JP2007254869A - 原料ガス噴出用ノズル及び化学的気相成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原料ガス噴出用ノズル1は、下面用板部材2、背面用板部材3、第1の上面用板部材4、第2の上面用板部材5、第3の上面用板部材6、側面用部材7、8からなるガスだまり部9及び原料ガス噴出部10と、原料ガス供給管11、12とを備えている。また、原料ガス噴出用ノズル1は、原料ガスの噴出方向が基板載置台上に載置された基板の平面に平行な方向と垂直となるように、化学的気相成膜装置内の成膜室に設置されている。
【選択図】図1
Description
を備えているものである。
以下、本発明の第1実施形態に係る原料ガス噴出用ノズルを備えた化学的気相成膜装置について図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る化学的気相成膜装置に用いられている原料ガス噴出用ノズルの斜視外観図である。なお、図1においては、説明の便宜上、一部のみ投影させている部分(点線で表示した部分)がある。図2は、図1の原料ガス噴出用ノズルを化学的気相成膜装置内の成膜室に設置した際の基板との関係を示す図であるとともに、図1の原料ガス噴出用ノズルにおける中央付近のX−Z断面をY軸方向に見た際の図である。なお、化学的気相成膜装置の全体を図示してはいないが、本実施形態に記載した事項以外の基本的な構成は、一般的な従来のものとほぼ同様であるので、ここでは省略する。
次に、本発明の第2実施形態に係る原料ガス噴出用ノズルを備えた化学的気相成膜装置について図面に基づいて説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係る化学的気相成膜装置に用いられている原料ガス噴出用ノズルの斜視外観図である。なお、図3においては、説明の便宜上、一部のみ投影させている部分(点線で表示した部分)がある。図4は、図3の原料ガス噴出用ノズルを化学的気相成膜装置内の成膜室に設置した際の基板との関係を示す図であるとともに、図3の原料ガス噴出用ノズルにおける中央付近のX−Z断面をY軸方向に見た際の図である。ここでは、第1実施形態の符合1、3、5、6、10と同様の部分について、順に符号21、23、25、26、30を付け、その説明を省略することがある。また、化学的気相成膜装置の全体を図示してはいないが、本実施形態に記載した事項以外の基本的な構成は、一般的な従来のものとほぼ同様であるので、ここでは省略する。
第1実施形態と同構成の原料ガス供給ノズルのガスたまり部で、2つの対向する原料ガス供給口から供給された原料ガスを衝突混合させた場合の開口部からの原料ガス流の速度を、フルーエント・アジアパシフィック(株)の有限体積法 汎用熱流体解析ソフトウェア(商品名FLUENT)を用いてシミュレーションした。シミュレーション条件は、(1)ガスたまり部において、背面用板部材から誘導面を有する第2の上面用板部材に至るまでの長さが30mm、高さが31mm、背面用板部材から導出部に至るまでの長さが70mmであり、(2)第2の上面用板部材の誘導面が下面用板部材に対して45°となるように設け、(3)導出部の原料ガス流動方向(図1における第3の上面用板部材6のX軸方向と同方向)の長さを30mm、(4)原料ガス供給ノズルの開口部幅を150mm、導出部及び開口部高さを0.5mm、すなわちSoを75mm2とし、(5)各原料ガス供給管(それぞれに原料ガス供給管が接続されている)ガスたまり部の上部端から下方向に15mm、原料ガス流方向に15mmの位置に設けた円形の原料ガス供給口の断面積を50.24mm2(原料ガス供給口が2つ使用されるので、総断面積Si=100.48mm2)として、Si/Soを約1.34に設定するともに、(6)ガスたまり部と導出部とが室温下となるように設定した。なお、各原料ガス供給口からガスたまり部への供給速度を1、3、10m/sの各速度で、シミュレーションした。その結果を図5(a)に示す。シミュレーション結果は、開口部からの原料ガス流の速度を規格化したものを示しているが、各原料ガス供給口からガスたまり部への供給速度が1、3、10m/sの各速度において同様の結果が得られたので、1つのグラフのみを示している。また、横軸は開口部の幅方向の位置、縦軸は規格化された開口部からの原料ガス流の速度を示している。後述の比較例1、2の結果においても同様である。
第1実施形態と同構成の原料ガス供給ノズルのガスたまり部へ、一方の原料ガス供給口(図1における原料ガス供給口7a側のもの:総断面積Si=50.24mm2)のみから原料ガスを供給させた場合の開口部からの原料ガス流の速度を、実施例1と同様の方法でシミュレーションした。シミュレーション条件は、実施例1と同様である。シミュレーション結果を図5(b)に示す。
図6に示す原料ガス供給ノズルのガスたまり部へ原料ガスを供給した場合の開口部からの原料ガス流の速度を、実施例1と同様の方法でシミュレーションした。シミュレーション条件は、実施例1と同様である。シミュレーション結果を図5(c)に示す。なお、図6は、本実施例に用いた原料ガス供給ノズルの上視図である。また、本実施例に用いた原料ガス供給ノズルは、側面用部材に原料ガス供給口及び原料ガス供給管が設けられておらず、背面板部材の中央に形成された原料ガス供給口(図示せず)と、これに接続された原料ガス供給管41とを有している点で、第1実施形態の原料ガス供給ノズル1と異なっている。本実施例では、第1実施形態の符合1、4〜6、9、10と同様の部分について、順に符号41、44〜46、49、50を付け、その説明を省略する。また、図示していないが、本実施例の側面用部材及び下面用板部材においては、原料ガス供給口が形成されていない第1実施形態の側面用部材7、8及び下面用板部材2と同形状であるので、その説明を省略する。
次に、Si/Soの大きさを変化させて、第1実施形態と同構成の原料ガス供給ノズルのガスたまり部で、一方の原料ガス供給口のみから原料ガスが供給された場合の開口部からの原料ガス流の速度を、実施例1と同様の方法でシミュレーションした。具体的には、原料ガス供給ノズルの開口部幅を150mm、導出部及び開口部高さを実施例4では1.0mm(So=150mm2)、比較例1では2.0mm(So=300mm2)とし、円形の原料ガス供給口1つの断面積が254.34mm2(実施例4及び比較例1での総断面積Si)として、実施例4においてはSi/Soが約1.7、比較例1においてはSi/Soが約0.8となる原料ガス供給ノズルについてシミュレーションした。これら以外のシミュレーション条件は、実施例1と同様である。このようにしてシミュレーションした実施例4及び比較例1の結果については図7(a)、(b)それぞれに示す。図7(a)、(b)において、横軸は開口部の幅(Y軸)方向の位置、縦軸は開口部における原料ガスの流速を示す。
次に、実施例4と同様の原料ガス供給ノズルについて、Si/Soの大きさを変化させて、2つの対向する原料ガス供給口から供給された原料ガスを衝突混合させた場合の開口部からの原料ガス流の速度を、実施例1と同様の方法でシミュレーションした。実施例5においてはSi/Soが約3.4(原料ガス供給ノズルの開口部幅を150mm、導出部及び開口部高さを1.0mm(So=150mm2)、原料ガス供給口が2つ使用されるので、総断面積Si=508.68mm2)、比較例2においてはSi/Soが約0.7((原料ガス供給ノズルの開口部幅を150mm、導出部及び開口部高さを5.0mm(So=750mm2)、実施例5と同様、原料ガス供給口が2つ使用されるので、総断面積Si=508.68mm2)となる原料ガス供給ノズルについてシミュレーションした。これら以外のシミュレーション条件は、実施例4と同様である。このようにしてシミュレーションした実施例5及び比較例2の結果については図8(a)、(b)それぞれに示す。図8(a)、(b)において、横軸は開口部の幅(Y軸)方向の位置、縦軸は開口部における原料ガスの流速を示す。
次に、第1実施形態と同構成の原料ガス供給ノズルにおける導出部の原料ガス流動方向(図1における第3の上面用板部材6のX軸方向と同方向)の長さを2mm、5mm、10mm、30mmとした各場合について、実施例1と同様の方法でシミュレーションを行った。なお、他のシミュレーション条件としては、(1)ガスたまり部において、背面用板部材から誘導面を有する第2の上面用板部材に至るまでの長さが20mm、背面用板部材高さが21mm、背面用板部材から導出部に至るまでの長さが30mmであり、(2)導出部及び開口部高さにおいては1.0mmとし、(3)第2の上面用板部材の誘導面が下面用板部材に対して45°となるように設け、(4)各原料ガス供給口(それぞれに原料ガス供給管が接続されている)をガスたまり部の上部端から下方向に10mm、原料ガス流方向に10mmの位置に設け、(5)ガスたまり部と導出部との下面を加熱して300K、500K、700K、900Kの各温度状況下となるように設定した。その結果を開口部から出てくる原料ガスの流出速度を平均した値に対する誤差(偏差)を取って表した図9に示す。
次に、第2実施形態と同構成の原料ガス供給ノズルを用いた化学的気相成膜装置において、第2実施形態と同様の動作で基板上に実際に成膜を行った。具体的には、図11((a)が実施例7に係る原料ガス噴出用ノズルの斜視概略図であるとともに開口部の幅寸法を示す図、(b)が(a)の原料ガス噴出用ノズルにおける中央付近の内部空間のX−Z断面をY軸方向に見た際の寸法概略図である)に示すように、原料ガス供給ノズルの開口部幅を30mm、開口部高さを1mm、原料ガス供給口の径が8mm、導出部の原料ガス流動方向(図3における第3の上面用板部材26のX軸方向と同方向)の長さを30mm、幅方向を30mmなどとし、ガスたまり部と導出部とが室温下となる条件で成膜を行った。その結果を図10(a)、(b)に示す。なお、図10(a)、(b)の結果は、実施例7に係る成膜された基板において、無作為に選択した2点付近の膜厚を示したものである。また、比較例3として、突起部及び誘導面が存在せず、その代わりに、これらの部位が導出部における原料ガスの流動方向に対して垂直な面となっている点で図11に示した実施例7に係る原料ガス供給ノズルと異なるノズルを用いて基板上に成膜を行った。具体的には、図12((a)が比較例3に係る原料ガス噴出用ノズルの斜視概略図であるとともに開口部の幅寸法を示す図、(b)が(a)の原料ガス噴出用ノズルにおける中央付近の内部空間のX−Z断面をY軸方向に見た際の寸法概略図である)に示すようなノズルと同構成のものを作製し、このノズルを用いた化学的気相成膜装置において、ガスたまり部と導出部とが室温下となる条件で基板上に成膜を行った。比較例3に係る成膜の結果を図10(c)、(d)に示す。なお、図10(c)、(d)の結果は、比較例3に係る成膜された基板において、無作為に選択した2点付近の膜厚を示したものである。
2、22 下面用板部材
3、23 背面用板部材
4、24、44 第1の上面用板部材
5、25、45 第2の上面用板部材
5a、25a、45a 誘導面
6、26、46 第3の上面用板部材
7、8、27、28 側面用部材
7a、8a、24a 原料ガス供給口
9a、29a 内部空間
9、29、49 ガスたまり部
10、30、50 原料ガス噴出部
10a、30a、50a 開口部
10b、30b、50b 導出部
11、12、31、51 原料ガス供給管
13、35 基板載置台
14、36 基板
21 原料ガス噴出用ノズル
22、32、33 板部材
29a1 乱流抑制空間
34 突起部
Claims (10)
- 原料ガスを内部に供給するための1つ以上の原料ガス供給口を有するガスだまり部と、
一端に形成された開口部と、前記ガスだまり部から前記開口部まで原料ガスを導出する導出部とを有する原料ガス噴出部とを備え、
前記開口部の断面が扁平形状であることを特徴とする原料ガス噴出用ノズル。 - 前記原料ガス供給口の総断面積Siと前記開口部の断面積Soとが、1≦Si/So≦4の関係を有していることを特徴とする請求項1に記載の原料ガス噴出用ノズル。
- 原料ガスを内部に供給するための1つ以上の原料ガス供給口と、
前記原料ガス供給口から供給された原料ガスが衝突する内壁面とともに、90°未満の内角を有する乱流発生空間を形成する第1の平面、及び、前記第1の平面とテーパー形状を形成する第2の平面を有している突起部と、を備えているガスだまり部、並びに、
一端に形成された開口部と、前記ガスだまり部から前記開口部まで原料ガスを導出する導出部とを有する原料ガス噴出部、
を備えていることを特徴とする原料ガス噴出用ノズル。 - 前記導出部内部の壁面に平面を有しており、
前記第2の平面と前記導出部の平面とが、同一平面上に形成されていることを特徴とする請求項3記載の原料ガス噴出用ノズル。 - 前記導出部の内部空間が、前記ガスだまり部からつば状に突き出た形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の原料ガス噴出用ノズル。
- 前記ガスだまり部が、前記原料ガス供給口側から前記導出部側へ向かって断面積が減少する平滑な誘導面を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の原料ガス噴出用ノズル。
- 前記原料ガス噴出部の前記開口部を含む先端部分が先細り形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の原料ガス噴出用ノズル。
- 前記原料ガス供給口が複数設けられており、
これらの前記原料ガス供給口からの原料ガス供給方向が、交差又は対向していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の原料ガス噴出用ノズル。 - 前記ガスだまり部又は/及び原料ガス噴出部の内部における原料ガスを加温して、該原料ガスをミスト化させるとともに整流するための加温器を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の原料ガス噴出用ノズル。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の原料ガス噴出用ノズルと、
前記ガスだまり部に接続され開口された1つ以上の原料ガス供給管と、
前記開口部に接続されている成膜室とを備え、
前記成膜室に配置した基板の表面に前記原料ガス噴出用ノズルから原料ガスを噴出させ、基板の表面に膜を生成する化学的気相成膜装置。
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