JP2007253897A - 船舶及び船舶の減速方法 - Google Patents

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校優 木村
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Abstract

【課題】水上を航行する排水量型の船舶において、通常航行時には抵抗増加等の悪影響を少なくできると共に、急減速時はプロペラ推進力以外の制動力を得て船舶を急減速できる船舶及び船舶の減速方法を提供する。
【解決手段】水上を航行する排水量型の船舶1において、船外の水流により船舶1を減速する制動力を発生する、面状体や半通過体等で形成される抵抗用部材11を有する制動板10を、船側1a又は船底1bやその近傍にに格納可能、かつ、船側1a又は船底1bから外側に展開可能に設け、更には、前記制動板10に船外の水流により該制動板10を展開する力又はモーメントを発生する平板や翼等で形成される展開用部材20を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、水上を航行する排水量型の船舶において、急減速が可能な船舶及び船舶の減速方法に関する。
タンカー等の大型船舶においては、急減速時には、固定ピッチプロペラではプロペラの回転数を減少し、停止した後に逆転してプロペラによる後進力を得て船舶を減速しており、また、可変ピッチプロペラではプロペラのピッチを変更してプロペラによる後進力を得て船舶を減速している。
しかし、大型船舶では、肥大化が進むにつれて急停止の発令から停止状態に至るまでの停止距離が増加傾向にあり、船長の数倍〜20倍の距離程度まで移動してしまうので、緊急事態に対しては停止距離(制動距離)が長くなり過ぎて、船舶の安全性の面から問題となり、緊急停止における制動距離の短縮が重要な課題となっている。
これに関連して、多発する海上での衝突事故を減らすことを主眼として、船体に備えられた機関を用いて、船舶の推進用とは別に、海水を汲み上げて貯蔵しておいて、必要に応じて、高圧ポンプで高圧水として噴射することにより、船体を急停止或いは旋回退避させる船体の急ブレーキ或いは急速旋回装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この船体の急ブレーキ或いは急速旋回装置では、船舶が大型化すると、多量の貯蔵水が必要になり、満載運行時には積荷量に影響が及ぶと共に、高圧ポンプの総容量が非常に大きくなるという問題がある。
特開平07−108995号公報
本発明は、水上を航行する排水量型の船舶において、通常航行時には抵抗増加等の悪影響を少なくできると共に、急減速時はプロペラ推進力以外の制動力を得て船舶を急減速できる船舶及び船舶の減速方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の船舶は、水上を航行する排水量型の船舶において、船外の水流により船舶を減速する制動力を発生する制動板を、船側若しくは該船側の近傍、又は、船底若しくは該船底の近傍に格納可能、かつ、船側又は船底から外側に展開可能に設けて構成する。この構成によれば、通常航行時には制動板を船側若しくは船側の近傍、又は、船底若しくは船底の近傍に格納することにより、制動板による抵抗増加等の悪影響を少なくすることができ、急減速時は制動板を船側又は船底から外側に展開することによりプロペラ推進力以外の制動力を得て船舶を急減速できる。
上記の船舶において、前記制動板に船外の水流により該制動板を展開する力又はモーメントを発生する展開用部材を備えて構成すると、容易に船側や船底やそれらの近傍に格納された制動板を、比較的簡単な構成で、船側又は船底から外側に展開することができるようになる。
上記の船舶において、前記制動板を、前記制動板を、面状体又は半通過体のいずれか又は両方で形成される抵抗用部材を有して構成する。制動板の抵抗用部材を平面、多角形状面、若しくは曲面等では水流を通過させない面状体で構成すると比較的小さな面状態でも大きな抵抗を発生するので大きな制動力を得ることができるが、この場合は面状体及び面状体の取り付け部分や取り付け部分の周辺の船体側の部分に、制動板の抵抗力による比較的大きな力やモーメントが比較的狭い範囲に発生するので、構造強度に十分な注意が必要である。
また、制動板の抵抗用部材を、桁状体、格子状体、若しくは多孔体等の水流の一部が通過する半通過体で形成すると、制動板の抵抗用部材によって生じる渦流の大きさや量を、半通過体の形状や開口率等により容易に調整できるので、制動板による制動力の大きさを容易に調整でき、船体側の制動板の支持部に過大な力やモーメントが作用するのを防止することができる。特に、多くの開口部を有する半通過体の場合には、この開口部を通過する水流が作る多数の渦流により、制動エネルギーが消費されると共に、制動板の後流も流速を持つので、制動板を多段に設ける多段構成においても制動力の発生を期待できるようになる。
更に、上記の船舶において、前記展開用部材を水流による揚力を発生する部材、例えば、平板や翼等で形成すると、比較的容易に展開力を調整できるので、制動板の展開量を調整でき、この展開量により制動板が発生する制動力を調整できる。
上記の船舶において、第1の制動板と船体側との接続を第1ヒンジで、前記第1の制動板と前記展開用部材との接続を第2ヒンジで、前記展開用部材と第2の制動板との接続を第3ヒンジで、前記第2の制動板と船体側との接続を第4ヒンジで行い、船体側と前記第1の制動板と前記展開用部材と前記第2の制動板と船体側とを順に接続して、前記第1の制動板に対しての側面視で、平行四辺形形状又は台形形状のリンク機構を形成すると、展開用部材を船体と略平行に移動することができ、制動板の展開の度合いによらず、略安定した展開力を発揮することができる。
更には、リンク機構を適切な台形形状とすることにより、制動板の展開の度合いによって、展開用部材の迎角を自動的に変更できる。つまり、船速、言い換えれば、制動板に流入する水流の速度によって、制動板に作用する力の大きさや方向が異なり、制動板自体における制動板を展開する力やモーメント、あるいは、展開を妨げる力やモーメントが変化するが、台形形状のリンク機構の採用により、制動板の展開の度合いによって、展開用部材の迎角が自動的に変更されることにより、展開用部材が発生する制動板を展開する力やモーメントを調整できるので、船舶の減速状態に合わせて、自動的に制動板の展開の度合いを調整できる。
上記の船舶において、前記第1の制動板又は前記第2の制動板の代わりに、支持部材を用いると、2枚の制動板を近接して設けることによる制動板一枚当たりの平均制動力の低下を回避できる。
上記の船舶において、制動板を船尾に近いステアステーション(S.S.)2よりも後方かつプロペラよりも前方の部位に設けると、プロペラに流入する伴流の流速を低下させることができるので、プロペラ回転数の低下に伴うプロペラの負荷を低減することができる。従って、プロペラ制御におけるブレーキエアの投入までのプロペラ回転数の低下時間を短縮できる。そのため、プロペラの回転数低下、プロペラ停止、プロペラ逆転を迅速に行うことができるようになるので、プロペラによる制動力の発揮も早期にでき、より制動距離(停止距離)を短縮できる。
上記の目的を達成するための本発明の船舶の減速方法は、上記のいずれかの制動板を船側又は船底から外側に展開することにより、船舶を減速する船舶の減速方法である。この減速方法によれば、通常航行時には船側又は船底に制動板を格納することにより、制動板による抵抗増加等の悪影響を与えず、急減速の制動時には、制動板を展開し、渦抵抗や造波抵抗等を発生させることにより、流体抵抗を増加させ、船舶を減速し、制動距離を低減する。なお、片舷側のみ制動板を展開するように構成すれば、片舷側のみ制動板を展開したときに、片舷側に大きな制動力が作用するので、急旋回が可能となる。
また、上記の船舶において、船長(垂線間長)が150m〜350mの船舶では、特に、制動距離等の船舶の急停止時の性能が問題となる機会が多いのでより効果が大きい。
本発明の船舶及び船舶の減速方法によれば、水上を航行する排水量型の船舶において、船外の水流により船舶を減速する制動力を発生する制動板を、船側若しくは船底又はこれらの近傍に格納可能、かつ、船側又は船底から外側に展開可能に設けるので、通常航行時には制動板を船側や船底等に格納することにより、制動板による抵抗増加等の悪影響を少なくすることができ、急減速時は制動板を船側又は船底から外側に展開することにより制動力を得て船舶を減速できる。
さらに、制動板に船外の水流により制動板を展開する力又はモーメントを発生する展開用部材を備えて構成すると、容易に船側又は船底に格納されている制動板を、比較的簡単な構成で、船側又は船底から外側に展開することができるようになる。
以下、図面を参照して本発明に係る船舶及び船舶の減速方法の実施の形態について説明する。本発明の対象となる船舶は、水上を航行する船舶である。
第1の実施の形態の船舶について説明する。図1及び図2に示すように、この船舶1では、船外の水流により船舶1を減速する制動力を発生する制動板10を、船側1aや船底1bに格納可能、かつ、船側1aや船底1bから外側に展開可能に設ける。この制動板10が制動力を発生すると、制動板10を支持している部分にこの制動力が加わるので、隔壁(バルクヘッド)1cがある部分やその近傍に設けることが好ましい。なお、図1及び図2では各隔壁1cに制動板10を配置したが、必要な個数設ければよい。
この制動板10は、図3に示すような平板や多角形形状の板や曲面などの面状体で形成される抵抗用部材11や、図4〜図6に示すように、桁状体、格子状体、多孔体等の水流の一部を通過させる半通過体の部材のいずれか又は組合せで形成される抵抗用部材11を有して構成する。
この抵抗用部材11の形状は必要とする制動力が得られれば良いので、この格子状体や桁状体の場合の桁の方向は縦桁、横桁等に特に限定されず、格子の角度も特に限定されず、更に、多孔体の孔11aの形状も丸形、楕円形、三角形、正方形、長方形、多角形等の種々の形状でよく、また、その大きさや分布密度も特に限定されず、いろいろな孔を混在させてもよい。この抵抗用部材11を含む制動板10の形状は平板に限定されないが、格納される部位に応じて、その外側形状が、格納時に船舶1のその部位の外形の一部となるような形状に形成されることが好ましい。
この制動板10を水面近傍又は水面を横切って水中と水面上(空気中)の両方にわたって配置すると、制動板10による渦流等の粘性抵抗に加えて、制動板10による造波抵抗を利用することができ、より制動力を大きくできる。また、制動板10の取り付け位置は、船舶1が航行する水路が浅い場合には、船側1aに設け、船舶1が航行する水路が深い場合には、船底1bに設ける。
そして、制動板10の配置位置に関しては、ステアステーション(S.S.)8よりも船首部に設けると、流入する水流の流速が大きく、小さい制動板10でも大きな制動力を得ることができる。また、制動板10をステアステーション8よりも後方かつステアステーション3より前方の部位に設けると、船側及び船底において、層流部分があるものの、その層流の外では船速に近い水流速度を得ることができるので、制動力の大きさを見積もり易く、船の形状もこの部分は平面形状が多いので制動板10の形状の平面になり工作性も良い。
更に、制動板10を船尾に近いステアステーション2よりも後方かつプロペラ2よりも前方の部位に設けると、プロペラ2に流入する伴流の流速を低下させることができるので、プロペラ回転数の低下に伴うプロペラ負荷を低減することができる。従って、プロペラ制御におけるブレーキエアの投入までのプロペラ回転数の低下時間を短縮できる。そのため、プロペラ回転数低下、プロペラ停止、プロペラ逆転を迅速に行うことができるようになり、プロペラ2による制動力の発揮を早期に開始でき、より制動距離(停止距離)を短縮できるようになる。なお、プロペラ2に流入する水流の速度が低下すると舵3の効きが悪くなるが、通常の場合でも急減速時は舵3の効きが悪くなるので、大きな問題にはならない。
この抵抗用部材11は、図7や図8に示すように、第1ヒンジ12により船側1aや船底1bに設けられた第1ヒンジ12の回りに回動可能に支持される。この第1ヒンジ12は、船側1aや船底1bに平行でかつ水流と略直角に設けられる。この抵抗用部材11は、制動板10の格納時は、図7に示すように船側1aや船底1bに当接して、あるいは、図8に示すように船側1aや船底1bに設けられた凹部1d等に格納されて、制動板10の一部が船舶1の外形を形成する。
そして、展開時は、シリンダ13等でヒンジ13aで揺動可能に固定されたシリンダ部13bからロッド13cを伸ばして、ロッド13cの先端でヒンジ17により揺動可能に支持された支持用部材14を、機械的に押し出して、制動板10を第1ヒンジ12の回りに回動して、船外に展開する。
この展開は、図7に示すように、制動板10の先端側10aを船舶1の前方方向に配置した場合には、この先端側10aが船外に出ると、水流がこの抵抗用部材11に当たるようになり、展開方向の力及びモーメントが発生するので、容易に制動板10を展開できる。そして、所定の展開角度αまで回動するとロックが掛かり固定される。
また、図8に示すように、制動板10の先端側10aを船舶1の後方方向に配置した場合には、この先端側10aが船外に出ると、水流がこの抵抗用部材11に当たるようになり、展開を妨げる方向の力及びモーメントが発生するので、展開にはこれに抗する力やモーメントが必要となるが、展開直後に大きな力やモーメントを受けずに済むので、構造的には安全側となる。また、シリンダ13により展開力や展開モーメントを調整することにより、抵抗用部材11が発生する抵抗力が過大になるのを防止できる。この場合は、シリンダ13の力やシリンダ13のロッド13cの伸縮量によって、展開角度βが定まることになる。
この制動板10の展開時において、抵抗用部材11が水流による抵抗を生じ、船舶1を減速する制動力を発揮する。抵抗用部材11を面状体で形成した場合は、この面状体の大きさと、展開角度αでその抵抗力、即ち制動力を調整する。また、抵抗用部材11を桁状体、格子状体、多孔体で形成した場合は、この抵抗用部材11を通過した水流に生じる多数の渦流による抵抗や場合によっては造波抵抗等を利用するので、抵抗用部材11の大きさと展開角度αに加えて開口率や開口の形状によって、その抵抗力、即ち制動力を調整することがができる。
また、展開角度αを一定になるように構成すると共に、例えば、図9に示すように、抵抗用部材11を2枚の桁が平行な桁状体11a,11bを重ねて構成し、油圧シリンダ15等によりスライドさせることにより、開口部の大きさを変化させて制動力を調整することもできる。
この制動板10の水流によって発生する抵抗力の大きさは、船速の影響を大きく受け、船速が大きい場合には非常に大きな力が発生するので、第1ヒンジ12及びこの第1ヒンジ12が固定されている船側1aや船底1bに過大な力やモーメントが作用しないように、減速開始直後の船速が早い間は、所定の展開角度αを小さくしておき、減速が進むに連れて所定の展開角度αを大きくし、船側1aや船底1bに対して垂直(α=90度)に近づけて、制動力の大きさを適度な大きさに調整する。あるいは、開口部の大きさを調整できる場合には、所定の展開角度αを一定にして、開口部の大きさを調整して、制動力の大きさを適度な大きさに調整する。
そして、制動板10の制動力及びプロペラ回転数の減少により、ある程度まで船舶1を減速すると、プロペラを停止から逆転し、制動板10の制動力とプロペラ逆転による後進力とにより、更に船舶1を減速し停止させる。
この船舶1の停止後は、制動板10を格納する。この格納はシリンダ13を収縮させたり、格納用のチェーン(図示していない)を制動板10に取り付けておき、シリンダ13の収縮と共に、このチェーンを巻き上げたりすることによって、制動板10を船側1aや船底1bに当接したり、凹部1cに収納させる。この時は、船舶1は停止しており、流体力は作用していないので、第1ヒンジ12で片側を支持されている制動板10の重量分を引き上げればよい。
また、この制動板10は、同じ制動力を得るのに、数を少なくして大きさを大きくすると1枚当たりの制動力が大きくなり、船体側の制動板10の支持部である第1ヒンジ12に大きな力やモーメントが作用するので、大きさを小さくして数を多くする方が好ましい。また、船舶1が航行する水路が浅かったり、狭い場合が大きいので、この面からも、制動板10の大きさを小さくすることが好ましい。制動力の大きさが小さくなれば、制動力を調整するための展開角度αの調整や開口部の調整機構も小型化できたり、不要にしたりすることもできる。
そして、制動板10を数多く設ける場合には、桁状体、格子状体、多孔体等の抵抗用部材11を用いた方が、制動板10の後流が面状体の抵抗用部材11を用いる場合よりも流速を持つので、制動板10を多段に設けても効果を発揮できる。
次に第2の実施の形態について説明する。図10〜図13に示すように、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態の制動板10の先端部10aに船外の水流によりこの制動板10を展開する力FL又はモーメントを発生する展開用部材20を備えて構成する。この展開用部材20は、平板や翼等の水流による揚力FLを発生する部材、ここでは展開用翼20で形成する。また、この展開用翼20は、図12に示すように、抵抗用部材11の両側に配置したり、図13に示すように抵抗用部材11の先端側に配置したりして構成する。
そして、この展開用翼20はその揚力発生中心の近傍で第2ヒンジ17により制動板10に接続される。また、展開用翼20の先端側又は後端側に取り付けた迎角調整用チェ−ン16の巻き下げドラム15の巻き下げ量の制御によって、展開用翼20の水流に対する迎角γを調整する。
この迎角γを船速に合わせた適切な大きさに調整することにより、展開用の力FL及びモーメントの大きさを適切な大きさにして、シリンダ13に対する補助力を発生させる。これにより、展開用翼20を水流W中に押し出すことができれば良いので、シリンダ13の大きさを小さくすることができると共に、制動板10の展開を確実なものとすることができる。また、シリンダ13の伸縮長さも展開用翼20を水流W中に押し出すことができる長さであればよく、それ以後はシリンダ13と展開用翼20とは切り離されてもよい。
また、船舶1の停止後の制動板10と展開用翼20の格納に際しては、格納用の巻き上げチェーン(図示していない)を制動板10又は展開用翼20等に取り付けておき、このチェーンを巻き上げドラム(図示していない)で巻き上げて、制動板10と展開用翼20を格納する。この時は、船舶1は停止しており、制動板10と展開用翼20に流体力は作用していないので、第1ヒンジ12で支持された制動板10と展開用翼20の重量分を引き上げればよい。
第3の実施の形態について説明する。図14及び図15に示すように、この第3の実施の形態では、第1の制動板10Aと船体1a(又は1b)側との接続を第1ヒンジ12aで、第1の制動板10Aと展開用翼(展開用部材)20との接続を第2ヒンジ17aで、展開用翼20と第2の制動板10Bとの接続を第3ヒンジ17bで、第2の制動板10Bと船体1a側との接続を第4ヒンジ12bで行う。これにより、船体1a側と第1の制動板10Aと展開用翼20と第2の制動板10Bと船体1a側とを順に接続して、第1の制動板10Aに対しての側面視で、平行四辺形形状又は台形形状のリンク機構を形成する。
平行四辺形形状のリンク機構の場合には、展開用翼20を船体1bと平行に移動させることができるので、制動板10A,10Bの展開角度α又はβの度合い(大きさ)によらず、略安定した展開力を発揮することができる。
更には、リンク機構を適切な台形形状とすることにより、制動板10A,10Bの展開角度α又はβの度合いによって、展開用翼20の迎角γを自動的に変更できる。つまり、前方の第1の制動板10Aを第2の制動板10Bより長く形成すると、展開角度α又はβが大きくなるに連れて、迎角γをリンク機構により自動的に大きくすることができる。これによって、船速が低く展開角度α又はβを大きくしたい時には、迎角γが大きくなり展開力及びモーメントを発生させる展開用翼20の揚力FLを大きくできるので、自動的に、展開角度α又はβが大きくなるようにする構成できる。
言い換えれば、制動板10A,10Bに流入する水流の速度によって、制動板10A,10Bに作用する力の大きさや方向が異なり、制動板10A,10B自体における制動板10A,10Bを展開する力やモーメント、あるいは展開を妨げる力やモーメントが変化するが、台形形状のリンク機構の採用により、制動板10A,10Bの展開角度α又はβの度合いによって、展開用翼20の迎角γを自動的に変更することができる。これにより、展開用翼20が発生する制動板10A,10Bを展開する力やモーメントを調整できるので、船舶1の減速状態に合わせて、制動板10A,10Bの展開角度α又はβの度合いを台形形状のリンク機構により自動的に調整できる。
また、船舶1の停止後の制動板10A,10Bと展開用翼20の格納に際しては、格納用のチェーン(図示していない)を制動板10A,10B又は展開用翼20等に取り付けておき、このチェーンを巻き上げドラム(図示していない)で巻き上げて格納する。この場合はリンク機構になっているので、制動板10A,10B又は展開用翼20の何れかを引き上げれば、全部が共に引き上げられ、格納されることになる。
第4の実施の形態について説明する。図16及び図17に示すように、この第4の実施の形態では、第3の実施の形態において、第1の制動板10A又は第2の制動板10B(図16及び図17では、第2の制動板10B)の代わりに支持部材30を用いる。この構成によれば、第1の制動板10Aの後流に第2の制動板10Bを設けないので、2枚の制動板10A,10Bが近接して、制動効率が低下するのを回避できる。
次に、本発明の船舶の減速方法に着いて説明する。この船舶の減速方法は、上記の船舶1において、通常航行時には船側1a又は船底1bに制動板10,10A,10Bを格納し、急減速時には、制動板10,10A,10Bを船側1a又は船底1bから外側に展開することにより、船舶1を減速する方法として実施される。この減速方法によれば、通常航行時には船側1a又は船底1bに制動板10,10A,10Bを格納することにより、制動板10,10A,10Bによる抵抗増加等の悪影響を与えず、急減速の制動時には、制動板10,10A,10Bを展開し、渦抵抗を発生させることにより、流体抵抗を増加させ、船舶1を減速し、制動距離を低減する。
また、これらの船舶1及び船舶の減速方法は、特に、船長が150m〜350mの船舶では、特に、制動距離等の船舶の急停止時の性能が問題となる機会が多いのでより効果が大きい。
第1の実施の形態の船舶を示す側面図である。 図1の船舶を船底部側から見た図である。 板状体の抵抗用部材を示す正面図である。 桁状体の抵抗用部材を示す正面図である。 格子状体の抵抗用部材を示す正面図である。 多孔状体の抵抗用部材を示す正面図である。 第1の実施の形態の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 第1の実施の形態の他の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 スライド式の格子状体の抵抗用部材を示す斜視図である。 第2の実施の形態の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 第2の実施の形態の他の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 制動板と展開用部材との位置関係を示す部分平面図である。 制動板と展開用部材との他の位置関係を示す部分平面図である。 第3の実施の形態の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 第3の実施の形態の他の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 第4の実施の形態の制動板の展開状態を示す部分側面図である。 第4の実施の形態の他の制動板の展開状態を示す部分側面図である。
符号の説明
1 船舶
1a 船側(船体)
1b 船底(船体)
1c 隔壁
1d 凹部
2 プロペラ
3 舵
10 制動板
10A 第1の制動板
10B 第2の制動板
11 抵抗用部材
12,12a 第1ヒンジ
12b 第4ヒンジ
13 シリンダ
14 支持用部材
17,17a 第2ヒンジ
17b 第3ヒンジ
20 展開用翼(展開用部材)
30 支持部材
α 展開角度(後方への)
β 展開角度(前方への)
γ 迎角

Claims (7)

  1. 水上を航行する排水量型の船舶において、船外の水流により船舶を減速する制動力を発生する制動板を、船側若しくは船側の近傍、又は、船底若しくは船底の近傍に格納可能、かつ、船側又は船底から外側に展開可能に設けたことを特徴とする船舶。
  2. 前記制動板に、船外の水流により該制動板を展開する力又はモーメントを発生する展開用部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の船舶。
  3. 前記制動板を、面状体又は半通過体のいずれか又は両方で形成される抵抗用部材を有して構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶。
  4. 前記展開用部材を水流による揚力を発生する部材で形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の船舶。
  5. 第1の制動板と船体側との接続を第1ヒンジで、前記第1の制動板と前記展開用部材との接続を第2ヒンジで、前記展開用部材と第2の制動板との接続を第3ヒンジで、前記第2の制動板と船体側との接続を第4ヒンジで行い、船体側と前記第1の制動板と前記展開用部材と前記第2の制動板と船体側とを順に接続して、前記第1の制動板に対しての側面視で、平行四辺形形状又は台形形状のリンク機構を形成したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の船舶。
  6. 前記第1の制動板又は前記第2の制動板の代わりに、支持部材を用いたことを特徴とする請求項5に記載の船舶。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記制動板を船側又は船底から外側に展開することにより、船舶を減速することを特徴とする船舶の減速方法。
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