珪酸ナトリウムは導電させるとともに、各物質間が電気的に不安定な状態で固定させる役目を担っている。電位が違う物質を組み合わせることによって生じる電気的なエネルギーを増幅させ、常に一定以上のエネルギーを導きだすために、これらの物質を配合して焼結処理している。この焼結処理のときに、高温下で処理すると、いわゆる発電エネルギーが弱くなるので、低温で処理する必要がある。最終的に、真空低温焼結によって、各配合剤が電気的に不安定な状態で物質的に安定化している。
(1・1・2)比較例1〜7:
比較例1および比較例2に用いられた改質器はA社製の改質器であり、すなわち、燃料パイプにバンド磁石を巻き付けるタイプの改質器である。比較例3に用いられた改質器はB社製の改質器であり、すなわち、改質器内に封入された改質剤と燃料を接触させるタイプの接触型改質器である。比較例4および比較例5に用いられた改質器はC社製の改質器であり、すなわち、改質器内に封入された改質剤と燃料を接触させないタイプの非接触型改質器である。比較例6および比較例7に用いられた改質器は、特許文献2に開示されている箱型の燃料改質器に本発明に用いる改質剤を充填した改質器である。
前処理接触型改質器は、トルマリン鉱石を細粒化し、珪藻土、アルミニウム等と混ぜ合わせたものをセラミック状に焼結させたボールを金属製の筒状部材内に充填し、その筒状部材の中に燃料を通す構造のものである。燃料タンク内に吊り下げて使用するタイプの接触型改質器も、同様に、セラミック化させたものか、トルマリン鉱石を金属製メッシュに包み込んだものを用いている。
前処理非接触型改質器において、C社製の改質剤は、微細化したトルマリン鉱石に、黒鉛、植物性炭化物、珪酸とその塩類、2価を呈する金属の酸化物とその塩類の微粉末を焼結させたものである。同様なものとして公知な改質剤は、トルマリン鉱石に炭素、珪素、金、銀、白金族元素などを使用しており、この改質剤において、トルマリン鉱石の配合率は90重量パーセント以上である。なお、改質剤は配合後、トルマリン鉱石を使用したものと、トルマリン鉱石を使用しないものとの間に、顕著な差は見られなかった。
(1・2)筐体サイズの比較実験:
本発明の実施例4、5について、筐体サイズの比較実験として、外管の外径(以下、「DC」と称する)DCが30mmの改質器と、DCが40mmの改質器を用意して比較実験を行った。
(1・3)内管比較実験:
本発明の実施例について、内管比較実験として、下記の項目に関して、走行実験車両として「アルファロメオ(排気量が3000ccのガソリンエンジン搭載)」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。
(a)内管外部への銀めっき;
(b)内管外部への金めっき;
(c)内管外部への銀線巻き;
(d)内管外部への加工無し;
(e)内管内部への銅メッシュ封入;
(f)内管内部への銅板封入;
(g)内管内部への加工無し;
(h)内管形状をストレートとし、内管外径(以下、「DA」と称する)DAを8mmから10mmへ変え、そして8mmに変えた。
(2)実験結果の概要:
(2・1)他社改質器との比較実験結果:
表1を参照すると、比較例1として用意したA社製の改質器(燃料パイプにバンド磁石を指示書通りに燃料ホースに巻き付けるように装着)について、ガソリンエンジンを搭載した「BMW325M」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表1.比較他社燃料改質器装着・排ガス測定結果(1)

測定年月日: 1999年11月25日〜2000年1月18日
装着車両・走行距離: BMW325M ・ 66300km〜67800km
排気量・使用燃料: 2700cc ・ ガソリン
装着状態:比較例1:A社製・MP(バンド状磁石本体を指示書通りに燃料パイプに巻き付けた。)

アイドリング時
装着前数値 CO% 0.45〜0.62
HCppm 16〜52
CO2% 7.1〜7.7
NOxppm 46〜112
O2% 2.11〜2.89
装着後数値 CO% 0.44〜0.62
HCppm 15〜56
CO2% 7.2〜7.8
NOxppm 44〜114
O2% 2.11〜2.90
走行後数値 CO% 0.43〜0.63
HC% 17〜57
CO2% 7.0〜7.9
NOxppm 43〜105
O2% 2.10〜2.88

装着前 装着後
燃費データ km/l 9.66km/l 9.68km/l
表1を参照すると、CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では16〜52ppmを示し、改質器を装着した後では15〜56ppmを示し、1500kmの走行後には17〜57ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では46〜112ppmを示し、改質器を装着した後では44〜114ppmを示し、1500kmの走行後には43〜105ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は9.66km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は9.68km/リットルを示した。以上のことから、比較例1の改質器の改質効果は不充分であることが確認された。
表2を参照すると、比較例2として用意したA社製の改質器(燃料パイプにバンド磁石を指示書通りに燃料ホースに巻き付けるように装着)について、ディーゼルエンジンを搭載した「三菱ジープJ55」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表2.他社比較燃料改質器装着・排ガス測定結果(2)

測定年月日: 2000年9月20日〜2000年11月23日
装着車両・走行距離: 三菱ジープJ55 ・ 37600km〜38400km
排気量・使用燃料: 2700cc ・ ディーゼル
装着状態:比較例2:A社製・MP(バンド状の磁石を説明書通りに燃料ホースに巻き付けるように装着。)

アイドリング時
装着前数値 CO% 0.05〜0.07
HCppm 9〜11
CO2% 1.8〜2.1
NOxppm 179〜191
O2% 16.98〜17.26
装着後数値 CO% 0.05〜0.07
HCppm 8〜10
CO2% 1.9〜11
NOxppm 183〜195
O2% 16.97〜17.30
走行後数値 CO% 0.05〜0.07
HC% 10〜12
CO2% 1.8〜2.0
NOxppm 180〜188
O2% 17.01〜17.20

装着前 装着後
燃費データ km/l 5.7〜6.6 5.5〜6.8
表2を参照すると、CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では9〜11ppmを示し、改質器を装着した後では8〜10ppmを示し、800kmの走行後には10〜12ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では179〜191ppmを示し、改質器を装着した後では、183〜195ppmを示し、1500kmの走行後には180〜188ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は5.7〜6.6km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は5.5〜6.8km/リットルを示した。以上のことから、比較例2の改質器の改質効果は不充分であることが確認された。
表3を参照すると、比較例3として用意したB社製の改質器(前処理型・直接接触タイプ)について、ガソリンエンジンを搭載した「BMW325M」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表3.比較他社燃料改質器装着・排ガス測定結果(3)

測定年月日: 2000年2月10日〜2000年4月5日
装着車両・走行距離: BMW325M ・ 68700km〜70100km
排気量・使用燃料: 2700cc ・ ガソリン
装着状態:比較例3:B社製・前処理型・直接接触タイプ

アイドリング時
装着前数値 CO% 0.44〜0.61
HCppm 15〜55
CO2% 7.1〜7.7
NOxppm 45〜115
O2% 2.10〜2.89
装着後数値 CO% 0.36〜0.55
HCppm 13〜45
CO2% 7.0〜7.7
NOxppm 46〜117
O2% 2.09〜2.96
走行後数値 CO% 0.38〜0.58
HC% 15〜50
CO2% 7.1〜7.9
NOxppm 47〜121
O2% 2.10〜2.98

装着前 装着後
燃費データ km/l 9.66km/l 9.71km/l
表3を参照すると、CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では15〜55ppmを示し、改質器を装着した後では13〜45ppmを示し、1400kmの走行後には15〜50ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では45〜115ppmを示し、改質器を装着した後では46〜117ppmを示し、1500kmの走行後には47〜121ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は9.66km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は9.71km/リットルを示した。以上のことから、比較例3の改質器の改質効果は不充分であることが確認された。
表4を参照すると、比較例4として用意したC社製の箱型の改質器(ガソリン用前処理型・直接接触タイプ)について、ガソリンエンジンを搭載した「BMW325M」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表4.比較他社燃料改質器装着・排ガス測定結果(4)

測定年月日: (A)比較例4:2000年5月15日〜2000年11月2日
(B)実施例1:2001年3月26日〜2003年10月3日
装着車両: BMW325M
走行距離: (A)71600km〜73400km (B)84600km〜119000km
排気量・使用燃料:2700cc・ガソリン
装着機器:比較例4:C社製箱型ガソリン用前処理型非接触タイプ
実施例1:2本F字並列(30φ&40φ)

排ガス測定結果 比較例4 実施例1
装着前数値 CO% 0.40〜0.62 0.47〜0.57
HCppm 14〜55 14〜46
CO2% 7.1〜7.6 7.2〜7.8
NOxppm 46〜117 43〜102
O2% 2.10〜2.90 2.12〜2.92
装着後数値 CO% 0.28〜0.35 0.49
HCppm 14〜45 1〜9
CO2% 7.8〜9.1 9.8
NOxppm 38〜95 43
O2% 1.89〜2.78 3.77
走行後数値 CO% 0.10〜0.17 −0.01
HC% 9〜34 −01
CO2% 8.3〜9.8 13.9〜14.3
NOxppm 34〜76 9〜10
O2% 1.86〜2.56 1.68〜2.00

燃費測定結果(実走行・満タン方式平均値)
燃費データ(km/l) 9.68 ⇒ 10.1 9.68 ⇒ 12.16
表4を参照すると、CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では14〜55ppmを示し、改質器を装着した後では14〜45ppmを示し、1800kmの走行後には9〜34ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では46〜117ppmを示し、改質器を装着した後では38〜95ppmを示し、1500kmの走行後には34〜76ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は9.68km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は10.1km/リットルを示した。以上のことから、比較例4の改質器の改質効果は不充分であることが確認された。
本発明の実施例1では、1つの改質器のDCが30mmであり、もう1つの改質器のDCが40mmである燃料改質器システムについて、ガソリンエンジンを搭載した「BMW325M」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では14〜46ppmを示し、改質器を装着した後では1〜9ppmを示し、34400kmの走行後には、ほぼ0ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では43〜102ppmを示し、改質器を装着した後では43ppmを示し、1500kmの走行後には9〜10ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は9.68km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は12.16km/リットルを示した。以上のことから、実施例1の改質器の改質効果は、比較例4よりも非常に優れていることが確認された。
表5を参照すると、比較例5として用意したC社製の箱型の改質器(ディーゼル用前処理型・非直接接触タイプ)について、ディーゼルエンジンを搭載した「三菱ジープJ55」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表5.比較他社燃料改質器装着・排ガス測定結果(5)

測定年月日: (A)比較例5:2001年1月18日〜2001年3月26日
(B)実施例2:2001年8月23日〜2003年11月2日
装着車両: 三菱社製ジープJ55
走行距離: (A)39000km〜40100km (B)41000km〜63000km
排気量・使用燃料: 2700cc ・ ディーゼル
装着機器:(A)比較例5:C社製箱型ディーゼル用前処理型非接触タイプ
(B)実施例2: 40φ(40−15−10) 1本

排ガス測定結果
比較例5 実施例2
装着前数値 CO% 0.03〜0.06 0.04
HCppm 8〜11 8
CO2% 1.9〜2.1 2.0
NOxppm 180〜198 182
O2% 16.96〜17.35 17.30
装着後数値 CO% 0.02〜0.05 −0.01〜0.00
HCppm 7〜10 −01〜00
CO2% 1.5〜1.85 1.3〜1.5
NOxppm 145〜185 45〜55
O2% 16.9〜17.55 17.90〜17.95
走行後数値 CO% 0.02〜0.04 0.00
HC% 6〜7 −01
CO2% 1.6〜1.7 1.4
NOxppm 138〜158 53
O2% 17.2〜17.4 17.63

燃費測定結果(実走行・満タン方式平均値)
燃費(km/l) 5.6〜6.8 ⇒ 6.9〜7.9 5.8〜6.8 ⇒ 11.4〜13.4
表5を参照すると、CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では8〜11ppmを示し、改質器を装着した後では7〜10ppmを示し、1100kmの走行後には6〜7ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では180〜198ppmを示し、改質器を装着した後では145〜185ppmを示し、1500kmの走行後には138〜158ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は5.6〜6.8km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は6.9〜7.9km/リットルを示した。以上のことから、比較例5の改質器の改質効果は不充分であることが確認された。
本発明の実施例2では、DCが40mmである改質器を1本含む燃料改質器システムについて、ディーゼルエンジンを搭載した「三菱ジープJ55」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では8ppmを示し、改質器を装着した後では、ほぼ0ppmを示し、22000kmの走行後には、ほぼ0ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では182ppmを示し、改質器を装着した後では45〜55ppmを示し、1500kmの走行後には53ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は5.8〜6.8km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は11.4〜13.4km/リットルを示した。以上のことから、実施例2の改質器の改質効果は、比較例5よりも非常に優れていることが確認された。
表6を参照すると、比較例6として用意したC社製の箱型の改質器(ディーゼル用)について、ディーゼルエンジンを搭載した「トヨタ・ランドクルーザー(HZJ70V)」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表6.燃料改質器排ガス測定比較実験結果(6)

測定年月日: (A)比較例6:2001年5月20日〜2001年8月26日
(B)比較例7:2001年9月23日〜2001年12月15日

装着車両: トヨタ・ランドクルーザー(HZJ70V)
走行距離: (A)38013km〜41525km (B)42600km〜44700km
排気量・使用燃料: 4200cc ・ ディーゼル
装着機器:(A)比較例6:C社製箱型ディーゼル用
(B)比較例7:箱型筐体に本発明で用いる改質剤を封入

排ガス測定結果
(A)比較例6 (B)比較例7
装着前数値 CO% 0.07 0.07
HCppm 13 15
CO2% 1.75 1.76
NOxppm 310 315
O2% 18.20 18.40
装着後数値 CO% 0.03 0.01
HCppm 6 2
CO2% 1.80 1.90
NOxppm 135 110
O2% 18.08 17.80
走行後数値 CO% 0.03 0.01
HC% 6 2
CO2% 1.82 1.91
NOxppm 138 100
O2% 18.20 18.10

燃費測定結果(実走行・満タン方式平均値)
燃費(km/l) (A) 6.1 ⇒ 6.8 (B) 6.1 ⇒ 7.4
表6を参照すると、CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では13ppmを示し、改質器を装着した後では6ppmを示し、3512kmの走行後には6ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では310ppmを示し、改質器を装着した後では135ppmを示し、1500kmの走行後には138ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は6.1km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は6.8km/リットルを示した。以上のことから、比較例6の改質器の改質効果は不充分であることが確認された。
さらに、比較例7として、C社製の箱型の改質器の筐体に本発明で用いる改質剤を封入したサンプルを用意した。すなわち、比較例7の改質器は、寸法形状は比較例6の改質器と同じであるけれども、筐体内に封入する改質剤として、本発明の実施例と同じ改質剤を使用している。比較例7について、ディーゼルエンジンを搭載した「トヨタ・ランドクルーザー(HZJ70V)」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。CH(炭化水素)の測定値は、改質器を装着する前では13ppmを示し、改質器を装着した後では2ppmを示し、2100kmの走行後には、2ppmを示した。また、NOxの測定値は、改質器を装着する前では315ppmを示し、改質器を装着した後では110ppmを示し、1500kmの走行後には100ppmを示した。さらに、改質器を装着する前の燃費は6.1km/リットルを示し、改質器を装着した後の燃費は7.4km/リットルを示した。以上のことから、比較例7の改質器の改質効果は若干認められたが、まだ充分でないことが確認された。
(2・2)実施例4における筐体サイズの比較実験結果:
表7から表9を参照して、本発明の実施例4について、筐体サイズの比較実験結果を説明する。

表7.排ガス測定結果(7)

実験車両: 三菱ジープJ55
排気量: 2700cc ディーゼル
走行距離: 41,000km⇒ 41500km⇒ 63000km
全走行距離: 22000km
エンジン概要: 4気筒・インタークーラー付きディーゼルターボ
燃費: 5.8km/l〜6.8km/l ⇒ 11.4km/l〜13.4km/l
実施日: 2001年8月23日・9月30日 〜 2003年11月2日
装着状態: 実施例4:30φ2本F字並列 ⇒ 40φ1本
表7を参照すると、ガソリンエンジンを搭載した「BMW325M」を用いて、筐体サイズの比較実験を行った。この車は、排気量が2700ccのガソリンエンジンを搭載しているにもかかわらず車両重量が軽いので、燃費は良好である。また、排ガス測定においても、燃焼状態が良いことを推察させるデータが得られた。
表8を参照すると、DCが30mmである改質器を2本含む燃料改質器システムを「BMW325M」に装着して、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。燃料改質器システムを装着した直後では、CH(炭化水素)が4ppmに抑えられていたが、4900kmの走行後には7〜10ppmに上昇した。NOxとO2 の数値が不安定になっていることから、完全燃焼に近づきつつも、燃料の改質効果が弱いと推察された。

表8.燃料改質器装着・排ガス測定結果(8)

測定年月日: 2001年3月16日〜2001年3月20日〜2001年3月26日
装着車両・走行距離: BMW325M ・ 75600km〜80500km〜84600km
排気量・使用燃料: 2700cc ・ ガソリン
装着状態:実施例4: 30−12×2本F字

アイドリング時
装着前数値 CO% 0.47〜0.57
HCppm 14〜46
CO2% 7.2〜7.8
NOxppm 43〜102
O2% 2.12〜2.92
装着後数値 CO% 0.15
HCppm 04
CO2% 9.8
NOxppm 06
O2% 3.29
走行後数値 CO% 0.01〜0.08
3−26測定 HC% 07〜10
CO2% 13.6〜13.8
NOxppm 13〜16
O2% 1.66〜1.83

装着前 装着後
燃費データ km/l 9.68 10.3
次に、DCが30mmである改質器よりも改質効果が強いDCが40mmである改質器に変えて測定を行った。その結果、燃料改質器システムを装着した直後にCO、CH、NOxは上昇値を示したが、200km程度の走行後には、CO、CHは共に0数値を示した。したがって、この状態は完全燃焼に近づいているものと考えられる。

表9.燃料改質器装着・排ガス測定結果(9)

測定年月日: 2001年3月26日〜2003年10月3日
装着車両・走行距離: BMW325M 84600km〜119000km
排気量・使用燃料: 2700cc ガソリン
装着状態:実施例4:2本F字(30-12-9)×2⇒2本F字(40-15-10)&(30-15-10)

アイドリング時 2000rpm時
装着前数値 CO% 0.01〜0.08
HCppm 07〜10
CO2% 13.6〜13.8
NOxppm 13〜16
O2% 1.66〜1.83
装着後数値 CO% 0.49
HCppm 1〜9
CO2% 9.8
NOxppm 43
O2% 3.77
走行後数値 CO% −0.01 0.32〜0.37
HC% −01 −01
CO2% 13.9〜14.3 14.8〜15.0
NOxppm 9〜10 47〜65
O2% 1.68〜2.00 0.95〜1.10

未装着 装着前 装着後
燃費データ km/l 9.68 10.3 12.16
表9を参照すると、NOxは、燃料改質器システムを装着する前に40〜100ppmであったけれども、アイドリング時に9〜10ppmに減少した。通常、燃焼効率が良くなれば、燃焼温度の上昇に伴ってNOxの生成が促され、NOx数値の上昇が認められるものであるが、現実には、このNOx数値は顕著に低減した。このNOx数値の低減は、燃焼効率が上がったことによって、より少ない燃料でエンジンの回転を維持できるために、燃料噴射装置により燃料が絞られたと考えられる。燃料改質器システムを装着した直後、一時的にNOx数値の上昇が認められたことが、燃料噴射装置の上記作動を裏付けている。
また、燃費の観点からも、燃焼効率の良好な変化が認められた。燃費については、燃料改質器システムを装着する前に燃費は9.68km/リットルであったが、DCが30mmである改質器を2本含む燃料改質器システムを装着した後に燃費は10.3km/リットルに改善された。さらに、1つの改質器のDCが30mmであり、もう1つの改質器のDCが40mmである燃料改質器システムを装着すると、燃費は12.16km/リットルになった。燃費の測定は満タン方式で測定したものの平均値であるので、走行状態が良い高速道路において燃費は13km/リットルを示したこともあった。その後の走行試験においても燃費、排ガスの測定値に若干の変化が見られたものの、大体においてそれらの測定値は安定しており、約40000kmの走行後においても改質能力に劣化はみられなかった。
一方、平均気温が27°Cを超えた夏において、改質能力が若干強くなった。この変化は10%程度であり、問題がないと考えられる。この状態では、燃費は最良の値の7%減であり、温度による多大な影響はないものと判断することができた。排気臭について、いわゆる「ガソリン臭」、「刺激臭」は消えていた。また、排気管に付着していたカーボンは、40000kmの走行後において確認したところ、うっすらと赤錆が付着した状態になっていた。走行中にエンジン回転数の低下を確認することができた。燃料改質器システムを装着する前に燃費は100km/hで走行したときに3400rpmであったが、燃料改質器システムを装着した後に3000rpmに低下した。さらに、燃料改質器システムを装着すると、オートマティックトランスミッションのロックアップが早くなることを確認することもできた。
NOx数値の低下からわかるように、エンジン冷却水の水温の変化が認められた。連続で高速走行後にエンジン冷却水の水温の上昇が認められたが、燃料改質器システムを装着すると、全体的に水温が低くなった。この水温低下は、燃焼に必要な燃料が少なくなったために、エンジンシリンダの周囲の温度上昇が抑えられたためであると考えられ、それによって、NOxの生成も抑えられたと考えられる。
以上の実験結果から、燃料改質器システムの改質能力の劣化は認められないと判断することができる。そして、燃料改質器システムを装着することによって、その本来の目的である排ガスの浄化とともに、燃費改善に代表される経済効果も期待できることが明らかになった。
(2・3)実施例5における筐体サイズの比較実験結果:
表10から表12を参照して、本発明の実施例5について、筐体サイズの比較実験結果を説明する。ディーゼルエンジンを搭載した「三菱ジープJ55」について、筐体サイズの比較実験を行った。この「三菱ジープJ55」は、排気量が2700ccのディーゼルエンジンを搭載している。
燃料改質器システムを装着する前の測定において、サンプル検体としての条件を満たす理想的な数値を確認することができた。排ガスの測定値はディーゼルエンジンの燃焼状態を整合性がある数値で表し、燃費テストでは、市街地走行時における燃費と、高速走行時における燃費の差をはっきりと確認することができた。
表10を参照すると、最初に、DCが30mmである改質器を2本含む燃料改質器システムを装着し、次に、改質器のDCが40mmである改質器を1本含む燃料改質器システムを装着して、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表10.排ガス測定結果(10)

実験車両: 三菱ジープJ55
排気量: 2700cc ディーゼル
走行距離: 41,000km⇒ 41500km⇒ 63000km
全走行距離: 22000km
エンジン概要: 4気筒・インタークーラー付きディーゼルターボ
燃費: 5.8km/l〜6.8km/l ⇒ 11.4km/l〜13.4km/l
実施日: 2001年8月23日・9月30日 〜 2003年11月2日
装着状態:実施例5: 30φ2本F字並列 ⇒ 40φ1本
燃料改質器システムに含まれる改質器の数を変えても、排ガスの測定数値に差は認められなかったが、燃費については若干の差が認められた。「三菱ジープJ55」はマニュアルトランスミッションであるため、1速と2速でのトルク感な差が感じられたので、改質器のDCが40mmである改質器を1本含む燃料改質器システムを装着する選択を行った。
表11を参照すると、走行時の測定結果が示されている。

表11.排ガス測定結果(11)

実施例5:
アイドリング時 50km/h時 60km/h時
CO 0.00% −0.01% −0.01%
HC −01ppm −01ppm −01ppm
NOx 53ppm 20ppm 17ppm
表11を参照すると、この測定結果から、実走時にエンジンに負荷を与えても、燃焼効率が改善され、燃料消費が減っているので排ガスの浄化作用が効果的に行われていると推察したことが実証された。すなわち、ディーゼルエンジンを搭載した自動車の場合においても、ガソリンエンジンを搭載した自動車と同じような改質効果が得られ、その耐久性においても問題がないことがわかった。ガソリンと比べると、軽油には帯電分解が起こりにくいけれども、軽油は一度帯電すると容易に戻らないことは、実験室におけるNMR実験において確認されていたが、実車実験において、ディーゼルエンジンを搭載した自動車の場合、走行を繰り返すたびに、軽油の帯電分解の現象が顕著に現れてくることが、実験の初期段階で確認された。これは、燃料改質器システムを装着した直後よりは、燃料改質器システムを装着して走行を繰り返し、燃料を補充するたびに、改質効果が良好になることを意味している。この改質効果は、燃料タンク3個分の燃料を補充して、600kmの走行後に安定した。
表12を参照すると、ディーゼルエンジンに燃料改質器システムを装着すると、排ガスの測定において、完全燃焼に近づいている事が実証された。これは、CO、CHの値が、アイドリング時も、2000ppmにおいても0数値を示したことと、O2 の数値が上昇したことによって確認することができた。

表12.燃料改質器装着・排ガス測定結果(12)

測定年月日: 2001年8月23日〜2003年11月2日
装着車両・走行距離: 三菱ジープJ55 ・ 41,000km〜63000km
排気量・使用燃料: 2700cc ・ ディーゼル
装着状態:実施例5: 40φ 1本

2001年8月23日測定 アイドリング時 2000rpm時
装着前数値 CO% 0.04 0.02
HCppm 8 6
CO2% 2.0 2.1
NOxppm 182 98
O2% 17.30 16.95
2001年9月30日測定
装着後数値 CO% −0.01〜0.00 0.00〜0.02
HCppm −01〜00 −01〜01
CO2% 1.3〜1.5 2.1〜2.4
NOxppm 45〜55 35〜39
O2% 17.90〜17.95 16.45〜16.77
2003年11月2日測定
走行後数値 CO% 0.00 0.00
HC% −01 −01
CO2% 1.4 2.1
NOxppm 53 35
O2% 17.63 16.76

装着前 装着後
燃費データ km/l 5.8〜6.8 11.4〜13.4
燃焼の基本として、燃焼効率が上がれば、燃焼温度の上昇に伴ってNOxの生成が促され、CO2 が増加して、酸素が余ることがわかっている。しかしながら、実際の測定で確認されたことは、CO2 、NOxの数値は減少し、O2 の数値のみが上昇したことである。このような一見すると矛盾しているように思われる現象を説明するためには、燃費と水温の変化に注目しなければならない。
燃費が飛躍的に伸び、水温は燃料改質器システムの装着前と比較して上がらなくなっていることから推察すると、燃料の供給を少なくしても充分にエンジンの運転を維持できるような燃焼効率の改善が進んだと考えられる。このことから、燃焼に必要な燃料の量が少なくなっているために排出される不完全燃焼物の絶対量も少なくなり、これとともに、シリンダ周囲の温度上昇が抑えられることによりNOxの生成も抑えられたと考えられる。燃焼に使われている燃料自体が少なくなっているうえに、O2 の排出量が燃料改質器システムの装着前より多くなっているということは、燃焼時に酸素が相当量余ってきていると考えられる。これらのことからも、燃焼状態が完全燃焼に近づいたと考えられる。
燃料改質器システムを装着した後の実走テストでは、高速走行時において、燃料改質器システムを装着していない時の平均時速が90km/hであるのに対して、燃料改質器システムを装着した時の平均時速が110km/hに上がっているにもかかわらず、水温は下がっており、燃料改質器システムを装着していない時の燃費は6.8km/リットルであるのに対して、燃料改質器システムを装着した時の燃費は11.4km/リットルに伸びた。市街地走行時において、燃料改質器システムを装着していない時の燃費は5.8km/リットルであるのに対して、燃料改質器システムを装着した時の燃費は12.8km/リットルであった。通常、高速走行時の方が燃費が伸びるものと考えられているので、高速走行時において、燃料改質器システムを装着した時の平均速度を90km/hに下げて再度燃費を測定すると、燃費測定値は13.4km/リットルであった。
約20000kmの走行後に排ガスの測定を行った。おいても改質能力に劣化はみられなかった。その結果、CO、CHは0数値を示し、NOxなどの数値も20000kmの走行前と変わらなかった。したがって、約20000kmの走行後においても改質能力に劣化はみられないものと判断した。
以上のような実験の結果、軽油の帯電分解によって燃料が非常に燃焼しやすくなり、それによって、不完全燃焼物である排ガスの浄化が進み、燃焼効率の改善によって燃費の向上が見られるということが実証された。さらに、このような改質効果は長期間にわたって持続可能であるという、燃料改質器システムの耐久性も確認された。
(2・4)内管比較実験結果:
表13を参照すると、実施例6について、3000ccのガソリンエンジンを搭載した「アルファロメオ164・V6」を用いて、実走行燃費測定と、排ガス測定を行った。

表13.燃料改質器性能比較実験結果(13)

実験目的:
燃料改質器の内管形状ならびに改質剤との接触面への加工の違いを比較する。

使用車両: アルファロメオ164・V6・3000ccガソリン

実験方法:
排ガス測定はアイドリング時とする。燃費測定は満タン方式とし、市街地と高速道路を各々、約200kmの実走行を3回行い、その平均値とする。

実施例6(その1)
A.装着前 燃費
CO(%) 0.04〜0.06 市街地 5.64 km/l
HC(ppm) 19〜58 高速道 9.85 km/l
CO2(%) 14.8〜15.2 平均 7.29 km/l
O2(%) 0.71〜0.78
NOx(ppm) 13〜46

B.基本型改質器:内管(8φ→16φ→8φ)・銅製メッシュ入り・銀メッキ
30φを3本装着 燃費
CO(%) −0.01〜0.00 市街地 8.6 km/l
HC(ppm) 5〜10 高速道 12.66 km/l
CO2(%) 15.4〜15.8 平均 10.63 km/l
O2(%) 0.22〜0.48
NOx(ppm) 5〜20

C.内管外部に金メッキ 燃費
CO(%) −0.01〜0.00 市街地 8.7 km/l
HC(ppm) 5〜9 高速道 12.88 km/l
CO2(%) 15.4〜16.0 平均 10.79 km/l
O2(%) 0.22〜0.46
NOx(ppm) 5〜18
燃料改質器システムを装着する前では、CH(炭化水素)の測定値は19〜58ppmを示し、燃費は平均で7.29km/リットルを示した。基本型の燃料改質器システム(銅製メッシュ入り、銀めっき)を装着した後では、CH(炭化水素)の測定値は5〜10ppmを示し、燃費は平均で10.63km/リットルを示した。内管外部に金めっきを施した後では、CH(炭化水素)の測定値は5〜9ppmを示し、燃費は平均で10.79km/リットルを示した。
さらに、表14を参照すると、実施例6について、内管外部に銀線を巻いた後では、CH(炭化水素)の測定値は5〜10ppmを示し、燃費は平均で10.69km/リットルを示した。

表14.燃料改質器性能比較実験結果(14)

実施例6(その2)
D.内管外部に銀線巻き 燃費
CO(%) −0.01〜0.00 市街地 8.6 km/l
HC(ppm) 5〜10 高速道 12.78 km/l
CO2(%) 15.5〜15.8 平均 10.69 km/l
O2(%) 0.21〜0.48
NOx(ppm) 5〜20
E.内管外部加工無し 燃費
CO(%) 0.03〜0.04 市街地 7.2 km/l
HC(ppm) 8〜35 高速道 10.98 km/l
CO2(%) 15.0〜15.6 平均 9.09 km/l
O2(%) 0.36〜0.65
NOx(ppm) 6〜25
F.内管内部へ銅版(ねじり)封入 燃費
CO(%) 0.00〜0.03 市街地 7.8 km/l
HC(ppm) 6〜10 高速道 11.52 km/l
CO2(%) 15.2〜15.5 平均 9.66 km/l
O2(%) 0.25〜0.47
NOx(ppm) 7〜23
G.内管内部封入物無し 燃費
CO(%) 0.01〜0.05 市街地 7.1 km/l
HC(ppm) 8〜20 高速道 10.6 km/l
CO2(%) 15.0〜15.4 平均 8.85 km/l
O2(%) 0.28〜0.55
NOx(ppm) 7〜25
H.内管形状ストレート(8φ→10φ→8φ) 燃費
CO(%) 0.01〜0.04 市街地 6.9 km/l
HC(ppm) 8〜21 高速道 10.1 km/l
CO2(%) 15.0〜15.2 平均 8.5 km/l
O2(%) 0.28〜0.60
NOx(ppm) 8〜27
内管外部に加工をしていないものでは、CH(炭化水素)の測定値は8〜15ppmを示し、燃費は平均で9.09km/リットルを示した。内管内部に銀板(ねじり)を封入したものでは、CH(炭化水素)の測定値は6〜10ppmを示し、燃費は平均で9.66km/リットルを示した。内管内部に封入物が無いものでは、CH(炭化水素)の測定値は8〜20ppmを示し、燃費は平均で8.85km/リットルを示した。内管形状がストレートのものでは、CH(炭化水素)の測定値は8〜21ppmを示し、燃費は平均で8.85km/リットルを示した。以上のことから、実施例6の燃料改質器システムの改質効果があることが確認された。
(3)比較実験結果についての考察:
燃料改質器(システム)の性能を比較する比較実験結果から以下のことが確認された。
(3. 1) 本発明の実施例の燃料改質器(システム)と、他社の従来の燃料改質器の性能比較実験により、本発明の実施例の燃料改質器(システム)は、従来の燃料改質器と比較して良好な性能を有するものであることが確認された。
(3. 2) 筐体に本発明の実施例の改質剤を封入して行った比較実験により、本発明の実施例に用いた改質剤は、改質剤の効果が従来の改質剤と比較して有効に働いていることが確認された。
(3. 3) 箱型筐体と環状筐体の比較実験によって、全周囲からのエネルギー照射が、一方向からのエネルギー照射よりも効果的であることが確認された。
(3. 4) 筐体の外管内径(口径)を大きくすると、改質剤の封入量を多くすることができ、改質効果が増すことが確認された。
(3. 5) 改質剤との接触部、すなわち、燃料が通過する内管の外周部に筐体の素材である銅より導電率が良い材料をめっきし、或いは、そのような材料を用いた部材を巻きつけることによって、改質性能が向上することが確認された。
(3. 6) 筐体の素材である銅のメッシュや、ねじり加工した銅板を、燃料が通過する内管の内部に封入することによって内管内部における燃料の滞留時間を延ばし、燃料と筐体の接触面積を増すことが可能になる。その結果、改質性能が向上することが確認された。同様に、内管の形状を変えることによって、すなわち、内管の両端部付近を絞り加工して溜まり部を設けることによって、良好な改質効果が確認された。
(3. 7) 耐熱性のガラスチューブ内に改質剤を封入し、これをガラスコップ内の水に入れて5分間放置した後に、NMR(核磁気共鳴)試験によって分析すると、改質剤を封入していないものと比較すると、NMR試験の結果の間に差があることが確認された。これによって、改質剤が導電性をもたないガラスを通しての改質効果を生じることが確認された。
(3. 8) 改質剤を調合するとき、改質剤に含まれる各物質の電位を参考にして、電位が大きい物質と電位が小さい物質とを組み合わせながら、ベースとなる低位物質の中に高電位物質を分散配置した状態で固定することによって、改質効果が上がることがわかった。このことから、物質間の電位差によって、電気的なエネルギーを発生させ、増幅させているものと考えられる。また、このようにして発生される電気的なエネルギーは直流であると考えられるが、一般的に知られているように、マイナスイオンを発生させていないことを下記の実験によって確認した。すなわち、本発明の実施例に係る改質器をマイナスイオン・カウンタで測定した数値と、改質器筐体内に改質剤を入れていないものを測定した数値に差がないことが確認された。
(3. 9) 改質器からの電磁波の発生は、上記の実験結果から容易に推察される。電磁波計による電磁波の測定では、発生した電磁波は非常に微力なものであり、改質器を装着したエンジンルーム内に発生する各種の電磁波より強力な電磁波を測定することはできなかった。
(3.10) 改質剤を焼結加工するとき、通常の磁器や瀬戸物を生成する温度で焼結加工すると、改質能力が低下することが確認された。
(3.11) 改質剤を焼結加工するとき、真空低温の焼結工程を設けることによって、改質効果が上がることが確認された。
(3.12) 真空焼結加工した改質剤は、真空焼結加工しない改質剤よりも改質効果の持続が長いことが確認された。
(3.13) 改質剤を調合するとき、改質剤の粒子サイズの大きさに差があるものは、改質剤の粒子サイズを統一したものよりも、改質効果が強いことが確認された。
(3.14) 改質剤を調合するとき、改質剤の粒子形状にエッジがあるもの(角がとがった粒子を用いたもの)は、改質剤の粒子形状が丸いものよりも、改質効果が強いことが確認された。
(3.15) 改質効果は、燃料の滞留時間と密接な関係にあることが確認された。
本発明により、内燃機関などの燃料と接触しないように燃料改質剤を収容し、この燃料改質剤の改質作用によって燃料を改質し、排出ガスに含まれる有害物質を浄化することができる燃料改質器を効率的に製造することができる。さらに、本発明により、優れた改質性能を有する燃料改質器システムを効率的に製造することができる。
本発明の第1の実施形態において、燃料改質器の概略構造を示す縦断面図である。 本発明の第1の実施形態において、図1のA−Aにおける横断面図である。 本発明の第2の実施形態において、3分管を用いた燃料改質器システムの構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態において、2分管を用いた燃料改質器システムの構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態において、2分管を用いた燃料改質器システムの変形例の構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態において、3分管の構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態において、2分管の構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態において、4分管の構造を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態において、3分管を用いた燃料改質器システムを利用する燃料系統の構成を示す概略ブロック図である。
符号の説明
100 燃料改質器
111 外管
112 内管
113 導電部材
114 燃料改質剤
115 コーキング剤
118 外被
200 燃料改質器システム
201〜203 燃料改質器
210 第1の分配管
220 第2の分配管

Claims (19)

  1. 内燃機関の燃料を改質するための燃料改質器(100)において、
    外側に配置された外管(111)と、
    前記外管(111)の内部に配置され、かつ、燃料を通すことができるように構成された内管(112)と、
    前記内管(112)の内部に配置された導電部材(113)と、
    前記外管(111)と前記内管(112)との間に収容された燃料改質剤(114)とを備える、
    ことを特徴とする燃料改質器。
  2. 前記導電部材(113)は、銅製の平織金網で構成され、四辺を内巻きにして螺旋状に形成され、前記導電部材(113)の一部分が前記内管(112)の内壁に接触するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料改質器。
  3. 前記内管(112)の外側に銀めっきが施されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料改質器。
  4. 前記内管(112)は銅製であって、両端に絞り加工でニップルが形成されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料改質器。
  5. 前記外管(111)は、ゴム製の外被(118)と、コーキング剤(115)で密閉されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料改質器。
  6. 前記燃料改質剤(114)は、少なくとも電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aを含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料改質器。
  7. 前記燃料改質剤(114)は、電磁波を発生させるために電位の異なる物質を組み合わせた配合剤Aと、電気エネルギーを出す配合剤Bと、前記配合剤Aと前記配合剤Bとを結びつける結合剤Cとで構成されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料改質器。
  8. 前記配合剤Aの配合比率は23重量%から70重量%であり、前記配合剤Bの配合比率は5重量%から30重量%であり、前記結合剤Cの配合比率は5重量%から30重量%であることを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  9. 前記配合剤Aと前記配合剤Bと前記結合剤Cとを配合した後の珪素比率は25重量%以上であることを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  10. 前記配合剤Aと前記配合剤Bは精製水で練り合わされて生成されることを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  11. 精製水で練り合わされた前記配合剤Aと前記配合剤Bは、熱を加えて焼結されることを特徴とする、請求項10に記載の燃料改質器。
  12. 精製水で練り合わされた前記配合剤Aと前記配合剤Bの焼結は、低温で2段階に温度と時間を変えて行われ、最後に真空焼結されることを特徴とする、請求項11に記載の燃料改質器。
  13. 前記配合剤Aは最低比重が3以上であることを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  14. 前記配合剤Aは、少なくとも珪素を配合比率で35重量%から55重量%含み、かつ、アルミニウムを配合比率で20重量%から35重量%含むことを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  15. 前記配合剤Bは、珪酸ナトリウムを含むことを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  16. 前記結合剤Cは、炭素を90重量%以上含むことを特徴とする、請求項7に記載の燃料改質器。
  17. 複数の燃料改質器を含む燃料改質器システム(200)であって、
    入力側に配置され、かつ、複数の端子部(214、216、218)を含む第1の分配管(210)と、
    出力側に配置され、かつ、複数の端子部(224、226、228)を含む第2の分配管(220)と、
    複数個数の請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の燃料改質器(201、202、203)とを備え、
    前記複数個数の燃料改質器(201、202、203)のそれぞれの一方の端部が、前記第1の分配管(210)の端子部(214、216、218)に連結され、かつ、前記複数個数の燃料改質器(201、202、203)のそれぞれの他方の端部が、前記第2の分配管(220)の端子部(224、226、228)に連結される、
    ことを特徴とする燃料改質器システム。
  18. 前記第1の分配管(210)の端子部(214、216、218)と前記燃料改質器(201、202、203)の端部との連結部にフレキシブルジョイント(236)が設けられ、前記第2の分配管(220)の端子部(224、226、228)と前記燃料改質器(201、202、203)の端部との連結部にフレキシブルジョイント(236)が設けられることを特徴とする、請求項17に記載の燃料改質器システム。
  19. 前記複数の燃料改質器(201、202、203)をそれぞれ通る燃料の滞留時間が異なるように、前記複数の燃料改質器(201、202、203)は、前記第1の分配管(210)の端子部(214、216、218)と、前記第2の分配管(220)の端子部(214、216、218)とに連結されることを特徴とする、請求項17に記載の燃料改質器システム。
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