JP2012240035A - ガス分解素子、触媒、および触媒の製造方法 - Google Patents

ガス分解素子、触媒、および触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電気化学反応によって、簡単な構造をとりながら大きな処理能力を得ることができる、ガス分解素子等を提供する。
【解決手段】 ガスを含む気体が導入される容器25と、容器内に装入され、ガスと接触して該ガスの分解を促進する触媒5と、容器における気体の導入側において触媒を留めるように配置された金属多孔体7と、気体および触媒を加熱するヒータ9とを備え、触媒5が、セラミックスの担体5bと、その担体の表面に担持された、金属または金属酸化物の粒子5aとを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガス分解素子、触媒、および触媒の製造方法に関し、より具体的には、所定のガス分子を効率よく分解することができるガス分解素子、触媒、および触媒の製造方法に関するものである。
アンモニアは農業や工業に不可欠の化合物であるが、ヒトには有害であるので、水中や大気中のアンモニアを分解する方法が、多く開示されてきた。たとえば、高濃度のアンモニアを含む水からアンモニアを分解除去するために、噴霧状のアンモニア水を空気流と接触させて空気中にアンモニアを分離して、次亜臭素酸溶液または硫酸と接触させる方法が提案されている(特許文献1)。また、上記と同じプロセスで空気中にアンモニアを分離して触媒により燃焼させる方法の開示もなされている(特許文献2)。また、アンモニア含有排水を、触媒を用いて窒素と水とに分解する方法が提案されている(特許文献3)。
また、半導体製造装置の廃ガスには、アンモニア、水素等が含まれるのが普通であり、アンモニアの異臭を完全に除去するには、ppmオーダーにまで除害する必要がある。この目的のために、半導体製造装置の廃ガス放出の際にスクラバーを通して、薬品を含む水に有害ガスを吸収させる方法が多く用いられてきた。
一方、エネルギや薬品等の投入なしに、安価なランニングコストを得るために、液体の電解質を用いたリン酸型燃料電池でアンモニアを分解する半導体製造装置の排気ガス処理の提案もされている(特許文献4)。同様の電気化学反応を用いて発電を行うガス分解素子として、筒状の固体電解質層と、この固体電解質層を内外から挟む燃料極層(内層)および空気極層(外層)とを備える筒状MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)が提案されている(特許文献5)。この筒状MEAでは、分解対象のガスを含む気体を筒状MEA内(内層)に流すことで当該ガスを分解する。上記の固体電解質を用いた電気化学反応によるガス分解では、ガスを含む気体および筒状MEA等の温度が高いほどガス分解反応を促進させる。このため、加熱装置内に筒状MEAを収容して800℃以上に保持する(特許文献5)。
特開平7−31966号公報 特開平7−116650号公報 特開平11−347535号公報 特開2003−45472号公報 特許第3238086号公報
上記の中和剤などの薬液を用いる方法(特許文献1)、燃焼する方法(特許文献2)、触媒を用いた熱分解反応による方法(特許文献3)などによれば、アンモニアの分解は可能である。しかし、上記の方法では、薬品や外部エネルギ(燃料)を必要とし、さらに触媒の定期的交換を要し、ランニングコストが高いという問題がある。また、装置が大掛かりとなり、たとえば既存の設備に付加的に設ける場合に配置が難しい場合も生じる。
リン酸型燃料電池を、化合物半導体製造の排気中のアンモニアの除害に用いる装置(特許文献4)についても、電解質が液体であるため、空気側とアンモニア側との仕切りをコンパクトにできず、装置の小型化が難しいという問題があった。また、温度を高くできないという制約も課せられる。
固体電解質を用いた装置(特許文献5)では、筒状MEA自体が複雑な構造で高価であり、かつ上記の方式の筒状MEAではガス分解能率が低いため多数の筒状MEAを要し、経済性および装置の小型化という点で困難性がある。
本発明は、電気化学反応を用い、簡単な構造をとりながら大きな処理能力を得ることができる、ガス分解素子、そこで用いられるガス分解のための触媒、および触媒の製造方法を提供することを目的とする。
本発明のガス分解素子は、ガスを分解するために用いられる。この素子は、ガスを含む気体が導入される容器と、容器内に装入され、ガスと接触して該ガスの分解を促進する触媒と、容器における気体の導入側において触媒を留めるように配置された金属多孔体と、気体および触媒を加熱する加熱装置とを備え、触媒が、セラミックスの担体と、その担体の表面に担持された、金属または金属酸化物の粒子(触媒粒子)とを備えることを特徴とする。
セラミックス担体の担持された触媒は、塊状もしくはボール状であり、容器内に装入または充填された状態で、間隙を通ように気体を流す。触媒は、従来よりも気体流路において表面の露出度が高いので、気体は、その触媒に確実に接触する。触媒を十分な装入度または充填度で充填しておけば、気体が素通りすることはない。充填度または装入度は、圧力損失が高くなりすぎず、また素通りしない範囲内とする。触媒が金属酸化物の粒子である場合、表層のみ、または表面に無関係に部分的に(まだら状に)酸化されたものでもよく、すべてが金属酸化物で形成されている必要はない。
触媒によるガス分解を促進するには、ガスを含む気体を高温に加熱することが重要である。気体は予熱等されるのが普通であるが、分解が行われる容器内の温度にまでは到達しにくい。気体導入側に位置して、触媒を留める留め材を金属多孔体で形成することで、容器内の温度に昇温されている金属多孔体と、低温の気体とが十分熱交換することができる。このため、気体の温度を効率よく高めることができる。また、金属多孔体は触媒を留めるのに十分な強度を有するので、圧力損失を抑制しながら触媒の留め材として耐久性をもって機能する。
また、金属多孔体をNiなどで製造すれば、ガス分解を促進する触媒作用を得ることができる。懸念される点は、圧力損失の増大であるが、気孔率を大きくとること、および流れ方向に沿う金属多孔体の厚み(長さ)を加減することで、対処できる。
さらに、上記のガス分解素子における、容器は、耐熱性金属、セラミックスなどを用いることができ、その容器内に上記の触媒を装入することで、簡単に、かつ高い経済性をもって製造することができる。
加熱装置は通電発熱体(ヒータ)であり、該通電発熱体が、容器内においてうねるように配置されるのがよい。
これによって、ヒータに接するように直近に位置する触媒および気体に、直ちに熱を伝達することができ、効率よい加熱ができる。この結果、ガス分解の能率を向上させ、エネルギ消費を抑制することができる。
なお、ヒータは、1本でも複数本でもよい。これらヒータがうねる形態としては、全体的に一直線状に配置されなければどのような形態であってもよい。たとえばジグザグ状、サーペンタイン状、らせん状、畝状などでよい。
容器は、気体の導入部を下部にして鉛直に立てられ、気体を触媒に接触させながら容器内を上昇させることができる。
これによれば、非常に簡単な構造によってガス分解素子を形成することができる。このためガス分解素子の組み立て工程も簡単化される。容器内に装入または充填された触媒は、下方に重量を負担させるが、導入口の断面には十分高い強度を有する金属多孔体が配置されるため問題は生じない。
また、加熱された気体は上昇気流を形成しやすく導入部の気体を上方に引き上げるため、圧力損失の増大を抑制することができる。前記ヒータは、上昇気流が過大な場合に、容器内における上昇気流が適正に配分されるように、障害物(邪魔材)として、適切な分布をとることができる。
上記の装置構成とは別に、容器は、気体が導入される導入口と、反応部を通り過ぎた気体が排出される排出口とが、該容器の一方端側に配置され、気体が容器内を他方端側で折り返すようにしてもよい。
上記の構成によれば、加熱装置を短くしながら効率よく気体を加熱することができる。また、触媒との接触を効率よく実現することができる。
導入口に配置された金属多孔体の比表面積を1000(m/m)以上とすることができる。
これによって圧力損失を小さくすることができる。上記のような高い比表面積は、発泡連続化された樹脂に金属めっきを施すことで形成される金属めっき多孔体により実現できる。とくに商品名セルメット(登録商標:住友電気工業株式会社)は、上記の高い気孔率を有する。
金属多孔体が、通電されて発熱する発熱体であるものとするのがよい。
金属多孔体が発熱することで、気体を導入口で効率よく加熱することができ、ガス分解を促進させることができる。
触媒において、セラミックスの担体が、{酸化アルミニウム(Al),酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiOなど)}のいずれかを主成分とし、金属または金属酸化物の粒子が、NiまたはNi酸化物を主成分とする粒子とすることができる。
これによって、市販の種々の形状のセラミックス担体を用いて、触媒粒子を担持させることができる。
触媒は、触媒粒子の凝集粗大化を抑制するために、凝集抑制材を含み、該凝集抑制材は前記担体の表面に塊状に位置し、その塊状の凝集抑制材の表面に、触媒粒子が位置することができる。
上記の構成により、セラミックスの担体上に一層高い密度で金属または金属酸化物の粒子を分布させることができ、分解効率を向上させることができる。
触媒粒子が、粒子が繋がった金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物か、または、該金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物の凝集体と、するのがよい。
上記の金属粒連鎖体は、還元析出法で形成され、微細な強磁性粒子が磁気力で引き合いさらに析出が進行することで材料的にも一体化されてひも状となったものである。Niを主成分として微量のTi、Fe等を含んでもよい。表面に球面状の金属粒子が繋がってできた微細な凹凸があり、触媒として分解反応を強力に促進することができる。このあと説明する製造工程の焼結によって酸化されるが、酸化によって触媒作用が向上する場合もある。また、セラミックス担体上に付着させるときに凝集しても問題は生じない。
なお、本発明のガス分解素子における触媒は、最も広くは通常の金属粒子または金属酸化物粒子であってよく、上記の金属粒連鎖体に由来する金属粒子または金属酸化物粒子でなくてもよい。
本発明の触媒は、セラミックスの担体と、その担体の表面に担持された、金属または金属酸化物の粒子とを備える。この触媒は、金属または金属酸化物の粒子が、強磁性体の金属粒子が繋がった金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物であるか、または、該金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物の凝集体であることを特徴とする。
本発明における触媒のみの発明は、上記のように金属粒連鎖体に由来するものとする。ただし、上記のようにガス分解素子の発明では、広くは触媒は通常の金属粒子または金属酸化物粒子であってもよい。
セラミックスでは、平均気孔径が1μm以上20μm以下であり、平均気孔率が0.2以上0.5以下であるのがよい。
これによって触媒粒子を高密度で分布させることができ、単位容積当たりの分解効率を高めることができる。なお、上記の気孔率等は低い焼結温度を採用することで実現することができる。
本発明の触媒の製造方法は、セラミックスの担体を準備する工程と、触媒となる金属粒連鎖体を還元析出法で形成する工程と、凝集抑制材、溶剤および増粘結剤を含む溶液に金属粒連鎖体を投入して流動体を形成する工程と、流動体にセラミックスの担体を浸漬して取り出す工程と、流動体が付着した担体を焼結する工程とを備える。
これによって、簡単な工程で作用の強い触媒を得ることができる。
焼結工程では、焼結温度を1050℃以下で焼結するのがよい。
これによって、表面の凹凸が大きく触媒の粒子が高い密度で担持されるセラミックス担体を得ることができる。
本発明のガス分解素子等によれば、電気化学反応によって、簡単な構造をとりながら大きな処理能力を得ることができる。
本発明の実施の形態1におけるガス分解素子を示す縦断面図である。 図1のガス分解素子における触媒を示し、(a)はセラミックス担体およびそれに担持された触媒粒子、(b)は凝集抑制材に位置する触媒粒子、を示す図である。 セラミックス担体および凝集抑制材に酸化ケイ素を用いた場合の触媒を示す図である。 セラミックス担体の塊状ないしボール状の酸化アルミニウムを示す図である。 触媒の製造方法を示す図である。 めっき金属多孔体を示す図である。 めっき金属多孔体の製造方法を示す図である。 発泡樹脂にウレタンを用いて図7の方法で製造したNiめっき多孔体の比表面積と孔径との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2におけるガス分解素子を示す縦断面図である。 本発明の実施の形態2におけるガス分解素子の変形例を示す断面図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるガス分解素子50の縦断面図である。図1(b)は、図1(a)の筒状MEA7の内側の通路Pに沿う温度分布を示す図である。図1を参照して、このアンモニア分解素子10では、たとえばアンモニアを含む気体が導入配管21cを通って気体導入部21に導入される。ただし、分解対象のガス(分子)は何でもよく、とくにアンモニアに限定されるものではない。この気体導入部21は、容器25の下部に上端が同じ断面で連通されている。容器25の主要部である側部は、外壁25bと耐熱性の内壁25aとで構成される。容器25内には、塊状ないしボール状の触媒5が充填され、その触媒5の中を縫うように、ヒータ9がサーペンタイン状に通っている。ヒータ9は、水平部ではヒータ配管9sが配置され、ヒータ9はそのヒータ配管9sの中を通る。容器25の底部において、触媒5を留めるように金属多孔体7が配置されている。容器25の中央高さ位置の辺りに、温度計17が挿入されて、容器内の温度を計測する。
このガス分解素子50では、たとえばアンモニアを含む気体は、気体導入部21に入ったあと、容器25内へと上昇する。まず、金属多孔体7と熱交換しながら昇温されて、触媒5に接触しながら上昇する。触媒は、このあと説明するように塊状ないしボール状であるため、必ず間隙が生じていて、気体はその間隙を通りながら、触媒25の表面に位置する金属または金属酸化物の粒子に接触して分解する。容器25内の平均温度は、たとえばアンモニア分解の場合500℃〜850℃程度にするが、要求される分解能率に応じて、温度を変えることができる。また、分解対象のガスによって温度を変えるのがよい。本発明における分解対象のガス分子は、アンモニアに限定されず、どのようなものでもよい。
図1に示すガス分解素子50は、縦型配置ということができる。縦型配置であるため、横型配置にない利点を得ることができる。すなわち、触媒5のサイズや充填度に応じて、触媒5の配置された部分の間隙もしくは気孔率は、変化するが、触媒5サイズおよび充填度を一定にしたとき、容器25内の気体は、加熱されて自然に上昇し、容器25の下部の圧力を下げようとする。このため気体導入部21に導入された気体は、その圧力低下分を埋めようとして触媒5が充填された容器25内に引き込まれる。この結果、圧力損失の増大を抑制することができる。
図1のガス分解素子50では、ヒータ9が触媒5の中を縫うように、サーペンタイン状に配置されている。このため、ヒータ9と触媒5とは、ほとんど接する距離にあり、加熱を非常に効率的に行うことができる。たとえば、従来のように触媒の部分または分解が進行する部位を外側から包むようにヒータ等を配置する場合、多大な時間をかけて熱平衡状態に届いても、ヒータの直近部分と、分解進行部位(触媒の位置)との間に温度差が生じた。このため、その温度差の分、ガス分解反応は促進が減ぜられた。図1に示すガス分解素子50では、ヒータ直近の温度は、触媒5の温度であり、触媒機能の発現にとって有効である。
図1に示すガス分解素子50は、ヒータ9を、直接、うねらせるような形態で触媒5の中を通す点に特徴を有するだけでなく、断面の大きさ、形状などを比較的容易に拡大できる点にも大きな特徴を有する。すなわちガス分解素子50の1基当たりの能力(容量)向上を、容器25の断面を拡大することで容易に実現することができる。容器25の断面を大きくして、その中に塊状ないしボール状の触媒5を充填するだけで、1基当たりのガス分解能力を拡大することができる。また断面を大きくした場合、気体が断面の中心付近のみを通って上昇し、容器の内壁25a付近では反応が進まないおそれがある。これを防ぐために、すなわち断面全体の有効活用をはかるために、容器25の内壁25aに近い付近に、ヒータの線密度が高くなるようにするのがよい。これによって、分解反応が内壁25aに近い部位で進行するだけでなく、内壁25a付近が高温になるため、上昇気流が発生しやすくなり、この結果、下部から未反応のガスを含む気体を引き上げることになり、容器の断面全体でガス分解の促進をはかることができる。
図2は塊状ないしボール状の触媒5を示す図であり、(a)は1個の触媒5を、また(b)はその表面に担持された金属または金属酸化物の粒子を示す図である。図2(a)に示すように、セラミックスボール5bは担体であり、その表面に金属または金属酸化物の触媒粒子5aを担持する。触媒粒子5aは、セラミックスボール5aの表面に、直接、担持されてもよい。図2(b)は、セラミックスボール5b上に凝集抑制材の小球5cが形成され、その小球5c上に触媒粒子5aが担持されている。触媒5の形態としては、凝集抑制材の小球5cが形成され、その小球上に触媒粒子5aが担持されたほうが、微細に高密度で触媒粒子5aが担持されるため、ガス分解促進のために好ましい。このあと、触媒の製造方法において説明するが、触媒の製造において担体5b表面に触媒粒子5aを担持させるために行う焼結では、焼結温度を低くするほうが、表面における気孔などの状態、すなわち金属粒子等5aを担持する箇所の密度が高くなり、好ましい。
塊状ないしボール状のセラミックスとしては、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)などを用いることができる。酸化アルミニウムは担体として用いることができるが、凝集抑制材5cの機能も有する。触媒粒子5aとしては、Niまたは酸化ニッケル(NiOなど)を用いるのがよい。チタン(Ti)、パラジウム(Pd)を、Niの代わりに、金属粒子または金属酸化物粒子として用いてもよい。凝集抑制材5cとしては、YSZ、酸化アルミニウムなどを用いるのがよい。これらの触媒5は、製造の際に、焼成温度650℃以上1050℃以下で焼結するのがよい。但し凝集抑制剤を使用する場合は、1400℃程度で焼成するのがよい。
図3は、担体に酸化ケイ素(SiO2)を用いた点に特徴がある。酸化ケイ素は担体5bにも、また凝集抑制材5cにも用いることができる。酸化ケイ素は、焼結温度を非常に低く、たとえば800℃〜1000℃の範囲に低くできる。このため、酸化ケイ素の担体5bの表面では高密度の粒子付着箇所が維持され(高温焼結では統合または融合してしまう)、凝集抑制材の小球5cも小さいサイズを保ち、したがって、高密度で微細な金属粒子等5を得ることができる。担体5bに酸化ケイ素を用いた場合においても、金属粒子等5aには、上述のNi等を用いるのがよい。
図2および図3から分かるように、触媒5における触媒粒子5aの露出度は、管壁などの多孔質層に配置された従来の触媒に比べて、非常に高くなっている。このため、触媒粒子は分解の促進に大きく貢献することができる。
図4は、塊状ないしボール状の酸化アルミニウムのセラミックス担体5bを示す図である。このような塊状ないしボール状酸化アルミニウム5bは、市販されている。セラミックス担体のサイズはどのようなものでもよく、特に限定しないが、図4の場合、酸化アルミニウムの平均直径は、4mm程度である。
図5は、触媒5の製造方法を説明するための図である。まず市販されているセラミックス担体を準備する。直径などは、使用されるガス分解素子における容器の大きさ、分解能力、許容される圧力損失などを考慮して決めるのがよい。
触媒粒子5aには、原材料としてNi粒子、Ni粒連鎖体、Pd粒子を用いるのがよい。金属粉の形態である。酸化物は、製造工程中の焼結によって酸化されることで形成される。酸化は部分的であってもよい。このあと触媒作用が強力で、経済性にも優れる触媒粒子の原材料であるNi粒連鎖体について、説明する。原材料としての金属粒子の径は、とくに限定しないが数10nm程度とするのがよい。100nmを超えると、担体上に高密度で担持されにくいので、径は100nm以下程度にするのがよい。
凝集抑制材には、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、酸化アルミニウム、酸化ケイ素などの粉体を用いるのがよい。サイズはとくに限定しないが、1μm程度以下とするのがよい。
上記の1.金属粉および2.凝集抑制材を、溶剤および増粘結剤等と合わせて、ペースト状流動体を準備する。そのペースト状流動体に上記の3.セラミックス担体を浸漬して、セラミックス担体上にペースト状流動体を付着する。
このあと、焼結温度を1050℃以下のなるべく低い温度で焼結して、セラミックス担体上に、凝集抑制材5cを介在させて、金属粒子または金属酸化物粒子を、高い密度で担持することができる。金属粒子または金属酸化物粒子が高密度で分布する結果、ガス分解反応は促進されて、分解効率を向上させることができる。
次に、金属粒子の原材料として、触媒作用が高く、経済性にも優れたNi粒連鎖体について説明する。ここで、金属粒連鎖体は、1個の金属粒子という形態ではなく、金属粒子が相互に部分的に統合されながら連続した粒子というべき形態である。しかし、金属粒連鎖体は、1個の金属粒子と同じ金属または金属酸化物の触媒という点で共通するので、本説明では、金属または金属酸化物の粒子として扱う。また、個々の金属粒子といっても、ある程度凝集して複合的または集合的な形態をとるので、大きな相違はない。
金属粒連鎖体は、還元析出法によって製造するのがよい。この金属粒連鎖体の還元析出法については、特開2004−332047号公報などに詳述されている。ここで紹介されている還元析出法は、還元剤として3価チタン(Ti)イオンを用いる方法であり、析出する金属粒(Ni粒など)は微量のTiを含む。このため、Ti含有量を定量分析することで、3価チタンイオンによる還元析出法で製造されたものと特定することができる。3価チタンイオンとともに存在する金属イオンを変えることで、所望の金属の粒を得ることができる。Niの場合はNiイオンを共存させる。Feイオンを微量加えると、微量Feを含むNi粒連鎖体が形成される。
また、連鎖体を形成するには、金属が強磁性金属であり、かつ所定のサイズ以上であることを要する。NiもFeも強磁性金属なので、金属粒連鎖体を容易に形成することができる。サイズについての要件は、強磁性金属が磁区を形成して、相互に磁力で結合し、その結合状態のまま金属の析出→金属層の成長が生じて、金属体として全体が一体になる過程で、必要である。所定サイズ以上の金属粒が磁力で結合した後も、金属の析出は続き、たとえば結合した金属粒の境界のネックは、金属粒の他の部分とともに、太く成長する。金属粒連鎖体の平均直径Dは5nm以上、500nm以下の範囲とするのがよい。また、平均長さLは0.5μm以上、1000μm以下の範囲とするのがよい。また、上記平均長さLと平均径Dとの比は3以上とするのがよい。ただし、これら範囲外の寸法を持つものであってもよい。
金属粒連鎖体は、粒が部分的に融合した数珠状のひもにたとえることができる。このため、表面に微細な凹凸があり、強力な触媒機能を発現することができる。また、電気化学反応で生じる電子は、連続したひも状の導電物を伝ってながれるので、この点でも分解の電気化学反応を促進することができる。このひも状の導電体という形態は、表層を酸化膜で覆う表面酸化処理を行っても、中の芯の部分が酸化されずに金属のままであれば変わらない。
金属粒連鎖体に対する表面酸化は、他の金属粒子と同様に、図5に示す焼結によって行うことができる。ただし、アンモニアの分解のように還元される場合は、酸化層の重要度は少し低下する。還元反応が進行する気体では、金属粒子または金属粒連鎖体のまま、またはこれらの凝集体のまま、触媒作用を用いることになる。
金属粒連鎖体を含めて、金属粒子全般に、焼結処理を用いないで酸化するには、次の3種類の方法がある。(i)気相法による熱処理酸化、(ii)電解酸化、(iii)化学酸化、などである。(i)では大気中で500〜700℃にて1〜30分処理するのがよい。最も簡便な方法であるが、酸化膜厚の制御が難しい。(ii)では標準水素電極基準で3V程度に電位を印加し、陽極酸化することにより表面酸化を行うが、表面積に応じ電気量により酸化膜厚を制御できる特徴がある。しかし、大面積化した場合、均一に酸化膜をつけることは難しい手法である。(iii)では硝酸などの酸化剤を溶解した溶液に1〜5分程度浸漬することで表面酸化する。酸化膜厚は時間と温度、酸化剤の種類でコントロールできるが薬品の洗浄が手間となる。いずれの手法も好適であるが、(i)または(iii)がより好ましい。
酸化膜の形成は、図5に示す焼結による酸化だけで済ますこともできる。これによれば工程省略などができ、むしろ好都合である。
望ましい酸化層の厚みは、1nm〜100nmであり、より好ましくは10nm〜50nmの範囲とする。ただし、この範囲外であってもかまわない。酸化皮膜が薄すぎると触媒機能が不十分となる。また、わずかな還元雰囲気でもメタライズされてしまう恐れがある。逆に酸化皮膜が厚すぎると触媒性は充分保たれるが、反面、界面での電子伝導性が損なわれる。本発明の場合、外部から電圧を印加したりせず、また外部に電流を取り出すことをしないので、電子伝導性はそれほど意味がないと思われるかもしれないが、凝集した塊において局所電流などとなり触媒作用を高める要因になる。
金属粒連鎖体またはその表面酸化物は、他の触媒粒子と同様に、凝集してもかまわない。
図6は、図1において気体導入側において触媒5を留めている金属多孔体7を示す図である。ここで用いられている金属多孔体7は、めっきによって形成された、気孔率または比表面積が大きいめっき金属多孔体である。このめっき金属多孔体7には、セルメット(登録商標:住友電気工業)を用いることができる。比表面積が高いことは、空隙率が大きくしたがって気孔率が大きいことを意味する。
図7は、金属めっき多孔体の製造方法の一例を示す図である。まずウレタン等の樹脂に発泡処理を施し発泡させたものを準備する。次いで、発泡した気孔を連続する気孔連続化処理を行う。気孔連続化処理は、除膜処理を主内容とする。孔の上に出来た薄膜を爆発処理等の加圧処理もしくは化学処理により除膜することで連続気孔化する。このあと、気孔内壁に、導電性炭素膜を付着させるか、または無電解めっき等により導電薄膜を形成する。次いで、電気めっきによって、金属めっき層を導電性炭素膜または導電薄膜上に形成する。この金属めっき層が気孔体の骨格となる。金属めっきはニッケルイオンを含むめっき液を用い、Niめっき層を形成する。Niは、上記の低温域で耐高温酸化性を有し、かつめっき層の形成が容易である。次いで、熱処理によって樹脂を消散させて、金属めっき層のみを残して、Niめっき多孔体とする。
この金属めっき多孔体を通電発熱体として用いるには、電気抵抗を高めるために、クロム、アルミニウム、その他の金属を表面から導入して合金化処理を行う必要がある。この合金化処理は、Cr、Al、その他の金属を外から表層に拡散導入することにより行われる。合金化を表層のみに止めて、合金化表層付きめっき多孔体とするのが普通であるが、中まで合金化する場合もある。
また、めっき液にニッケルイオンおよび他の金属イオンを溶解させて、めっき体をニッケル合金としてもよい。このように、直接、合金めっき層を形成することで、ニッケル合金の骨格を形成してもよい。
クロマイジング(Chromizing)を行う場合、Niめっき多孔体を、Cr粉、Al粉およびNHCl粉よりなる調合剤とともに、ケース内に埋め込む。ケース内にHガスまたはArガスを通しながら、炉内にて900℃〜1100℃に加熱することで、Cr拡散浸透層を得ることができる。このCr拡散浸透層は電気抵抗を高めるので、Niめっき多孔体を通電発熱体にすることができる。また、クロムを含有させることで、耐高温酸化性能を高めることができる。クロマイジングについては、粉末法に限らず、気体法、溶融塩法など、既存の任意の方法を用いて、AlまたはCrを拡散浸透することができる。
図8に、発泡樹脂にウレタンを用いて図7に示す方法で製造したNiめっき多孔体の、比表面積(y:m/m)と孔径(x:mm)との関係を示す。図8の小黒丸が実測値である。孔径0.05mm〜3.2mmにわたって、上記の方法で製造することができる。実測値は、ウレタンを用いた場合は、(x−0.3)y=400または600の双曲線に比して、同じ孔径において大きな比表面積を持つ。ここで双曲線の孔径の最小極限値(漸近線)の0.3mmは、ウレタンを用いた場合のものである。(x−0.3)yの値が大きいと、気体と接触して、気体を乱流状態とする機能を保持しながら、圧力損失を低くできる効果を生み出す。このため、400≦(x−0.3)y、とするのがよい。より好ましくは、600≦(x−0.3)y、とするのがよい。孔径をあまり大きくする弊害(電気抵抗が過大になる弊害など)が生じるおそれがあるので、上限は3000程度、より好ましくは2000程度とするのがよい。
なお、ウレタンの代わりにメラミンを用いた場合には、孔径の最小極限値は0.05mmとなる。メラミンを用いて製作した金属多孔体については、孔径と比表面積との積の表式は示さないが、気孔率が0.6以上0.98以下の範囲に入れば、メラミンを用いて製作した金属多孔体も本発明の範囲に入る。
金属めっき多孔体を用いないで金属粉焼結体を用いた場合、孔径は0.05mm〜0.3mmの範囲、より好ましくは0.10〜0.2mmの範囲にある。また、比表面積は、ウレタンの多孔体鋳型を用いて製作した図8に示す関係(x−0.3)y=400よりも、かなり小さい範囲にある。気孔率は、骨格の形状にも影響を受けるが、一般的に気孔率が高いものほど比表面積は大きい。したがって、図7に示す方法で作製したNiめっき多孔体は、同じ導電性、同じ乱流生成作用を得ながら、金属粉焼結体よりも圧力損失を低下することができる。
図1に示すガス分解素子50の特徴は次のようにまとめることができる。
(1)ガス分解素子の構造が簡単で、製造が容易である。
(2)縦型なので、高温に加熱されて触媒5で分解される箇所では上昇気流が生じやすく、未反応のガスを含む気体を上に引き上げるので、圧力損失は抑制される。
(3)ガス分解素子の1基当たりの能力拡大を、容器断面の拡大および触媒投入量の増大により、簡単かつ容易に実現することができる。
(4)とくに加熱装置については、ヒータを触媒の中をうねるように、たとえばサーペンタイン状に配置することで、熱効率を高めながら、実際に触媒付近の温度を高くすることができる。上昇気流による引き上げ力が過大になった場合、ヒータを容器25内に引き回して密度分布を持たせることで、邪魔材として機能させることができる。容器の中心軸に気体流れが集中するような場合にも、容器25の壁側に沿って流れるように配置することもできる。
(5)従来のガス分解素子に比べて、気体流路における触媒の表面の露出割合を高くでき、触媒の寄与を大きくすることができる。
(6)気体導入側における触媒5の端は、金属めっき多孔体7で留めるのがよい。十分な強度を有するため、耐久性を維持しながら確実に触媒を留めることができる。また、この比表面積を高くできるので、圧力損失を抑制することができる。
(7)触媒5については、焼結温度を低くすることで、金属粒子等5aを微細かつ高密度で担体に担持されることができる。とくに酸化ケイ素は、担体5bおよび凝集抑制材5cに用いることができ、かつ800℃〜1000℃という低い温度範囲で焼結することができる。
また、金属粒子の原材料に、Ni粒連鎖体を用いることで、より高い触媒作用を得ることができる。
(8)金属めっき多孔体7にクロム等の金属元素を加えることで、金属めっき多孔体を通電発熱体として用いることができ、一層大きなガス分解能力を得ることができる。
(実施の形態2)
図9は、本発明の実施の形態2におけるガス分解素子50を示す図である。このガス分解素子50は、実施の形態1と異なり、横型で、片方端のみ開放された、筒体を用いる。このガス分解素子50では、開放された一方端に装着されて、図示しない気体導入路と気体排気路とを備えた気体分配部33を備える。未反応のガスを含む気体は、その配管(図示せず)を加熱装置9の中を通して予備加熱する。ヒータ9はヒータハウジング9hの中に配置され、予備加熱部は、このヒータハウジング9h内を通ることで行われる。予備加熱された気体は、容器35の端に栓のように取り付けられた気体分配部33に至り、気体分配部33を通って容器35を形成する内管35aの端に通される。内管35aはストレートの管である。内管35aの導入側には、触媒5の金属多孔体7が留め材として配置されている。この金属多孔体7には、たとえばめっき金属多孔体が用いられて、十分大きな比表面積を有するものとする。これによって、十分高い強度と、低い圧力損失を得ることができる。
内管35aを進むうちに分解対象のガス分子は、触媒5に当たり分解される。内管35aのもう一方の端に至り、外管35bの閉じた端に出る。外管35bにおける閉じた端または折り返し部Kにおいて、ガス分子は折り返して、内管35aと外管35bとの間の触媒に当たり分解されながら、外管の開放端に向かって進む。図9に示す二重管の構造では、外管35bと内管35aの間のほうが、内管35aの中よりも加熱装置9に近いので、高温度になりやすい。外管35bの開放端には、金属多孔体7が触媒5の留め材として装着されている。このあと気体分配部33によって排出路に通され、排出される。この片側開放二重管を用いると、気体を二重管の中を往復させて、気体の温度を十分高い温度に到達させることができる。この結果、ガス分解を促進させることができる。とくに外管35bと内管35aとの間の箇所で、触媒5およびガス分子自体の高温度によって分解反応を促進することができる。
図9の内管35aの端に位置する金属多孔体7についても金属めっき多孔体を用い、これにクロム等を合金化して、通電発熱体にすることができる。めっき多孔体は金属骨格の厚みが薄いので、合金化しやすく、また電気抵抗を増大させやすい。これによって、内管35aに通される気体の温度を効率よく昇温させることができ、ガス分解能力を向上させることができる。
図10は、図9のガス分解素子の変形例であり、やはり本発明に属する実施の形態である。本変形例では、触媒5による圧力損失の増大を抑制するために金属多孔体7を内管35aの奥に配置して、触媒5を内管35aについては、奥の位置にのみ配置し、気体導入部から金属多孔体7までの所定範囲は何も配置しないスペースSとした。分解対象のガス分子を含む気体は、内管35aの奥の部分で分解反応しながら、折り返し部Kで折り返して内管35aと外管35bとの間を通ってゆく。この部位は、加熱装置9の配置関係から、内管35a内よりも高温度になる。これによって、触媒5を温度の高い範囲に限定して配置して高い速度の分解反応を得ながら、圧力損失の増大を抑制することができる。
図9および10に示すガス分解素子50の特徴は次のようにまとめることができる。
(1)塊状ないしボール状の触媒を容器内に装入するだけなので、触媒の配置は容易である。
(2)ガス分解素子の1基当たりの能力拡大を、容器断面の拡大および触媒投入量の増大により、実現することができる。ただし2重管の構造なので、その分、図1のガス分解素子よりも複雑な構造になる。
(3)従来のガス分解素子に比べて、気体流路における触媒の表面の露出割合を高くでき、触媒の寄与を大きくすることができる。
(4)気体導入側および排出側における触媒5の端は、金属めっき多孔体7で留めるのがよい。十分な強度を有するため、耐久性を維持しながら確実に触媒を留めることができる。また、この比表面積を高くできるので、圧力損失を抑制することができる。
(5)触媒5については、焼結温度を低くすることで、金属粒子等5aを微細かつ高密度で担体に担持されることができる。とくに酸化ケイ素は、担体5bおよび凝集抑制材5cに用いることができ、かつ800℃〜1000℃という低い温度範囲で焼結することができる。
また、金属粒子の原材料に、Ni粒連鎖体を用いることで、より高い触媒作用を得ることができる。
(6)金属めっき多孔体7にクロム等の金属元素を加えることで、金属めっき多孔体を通電発熱体として用いることができ、一層大きなガス分解能力を得ることができる。
上記において、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
本発明のガス分解素子によれば、簡単な構造をとりながら大きな処理能力を得ることができる。ガス分解素子に触媒を配置することは、非常に簡単に行うことができ、かつ触媒が気体が流れる流路にさらす表面の割合がこれまでより格段に大きいので、分解能率が向上する。また、気体や触媒を熱効率よく昇温させることが可能になる。また、触媒の留め材に金属多孔体を用いることで、高い耐久性を保持しながら圧力損失を抑えることができる。
5 触媒、5a 金属または金属酸化物の粒子、5b セラミックス担体(塊状ないしボール状)、5c 凝集抑制材、7 金属多孔体、9 ヒータ、9h ヒータハウジング、9s ヒータ配管、17 温度計、21 気体導入部、21c 導入管、25 容器、25a 内壁、25b 外壁、33 気体分配部、35 容器(二重管)、35a 内管、35b 外管、50 ガス分解素子、K 折り返し部、S 空間。

Claims (13)

  1. ガスを分解するために用いる素子であって、
    前記ガスを含む気体が導入される容器と、
    前記容器内に装入され、前記ガスと接触して該ガスの分解を促進する触媒と、
    前記容器における前記気体の導入側において前記触媒を留めるように配置された金属多孔体と、
    前記気体および触媒を加熱する加熱装置とを備え、
    前記触媒が、セラミックスの担体と、その担体の表面に担持された、金属または金属酸化物の粒子(触媒粒子)とを備えることを特徴とする、ガス分解素子。
  2. 前記加熱装置は通電発熱体(ヒータ)であり、該通電発熱体が、前記容器内においてうねるように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のガス分解素子。
  3. 前記容器は、前記気体の導入部を下部にして鉛直に立てられ、前記気体は前記触媒に接触しながら前記容器内を上昇することを特徴とする、請求項1または2に記載のガス分解素子。
  4. 前記容器は、前記気体が導入される導入口と、反応部を通り過ぎた気体が排出される排出口とが、該容器の一方端側に配置され、前記気体は、前記容器内を他端側で折り返すことを特徴とする、請求項1に記載のガス分解素子。
  5. 前記触媒を留めるように配置された金属多孔体が比表面積1000(m/m)以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス分解素子。
  6. 前記金属多孔体が、通電されて発熱する発熱体であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス分解素子。
  7. 前記触媒において、前記セラミックスの担体が、{酸化アルミニウム(Al),酸化マグネシウム(MgO)、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiOなど)}のいずれかを主成分とし、前記金属または金属酸化物の粒子が、NiまたはNi酸化物を主成分とする粒子であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガス分解素子。
  8. 前記触媒は、前記触媒粒子の凝集粗大化を抑制するために、凝集抑制材を含み、該凝集抑制材は前記担体の表面に塊状に位置し、その塊状の凝集抑制材の表面に、前記触媒粒子が位置することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分解素子。
  9. 前記触媒粒子が、粒子が繋がった金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物であるか、または、該金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物の凝集体であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のガス分解素子。
  10. セラミックスの担体と、その担体の表面に担持された、金属または金属酸化物の粒子(触媒粒子)とを備える触媒であって、
    前記触媒粒子が、粒子が繋がった金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物であるか、または、該金属粒連鎖体もしくは該金属粒連鎖体の酸化物の凝集体であることを特徴とする、触媒。
  11. 前記セラミックスでは、平均気孔径が1μm以上20μm以下であり、平均気孔率が0.2以上0.5以下であることを特徴とする、請求項9に記載の触媒。
  12. セラミックスの担体を準備する工程と、
    触媒となる金属粒連鎖体を還元析出法で形成する工程と、
    凝集抑制材、溶剤および増粘結剤を含む溶液に前記金属粒連鎖体を投入して流動体を形成する工程と、
    前記流動体に前記セラミックスの担体を浸漬して取り出す工程と、
    前記流動体が付着した前記担体を焼結する工程とを備える、触媒の製造方法。
  13. 前記焼結工程では、焼結温度を1050℃以下で焼結することを特徴とする、請求項11に記載の触媒の製造方法。
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