JP2007253704A - 異常検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行状態制御装置にて算出された制御要求トルクに基づいて構成要素制御装置に制御目標トルクを指令するように構成された統合制御装置の異常を、より正確に検出できる異常検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】エンジンECU20が、目的別ECUが制御要求トルクをPTM・ECU10に出力したか否かを各目的別ECUの出力フラグから読み取ると共に、何れの目的別ECUからの制御要求トルクが選択されたかを、PTM・ECU10から出力されたECU識別情報により特定し、各目的別ECUの出力フラグ及びECU識別情報に基づいて、ECU識別情報にて特定される目的別ECUの出力フラグがセットされているか否かを判断し、出力フラグがセットされていない場合に、PTM・ECU10の異常を判定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に搭載された構成要素を制御するための制御装置に対して、制御目標トルクを指令する統合制御装置の異常を検出する異常検出装置に関する。
従来より、車両の走行状態を制御する走行制御システムとして、車両の走行状態や運転者による操作に基づいて、エンジンやブレーキ等の車両の駆動・制動系の構成要素を制御するために必要な制御目標トルクを設定する統合制御装置と、エンジンやブレーキ等の車両の駆動・制動系の構成要素の駆動制動トルクを、統合制御装置にて設定された制御目標トルクとするように構成要素を制御するエンジン制御装置やブレーキ制御装置等の構成要素制御装置と、から構成されたものが知られている。
そして、このような走行制御システムにおいて、統合制御装置は、例えば、VSC(Vehicle Stability Control system)、TRC(TRaction Control system)等の車両の走行状態を予め設定された特定の走行状態に制御するための複数の各種制御装置(以下、走行状態制御装置ともいう)から出力された制御要求トルクを受けて、これらの制御要求トルクの中から、車両のその時点の走行条件下において最も優先度の高い制御要求トルクを選択することにより制御目標トルクを設定し、構成要素制御装置としてのエンジン制御装置に指令するように構成されている。
ところで、このようなシステムにおいて、エンジン制御装置が、統合制御装置から指令された制御目標トルクの値に基づいて、統合制御装置が正常に動作しているか否かを判断し、統合制御装置が正常に動作していると判断した場合に、入力された制御目標トルクに基づいてエンジンを制御するように構成されたものが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2005−254907号公報
しかしながら、上記提案の走行制御システムにおいては、統合制御装置から指令される制御目標トルクの値に基づいて統合制御装置が正常に動作しているか否かが判断されるので、統合制御装置から正常範囲内の制御目標トルクの値が指令されている間は、その値が走行状態制御装置にて算出された制御要求トルクに対応していなくても、統合制御装置は正常に動作していると判断されてしまうという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、走行状態制御装置にて算出された制御要求トルクに基づいて構成要素制御装置に制御目標トルクを指令するように構成された統合制御装置の異常を、より正確に検出できる異常検出装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の異常検出装置は、構成要素制御装置と、走行状態制御装置と、統合制御装置と、から構成された走行制御システムにおいて、統合制御装置の動作の異常を検出するものである。
そして、本発明の異常検出装置においては、トルク出力監視手段が、走行状態制御装置が制御要求トルクを統合制御装置に出力したか否かを各走行状態制御装置毎に監視し、選択状況監視手段が、統合制御装置において、何れの走行状態制御装置からの制御要求トルクが選択されたかを監視し、異常判定手段が、トルク出力監視手段及び選択状況監視手段の監視結果に基づいて、統合制御装置にて制御要求トルクが選択された走行状態制御装置が、制御要求トルクを出力した走行状態制御装置に含まれているか否かを判断し、含まれていない場合に、統合制御装置の異常を判定する。
従って、本発明の異常検出装置によれば、統合制御装置にて制御要求トルクが選択された走行状態制御装置が、制御要求トルクを出力した走行状態制御装置に含まれていない場合、つまり、走行状態制御装置が制御要求トルクを出力していないのに、統合制御装置が、その走行状態制御装置からの制御要求トルクを選択している場合に異常が判断されるので、統合制御装置から出力された制御目標トルクが正常範囲内にあっても、その装置の異常を判断でき、より正確に統合制御装置の異常を検出することができる。
次に、請求項2に記載の異常検出装置においては、統合制御装置にて制御要求トルクが選択された走行状態制御装置が、制御要求トルクを出力した走行状態制御装置に含まれている場合に、異常判定手段が、さらに、制御目標トルクまたは車両の走行状態が統合制御装置にて制御要求トルクが選択された走行状態制御装置に対して予め設定された異常判定条件に該当するか否かを判断し、制御要求トルクまたは車両の走行状態が異常判定条件に該当する場合に統合制御装置の異常を判定する。
このように構成された請求項2に記載の異常検出装置によれば、統合制御装置が、走行状態制御装置からの制御要求トルクを受けて、構成要素制御装置に指令している場合においても、さらに、制御目標トルクまたは車両の走行状態が異常判定条件に該当するか否かを判断することで、統合制御装置から出力される制御目標トルクの異常を検出できるので、構成要素が異常な制御目標トルクにて制御されることを防止することができる。
なお、請求項2では、制御目標トルクまたは車両の走行状態に対する異常判定条件が走行状態制御装置毎に設定されるので、例えば、異常判定条件として制御目標トルクが所定範囲内の値であること、を設定した際にも、従来技術で説明した制御目標トルクの正常範囲よりも、より限定された狭い範囲で所定範囲を設定することができ、統合制御装置から出力される制御目標トルクの異常を、正確に検出できる。
ここで、請求項2に記載の異常検出装置において各走行状態制御装置に夫々設定された異常判定条件としては、種々の値が考えられるが、請求項3に記載のように、複数の走行状態制御装置のうちの少なくとも1つに設定される異常判定条件は、制御目標トルクが予め設定された規定値を超えたことしてもよい。
そして、請求項3に記載の異常検出装置によれば、例えば、走行状態制御装置が、制御要求トルクとして車両走行安定制御を行うための制御トルクを出力するVSC・ECUであれば、VSC・ECUが車両走行安定制御時に指定すべき駆動制動トルクの許容限界値(図6の規定トルク参照)を規定値として設定しておくことで、統合制御装置から指令された制御目標トルクが許容限界値を超えた場合に、この制御目標トルクの異常を検出することができる。また、請求項3のように、制御目標トルクの値により異常を判定すれば、新たに他のパラメータを取得することなく、制御目標トルクの異常を検出できるので都合がよい。
なお、請求項3で規定する制御目標トルクの規定値は、走行状態制御装置による所定の走行制御時(例えばVSC・ECUによる車両走行安定制御時)に指定されうる駆動制動トルクの許容限界値である。このため請求項3に記載の異常検出装置において、駆動制動トルクの許容限界値は、従来技術で説明した制御目標トルクの正常範囲よりも、より限定された狭い範囲に対して設定することができるので、制御目標トルクの値により、統合制御装置の異常を正確に判定できる。
また、請求項2または請求項3に記載の異常検出装置においては、請求項4に記載のように、車両の走行速度を検出するための車速検出手段を設け、複数の走行状態制御装置のうちの少なくとも1つに設定された異常判定条件は、車速検出手段により検出された車両の走行速度が予め設定された規定値を超えたことしてもよい。
そして、請求項4に記載の異常検出装置によれば、例えば、走行状態制御装置が定速制御を行うためのクルーズECUであれば、クルーズECUが車両の定速制御を実行している間に発生しうる車両の走行速度の許容限界値(つまり、目標速度に対して一定の幅をもって設定された車両の走行速度の許容速度範囲の境界値:図8参照)を規定値として設定しておくことで、車両の走行速度が規定値を超えた場合に、統合制御装置から出力された制御目標トルクの異常を検出することができる。
一方、請求項1〜請求項4の何れかに記載の異常検出装置においては、請求項5に記載のように、異常判定手段により異常が判定されると、警告手段が、警告を発生するように構成してもよい。そして、このように構成された請求項5に記載の異常検出装置によれば、統合制御装置の異常が検出されると、例えば、警告ランプ等の警告手段から異常を示す警告が発せられるので、乗員は統合制御装置に異常が発生したことを即座に認識できる。
また、請求項1〜請求項5の何れかに記載の異常検出装置においては、請求項6に記載のように、当該異常検出装置を、構成要素制御装置に設けるようにしてもよい。そして、請求項6に記載の発明によれば、別途異常検出装置を設ける必要が無く、従来の走行制御システムの装置構成のままで、統合制御装置の異常を検出できる。
以下に、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された走行制御システムの概略構成を示すブロック図であり、図2は、走行制御システムを構成する各ECU間のデータの流れを示す説明図である。
本実施形態の走行制御システムは、車両の状態、運転者等の乗員からの指令を統合してエンジン100を制御するためものであり、図1に示すように、PTM・ECU10、エンジンECU20、VSC・ECU30、4WD・ECU40、クルーズECU50、PDRM・ECU60、等の複数のECUから構成されている。
ここで、上記各ECUは、マイクロコンピュータからなる演算処理部を中心に各々独立して構成された電子制御ユニットであり、各ECUには、データ通信用の通信線L1を介して互いに接続された通信部が内蔵されている。そして、各ECUは、各通信部及び通信線L1を介して、エンジン100を制御するためのデータを互いに送受信できるように構成されている。
VSC・ECU30、4WD・ECU40、クルーズECU50、PDRM・ECU60の各ECU(以下、目的別ECUともいう)は、本発明の走行状態制御装置に相当し、車両の走行状態や乗員からの指令に基づいて、車両の走行状態を、予め設定された所定の走行状態に制御するために必要なエンジン100や各車輪のブレーキの駆動制動トルクを算出する制御装置である。つまり、目的別ECUは、図示しない車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、操舵角センサ、アクセル開度センサ等の各種センサからの検出信号を受けて、演算処理部において所定の走行状態に制御するための制御要求トルクを算出し、通信部を介してPTM・ECU10に出力したり、図示しないブレーキアクチュエータに出力する。
ここで、VSC・ECU30は、障害物回避などの急激なハンドル操作をしたときや、滑りやすい路面のカーブに進入したときなどに発生する車両の横滑りを抑制するための制御を行うものであり、4WD・ECU40は、道路の状態により、車両の前後輪の駆動力配分比を制御するものである。また、クルーズECU50は、車両の走行速度や先行車両との車間距離を一定に保つ制御を行うためのものであり、PDRM・ECU60は、運転者によるアクセルペダルの操作量に基づいて、運転者の指令をエンジン100の制御に反映させるためのものである。
そして、各目的別ECUの演算処理部は、算出した制御要求トルクをPTM・ECU10に出力する際に、PTM・ECU10に制御要求トルクを出力したか否かを示すトルク出力フラグをセットする。また、エンジンECU20からトルク出力フラグの状態の問い合わせを受信すると、トルク出力フラグがセットされているか否かを示す信号をエンジンECU20に送信すると共に、トルク出力フラグをリセットする。
PTM・ECU10は、本発明の統合制御装置に相当し、各目的別ECUから出力された制御要求トルクの中から、現在の走行条件下で最適な制御要求トルクを選択し、エンジンECU20に指令する制御装置である。
つまり、PTM・ECU10の演算処理部12は、通信部14を介して上記各目的別ECUから出力された制御要求トルクを取り込み、予め設定された車両の走行状態に対応した条件に従って、取り込んだ制御要求トルクの中から1つを選択し、選択した制御要求トルクを、制御目標トルクとして通信部14を介してエンジンECU20に出力する。
エンジンECU20は、本発明の構成要素制御装置に相当し、図2に示すように、演算処理部22や通信部24に加え、エンジン100の状態を検出する各種センサからの検出信号を取り込むと共に、エンジン100に設けられた各種アクチュエータに駆動信号を出力するための信号入出力部26、を備えている。また、信号入出力部26には、PTM・ECU10の異常を運転者等の乗員に知らせるための報知部80としてLEDが接続されている。
エンジンECU20は、クランク角センサにて検出されるエンジン回転数とエアフロメータにて検出される吸入空気量とに基づき、燃料噴射量及び点火時期の基本制御量を算出し、その基本制御量を、吸気温センサにて検出された吸気温、空燃比センサにて検出された空燃比、ノックセンサにて検出されたノッキングの発生頻度、水温センサにて検出された冷却水温等に基づき補正することで、エンジンの制御量(燃料噴射量及び点火時期)を決定し、インジェクタからの燃料噴射量やイグナイタからの高電圧発生タイミング(換言すれば点火時期)を制御する。
また、エンジンECU20は、通信部24を介してPTM・ECU10から入力された制御目標トルクから、エンジン100の吸気系に設けられたスロットルバルブの開度(以下、スロットル開度ともいう)を示す制御量(目標スロットル開度)を演算する。そして、スロットルバルブの開度を、この目標スロットル開度に制御するための制御信号を生成し、エンジン100の備えるアクチュエータ類に出力することで、エンジン100のスロットル開度を、入力された制御目標トルクに基づいて制御する。
さらに、エンジンECU20は、PTM・ECU10が、エンジン100のスロットル開度を最適に制御するための制御目標トルクを出力していないことを検出し、この異常を乗員に知らせるための異常検出処理を実行する。
ここで、異常検出処理は、本発明の異常検出装置としての機能を実現するためのものであり、PTM・ECU10が実行する制御トルク選択処理による出力、VSC・ECU30、4WD・ECU40、クルーズECU50、PDRM・ECU60等の各目的別ECUにおけるトルク出力フラグに基づいて、PTM・ECU10の異常を検出する。
PTM・ECU10にて実行される制御トルク選択処理を、図3を用いて説明する。図3は、制御トルク選択処理を示すフローチャートである。
制御トルク選択処理は、予め設定されたタイミングで繰り返し実行される処理であり、処理が開始されると、まずS210にて、各目的別ECUから出力された制御要求トルクを取り込み、続くS220にて、予め設定された条件に基づいて、その時点の車両の走行状態において最も優先順位の高い制御要求トルクを、S210にて取り込んだ制御要求トルクの中から選択し、S230に移行する。
そして、S230にて、選択した制御要求トルクと、この制御要求トルクを出力した目的別ECUの識別情報(以下、ECU識別情報ともいう)とを、エンジンECU20へ出力し、当該処理を終了する。
次に、エンジンECU20にて実行される異常検出処理を、図4を用いて説明する。図4は、異常検出処理を示すフローチャートである。
異常検出処理は、PTM・ECU10から出力された制御要求トルクを受信することにより開始される処理であり、処理が開始されると、まずS310にて、PTM・ECU10から出力されたECU識別情報を読み取り、続くS320では、全ての目的別ECUに対して、トルク出力フラグの状態を問い合わせ、ECU識別情報にて特定される目的別ECUのトルク出力フラグがセットされているか否かを判断する。なお、上述したように、PTM・ECU10がトルク出力フラグの状態を問い合わせた後、全ての目的別ECUにおいては、トルク出力フラグがリセットされる。
そして、該当する目的別ECUの出力フラグがセットされている場合には(S320:YES)、PTM・ECU10は該当する目的別ECUから入力された制御要求トルクを制御目標トルクとして出力しており、正常に動作していると判断してS330に移行する。
次に、S330では、ECU識別情報にて特定される目的別ECUの特定異常検出処理がエンジンECU20に登録されているか否かを判断し、特定異常検出処理が登録されている場合には(S330:YES)、続くS340にて、後述する特定異常検出処理を実行する。
なお、後述する特定異常検出処理では、PTM・ECU10が異常であると判断されると、エンジンECU20に設けられた異常フラグがセットされ、PTM・ECU10が正常に動作していると判断されると異常フラグがリセットされる。一方、S330にて、ECU識別情報にて特定される目的別ECUの特定異常検出処理が登録されていないと判断した場合には(S330:NO)、当該処理を終了する。
次に、S340の特定異常検出処理が終了すると、続くS350では、異常フラグがセットされているか否かを判断し、異常フラグがセットされている場合には(S350:YES)、S360に移行して、信号入出力部26を介して報知部80に信号を出力し、PTM・ECU10の異常を示すLEDを点灯させて当該処理を終了する。一方、S350にて、異常フラグがセットされていないと判断した場合には(S350:NO)、PTM・ECU10は正常に動作していると判断し、当該処理を終了する。
また、S320にて、該当する目的別ECUの出力フラグがセットされていないと判断した場合には(S320:NO)、PTM・ECU10は、実際には制御要求トルクを出力していない目的別ECUからの制御要求トルクを、制御目標トルクとして出力していることを示しているため、PTM・ECU10は異常な動作をしていると判断し、S360に移行する。
次に、S340において実行される特定異常検出処理について説明する。本実施形態においては、特定異常検出処理として、VSC制御時(つまり、VSC・ECU30からの制御要求トルクが、制御目標トルクとして選択された場合)に実行するVSC異常検出処理と、クルーズ制御時(つまり、クルーズECU50からの制御要求トルクが制御目標トルクとして選択された場合)に実行するクルーズ異常検出処理と、がエンジンECU20の演算処理部に登録されている。
まず、VSC異常検出処理について、図5、図6を用いて説明する。図5は、VSC異常検出処理を示すフローチャートであり、図6は、VSC制御時の制御目標トルクの推移を表す説明図である。
VSC異常検出処理は、処理が開始されると、まずS410にて、PTM・ECU10から出力される制御目標トルクを取り込み、続くS420では、制御目標トルクが、予め設定された規定トルク以上であるか否かを判断し、規定トルク以上である場合には(S420:YES)、S430に移行して、最初に規定トルク以上であると判断してから予め設定された時間が経過したか否かを判断する。そして、S430にて、予め設定された時間が経過したと判断した場合には(S430:YES)、VSC制御が正常に実行されていない、つまり、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されていないと判断し、S440に移行して、異常フラグをセットして当該処理を終了する。一方、S430にて、予め設定された時間が経過していないと判断した場合には(S430:NO)、S410に移行して、S410からの処理を実行する。
また、S420にて、制御目標トルクが、予め設定された規定トルクより小さいと判断した場合には(S420:NO)、VSC制御が正常に実行されており、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されているとしてS450に移行し、S450では、異常フラグをリセットして当該処理を終了する。
このように、VSC異常検出処理においては、制御目標トルクが予め設定された規定トルク以上である場合に、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されていないと判断しているが、これは、VSC制御の特徴によるものである。
つまり、VSC制御は、障害物回避などの急激なハンドル操作をしたときや、滑りやすい路面のカーブに進入したときなどに発生する車両の横滑りを抑制することを目的としており、VSC制御時においては、図6に示すように、制御目標トルクは予め設定された規定トルク(例えば、アクセルによる運転者からの要求トルク)よりも必ず小さくなる。このため、VSC制御が正常に実行されている間は、制御目標トルクが規定トルクを超えることはあり得ない。そこで、本VSC異常検出処理においては、制御目標トルクが一定時間以上規定トルクを超えた場合に、PTM・ECU10から出力された制御目標トルクが異常であると判断するようにしている。
次に、クルーズ異常検出処理について、図7、図8を用いて説明する。図7は、クルーズ異常検出処理を示すフローチャートであり、図8は、クルーズ制御時の車両の走行速度の推移を表す説明図である。
クルーズ制御処理は、処理が開始されると、まず、S510にて、図示しない車速センサからの検出信号を受けて車両の走行速度を算出し、続くS520では、算出した車両の実速度と、予め設定された目標速度との速度偏差を算出して、RAM等に一旦記憶する。そして、S530では、処理を開始してから予め設定された時間が経過したか否かを判断し、予め設定された時間を経過していない場合には(S530:NO)、S510に移行して、予め設定された時間を経過するまで繰り返し車両の実速度と目標速度との速度偏差を算出し、記憶する。一方、S530にて予め設定された時間が経過したと判断した場合には(S530:YES)、S540に移行して、S520にて、予め設定された時間の間に算出し、RAM等に記憶された全ての速度偏差を積算する。
次に、S550では、積算した速度偏差が、予め設定された閾値以上であるか否かを判断することにより、積算した速度偏差が閾値以上である場合には(S550:YES)、クルーズ制御が正常に実行されていない、つまり、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されていないとし、S560に移行して、異常フラグをセットして当該処理を終了する。一方、S550にて、積算した速度偏差が予め設定された閾値よりも小さいと判断した場合には(S550:NO)、クルーズ制御が正常に実行されており、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されているとしてS570に移行し、S570では、異常フラグをリセットして当該処理を終了する。
このように、クルーズ異常検出処理においては、積算した速度偏差が閾値異常である場合に、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されていないと判断しているが、これは、クルーズ制御の特徴によるものである。
つまり、クルーズ制御は、車両の走行速度や先行車両との車間距離を一定に保つ制御を行うことが目的としている。このため、クルーズ制御時は、実速度が、図8に示す正常時速度のように、目標速度付近(つまり、許容速度範囲内)で推移するはずであり、図8に示す異常時速度のように、実速度が目標速度から大きくずれることがない。そこで、本実施形態のクルーズ制御処理においては、実速度と目標速度との偏差を一定時間分積算し、積算した値が閾値よりも大きくなった場合に、算出した車両速度が一定時間、許容速度範囲の境界値を超えていると判断し、PTM・ECU10から適切な制御目標トルクが出力されていないと判断している。
以上説明したように、本発明が適用された走行制御システムにおいては、エンジンECU20が、目的別ECUが制御要求トルクをPTM・ECU10に出力したか否かを各目的別ECUの出力フラグから読み取ると共に、何れの目的別ECUからの制御要求トルクが選択されたかを、PTM・ECU10から出力されたECU識別情報により特定し、各目的別ECUの出力フラグ及びECU識別情報に基づいて、ECU識別情報にて特定される目的別ECUの出力フラグがセットされているか否かを判断し、出力フラグがセットされていない場合に、PTM・ECU10の異常を判定する。
従って、本発明が適用された走行制御システムによれば、PTM・ECU10にて制御要求トルクが選択された目的別ECUの出力フラグがセットされていない場合、つまり、その目的別ECUが制御要求トルクを出力していないのに、PTM・ECU10が、その目的別ECUからの制御要求トルクを選択したことを示している場合に異常と判断されるので、PTM・ECU10から出力された制御目標トルクの値が、目的別ECUにて算出された制御要求トルクに対応していないことを判断でき、より正確にPTM・ECU10の異常を検出することができる。
また、本実施形態のエンジンECU20においては、PTM・ECU10が、目的別ECUからの制御要求トルクを受けて、エンジンECU20に指令している場合においても、さらに、その目的別ECUに対して特定異常検出処理が登録されている場合には、特定異常検出処理を実行した結果により、PTM・ECU10から正常な制御目標トルクの値が出力されているか否かが判定される。
ここで、特定異常検出処理の1つは、VSC・ECU30に対して登録されたVSC異常検出処理であり、PTM・ECU10から出力される制御目標トルクが規定トルクを超えたか否かにより、この値が正常であるか否かを検出できる。つまり、VSC・ECU30またはPTM・ECU10における異常により生じた制御目標トルクの異常を検出できるので、エンジンECU20が、異常な制御目標トルクに基づいてエンジン100を制御することを防止できる。
また、他の特定異常検出処理としては、クルーズECU50に対して登録されたクルーズ異常検出処理があり、車両の走行速度が、目標速度に対して一定の幅をもって設定された許容速度範囲の境界値を超えたか否かにより、PTM・ECU10から出力される制御目標トルクが正常であるか否かを検出できる。つまり、車両の走行速度から、クルーズECU50またはPTM・ECU10における異常により生じた制御目標トルクの異常を検出できるので、上記VSC異常検出処理と同様に、エンジンECU20が、異常な制御目標トルクに基づいてエンジン100を制御することを防止できる。
一方、本実施形態の走行制御システムにおいては、エンジンECU20にてPTM・ECU10の異常が検出されると、報知部80のLEDが点灯されるので、乗員はPTM・ECU10に異常が発生したことを即座に認識できる。また、エンジン100を制御するためのエンジンECU20にて、PTM・ECU10の異常を検出しているので、従来の走行制御システムから装置構成を変更することなく、PTM・ECU10の異常を検出できる。
なお、本実施形態において、報知部80は本発明の警報手段に相当し、エンジン100は本発明の駆動・制動系の一構成要素に相当し、S320の処理は、本発明のトルク出力監視手段に相当し、S310の処理は、本発明の選択状況監視手段に相当し、S320〜S350、VSC異常検出処理(S410〜S450)、及び、クルーズ異常検出処理(S510〜570)は、本発明の異常判定手段に相当し、S510の処理は本発明の車速検出手段に相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
上記実施形態においては、PTM・ECU10は、各目的別ECUから出力された制御要求トルクから1つを選択し、選択した制御要求トルクを制御目標トルクとしてエンジンECU20に出力するだけの処理を行うように構成したが、エンジンECU20に制御目標トルクを出力するだけでなく、さらに、トルクコンバータ付き自動変速機(AT)を制御するATECUに対してATの制御要求トルクを指令したり、ブレーキを制御するブレーキECUに対してブレーキの制御要求トルクを指令したりするように構成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、車両の駆動・制動系の一構成要素をエンジン100とし、構成要素制御装置をエンジンECU20としたが、構成要素は例えば、ブレーキ、ATであってもよく、構成要素制御装置は、ブレーキやATを夫々制御するブレーキECUやATECUであってもよい。
そして、上記実施形態においては、異常検出装置を、構成要素制御装置であるエンジンECU20の1つの機能として構成したが、異常検出装置は、エンジンECU20とは別に設けてもよく、また、例えばPTM・ECU10に演算処理部22とは別に演算処理部を設け、この演算処理部を異常検出装置としてもよい。
上記実施形態においては、本発明の走行状態制御装置を、VSC・ECU30、4WD・ECU40、クルーズECU50、PDRM・ECU60により構成したが、車両の走行状態を特定の走行状態に制御するための駆動制動トルクを算出するECUであればよく、上記に限定されるものではない。
そして、上記実施形態においては、特定異常検出処理として、制御目標トルクまたは車速を、異常判定条件を設定するパラメータとするVSC異常検出処理、クルーズ異常検出処理を行うように構成したが、異常判定条件は、加速度、操舵角、車輪速度等の車両の走行状態を表す様々なパラメータにより設定することができる。
本実施形態の走行制御システムの概略構成を示すブロック図である。 走行制御システムを構成する各ECU間のデータの流れを示す説明図である。 制御トルク選択処理を示すフローチャートである。 異常検出処理を示すフローチャートである。 VSC異常検出処理を示すフローチャートである。 VSC制御時の制御目標トルクの推移を表す説明図である。 クルーズ異常検出処理を示すフローチャートである。 クルーズ制御時の車両の走行速度の推移を表す説明図である。
符号の説明
10…PTM・ECU、12…演算処理部、14…通信部、20…エンジンECU、22…演算処理部、24…通信部、26…信号入出力部、30…VSC・ECU、40…4WD・ECU、50…クルーズECU、60…PDRM・ECU、80…報知部、100…エンジン

Claims (6)

  1. 車両の駆動・制動系の一構成要素の駆動制動トルクを、外部から指令された制御目標トルクとするように、前記構成要素を制御する構成要素制御装置と、
    車両の走行状態や乗員からの指令に基づき、車両を所定の走行状態に制御するのに必要な駆動制動トルクを、制御要求トルクとして算出する複数の走行状態制御装置と、
    該各走行状態制御装置にて算出された制御要求トルクの中から、現在の走行条件下で最適な制御要求トルクを予め設定された条件に基づいて選択し、選択した制御要求トルクを制御目標トルクとして前記構成要素制御装置に指令する統合制御装置と、
    を備え、前記複数の走行状態制御装置が、各走行状態制御装置毎に夫々設定された走行状態に車両を制御するのに必要な駆動制動トルクを算出するように構成された走行制御システムにおいて、
    前記統合制御装置の動作の異常を検出する異常検出装置であって、
    前記走行状態制御装置が、前記制御要求トルクを前記統合制御装置に出力したか否かを各走行状態制御装置毎に監視するトルク出力監視手段と、
    前記統合制御装置において、前記何れの走行状態制御装置からの制御要求トルクが選択されたかを監視する選択状況監視手段と、
    前記トルク出力監視手段及び前記選択状況監視手段の監視結果に基づいて、前記統合制御装置にて前記制御要求トルクが選択された走行状態制御装置が、前記制御要求トルクを出力した走行状態制御装置に含まれているか否かを判断し、含まれていない場合に、前記統合制御装置の異常を判定する異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする統合制御装置の異常検出装置。
  2. 前記異常判定手段は、前記統合制御装置にて前記制御要求トルクが選択された走行状態制御装置が、前記制御要求トルクを出力した走行状態制御装置に含まれている場合には、さらに、前記制御目標トルクまたは車両の走行状態が、前記統合制御装置にて制御要求トルクが選択された走行状態制御装置に対して予め設定された異常判定条件に該当するか否かを判断し、前記制御要求トルクまたは車両の走行状態が異常判定条件に該当した場合に前記統合制御装置の異常を判定することを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記複数の走行状態制御装置のうちの少なくとも1つに設定された異常判定条件は、前記制御目標トルクが予め設定された規定値を超えたことであることを特徴とする請求項2に記載の異常検出装置。
  4. 車両の走行速度を検出するための車速検出手段を備え、
    前記複数の走行状態制御装置のうちの少なくとも1つに設定された異常判定条件は、前記車速検出手段により検出された走行速度が予め設定された規定値を超えたことであることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の異常検出装置。
  5. 前記異常判定手段により異常が判定されると、警告を発生する警告手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の異常検出装置。
  6. 当該異常検出装置は、前記構成要素制御装置に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の異常検出装置。
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