JP2007254005A - ティシュー取り出し容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ティシュー取り出し容器の構造を複雑にすることなく、内部のティシュー紙に、所望の芳香を適度な強さで適切に付与できるようにする。
【解決手段】多数のティシュー紙20が順次折り重ねて収容され最上部から順次取り出されるティシュー取り出し容器10であって、折り重ねたティシュー紙20を収容する収容箱11、収容箱11の上面に開口するティシュー紙20の取り出し口12、収容箱11の内面でティシュー紙20と間隔をあけて対面して配置され芳香剤液を吸収保持し徐放する芳香剤徐放部30、収容箱11の壁面を貫通して配置され収容箱11の外から芳香剤徐放部30に芳香剤液を供給できる給液口14、収容箱11で給液口14の外側に配置され給液口14を外部に開放および閉塞する給液口開閉手段16を備える。
【選択図】図1
【解決手段】多数のティシュー紙20が順次折り重ねて収容され最上部から順次取り出されるティシュー取り出し容器10であって、折り重ねたティシュー紙20を収容する収容箱11、収容箱11の上面に開口するティシュー紙20の取り出し口12、収容箱11の内面でティシュー紙20と間隔をあけて対面して配置され芳香剤液を吸収保持し徐放する芳香剤徐放部30、収容箱11の壁面を貫通して配置され収容箱11の外から芳香剤徐放部30に芳香剤液を供給できる給液口14、収容箱11で給液口14の外側に配置され給液口14を外部に開放および閉塞する給液口開閉手段16を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、ティシュー取り出し容器に関し、詳しくは、多数のティシュー紙を互いに折り重ねて収容しておき、最上部から順次取り出すことができるティシュー取り出し容器を対象にしている。
家庭用などに流通販売されているティシュー紙の包装形態としては、厚紙材で構成された箱状容器に、互いに折り重ねられた多数のティシュー紙を収容しておき、箱状容器の上面に開口する取り出し口から、ティシュー紙を1枚づつ取り出せるようにしておくものがある。通常、箱入りティシューなどと呼ばれている。
このような箱入りティシューとして、芳香付きのティシュー紙を用いることが提案されている。ティシュー紙の製造時に、芳香剤が封入されたマイクロカプセルをティシュー紙の繊維間や表面に付着あるいは担持させておく。箱入りティシューからティシュー紙を取り出して揉むようにすると、マイクロカプセルが壊れて芳香剤が揮発し、ほのかな心地よい芳香が感じられる。
但し、マイクロカプセルを利用した芳香付きのティシュー紙は、製造工程が複雑でコストが高くつくという欠点がある。また、ティシュー紙を取り出しただけでは芳香が発生しない。ティシュー紙を揉んだり擦ったりしてマイクロカプセルを壊すような操作を行わないと、芳香が感じられない。
そこで、ティシュ−紙に特別な加工を施さなくても、ティシュ−紙に芳香を付けることができ、箱入りティシューからティシュ−紙を取り出しただけで、芳香を生じさせることができる技術が提案されている。
特許文献1には、ティッシュケースの内壁に芳香性材料を付着させたり(請求項1)、ティッシュケースの内部にシート状の芳香性材料を収容したり(請求項4)しておく技術が示されている。
特許文献2には、詰め替え式ティシュペーパー用箱において、重合状態のティシュペーパーを載せる中底板材の裏面に、芳香剤を染み込ませた吸水紙などからなる芳香部を設ける技術が示されている(図4)。芳香部を交換可能にすることや、使用者が芳香剤を含ませて使用することも示されている(段落0021〜0022)。
特開平5−201475号公報
特開平11−79263号公報
前記した従来技術では、ティシュー箱に収容された全てのティシュー紙に、所望の芳香を適度な強さで均等につけることが難しい。
例えば、特許文献1の技術で、ティシュー箱の上面裏にシート状の芳香性材料を設けておくと、ティシュー箱の内部で、折り重ねられた状態で集積されているティシュー紙のうち、上部近くのティシュー紙には隣接する芳香性材料から強い芳香がつく。しかし、底近くのティシュ−紙には芳香成分がなかなか到達せず、ほとんど芳香がつかない。しかも、芳香成分が、芳香性材料に隣接するティシュー取り出し用の開口から外部に直ぐに散逸し易い。ティシュー箱の内底に芳香性材料を設けると、今度は、最下層のティシュー紙に強い芳香がついて、上層のティシュー紙には十分な芳香がつかない。
ティシュー箱に収容されたティシュー紙は、上下のティシュー紙同士が、互いの一部を挟み込むようにして折り重ねられているので、ティシュー紙同士の間に芳香成分が入り込むことが難しく、上層から下層までのティシュー紙に均等に適度な芳香をつけることが難しいのである。
また、ティシュ−箱の組立段階、あるいは、ティシュ−箱にティシュー紙を収容して箱入りティシューを製造する段階で、ティシュ−箱の内部に芳香性材料を収容しておくと、箱入りティシューの製造後、輸送保管や流通販売の間に、ティシュー箱の内部で芳香性材料からティシュー紙に芳香がつく。前記したような、ティシュー紙の場所による芳香のつきかたに大きな差があると、ティシュー紙を使用しようとして取り出したときに、最初に取り出すほうのティシュー紙と最後に取り出すほうのティシュー紙とで、芳香の強さに大きな違いが生じ、安定した適度な芳香作用を発揮することができない。
箱入りティシューの流通販売時における包装を、芳香成分が逃げないような気密包装にしておかないと、使用するまでに芳香が無くなってしまう。しかも、箱入りティシューを使用開始してからティシュー紙を使い切るまでの期間が長くなると、芳香成分がティシュー箱から徐々に逃げ出して、最後のほうでは、ティシュ−紙にほとんど芳香が残っていないようなことも起こる。
特許文献2の技術では、中底板材の裏面の芳香部からは中底板材を超えて芳香がティシュー紙に到達し難い。芳香部を交換するには、ティシュー箱の底に開閉自在な底蓋を設けておいて、芳香部を出し入れできるようにしておかなければならず、構造が複雑になるとともに手間がかかる。同様に、中底板材の裏面に配置された芳香部に、芳香剤を含ませる作業も、かなり面倒でなる。
本発明の課題は、ティシュー紙を収容して順次取り出すティシュー取り出し容器の構造を複雑にすることなく、内部のティシュー紙に、所望の芳香を適度な強さで適切に付与できるようにすることである。
本発明にかかるティシュー取り出し容器は、多数のティシュー紙が順次折り重ねて収容され最上部から順次取り出されるティシュー取り出し容器であって、前記折り重ねたティシュー紙を収容する収容箱と、前記収容箱の上面に開口する前記ティシュー紙の取り出し口と、前記収容箱の内面で前記ティシュー紙と間隔をあけて対面して配置され、芳香剤液を吸収保持し徐放する芳香剤徐放部と、前記収容箱の壁面を貫通して配置され、収容箱の外から前記芳香剤徐放部に前記芳香剤液を供給できる給液口と、前記収容箱で前記給液口の外側に配置され、前記給液口を外部に開放および閉塞する給液口開閉手段とを備える。
各構成について詳しく説明する。
〔ティシュー取り出し容器〕
多数のティシュー紙が順次折り重ねて収容され最上部から順次取り出されるようになっていれば、基本的には、通常の箱入りティシューと共通する技術が適用される。
多数のティシュー紙が順次折り重ねて収容され最上部から順次取り出されるようになっていれば、基本的には、通常の箱入りティシューと共通する技術が適用される。
ティシュー取り出し容器は、製造会社においてティシュー紙を収容した状態で製造および出荷され、ティシュー紙と一体的になって販売される包装容器あるいは包装体である場合と、ティシュー紙とは別個に独立して製造および流通販売に供される取り替え容器である場合との何れでもよい。従来の箱入りティシューから、折り重ねた状態のティシュー紙だけを取り出し、ティシュー取り出し容器に移し変えて使用する場合もある。
ティシュー取り出し容器には、折り重ねたティシュー紙を収容する収容箱と、収容箱の上面に開口するティシュー紙の取り出し口とを備える。
〔ティシュー紙〕
パルプ紙などの通常のティシュー紙材料からなり、通常のティシュー紙と同様の寸法形状や厚み、特性を備えているものが使用できる。
パルプ紙などの通常のティシュー紙材料からなり、通常のティシュー紙と同様の寸法形状や厚み、特性を備えているものが使用できる。
ティシュー紙は、単葉のもののほか、複数葉が重ねられた複葉重ねティシュー紙も使用される。
ティシュー紙として、保湿剤が配合されたり保湿処理が施されたりする保湿ティシューを使用することができる。保湿ティシューは、保湿ティシューに保持された湿分によって、芳香成分を吸収保持し易くなり、使用時には、湿分とともに芳香成分が肌などに移行して、肌などに良好な芳香を与えることができる。
ティシュー紙は、多数の紙片を、上下の紙片が一部で互いに挟み込まれるようにして、上下に折り重ねられた状態で、ティシュー取り出し容器に収容される。ティシュー紙の折り重ね構造は、通常の箱入りティシューと同様の構造が採用できる。例えば、個々のティシュー紙を二つ折りにし、ティシュー紙同士を上下方向に重ねるときに、上下のティシュー紙で二つ折りの方向が逆になる姿勢で、互いに相手側の隙間に挟み込まれるようにして重ねればよい。このようなティシュー紙に特有の折り重ね構造は、収容箱の取り出し口からティシュー紙を取り出す際に、取り出したティシュー紙によって次のティシュー紙の一部が取り出し口から引き出された状態になり、次のティシュー紙が取り出し易くなるために有効である。
〔収容箱〕
折り重ねたティシュー紙を収容する。基本的には、通常の箱入りティシューあるいは詰め替えティシュー箱と同様の材料および構造が採用できる。
折り重ねたティシュー紙を収容する。基本的には、通常の箱入りティシューあるいは詰め替えティシュー箱と同様の材料および構造が採用できる。
収容箱の材料は、厚紙や合成樹脂シート、金属箔材などが用いられる。複数の材料を積層したラミネートシートも使用できる。収容箱の内面などに、ガス遮断性の層を設けておけば、内部の芳香成分が外に逃げ出し難い。
収容箱の形状は、ティシュー紙の寸法形状や折畳み構造によって異なるが、基本的には直方体状をなす。直方体の一部を変形させたものや、多面体状をなすもの、一部に曲面を有するものの用いられる。
収容箱は、通常、シート材料から、打ち抜き加工、プレス加工、折畳み加工、接着加工などを経て、立体的な箱形状に組み立てられる。樹脂材料の押出成形や射出成形などを利用することもできる。
収容箱は、基本的には全面が閉塞されていて、上面に開口する取り出し口からティシュー紙が取り出せるようになっている。詰め替えティシュー箱の場合は、底面や側面、上面に、折り重ねたティシュー紙を追加供給できる開閉口を設けておくこともできる。
収容箱の寸法は、収容するティシュー紙の寸法形状および折畳み構造によって異なる。直方体状の収容箱の場合、通常、縦8〜14cm、横18〜30cm、高さ4〜15cmに設定される。収容箱には、150〜400枚のティシュー紙が収容される。
〔取り出し口〕
収容箱の上面に開口し、ティシュー紙を取り出す。
収容箱の上面に開口し、ティシュー紙を取り出す。
通常の箱入りティシューと同様の配置構造が採用できる。
取り出し口の形状として、細長い矩形状や楕円状、長円形状などが採用できる。
取り出し口の構造として、収容箱の材料を貫通する比較的に大きな開口を、薄くて柔軟なフィルムで塞ぎ、このフィルムにスリット状の取り出し口をあけておくことができる。柔軟なフィルムが変形することで、ティシュー紙の取り出しを容易にするとともに、収容箱の内部の芳香成分が、大きく開口した取り出し口から外に漏れることを防ぎ、長期間にわたって芳香成分によるティシュー紙の芳香付けが行なえる。
取り出し口としては、かすかな量の芳香成分が放出される程度に、常に少しだけ開口させておくと、周辺空間に好ましい芳香を付与することができる。
〔芳香剤徐放部〕
収容箱の内面でティシュー紙と間隔をあけて対面して配置され、芳香剤液を吸収保持し徐放する。
収容箱の内面でティシュー紙と間隔をあけて対面して配置され、芳香剤液を吸収保持し徐放する。
芳香剤徐放部の材料は、吸液性および放湿性のある材料が使用される。具体的には、紙材料や不織布、編織布、樹脂材料、発泡樹脂材料、多孔質セラミック材料などが使用できる。表面に配置される透液性、透湿性の材料と、その内側に配置される給液保持性、放湿性のある材料とを組み合わせることもできる。粉体状の吸液、放湿材料を担持させておくこともできる。芳香剤徐放部のうち、収容箱の内面と接触する個所には、非透液性、非透湿性の材料を用いて、芳香剤液が収容箱の材料に染み込んだりしないようにしておくことができる。
芳香剤徐放部の寸法や形状、配置構造は、収容箱の構造およびティシュー紙の収容構造に合わせて、折り重ねたティシュー紙の全体に均等に芳香が付与できるように設定される。また、給液口からの芳香剤液供給が行ない易いことも必要とされる。
芳香剤徐放部に吸収保持できる芳香剤液の量は、多いほど、長期間にわたって芳香成分を放出できる。しかし、多過ぎると、芳香が強くなり過ぎたり、ティシュー紙の一部のみに強過ぎる芳香が付いたりする。通常は、芳香剤液を0.2〜10mlの量で吸収保持できるように、材料および寸法形状を設定しておく。
芳香剤徐放部の配置場所として、収容箱の長手方向端面の内面が好ましい。この場所は、折り重ねて収容されたティシュー紙の長手方向端面と対面する場所である。ティシュー紙を折り重ねた状態でも、長手方向には閉塞されない通気可能な隙間があいている。長手方向で対面する芳香剤徐放部から、ティシュー紙同士の隙間を通って芳香成分が反対側まで通過し、ティシュー紙の全体に芳香を付与することができる。また、通常の箱入りティシュー製造においては、収容箱の長手方向寸法を、折り重ねたティシュー紙の長手方向寸法よりも少し長く設定するので、収容箱の長手方向端面の内面と、折り重ねたティシュー紙の長手方向端面との間には、一定以上の間隔があく。収容箱の長手方向端面の内面に設けられた芳香剤徐放部と、折り重ねたティシュー紙の長手方向端面との間にも十分な間隔をあけることができる。
収容箱の内部に折り重ねて収容されたティシュー紙の端面と芳香剤徐放部との間に、十分な間隔をあけておくことで、芳香剤徐放部の表面から放出される芳香成分が、収容箱の内部空間全体にスムーズに拡がって、収容されたティシュー紙の全体に適切な芳香を付与することができる。具体的には、ティシュー紙の端面と芳香剤徐放部との間隔を、5〜15mmに設定することができる。なお、収容箱内では、折り重ねたティシュー紙が移動するので、移動したときの最大の間隔と最少の間隔との平均で、前記間隔を設定することができる。
芳香剤徐放部のうち、ティシュー紙と対面する表面に、突起や条線溝などの凹凸を設けておけば、収容箱内で移動したティシュー紙が芳香剤徐放部に当たっても、広い面積で密着してしまうことが防止できる。また、芳香剤徐放部の表面積を増やすことで芳香成分の放出効率を向上できる。
芳香剤徐放部は、収容箱の1個所に設けておけば十分であるが、必要であれば、複数個所に設けておくこともできる。
芳香剤徐放部を収容箱の内面に取り付けるための手段は、接着、粘着、熱融着、巣テープラー止め、ネジ止め、釘打ち、嵌合、係合など、通常の小部品に対する取付手段が適用できる。芳香剤徐放部が収容箱に対して着脱自在であれば、必要に応じて、芳香剤徐放部を取り替えたり撤去したりすることができる。通常の芳香剤徐放部を備えていないティシュー取り出し容器に、あとから、芳香剤徐放部を追加取り付けすることもできる。
<芳香剤徐放シート>
芳香剤徐放部として、収容箱の内面に貼り付けられた芳香剤徐放シートであることができる。
芳香剤徐放部として、収容箱の内面に貼り付けられた芳香剤徐放シートであることができる。
芳香剤徐放シートは、前記した吸液性、放湿性のあるシート材料などで構成される。例えば、不織布、編織布、樹脂シート、フィルムなどが用いられる。複数材料の積層シートも使用される。柔軟な材料を使用すれば、取り扱いや収容箱の内面への貼り付けが行ない易くなる。
芳香剤徐放シートの形状は、通常、単純な矩形状や円形などが採用できる。直線および曲線を組み合わせた、より複雑な形状も採用できる。
芳香剤徐放シートの寸法は、収容箱の寸法によっても異なるが、例えば、長さ5〜100mm、幅2〜100mmの範囲に設定できる。芳香剤徐放シートの厚みは、芳香剤液の必要保持量によっても異なるが、通常、0.2〜10mmに設定できる。
芳香剤徐放シートの裏面に、粘着剤層を設けておけば、収容箱の内面への貼り付けが行ない易い。芳香剤徐放シートを使用するまでは、粘着剤層の表面に剥離シートを貼り付けておくことができる。
芳香剤徐放シートを構成する不織布材料として、親水性繊維、熱融着繊維および吸水ポリマー繊維を含む不織布シートが好ましく使用できる。
親水性繊維として、パルプ、綿、レーヨンなどのセルロース繊維や、アクリロニトリル、ポリビニルアルコールなどの合成繊維が使用できる。親水性繊維は芳香剤の吸収性を良好にできる。
熱融着繊維として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリビニルアルコールなどのオレフィン樹脂繊維や、これらの樹脂を組み合わせた複合樹脂繊維などが使用できる。熱融着繊維は、不織布を構成する繊維同士を接合一体化させる機能がある。
吸水ポリマー繊維は、吸水ポリマーを繊維状にしたものである。例えば、ランシール(商品名:東洋紡績社製)、ベルオアシス(商品名:鐘紡社製)などが使用できる。吸水ポリマー繊維は、芳香剤、特に、アルコール系の芳香剤を効率的に吸収保持し、しかも、持続的に効率良く放出することができる。
各繊維の配合割合を、親水性繊維:熱融着繊維:吸水ポリマー繊維=20〜70%:20〜50%:3〜40%に設定することができる。
親水性繊維、熱融着繊維および吸水ポリマー繊維を含む不織布シートの製造は、各繊維を含む繊維材料をカード機などでウェブシート状に作製し、加熱プレスすることで、熱融着繊維を熱溶融させて、繊維同士を一体的に接合させる方法が採用できる。前記ウェブシートを、熱エンボス加工することで、加熱一体化とエンボス加工とを同時に行なうこともできる。
上記した親水性繊維、熱融着繊維および吸水ポリマー繊維を含む不織布シートに、別の不織布や合成樹脂シートなどを接着などで積層して、芳香剤徐放シートとすることもできる。強度に優れた材料や粘着剤を透過させない材料を組み合わせることで、芳香剤徐放シートの使用性能を向上できる。
〔芳香剤液〕
通常の芳香製品に利用されている芳香剤のうち、液状をなすものが使用される。
通常の芳香製品に利用されている芳香剤のうち、液状をなすものが使用される。
芳香剤液には、水性、アルコール性などの種類があるが、何れも使用できる。粉体状やクリーム状の芳香剤を、水やアルコールなどの溶媒に溶かしたものも使用できる。芳香として、柑橘系、ムスク系、森林系、清涼系などが知られており、何れも使用できる。化粧用の香水、オーデコロン、オードトワレなどの芳香製品を流用できる。ティシュー取り出し容器の使用者が日常的に使用している好みの香水などを使用すれば、好みの芳香をティシュー紙に付与することができる。
〔給液口〕
収容箱の壁面を貫通して配置され、収容箱の外から芳香剤徐放部に芳香剤液を供給できる。
収容箱の壁面を貫通して配置され、収容箱の外から芳香剤徐放部に芳香剤液を供給できる。
給液口の寸法や形状は、芳香剤液を供給する容器や器具などに有する供給ノズルや供給口の配置構造に合わせておけばよい。給液口が広いと、芳香剤徐放部への芳香剤液の供給は容易であるが、給液口から芳香成分が漏れ出し易くなる。通常は、供給ノズルや供給口よりも少し広い程度に設定しておけばよい。例えば、給液口の差渡し径を5〜50mmに設定できる。後述する供給口開閉手段の開閉構造に合わせて、供給ノズルや供給口が給液口に接近し易い構造にしておく。吸液口を変形可能な柔軟材料で構成しておけば、芳香剤液の供給ノズルで吸液口を押し拡げたり押し当てたりして密着させた状態で芳香剤液を供給でき、芳香剤液が漏れたりすることが防止できる。
給液口が、芳香剤徐放部の外面で収容箱の壁面を貫通していれば、芳香剤液の供給が行ない易い。芳香剤徐放部の位置から離れた場所でも、供給ノズルなどが収容箱の外から芳香剤徐放部まで到達できればよい。給液口から芳香剤徐放部まで、芳香剤液の通液路となるチューブや溝、通液性材料の帯や紐などを設けておくこともできる。
〔給液口開閉手段〕
収容箱で給液口の外側に配置され、給液口を外部に開放および閉塞する。
収容箱で給液口の外側に配置され、給液口を外部に開放および閉塞する。
給液口を開放した状態で、給液口に芳香剤液を供給するための供給ノズルなどが配置できるようにしておく。給液口を閉塞した状態では、給液口から芳香成分が過剰に漏れ出さないようにしておく。給液口を完全に閉塞して、芳香成分が実質的に漏れ出さないようにしておくほか、わずかな芳香成分が外部空間に放出される程度に閉塞しておくだけの場合もある。
このような機能が果せれば、通常の液製品を取り扱うための給液口の開閉構造が採用できる。例えば、フラップ状の蓋片が、1辺でヒンジ状に取り付けられたもの、給液口を覆って粘着止定されるもの、蓋材が給液口を覆う位置と開放する位置との間でスライド移動するもの、係合構造や嵌合構造を有するもの、ねじ込みやスナップ連結されるものなどが挙げられる。給液口を、スリットや微細な孔を有する蓋材で覆っておき、芳香剤液の供給手段で、蓋材を弾力的に変形させてスリットや孔を拡げ、給液口を開放させるものでもよい。芳香剤の供給ノズルと連結できる孔や継手構造を設けておくこともできる。
給液口開閉手段を、収容箱を構成する材料の一部を利用して設けることができる。例えば、芳香剤徐放部の外面側で収容箱の壁面の一部を、一辺を残して切り欠いて設けられた切り欠き片が採用できる。切り欠かれていない一辺が開閉ヒンジになり、切り欠き片により収容箱の壁面に形成された切り欠き孔が給液口になる。収容箱の材料を打ち抜き加工する際に、切り欠き片を同時に加工しておけば、余分な加工工程および材料を増やすことなく、簡単に給液口開閉手段を設けることができる。
収容箱の一部を切り欠いて設けられた切り欠き片は、ティシュー取り出し容器の廃棄時に収容箱を壊すための手掛かりとして利用することができる。従来の通常の箱入りティシューにおいて、ミシン目線で切り離し可能に設けられていた廃棄用手掛かりの配置構造を、給液口開閉手段として利用できるように設定しておくこともできる。
給液口開閉手段として、給液口を開放する状態と閉塞する状態との間の中間状態が設定できるようにしておくことができる。中間状態では、給液口の一部だけが外部空間に開放され、わずかな量の芳香成分が外部空間に放出されて、好ましい芳香を漂わせることができる。
給液口開閉手段となる切り欠き片に芳香剤徐放部の機能を持たせることもできる。具体的には、切り欠き片の裏面に芳香剤徐放シートを貼り付けておけば、切り欠き片を収容箱に閉じた状態では芳香剤徐放シートが収容箱の内面空間に対面して芳香剤を放出する機能を果たし、切り欠き片を開いた状態では、切り欠き片によって形成される切り欠き孔が給液口となり、切り欠き片の裏面が外部に露出するので、芳香剤液の供給が可能になる。
本発明のティッシュー取り出し容器は、芳香剤徐放部に吸収保持された芳香剤液から芳香成分が徐放されて、収容箱内のティシュー紙に芳香を付与することができる。芳香剤徐放部には、収容箱の外から収容箱の壁面を貫通する給液口を経て芳香剤液を供給することができるので、使用者の好みに合った芳香をティシュー紙に付与したり、新たな芳香剤液を追加したりすることが容易にできる。しかも、給液口は、給液口開閉手段によって開放および閉塞を選択的に切り換えられるので、芳香剤液の供給が必要なときだけ給液口を開放させ、給液口を閉塞した状態では芳香成分が外部に散逸するのを防止することが容易に操作できる。
芳香剤徐放部が、収容箱の長手方向端面の内面に貼り付けられた芳香剤徐放シートであれば、収容箱に折り重ねて収容されたティシュー紙と芳香剤徐放シートとの間に十分な間隔を空け易いので、芳香成分が個々のティシュー紙の隙間に入り込んだり収容箱の隅々まで到達したりして、全体のティシュー紙に均等に芳香を付与することができる。
図1〜2に示す実施形態は、基本的には、一般的な市販の箱入りティシューと共通する材料や構造を備えている。
〔基本構造〕
ティッシュー取り出し容器10は、紙材を切り抜き折り畳んで組み立てられた直方体箱状をなす収容箱11と、収容箱11の内部に折り畳んで収容された多数枚のティシュー紙20とを有する。収容箱11の上面には、最上部のティシュー紙20を取り出す取り出し口12を備える。
ティッシュー取り出し容器10は、紙材を切り抜き折り畳んで組み立てられた直方体箱状をなす収容箱11と、収容箱11の内部に折り畳んで収容された多数枚のティシュー紙20とを有する。収容箱11の上面には、最上部のティシュー紙20を取り出す取り出し口12を備える。
図2(b)に示すように、取り出し口12は、収容箱11の上面を細長い矩形に切り抜き、この切り抜き部分の裏側に薄い柔軟なスリット付きフィルム13を貼り付けている。フィルム13のスリットが取り出し口12になる。スリット付きフィルム13は、ティシュー紙20を取り出したときに、1枚のティシュー紙20が通過できるだけの隙間を生じても、ティシュー紙20を取り出した後はスリットが閉じる。取り出し口12から収容箱11の中に埃などが侵入することを防止する。しかも、後述するように、収容箱11の内部空間に放出された芳香成分が、取り出し口12から過剰に外部へと放出されることもなくなるので、長期間にわたって良好な芳香機能を維持することができる。ティシュー紙20を取り出す際には、スリットが少し拡がるので、収容箱11の内部空間の芳香成分がわずかに外に放出されて、周辺空間に好ましい芳香を漂わせる。
折り重ねられたティシュー紙20は、全体が、収容箱11の内形状よりも一回り小さな直方体状をなしている。
図2(b)に示す、収容箱11を短手方向に横断する断面において、折り重ねたティシュー紙20の横幅(短手方向の幅)は、収容箱11の内法幅とほぼ同じである。ティシュー紙20と収容箱11の内面との間には、ほとんど隙間がない。ティシュー紙20の折り重ね構造としては、個々のティシュー紙20を二つ折りにしているとともに、上下のティシュー紙20が、互いに相手側に挟み込まれた状態で、下から上へと順次折り重ねられている。最上部のティシュー紙20を取り出し口12から引き上げて取り出すと、取り出したティシュー紙20が、下方のティシュー紙20を引き上げて、取り出し口12にティシュー紙20の一部が顔をのぞかせた状態になる。これによって、次のティシュー紙20の取り出しが容易になる。但し、この状態では、収容箱11の内部で、左右の空間が、折り重ねたティシュー紙20で通気遮断される。折り重ねたティシュー紙20の左側空間から右側空間へと通気がスムーズになされない。
図2(a)に示す、収容箱11を長手方向に横断する断面においては、折り重ねたティシュー紙20の長さ(長手方向の長さ)は、収容箱11の内法よりも少し短くなっている。ティシュー紙20の左右とそれぞれの収容箱11の内面との間に、十分な隙間Gがあいている。但し、折り重ねたティシュー紙20は、収容箱11の内部で自由に動くので、左右の隙間Gも変わる。しかし、左右の隙間Gの合計長さは、常に、長さGの2倍になる。また、上下のティシュー紙20同士は、この長手方向断面においては上下に平行に重なっているだけで折り返されていないので、ティシュー紙20の隙間をスムーズに通気することが可能である。左側の隙間G空間から右側の隙間G空間へと空気および芳香成分が良好に流れる。
〔芳香剤関連構造〕
収容箱11の内面のうち、長手方向の片側端面における内面中央に、芳香剤徐放部となる芳香剤徐放シート30が貼り付けられている。
収容箱11の内面のうち、長手方向の片側端面における内面中央に、芳香剤徐放部となる芳香剤徐放シート30が貼り付けられている。
芳香剤徐放シート30は基本的に不織布からなり、1×5cm、厚さ2mmの矩形シート状をなしている。
図1(a)に示すように、芳香剤徐放シート30の外面側で収容箱11の側壁に、切り欠き片16が設けられている。切り欠き片16は、収容箱11を構成する紙材に、U字形の切り込みを加工して設けられたものである。U字形の上辺は、切り込まれず収容箱11の本体部分とつながっている。
図1(b)に示すように、切り欠き片16を、上辺を基点にして上方側に引き起こすと、切り欠き片16が存在した個所に、U字状の給液口14が開放された状態で形成される。給液口14では、内面の芳香剤徐放シート30が露出している。
図2(a)に示すように、切り欠き片16を引き起こして給液口14が開放された状態で、香水アトマイザなど芳香剤液の供給容器40に有するノズルを、切り欠き片16の下側から給液口14に露出した芳香剤徐放シート30に近づける。供給容器40から芳香剤液を押し出したりして、芳香剤徐放シート30に芳香剤液を供給することができる。芳香剤徐放シート30の全体に適量の芳香剤液を吸収保持させる。
その後は、供給容器40を取り去り、切り欠き片16を、給液口14に再び嵌め込むようにすれば、給液口14は閉塞される。芳香剤徐放シート30から収容箱11の外に芳香剤液が漏れたり芳香成分が過剰に放散されたりすることはない。
収容箱11の内部では、芳香剤徐放シート30に吸収保持された芳香剤液が、徐々に揮散して、収容箱11の内部空間に放出される。芳香剤徐放シート30と、折り重ねたティシュー紙20との間には十分な間隔Gがあいているので、この空間を通じて、芳香成分は拡がっていく。特に、図2(b)に示すように、折り重ねたティシュー紙20の隙間が、水平方向に連通しているので、個々のティシュー紙20同士の隙間にも芳香成分が良好に送り込まれていく。その結果、収容された全てのティシュー紙20に、かつ、個々のティシュー紙20の全体に、均等に適切な芳香がつくことになる。
さらに、図2(a)に示すように、取り出し口12から最上部のティシュー紙20を引き出すと、収容箱11の内部空間の空気も同時に引き出されるようになるので、収容箱11の内部空間に存在する芳香の付いた空気が、取り出し口12から周囲の空間に放出される。ティシュー紙20の使用者は、ティシュー紙20そのものに付いた芳香に加えて、空間に放出された方向によっても、好ましい芳香を感じることができる。
〔芳香剤徐放シートの詳細構造〕
図3に示すように、芳香剤徐放シート30は、不織布層32、非透湿層34および粘着剤層36の積層構造からなる。
図3に示すように、芳香剤徐放シート30は、不織布層32、非透湿層34および粘着剤層36の積層構造からなる。
不織布層32は、表面にエンボス加工による細かな凹凸形状を有する。不織布層32は、レーヨン繊維と変性PET系繊維と「ランシール」(商品名、東洋紡績社製)とを配合してなる不織布シートからなる。
非透湿層34は、ポリエチレン樹脂フィルムからなり、不織布層32の裏面に配置されて、不織布層32に吸収保持された芳香剤液が、粘着剤層36および収容箱11に染み出さないように遮断する。但し、給液口14に相当する範囲では、非透湿層34が削除されて穴があいており、収容箱11の外から給液口14に芳香剤液が供給できるようにしている。
粘着剤層36は、非透湿層34の裏面に配置されおり、芳香剤徐放シート30を収容箱11の内面に粘着接合させる。非透湿層34と同様に、給液口14に対応する個所は削除されている。なお、収容箱11に貼り付ける前の芳香剤徐放シート30では、粘着層36の表面に剥離紙が貼り付けられていて、芳香剤徐放シート30の取り扱いを行い易くしている。
芳香剤徐放シート30は、予め、芳香剤液が吸収保持された状態で、流通販売に供することができる。所望の芳香を有する芳香剤徐放シート30を購入した使用者が、収容箱11の内面に貼り付けて使用すれば、芳香剤液の供給作業を行なうことなく、直ちに芳香機能を発揮させることができる。芳香剤徐放シート30に予め供給された芳香剤液が揮散したあとは、前記同様に、給液口14から新たな芳香剤液を追加供給することができる。追加用の芳香剤液と、芳香剤徐放シート30とをセットにして、流通販売に供することもできる。
〔別の実施形態(1)〕
図4に示す実施形態は、前記実施形態と基本的な構造は共通しているが、芳香剤徐放部に関連する構造が少し異なる。異なる点を主に説明する。
図4に示す実施形態は、前記実施形態と基本的な構造は共通しているが、芳香剤徐放部に関連する構造が少し異なる。異なる点を主に説明する。
図4(a)では、前記実施形態の切り込み片と類似する形状の折り曲げ蓋片16を備える。折り曲げ蓋片16は、収容箱11を構成する紙材からなり、上辺は収容箱11と一体になっている、折り曲げ蓋片16の裏側に、切り込み孔からなる給液口14があいているのも、前記実施形態と共通している。折り曲げ蓋片16を上方に引き起こせば、給液口14が開放される。
但し、折り曲げ蓋片16の上下方向の長さが、給液口14になる切り込み孔の長さよりも長くなっている。折り曲げ蓋片16の上下方向の中央を山形に折り曲げたときに、先端を、給液口14になる切り込み孔の裏側に差し込むことができる。山形の折り曲げ蓋片16の裏側に隙間があき、給液口14と連通する。この状態では、給液口14は完全には閉塞されずに、わずかな通気状態となる。芳香剤徐放シート30から放出される芳香成分が、折り曲げ蓋片16の裏側の隙間から外部空間に、わずかに放出されて、周囲の空間にかすかな芳香を与えることができる。
折り曲げ蓋片16を平面状になるまで伸ばして、先端を給液口14となる切り込み孔の裏側に差し込んだ状態にすれば、給液口14を実質的に閉塞させることもできる。
なお、上記のような折り曲げ蓋片16の構造は、収容箱11の組み立て構造を、球形口14のところで二枚の紙材が重なるような構造にしておき、下側の紙材に切り込み孔(給液口14)、上側の紙材に折り曲げ蓋片16を切り込み形成すれば、切り込み孔よりも長い折り曲げ蓋片16を設けることができる。
図4(b)では、芳香剤徐放シート30の外側で収容箱11には、円形の小さな給液口14を貫通形成しているだけである。給液口14の内径は、芳香剤供給容器40の供給ノズルよりも少し大きい程度に設定しておくので、芳香剤液の供給は容易である。給液口14から芳香剤徐放シート30に芳香剤液が供給されたあとは、給液口14の表側に粘着テープからなる粘着蓋片16を貼り付けて、給液口14を塞ぐ。次に、芳香剤液を供給するときは、粘着蓋片16を剥がして、給液口14を開放すればよい。粘着蓋片16は、一般的な事務用の粘着テープを流用することもできる。
図4(c)では、収容箱11の上面端部で中央に、半円形蓋片16を設けている。前記実施形態の切り込み片と同様に、収容箱11の紙材を半円形に切り込むとともに、直径辺は収容箱11の稜線で連結されヒンジ状に屈曲するようになっている。半円形蓋片16を引き起こすと、半円形状の孔すなわち給液口14が開く。給液口14の真下で、側端面に芳香剤徐放シート30が貼り付けられている。芳香剤供給容器40の供給ノズルと、給液口14から下方に延ばして芳香剤徐放シート30の表面に当接させれば、芳香剤液を芳香剤徐放シート30に供給することができる。
半円形蓋片16は、図4(c)と異なる位置に設けることもできる。例えば、収容箱11の側面や底面であってもよい。収容箱11の底面に半円形蓋片16があれば、収容箱11をテーブル面などに置くだけで、半円形蓋片16が確実に閉塞される。
〔別の実施形態(2)〕
図5に示す実施形態も、前記実施形態と基本的な構造は共通しているが、芳香剤徐放部に関連する構造が少し異なる。異なる点を主に説明する。
図5に示す実施形態も、前記実施形態と基本的な構造は共通しているが、芳香剤徐放部に関連する構造が少し異なる。異なる点を主に説明する。
図5(a)に示すように、収容箱11の長手方向上端縁に切り欠き片16が設けられる。収容箱11を構成する紙材に、切り欠き片16の外形に沿って切り離し自在なミシン目線を加工している。切り欠き片16の形状は、収容箱11の上面と側面とにわたって稜線に沿って細長く延びている。切り欠き片16の裏面で収容箱11の側面になる部分に芳香剤徐放シート30が貼り付けられている。切り欠き片16のうち、収容箱11の側面で下辺中央には半円形のミシン目線が形成され、ミシン目線の下側の半円形部分が押し込み片17となる。
収容箱11あるいはティッシュー取り出し容器10の製造段階では、前記したミシン目線の加工と芳香剤徐放シート30の貼り付け加工を行う以外は、通常の箱入りティシューと同様に製造される。
図5(b)は、芳香剤液の供給操作を示している。収容箱11の外側から切り欠き片16のうち押し込み片17を指で強く押さえると、押し込み片17の外周のミシン目線が切り離されて、切り欠き片16の下辺に半円形の孔があく。
この半円形の孔に指をかけて切り欠き片16を上方側に引き上げると、切り欠き片16の下辺および側辺でもミシン目線が切り離される。切り欠き片16の上辺にはミシン目線が設けられていないので、この上辺をヒンジのようにして、切り欠き片16が上向きに旋回して開くことになる。
切り欠き片16が開くことで、残った切り欠き孔あるいは切り欠き片16の裏側空間に給液口14があくことになる。開いた切り欠き片16の裏側に芳香剤液の供給ノズルなどを近づければ、芳香剤徐放シート30に芳香剤液を供給することができる。
その後、切り欠き片16を元通りに閉じてしまえば、給液口14は塞がれる。切り欠き片16の裏面に配置された芳香剤徐放シート30から収容箱11の内部に芳香剤成分が放出される。
ティッシュー取り出し容器10を廃棄処分する際には、押し込み片17あるいは給液口14に指をかけ収容箱11を破って壊すようにすれば、収容箱11の嵩を小さくして廃棄し易くできる。
ティシュー取り出し容器を具体的に製造し、その性能を評価した。
〔ティシュー取り出し容器〕
図1、2に示す構造のティシュー取り出し容器を作製した。
図1、2に示す構造のティシュー取り出し容器を作製した。
市販の箱入りティシュー「クリネックス」(商品名、クレシア社製)を利用した。外形が、縦12cm、横25cm、高さ10cmの直方体をなす紙製の収容箱に、1辺22cmの正方形状をなすティシュー紙が400枚、順次折り重ねた状態になっている。折り重ねたティシュー紙の全体形状は、縦11cm、横22cm、高さ10cmの直方体状であった。
このようは箱入りティシューの収容箱を改造した。収容箱の長手方向端面に、ナイフでU字形の切り込みを入れ、切り込み片と給液口を設けた。収容箱のうち、紙材の貼り合わせ個所を一部剥がして、内部に収容された折り重ねティシュー紙を一旦取り出した。給液口の部分で収容箱の内面に、不織布からなる芳香剤徐放シートを貼り付けた。折り重ねティシュー紙を再び収容した後、収容箱の紙材を剥がした個所を再び接着して、ティシュー取り出し容器を完成した。
芳香剤徐放シートは、親水性繊維、熱融着繊維および吸水ポリマー繊維を含む不織布シートを使用する。具体的には、以下の工程で製造された不織布シートが使用される。
レーヨン繊維65%、変性PET系熱融着性繊維30%、「ランシール」(商品名、東洋紡績社製)5%からなる繊維材料を、サンブルローラカード(大和機工社製、型式30−300DR)に投入して、目付約100g/m2のシート状体を作製した。シート状体をエンボスマシン(処理速度4m/min、上段エンボスロール135℃、下段フラットロール135℃)で熱エンボス加工を施し、エンボス模様を有する不織布シートを得た。
このような不織布シートは、エンボス模様の凹部分で繊維同士が強力に熱融着されて強固に一体化されており、十分な強度を発揮できるとともに、エンボス模様の凸部分では繊維同士に十分な隙間が残されているため、芳香剤を良好に保持させることができる。
〔芳香剤徐放試験〕
ティシュー取り出し容器の切り込み片を上方側に引き起こして給液口を開放させた。市販の香水製品(商品名「ラッシュ2」、ブルガリ社製)を用い、香水容器の香水噴き出しノズルを、給液口に差し込み、香水を一噴きした。その後、切り込み片を給液口に押し込むようにして閉塞した。
ティシュー取り出し容器の切り込み片を上方側に引き起こして給液口を開放させた。市販の香水製品(商品名「ラッシュ2」、ブルガリ社製)を用い、香水容器の香水噴き出しノズルを、給液口に差し込み、香水を一噴きした。その後、切り込み片を給液口に押し込むようにして閉塞した。
この状態で、通常の箱入りティシューと同じようにして、日常生活でティシュー紙を使用した。取り出したティシュー紙には、ほのかな香水の芳香がついていた。使用開始から30日間が経過しても、ティシュー紙の芳香は適度であった。
本発明のティシュー取り出し容器は、例えば、通常の箱入りティシュー製品と同様に製造し販売流通を経て、家庭などで使用することができる。使用者の好みに合った香水やオーデコロンなどを芳香剤液として芳香剤徐放部に供給しておけば、好ましい適度な芳香のついたティシュー紙を、長期間にわたって継続的に使用することができる。
10 ティシュー取り出し容器
11 収容箱
12 取り出し口
14 給液口
16 開閉蓋
20 ティシュー紙
30 芳香剤徐放シート
11 収容箱
12 取り出し口
14 給液口
16 開閉蓋
20 ティシュー紙
30 芳香剤徐放シート
Claims (6)
- 多数のティシュー紙が順次折り重ねて収容され最上部から順次取り出されるティシュー取り出し容器であって、
前記折り重ねたティシュー紙を収容する収容箱と、
前記収容箱の上面に開口する前記ティシュー紙の取り出し口と、
前記収容箱の内面で前記ティシュー紙と間隔をあけて対面して配置され、芳香剤液を吸収保持し徐放する芳香剤徐放部と、
前記収容箱の壁面を貫通して配置され、収容箱の外から前記芳香剤徐放部に前記芳香剤液を供給できる給液口と、
前記収容箱で前記給液口の外側に配置され、前記給液口を外部に開放および閉塞する給液口開閉手段と、
を備えるティシュー取り出し容器。 - 前記芳香剤徐放部が、前記収容箱の内面に貼り付けられた芳香剤徐放シートである
請求項1に記載のティシュー取り出し容器。 - 前記芳香剤徐放シートが、親水性繊維、熱融着繊維および吸水ポリマー繊維を含む不織布シートである、
請求項1または2に記載のティシュー取り出し容器。 - 前記収容箱が、概略直方体状をなし、
前記芳香剤徐放部が、前記収容箱の長手方向端面の内面に配置され、
前記収容箱の内部に折り重ねて収容されたティシュー紙の端面と前記芳香剤徐放部の表面との間に3〜20mmの間隔がある、
請求項1〜3の何れかに記載のティシュー取り出し容器。 - 前記給液口開閉手段が、前記芳香剤徐放部の外側で前記収容箱の壁面の一部を、一辺を残して切り欠いてなる切り欠き片であり、
前記給液口が、前記切り欠き片により前記収容箱の壁面に形成された切り欠き孔である
請求項1〜4の何れかに記載のティシュー取り出し容器。 - 前記切り欠き片が、ティシュー取り出し容器の廃棄時に前記収容箱を壊すための手掛かりとなる
請求項1〜5の何れかに記載のティシュー取り出し容器。
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-
2006
- 2006-03-23 JP JP2006081269A patent/JP2007254005A/ja active Pending
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