JP2007253420A - 液体収容容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃液吸収部の廃液の収容量を大きくできる液体収容容器を提供する。
【解決手段】液体を貯留する液体収容部3cと、廃液を吸収する廃液吸収部20と、液体収容部20を収納している第1の容器ケース3と、廃液吸収部20を収納している第2の容器ケース5と、を有する液体収容容器1であって、第1の容器ケース3の液体取り出し口が対向する側壁3bは、液体取り出し口12の先端開口を臨ませる開口3dと、廃液用開口3fと、を有し、第2の容器ケース5は、廃液吸収部20の内部空間を形成する内壁5c及び主壁部5aと、廃液を導入するための廃液導入口部5fと、を有し、廃液導入口部5fは、廃液用開口3fに対向する位置にその先端開口5gが設けられ、内壁5cのうち、廃液導入口部側の内壁は主要部5hが第2の容器ケース5の側壁と略平行に設けられ、かつ主要部5hの延長線が廃液導入口部5fの後端開口5iと先端開口5gとの間を通るとともに、内壁の一部5jが廃液導入口部5fを避けるように設ける。
【選択図】図6

Description

本発明は、液体を貯留する液体収容部と、廃液を吸収する廃液吸収部と、前記液体収容部及び廃液吸収部を収納している容器ケースとを有する液体収容容器に関する。
液体をターゲットに噴射させる液体噴射装置の一例として、インク滴を噴射する記録ヘッドが記録媒体の幅方向に往復移動するキャリッジに搭載された形態のインクジェットプリンタがある。
このようなインクジェットプリンタにおいては、インクを貯留するための液体収容容器としてのインクカートリッジが交換可能に設けられており、記録ヘッドから噴射されるインクは、同インクカートリッジから供給されるようになっている。
ところで、近年、上記のようなインクジェットプリンタにおいて、A0サイズ等の大型の紙に印刷を行う需要が増えている。そして、このような場合には、インク消費量が多くなるため、大容量のインクを貯留することのできるインクカートリッジが要求されていた。ところが、このような大容量のインクカートリッジをキャリッジに搭載すると、キャリッジが重くなり、キャリッジモータ等に多大な負荷がかかる可能性があった。従って、インクカートリッジをキャリッジに搭載させない構成(いわゆるオフキャリッジ型)が一般に採用されるようになっていた。
一方、インクジェットプリンタでは、記録ヘッドのノズルの目詰まり等によってインク滴の吐出不良が生じないように、適時、記録ヘッドをクリーニング処理することが必要になる。
このクリーニング処理は、例えば、記録ヘッドをクリーニング位置に退避させて、記録ヘッド上の各ノズルに残留するインクの一部を吐出・廃棄したり、ノズルの先端面を払拭するものである。従って、インクジェットプリンタには、クリーニング処理によって発生した廃インクを収容する廃インク収容部が必要になる。
このような背景から、樹脂製の容器ケースに、記録ヘッドに供給するインクを貯留するインク収容部と、記録ヘッドから排出される廃インクを収容する廃インク貯留部と、を備えたインクカートリッジが提案された(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−142128号公報
ところが、上記従来のインクカートリッジは、プリンタ側の廃インクチューブの端部に設けられた廃液針を嵌合接続するための筒状の廃液導入部が設けられている。このため、廃インク貯留部(廃液吸収部)は、廃液導入部の後方に設けられるため、その奥行き方向の長さが、廃液導入部の長さ分以上短くなり、その分廃インクの収容量が少なくなるという問題点がある。特に、複数のインクパックを有するカラーインクのインクカートリッジでは、インクカートリッジが横方向に細長くなるため、その影響が大きい。
そこで、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、廃液吸収部の廃液の収容量を大きくできる液体収容容器を提供することである。
(1)本発明の上記目的は、液体を貯留する液体収容部と、廃液を吸収する廃液吸収部と、前記液体収容部を収納している第1の容器ケースと、前記廃液吸収部を収納している第2の容器ケースと、を有する液体収容容器であって、
前記第1の容器ケースの液体取り出し口が対向する側壁は、
前記液体取り出し口の先端開口を臨ませる開口と、
廃液用開口と、を有し、
前記廃液用開口は、前記液体取り出し口よりも前記側壁の端部側に設けられ、
前記第2の容器ケースは、前記廃液吸収部の内部空間を形成する内壁及び主壁部と、廃液を導入するための廃液導入口部と、を有し、
前記廃液導入口部は、前記廃液用開口に対向する位置にその先端開口が設けられ、
前記内壁のうち、廃液導入口部側の内壁は主要部が前記第2の容器ケースの側壁と略平行に設けられ、かつ前記主要部の延長線が前記廃液導入口部の後端開口と先端開口との間を通るとともに、前記内壁の一部が前記廃液導入口部を避けるように設けられていることにより達成される。
上記構成によれば、廃液導入口部が設けられる位置は、その先端開口が第1の容器ケースの廃液用開口に対向する位置である。廃液用開口の位置は、液体取り出し口の先端開口を臨ませる開口よりも外側(第1の容器ケースの端部側)である。よって、廃液導入口部は、第2の容器ケースの端部側に設けることができる。
また、第2の容器ケースの内壁のうち、廃液導入口部側の内壁は主要部が第2の容器ケースの側壁と略平行に設けられ、その主要部の延長線が廃液導入口部の後端開口と先端開口との間を通るように、かつ、その一部が廃液導入口部を避けるように設けられているので、前記主要部ができるだけ前方になるように設けることができ、従来の液体収容容器に比べて、廃液吸収部の収容量を大きくすることができる。
(2)好ましくは、上記(1)に記載の液体収容容器において、前記内壁の一部は、前記廃液導入口部を避けるように斜めに設けられていると良い。
これにより、内壁の形状が比較的単純な形状で、内壁の主要部ができるだけ前方になるように設けることができ、従来の液体収容容器に比べて、廃液吸収部の収容量を大きくすることができる。
(3)好ましくは、上記(1)又は(2)に記載の液体収容容器において、前記第1の容器ケースは、液体噴射装置の装着部に装着するための一対の位置決め孔を有し、前記一対の位置決め孔は前記液体取り出し口をはさんで前記側壁の端部側に設けられるとともに、前記廃液用開口は、前記位置決め孔よりも前記側壁の端部側に設けられていると良い。
上記構成によれば、廃液用開口の位置は、液体取り出し口の先端開口を臨ませる開口の外側(第1の容器ケースの端部側)に設けられた位置決め孔よりも、さらに外側(第1の容器ケースの端部側)である。よって、廃液導入口部は、第2の容器ケースの端部により近い箇所に設けることができる。
(4)好ましくは、上記(1)〜(3)に記載の液体収容容器において、前記廃液吸収部に装填される吸収材は、前記第2の容器ケースの内壁の内側に嵌り込む大きさ及び厚さを有する形状であると良い。
これにより、吸収材は、斜めに設けられた内壁の一部に沿うように、長方形の一つの角を斜めに切断された部分を有する形状とすることができる。
このような形状に吸収材を製造することは、長方形に成形された吸収材の一つの角を斜めに切断する工程のみで済むため容易に加工できる。
(5)さらに、好ましくは、上記(1)〜(4)に記載の液体収容容器において、前記廃液導入口部を避けるように設けられた内壁の一部と、該内壁の一部と対向する前記吸収材の端面との間に隙間がある構成とすると良い。
このような構成にすると、隙間があることにより、廃液導入口部の後端開口から導入された廃インクと接する部分の吸収材の面積が広くなり、スムーズに廃インクを吸収することができる。
本発明に係る液体収容容器によれば、第2の容器ケースの内壁の主要部ができるだけ前方にくるように設けられているので、廃液導入口部の長さ分以上の後方に廃液吸収部が略長方形に設けられていた従来の液体収容容器に比べて、廃液吸収部の収容量を大きくすることができる。
以下、本発明に係る液体収容容器の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。まず、本実施の形態の液体収容容器を装着可能な液体噴射装置であるインクジェットプリンタの一例について説明する。
図1は、インクジェットプリンタの概念図である。なお、このインクジェットプリンタは、キャリッジ上にインクカートリッジである液体収容容器を搭載しないオフキャリッジタイプのインクジェットプリンタである。
インクジェットプリンタ31は、フレーム32を備え、このフレーム32内にはカートリッジ装着部33が設けられており、カートリッジ装着部33には、内部に液体としてのインクを収容した液体収容容器1が着脱可能に設けられる。この液体収容容器1は、キャリッジ36上に搭載されたサブタンク38に供給流路39を介してインクを供給する。なお、インクジェットプリンタ31には、1個の液体収容容器1が設けられ、この液体収容容器1に対して、インクジェットプリンタ31の使用するインクの種類と同じ数の供給流路39及びサブタンク38が設けられている。本実施の形態では、4本の供給流路39と、4個のサブタンクが設けられているが、図1では、便宜上、1本の供給流路39と1個のサブタンク38のみ図示する。
キャリッジ36は、フレーム32の左側板32a及び右側板32bとの間に架設されたガイド部材35に摺動可能に支持されている。このキャリッジ36に搭載されたサブタンク38は、記録ヘッド37へのインクの供給を安定させるために、液体収容容器1から供給されたインクを内部に一時貯留している。
記録ヘッド37は、キャリッジ36の下面に搭載されている。記録ヘッド37は、図示しない複数のノズルを有しており、このノズルは記録ヘッド37の下面で開口している。記録ヘッド37は、ノズル開口から液体としてのインク滴を、図示しないターゲットとしての紙に向かって吐出する。
また、フレーム32内には、インクジェットプリンタ31が非印刷状態となった際にキャリッジ36が配置されるホームポジションが設けられている。このホームポジションには、記録ヘッド37のノズルの目詰まりを防止するためのヘッドメンテナンス機構41が配設されている。このヘッドメンテナンス機構41は、キャップ42及びチューブポンプ44を備えており、キャップ42とチューブポンプ44は、チューブ43で接続されている。
このヘッドメンテナンス機構41は、インクジェットプリンタ31が非印刷状態となったときに、ノズル内のインク粘度が上昇するのを防止するために、記録ヘッド37の下面をキャップ42にて封止する。また、ノズルの目詰まりを防止するために、ノズルから強制的にインクを吸引する吸引クリーニングを行う。この吸引クリーニングでは、キャップ42で記録ヘッド37の下面を封止した状態で、チューブポンプ44を駆動することによりキャップ42内に負圧を発生させる。そして、発生した負圧によりノズル内のインクをキャップ42内に吐出させる。
吸引クリーニングによりキャップ42内に吐出されたインクは、チューブ43内を通過して、液体収容容器1に備えられた廃液吸収部に収容される。
次に、本発明に係る液体収容容器の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図2は本発明に係る液体収容容器の一実施の形態の正面図、図3は図2に示した液体収容容器のB矢視図、図4は図3に示した液体収容容器のC矢視図、図5は図2に示した液体収容容器の液体収容部を形成している第1の容器ケースの斜視図、図6は図2に示した液体収容容器の廃液吸収部を形成している第2の容器ケースに吸収材が装填される前の斜視図、図7は図6のD−D断面図、図8は図6に示した第2の容器ケースに吸収材が組み付けられる状態の分解斜視図、図9は図6に示した第2の容器ケースに吸収材を装填した状態の斜視図、図10は図9に示した吸収材を装填した第2の容器ケースにフィルムを溶着した後の状態の斜視図である。
この一実施の形態の液体収容容器1は、インクジェットプリンタのカートリッジ装着部に嵌合装着されるインクカートリッジである。
また、液体収容容器1は、第1の容器ケース3と、この第1の容器ケース3に重ねた状態に結合される第2の容器ケース5とを備えており、これらの容器ケース3,5はいずれも樹脂材料の成形により形成された樹脂ケースである。
第1の容器ケース3は、図5に示すように、略長方形の底壁3aとこの底壁3aの外周から延出する側壁3bとを樹脂材料により一体成形したもので、底壁3aに対向する面(図5では、上面)を開放した箱形を呈している。底壁3aと側壁3bとで囲んだ内部空間が、液体収容袋である4つのインクパック7〜10を収容・保持する液体収容部3cとなっている。
4つのインクパック7〜10は、カラー印刷用にそれぞれ異なるカラーインクを充填したものである。
それぞれのインクパック7〜10は、同様の構造のもので、インクを収容する可撓性の袋体11と、この袋体11の前端部に接合されたインク取り出し口12とから構成されている。
袋体11は、2枚のアルミニウムラミネートフィルムを重ね合わせて、それらの周囲を熱融着等の方法によって接合することにより形成されている。アルミニウムラミネートフィルムを採用した理由は、ガスバリヤー性の向上のためである。アルミニウムラミネートフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔の外側をナイロンフィルム、内側をポリエチレンフィルムにより挟み込んだ構成のものが採用される。
インク取り出し口12は、袋体11内のインクを導出する硬質樹脂製の筒状体と、この筒状体の先端の開口を封止する弾性素材製の封止栓と、封止栓の先端に貼付されたシールフィルムとを備えた構成である。そして、このインク取り出し口12は、硬質樹脂製の筒状体を袋体11のアルミニウムラミネートフィルムに熱融着等により固定することで、袋体11に固定一体化されている。
第1の容器ケース3は、4つのインクパック7〜10が配列される方向に細長い容器ケースで、各インクパック7〜10のインク(液体)取り出し口12が対向する側壁3bには、図2に示すように、各インク取り出し口12の先端開口を臨ませる4つの開口3dが設けられている。また、この4つの開口3dの左右の外側(第1の容器ケース3の端部側)には、液体収容容器1をインクジェットプリンタ31の装着部33に装着するための一対の位置決め孔4,4が設けられている。また、4つの開口3dのうちの一番外側(図2では一番右側)の開口3dよりも外側(図2では右側)に設けられた位置決め孔4よりも、さらに、外側(図2では右側)に廃液用開口3fが設けられている。この廃液用開口3fの位置は、後述する廃液導入口部5f(図6参照)の先端開口5gに対向する位置である。
なお、インクジェットプリンタ31の装着部33には、図示しない2つの位置決めピンが設けられており、この2つの位置決めピンが上記一対の位置決め孔4にそれぞれ嵌合して液体収容容器1の位置が固定される。このように、一対の位置決め孔4を用いてインクジェットプリンタ31の装着部33に装着することにより、装着時の負荷バランスが均一になり、安定して装着することができる。
また、開口3dが設けられた側壁3bの内側には、図5に示したように、各インク取り出し口12を位置決め・固定する溝型の取出口保持部3eが設けられている。
図2に示した液体収容容器1は、所定の向きでインクジェットプリンタ31のカートリッジ装着部33に装着すると、カートリッジ装着部33に装備されているインク供給針45が第1の容器ケース3に収容されたインクパック7〜10のインク取り出し口12に挿通され、インク供給針45に接続されている供給流路39を介して、各インクパック7〜10内のインクがインクジェットプリンタ31の記録ヘッド37側に供給される。
第2の容器ケース5は、図5に示した第1の容器ケース3の上面開放部を覆うカバーとして機能する薄型で偏平な容器ケースである。
この第2の容器ケース5は、図6及び図7に示すように、第1の容器ケース3の上面開放部を覆う略長方形で平板状の主壁部5aと、この主壁部5aの外周の少し内側に略垂直に立設されて第1の容器ケース3の側壁3bの内側に嵌合する側壁5bと、この側壁5bよりも内側で前記主壁部5aに立設された内壁5cとを備えており、内壁5cと主壁部5aとで囲んだ内部空間5dが、後述する吸収材の収容空間として利用される。
第2の容器ケース5の長手方向に沿う一辺の側壁5bには、図6に示すように、第1の容器ケース3の側壁3bに形成された係合穴14(図5参照)に嵌合する突片15が突設されている。また、突片15を装備した側壁5bに対向する他方の側壁には、第1の容器ケース3に装備された取出口保持部3eとの協働でインク取り出し口12を保持する取出口保持部5eと、インクジェットプリンタ側から送られる廃インクを内部空間5dに流入させるための廃液導入口部5fが第2の容器ケース5の端部近傍に設けられている。
この廃液導入口部5fの位置は、その先端開口5gが第1の容器ケース3の廃液用開口3fに対向する位置に設けられる。廃液用開口3fの位置は、前述のように、インク取り出し口の先端開口を臨ませる4つの開口3dのうちの一番外側(図2では一番右側)の開口3dよりも外側(図2では右側)に設けられた位置決め孔4よりも、さらに、外側(図2では右側)である。よって、廃液導入口部5fは、第2の容器ケース5の端部近傍に設けられる。
この廃液導入口部5fは筒状で、第2の容器ケース5を第1の容器ケース3に組み付けた状態にすると、廃液導入口部5fの先端開口5gが第1の容器ケース3の側壁3bの開口3f(図5参照)から外部に臨む。液体収容容器1を所定の向きでインクジェットプリンタ31のカートリッジ装着部33に装着すると、前記廃液導入口部5fには、カートリッジ装着部33に装備されたインクジェットプリンタ側の廃インク供給針46が嵌合接続され、廃液導入口部5fを介して内部空間5d側に廃インクが導入可能になる。
図6に示すように、本実施の形態における第2の容器ケース5は、前記内壁5cのうちの廃液導入口部側の内壁は、その主要部5hが第2の容器ケース5の側壁と略平行に設けられており、この主要部5hの延長線Eが廃液導入口部5fの後端開口5iと先端開口5gとの間を通るように(望ましくは、できるだけ先端開口5gの近くを通るように)、かつ、その一部5jが廃液導入口部5fを避けるように斜めに(斜めの方向に向かって)設けられており、この内壁の一部5jには、廃液導入口部5fの後端開口5iを挿通する貫通孔5kが設けられている。なお、廃液導入口部5fが第2の容器ケース5の端部に近いほど、斜めに設けられた内壁の一部5jは短くなる。
なお、上記内壁の一部5jは、廃液導入口部5fを避けるように設けられていれば、必ずしも斜めに設けられた壁でなくてもよい。例えば、屈曲形状,階段状,曲線状などの形状の壁面により廃液導入口部5fを避けるようにして設けられたものであってもよい。
従来は廃液導入口部の長さ分以上の後方に廃液吸収部が略長方形に設けられていたが、本実施の形態における第2の容器ケース5では、上記のように、内壁5cの主要部5hができるだけ前方になるように設けられ、さらに、廃液導入口部5fができるだけ端部近くに設けられ、斜めに設けられた内壁の一部5jは短くて済むので、内壁5cに囲まれる内部空間を広くすることができ、従来の液体収容容器(インクカートリッジ)に比べて、廃液吸収部20の収容量を大きくすることができる。
そして、図8に示すように、内部空間5dに廃インクを浸透吸収するシート状の吸収材17が装填される。この吸収材17は、第2の容器ケース5の内壁5cの内側に嵌り込む大きさ及び厚さを有している。即ち、斜めに設けられた内壁の一部5jに沿うように、長方形の一つの角を斜めに切断された部分17aを有する形状となっている。本実施の形態では、前述のように、廃液導入口部5fができるだけ端部近くに設けられることにより、この切断部分は小さくなるので、切断による吸収材17の体積減少は少なくて済む。
このような形状に吸収材17を製造することは、長方形に成形された吸収材の一つの角を斜めに切断する工程のみで済むため、例えば、中央部付近をくり抜くなど、複雑な形状の場合に抜き工程が必要であるのに比べると容易に加工でき、コストを低減できる。
さらに、図9に示すように、吸収材17を第2の容器ケース5に装填した際に、この斜めにカットした部分17aと内壁5jとの間に隙間Gができるような吸収材17の形状が好ましい。この隙間Gがあることにより、廃液導入口部5fの後端開口5iから導入された廃インクと接する部分の吸収材17の面積が広くなり、スムーズに廃インクを吸収することができる。
内部空間5dは、図9に示したように吸収材17を装填した後、図10に示すように内壁5cの頂面にフィルム18を熱溶着することで、密閉された区画室19に形成され、吸収材17に浸透吸収された廃インクが外部に漏れないようになる。
即ち、第2の容器ケース5と、第2の容器ケース5の内壁5cに接合されて区画室19を画成するフィルム18と、区画室19に装填されたシート状の吸収材17とで、廃インクを吸収する廃液吸収部(廃インク吸収部)20が形成されている。
フィルム18は、長方形状を有しており、例えば、ポリスチレン、ゴム系素材、PET等から形成されている。そして、フィルム18は、その周縁部分が前記内壁5cの頂面に熱溶着されることにより内壁5cの内側空間(内部空間5d)を封止するようになっている。本実施の形態では、図10に示すように、斜めの領域を可能な限り小さくできるので、フィルム18は単なる長方形でも皺などを生ずることなく溶着が可能である。
また、図10に示すように、フィルム18には区画室19内への空気導出口としての孔23が一つ設けられている。この孔23が設けられているため、廃インクをスムーズに流入させる事が可能となる。
また、本発明に係る液体収容容器の用途は、上記実施の形態に示したようにインクジェットプリンタに供給するインクを貯留するインクカートリッジに限らない。
例えば、適宜液体を噴射処理する液体噴射処理装置に装着される液体収容容器として、広く応用することができる。
また、本発明に係る液体収容容器となる液体収容容器の具体的構造も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更可能である。
例えば、吸収材17は、廃液導入口部5fを避ける形状であればよく、上記実施の形態の図7に示した斜めにカットされた形状に限らない。また、区画室19の通気用にフィルム18に装備する孔23の個数も、上記実施の形態に示した単一の孔に限らず、必要に応じて、適宜数に増加することができる。
本発明に係る液体収容容器を備えたインクジェットプリンタの一例を示す概念図である。 本発明に係る液体収容容器の一実施の形態の正面図である。 図2に示した液体収容容器のB矢視図である。 図3に示した液体収容容器のC矢視図である。 図2に示した液体収容容器の液体収容部を形成している第1の容器ケースの斜視図である。 図2に示した液体収容容器の廃液吸収部を形成している第2の容器ケースに吸収材が装填される前の斜視図である。 図6のD−D断面図である。 図6に示した第2の容器ケースに吸収材が組み付けられる状態の分解斜視図である。 図6に示した第2の容器ケースに吸収材を装填した状態の斜視図である。 図9に示した吸収材を装填した第2の容器ケースにフィルムを溶着した後の状態の斜視図である。
符号の説明
1…液体収容容器、3…第1の容器ケース、4…位置決め孔、5…第2の容器ケース、3f…廃液用開口、5c…内壁、5f…廃液導入口部、5g…先端開口、5h…内壁の主要部、5i…後端開口、5j…内壁の一部、17…吸収材、18…フィルム、20…廃液吸収部(廃インク吸収部)、

Claims (5)

  1. 液体を貯留する液体収容部と、廃液を吸収する廃液吸収部と、前記液体収容部を収納している第1の容器ケースと、前記廃液吸収部を収納している第2の容器ケースと、を有する液体収容容器であって、
    前記第1の容器ケースの液体取り出し口が対向する側壁は、
    前記液体取り出し口の先端開口を臨ませる開口と、
    廃液用開口と、を有し、
    前記廃液用開口は、前記液体取り出し口よりも前記側壁の端部側に設けられ、
    前記第2の容器ケースは、前記廃液吸収部の内部空間を形成する内壁及び主壁部と、廃液を導入するための廃液導入口部と、を有し、
    前記廃液導入口部は、前記廃液用開口に対向する位置にその先端開口が設けられ、
    前記内壁のうち、廃液導入口部側の内壁は主要部が前記第2の容器ケースの側壁と略平行に設けられ、かつ前記主要部の延長線が前記廃液導入口部の後端開口と先端開口との間を通るとともに、前記内壁の一部が前記廃液導入口部を避けるように設けられていることを特徴とする液体収容容器。
  2. 前記内壁の一部は、前記廃液導入口部を避けるように斜めに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
  3. 前記第1の容器ケースは、液体噴射装置の装着部に装着するための一対の位置決め孔を有し、前記一対の位置決め孔は前記液体取り出し口をはさんで前記側壁の端部側に設けられるとともに、
    前記廃液用開口は、前記位置決め孔よりも前記側壁の端部側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体収容容器。
  4. 前記内部空間に装填される吸収材は、前記第2の容器ケースの内壁の内側に嵌り込む大きさ及び厚さを有する形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体収容容器。
  5. 前記廃液導入口部を避けるように設けられた内壁の一部と、該内壁の一部と対向する前記吸収材の端面との間に隙間があることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体収容容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11157099A (ja) * 1997-11-26 1999-06-15 Seiko Epson Corp インクカートリッジ
JP2004142128A (ja) * 2002-10-22 2004-05-20 Seiko Epson Corp 液体容器及び液体噴射装置
JP2005007893A (ja) * 2004-09-01 2005-01-13 Seiko Epson Corp 回路基板の端子

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